JP2001502250A - フライス削り用の工具と切削差込み工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、正面フライス削り用の工具及び切削差込み工具に関する。工具は、フライス盤内で回転するフライス本体を備えている。フライス本体は、４角形、５角形又は６角形の切削差込み工具（11）を受け入れる多数の座部を備えている。この切削差込み工具は、２つの本質的に平行な側面を備えると共に、それらを結んでいる端面を備えており、かつ切削差込み工具の側面と端面との移行部に形成される多数の切れ刃ペアを備えている。側面は、切り屑面を構成し、端面は、逃げ面を構成している。各々の切れ刃ペアは、主切れ刃（15）と副切れ刃（16）とよりなり、これらは、２等分線（Ｂ）を有する切削角部（17）の領域で交わっている。副切れ刃は、工作物（40）上に表面を形成するのに設けられている。関連する主切れ刃（15）と副切れ刃（16）とは、２等分線（Ｂ）の一方の側で、同じ側に設けられている。２つの副切れ刃は、２等分線（Ｂ）の近辺で互いに接続しており、前記副切れ刃（16）は、正面フライス削り工具の回転軸に実質的に垂直に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】 フライス削り用の工具と切削差込み工具 本発明は、独立形式請求項の前文に記載されているような正面フライス削り用 の工具及び切削差込み工具に関する。 従来の技術 上記表題の型の工具と切削差込み工具は、英国特許第951624号により従来公知 であり、これによれば、工具は、切削差込み工具の作用角部の全ての切れ刃が、 機械加工作業中に工作物に作用するようになっている。このことは、角部の全て の切れ刃が同時に摩耗し、それにより例えば新しい切れ刃の４角形の切削差込み 工具は、せいぜい８つの位置に割り出されることを意味している。米国特許第4, 616,962号は、４つの切れ刃をもつフライス削り差込み工具を開示している。 発明の目的 本発明の目的は、少なくとも16の新しい切れ刃が利用できる正面フライス削り 用工具を提供することである。 本発明の別の目的は、経済的に有利に利用できる多くの切れ刃をもつ正面フラ イス削り用切削差込み工具を提供することである。 本発明の更に別の目的は、切り屑をほとんど表面に接触させず、その結果切り 屑と切削差込み工具との低い摩擦係数ですむような方向に切り屑をそらすために 改良された別の実施の形態の切削差込み工具を提供することである。 これらの及びその他の目的は、添付の図面を参照した、請求項に 記載の正面フライス削り用の工具及び切削差込み工具により達成されるであろう 。 図面の簡単な説明 図１は、本発明の４角形の切削差込み工具の平面図である。図２は、この切削 差込み工具の側面図である。図３Ａは、図１の線III−IIIで切断した切削差込み 工具の断面図であり、図３Ｂは、図３Ａの切削角部の拡大断面図である。図４は 、図１の線VI−VIで切断した切削差込み工具の断面図である。図５は、本発明の 別の実施の形態の４角形の切削差込み工具の平面図である。図６は、この別の実 施の形態の切削差込み工具の側面図である。図７は、図５の線VII−VIIで切断し た別の実施の形態の切削差込み工具の断面図である。図８は、本発明の工具の側 面図である。図９と10は、切削差込み工具の作用側面の平面図であって、２つの 別の実施の形態の工具の作用角部の拡大図である。図11は、本発明の更に別の実 施の形態である切削差込み工具の平面図である。 発明の詳細な説明 図１〜４及び９には、本発明の正面フライス削り用切削差込み工具11が示され ている。この切削差込み工具は、焼結され、好ましくは被覆された超硬合金の母 材よりなっており、多角形、この場合では４角形の基本形状を有している。代っ て、切削差込み工具は、５角形でも又は６角形でもよい。切削差込み工具11は、 ２つの本質的に平行な側面12，13を備えると共に、それらを結合している端面14 Ａ〜14Ｄを備えている。側面13は、側面12と同一であり、それ故これ以後一側面 のみで説明する。切削差込み工具11は、負の（ネガティブ）外形を有し、即ち端 面が垂直に側面結合している。しかしな がら、切削差込み工具が、２倍の正の（ポジティブ）外形、即ち端面14Ａ〜14Ｄ の中央の外周を凹状とすることで、各々の端面が関連する側面とで鋭角を形成す る、外形を有することも、本発明の範囲内で可能である。切れ刃15，16は、端面 14と交差する側面12の領域に形成される。２つの隣接する端面、例えば14Ａと14 Ｂとの間の切削角部17には、実質的に平坦か又はやや上反りした斜面（ベベル面 ）18Ａと18Ｂとが設けられている。切削角部17の２等分線Ｂの回りのそれぞれの 斜面18と交差する側面12の領域に配置された刃部は、副切れ刃と称されている。 前記刃部は、フライス削り工具の回転軸に垂直に生成されるか又は配置される工 作物の表面に平行に配置されることによって、正面フライス削り作業中に工作物 40上にその表面を生成する。切り屑の形に材料の主要な部分を切削するようにさ れた残りの刃部は、主切れ刃と称される。１つの主切れ刃と１つの副切れ刃のみ が、同時に係わるようになり、それによりこれらの２つの刃がペアで作用する。 副切れ刃16は、関連する主切れ刃15とで鋭角の外角αを形成している。角度αは 、38°〜42°の範囲で、好ましくは約40°である。 主切れ刃15は、図３Ｂに示される切り屑をひっくり返す（チップ−アップセッ ティング）面又は第１の面取り（ベベル）19に内方につながっており、この面取 り19は側面12の最も外周の部分を構成している。主切れ刃16が出来るだけ鋭くか つ容易に切削するので、第１の面取りは負に角度付けされ、切削角部17に沿って 延在していないが、代りに切れ刃16上に適当なエッジ半径が選択される。第１の 切り屑形成面20は、切り屑をひっくり返す面19の内側に位置している。図４に示 されている第２の切り屑形成面21は、正面フライス削り作業中に切り屑を形成す るため、第１の切り屑形成面20よりも狭い。側面21には、有利な切り屑を更に形 成し、切削角部をもっとも 良好に支持するため、２等分線Ｂのまわりを対称的に領域22が設けられる。 主切れ刃16が平面内で側面と平行で、関連する側面のやや下方に設けられるこ とは、側面図から明らかである。主切れ刃16は、関連する主切れ刃15と半径Ｒ１ でつながっている。代りに半径Ｒ１は、数多くの平面ファセットにより代えられ る。“関連した主切れ刃と副切れ刃”の表現は、ここでは、これらの切れ刃がフ ライス削り加工中に協働し、それらが互いに半径により物理的につながっている ことを意味している。副切れ刃16をつなぐことは、170°の大きさの鈍角の内角 εを形成し、副切れ刃は２等分線のまわりを鏡像（左右対称）にされている。各 々の副切れ刃は、逃げ面上の実質的に平坦な斜面につながっている。 隣接した斜面は、線Ｅに沿って結合しており、この線は２等分線の平面と一致 している。切削差込み工具がフライス本体に負に取り付けられているが、主切れ 刃15は、やや正の軸角度を形成するために、半径Ｒ２で凹状に曲がっている。半 径Ｒ２は切削差込み工具の側面の長さＬよりも大きい。主切れ刃と関連した側面 の平面との最大の間隔は、主切れ刃の中央Ｍであり、前記間隔は１mmより小さく 、0.4mmより大きい。 最適な方法で全ての16の切れ刃ペアを使用可能にするには、主切れ刃15は、長 手方向の延長部の半分以下、即ち切削差込み工具の中間まで、が使用されるべき である。これは、切削深さＡが切削差込み工具の側面の長さＬの半分を超えるべ きでない、即ち切削深さが最大でＡ＝Ｌ／２×sinKであるべきであることを意味 している。ここでＫは設定角度である。 図５〜７を参照すると、本発明の正面フライス削り用の切削差込み工具11’の 別の実施の形態が示されている。この別の実施の形態 では、同様の細部は同じ番号で示されている。この切削差込み工具11’は、前述 の切削差込み工具とは、切削差込み工具11’の角部を除いて切り屑形成面20’に 多数の凹部23’を備えている点で変えられており、この凹部は、関連する主切れ 刃15’に沿って分離していて、関連する主切れ刃15’に対して本質的に横方向に 延びている。この凹部は、切削差込み工具の中央線の回りにグループ当り７個又 はそれぐらいの数でのグループで設けられている。切り屑形成面20’の凹部23’ 間には、山部24’（クレスト）が位置しており、前記山部24’は、関連する主切 れ刃15’に沿う方向で凹部23’を架橋している。凹部23’は、切れ刃15’に垂直 に延在しているのではなく、それらは、図５に示されるように関連する切れ刃15 ’に垂直な線とで鋭角βを形成している。角度βは、５°〜55°の範囲にあり、 好ましくは10°〜20°の範囲にある。角度βの好ましい値は、15°の大きさであ る。切り屑形成器のこの型式をもつ利点は、ほとんど見えないかなりの熱が切り 屑から切削差込み工具に伝達され、それにより塑性変形及び／又は拡散摩耗のよ うな切れ刃15’の高温に関係する問題が避けられることである。このことは、切 れ刃の摩耗を限られたものとし、その結果高温でも良好な工具寿命が確保される 。切り屑形成のそのような型式は、米国特許第5,074,720号にさらに詳しく記載 されている。 図８には、本発明の正面フライスが示されており、これは、フライス盤内で回 転するようにされたフライス本体30を含んでいる。このフライス本体は、４角形 、５角形又は６角形の切削差込み工具を受け入れる多数の座部を備えている。調 整装置31が、挿入ポケット部内で切削差込み工具の精密な調整を容易にするため に設けられている。切削差込み工具は、精密な調整の後に、クランプにより公知 の方法で締結される。図から明らかなように、関連する主切れ刃15 と副切れ刃16とは、２等分線Ｂの一方の側で、かつ同じ側に設けられ、２つの副 切れ刃は、２等分線Ｂの近辺又は極く近辺で互いに接続している。作用副切れ刃 16は、正面フライスの回転軸CLに実質的に垂直に配置されている。一方の副切れ 刃16Ａが工作物上に表面を形成する一方で、他方の切れ刃16Ｂは、前記表面とで 逃げ角を形成することによって、工作物の表面から離れている。工具は、最大で 42°の設定角Ｋを有している。主切れ刃15は、切り屑の形で機械加工される材料 の主要な部分を切削するのに設けられており、そのため、切り屑をひっくり返す （チップ−アップセッティング）面19により補強されている一方で、副切れ刃16 Ａは、仕上切れ刃を構成し、そのため主切れ刃15よりもより鋭くなっている。 図８と10には、それぞれ切削差込み工具11と11’とが、工作物と係わった状態 で示されている。工具は、約40°の設定角Ｋ，Ｋ’で作用している。 図11は、５角形の切削差込み工具11’を示しており、ここでは、設定角Ｋ”は 、15°〜30°の範囲で、好ましくは20°〜25°の範囲で選択される。切削差込み 工具11”は、20ペアの切れ刃を有している。 このように本発明は、少なくとも16の新しい切れ刃が利用できる正面フライス 削り用の工具及び切削差込み工具に関する。この切削差込み工具は、１方の回転 方向で用いられる、少なくとも８ペアの切れ刃と、反対の回転方向で用いられる 少なくとも８ペアの切れ刃とを有しており、このことが経済的に有効な利用を可 能としている。 本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、切削差込み 工具の基本形状は、５角形でも又は６角形でもよい。 加えて凹部23’は、同様の形をした突出部に代えてもよい。他の観 点においてもまた、本発明は請求の範囲の範囲内で自由に変更が可能である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．正面フライス削り用切削差込み工具であって、 この切削差込み工具が、４角形、５角形又は６角形の基本形状を有していて、 前記切削差込み工具（11；11’；11”）が、２つの本質的に平行な側面（12，13 ；12’，13’）を備えると共にそれらを結んでいる端面（14Ａ〜14Ｄ；14Ａ’〜 14Ｄ’）を備え、かつ切削差込み工具の側面（12，13；12’，13’）と端面（14 Ａ〜14Ｄ；14Ａ’〜14Ｄ’）との移行部に形成されている多数の切れ刃ペアを備 えており、前記側面が切り屑面を、前記端面が逃げ面をそれぞれ構成していて、 前記切れ刃ペアの各々が、主切れ刃（15；15’）と、２等分線（Ｂ；Ｂ’）を有 する切削角部（17；17’）の領域で交わっている副切れ刃（16；16’）とを備え ており、前記副切れ刃が、工作物（40）上に表面を形成するように設けられてい るところの切削差込み工具において、 関連する主切れ刃（15；15’）と副切れ刃（16；16’）とが、２等分線（Ｂ； Ｂ’）の一方の側でかつ同じ側に設けられており、かつ２つの副切れ刃が２等分 線（Ｂ；Ｂ’）の近辺で互いに接続しており、この互いに接続している副切れ刃 （16；16’）が、鈍角の内角（ε；ε’）を形成していることを特徴とする切削 差込み工具。 ２．切削差込み工具（11；11’）が少なくとも16の切れ刃ペアを備えており、 かつ関連する主切れ刃（15；15’）と副切れ刃（16;16’）とが、第１の鋭角の 外角（α；α’）を形成し、前記角度が38°〜42°の範囲内、好ましくは約400 であることを特徴とする請求項１に記載の切削差込み工具。 ３．鈍角の内角（ε；ε’）が170°の大きさ内であり、かつ副切れ刃（16；1 0’）が２等分線（Ｂ；Ｂ’）の回りで鏡像（左右対 称）とされ、各々の副切れ刃（16；16’）が、逃げ面上の実質的に平坦な面取り 面（18Ａ〜18Ｄ；18Ａ’〜18Ｄ’）に接続し、ここで隣接する面取り面が、２等 分線の平面と一致する線（Ｅ；Ｅ’）に沿って接続していることを特徴とする請 求項１又は２に記載の切削差込み工具。 ４．副切れ刃（16；16’）が、切り屑をひっくり返す面(チップ−アップセッ ティング面)(19；19’)により切り屑面内の第１の凹状切り屑形成面（20；20’ ）に主切れ刃を接続することによって、主切れ刃（15；15’）より鋭い一方で、 副切れ刃が直接に第２の凹状切り屑形成面（21；21’）に接続していることを特 徴とする請求項１，２又は３に記載の切削差込み工具。 ５．相互に分離し、切れ刃に沿いかつその内側に位置する多数の凹部（23’） 又は突出部が、第１の凹状切り屑形成面に設けられ、かつこの凹部（23’）又は 突出部が、関連する切れ刃（15’）に垂直な線とで一定の角度（β）を形成する 方向で、長手方向に延在し、前記角度（β）が、５°〜55°の範囲で、好ましく は10°〜20°の範囲で、最も好ましくは約15°であることを特徴とする請求項４ に記載の切削差込み工具。 ６．フライス盤内で回転するフライス本体（30）を備えている正面フライス削 り工具であって、 このフライス本体が、４角形、５角形又は６角形の切削差込み工具を受け入れ る多数の座部を備えており、前記切削差込み工具が、２つの本質的に平行な側面 （12，13；12’，13’）を備えると共に、それらを結んでいる端面（14Ａ〜14Ｄ ；14Ａ’〜l4Ｄ’）を備え、かつ更に切削差込み工具の側面（12，13；12’，13 ’）と端面（14Ａ〜14Ｄ；14Ａ’〜14Ｄ’）との移行部に形成されている多数の 切れ刃ペアを備えており、前記側面が切り屑面を、前記端面が逃げ 面をそれぞれ構成し、前記切れ刃ペアの各々が、主切れ刃（15；15’）と、２等 分線（Ｂ；Ｂ’）を有する切削角部（17；17’）の領域で交わっている副切れ刃 （16；16’）とを備えていて、前記副切れ刃が工作物（40）上に表面を形成する ために設けられているところの正面フライス削り工具において、 関連する切れ刃（15；15’）と副切れ刃（16；16’）とが、２等分線（Ｂ；Ｂ ’）の一方の側でかつ同じ側に設けられ、かつ２つの副切れ刃が２等分線（Ｂ； Ｂ’）の近辺で互いに接続し、副切れ刃（16；16’）が正面フライス削り工具の 回転軸に実質的に垂直に配置されていることを特徴とする正面フライス削り工具 。 ７．切削差込み工具（11；11’；11”）が少なくとも16の切れ刃ペアを備えて おり、かつこの工具が、最大で42°である設定角度（Ｋ；Ｋ’；Ｋ”）を有して いることを特徴とする請求項６に記載の正面フライス削り工具。 ８．互いに接続している２つの副切れ刃（16；16’）が鈍角の内角（ε；ε’ ）を形成しており、ここで副切れ刃の一方が工作物上に表面を形成し、副切れ刃 の他方が、前記表面とで逃げ角を形成することによって、工作物の前記表面とは 離れていることを特徴とする請求項６又は７に記載の正面フライス削り工具。 ９．主切れ刃（15；15’）が、切り屑の形に切削される材料の主要な部分を切 削するのに設けられており、かつ副切れ刃（16；16’）が主切れ刃（15；15’） より鋭いことを特徴とする請求項６，７又は８に記載の正面フライス削り工具。 10．相互に分離し、切れ刃に沿いかつその内側に位置した多数の凹部（23’） 又は突出部が、第１の凹状切り屑形成面（20’）に設けられており、かつこの凹 部（23’）又は突出部が、関連する切れ刃（15’）に垂直な線とで一定の角度（ β）を形成する方向で、長 手方向に延在し、前記角度（β）が、５°〜55°の範囲で、好ましくは10°〜20 °の範囲で、最も好ましくは約15°であることを特徴とする請求項９に記載の正 面フライス削り工具。