JP2001500214A - 液体を制御する弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、液体を制御する弁であって、弁を操作するために液体を満たされた連結室（３０）が設けられており、該連結室（３０）が、ピエゾアクチュエータ（３２）のアクチュエータピストン（３１）と弁部材（２２）を操作するピストン（２５）との間に配置されている。漏れのおそれを減少させるために、間に連結室（３０）を閉じ込めている両ピストン（２５，３１）に、圧着圧上昇装置（３５）が設けられており、該圧着圧上昇装置（３５）が、アクチュエータピストン（３１）の端面領域における拡開及び／又はピストン部材（２２）を操作するピストン（２５）の端面領域における拡開を可能にするようになっている。本発明による弁は、自動車の内燃機関のための燃料噴射装置において使用するのに適している。

Description

【発明の詳細な説明】 液体を制御する弁 背景技術 本発明は、請求項１の上位概念部に記載の液体を制御する弁に関する。このよ うな弁は、ヨーロッパ特許公開第０４７７４００号明細書によって公知である。 この公知の弁では、弁部材の操作ピストンは、段付孔の小径部分において密に摺 動可能に配置されており、それに対して、ピエゾアクチュエータによって運動さ せられる直径の大きなピストンは、段付孔の大径部分内に配置されている。両方 のピストンの間にはハイドロリック式の室が形成されていて、大きなピストンが アクチュエータによって規定の運動距離だけ運動させられた場合に、弁部材の操 作ピストンは、段付孔直径の伝達比だけ増大された距離を運動させられる。弁部 材、操作ピストン、大径のアクチュエータピストン及びピエゾアクチュエータは 、共通の軸線上に相前後して位置している。 このような弁では連結室内における圧力は極めて大きいので、連結室は半径方 向に拡大し、そして容易に漏れが生じてしまう。このような漏れが生じると、連 結室を画定している両ピストンを再びその本来の間隔にもたらすために、連結室 には液体が補充されねばな らない。 発明の利点 請求項１の特徴部に記載のように構成された本発明による制御弁には、公知の ものに比べて漏れが減じられるという利点がある。別の利点としては、本発明に よる解決策が簡単でかつ安価であるということが挙げられる。請求項２以下には 、種々異なった使用例のために有利な構成が記載されている。 図面 次に図面につき本発明の有利な実施例を説明する。 第１図は、燃料噴射弁の断面図である。 第２図は、連結室の可動の壁として働きかつ端面側に孔を備えたピストンを示 す図である。 第３図は、連結室におけるピストン配置形式を示す図である。 第４図は、他の連結室におけるピストン配置形式を示す図である。 第５図は、他の形に成形された端面側の切欠きを示す図である。 第６図は、プレス嵌めされたリングを備えたピストンを示す図である。 第７図は、ピストンにおける他のリング室配置形式を示す図である。 第８図は、他のリング形状を示す図である。 実施例の記載 本発明による弁は、第１図において主要部分が断面図で示されている燃料噴射 弁において使用される。この噴射弁は弁ケーシング１を有しており、この弁ケー シング内で長手方向孔２において弁ニードル３が案内されている。弁ニードルは その一方の端部に円錐状のシール面４を有しており、このシール面４は、弁ケー シングの、燃焼室に突入している先端５において弁座６と共働し、この弁座６か らは噴射開口が延びている。これらの噴射開口は、噴射弁の内部を、図示の実施 例では、弁ニードル３を取り囲んでいて噴射圧下にある燃料を満たされたリング 室７を、燃焼室と接続しており、これによって、弁ニードルがその弁座から持ち 上がった場合に、噴射が実施される。リング室は別の圧力室８と接続されており 、この圧力室８は常に圧力導管１０と接続されており、この圧力導管１０を介し て、燃料噴射弁には燃料高圧アキュムレータ９から噴射圧下における燃料が供給 される。この高い燃料圧は圧力室８においても作用し、かつそこで圧力肩部１１ に対して作用し、この圧力肩部１１を介して公知の形式でノズルニードルは、適 宜な条件下でその弁座から持ち上げられることができる。 弁ニードルはその他方の端部においてシリンダ孔１２内において案内されてお り、そこで端面１４で制御圧力室１５を閉鎖しており、この制御圧力室１５は絞 り接続部１６を介して常にリング室１７と接続されて おり、このリング室１７は圧力室８のように常に燃料高圧アキュムレータと接続 されている。軸方向で制御室１５からは絞り孔１９が、制御弁２１の弁座２０に 延びている。この弁座２０とは制御弁２１の弁部材２２が共働し、この弁部材２ ２は持ち上げられた状態において、制御圧室１５と放圧室との間における接続部 を生ぜしめる。 弁部材２２は圧縮ばね２４によって閉鎖方向に向かって、つまり弁座２０に向 かって負荷され、その結果制御弁のノーマル位置において制御圧室１５のこの接 続部は閉鎖されている。制御圧室の領域における弁ニードルの端面側の面積は圧 力肩部１１の面積よりも大きいので、圧力室８において存在しているのと同じ、 制御圧室における燃料圧は、いまや弁ニードルを閉鎖位置に保つ。しかしながら 弁部材２２が持ち上げられている場合には、制御圧室１５における圧力は絞り接 続部１６の絞り作用に基づいて放圧される。閉鎖力が存在しない場合に弁ニード ルは迅速に開放し、また、弁部材２２が再び閉鎖位置に達するやいなや、弁ニー ドルは閉鎖位置にもたらされることができる。この時点から絞り１６を介して迅 速に、本来の高い燃料圧が制御圧室１５において再び形成される。 本発明による制御弁は、その操作のために規定されたピストン２５、つまり制 御弁を操作するために働くピストン２５を有しており、このピストン２５は弁部 材２２に作用する。ピストン２５は案内孔２８内において密に案内されていて、 その端面２９で連結室３０を画定しており、この連結室３０はその対向して位置 している壁において、大径のアクチュエータピストン３１によって閉鎖されてお り、このアクチュエータピストン３１はピエゾアクチュエータ３２の一部である 。両ピストン２５，３１はそれぞれ孔において密に案内されている。連結室３０ は両ピストン２５，３１の異なったピストン面積に基づいて圧力変換室として働 き、この場合圧力変換室は、ピエゾアクチュエータピストン３１の構造的に条件 付けられた小さな行程を、制御弁２１を操作するピストン２５の大きな行程に変 換する。 この圧力変換時に連結室３０においては極めて高い圧力が発生する。この負荷 にもかかわらず、許容不能に高い漏れ損失がピストン案内部に沿って生じないよ うにするために、ピストン２５及び場合によってはアクチュエータピストン３１ にはその端面に、圧着圧を高めるために機能する盲孔３３の形をした各１つの圧 着圧上昇装置３５が設けられている。 連結室３０内には圧力が存在している。外側の力と内側の力との圧力差から、 連結室３０における圧力に関連してピストンの拡張能力が生ぜしめられる。第２ 図には、圧力作用時に圧力経過がどのように進むかが、ベクトル３６によって示 されている。この第２図か ら分かるように、端面２９の領域において、ピストンの変形可能性ひいてはこの 変形に起因するピストンの拡大が最大である。ピストン２５の拡大によってシー ル力が生ぜしめられ、このシール力は、最大のシール問題が発生する端面近傍に おいて最大である。圧力によって広げられたピストン２５の周面は符号３７を付 けられている。第２図から分かるように、本発明による圧着圧上昇装置３５を用 いて確実な漏れ減少が達成されている。 第３図には、連結室３０が２つのピストン２５，３１と共に示されており、こ の両ピストン２５，３１にはそれぞれ盲孔３３，３４が設けられている。両ピス トン３３，３４は同じ軸線上に位置している。第４図に示されているように、構 造高さを節減するために、両方のピストンの軸線は互いに平行にずらされていて もよい。第４図では連結室は符号３９で示されている。 第５図から分かるように、円筒形の盲孔３３；３４の代わりに圧着圧上昇装置 ４０として凹面状の切欠き４１を、ピストン４２の端面２９に設けることも可能 である。 第２図〜第５図に示された構造形式とは異なり、第６図に示された構造形式で は、ピストン４３はそのピストンヘッド４４に、プレス嵌めされた有利には締ま り嵌めされたリング４５を取り付けられている。この リング４５は端面側に、中空円筒形に形成された内部切欠き４６を有しており、 その結果リング円筒形の縁部４７が生ぜしめられており、この縁部４７はリング シールリップの形式で比較的容易に拡大可能である。これによって第６図の実施 例では圧着圧上昇装置４８が生ぜしめられている。 このようなピストン４３が油圧を負荷されると、この圧力は内部切欠き４６内 においても作用する。そして縁部４７は拡大され、ピストンを案内するシリンダ 壁を押圧する。このようにしてこの実施例においても圧着圧上昇装置によって確 実な漏れ減少を達成することができる。 第７図に示された実施例においてもリング４９を使用することが可能であり、 この場合リング４９の、切欠き５０によって生ぜしめられた縁部５１は内側に位 置している。この実施例では切欠き５０は外側に位置しており、連結室５３から の圧力媒体は、構造に基づいて生ぜしめられる連結室５３の直径拡大によって切 欠き５０内に達する。したがって、このような構成においても圧着圧の上昇ひい ては漏れの減少を達成することができる。 第８図には、ピストンリングのようにスリットを備えたリング５４が示されて おり、このリング５４は外側が円筒形であり、その内側リング面５５は、連結室 ５６から外側に向かって増大する横断面を有しており 、つまり円錐形に形成されている。したがって第８図の実施例では内側リング面 ５５が圧着圧上昇装置５７を形成している。 連結室５６における圧力上昇時に、圧力が室５８内に達し、そこでリング５４ の内側リング面５５に作用し、その結果リング５４は拡大して、シリンダ壁に密 に接触する。アクチュエータピストン５９における漏れは、このような構造にお いても減少する。 以上述べたことから分かるように、本発明による圧着圧上昇装置３５，４０， ４８，５２，５７は簡単な手段で安価に製造可能であり、その多種多様な構成可 能性に基づいて対応する取付け条件に容易に適合可能である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＣＮ，ＪＰ，ＫＲ，Ｒ Ｕ，ＵＳ (72)発明者 ロガー ポーチン ドイツ連邦共和国 Ｄ―74336 ブラッケ ンハイム フリーダーシュトラーセ 19 (72)発明者 クラウス―ペーター シュモル ドイツ連邦共和国 Ｄ―74251 レーレン シュタインスフェルト リヒャルト―ヴァ ーグナー―シュトラーセ ３ (72)発明者 フリードリッヒ ベッキング ドイツ連邦共和国 Ｄ―70499 シユツツ トガルト マインツァー シュトラーセ 27

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. 弁部材（２２）を備えた液体を制御する弁であって、弁部材（２２）が該弁 部材を操作するために規定されたピストン（２５，４２，４３）を有しており、 該ピストン（２５，４２，４３）が圧縮ばね（２４）によって弁部材（２２）の 閉鎖方向において弁座（２０）に接触させるために負荷されており、かつハイド ロリック式の連結室（３０，３９，５３，５６）を可動の壁として閉鎖しており 、連結室（３０，３９，５３，５６）が他方の側において、ピエゾアクチュエー タ（３２）のアクチュエータピストン（３１，５９）によって制限され、該アク チュエータピストン（３１，５９）の作業行程によって、連結室（３０，３９， ５３，５６）における圧力上昇が発生可能であり、該圧力上昇によってピストン （２５，４２，４３）が圧縮ばね（２４）の力に抗して弁開放方向に移動可能で ある形式のものにおいて、アクチュエータピストン（３１，５９）と、弁部材（ ２２）を操作するピストン（２５，４２，４３）との間において閉じ込められた 連結室（３０，３９，５３，５６）が、少なくとも片側に、アクチュエータピス トン（３１，５９）及び／又はピストン（２５，４２，４３）に設けられた圧着 圧上昇装置（３５，４０，４８，５２，５７）を備えてい ることを特徴とする、液体を制御する弁。 2. 圧着圧上昇装置（３５，４０）が、アクチュエータピストン（３１）及び／ 又は弁部材（２２）を操作するピストン（２５，４２）の端面側に同心的に設け られた盲孔（３３，３４，４１）である、請求項１記載の弁。 3. 盲孔（３３，３４）が円筒形である、請求項２記載の弁。 4. 盲孔が凹面状の切欠き（４１）である、請求項２記載の弁。 5. 圧着圧上昇装置（５３）が、ピストンヘッド（４４）に緊締されたリング（ ４５，５４）によって形成されていて、該リング（４５，５４）の端面側に内部 切欠き（４６）が配置されている、請求項１記載の弁。 6. リング（４５）の内部切欠き（４６）が中空円筒形である、請求項５記載の 弁。 7. リング（５４）の内部切欠きが、円錐形の内側リング面（５５）によって形 成されている、請求項５記載の弁。 8. リング（５４）がピストンリングのようにスリットを備えている、請求項７ 記載の弁。