JP2001354950A - タック除去剤組成物およびそれを用いる工法 - Google Patents

タック除去剤組成物およびそれを用いる工法

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JP2001354950A JP2000181027A JP2000181027A JP2001354950A JP 2001354950 A JP2001354950 A JP 2001354950A JP 2000181027 A JP2000181027 A JP 2000181027A JP 2000181027 A JP2000181027 A JP 2000181027A JP 2001354950 A JP2001354950 A JP 2001354950A
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Atsushi Yoshikawa
篤志 吉川
Yasushi Shirai
寧 白井
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加水分解性シリル基を持つ反応性オリゴマーを
で硬化させてなる弾性シーリング材の表面のタックを早
期に除去することのできるタック除去剤組成物、およ
び、弾性シーリング材表面に、該シーリング材の硬化に
用いる硬化触媒もしくは硬化剤を塗布して、弾性シーリ
ング材表面のタックを早期に除去し、弾性シーリング材
表面の硬化を促進させる工法の提供。 【解決手段】有機錫化合物および/またはアミン化合物
と、溶剤および/または可塑剤とを含有するタック除去
剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加水分解性シリル
基を持つ反応性オリゴマーを硬化させて得られる弾性シ
ーリング材の、表面のタックを早期に除去することに優
れるタック除去剤組成物と、弾性シーリング材表面に、
該シーリング材の硬化に用いる硬化触媒もしくは硬化剤
を塗布して、弾性シーリング材表面のタックを早期に除
去し、弾性シーリング材表面の硬化を促進させる工法に
関する。
【0002】
【従来の技術】加水分解性シリル基を持つ反応性オリゴ
マーは、硬化触媒を用いることにより室温でも湿気硬化
するので、従来からシーリング材として用いられてい
る。この弾性シーリング材では、硬化触媒として一般に
錫系触媒等のシラノール縮合触媒が使用されている。錫
系触媒として、4価の有機錫化合物と2価の有機錫化合
物がある。2価の有機錫化合物、例えば、2価のカルボ
ン酸塩を使用した場合、2価のカルボン酸塩は耐湿安定
性が低く、シーリング材表面の薄層部で空気中の水分に
より失活しやすいため、弾性シーリング材を打設後、シ
ーリング材の深部は硬化はするが、弾性シーリング材表
面は硬化せずべとつき(タック)が長期にわたり消失し
ないことがある。このため、埃、塵などの経時的な付着
が起きやすく、弾性シーリング材表面と周囲の基材との
汚れの差が出て、建築物の美観を損なうという問題があ
った。また、上記弾性シーリング材を非常に薄く塗布し
た薄層部で、2価のカルボン酸塩が空気中の水分で失活
して弾性シーリング材の硬化性が低下するという問題
(薄層未硬化の問題)があった。
【0003】弾性シーリング材表面に残るタックに対す
る改良法として、弾性シーリング材中に紫外線硬化性樹
脂や乾性油を添加するという方法がとられているが、紫
外線硬化性樹脂では、弾性シーリング材表面にブリード
してくるまでに時間がかかるため、弾性シーリング材表
面のタックを早期に除去することは困難である。一方、
薄層未硬化の問題に対しては、弾性シーリング材に配合
する硬化触媒の配合量を増加する、あるいは、弾性シー
リング材表面を成膜性のある塗布剤で被覆するといった
改良方法が採られてきた。しかし、硬化触媒の配合量を
増加すると、可使時間が短くなるなどの作業性の低下
や、弾性シーリング材の硬化後のモジュラスが大きくな
りすぎて、弾性シーリング材が材破しやすくなるという
問題があった。成膜性のある塗布剤で被覆すると、弾性
シーリング材と塗布剤との硬化後のモジュラスが異なる
ため、塗布剤がひび割れたり剥離しやすいという問題が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、加水
分解性シリル基を持つ反応性オリゴマーを硬化させてな
る弾性シーリング材の表面のタックを早期に除去するこ
とのできるタック除去剤組成物、および、弾性シーリン
グ材表面のタックを早期に除去し、弾性シーリング材表
面の硬化を促進する工法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、有
機錫化合物および/またはアミン化合物と、溶剤および
/または可塑剤とを含有するタック除去剤組成物を提供
する。
【0006】また、本発明は、弾性シーリング材表面
に、該シーリング材の硬化に用いる硬化触媒もしくは硬
化剤を塗布することを特徴とする工法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、詳細に説
明する。本発明のタック除去剤組成物(以下、本発明の
組成物という)は、上述の弾性シーリング材の表面のタ
ックを、弾性シーリング材打設後、早期に除去するため
に用いられるタック除去剤組成物である。本発明の組成
物は、有機錫化合物および/またはアミン化合物と、溶
剤および/または可塑剤とを含有する。
【0008】本発明の組成物に含有される有機錫化合
物、アミン化合物とは、加水分解性シリル基を持つ反応
性オリゴマーを硬化させる働きをもつ。本発明の組成物
は、硬化触媒として有機錫化合物、および/または、硬
化剤としてアミン化合物を含有することにより、上記反
応性オリゴマーを硬化させて得られる弾性シーリング材
の表面の硬化を促進することができると共に、弾性シー
リング材表面のタックを早期に消失させることが出来
る。
【0009】有機錫化合物としては、オクチル酸錫、ナ
フテン酸錫等の2価の錫のカルボン酸塩、ジブチル錫ジ
ウラレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセ
テート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫オキサ
イド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ベンゾエー
ト等の4価の錫のカルボン酸塩、ジブチル錫オキサイド
とフタル酸エステルとの反応物;ジブチル錫ジアセチル
アセトナート等が挙げられる。これらの有機錫化合物
は、1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良
い。これらの中でも、シーリング材深部と表面の硬化性
と物性を合わせるという観点から、シーリング材に用い
た硬化剤と同じ有機錫化合物を用いるのが好ましい。
【0010】アミン化合物としては、ブチルアミン、オ
クチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジ
ルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレン
ジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェ
ニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリ
ン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジ
アザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)
等のアミン化合物、あるいはこれらのアミン化合物のカ
ルボン酸等との塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから
得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンと
エポキシ化合物との反応生成物;γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するシ
ランカップリング剤等が挙げられる。これらのアミン化
合物は、1種を単独で用いても、2種以上を併用しても
良い。これらの中でも、シーリング材深部と表面の硬化
性と物性を合わせるという観点から、シーリング材に用
いた硬化剤と同じアミン化合物を用いるのが好ましい。
【0011】本発明の組成物が塗布される上記弾性シー
リング材には、目地とシーリング材との接着性向上のた
めにエポキシ樹脂を配合しても良い。アミン化合物は、
エポキシ樹脂の硬化剤としても働くことが出来るため、
弾性シーリング材がエポキシ樹脂を含んでいる場合に、
本発明の組成物にアミン化合物を含むと、加水分解性シ
リル基を持つ反応性オリゴマーの硬化剤として、また、
エポキシ樹脂の硬化剤としても機能するので好ましい。
【0012】本発明の組成物には、本発明の目的を損な
わない範囲で、上記有機錫化合物および/またはアミン
化合物と共に、テトラブチルチタネート、テトラプロピ
ルチタネート等のチタン酸エステル類;アルミニウムト
リスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチル
アセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチ
ルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジ
ルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラ
アセチルアセトナート等のキレート化合物類;その他の
酸性触媒、塩基性触媒等、公知のシラノール縮合触媒を
配合してもよい。
【0013】本発明の組成物が含有する溶剤および/ま
たは可塑剤は、本発明の組成物を弾性シーリング材に塗
布時、有機錫化合物、アミン化合物を、弾性シーリング
材表面に均一に分散させて塗布する働きをする。溶剤お
よび/または可塑剤としては、蒸発速度が速すぎると、
本発明の組成物の濃度、粘度の変化がはなはだしく、有
機錫化合物、アミン化合物を弾性シーリング材表面に均
一に分散させることが難しい。一方、蒸発速度が遅いと
乾燥が遅れ、作業効率が落ちる。従って、溶剤および/
または可塑剤としては、吸湿性が高いアルコール系溶剤
を除き、常温で蒸発するものを用いるのが好ましい。こ
のような溶剤、可塑剤としては、沸点がおよそ30〜4
00℃程度であるのが好ましい。
【0014】溶剤としては、例えば、ヘキサン(沸点6
9℃、以下括弧内は沸点を表す)、ヘプタン(98.4
℃)、オクタン(126℃)、ミネラルスピリット(1
50〜200℃)等の脂肪族系溶剤、ベンゼン(80
℃)、トルエン(111℃)、キシレン(141℃)等
の芳香族系溶剤、酢酸エチル(77.1℃)、酢酸ブチ
ル(120〜125℃)、酢酸アミル(142.1
℃)、酢酸オクチル(210℃)等のエステル系溶剤、
メチルエチルケトン(80℃)、シクロヘキサノン(1
57℃)等のケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド(1
50℃)、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド系
溶剤等が挙げられる。これらの中でも、吸水性が低いと
いう理由から脂肪族系溶剤や芳香族系溶剤が好ましい。
溶剤としては市販品を利用することが出来、例えば、A
ソルベント(石油系溶剤、日石三菱社製)等が挙げられ
る。
【0015】可塑剤としては、マレイン酸ジブチル(沸
点281℃)、アジピン酸ジイソブチル(282℃)、
セバシン酸ジブチル(349℃)等のエステル系可塑
剤、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル系可塑剤、
パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイ
ル等を挙げることができる。これらの中でも、シーリン
グ材表層との相溶性の観点からシーリング材に用いられ
ている可塑剤が好ましい。これらの溶剤、可塑剤は、1
種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いて
も良い。
【0016】上記有機錫化合物および/またはアミン化
合物と、溶剤および/または可塑剤との好ましい組み合
わせとしては、オクチル酸錫とキシレン、オクチル酸錫
とヘキサン、オクチル酸錫とラウリルアミンとn・ヘキ
サン等が挙げられる。
【0017】本発明の組成物における、上述の有機錫化
合物の含有量は、上述の溶剤および/または可塑剤10
0重量部に対し、0.1〜100重量部が好ましく、1
〜10重量部がより好ましい。この範囲であれば、本発
明の組成物を塗布することにより、前述の弾性シーリン
グ材の表面タックを早期に除去することが出来ると共
に、弾性シーリング材表面の硬化促進にも優れる。ま
た、上記範囲内であれば、本発明の組成物を塗布した弾
性シーリング材の、硬化後の表層の膜圧が高くなりすぎ
て弾性シーリング材が材破するということがないので好
ましい。さらに、有機錫化合物の配合量が多すぎると、
有機錫化合物が弾性シーリング材表面から周囲の基材へ
と流れ出て汚れとなることがあるが、上記範囲内であれ
ば、有機錫化合物が周囲の基材に流れ出すことはなく好
ましい。
【0018】本発明の組成物における、アミン化合物の
含有量は、本発明の組成物による弾性シーリング材表面
のタック除去の効果に加え、本発明の組成物を塗布する
弾性シーリング材に含まれるエポキシ樹脂の量も考慮し
て適宜きめることができるが、例えば、上述の溶剤およ
び/または可塑剤100重量部に対し、0.1〜20重
量部が好ましく、0.25〜2重量部がより好ましい。
この範囲を超えて配合すると、弾性シーリング材表面に
アミン化合物が滲出して、シーリング材表面に汚すこと
があり好ましくない。
【0019】特に、本発明の組成物に、有機錫化合物と
アミン化合物とを一緒に配合する場合は、有機錫化合物
とアミン化合物とを併せた含有量が、溶剤および/また
は可塑剤100重量部に対し、0.1〜100重量部が
好ましく、1〜10重量部がより好ましい。上記範囲の
含有量中、有機錫化合物とアミン化合物との配合重量比
は、1/1〜20/1であるのが好ましく、3/1〜1
0/1であるのがより好ましい。
【0020】本発明の組成物は、上述の有機錫化合物お
よび/またはアミン化合物と、溶剤および/または可塑
剤と、必要に応じてその他の添加剤、例えば、有機錫化
合物以外の硬化触媒や揺変剤等を、常温で混合すること
により製造することができる。
【0021】本発明の工法は、弾性シーリング材表面
に、該シーリング材の硬化に用いる硬化触媒もしくは硬
化剤を塗布することを特徴とする工法である。本発明の
工法によれば、弾性シーリング材の薄層部分を早期に硬
化させることができる。また、本発明の工法によれば、
弾性シーリング材の表面タックを早期に除去することが
出来る。
【0022】硬化触媒としては、本発明の組成物に配合
される有機錫化合物等のシラノール縮合触媒と同様の硬
化触媒が例示される。硬化剤としては、本発明の組成物
に硬化剤として配合される、アミン化合物と同様の化合
物が例示される。これらの硬化触媒、硬化剤は、溶剤、
あるいは可塑剤により濃度を適正に調整して用いること
が出来る。溶剤としては、本発明の組成物に配合される
溶剤と同様の溶剤が例示される。可塑剤としては、本発
明の組成物に配合される可塑剤と同様の可塑剤が例示さ
れる。硬化触媒、硬化剤の溶剤、あるいは可塑剤に対す
る好ましい配合量は、本発明の組成物における硬化触
媒、硬化剤の好ましい配合量と同様でよい。
【0023】本発明の工法においては、上述の硬化触
媒、もしくは硬化剤は、弾性シーリング材を打設して、
弾性シーリング材が硬化した後はもちろん、弾性シーリ
ング材が未硬化状態であっても、塗布してよい。一般に
弾性シーリング材中には、シーリング材を縮合させ硬化
させるために水分を予め配合することができるので、硬
化触媒、もしくは硬化剤を弾性シーリング材上に塗布す
ることで、弾性シーリング材の表層が先に硬化して、深
部が未硬化の状態であっても、弾性シーリング材全体を
硬化させることができる。
【0024】本発明の工法において、硬化触媒もしくは
硬化剤を弾性シーリング材に塗布する方法としては、刷
毛塗り、スプレーガンなどの塗装手段により塗布する方
法が例示される。硬化触媒もしくは硬化剤の塗布量は、
上述の溶剤もしくは可塑剤に、上述の好ましい配合量を
添加して調整したものの塗布量として、厚さ0.001
〜50μm程度の塗膜を形成する量が好ましく、室温
(およそ20℃)〜100℃程度の温度で0.1秒〜1
日程度で硬化、乾燥するのが好ましい。
【0025】本発明の組成物、および工法が適用される
弾性シーリング材は、反応基として加水分解性シリル基
を持つ反応性オリゴマーを硬化させて得られる有機重合
体であり、空気中の水分により加水分解性シリル基が加
水分解および架橋反応を起こし、弾性体となる化合物で
ある。上述の反応性オリゴマーが硬化して得られる有機
重合体は、分子内に少なくとも1つの加水分解性シリル
基を含み、主鎖としては、アルキレンオキシド重合体、
ポリエーテル、エーテル・エステルブロック共重合体が
挙げられる。また、ポリビニル系またはジエン系の化合
物、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ルが挙げられる。
【0026】ポリビニル系化合物としては、具体的に
は、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−ブ
タジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、ポリイソプレン、スチレン−イソプレ
ン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、ポリ
クロロプレン、スチレン−クロロプレン共重合体、アク
リロニトリル−クロロプレン共重合体、ポリイソブチレ
ン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ルなどが挙げられる。これらの中でも、主鎖としては、
ポリイソブチレンが特に耐候性に優れることから好まし
い。
【0027】加水分解性シリル基は、たとえば、ケイ素
原子と結合した加水分解性基を有するケイ素含有基やシ
ラノール基のように湿気や硬化剤の存在下、必要に応じ
て硬化触媒などを使用することにより縮合反応を起こす
基のことであり、分子内の末端に存在していても、側鎖
に存在していてもよく、具体的には、クロロシリル基、
ブロモシリル基等のハロゲン化シリル基;メトキシシリ
ル基、エトキシシリル基等のアルコキシシリル基;ビニ
ルオキシシリル基、プロペニルオキシシリル基等のアル
ケニルオキシシリル基;アセトキシシリル基、ベンゾイ
ルオキシシリル基等のアシロキシシリル基;アミノシリ
ル基;アミノオキシシリル基;オキシムシリル基;アセ
トアミドシリル基等のアミドシリル基;ジメチルケトキ
シメートシリル基、シクロヘキシルケトキシメートシリ
ル基等のケトキシメートシリル基が挙げられる。これら
の中でも、加水分解性が温和で取扱い易いということか
ら、アルコキシシリル基が好ましい。
【0028】本発明の組成物、および工法が適用される
上述の弾性シーリング材を構成する有機重合体の数平均
分子量は、特に制約はないが、高分子のものは高粘度で
あり、作業性に劣るので、30000以下が望ましい。
このような有機重合体は、公知の方法によって製造する
ことができる。上述の弾性シーリング材は、1液形のシ
ーリング材であっても2液形のシーリング材であっても
よい。このような弾性シーリング材として、市販品が例
示でき、例えば、2液形のシーリング材としてはマイレ
ックス−Z(ポリイソブチレン系2液形建築用シーリン
グ材横浜ゴム(株)製)等が挙げられる。
【0029】本発明のタック除去剤組成物および工法は
上述の構成を採るので、加水分解性シリル基を持つ反応
性オリゴマーを硬化させてなる弾性シーリング材の表面
タックを早期に除去することが出来る。また、弾性シー
リング材を薄層に塗布した際、薄層部分を硬化すること
ができる。また、本発明の組成物により形成される表面
皮膜は、弾性シーリング材そのものなので、表面皮膜と
弾性シーリング材の物性が異ならず、硬化後の表層に弾
性シーリング材が追従せずに材破したり表面にひび割れ
が生じるということがなく、弾性シーリング材の気密
性、水密性を保つことができ、美観を保つこともでき
る。
【0030】
【実施例】以下、実施例により、本発明をより具体的に
説明する。 (実施例1〜7、比較例1)下記第1表に記載の組成
(単位は重量部)の組成物を調整して、得られた組成物
について、表面タック、薄層部分の硬化性を下記の方法
で評価した。 <表面タックの評価>スレート板2枚を用いて、巾10
mmの目地を作り、ポリイソブチレン系2液形建築用シ
ーリング材(マイレックス−Z、横浜ゴム(株)製)を
充填した。実施例1〜2、比較例1で得られた組成物に
ついてはシーリング材が硬化してから、実施例3〜7で
得られた組成物についてはシーリング材が未硬化の状態
で、得られた組成物をシーリング材表面にはけ塗りにて
均一に塗布し、室温で乾燥した。硬化後の組成物の塗膜
は0.01μmであった。組成物を塗布24時間後のシ
ーリング材表面に、タックが有るか無いかを指触して調
べた。第1表に結果を、初期表面タックとして示す。表
中、「有り」は、シーリング材の深部は硬化しているが
表面にタックが残り、表面がべたついたことを表す。
「無し」は、シーリング材表面にタックがないことを表
す。
【0031】<薄層部分の硬化性の評価>ガラス板にマ
スキングテープを貼り、マスキングテープで囲んだ10
mm×50mmの部分に、ポリイソブチレン系2液型建
築用シーリング材を薄層(膜厚は25μm)となるよう
塗布した。実施例1〜2、比較例1で得られた組成物に
ついてはシーリング材が硬化してから、実施例3〜7で
得られた組成物についてはシーリング材が未硬化の状態
で、得られた組成物をシーリング材表面にはけ塗りにて
均一に塗布し、室温で乾燥した。硬化後の塗膜は0.0
1μmであった。実施例1〜2、比較例2で得られた組
成物を塗布することにより、薄層のシーリング材が硬化
したかを、組成物塗布24時間後に指触して調べた。第
1表に結果を、薄層未硬化として示す。表中、「有り」
は未硬化部分があり、指にシーリング材がついてきたこ
とを表し、「無し」は未硬化部分がなく、指にシーリン
グ材もついてこなかったことを表す。
【0032】
【表1】
【0033】表中、Aソルベントとは、沸点152〜1
93℃の石油系混合溶剤(日石三菱社製)である。な
お、実施例1〜7、比較例1の評価で用いた弾性シーリ
ング材を目地に充填し、表面に何も塗布せずに室温で硬
化させたところ、表面のタックが消失するまでおよそ1
ヶ月かかった。
【0034】
【発明の効果】本発明のタック除去剤組成物、本発明の
工法を適用することにより、加水分解性シリル基を持つ
反応性オリゴマーを硬化してなる弾性シーリング材表面
のタックを早期に除去することができる。また、弾性シ
ーリング材を薄層に塗布した部分の硬化性を向上させる
ことができる。また、本発明の組成物により形成される
弾性シーリング材表面の皮膜は、弾性シーリング材その
ものなので、表面皮膜と弾性シーリング材の物性が異な
らず、硬化後の表層に弾性シーリング材が追従せずに材
破したり表面にひび割れが生じるということがなく、弾
性シーリング材の気密性、水密性を損なわず、美観を保
つこともできる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機錫化合物および/またはアミン化合物
    と、溶剤および/または可塑剤とを含有するタック除去
    剤組成物。
  2. 【請求項2】弾性シーリング材表面に、該シーリング材
    の硬化に用いる硬化触媒もしくは硬化剤を塗布すること
    を特徴とする工法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111057411A (zh) * 2019-12-10 2020-04-24 苏州盛威科印刷器材有限公司 一种用于印刷油墨的环保去粘剂及其制备方法

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