JP2001359210A - ジャンパソケット開放工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジャンパソケットを送電線用引き留めクラン
プから簡単に取り外す工具を提供すること。 【解決手段】 工具１を把持金具２とその側部に結合す
るジャッキ機構３とで構成する。把持金具２は、対向す
る固定把持板６と支持板７との間に可動把持板８を備
え、この可動把持板８にねじ軸９を結合させる。把持板
６，８には、ジャンパソケットのボルト孔に差し込む係
止突起１０を設ける。ねじ軸９の一端は可動把持板８に
回転自在に結合させ、途上で支持板７に螺合させる。ジ
ャッキ機構３は、固定把持板６の外側に突出する移動片
１４と、この移動片１４が途上で螺合するねじ棒１５と
を備える。ねじ棒１５の先端には引き留めクランプ本体
に当てがう受け部材１６を回転自在に設ける。把持金具
２で係止したジャンパソケットの接続部は、ねじ棒１５
を回転させると、把持金具２がねじ棒１５上を引き留め
クランプ本体から離れる方向に移動するので引き離され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、鉄塔径間をわたる
架空送電線同士を鉄塔近傍でジャンパ線で接続するため
に、鉄塔に架空送電線を引き留める引き留めクランプに
ボルト接続されるジャンパソケットをボルトを抜き取り
後に引き留めクランプから引き外すためのジャンパソケ
ット開放工具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】鉄塔径間をわたる架空送電線同士は鉄塔
近傍でジャンパ線で接続される。架空送電線は鉄塔に引
き留めクランプで引き留められ、ジャンパ線はこれに圧
着されたジャンパソケットで引き留めクランプに接続さ
れる。引き留めクランプは、端部に引手を備えた鋼スリ
ーブを内部に有するアルミスリーブから側方に接続板が
延出している。一方、ジャンパソケットは、一端側にジ
ャンパ線を圧着するためのスリーブと、他端側に引き留
めクランプへ接続するための二股状の接続板とを備えて
いる。引き留めクランプの接続板はジャンパソケットの
接続板間に挿入してボルトで一体に締め止められる。

【０００３】落雷や地震などの事故時の送電系統の復旧
工事においては、ジャンパ線を本線から切断して故障区
間を切り離すために、ジャンパソケットを引き留めクラ
ンプから取り外す作業が行われる。従来、ジャンパソケ
ットの取り外し作業は、引き留めクランプ及びジャンパ
ソケットの接続板を固定するボルトを抜き取った後にジ
ャンパソケットを引き留めクランプから引き離してい
る。しかし、ボルトを抜き取っても、接続板相互が堅く
密着しているため、ハンマー等で叩きながら引き離して
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のジャンパソ
ケットの取り外し作業においては、ジャンパソケットが
引き留めクランプから外れ難く、作業効率が悪く、鉄塔
上の高所作業となるから危険を伴うし、復旧に手間がか
かる要因にもなるという問題がある。そこで本発明は、
ジャンパソケットを引き留めクランプから簡単に取り外
すことができ、作業の安全性を向上させると共に、送電
系統内の故障から迅速に復旧させるジャンパソケット開
放工具を提供することを課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、第１の発明においては、鉄塔近傍で架空送電線間に
介在するジャンパ線を圧着し、鉄塔に架空送電線を引き
留める引き留めクランプＣにボルト接続される接続部Ｊ
１を備えたジャンパソケットＪを接続ボルトの抜き取り
後に引き留めクランプＣから引き離すためのジャンパソ
ケット開放工具１において、ジャンパソケットＪの接続
部Ｊ１を把持金具２で係止させ、この把持金具２をジャ
ッキ機構３に相対移動可能に結合し、引き留めクランプ
Ｃに把持金具２を固定して引き留めクランプＣに対して
把持金具２を進退操作するようにジャンパソケット開放
工具１を構成した。第２の発明においては、把持金具２
に、相互間にジャンパソケットＪの接続部Ｊ１を挟むよ
うに間隔を変更可能に対向させた一対の把持片６，８を
設け、ジャンパソケットＪのボルト孔Ｊ２に差し込む係
止突起１０を夫々設けた。第３の発明においては、把持
金具２に回動により把持片の少なくとも一方８を軸方向
に移動させて把持片６，８相互の間隔を変更するボルト
軸９を設けた。第４の発明においては、ジャッキ機構３
を、ねじ棒１５の先端部に引き留めクランプＣへ当てが
う受け部材１６を回動自在に結合し、ねじ棒１５に螺合
してねじ棒１５の回転によりねじ棒１５上を移動する移
動片１４に把持金具２を回動自在に結合した。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図面を参
照して説明する。図１ないし図５において、ジャンパソ
ケット開放工具１は、把持金具２と、ジャッキ機構３と
で構成されている。把持金具２は、断面略コ字状の板フ
レーム４を備えている。板フレーム４は、結合板５の両
端部から固定把持板６と支持板７とが直角に立ち上がっ
て間隔をおいて平行に対向するように構成されている。
固定把持板６と支持板４との間には、可動把持板８がこ
れらにほぼ平行に対向するように配置され、一方の固定
把持板６に螺合するねじ軸９で支持されている。把持板
６，８には、相互間にジャンパソケットＪの接続板Ｊ
１，Ｊ１を挟んで対向したときにボルト孔Ｊ１に対応す
る位置にこれへ差し込まれる係止突起１０が設けられて
いる。ねじ軸９は、一端が可動把持板８に回動自在に枢
着され、可動把持板８から垂直に伸びて、支持板７に螺
合し、他端に円板状の回転ハンドル７ａが固着されてい
る。また、可動把持板８には二本のガイドロッド１１が
垂直に固定されている。このガイドロッド１１は支持板
７を自由に貫通しており、先端に鍔状の第１ストッパ１
１ａを有する。この第１ストッパ１１ａは、可動把持板
８の把持板６側への移動を規制する。支持板７の外面に
は、第１ストッパ１１ａと支持板７との間に出入りして
最大ストローク長を変更することができるストローク調
整板１２がねじ１２ａで固定される。このストローク調
整板１２の固定位置は、長孔１２ｂの範囲で調整され
る。また、板フレーム４の結合板５の内面には、可動把
持板８の把持板６側への移動を規制する第２ストッパ１
３が設けられている。第２ストッパ１３は、結合板５上
に載せ置かれる横板１３と、この横板１３の一端からほ
ぼ直角に立ち上がった縦板１３ｂと、横板１３を結合板
５に固定するためのボルト１３ｃとを備えている。可動
把持板８の端縁には横板１３を自由に貫通させるが縦板
１３ｂの通過を阻止する切欠き８ａが形成されている。
結合板５には、第２ストッパ１３の固定位置を可動把持
板８の移動方向へ変更するためにボルト１３ｃを挿通さ
せる長孔５ａが設けられている。

【０００７】把持金具２の側部にはジャッキ機構３が設
けられている。ジャッキ機構３は、固定把持板６の外側
に突出するように固定された移動片１４と、この移動片
１４が途上で螺合するねじ棒１５を備えている。ねじ棒
１５は、先端に引き留めクランプ本体Ｃを受け入れる受
け部材１６が回動自在に設けられており、他端部に円盤
状の回転ハンドル１５ａが固着されている。受け部材１
６は、引き留めクランプＣ本体の外形に対応する形状に
形成されている。

【０００８】このジャンパソケット開放工具１は、送電
系統の事故時の復旧工事において、引き留めクランプＣ
及びジャンパソケットＪの接続板Ｃ２，Ｊ１を固定する
ボルトを抜き取ってから、ジャンパソケットＪを引き留
めクランプＣから取り外すときに用いる。ジャンパソケ
ット開放工具１においては、ジャンパソケットＪと引き
留めクランプＣとの引き離し作業に当たり、先ず把持金
具２をジャンパソケットＪの接続部Ｊ１に係止する。把
持金具２の可動把持板８と固定把持板６との間隔は予め
広げておき、両者間にジャンパソケットＪの接続部Ｊ１
を挿入し、ボルト孔Ｊ２に係止突起１０を差し込んで把
持金具２を接続部Ｊ１に固定する。可動把持板８は、回
転ハンドル９ａと共にねじ棒９を回転させると、支持板
７にねじ棒８がねじ込まれていくので固定把持板６に接
近していき固定把持板６との間に接続部Ｊ１を挟み込
む。このとき、必要に応じてストローク調整板１２を支
持板７と第１ストッパ１１ａとの間に配置して固定し、
また第２ストッパ１３の位置を固定把持板６側に固定す
ることによりジャンパソケットＪの接続部Ｊ１の厚みが
小さいものに応じて可動把持板７の移動長さを短縮でき
るし、接続部Ｊ１に過大な把持力がかかるのを回避す
る。次に、ジャッキ機構３の受け部材１６を引き留めク
ランプ本体Ｃにその外形に合わせて当てがい、回転ハン
ドル１５ａと共にねじ棒１５を回転させると、ねじ棒１
５上の移動片１４が相対的に移動するので、把持金具２
が引き留めクランプ本体Ｃから離れていき、ジャンパソ
ケットＪを引き留めクランプＣから分離させる。このと
き、回転ハンドル１６に加える回転力は直接ジャンパソ
ケットＪを引き留めクランプＣから引き離す直線的な引
っ張り力より軽くなる。

【０００９】

【発明の効果】以上のように、本発明は、ジャンパソケ
ット及び引き留めクランプの接続板同士が堅く密着して
いても、軽い力で簡単に引き外すことができるので、作
業効率がよく、鉄塔上の高所作業を安全に短時間で遂行
することができ、復旧にかかる時間を短縮することがで
きるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るジャンパソケット開放工具の斜視
図である。

【図２】ジャンパソケット開放工具の平面図である。

【図３】ジャンパソケット開放工具の正面図である。

【図４】ジャンパソケット開放工具の右側面図である。

【図５】ジャンパソケット開放工具の左側面図である。

【符号の説明】

１ ジャンパソケット開放工具 ２ 把持金具 ３ ジャッキ機構 ６ 固定把持板 ７ 支持板 ８ 可動把持板 ９ ねじ軸 １０ 係止突起 １４ 移動片 １５ ねじ棒 １６ 受け部材 Ｃ 引き留めクランプ Ｃ１ 接続板 Ｊ ジャンパソケット Ｊ１ 接続板 Ｊ２ ボルト孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 武 東京都千代田区内幸町１丁目１番３号 東 京電力株式会社内 (72)発明者 手塚 利充 東京都千代田区内幸町１丁目１番３号 東 京電力株式会社内 (72)発明者 永田 一夫 東京都千代田区内幸町１丁目１番３号 東 京電力株式会社内 (72)発明者 小柴 高浩 東京都千代田区内幸町１丁目１番３号 東 京電力株式会社内 (72)発明者 築山 博人 山梨県中巨摩郡玉穂町中楯810番地 三和 テッキ株式会社甲府工場内 Ｆターム(参考） 3C031 EE61 5G367 EA02 EB03 EB08 EF06 JA09

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鉄塔近傍で架空送電線間に介在するジャ
   ンパ線を圧着し、鉄塔に架空送電線を引き留める引き留
   めクランプにボルト接続される接続部を備えたジャンパ
   ソケットを接続ボルト抜き取り後に引き留めクランプか
   ら引き離すためのジャンパソケット開放工具において、 前記ジャンパソケットの接続部を係止する把持金具と、 この把持金具が相対移動可能に結合され、前記引き留め
   クランプに当てがって引き留めクランプに対して把持金
   具を進退操作可能なジャッキ機構とを具備することを特
   徴とするジャンパソケット開放工具。
2. 【請求項２】 前記把持金具は、相互間にジャンパソケ
   ットの接続部を挟むように間隔を変更可能に対向する一
   対の把持片を備え、 この把持片の対向面には、前記ジャンパソケットのボル
   ト孔に差し込まれる係止突起を夫々有することを特徴と
   する請求項１に記載のジャンパソケット開放工具。
3. 【請求項３】 前記把持金具には、回動により前記把持
   片の少なくとも一方を軸方向に移動させて把持片相互の
   間隔を変更するボルト軸を備えていることを特徴とする
   請求項２に記載のジャンパソケット開放工具。
4. 【請求項４】 前記ジャッキ機構は、先端部に前記引き
   留めクランプへ当てがう受け部材が回動自在に結合され
   たねじ棒と、前記把持金具が連結され、ねじ棒に螺合し
   てねじ棒の回転によりねじ棒上を引き留めクランプに対
   して進退可能に移動する移動片とを具備することを特徴
   とする請求項１に記載のジャンパソケット開放工具。