JP2001356209A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法

Info

Publication number
JP2001356209A
JP2001356209A JP2000178359A JP2000178359A JP2001356209A JP 2001356209 A JP2001356209 A JP 2001356209A JP 2000178359 A JP2000178359 A JP 2000178359A JP 2000178359 A JP2000178359 A JP 2000178359A JP 2001356209 A JP2001356209 A JP 2001356209A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
colored layer
layer
image input
light
light source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000178359A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Hirayama
茂 平山
Junichi Saito
純一 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2000178359A priority Critical patent/JP2001356209A/ja
Publication of JP2001356209A publication Critical patent/JP2001356209A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Optical Filters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】転写前の着色層の欠陥検査において、剥離層や
基材からの反射光が、画像情報を妨害することを抑制
し、異物や色ムラ等の欠陥検出の精度を向上させ、良品
のみが転写され廉価に製造する転写方式によるカラーフ
ィルタの製造方法を提供すること。 【解決手段】1転写シート形成、2a)第i光源・画像
入力部をi=1〜nのn個配し、b)第i正反射光を受
光した第i画像入力部からの画像情報と、第i乱反射光
を受光した画像入力部からの画像情報とを処理して、着
色層の欠陥部分を特定する欠陥検査、3接着剤層形成、
透明基材重ね、加圧密着、光照射、剥離、アルカリ現像
除去、をする工程を具備し着色層を転写すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置(以
下LCDという)に使用されるカラーフィルタ(以下C
Fという)の製造方法に関わり、さらに詳細には、アル
カリ現像型の感光性着色組成物から形成されたカラーフ
ィルタパターンを、転写法によって透明基材上に形成す
るカラーフィルターの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記LCDでカラー画像表示を行うため
に、赤(R)、緑(G)、青(B)の光の三原色の分光
特性を有するカラーフィルタを用いる方法が広く採用さ
れており、そのカラーフィルタとしては、染色法や顔料
分散法、または印刷法等によって、有機顔料や有機染料
で着色された樹脂層を、ストライプ状やマトリックス状
に微細配列して、透明基材上に設けたものが用いられて
いる。(M.Tani,et al:”LCD Col
or Filters:Characteristic
s and Future Issues”,SID
95 SEMINAR LECTURE(1995)等
参照) しかし、染色法のカラーフィルターは、可染性の樹脂膜
のパターン化工程と染色工程を別工程で行う必要があ
り、各色の染色後に次色染色用の防染処理も必要となる
ため、工程が煩瑣となり、自動化しにくいという欠点が
あった。
【0003】近年、着色層となる樹脂自体に顔料等の着
色材を混入分散し、その樹脂自体も感光性樹脂化して、
カラーフィルタの作成工程を簡略化することが行われて
いる。この方法では、着色材を混合分散した感光性着色
組成物をガラス等の透明基材に均一な厚さに塗布し、露
光装置でパターン露光することで露光部分と非露光部分
との溶媒に対する溶解性に差異をもたせ後、現像と言わ
れている選択的溶解によって、所望パターン状の着色層
を形成する方法である。この方法によれば、染色法に比
べて工程が簡便であり、自動化した生産ラインでカラー
フィルタを作製し易いと言う利点がある。しかし、この
方法も、ガラス等の透明基材の一枚毎に赤(R)、緑
(G)、青(B)等の所定色数の着色層を繰り返し形成
することでカラーフィルタを作製していることには変わ
りはなく、まだ工程が煩瑣である。
【0004】上記の煩瑣な工程から脱却し、生産効率よ
くカラーフィルタを製造する方法として、ガラス等の透
明基材とほぼ同じ値の熱膨張係数を有する金属シート等
を転写シート基材とするロール状の連続した中間転写媒
体(以下転写シートと言う)を用いて、塗布工程の効率
化や、ガラス等の透明基材の大型化(多面付け)に伴う
製造設備の大型化を避けることが可能となる転写方式に
よるカラーフィルタの製造方法が提案されている。(特
開平7−294717号公報他)
【0005】この転写方式の製造方法によれば、赤
(R)、緑(G)、青(B)等の所定色数を繰り返し形
成する工程は、ガラス等の透明基材の一枚毎に対してで
はなく、ロール状の連続した転写シート基材に対して、
連続して各工程の操作を行えることから、生産効率を向
上させることが可能となる。また、必要なサイズ(例え
ば、モニタ用途の20インチサイズ)の着色層を転写シ
ートとして形成後、必要とされる大型サイズ(例えば、
モニタ用途の20インチサイズを多面付けしたサイズ)
の透明基材に多面付け転写して、カラーフィルタを製造
することにより、着色層のパターン化に関連する設備の
小型化を図れることから、設備費の低減や、露光時の困
難さの低減(マスク−基材間アライメント精度の維持、
露光量均一性の維持等)が可能である。
【0006】一方、従来のLCDの製造におけるよう
に、複数の駆動電極板(例えば、モニタ用途の20イン
チサイズ)を多面付けした大型サイズの透明基材(大型
ガラス基材)に対応して、着色層(20インチサイズ)
を多面付けした大型ガラス基材を作製し、この両大型ガ
ラス基材を貼り合わせてLCDを製造する方法をとる際
に、大型ガラス基材への着色層の形成を大型ガラス基材
上へ直接に形成するとなると、その製造装置である感光
性着色組成物を大型ガラス基材に均一厚に塗布するコー
ター装置、マスクから所用のパターン形状を露光する露
光装置、未露光部を除去する現像装置などのパターニン
グ設備も必然的に大型となる。
【0007】また、大型ガラス基材の使用に伴い、搬送
及び取り扱い装置の大型化や複雑化、工程中破損時の損
害の大きさ等、その他の問題も付随して発生する。これ
らに起因するカラーフィルタの歩留まりの低下が、相乗
的にLCDの収率を悪化させ、高コスト化の原因となり
うる。
【0008】更に、大型ガラス基材上の駆動電極と、大
型ガラス基材上の着色層とは、貼り合わせ時に高い対向
位置合わせの精度が要求されるので、着色層の形成には
高い位置精度が要求される。大型ガラス基材に着色層や
遮光層を多面付けして形成する場合には、多面の着色層
毎に高い位置精度を維持して形成することが不可欠であ
るが、基材の温度膨張による寸法変化や不均一な変動な
どによる位置精度への影響があることから、位置精度の
達成には困難が伴う。
【0009】この問題に対して、前述のように、連続し
た転写シート上に必要なサイズ(例えば、モニタ用途の
20インチサイズ)の着色層を形成するには、必要なサ
イズに適応するコーター装置、露光装置、現像装置など
小型のパターニング設備で十分であり、転写シートの取
り扱いが容易となるので良好な歩留まりを維持すること
にも効果的である。
【0010】さらに、小型の露光装置は、露光範囲内で
の均一光量の保持と、露光時間短縮のための高照度化と
を両立することが比較的容易である。また、露光時に、
カラーフィルタを構成する各色に対応する露光マスク
と、転写シートとの相互の位置調整を行う際、CCDカ
メラ等で双方の基材のアライメントマークを読み取り、
見当合わせを行う自動調整機構も小型なもので十分であ
り、その位置精度の維持が容易となる利点を持つ。
【0011】しかし、これら利点の一方で、転写シート
を用いたカラーフィルタの製造方法においては、着色層
の欠陥検査に問題を含んでいる。 1)例えば、連続する金属シートなどの不透明な基材上
に形成される着色層では、従来法で実施されるガラス基
材上の着色層の抜き取り検査のような、工程途中での検
査、すなわち、透明基材へ転写される前の着色層の欠陥
検査は難しいと言う欠点である。
【0012】2)また、例えば、着色組成物を透明プラ
スチックのシート状透明基材上へ連続塗布する場合に
は、その塗布工程で塗布されたフィルムを裏面から照明
し、目視や検査装置で塗布物の欠陥検査が可能だが、不
透明な基材に於いては、裏面からの照明による検査が困
難であるといった欠点である。
【0013】従来のカラーフィルタの検査装置は,ハロ
ゲンランプ等を透過光光源として用い、カラーフィルタ
の欠陥部分と正常部分との透過光強度差を,CCD等の
カメラからの映像信号差を抽出して欠陥を検出するもの
や、特開平5−288640号公報に開示されるよう
に、正常なカラーフィルタを参照し同一箇所の映像信号
を比較抽出して欠陥を検出するものや、時間毎に出力さ
れる映像信号を直前の映像信号と比較して欠陥を検出す
るもの等が知られている。
【0014】しかし、これらの検査装置の内、透過光光
源を用いるものは当然、転写方式によるカラーフィルタ
の転写前検査には使用出来ないが、反射光光源を用いる
ものであっても、光源とカメラを適当に配置しただけで
は着色層のゴミ等の異物、及び色ムラ等の欠陥などを全
て検出することが難しく、検査で見落とされる欠陥が多
くなる傾向があった。これは,反射光検査では透過光検
査よりも画像コントラストが低いことや、転写方式によ
るカラーフィルタでは,着色層の下の剥離層や、不透明
な基材からの反射光が,着色層からの画像情報を妨害し
易いことが原因である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べたように、
転写シートとして形成した連続したシート状基材上の着
色層を、大型ガラス基材との間に接着剤層を介して、加
圧密着、光照射し、接着剤層を硬化させシート状基材を
剥離して着色層を大型ガラス基材に形成させる転写方法
によるカラーフィルタの製造方法は、従来の大型ガラス
基材の一枚毎に着色層を形成させるカラーフィルタの製
造方法よりも、生産効率が高く、転写までの設備が小型
で済む等の利点はあるが、一方で、シート状基材上への
感光性着色組成物の塗布層や、転写される前の着色層の
欠陥検出が困難であると言う欠点がある。
【0016】しかし、転写シート上の着色層でゴミ等の
異物や色ムラ等の欠陥を有するものを、大型ガラス基材
に転写し、製品形態のカラーフィルタとする事は、結
局、欠陥不良品を製造する事になるので、製造収率は低
下してコスト高となることは避けられず、転写方式によ
るカラーフィルタ製造の利点を生かすことが出来ない。
そこで、本発明の課題とするところは、転写方式による
カラーフィルタの製造方法の利点である生産効率の高
さ、小型のカラーフィルタ製造設備による設備費の低
さ、及びこれらが相乗した低コスト性を生かし、且つ、
転写される前の着色層の欠陥検査において、着色層の下
の剥離層や不透明な基材からの反射光が、着色層からの
画像情報を妨害することを抑制し、異物や色ムラ等の欠
陥検出の精度、及び効率を向上させ、良品のみが透明基
材へ転写されて製造収率の低下によるコスト高を回避し
廉価にカラーフィルタを製造することのできる転写方式
によるカラーフィルタの製造方法を提供することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、1)連続した
シート状基材上に該シート状基材との接着性を有する剥
離層を形成し、該剥離層上に複数色からなる着色層を形
成する転写シート形成工程と、 2)a)該転写シート上の複数色からなるの着色層表面
に立てた法線から、該転写シートの進行方向に第i角度
(θi )傾けた位置に設けた第i光源(Li )と、該転
写シートの逆進行方向に第i角度(θi )傾けた位置に
設けた、第i光源(Li )から入射角(第i角度)(θ
i )で該着色層表面に入射され反射角(第i角度)(θ
i )で正反射される第i正反射光を受光する第i光源
(Li )に対応した第i画像入力部(Ci )とで構成さ
れる第i光源・画像入力部(Li ・Ci )をi=1〜n
のn個配し、 b)上記n個のiの中の少なくとも1個のiの第i光源
(Li )から入射角(第i角度)(θi )で該着色層表
面に入射され反射角(第i角度)(θi )で正反射され
る第i正反射光を受光した第i画像入力部(Ci )から
の画像情報と、第i光源(Li )から入射角(第i角
度)(θi )で該着色層表面に入射され乱反射される第
i乱反射光を受光した第i画像入力部(Ci )以外の画
像入力部からの画像情報とを処理して、該転写シート上
の複数色からなる着色層の欠陥部分を特定し、 c)欠陥部分を有する又は無欠陥部分のみを有する該複
数色からなる着色層の上記転写シートにおける位置情報
を記録し転写装置に伝達する、該複数色からなる着色層
の欠陥検査工程と、 3)該転写シートの複数色からなる着色層上に接着剤層
を形成する接着剤層形成工程と、 4)転写装置にて、上記欠陥検査工程から伝達された上
記転写シートにおける位置情報にもとずき、該転写シー
ト内の無欠陥部分のみを有する複数色からなる着色層の
該接着剤層側に透明基材を重ねる工程と、 5)該接着剤層が任意の厚さになるよう加圧密着する工
程と、 6)該接剤着層を光照射させる工程と、 7)該連続したシート状基材を剥離する工程と、 8)未硬化部分の該接着剤層をアルカリ現像除去する工
程、を具備し、無欠陥部分のみを有する複数色からなる
着色層を透明基材に転写することを特徴とするカラーフ
ィルタの製造方法である。
【0018】また、本発明は、上記発明によるカラーフ
ィルタの製造方法において、前記欠陥検査工程におけ
る、第i正反射光を受光した第i画像入力部(Ci )と
して、n個のiから選択されたiの画像入力部を用い、
欠陥を検出する着色層の色毎、欠陥の種類毎に、光源か
らの光の波長、光源からの光の偏光方向、画像入力方
法、画像情報の処理方法を変化させることを特徴とする
カラーフィルタの製造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明によるカラーフィルタの製造方法に
おいては、シート状基材上に形成された着色層の異物や
色ムラ等の欠陥検査を精度よく、また効率よく行い、無
欠陥の着色層のみを透明基材上に転写することによっ
て、欠陥を含んだカラーフィルタが製造される確率をゼ
ロに近づけることが可能となるものである。これは、カ
ラーフィルタとして使用不能となるレベルの欠陥がある
着色層が高価な材料であるガラス等の透明基材に転写さ
れることにより、透明基材も使用不可となってしまうこ
とを回避するものであり、これにより廉価にカラーフィ
ルタを製造することができるものとなる。
【0020】図1は、本発明における転写シートの一実
施例を示す断面図である。図1に示すように、転写シー
ト(10)は、連続したシート状基材(1)上に下引き
層(12)、剥離層(2)、及び着色層(7)が順次形
成されたものである。(3)、(4)、(5)、(6)
は、各々着色層(7)を構成する着色パターン(赤)、
着色パターン(緑)、着色パターン(青)、着色パター
ン(黒)を示している。
【0021】本発明におけるシート状基材(1)は、高
い効率でカラーフィルタの製造を行うため、転写を連続
して行えるようにロール状の形態のものを用いている。
また、シート状基材は、剥離層(2)の形成や、感光性
着色組成物の塗布、ベークや転写等のカラーフィルタ製
造工程に耐久性を有すると共に、形成した着色層(7)
を透明基材へ転写する工程に於いて、転写時の寸法精度
を維持する上から、透明基材と近似した熱膨張率である
ことが望ましい。さらに、着色層の転写後は、剥離層の
除去、洗浄等の再生工程によって再利用できることが、
コスト面から望ましい。
【0022】上記の条件を満足するシート状基材として
は、LCD用のガラス透明基材が熱膨張率40×10-7
/℃程度の低膨張率ガラスであることから、ほぼ同等の
熱膨張率(40×10-7/℃程度)を有する金属である
鉄〜ニッケル合金、例えば42合金(ニッケル42重量
%、残部鉄)、アンバー(ニッケル36重量%、マンガ
ン微量、残部鉄)等の不透明な金属基材が適当である。
これらの金属板または金属箔は、各工程内での取り扱い
性から、板厚は0.15mm以下、望ましくは0.06
mm〜0.09mmである。さらに、鉄〜ニッケル合金
は、空気中で錆びにくく、保存性が良い点からも繰り返
し使用に適当である。
【0023】シート状基材(1)を光沢化する手段とし
ては、基材の材質にもよるが、例えば、上記の不透明な
金属基材を用いた場合には、基材上にニッケルやクロ
ム、銀等の金属光沢を有する金属を、電解、若しくは無
電解メッキする方法や、バフ研磨やラップ研磨、電解研
磨等を施す方法が挙げられ、これらの方法を単独で若し
くは組み合わせて行うことで不透明な金属基材の表面の
光沢化が可能である。
【0024】下引き層(12)は、必要に応じて設ける
ものであり、転写シート基材と良好な密着性を有すると
共に、剥離層とも良好な密着性を有することが必要なの
で、剥離層と近似した樹脂系を使用することが望まし
く、水溶性樹脂のカゼイン、ポリビニルアルコール、ヒ
ドロキシエチルセルロース等、溶剤可溶性樹脂のアクリ
ル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙
げられる。
【0025】また,下引き層に酸化亜鉛、酸化チタン、
酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の白色顔料や、硫化
亜鉛等の灰色系顔料を混合して分散するか、染料によっ
て着色して用いても良い。この時、顔料の混合や染料の
染色は剥離層、及び転写シート基材と密着性を阻害しな
い範囲で着色層の欠陥検査に十分な光学濃度が得られる
混合量や染色条件で行うことが必要である。
【0026】剥離層(2)は、着色層(7)の形成に用
いる感光性着色組成物の有機溶剤に耐性を有する高分子
膜であり、シート状基材(1)或いは下引き層(12)
との良好な密着性を有すると共に、着色層の形成工程に
於いて着色層を剥離させない密着性と、シート状基材を
剥離する工程に於いては、着色層との密着力が転写され
る接着剤層へ接着力よりも低く設定されることが必要で
ある。また、転写シート(10)の表面平滑化効果、及
び転写に際してガラス等の透明基材と転写シートとの密
着性維持のために弾性と柔軟性を有することが転写適性
から望ましい。また、剥離層としては表面が不活性で膜
硬度は高いことが望ましい。
【0027】具体的には水溶性樹脂として、カゼイン、
ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース等
が挙げられる。また、溶剤可溶性樹脂としては、着色層
の形成に用いる感光性着色組成物の溶剤と異なる溶剤系
で使用されるアクリル系樹脂や、酢酸ビニル系樹脂、ま
た弾性のある樹脂としてポリウレタン樹脂、各種ゴム系
樹脂が挙げられるが、これらの樹脂に限定されるもので
はない。さらに、剥離性を向上させる目的でシリコーン
系、フッ素系界面活性剤を添加することも有効であり、
さらに、剥離層の機能を強化させる目的で、剥離性を強
化する硬化剤や、転写シート基材との密着性と柔軟性を
向上させる低融点の各種樹脂等を添加させても良い。剥
離層の膜厚としては、10μm以上100μm以下が好
ましい。
【0028】剥離層を連続したシート状基材上に塗工す
る手段として、また、感光性着色組成物を剥離層上に塗
工する手段としては、混合/分散された各々の塗工液の
粘度特性に合致する塗工方法を選択して行えば良く、高
粘度の場合はロールコート法、リップコータ法等で、低
粘度の場合にはスプレーコート法、ダイコート法、グラ
ビアコート法等、塗工平坦性が良好な方法を適宜選択し
て用いれば良い。
【0029】また、必要ならば感光性着色組成物に於け
る着色顔料の分散性を向上させるため、及び、塗工膜厚
を調整するため溶剤を加えて粘度を調整しても良い。溶
剤としては感光性着色組成物の溶剤成分、若しくは固形
成分と相溶性のあるものを単独もしくは混合して用いら
れる。
【0030】複数色からなる着色層としては、例えば、
赤(R)、緑(G)、青(B)の3色からなるものがあ
げられ、各色の間にブラックマトリックス(着色パター
ン(黒)(6))を形成することは好ましい。着色層を
形成する感光性着色組成物は、必要な複数色の顔料若し
くは染料、アルカリ可溶性樹脂、エチレン性不飽和基を
有する光重合性化合物、光重合開始剤をその構成成分と
している。着色剤として使用される顔料若しくは染料
は、カラーフィルタとして必要な各色、赤色、緑色、青
色、黒色各々の色調を有する物を適宜選定し、アルカリ
可溶性樹脂及び、光重合性化合物と混合して用いる。各
色の顔料や染料の分光特性を補正し、要求される分光特
性に近似させるため、必要に応じて、青色顔料に紫色顔
料を混合したり、緑色顔料に黄色顔料を混合することで
分光特性を調整する。
【0031】一般に、染料の方が、カラーフィルタとし
て要求される分光特性と近似した分光特性を有するが、
着色材としての要求される耐光性や耐薬品性等の耐久性
を考慮すると顔料の使用が望ましい。青色顔料としては
フタロシアニン系顔料が、緑色顔料としてはグリーン化
させたフタロシアニン系顔料が、赤色顔料としてはアン
トラキノン系顔料が、黒色顔料としてはカーポンブラッ
クが一般に用いられる。これらは顔料便覧等に記載され
た公知の顔料が使用可能である。これらは、カラーフィ
ルタ用顔料として必要な分光特性内で、適切な透明度と
着色力を有し、耐熱性などの耐久性を兼ね備えているこ
とが望ましく、また、感光性着色組成物としても、適切
な粘度特性や塗布適性などが発現するよう、樹脂分等と
の相性を考慮して選定する。
【0032】本発明に使用可能なアルカリ可溶性樹脂と
しては、(メタ)アクリル酸を含む(メタ)アクリル系
樹脂、ロジン系樹脂あるいはマレイン酸系樹脂などが用
いられる。ただし、アルカリ不溶性の樹脂でも、感光性
着色組成物の不揮発分中の10重量%以下、好ましくは
5重量%以下となるように処理量を制限すれば、現像性
への影響は少ない。(メタ)アクリル樹脂は、アクリル
酸とメタクリル酸及びそれらのエステルのモノマーの単
体あるいは混合物の共重合体で、60モル%以下のスチ
レン、酢酸ビニル、無水マレイン酸等のラジカル重合性
のモノマーとの共重合体も含まれる。しかし、多官能モ
ノマーとの共重合体のように、三次元架橋されたポリマ
ーは溶解性が劣るため本発明には適さない。上記マレイ
ン酸樹脂としては、酸価40〜160のものが用いられ
るが、酸価80以上のものが着色組成物としたときのア
ルカリ現像適性上から好ましい。
【0033】アルカリ現像に際しては、現像液として炭
酸ソーダ、苛性ソーダ等の水溶液が使用され、ジメチル
ベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカ
リを用いることもできる。また、消泡剤や界面活性剤を
添加しても良い。
【0034】本発明に使用される光重合性化合物は、フ
リーラジカル付加重合が可能な、または架橋可能なエチ
レン性不飽和基を有する化合物であって、1以上のエチ
レン性不飽和基、例えば、ビニル基またはアリル基を有
するモノマー、オリゴマー、または末端または側鎖にエ
チレン性不飽和基を有するポリマーである。その例とし
ては、アクリル酸及びその塩、アクリル酸エステル類、
アクリルアミド類、メタクリル酸及びその塩、メタクリ
ル酸エステル類、メタクリルアミド類、無水マレイン
酸、マレイン酸エステル類、イタコン酸エステル類、ス
チレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N−
ビニル複素環類、アリルエーテル類、アリルエステル類
及びこれらの誘導体をあげることができる。
【0035】本発明に使用される光重合開始剤として
は、アセトフェノン系光開始剤、ベンゾイン系、ベンゾ
フェノン系光開始剤、チオキサンソン系光開始剤、トリ
アジン系光開始剤及びカルバゾール系光開始剤、イミダ
ゾール系光開始剤等の公知の化合物等を用いることが可
能である。
【0036】上記光開始剤は単独あるいは2種以上混合
して用いるが、増感剤として、α−アシロキシムエステ
ル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグ
リオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレン
キノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、
4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,
4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)
ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェ
ノン等の化合物も用いることができる。
【0037】感光性着色組成物を製造する際、着色顔料
をアルカリ可溶性樹脂、及び多官能アクリルモノマーに
分散する手段としては、三本ロールミル、二本ロールミ
ル、サンドミル、ニーダー等の各種分散手段を使用でき
る。また、これらの分散を良好とするために、適宜、各
種界面活性剤、顔料の誘導体等の分散助剤を添加しても
良い。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の
再凝集を防止する効果が大きいので透明性に優れたカラ
ーフィルタが得られる。一般的に顔料分散剤と称される
化合物、例えば、界面活性剤、顔料誘導体、樹脂型分散
剤などが使用可能である。
【0038】図2は、本発明によるカラーフィルタの一
実施例を示す断面図である。図2に示すように、カラー
フィルタ(11)は、透明基材(9)上に接着剤層
(8)、及び着色層(7)が形成されたものである。図
1に示す転写シート(10)上に形成された着色層
(7)を、透明基材(9)上に転写する際に使用する接
着剤層(8)の材料となる接着剤は、無溶剤型接着剤が
好ましく、例えば、重合に必要なエチレン性不飽和基
と、アルカリ現像に必要なカルボキシル基を有するアル
カリ可溶性樹脂と、希釈モノマー、光増感剤及び添加剤
から構成されるものがあげられる。接着剤は、透明基材
への接着性と、着色層を転写シートから転写させる接着
力とを両立させる接着力特性と、未硬化部分がアルカリ
現像可能な特性を有していることが必要である。
【0039】図3は、本発明におけるシート状基材
(1)上に形成された着色層(7)の欠陥を検査する欠
陥検査装置の一実施例の主要部を示す説明図である。図
3に示すように、この欠陥検査装置は、n=2の場合の
欠陥検査装置である。すなわち、第1光源(L1 )と第
1画像入力部(C1 )とで構成される第1光源・画像入
力部(L1 ・C1 )と、第2光源(L2 )と第2画像入
力部(C2 )とで構成される第2光源・画像入力部(L
2 ・C2 )との2個の光源・画像入力部、及び画像処理
部(P)で構成されている。
【0040】光源は、例えば、ハロゲンランプやキセノ
ンランプ等から光ファイバを経て、転写シート上を楕円
状若しくは線状に照明するものや、レーザ光を線状に拡
大したものが使用できる。これらは、転写シート上に形
成された着色層からの反射光量や、CCDラインセンサ
やCCDカメラ等撮像素子の光感度、及び分光感度に応
じて選択して用いる。例えば、斜めからの照明光の乱反
射を法線上の画像入力部(図示せず)で捉える場合に
は、十分な光量を得にくいので強力な光源と高感度の画
像入力部が必要となる。
【0041】画像入力部としては、CCDラインセンサ
やカメラ、撮像管によるカメラなどが使用でき、高い光
感度と低ノイズ、高速応答性を有するものが望ましく画
像入力部に適合する出力を持つことが必要である。ま
た,転写シート上の着色層を画像入力部に取り込む際
に、一台のCCDカメラ等で着色層全面を一度に取り込
むと、各色の着色層の各々に対してCCDカメラ等の十
分な画素数が割り当てられないため、十分な画像情報量
が得られず、画像処理にて欠陥検出を十分に行うことが
困難となる。
【0042】この問題を解決するためには,近傍位置に
置かれた複数台のCCDカメラで、着色層を分割して画
像検出した後に画像入力部で統合した画像とするか、或
いは十分に画素数の多い複数のラインセンサで着色層を
走査し、全面の画像を得れば良いが、特に後者の場合は
転写シート、若しくは複数のラインセンサからなる画像
入力部を移動させる手段を用いて,全面を走査すること
が必要となる。
【0043】転写シートを移動させる手段としては、ボ
ールねじとモータによる移動ステージ等が挙げられ、画
像入力部の画像入力周期に合わせて移動させる。画像入
力部を移動させる場合は、移動ステージ上に複数設けら
れた光源との相対位置を維持したまま、転写シートに対
して画像入力周期に合わせて一定速度となるよう移動さ
せる必要があり、構造が複雑と成る傾向がある。
【0044】欠陥検査装置で行われる欠陥部分の特定
は、CCDラインセンサやCCDカメラ等の画像入力部
で、光源によって必要な明るさに照明された各色の着色
層を読みとり、画像処理装置で各色の着色層毎の比較
や、標準着色層と比較することによって異物等の欠陥を
検出する方法や、同様に読みとった各色の着色層の色濃
度に応じた画像出力の平均化処理やデジタルフィルタ処
理、2次微分処理等を施してた後、欠陥検出領域を設定
した閾値との比較からムラを検出する方法等があり、検
出する欠陥の種類に応じて各種の欠陥検出アルゴリズム
を有する画像処理装置を使用することが可能である。
【0045】図4、及び図5は、図3における第1光源
(L1 )と第1画像入力部(C1 )とで構成される第1
光源・画像入力部(L1 ・C1 )、第2光源(L2 )と
第2画像入力部(C2 )とで構成される第2光源・画像
入力部(L2 ・C2 )を拡大して示す説明図である。図
4、及び図5に示すように、転写シート上の着色層
(7)表面に立てた法線(N)から、転写シートの進行
方向(白太矢印)に第1角度(θ1 )傾けた位置に第1
光源(L1 )が設けられ、転写シートの逆進行方向に第
1角度(θ1 )傾けた位置に第1光源(L1 )から入射
角(第1角度)(θ1 )で着色層表面に入射され反射角
(第1角度)(θ1 )で正反射される第1正反射光を受
光する、第1光源(L1 )に対応した第1画像入力部
(C1 )が設けられ、この第1光源(L1 )と第1画像
入力部(C1 )とで第1光源・画像入力部(L1
1 )が構成される。
【0046】また、同様に、転写シートの進行方向(白
太矢印)に第2角度(θ2 )傾けた位置に第2光源(L
2 )が設けられ、転写シートの逆進行方向に第2角度
(θ2)傾けた位置に第2光源(L2 )から入射角(第
2角度)(θ2 )で着色層表面に入射され反射角(第2
角度)(θ2 )で正反射される第1正反射光を受光す
る、第2光源(L2 )に対応した第2画像入力部
(C2 )が設けられ、この第2光源(L2 )と第2画像
入力部(C2 )とで第2光源・画像入力部(L2
2 )が構成される。
【0047】そして、図4に示すように、例えば、第1
光源(L1 )から入射角(第1角度)(θ1 )で着色層
表面に入射され反射角(第1角度)(θ1 )で正反射さ
れる第1正反射光を受光した第1画像入力部(C1 )か
らの画像情報と、第1光源(L1 )から入射角(第1角
度)(θ1 )で着色層表面に入射され乱反射される第1
乱反射光(点線矢印)の一部を受光した第2画像入力部
(C2 )からの画像情報とを処理して着色層の欠陥部分
を特定する。
【0048】このように、第1乱反射光(点線矢印)の
一部を受光した第2画像入力部(C 2 )からの画像情報
を欠陥検出の処理に用いることにより、前述、着色層の
下の剥離層や不透明な基材からの反射光が、着色層から
の画像情報を妨害することを抑制し、異物欠陥、色濃度
差に起因する欠陥、色ムラ欠陥等の欠陥検出の精度、及
び効率を向上させることができるものとなる。
【0049】また、図5に示すように、例えば、第2光
源(L2 )から入射角(第2角度)(θ2 )で着色層表
面に入射され反射角(第2角度)(θ2 )で正反射され
る第2正反射光を受光した第2画像入力部(C2 )から
の画像情報と、第2光源(L 2 )から入射角(第2角
度)(θ2 )で着色層表面に入射され乱反射される第2
乱反射光(点線矢印)の一部を受光した第1画像入力部
(C1 )からの画像情報とを処理して着色層の欠陥部分
を特定するものである。
【0050】このように、照明する光源の位置を変更す
ることによって、図4に示す第1光源(L1 )からの照
明光にては検出が困難であった、例えば、着色層の表面
状態の差異など、検出に方向依存性のある着色層の欠陥
検出の精度を向上させることができるものとなる。
【0051】また、欠陥の内容に対応させて、第1光源
・画像入力部(L1 ・C1 )や第2光源・画像入力部
(L2 ・C2 )などを選択して欠陥検出を行う際に、欠
陥を検出する着色層の色毎、欠陥の種類毎に、光源から
の光の波長、光源からの光の偏光方向、画像入力方法、
画像情報の処理方法を変化させることにより、色毎の反
射率の差を縮小させ、画像入力部からの色毎の画像情報
を平均化させて画像処理の精度を向上させることが可能
である。また、各着色層の周囲に形成されている黒色パ
ターンからの表面反射を低減させて、各着色層の欠陥検
出し易くすることが可能となる。さらに,検出したい欠
陥の種類毎に画像入力や処理方法を変えることで検出す
る精度を向上させることが可能となる。
【0052】検出したい欠陥の種類によって、例えば、
光源や画像入力部に染色フィルタや干渉フィルタ等の波
長選択フィルタを設けると、特に、CCDラインセンサ
を用いる場合には、光感度が近赤外線側で高くなる傾向
があるのでセンサ出力が飽和する事無く、効率良くセン
サを使用する事が可能となる。また,転写シートの着色
層の各色の形状欠陥は、例えば、上記いずれかの光源・
画像入力部と、転写シートの法線上に設置したCCDラ
インセンサからの出力を画像処理し欠陥を検出すれば良
いが、各色濃度のムラを検出したい場合には、色毎のセ
ンサ感度を合わせるように波長選択フィルタを併用する
ことが望ましい。また、着色層下の剥離層等が着色して
いる場合には、波長選択フィルタの併用が必須となる。
【0053】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて詳細に説明
する。 <実施例1> (工程1)連続したシート状基材として、0.11mm
の圧延42合金(ニッケル42重量%、残部鉄)板を選
定し、硫酸ニッケル、塩化ニッケルと硼酸からなるワッ
ト浴に浸漬し、2A/dm2 の条件で5分間のニッケル
メッキを行い、約2μmのニッケル層を表面に形成し
た。下記組成からなる剥離層用塗液を三本ロールで混練
して調製し、ダイコータで塗布後、温風乾燥して層厚9
0μmの剥離層が形成された転写シート製作した。 <剥離層用塗液の組成> デスモヘン651 (バイエル社製) 1.2重量部 デスモジュールN−75(バイエル社製) 1.0重量部 フッ素系界面活性剤フロラードFC−170 (住友スリーエム(株)製) 0.005重量部
【0054】 (工程2) <アルカリ可溶性樹脂の調製> メタクリル酸ブチル 55重量部 メタクリル酸メチル 20重量部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 15重量部 アクリル酸メチル 10重量部 を、シクロヘキサノンを溶媒として共重合させ、アルカ
リ可溶性樹脂が40重量部、溶媒が60重量部の比率に
なるよう調製した。
【0055】 <感光性着色組成物の調製> アルカリ可溶性樹脂 10重量部 多官能オリゴエステルアクリレート ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5重量部 光重合開始剤 トリクロロメチルS−トリアジン 0.5重量部 希釈溶剤 シクロヘサキノン 45重量部 着色顔料(各色) 5重量部 各色顔料は、以下のカラーインデックス(C.I.)ナ
ンバーで示されたものを使用する。 赤色:C.I.赤色顔料177 緑色:C.I.緑色顔料36及びC.I.黄色顔料13
9(9重量部:1重量部) 青色:C.I.青色顔料15 黒色:C.I.黒色顔料7 上記の各組成物を混合した後、ビーズミル分散機で練肉
して、顔料が十分に分散された良好な分光特性を有する
各色の感光性着色組成物を調製した。
【0056】(工程3)まず、黒色の感光性着色組成物
を、剥離層が形成された連続するシート状(ロール状に
巻き取った物)の42合金板を巻き出し、均一な膜面と
なるようにダイコータで塗布した後、70℃20分間相
当の静置乾燥となるよう調整された乾燥炉を通過させ、
黒色の感光性着色組成物層を形成した。得られた感光性
着色組成物層の厚みは約1.5μmで全面一様な膜厚を
有し、表面状態は平滑であった。
【0057】次に、縦240μm×幅80μmの開口部
と線幅6μmの枠部分の繰り返しパターンが、黒色パタ
ーン(ブラックマトリクス)となるよう形成されたマス
クを、上記感光性着色組成物層に近接させ、超高圧水銀
灯により露光量400mJ/cm2 の条件で露光した。
露光後、温度20℃のアルカリ現像液を噴出圧力4.9
×105 Paでスプレー現像を30秒行い、未露光部位
の感光性着色組成物層を除去した。現像処理後の転写シ
ートを水切り、乾燥させた後、150℃20分間相当の
加熱硬膜処理をした。硬膜後のパターン化された感光性
着色組成物層の厚みは約1.3μmであった。
【0058】同様にして製作された赤色、緑色、青色の
各色感光性着色組成物を、順次、ブラックマトリクスが
形成されたシート状基材上へ、塗工、乾燥、露光、加熱
の各処理を行い着色層を形成した。
【0059】(工程4)シート状基材上に形成された着
色層を、ライン状の細い照明光となるよう形成されてい
る光ファイバを通したキセノンランプ光で、法線から斜
め45°、及び10°から照明し、各角度の照明に対応
した正反射する位置に加えて、法線上にCCDラインセ
ンサからなる画像入力部を設置し、10°からの照明光
に対応する画像入力部は2台設置した。各CCDライン
センサには近赤外線カットフィルタを10°からの照明
光に対応する位置の画像入力部の一方には600〜70
0nmを透過するフィルタを取り付けた。
【0060】順次,色毎に,着色層を取り込んで欠陥検
査を行った所、CCDラインセンサからの出力信号は赤
色、緑色、青色の各部分とも1.0V以上の値で、後の
欠陥抽出の画像処理に十分な信号レベルであった。ま
た、各CCDラインセンサからの画像情報を組み合わせ
て各色の着色層の比較処理と、上記したムラ検出処理を
行った所、着色層の異物欠陥,表面形状異常による欠
陥,部分的な色濃度ムラをノイズによる検出誤差も無く
検出可能であった。検出された欠陥の位置情報を記録
し、欠陥のある着色層は次の転写工程で転写されないよ
う処置した。
【0061】 (工程5) ブチルメタクリレート 3重量部 アロニックスM−305(東亞合成化学工業(株)製) 2重量部 アロニックスM−400(東亞合成化学工業(株)製) 5重量部 光重合開始剤イルガギュアー907 (チバガイギー社製) 0.2重量部 を混合して製作された光硬化型接着剤を、上記着色層が
形成されたシート状基材上に、ロールコーターで3μm
の厚さに塗布し、無溶剤型接着剤層を形成した。
【0062】(工程6)転写装置にて、上記着色層の上
に無溶剤型接着剤層が形成された転写シートの内、欠陥
の無いを着色層をガラス基材(米国コーニング社製17
37(商品名))の所定の位置と貼り合わせ、加圧ロー
ラで加圧し無溶剤型接着剤層を1μmの厚さにした後、
露光装置で着色パターン1cm周囲まで、金属マスクを
介在させて紫外光で600mJ/cm2 の露光を行い無
溶剤型接着剤層を光硬化させた。さらに、剥離部でシー
ト状基材を剥離させ、着色層を剥離層の部分から剥離さ
せて光硬化させた接着剤層に転写させた。その後、ガラ
ス基材を高圧スプレーでアルカリ溶液で現像し、未硬化
の無溶剤型接着剤層を除去して、表面が平滑で異物やム
ラ欠陥の無い良好なカラーフィルタを得た。
【0063】<実施例2> (工程1)連続したシート状の不透明基材として、0.
11mm圧延42合金(ニッケル42重量%、残部鉄)
板を選定し、下記組成の下引き層用塗液をダイコータで
塗工後温風乾燥して下引き層を形成した。 <下引き層用塗液の組成> 塗液;PVA500N (ユニオン化学工業社製) 15重量部 (鹸化度99、重合度500) 水 85重量部 酸化亜鉛 SAZEX#2000 (堺化学社製) 1重量部 を混合し,三本ロールで混練して下引き層の塗液とし
た。
【0064】さらに,下記組成の剥離層用塗液をダイコ
ータで塗工後温風乾燥して剥離層を形成した後、紫外線
を1J/cm2 照射し、さらに無水クロム酸の4%水溶
液に浸漬後温風乾燥して硬化された膜厚10μmの剥離
層を形成した。 <剥離層用塗液の組成> 塗液;PVA500N (ユニオン化学工業社製) 15重量部 (鹸化度99、重合度500) 水 85重量部 重クロム酸アンモニウム 0.9重量部
【0065】以下の工程は実施例1と同様に行い、着剤
層が形成された転写シートを製作した。実施例1におけ
る工程4と同様の装置で、10°からの照明光に対応す
る位置の画像入力部は1台とし、600〜700nmを
透過するフィルタを取り付けず、かつ45°からの照明
光の光源と画像入力部を取り外した。上記構成の装置
で、転写シート上に形成された着剤層の欠陥検査を行っ
た所、実施例1と同様の異物欠陥検査とムラ検査が可能
であった。
【0066】<比較例1>実施例1と同様の材料と工程
で着剤層が形成された転写シートを製作した。実施例1
における工程4と同様の装置で,45°からの照明光の
光源と対応する画像入力部のみで、転写シート上に形成
された着剤層の欠陥検査を行った所、表面形状異常欠陥
の見逃し、色濃度ムラの検出不良、及び欠陥でない部分
を検出する誤検出も発生した。
【0067】欠陥検査を行った転写シートを用い着剤層
をガラス基材に転写させてカラーフィルタを製作した
が、異物欠陥とムラのあるカラーフィルタが高い確率で
含まれており、転写前の欠陥検査の精度が著しく悪いこ
とが判明した。
【0068】
【発明の効果】本発明は、1)連続したシート状基材上
に着色層を形成する転写シート形成工程と、2)a)第
i光源・画像入力部(Li ・Ci )をi=1〜nのn個
配し、b)第i正反射光を受光した第i画像入力部(C
i )からの画像情報と、第i乱反射光を受光した第i画
像入力部(Ci )以外の画像入力部からの画像情報とを
処理して着色層の欠陥部分を特定し、c)その位置情報
を記録し転写装置に伝達する、欠陥検査工程と、3)接
着剤層形成工程と、4)無欠陥部分のみを有する複数色
からなる着色層の該接着剤層側に透明基材を重ねる工程
と、5)加圧密着する工程と、6)光照射させる工程
と、7)シート状基材を剥離する工程と、8)未硬化部
分の該接着剤層をアルカリ現像除去する工程、からなる
無欠陥部分のみを有する複数色からなる着色層を透明基
材に転写するカラーフィルタの製造方法であるので、着
色層の下の剥離層や不透明な基材からの反射光が、着色
層からの画像情報を妨害することを抑制し、異物や色ム
ラ等の欠陥検出の精度、及び効率を向上させ、良品のみ
が透明基材へ転写されて製造収率の低下によるコスト高
を回避し廉価にカラーフィルタを製造することのできる
転写方式によるカラーフィルタの製造方法となる。
【0069】また、本発明は、第i光源・画像入力部
(Li ・Ci )を選択して欠陥検査をする際に、欠陥を
検出する着色層の色毎、欠陥の種類毎に、光源からの光
の波長、光源からの光の偏光方向、画像入力方法、画像
情報の処理方法を変化させるので、色毎の反射率の差を
縮小させ、画像入力部からの色毎の画像情報を平均化さ
せて画像処理の精度を向上させることが可能である。ま
た、各着色層の周囲に形成されている黒色パターンから
の表面反射を低減させて、各着色層の欠陥検出し易くす
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における転写シートの一実施例を示す断
面図である。
【図2】本発明によるカラーフィルタの一実施例を示す
断面図である。
【図3】本発明におけるシート状基材上に形成された着
色層の欠陥を検査する欠陥検査装置の一実施例の主要部
を示す説明図である。
【図4】第1光源・画像入力部と第2光源・画像入力部
を拡大して示す説明図である。
【図5】第1光源・画像入力部と第2光源・画像入力部
を拡大して示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・シート状基材 2・・・剥離層 3・・・着色パターン(赤) 4・・・着色パターン(緑) 5・・・着色パターン(青) 6・・・着色パターン(黒) 7・・・着色層 8・・・接着剤層 9・・・透明基材 10・・転写シート 11・・カラーフィルタ 12・・下引き層 θi ・・・第i角度 Li ・Ci ・・・第i光源・画像入力部 Li ・・・第i光源 Ci ・・・第i画像入力部 P・・・画像処理部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1)連続したシート状基材上に該シート状
    基材との接着性を有する剥離層を形成し、該剥離層上に
    複数色からなる着色層を形成する転写シート形成工程
    と、 2)a)該転写シート上の複数色からなるの着色層表面
    に立てた法線から、該転写シートの進行方向に第i角度
    (θi )傾けた位置に設けた第i光源(Li )と、該転
    写シートの逆進行方向に第i角度(θi )傾けた位置に
    設けた、第i光源(Li )から入射角(第i角度)(θ
    i )で該着色層表面に入射され反射角(第i角度)(θ
    i )で正反射される第i正反射光を受光する第i光源
    (Li )に対応した第i画像入力部(Ci )とで構成さ
    れる第i光源・画像入力部(Li ・Ci )をi=1〜n
    のn個配し、 b)上記n個のiの中の少なくとも1個のiの第i光源
    (Li )から入射角(第i角度)(θi )で該着色層表
    面に入射され反射角(第i角度)(θi )で正反射され
    る第i正反射光を受光した第i画像入力部(Ci )から
    の画像情報と、第i光源(Li )から入射角(第i角
    度)(θi )で該着色層表面に入射され乱反射される第
    i乱反射光を受光した第i画像入力部(Ci )以外の画
    像入力部からの画像情報とを処理して、該転写シート上
    の複数色からなる着色層の欠陥部分を特定し、 c)欠陥部分を有する又は無欠陥部分のみを有する該複
    数色からなる着色層の上記転写シートにおける位置情報
    を記録し転写装置に伝達する、該複数色からなる着色層
    の欠陥検査工程と、 3)該転写シートの複数色からなる着色層上に接着剤層
    を形成する接着剤層形成工程と、 4)転写装置にて、上記欠陥検査工程から伝達された上
    記転写シートにおける位置情報にもとずき、該転写シー
    ト内の無欠陥部分のみを有する複数色からなる着色層の
    該接着剤層側に透明基材を重ねる工程と、 5)該接着剤層が任意の厚さになるよう加圧密着する工
    程と、 6)該接剤着層を光照射させる工程と、 7)該連続したシート状基材を剥離する工程と、 8)未硬化部分の該接着剤層をアルカリ現像除去する工
    程、を具備し、無欠陥部分のみを有する複数色からなる
    着色層を透明基材に転写することを特徴とするカラーフ
    ィルタの製造方法。
  2. 【請求項2】前記欠陥検査工程における、第i正反射光
    を受光した第i画像入力部(Ci )として、n個のiか
    ら選択されたiの画像入力部を用い、欠陥を検出する着
    色層の色毎、欠陥の種類毎に、光源からの光の波長、光
    源からの光の偏光方向、画像入力方法、画像情報の処理
    方法を変化させることを特徴とする請求項1記載のカラ
    ーフィルタの製造方法。
JP2000178359A 2000-06-14 2000-06-14 カラーフィルタの製造方法 Pending JP2001356209A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000178359A JP2001356209A (ja) 2000-06-14 2000-06-14 カラーフィルタの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000178359A JP2001356209A (ja) 2000-06-14 2000-06-14 カラーフィルタの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001356209A true JP2001356209A (ja) 2001-12-26

Family

ID=18679802

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000178359A Pending JP2001356209A (ja) 2000-06-14 2000-06-14 カラーフィルタの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001356209A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007040862A (ja) * 2005-08-04 2007-02-15 Dainippon Printing Co Ltd 異物検査装置および異物検査方法
WO2007126027A1 (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Sharp Kabushiki Kaisha カラーフィルタ検査方法およびカラーフィルタ製造方法並びにカラーフィルタ検査装置
WO2007145224A1 (ja) * 2006-06-12 2007-12-21 Sharp Kabushiki Kaisha 端部傾斜角測定方法、起伏を有する被検査物の検査方法および検査装置、照明手段の位置を決定する方法、ムラ検査装置、照明位置決定装置
JP2008207526A (ja) * 2007-02-28 2008-09-11 Toppan Printing Co Ltd 印刷方法及び印刷装置
JP2017123335A (ja) * 2008-08-22 2017-07-13 日立化成株式会社 導電膜基板及びその使用方法
CN109100365A (zh) * 2018-08-02 2018-12-28 深圳市华星光电技术有限公司 一种基板叠材的检测装置及检测方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007040862A (ja) * 2005-08-04 2007-02-15 Dainippon Printing Co Ltd 異物検査装置および異物検査方法
WO2007126027A1 (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Sharp Kabushiki Kaisha カラーフィルタ検査方法およびカラーフィルタ製造方法並びにカラーフィルタ検査装置
US7889358B2 (en) 2006-04-26 2011-02-15 Sharp Kabushiki Kaisha Color filter inspection method, color filter manufacturing method, and color filter inspection apparatus
JP4768014B2 (ja) * 2006-04-26 2011-09-07 シャープ株式会社 カラーフィルタ検査方法およびカラーフィルタ製造方法並びにカラーフィルタ検査装置
WO2007145224A1 (ja) * 2006-06-12 2007-12-21 Sharp Kabushiki Kaisha 端部傾斜角測定方法、起伏を有する被検査物の検査方法および検査装置、照明手段の位置を決定する方法、ムラ検査装置、照明位置決定装置
JP2008020431A (ja) * 2006-06-12 2008-01-31 Sharp Corp 端部傾斜角測定方法、起伏を有する被検査物の検査方法および検査装置
JP4597946B2 (ja) * 2006-06-12 2010-12-15 シャープ株式会社 端部傾斜角測定方法、起伏を有する被検査物の検査方法および検査装置
JP2008207526A (ja) * 2007-02-28 2008-09-11 Toppan Printing Co Ltd 印刷方法及び印刷装置
JP2017123335A (ja) * 2008-08-22 2017-07-13 日立化成株式会社 導電膜基板及びその使用方法
CN109100365A (zh) * 2018-08-02 2018-12-28 深圳市华星光电技术有限公司 一种基板叠材的检测装置及检测方法
CN109100365B (zh) * 2018-08-02 2020-12-25 Tcl华星光电技术有限公司 一种基板叠材的检测装置及检测方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE37033E1 (en) Pigment-dispersed color-filter composition comprising an alkali-soluble block copolymer as a binder
EP0564168B1 (en) Pigment-dispersed color-filter composition
JP4401101B2 (ja) ブラックマトリックス作製用着色組成物及び感光性転写材料、ブラックマトリックス及びその製造方法、カラーフィルター、液晶表示素子並びにブラックマトリックス基板
JP2005003861A (ja) カラーフィルターの製造方法
JP3720478B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP2001356209A (ja) カラーフィルタの製造方法
JP2003084117A (ja) 多色画素シートの製造方法及びカラーフィルター
JP3665688B2 (ja) 多色画像シートの製造方法
JP4395317B2 (ja) ブラックマトリックス作製用着色組成物及び感光性転写材料、ブラックマトリックス及びその製造方法、カラーフィルター、液晶表示素子並びにブラックマトリックス基板
JP2002303714A (ja) カラーフィルタの製造方法
JP2002022919A (ja) カラーフィルタの製造方法
JP2001215322A (ja) カラーフィルタ用転写シート
JP3881070B2 (ja) 感光性着色組成物及びカラーフイルター
JP2001215323A (ja) カラーフィルタの製造方法
JPH09269409A (ja) 感光性着色組成物及びカラーフイルター
JPH04212161A (ja) 画像形成材料及びそれを用いる画像形成方法
JP4012193B2 (ja) 遮光性多色画像シートの製造方法
JP2006337485A (ja) カラーフィルター,液晶表示素子、及び液晶表示装置
JP2000314804A (ja) カラーフィルター及びその製造方法
JP2002071928A (ja) カラーフィルタの製造方法
JP2694400B2 (ja) 画像形成材料及びそれを用いる画像形成方法
JPH10293397A (ja) カラーフィルター用感放射線性組成物
JP4267846B2 (ja) 感光性転写材料及びカラーフィルターの製造方法。
JP3727733B2 (ja) 多色画像シートの製造方法
JPH11174671A (ja) 遮光性感光性組成物及びカラーフィルター