JP2001355807A - 流動床炉における流動層温度制御方法および流動床炉 - Google Patents

流動床炉における流動層温度制御方法および流動床炉

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JP2001355807A
JP2001355807A JP2000179613A JP2000179613A JP2001355807A JP 2001355807 A JP2001355807 A JP 2001355807A JP 2000179613 A JP2000179613 A JP 2000179613A JP 2000179613 A JP2000179613 A JP 2000179613A JP 2001355807 A JP2001355807 A JP 2001355807A
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furnace
screw feeder
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Toshiya Tada
俊哉 多田
Mamoru Suyari
護 須鎗
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Kobe Steel Ltd
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  • Incineration Of Waste (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動層の温度を上昇させるために石油や石炭
等外部エネルギーを用いたり、流動層の温度を低下させ
るために冷却用伝熱管等の付帯設備を設けたりするまで
もなく、流動層の温度を適正範囲に制御することを可能
ならしめる流動床炉における流動層温度制御方法を提供
する。 【解決手段】 スクリュフィーダにより排出される流動
層の砂の排出量をFsとし、不燃物の排出量をFiとし
たとき、Fi/(Fi+Fs)<0.15の関係を満足
する範囲で、多量の砂と不燃物とを排出すると流動層の
温度が低下し、砂と不燃物との排出量を少なくすると流
動層の温度が上昇するから、スクリュフィーダの回転数
を適正に制御して適正量の砂と不燃物とを排出すること
により、流動床炉の流動層の温度を適正範囲に制御する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動床炉における
流動層温度制御方法の改善に関し、より詳しくは流動層
の温度を上昇させるために外部エネルギーを用いたり、
温度を低下させるために付帯設備を設けたりするまでも
なく、流動層の温度を適正範囲に制御することを可能な
らしめるようにした流動床炉における流動層温度制御方
法および流動床炉の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、我が国においては、都市
ごみ等の廃棄物の排出量が増加の一途をたどっているの
に対して、廃棄物を埋立て処分する用地の確保は年々困
難になってきている。さらに、廃棄物の埋立て処理では
地下水の汚染が懸念され、環境汚染を防止する法規制が
強化されつつある。このような状況に対応し得るように
した廃棄物処理技術としては、検討中であるが、例えば
廃棄物の溶融による減容化処理、有害物質の安定化処理
技術がある。また、リサイクル法に見られるように、廃
棄物からの資源回収、未利用エネルギーの回収、処理物
の資源化等も進められ、廃棄物の有効利用への取組みが
強化されつつある。さらに、有害物質の安定化処理で
は、ダイオキシン等の微量有害物質の発生の抑制等、廃
棄物処理に要求される課題は極めて多い。
【0003】このような状況の下、都市ごみ等の廃棄物
を流動床炉である流動床式ガス化炉に供給してガス化
し、発生した可燃ガスとチャーとを、後処理工程に配設
された燃焼溶融炉により高温燃焼させて有害物質を分解
すると共に、その燃焼熱を利用することにより外部エネ
ルギーを活用することなく灰分を溶融する、いわゆるガ
ス化溶融プロセスが注目されるようになってきている。
一般に、有機物からなる廃棄物をガス化すると、水素、
一酸化炭素、炭化水素類を成分とする可燃ガス、炭素か
らなるチャーおよび灰分が生成されるが、このような廃
棄物のガス化処理には、下記のような利点がある。 (1) 貯蔵および輸送可能な燃料を回収することができ
る。 (2) 比較的ガス化反応が遅いため、ごみ質やごみの供給
量の変動を吸収することができる。 (3) 生成ガスの量が燃焼排ガスの量に比較して著しく少
ないため、小型のガス処理装置を用いることができる。 (4) 有価金属を溶融させず、かつ未酸化の状態で回収す
ることができる。 (5) ガス化炉は廃棄物を乾留または部分燃焼させるもの
であるため、ガス化炉の廃棄物の供給負荷を高めること
ができる。
【0004】また、流動床式ガス化炉に燃焼溶融炉を組
合わせた場合には、さらに下記のような利点が生じる。 (1) 廃棄物の持つエネルギーを活用して灰を溶融するこ
とができる。 (2) 燃焼溶融炉に低空気比の燃焼空気を供給すれば良
く、これにより排ガス量が少なくなるため、環境負荷の
低減と装置のコンパクト化が可能になる。 (3) 燃焼溶融炉での可燃ガスとチャーとの高温燃焼によ
ってダイオキシン等の微量有害物質の発生量を低減させ
ることができる。
【0005】廃棄物のガス化に流動床式ガス化炉を用い
るガス化溶融プロセスでは、流動床式ガス化炉に投入さ
れた廃棄物は、流動層の流動する砂と共に流動層を循環
する過程で解砕されると共にガス化される。廃棄物をガ
ス化するに際しては、多量の可燃ガスを含むガスが生成
されるように、流動床式ガス化炉には廃棄物の燃焼に必
要な理論空気量の40%以下の空気が供給される。ま
た、流動層の温度は、廃棄物を有効に熱分解し得る下限
温度以上、かつ有価金属、例えばアルミニウムを溶融、
酸化させずに回収し得る上限温度以下、つまり450〜
650℃の温度範囲になるように維持される。
【0006】流動床式ガス化炉から発生した可燃ガス、
チャー、灰分は、この流動床式ガス化炉の後処理工程に
設けられた燃焼溶融炉に導入され、燃焼溶融炉に導入さ
れた可燃ガス、チャーは1.3程度の空気比で高温燃焼
される。そして、灰分は可燃ガス、チャーの燃焼により
発生する高温により溶融されるようになっている。つま
り、流動床式ガス化炉と燃焼溶融炉とを組合わせること
により外部エネルギーを用いることなく廃棄物を処理す
るようにしたものである。なお、燃焼溶融炉から排出さ
れる排ガスは、廃熱ボイラ、空気予熱器によって熱回収
された後、排ガス処理装置を経て大気中に放出される。
【0007】ところで、上記流動床式ガス化炉で廃棄物
の熱分解を安定した状態で継続させるためには、以上の
説明から良く理解されるように、低空気比で流動層の温
度を適正な温度範囲に保持しながら、流動層の砂を安定
的に流動させる必要がある。
【0008】しかしながら、廃棄物が持つ発熱量は必ず
しも一定ではないため、適正な空気比で流動層の温度を
適正な温度範囲に維持することが困難になる場合があ
る。また、廃棄物の質の変化や廃棄物の供給量の変動に
よっても流動層の温度を適正な温度範囲に維持すること
ができなくなる場合がある。つまり、廃棄物の熱分解に
より生成される可燃ガスの性状は、流動層の温度によっ
て大きな影響を受けるため、可燃ガスとチャーとを熱エ
ネルギーとして利用する燃焼溶融炉の安定運転の継続の
ためにも、流動床式ガス化炉の流動層の温度を適正な温
度範囲に維持することが極めて重要である。
【0009】流動層の温度を適正な温度範囲に維持する
ために、下記のような種々の方法が提案されている。例
えば、特開平11−169944号公報では、投入され
る廃棄物の発熱量に対して適切な空気比を設定して流動
層の温度を制御する方法が提案されている。この方法の
場合には、廃棄物が低カロリーの場合は、流動層の温度
が低下するので、流動層部に軽油等の助燃料(外部エネ
ルギー)を供給するようにしている。また、特開平10
−128288号公報には、投入する廃棄物中の低カロ
リー廃棄物と高カロリー廃棄物との量比を調整するの
に、発熱量の高い石炭等の助燃料を添加して、投入廃棄
物の発熱量を一定に保持する方法が提案されている。ま
た、特公平7−99253号公報、特開平10−300
047号公報には、流動層の直上に二次空気ノズルを配
設して、二次空気による燃焼火炎で流動層の温度を制御
する方法が提案されている。
【0010】一方、RDFやプラスチック等の高カロリ
ー廃棄物の場合には、流動層の温度が高温になるので冷
却水が注水されるが、必然的に排ガス量が増加してしま
うので、後処理工程の燃焼溶融炉の温度が上がらなくな
り、助燃料の増加、有害物質の分解不良等の問題が生じ
る恐れがある。そこで、特開平8−240308号公
報、特開平10−300019号公報では流動層温度が
高温になり過ぎるのを抑制するために、冷却用伝熱管を
用いて流動層から熱を回収する方法が提案され、特開平
6−123418号公報、特開平10−103633号
公報では、一次空気に、排ガス循環ラインを介して排ガ
スを混入することにより流動層の温度を制御する方法が
提案され、その他特開平10−306910号公報のよ
うに、流動層の上方の燃焼室からの輻射熱によるこの流
動層の温度の上昇防止するようにしたものもある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記各従来例では、上
記説明から良く理解されるように、流動層の温度を上昇
させるために、軽油や石炭等の外部エネルギーを利用す
るものと、流動層の温度を低下させるために、二次空気
ノズル、冷却用伝熱管、排ガス循環ラインといった付帯
設備が設けられたものとの二種類に大別される。従っ
て、前者の各従来例では、流動床ガス化炉のランニング
コストが嵩むだけでなく、排ガス量も増大するので大型
の排ガス処理設備を設けなければならないし、また後者
の各従来例では、付帯設備を設けなければならない。つ
まり、上記各従来例には、ランニングコストやガス化溶
融プロセスの設備コスト関して不利にならざるを得ない
という解決すべき課題があった。
【0012】従って、本発明の目的は、流動層の温度を
上昇させるために外部エネルギーを用いたり、流動層の
温度を低下させるために付帯設備を設けたりするまでも
なく、流動層の温度を適正範囲に制御することを可能な
らしめる流動床炉における流動層温度制御方法および流
動層温度制御方法の実現を可能ならしめる流動床炉を提
供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】周知のとおり、流動床炉
である流動床式ガス化炉の場合には、その稼働中を通じ
て、流動層の砂の流動を妨げる原因となる不燃物を除去
して、不燃物を所定以下の混入割合に維持し続ける必要
がある。そのため、不燃物抜出管から砂と共に不燃物を
抜出し、抜出した砂と不燃物とをスクリュフィーダによ
り流動床式ガス化炉外に排出し、排出した砂と不燃物と
のうち、砂を流動層に戻すという作業が継続される。と
ころが、このような砂と不燃物との排出量に応じて流動
層の温度が大きく変化する。つまり、砂と不燃物との排
出量が少ない場合には、流動層中の不燃物の混入割合が
次第に多くなって、流動層の砂の流動性が低下するが、
流動層は高温になる。一方、砂と不燃物との排出量が多
い場合には、流動層中の不燃物の混入割合が次第に少な
くなって、流動層の砂の流動性が向上するが、流動層は
低温になる。
【0014】そこで、発明者らは、流動層の砂の流動に
大きな悪影響を及ぼさない範囲で、流動層中の不燃物の
混入割合を制御しながら、流動層の砂と不燃物とを排出
することにより、廃棄物のカロリーの高低の如何を問わ
ず、流動層の温度を好ましい温度範囲に制御することが
できるのではないかと考えて、鋭意研究を進めて本発明
をなしたものである。
【0015】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あって、従って上記課題を解決するために、本発明の請
求項1に係る流動床炉における流動層温度制御方法が採
用した手段は、分散板に設けられた複数の散気ノズルか
らの流動用空気の吹込みにより流動層の砂を流動させ、
この流動層に投入された廃棄物を解砕・ガス化し、前記
分散板の底部に設けられた不燃物抜出管から抜出された
砂と不燃物とをスクリュフィーダで炉外に排出すると共
に、排出された砂と不燃物とのうち、砂を前記流動層に
戻す流動床炉の前記流動層の温度を制御する流動床炉に
おける流動層温度制御方法において、前記スクリュフィ
ーダの回転数を制御することにより、砂と不燃物との排
出量を調節することを特徴とする。
【0016】本発明の請求項2に係る流動床炉における
流動層温度制御方法が採用した手段は、分散板に設けら
れた複数の散気ノズルからの流動用空気の吹込みにより
流動層の砂を流動させ、この流動層に投入された廃棄物
を解砕・ガス化し、前記分散板の底部に設けられた不燃
物抜出管から抜出された砂と不燃物とをスクリュフィー
ダで炉外に排出すると共に、排出された砂と不燃物との
うち、砂を前記流動層に戻す流動床炉の前記流動層の温
度を制御する流動床炉における流動層温度制御方法にお
いて、前記スクリュフィーダから排出される砂の排出量
をFs、不燃物の排出量をFiとしたとき、Fi/(F
i+Fs)の値が0.15よりも小さくなる範囲で、前
記スクリュフィーダの回転数を制御することにより、砂
と不燃物との排出量を調節することを特徴とする。
【0017】本発明の請求項3に係る流動床炉における
流動層温度制御方法が採用した手段は、分散板に設けら
れた複数の散気ノズルからの流動用空気の吹込みにより
流動層の砂を流動させ、この流動層に投入された廃棄物
を解砕・ガス化し、前記分散板の底部に設けられた不燃
物抜出管から抜出された砂と不燃物とをスクリュフィー
ダで炉外に排出すると共に、排出された砂と不燃物との
うち、砂を前記流動層に戻す流動床炉の前記流動層の温
度を制御する流動床炉における流動層温度制御方法にお
いて、前記流動層の温度に応じて、かつ前記スクリュフ
ィーダから排出される砂の排出量をFs、不燃物の排出
量をFiとしたとき、Fi/(Fi+Fs)の値が0.
15よりも小さくなる範囲で、前記スクリュフィーダの
回転数を制御することにより、砂と不燃物との排出量を
調節することを特徴とする。
【0018】本発明の請求項4に係る流動床炉が採用し
た手段は、分散板に設けられた複数の散気ノズルからの
流動用空気の吹込みにより流動層の砂を循環させ、この
流動層に投入された廃棄物を解砕・ガス化する流動床炉
であって、前記流動層の温度を測定する流動層温度測定
器と、この流動層温度測定器により測定される測定温度
により、前記分散板の底部に設けられた不燃物抜出管か
ら抜出された砂と不燃物とを炉外に排出する排出速度が
制御されるスクリュフィーダと、このスクリュフィーダ
から排出された砂を前記流動層に戻す砂返送路とを備え
てなることを特徴とする。
【0019】本発明の請求項5に係る流動床炉が採用し
た手段は、請求項4に記載の流動床炉において、前記ス
クリュフィーダの排出速度が、前記測定温度の温度変化
勾配により制御されることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の流動床炉における
流動層温度制御方法を実現する実施の形態に係る流動床
炉を、この流動床炉が廃棄物をガス化する流動床式ガス
化炉である場合を例として、その主要部断面構成説明図
の図1を参照しながら説明する。
【0021】図1に示す符号1は、廃棄物をガス化する
流動床式ガス化炉である。この流動床式ガス化炉1は、
風箱2を備え、この風箱2の上部を構成し、空気入口2
aからこの風箱2内に供給された流動用空気を吹込む複
数の分散ノズル3aを有するすり鉢状に形成されてなる
分散板3を備えている。この分散板3上には、前記前記
分散ノズル3aから吹込まれる流動用空気によって流動
し、投入された廃棄物を解砕・ガス化する砂(通常、硅
砂が用いられる。)からなる流動層4が形成されてい
る。また、この流動層4の上方には、前記流動層4から
発生するガスが上昇し、かつ砂返送口5aを有してなる
ガス室5(流動床式焼却炉の一次燃焼室に相当する。)
が形成されている。
【0022】前記流動層4に投入された廃棄物の解砕・
ガス化によって生成された可燃ガスとチャーとはガス室
5内から、このガス室5の上方位置に設けられた図示し
ないガス排出口に一端が接続されてなる排ガスダクトを
介して、後処理工程に配設された図示しない燃焼溶融炉
に供給される。そして、可燃ガスとチャーとはこの燃焼
溶融炉で高温燃焼され、燃焼時の高温で有害物質を分解
すると共に、灰分を溶融するようになっている。
【0023】さらに、前記分散板3の底部から、前記流
動層4の砂と不燃物とを抜出す不燃物抜出管6が前記風
箱2を貫通して下方に伸びている。この不燃物抜出管6
の下端部にはスクリュフィーダ7が取付けられており、
このスクリュフィーダ7によって不燃物抜出管6から抜
出された砂と不燃物とが流動床式ガス化炉1外へ排出さ
れ、次いで振動篩8により砂と不燃物とに篩分けされる
ようになっている。
【0024】そして、流動床式ガス化炉1外へ排出され
た砂のうち再使用に耐え得る砂は、例えばコンベヤ、バ
ケットエレベータ等を具備してなる砂返送路12を介し
て前記砂返送口5aまで運搬され、この砂返送口5aか
ら流動床式ガス化炉1に再び戻されると共に、不燃物は
ロードセル9で計量された後に不燃物バンカーに排出さ
れるようになっている。
【0025】上記構成になる流動床式ガス化炉1の前記
スクリュフィーダ7の回転数は、前記ロードセル9によ
り計量された不燃物の排出量信号が入力されるフィーダ
制御装置10により制御されるように構成されている。
具体的には、このスクリュフィーダ7は、このスクリュ
フィーダ7から排出される砂の排出量をFsとし、不燃
物の排出量をFiとしたとき、Fi/(Fi+Fs)の
値が0.15よりも小さくなるような回転数で運転され
るものである。
【0026】Fi/(Fi+Fs)の値が0.15より
も小さくなるようにスクリュフィーダ7を運転すれば良
いということは、流動床式ガス化炉1の長期間にわたる
実稼働の結果得たものである。即ち、Fi/(Fi+F
s)の値が0.15未満になるように砂と不燃物とを排
出すると、流動層の砂の流動性が損なわれることがな
く、しかも排出量に応じて流動層の温度を上昇させ、か
つ低下させることができるからである。一方、Fi/
(Fi+Fs)の値が0.15以上である場合には、砂
と不燃物との抜出量が少なすぎることを意味し、そのた
めに流動層中の不燃物の混入割合が次第に増加し、流動
層の砂の流動性が悪化するばかりでなく、流動層の温度
が高温になり過ぎ、廃棄物のガス化にとって好ましくな
い炉内状況になってしまうものである。
【0027】このことを、流動層の出熱バランスの観点
から説明すると、流動床式ガス化炉1内の流動層4の砂
の温度がT1 であり、流動層4に返送される砂の温度が
2であり、砂の比熱がCsであり、不燃物の比熱がC
iであり、外気温がT3 であるとすると、流動層部分の
熱バランスにおいて調整できる熱量Qは、Q=Cs・F
s(T1 −T2 )+Ci・Fi(T1 −T3 )となる。
従って、スクリュフィーダ7の回転数を変更して、不燃
物と砂との排出量(Fi+Fs)を制御することによっ
て、流動層4の温度を容易に制御することができるとい
うことになる。勿論、流動層4の温度を熱電対等の流動
層温度測定器11で測定し、測定される温度により、か
つFi/(Fi+Fs)の値が0.15よりも小さくな
る範囲で、スクリュフィーダ7の回転数を制御すること
ができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の流動床式ガス化炉における流
動層温度制御方法に係る実施例1を、流動層の砂と不燃
物の排出量の相違に基づく流動層の温度変化説明図の図
2と、砂と不燃物との排出量がAである場合の流動層の
出熱バランス説明図の図3(a)と、砂と不燃物との排
出量がA/3である場合の流動層の出熱バランス説明図
の図3(b)とを参照しながら説明する。なお、この実
施例1は、廃棄物として一般の都市ごみを用いたもので
ある。
【0029】本実施例1では、砂とアルミニウム等の不
燃物(以下、これらを総称して、不燃物という。)の排
出量(Fi+Fs)を変えて、流動層4の温度制御が可
能か否かを調べたものである。
【0030】即ち、不燃物の排出量がAの場合には、流
動層の温度が下限の450℃程度で推移している。しか
しながら、流動層の温度が下限の450℃未満になる恐
れがあるため不燃物の排出量を一時停止した。その結
果、流動層の温度が450℃から約565℃まで上昇し
た。不燃物の排出を一時停止したままで維持し続ける
と、昇温変化勾配から流動層の温度が高温になりすぎる
と想定されるため、不燃物の排出量をAに戻したとこ
ろ、流動層の温度が下限温度未満の440℃まで低下し
てしまった。そこで、不燃物の排出量をA/3に戻した
ところ、再び流動層の温度が上昇したものである。
【0031】このように、不燃物の排出量を変えて流動
層の温度を低下させ、かつ上昇させることができるとい
うことは、流動床式ガス化炉に発熱量変動が大きな廃棄
物が供給されても、また廃棄物の供給量が変動しても、
スクリュフィーダの回転数の制御で不燃物の排出量を適
正に制御すれば、流動層の温度を自由自在に制御するこ
とができるということを示唆するものである。
【0032】ここにおいて、図3(a)と図3(b)と
を参照しながら、不燃物の排出量の相違による流動層の
出熱バランスを検討してみる。即ち、不燃物の排出量が
Aである場合〔図3(a)を参照〕には不燃物が持出す
熱量は全体熱量の28%であり、また不燃物の排出量が
A/3である場合〔図3(b)を参照〕には不燃物が持
出す熱量は全体熱量の11%である。つまり、不燃物の
排出量を1/3にすることによって、不燃物が炉外に持
出す熱量が1/2.5程度になり、この差を利用して流
動層の温度を制御することが可能である。
【0033】次に、本発明の流動床式ガス化炉における
流動層温度制御方法に係る実施例2を、流動層の砂と不
燃物の排出量の相違に基づく流動層の温度変化説明図の
図4を参照しながら説明する。
【0034】この実施例2の場合には、不燃物の排出量
による流動層の温度変化が急激であった上記実施例1の
流動層の温度変化勾配を緩やかにするために、不燃物の
排出量をA/2としたものである。不燃物の排出量をA
/2とした時点から次第に流動層の温度が低下し始め
て、ある時間経過した後には、流動層の温度は560〜
585℃程度の温度範囲で安定的に維持されている。勿
論、この実施例2の場合も、上記実施例1の場合と同様
に、廃棄物として一般の都市ごみを用いた。
【0035】以上の実施例から良く理解されるように、
本実施例に係る流動床式ガス化炉の流動層温度制御方法
によれば、従来例のように、軽油や石炭等の外部エネル
ギーを利用するまでもなく、流動層の温度を上昇させる
ことができ、また二次空気ノズル、冷却用伝熱管、排ガ
ス循環ラインといった付帯設備を設けるまでもなく流動
層の温度を低下させることができる。従って、従来例の
ように、流動床ガス化炉のランニングコストが嵩むこと
がなく、排ガス量も増大することがないので小型の排ガ
ス処理設備で済ますことができ、また付帯設備を設ける
必要がないから、ランニングコストやガス化溶融プロセ
スの設備コスト関して有利になるという経済効果があ
る。
【0036】なお、以上の実施例においては、廃棄物の
性状、廃棄物の供給条件、不燃物の混入割合、不燃物の
種類を始め、流動床式ガス化炉の規模等が相違するた
め、上記のとおり、不燃物の排出量をAから一次停止、
A/3、A/2として流動床式ガス化炉の流動層の温度
について説明したものである。また、以上では、流動床
炉が流動床式ガス化炉である場合を例として説明した
が、廃棄物を焼却する流動床式焼却炉に対しても本発明
の技術的思想を適用することができるので、上記実施の
形態または実施例によって本発明の適用範囲が限定され
るものではない。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項
1,2または3に係る流動床炉における流動層温度制御
方法の何れかにによれば、スクリュフィーダの回転数を
制御して、砂と不燃物との排出量を調節することによ
り、従来例のように、軽油や石炭等の外部エネルギーを
利用するまでもなく、流動層の温度を上昇させることが
でき、また二次空気ノズル、冷却用伝熱管、排ガス循環
ラインといった付帯設備を設けるまでもなく流動層の温
度を低下させることができる。従って、従来例のよう
に、流動床ガス化炉のランニングコストが嵩むことがな
く、排ガス量も増大することがないので、小型の排ガス
処理設備で済ますことができ、また付帯設備を設ける必
要がないから、ランニングコストやガス化溶融プロセス
の設備コスト関して有利になるという極めて優れた経済
効果を得ることができる。
【0038】また、本発明の請求項2または3に係る流
動床炉における流動層温度制御方法によれば、スクリュ
フィーダの回転数から求められる砂の排出量をFs、不
燃物の排出量をFiとしたとき、前記不燃物の排出量F
iを計量し、Fi/(Fi+Fs)の値が0.15より
も小さくなるように、前記スクリュフィーダの回転数を
制御して、砂と不燃物との排出量を調節するので、流動
層中の不燃物の混入割合が増大することがなく、流動層
の砂は確実に流動し続けるから、流動層に投入された廃
棄物を効果的に解砕・ガス化させることができる。
【0039】本発明の請求項4に係る流動床炉によれ
ば、スクリュフィーダの不燃物抜出管から抜出された砂
と不燃物とを炉外に排出する排出速度を流動層温度測定
器により測定される流動層の測定温度により制御するこ
とができ、また請求項5に係る流動床炉によれば、スク
リュフィーダの排出速度を流動層の測定温度の温度変化
勾配により制御することができ、そしてスクリュフィー
ダから排出された砂を砂返送路で流動層に戻すことがで
きるから、これら請求項4乃至5のうちの何れの流動床
炉によっても、前記請求項1乃至3に係る流動床炉にお
ける流動層温度制御方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係り、流動床炉におけ
る流動層温度制御方法を実現する実施の形態に係る流動
床式ガス化炉の主要部断面構成説明図である。
【図2】本発明の実施例1に係り、流動層の砂と不燃物
の排出量の相違に基づく流動層の温度変化説明図であ
る。
【図3】本発明の実施例1に係り、図3(a)は砂と不
燃物との排出量がAである場合の流動層の出熱バランス
説明図、図3(b)は砂と不燃物との排出量がA/3で
ある場合の流動層の出熱バランス説明図である。
【図4】本発明の実施例2に係り、流動層の砂と不燃物
の排出量の相違に基づく流動層の温度変化説明図であ
る。
【符号の説明】
1…流動床式ガス化炉(流動床炉),2…風箱,2a…
空気入口,3…分散板,3a…分散ノズル,4…流動
層,5…ガス室,5a…砂返送口,6…不燃物抜出管,
7…スクリュフィーダ,8…振動篩,9…ロードセル,
10…フィーダ制御装置,11…流動層温度測定器,1
2…砂返送路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23G 5/50 ZAB F23C 11/02 305 311 Fターム(参考) 3K061 AA11 AB02 AC01 BA02 BA07 EA01 EB07 EB08 EB10 ND03 ND14 3K062 AA11 AB02 AC01 BA02 CB05 DA01 DA40 DB30 3K064 AA08 AA10 AB03 AC01 AC07 AC11 AC12 AD08 AE15 BA07 BB01 BB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散板に設けられた複数の散気ノズルか
    らの流動用空気の吹込みにより流動層の砂を流動させ、
    この流動層に投入された廃棄物を解砕・ガス化し、前記
    分散板の底部に設けられた不燃物抜出管から抜出された
    砂と不燃物とをスクリュフィーダで炉外に排出すると共
    に、排出された砂と不燃物とのうち、砂を前記流動層に
    戻す流動床炉の前記流動層の温度を制御する流動床炉に
    おける流動層温度制御方法において、前記スクリュフィ
    ーダの回転数を制御することにより、砂と不燃物との排
    出量を調節することを特徴とする流動床炉における流動
    層温度制御方法。
  2. 【請求項2】 分散板に設けられた複数の散気ノズルか
    らの流動用空気の吹込みにより流動層の砂を流動させ、
    この流動層に投入された廃棄物を解砕・ガス化し、前記
    分散板の底部に設けられた不燃物抜出管から抜出された
    砂と不燃物とをスクリュフィーダで炉外に排出すると共
    に、排出された砂と不燃物とのうち、砂を前記流動層に
    戻す流動床炉の前記流動層の温度を制御する流動床炉に
    おける流動層温度制御方法において、前記スクリュフィ
    ーダから排出される砂の排出量をFs、不燃物の排出量
    をFiとしたとき、Fi/(Fi+Fs)の値が0.1
    5よりも小さくなる範囲で、前記スクリュフィーダの回
    転数を制御することにより、砂と不燃物との排出量を調
    節することを特徴とする流動床炉における流動層温度制
    御方法。
  3. 【請求項3】 分散板に設けられた複数の散気ノズルか
    らの流動用空気の吹込みにより流動層の砂を流動させ、
    この流動層に投入された廃棄物を解砕・ガス化し、前記
    分散板の底部に設けられた不燃物抜出管から抜出された
    砂と不燃物とをスクリュフィーダで炉外に排出すると共
    に、排出された砂と不燃物とのうち、砂を前記流動層に
    戻す流動床炉の前記流動層の温度を制御する流動床炉に
    おける流動層温度制御方法において、前記流動層の温度
    に応じて、かつ前記スクリュフィーダから排出される砂
    の排出量をFs、不燃物の排出量をFiとしたとき、F
    i/(Fi+Fs)の値が0.15よりも小さくなる範
    囲で、前記スクリュフィーダの回転数を制御することに
    より、砂と不燃物との排出量を調節することを特徴とす
    る流動床炉における流動層温度制御方法。
  4. 【請求項4】 分散板に設けられた複数の散気ノズルか
    らの流動用空気の吹込みにより流動層の砂を流動させ、
    この流動層に投入された廃棄物を解砕・ガス化する流動
    床炉であって、前記流動層の温度を測定する流動層温度
    測定器と、この流動層温度測定器により測定される測定
    温度により、前記分散板の底部に設けられた不燃物抜出
    管から抜出された砂と不燃物とを炉外に排出する排出速
    度が制御されるスクリュフィーダと、このスクリュフィ
    ーダから排出された砂を前記流動層に戻す砂返送路とを
    備えてなることを特徴とする流動床炉。
  5. 【請求項5】 前記スクリュフィーダの排出速度が、前
    記測定温度の温度変化勾配により制御されることを特徴
    とする請求項4に記載の流動床炉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011122800A (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 Sumitomo Heavy Ind Ltd 流動床燃焼炉及び流動床燃焼炉の運転方法
JP2021081118A (ja) * 2019-11-18 2021-05-27 三菱パワーインダストリー株式会社 回転式分級機および回転式分級機を備える流動層燃焼システム

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