JP2001354639A - 複数のアミジノ基を有する化合物および製剤 - Google Patents

複数のアミジノ基を有する化合物および製剤

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JP2001354639A
JP2001354639A JP2001019863A JP2001019863A JP2001354639A JP 2001354639 A JP2001354639 A JP 2001354639A JP 2001019863 A JP2001019863 A JP 2001019863A JP 2001019863 A JP2001019863 A JP 2001019863A JP 2001354639 A JP2001354639 A JP 2001354639A
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JP2001019863A
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Kazuhiro Shimizu
一浩 清水
Kazumichi Koiwai
一倫 小岩井
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Terumo Corp
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】効率良くかつ安全にDNAを細胞や病患部へ導
入できる製剤およびその構成成分を得る。 【解決手段】下記式(1)または(2)で示す、1価お
よび/または2価の基を2以上有する複数のアミジノ基
を有する化合物、およびそれを構成成分とする製剤。 【化1】 【化2】 (上記式(1)および(2)において、X、Yは−
(O)i −(CH2 j −(O)k −を表し、i、kは
各々独立して0または1の整数を表し、jは0または1
〜20までの整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な複数のアミ
ジノ基を有する化合物およびそれを構成成分とする製剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、遺伝子を用いて治療を行うことを
目的に様々な技術が開発されている。目的とする遺伝子
を発現させる方法としては、ウィルスベクター、非ウィ
ルスベクター、物理的導入法等が開発されているが、ウ
ィルスベクターは導入効率が高いが副作用が強く、非ウ
ィルスベクターと物理的導入法は副作用が少ないが導入
効率が低いという問題点を抱えている。そこで、非ウィ
ルスベクターあるいは物理的導入法の導入効率を向上さ
せるための手法としてJ.ControlledRel
ease 52,191−203(1998)等の報告
があるが十分な効果は得られていない。
【0003】このような目的のために、リポソーム、エ
マルジョン、リピッドマイクロスフェアなどの閉鎖小包
をDNAの細胞内への移動、すなわち、トランスフェク
ションに応用しようとする研究が近年盛んに行われてい
る。これら閉鎖小包は一般的にリン脂質あるいはその誘
導体、またはステロールやリン脂質以外の脂質等を基本
膜構成成分として調製される。しかし、これら基本構成
成分のみを用いた手法では、閉鎖小包同士の凝集、体内
における滞留性の低下、トランスフェクションの低効
率、などの様々な障害が存在し、実用化が困難であっ
た。
【0004】そこで、閉鎖小包の細胞接着性の向上、お
よび/またはトランスフェクションの促進を目的とし
て、ステアリルアミン等のカチオン性物質を少量配合す
ることにより、閉鎖小包体の表面を生理的pH範囲でカ
チオン化する試みも行われ、配合可能なカチオン性物質
としては米国特許第4897355号、米国特許第53
34761号、日本特許公報特開平2−292246
号、日本特許公報特開平4−108391号が報告され
ているが十分な効果は得られていない。
【0005】また一方で、ポリリシン、ポリエチレンイ
ミン、コラーゲンなどとDNAで形成した複合体を用い
てトランスフェクションを行なう、閉鎖小包の形態をと
らない手法の研究も行なわれている。しかしながら十分
な効果は得られていない。
【0006】従って、効率良くかつ簡便、そして安全に
DNAを細胞内へ導入できる製剤や手法の開発が強く望
まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、核
酸、ポリヌクレオチド、遺伝子およびその類縁体を細胞
へ効率良くかつ簡便、そして安全にトランスフェクショ
ンしうる製剤、およびそれらを形成しうる物質を提供す
ることである。また本発明の目的は、薬剤または核酸、
ポリヌクレオチド、遺伝子及びその類縁体等と複合体を
形成することによりそれらの細胞内の安定性を高めうる
化合物を提供することである。また本発明の目的は、非
ウィルスベクターや物理的導入法に上記複合体を組み合
わせ使用することで薬効または遺伝子発現効率を向上さ
せることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題は以下の本
発明により解決される。 (a)下記式(1)または(2)で示される、1価およ
び/または2価の基を2以上有する複数のアミジノ基を
有する化合物またはその塩。
【化6】
【化7】 (式(1)および式(2)において、X、Yは同一でも
異なっていてもよい−(O)i −(CH2 j −(O)
k −を表し、i、kは各々独立して0または1の整数を
表し、jは0または1〜20までの整数である。) (b)下記式(3)で示される(a)の複数のアミジノ
基を有する化合物またはその塩。
【化8】 (ただし、X、Yは同一でも異なっていてもよい−
(O)i −(CH2 p −(O)k −を表し、i、kは
各々独立して0または1の整数を表し、pは0または1
〜7までの整数を表し、Aは置換基を有してもよいベン
ゼン環である。) (c)下記式(4)で示される(a)の複数のアミジノ
基を有する化合物またはその塩。
【化9】 (ここで、nは、2または3であり、Aは、置換基を有
していてもよいベンゼン環である。) (d)下記式(5)で示される(a)の複数のアミジノ
基を有する化合物またはその塩。
【化10】 (ここで、jは、0または1〜20までの整数であり、
mは、2〜50までの整数であり、Rは、水素原子また
は炭素数1〜20までのアルキル基であり、R’は、3
−アミジノ−5−ヒドロキシフェノキシ基または炭素数
1〜20までのアルキル基である。) (e)核酸、ポリヌクレオチド、遺伝子およびその類縁
体から選択される少なくとも1つと(a)ないし(d)
のいずれかの複数のアミジノ基を有する化合物またはそ
の製剤学的に許容される塩を有効成分として含有する複
合体。 (f)(e)の複合体に加えて、さらに脂質を含有する
脂質複合体。 (g)(e)または(f)の複合体に加えて、さらに他
の薬剤を含有する製剤。 (h)前記他の薬剤が、抗炎症剤、ステロイド剤、抗癌
剤、酵素剤、酵素阻害剤、抗生物質、抗酸化剤、脂質取
り込み阻害剤、ホルモン剤、アンジオテンシン変換酵素
阻害剤、アンジオテンシン受容体拮抗剤、平滑筋細胞の
増殖・遊走阻害剤、血小板凝集阻害剤、ケミカルメデイ
エーターの遊離抑制剤、血管内皮細胞の増殖または抑制
剤、アルドース還元酵素阻害剤、メサンギウム細胞増殖
阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、免疫抑制剤、免疫賦
活剤、抗ウイルス剤あるいはラジカルスカベンジャーで
ある(f)の製剤。 (i)前記他の薬剤が、X線造影剤、放射性同位元素標
識核医学診断薬、核磁気共鳴診断用診断薬等の各種体内
診断薬である(f)の製剤。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の化合物は、新規化合物で
あり、実施例に示すように容易に合成することができ
る。但し、本発明は実施例に限定されるものでない。上
記式(1)ないし(5)で表される複数のアミジノ基を
有する化合物は、自体公知の分離・精製手段(例えば、
クロマトグラフィー、再結晶) などにより単離採取する
ことができる。
【0010】上記式(1)ないし(5)で表される複数
のアミジノ基を有する化合物の好ましい塩としては、塩
酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸
塩、トルエンスルホン酸塩などが挙げられるが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0011】上記式(1)、式(2)および式(4)に
おけるX、Yにおいて、i、kは各々独立して0または
1の整数を表し、jは0または1〜20までの整数であ
る。すなわち、XおよびYは、O、若しくは、メチル、
エチル、プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘ
キシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n
−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデ
シル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキ
サデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−
ノナデシル、n−イコシル、若しくは一方の末端にカル
ボニル基を有する前記メチルないしn−ノナデシルのい
ずれか、または両方の末端にカルボニル基を有する前記
メチルないしn−オクタデシルのいずれかである。
【0012】上記式(3)のX、Yにおいて、i、kは
各々独立して0または1の整数を表し、pは0または1
〜7までの整数である。すなわち、XおよびYは、O、
若しくは、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、n
−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、若しくは一
方の末端にカルボニル基を有する前記メチルないしn−
ヘキシルのいずれか、または両方の末端にカルボニル基
を有する前記メチルないしn−ペンチルのいずれかであ
る。好ましくはX、Yはi、k、pが0である単結合、
−CH2 −O−、または−O−である。
【0013】上記式(3)および式(4)において、A
は置換基を有してもよいベンゼン環であって、置換基と
して、具体的には、アミジノ基、ニトロ基、アミジノフ
ェノキシ基、アミジノフェニル基からなる群から選択さ
れる置換基を1または複数有してよい。
【0014】上記式(5)において、jは1〜20まで
の整数であり、メチル、エチル、プロピル、n−ブチ
ル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−
オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、
n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n
−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシ
ル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−イコシル
のいずれかを表す。Rは水素原子、またはメチル、エチ
ル、プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシ
ル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デ
シル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシ
ル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサ
デシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノ
ナデシル、n−イコシルであり、R’は3−アミジノ−
5−ヒドロキシフェノキシ基、またはメチル、エチル、
プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、
n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシ
ル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、
n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシ
ル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデ
シル、n−イコシルである。
【0015】本発明の化合物はこれに限定されるもので
はないが、好ましくは、薬剤または核酸、ポリヌクレオ
チド、遺伝子及びその類縁体等との複合体として供給す
る。本発明の化合物は、水等の生理学的に許容しうる溶
媒に溶解し、薬剤または核酸、ポリヌクレオチド、遺伝
子及びその類縁体等に添加することによって、それらと
複合体を形成することができる。また、本発明の化合物
は、複合体を形成することによって、それらの薬剤また
は核酸、ポリヌクレオチド、遺伝子及びその類縁体等を
保護することができる。
【0016】該複合体の細胞内での安定性の点から本発
明の複数のアミジノ基を有する化合物は、上記式
(1)、式(2)および式(4)のX、Yにおけるj、
および式(5)におけるjは0または1〜20であり、
好ましくは1〜10であることが望ましい。より好まし
くは、上記式(1)、式(2)および式(4)のXにお
けるj、および式(5)におけるjは3〜8である。す
なわち、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、n−
ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチ
ル、n−ノニル、n−デシルであることが好ましく、プ
ロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n
−ヘプチル、n−オクチルであることがより好ましい。
また、式(5)のmは8〜15であることが好ましい。
一方、式(3)において、X、Yは好ましくは、i、
k、pが0である単結合、−CH2 −O−または−O−
である。そして、本発明の複数のアミジノ基を有する化
合物が核酸、ポリヌクレオチド、遺伝子及びその類縁体
等と複合体を形成する場合に、両者の存在割合は、以下
に述べる投与形態あるいは薬剤の種類によって異なる
が、一般に、複数のアミジノ基を有する化合物のアミジ
ノ基1個に対して、核酸、ポリヌクレオチド、遺伝子及
びその類縁体等が包含する塩基に着目した場合に10〜
100塩基、好ましくは20〜30塩基となる割合で複
合体を調製することが発現効率の点から望ましい。
【0017】本発明の化合物と、薬剤または核酸、ポリ
ヌクレオチド、遺伝子及びその類縁体等との複合体は、
例として以下のような投与形態をとることができるが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0018】(A)非ウィルスベクターと組み合わせる
投与形態本発明の複合体の構造としては様々な形態が考
えられ、限定する必要はないが、特にその内部に薬物を
高濃度封入することのできる潜在的機能を有する、巨大
分子、微集合体、微粒子、微小球、ナノ小球、リポソー
ムおよびエマルジョンのうちより少なくとも一つ以上か
らなることが望ましく、その粒径は0.02〜250μ
m、とりわけ0.05〜0.4μmの大きさが好まし
い。
【0019】本発明の複合体を上記形態で投与する場
合、細胞内への導入効率の面から、上記式(5)におい
ては、Rは好ましくは炭素数が10〜16のn−アルキ
ル基であることが好ましく、より好ましくは、炭素数が
12〜15のn−アルキル基である。すなわちn−デシ
ル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、
n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシ
ルであることが好ましく、n−ドデシル、n−トリデシ
ル、n−テトラデシル、n−ペンタデシルであることが
より好ましい。一方、R’は、その炭素数とjの和が1
〜20となるn−アルキル、好ましくはその炭素数とj
との和が10〜16であるn−アルキル、より好ましく
はその炭素数とjとの和が12〜15となるn−アルキ
ルである。
【0020】上記複合体における本発明のアミジン化合
物とその他の構成成分、すなわち脂質との存在比は、以
下に述べる投与形態またはその他の構成成分の種類ある
いは内封する薬剤の種類によって異なるが、一般に、ア
ミジン化合物量が複合体中の10〜50mol%、好ま
しくは20〜30mol%であることが細胞内への導入
効率および複合体の安定性の面から望ましい。
【0021】本発明において、複合体の構成成分として
は、上記の形態を形成できるものであれば特にその配合
に限定する必要はないが、その安全性や、生体内におい
て安定性を考慮すると、リン脂質あるいはその誘導体、
リン脂質以外の脂質あるいはその誘導体、または安定化
剤、酸化防止剤、その他の表面修飾剤の配合が望まし
い。
【0022】リン脂質としては、ホスファチジルコリン
(=レシチン)、ホスファジルグリセロール、ホスファ
チジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタ
ノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジル
イノシトール、スフィンゴミエリン、カルジオリビン等
の天然あるいは合成のリン脂質、またはこれらを常法に
したがって水素添加したもの等を挙げることができる。
安定化剤としては、膜流動性を低下させるコレステロー
ルなどのステロール、あるいはグリセロール、スクロー
スなどの糖類が挙げられる。酸化防止剤としては、トコ
フェロール同族体すなわちビタミンEなどが挙げられ
る。トコフェロールには、α、β、γ、δの4個の異性
体が存在するが本発明においてはいずれも使用できる。
【0023】その他の表面修飾剤としては、親水性高分
子やグルクロン酸、シアル酸、デキストランなどの水溶
性多糖類の誘導体が挙げられる。前記親水性高分子とし
ては、ポリエチレングリコール、デキストラン、プルラ
ン、フィコール、ポリビニルアルコール、スチレン- 無
水マレイン酸交互共重合体、ジビニルエーテル- 無水マ
レイン酸交互共重合体、合成ポリアミノ酸、アミロー
ス、アミロペクチン、キトサン、マンナン、シクロデキ
ストリン、ペクチン、カラギーナンなどが挙げられる。
その中でもポリエチレングリコールは血中滞留性を向上
させる効果が顕著である。なお、前記親水性高分子の分
子量は、1,000〜7,000であるのが好ましい。
また、前記親水性高分子は、長鎖脂肪族アルコール、ス
テロール、ポリオキシプロピレンアルキル、またはグリ
セリン脂肪酸エステル等の疎水性化合物と結合させた誘
導体を用いることによって、疎水性化合物部位を複合体
(例えばリポソーム)の膜へ安定に挿入することができ
る。そのことにより、複合体表面に親水性高分子を存在
させることができる。本発明において具体的に用いるこ
とができる親水性高分子誘導体としては、ポリエチレン
グリコール−フォスファチジルエタノールアミン等が挙
げられる。
【0024】本発明の複合体は常法によって容易に得る
ことができるが、その一例を以下に示す。フラスコ内に
上記式(1)ないし式(5)で示される複数のアミジノ
基を有する化合物およびリン脂質等の他の構成成分を、
クロロホルム等の有機溶媒により混合し、有機溶媒を留
去後真空乾燥することによりフラスコ内壁に薄膜を形成
させる。次に、当該フラスコ内に薬物を加え、激しく攪
拌することにより、リポソーム分散液を得る。得られた
リポソーム分散液を遠心分離し、上清をデカンテーショ
ンし封入されなかった薬物を除去することにより、製剤
を分散液として得ることができる。また、上記の各構成
成分を混合し、高圧吐出型乳化機により高圧吐出させる
ことにより得ることもできる。
【0025】(2)ハウジングと組み合わせる投与形態 本発明の複合体は生体親和材料を用いたハウジングと組
み合わせて使用することができる。生体親和材料として
は、例えば、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、ヒア
ルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、キチ
ン、キトサン、アガロース、りん酸カルシウム、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、またはグリコール酸、乳酸もしくはアミノ酸の重合
体もしくはこれらの共重合体、またはこれら生体親和材
料の2種類以上の混合物が考えられる。
【0026】(3)物理的導入法と組み合わせる投与形
態 物理的導入方法としては、シリンジ等による直接投与、
パーティクルガン、Circulation 99,2
614−6(1999)等で発表されているエレクトロ
ポレーションに代表される電流を用いる方法、Huma
n GeneTherapy 11,1521−8(2
000)等で発表されている超音波を用いる方法のほ
か、圧力、レーザー光等を用いる方法が考えられる。
【0027】いずれの投与形態においても、本発明の複
合体は診断および/または治療の目的に応じて薬学的に
許容し得る他の薬剤を含めてもよい。このような薬剤と
しては、(例えば、抗炎症剤、ステロイド剤、抗癌剤、
酵素剤、酵素阻害剤、抗生物質、抗酸化剤、脂質取り込
み阻害剤、ホルモン剤、アンジオテンシン変換酵素阻害
剤、アンジオテンシン受容体拮抗剤、平滑筋細胞の増殖
・遊走阻害剤、抗凝固剤、血小板凝集阻害剤、ケミカル
メデイエーターの遊離抑制剤、血管内皮細胞の増殖また
は抑制剤、アルドース還元酵素阻害剤、メサンギウム細
胞増殖阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、免疫抑制剤、
免疫賦活剤、抗ウイルス剤あるいはラジカルスカベンジ
ャー等が例示される。本発明の複合体にこれらの薬剤を
含めることにより、それらを効率よく目的部位へ投与す
ることも可能である。
【0028】例えば、抗癌剤の例としては、シクロホス
ファミド、イホスファミド、塩酸ナイトロジェンマスタ
ード−N−オキシド、チオテパ、ブルスファン、カルボ
コン、塩酸ニムスチン、ラニムスチン、メルファラン、
トシル酸インプロスルファン、ダカルバジン、塩酸プロ
カルバジン、シタラビン、シタラビンオクスファート、
エノシタビン、メルカプトプリン、チオイノシン、フル
オロウラシル、ドキシフルリジン、テガフール、メトト
レキサート、カルモフール、ヒドロキシカルバミド、硫
酸ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンデシ
ン、エトポシド、クロモマイシンA3 、塩酸ダウノルビ
シン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アラクルビシン、ピラ
ルビシン、塩酸エピルビシン、ダクチノマイシン、塩酸
ミトキサントロン、塩酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマ
イシン、マイトマイシンC、ネオカルノスタチン、L−
アスパラギナーゼ、アセグラトンミトプロニトール、デ
キストラン硫酸ナトリウム、酢酸オクトレオチド、シス
プラチン、カルボプラチン、クエン酸タモキシフェン、
酢酸メドロキシプロゲステロン、リン酸エストラムスチ
ンナトリウム、酢酸ゴセレリン、酢酸リュープロレリ
ン、塩酸イリノテカンなどが挙げられる。
【0029】抗生物質の例としては、ベンジルペニシリ
ンカリウム、ベンジルペニシリンベンザチン、フェノキ
シメチルペニシリンカリウム、フェネチシリンカリウ
ム、クロキサシリンナトリウム、フルクロキサシリンナ
トリウム、アンピシリン、トシル酸スルタミシリン、塩
酸バカンピシリン、塩酸タランピシリン、レナンピシリ
ン、ヘタシリンカリウム、シクラシリン、アモキシシリ
ン、塩酸ピブメシリナム、アスポキシシリン、カルベニ
シリンナトリウム、カリンダシリンナトリウム、スルベ
ニシリンナトリウム、チカルシリンナトリウム、ピペラ
シリンナトリウム、セファロリジン、セファロチンナト
リウム、セファゾリンナトリウム、セファピリンナトリ
ウム、セフラジン、セファレキシン、セファトリジンプ
ロピレングリコール、セフロキサジン、セファクロル、
セファドロキシル、塩酸セフォチアム、塩酸セフォチア
ムヘキセチル、セフロキシムナトリウム、セフロキシム
アキセチル、セファマンドールナトリウム、セフジニ
ル、塩酸セフェタメトピポキシル、セフチプテン、セフ
メタゾールナトリウム、セフォキシチンナトリウム、セ
フォテタンナトリウム、セフミノクスナトリウム、セフ
プペラゾンナトリウム、セフピラミドナトリウム、セフ
スロジンナトリウム、セフォタキシムナトリウム、セフ
ォペラゾンナトリウム、セフチゾキシムナトリウム、塩
酸セフメノキシム、セフトリアキソンナトリウム、セフ
タジジム、セフピミゾールナトリウム、セフィキシム、
セフテラムピポキシル、セフゾナムナトリウム、セフポ
ドキシプロキセチル、セフォジジム、硫酸セフピロム、
ラタモキセフナトリウム、フロモキセフナトリウム、イ
ミペネム、シラスタチンナトリウム、アズトレオナム、
カルモナムナトリウム、硫酸ステレプトマイシン、硫酸
カナマイシン、硫酸フラジオマイシン、硫酸アミカシ
ン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸パロモマイシン、硫酸ペ
カナマイシン、硫酸リポスタマイシン、硫酸ジベカシ
ン、トブラマイシン、硫酸シソマイシン、硫酸ミスロノ
マイシン、硫酸アストロマイシン、硫酸ネチルマイシ
ン、硫酸イセパマイシン、硫酸アルベカシン、エリスロ
マイシン、キタサマイシン、アセチルキタサマイシン、
リン酸オレアンドマイシン、ジョサマイシン、アセチル
スピラマイシン、ミデカマイシン、酢酸ミデカマイシ
ン、ロキタマイシン、ロキシスロマイシン、クラリスロ
マイシン、塩酸テトラサイクリン、塩酸オキシテトラサ
イクリン、メタリン酸テトラサイクリン、塩酸デメチル
クロルテトラサイクリン、ロリテトラサイクリン、塩酸
ドキシサイクリン、塩酸ミノサイクリン、クロラムフェ
ニコール、コハク酸クロラムフェニコールナトリウム、
パルミチン酸クロラムフェニコール、チアンフェニコー
ル、塩酸アミノ酢酸チアンフェニコール、硫酸コリスチ
ン、コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム、硫酸ポリ
ミキシンB、バシトラシン、塩酸バンコマイシン、塩酸
リンコマイシン、クリンダマイシン、塩酸スペクチノマ
イシン、ホスホマイシンナトリウム、ホスホマイシンカ
ルシウムなどが挙げられる。
【0030】酵素剤の例としては、キモトリプシン、結
晶トリプシン、ストレプトキナーゼ、ストレプトドルナ
ーゼ、ヒアルロニダーゼ、ウロキナーゼ、ナサルプラー
ゼ、アルテプラーゼ、塩化リゾチーム、セミアルカリプ
ロティナーゼ、セラペプターゼ、チソキナーゼ、デュテ
プラーゼ、バトロキソビン、プロナーゼ、プロメライン
などが挙げられる。
【0031】抗酸化剤の例としては、トコフェロール、
アスコルビン酸、尿酸などが挙げられる。
【0032】抗炎症剤の例としては、サリチル酸コリ
ン、サザピリン、サリチル酸ナトリウム、アスピリン、
ジフルニサル、フルフェナム酸、メフェナム酸、フロク
タフェニン、トルフェナム酸、ジクロフェナクナトリウ
ム、トルメチンナトリウム、スリンダク、フェンブフェ
ン、フェルビナクエチル、インドメタシン、インドメタ
シンファルネシル、アセメタシン、マレイン酸プログル
メタシン、アンフェナクナトリウム、ナブメトン、イブ
プロフェン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェン
アキセチル、ケトプロフェン、ナプロキセン、プロチジ
ン酸、プラノプロフェン、フェノプロフェンカルシウ
ム、チアプロフェン酸、オキサプロジン、ロキソプロフ
ェンナトリウム、アルミノプロフェン、ザルトプロフェ
ン、フェニルブタゾン、クロフェゾン、ケトフェニルブ
タゾン、ピロキシカム、テノキシカム、アンピロキシカ
ム、塩酸チアラミド、塩酸チノリジン、塩酸ベンジダミ
ン、エピリゾール、エルモファゾンなどが挙げられる。
【0033】ステロイド剤の例としては酢酸コルチゾ
ン、ヒドロコルチゾン(リン酸エステル、酢酸塩)、酪
酸ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリ
ウム、プレドニゾロン(アセテート、サクシネート、第
三級ブチル酢酸エステル、リン酸エステル)、メチルプ
レドニゾロン(アセテート)、コハク酸メチルプレドニ
ゾロンナトリウム、トリアムシノロン、トリアムシノロ
ンアセトニド(酢酸トリアムシノロン)、デキサメタゾ
ン(リン酸エステル、酢酸塩、リン酸ナトリウム塩、硫
酸エステル)、パルミチン酸デキサメタゾン、ベタメタ
ゾン(リン酸塩、2ナトリウム塩)、酢酸パラメタゾ
ン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸ハロプレドン、プロ
ピオン酸クロベタゾール、ハルシノニド、プロピオン酸
ベクロメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、酢酸ベタメタゾ
ン、酢酸コルチゾンなどが挙げられる。
【0034】アンジオテンシン変換酵素阻害剤の例とし
ては、アラセプリル、塩酸イミダプリル、塩酸テモカプ
リル、塩酸デラプリル、塩酸ベナゼプリル、カプトプリ
ル、シラザプリル、マレイン酸エナラプリル、リシノプ
リルなどが挙げられる。血管拡張剤の例としては、テオ
フィリン、ジプロフィリン、プロキシフィリン、アミノ
フィリン、コリンテオフィリン、プロスタグランジン、
プロスタグランジン誘導体、アルプロスタジルアルファ
デクス、アルプロスタジル、リマプロストアルファデク
ス、パパベリン、シクランデラート、シンナリジン、フ
マル酸ベンシクラン、マレイン酸シネパジド、塩酸ジラ
ゼプ、トラピジル、塩酸ジフェニドール、ニコチン酸、
イノシトールヘキサニコチネート、クエン酸ニカメター
ト、酒石酸ニコチニックアルコール、ニコチン酸トコフ
ェロール、ヘプロニカート、塩酸イソクスプリン、硫酸
バメタン、塩酸トラリゾン、メシル酸ジヒドロエルゴト
キシン、酒石酸イフェンプロジル、塩酸モキシシリト、
ニセルゴリン、塩酸ニカルジピン、ニルバジピン、ニフ
ェジピン、塩酸ベニジピン、塩酸ジルチアゼム、ニソル
ジピン、ニトレンジピン、塩酸マニジピン、塩酸バルニ
ジピン、塩酸エホニジピン、塩酸ベラパミル、塩酸トリ
メタジジン、カプトプリル、マレイン酸エナラプリル、
アラセプリル、塩酸デラプリル、シラザプリル、リシノ
プリル、塩酸ベナゼプリル、塩酸ヒドララジン、塩酸ト
ドララジン、ブドララジン、カドララジン、インダパミ
ド、塩酸カルボクロメン、エフロキサート、塩酸エタフ
ェノン塩酸オキシフェドリン、ニコランジル、亜硝酸ア
ミル、硝酸イソソルビドなどが挙げられる。
【0035】平滑筋細胞遊走・増殖抑制剤の例として
は、ヘパリンナトリウム、ダルテパリンナトリウム(低
分子ヘパリン)、ヘパリンカルシウム、デキストラン硫
酸などが挙げられる。
【0036】血小板凝集阻害剤の例としては、塩酸チク
ロピジン、シロスタゾール、イコサペント酸エチル、ベ
ラプロストナトリウム、塩酸サルプグレラート、バトロ
キソビン、ジピリダモールなどが挙げられる。
【0037】抗凝固剤の例としては、ヘパリンナトリウ
ム、ダルテパリンナトリウム(低分子ヘパリン)、ヘパ
リンカルシウム、デキストラン硫酸、ワルファリンカリ
ウム、アルガトロバンなどが挙げられる。
【0038】ケミカルメディエーター遊離抑制剤の例と
しては、トラニラスト、フマル酸ケトフェチン、塩酸ア
ゼラスチン、オキサトミド、アンレキサノクス、レピリ
ナストなどが挙げられる。
【0039】免疫抑制剤の例としては、シクロスポリン
などが挙げられる。
【0040】抗ウイルス剤の例としては、アシクロビ
ル、ガンシクロビル、ジダノシン、ジドブジン、ソリブ
ジン、ビダラビンなどが挙げられる。
【0041】また、X線造影剤、放射性同位元素標識核
医学診断薬、核磁気共鳴診断用診断薬等の各種体内診断
薬も同様に目的部位へ投与することも可能である。
【0042】例えば、X線造影剤の例としては、アミド
トリゾ酸メグルミン、イオタラム酸ナトリウム、イオタ
ラム酸メグルミン、ガストログラフィン、ヨーダミドメ
グルミン、リピオドールウルトラフルイド、アジピオド
ンメグルミン、イオキサグル酸、イオトロクス酸メグル
ミン、イオトロラン、イオパノ酸、イオパミドール、イ
オヘキソール、イオベルソール、イオポダートナトリウ
ム、イオメプロール、イソペーク、ヨードキサム酸など
が挙げられる。
【0043】
【実施例】次に実施例、試験例を挙げて本発明をさらに
詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例、試験例に
限定されるものではない。 (実施例1) 1,2,3−トリス(4−アミジノフェニル)ベンゼン
の合成 4−シアノアセトフェノン3.00gを無水エタノール
20mLに溶解し、これに四塩化シラン10mLを加え
室温で3時間撹拌した後、水を加えて反応を停止させ、
塩化メチレンで抽出してこの溶液を硫酸マグネシウム上
で乾燥した。溶媒を減圧下留去した後、四塩化炭素およ
びエタノールで洗浄し1,2,3−トリス(4−シアノ
フェニル)ベンゼン0.88gを得た。1,2,3−ト
リス(4−シアノフェニル) ベンゼン0.85gを無水
メタノール20mLに懸濁させ、これに塩化水素ガスを
2時間導入し、室温で24時間撹拌した。メタノールと
塩化水素を減圧下留去して、得られた固体をメタノール
−ジエチルエーテルで再結晶した。ついでこの結晶をメ
タノール20mLに懸濁させ、アンモニアガスを2時間
導入し、室温で48時間撹拌した。メタノールとアンモ
ニアを減圧下留去して、得られた固体をメタノール−ジ
エチルエーテルで再結晶し、1,2,3−トリス(4−
アミジノフェニル) ベンゼン0.10gを得た。このも
のの機器分析データは式(6)の構造を支持する。1 H−NMR(DMS0−d6 )δ(ppm) 8.31−7.37(m,24H)
【化11】
【0044】(実施例2) 3,4−ビス(4−アミジノベンジルオキシ) ベンズア
ミジン三メシル酸塩の合成 60%水素化ナトリウム0.89gとDMF10mLの
混合物に3,4−ジヒドロキシベンゾニトリル1.00
gのDMF溶液20mLを滴下した後、α−ブロモ−p
−トルニトリル2.90gのDMF溶液20mLを滴下
した。室温で30分撹拌した後、水を加えて反応を停止
させ、生じた結晶を濾過、水洗し、塩化メチレンに溶解
して硫酸マグネシウム上で乾燥した。n−ヘキサンを加
えて結晶化させ、これを濾取して3,4−ビス(4−シ
アノベンジルオキシ) ベンゾニトリル1.01gを得
た。3,4−ビス(4−シアノベンジルオキシ) ベンゾ
ニトリル1.00gを出発物質として、実施例1と同様
にしてアミジノ化を行なったのち、メシル酸で処理し
て、3,4−ビス(4−アミジノベンジルオキシ) ベン
ズアミジン三メシル酸塩0.71gを得た。このものの
機器分析データは式(7)の構造を支持する。1 H−NMR(DMS0−d6 )δ(ppm) 9.34(d,J=23.1Hz,8H),9.21
(d,J=26.8Hz,4H),8.02−7.22
(m,11H),5.43(s,4H),2.54
(s,9H)
【化12】
【0045】(実施例3) 3,5−ビス[(4−アミジノフェノキシ) メチル] ベ
ンズアミジン三塩酸塩の合成 5−ブロモ−m−キシレン5.00gと青酸銅(I)
2.83gをDMF5mL中で4時間加熱還流した後、
水を加えて反応を停止させ、生じた固体を濾取した。こ
れにエチレンジアミン6mL及び水20mLを加えた
後、ベンゼンで抽出を行ない、水洗後シリカゲルカラム
クロマトグラフィーを用いて3,5−ジメチルベンゾニ
トリル2.53gを単離した。3,5−ジメチルベンゾ
ニトリル1.00g,N−ブロモコハク酸イミド2.7
2g及び過酸化ベンゾイル0.09gを四塩化炭素中で
2時間加熱還流した後濾過して、濾液を減圧下濃縮し
た。これに4−シアノフェノール1.82g及び炭酸カ
リウム5.26gを加え、アセトン中で17時間加熱還
流した後濾過し、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで処理して3,5−ビス[(4−シアノフェノキ
シ) メチル] ベンゾニトリル0.27gを単離した。
3,5−ビス[(4−シアノフェノキシ) メチル] ベン
ゾニトリル0.27gを出発物質として、実施例1と同
様にしてアミジノ化を行なったのち、塩酸で処理して、
3,5−ビス[(4−アミジノフェノキシ) メチル] ベ
ンズアミジン三塩酸塩0.18gを得た。このものの機
器分析データは式(8)の構造を支持する。1 H−NMR(DMS0−d6 )δ(ppm) 9.30(bs,12H),8.05−7.80(m,
7H),7.28(d,J=8.8Hz,4H),5.
37(s,4H)
【化13】
【0046】(実施例4) 1,3,5−トリス(4−アミジノフェノキシ) ベンゼ
ン三塩酸塩の合成 フロログルシノール2水和物0.45g、4−フルオロ
ベンゾニトリル1.00g及び炭酸カリウム2.85g
をDMF20mL中で22時間加熱還流した後、水を加
えて反応を停止させ、ジエチルエーテルで抽出を行なっ
た。減圧下乾固し、ついで塩化メチレンとn−ヘキサン
で再結晶を行なって淡黄色の結晶として1,3,5−ト
リス(4−シアノフェノキシ) ベンゼン0.08gを得
た。1,3,5−トリス(4−シアノフェノキシ) ベン
ゼン0.08gを出発物質として、実施例1と同様にし
てアミジノ化を行なったのち、塩酸で処理して、1,
3,5−トリス(4−アミジノフェノキシ) ベンゼン三
塩酸塩0.02gを得た。このものの機器分析データは
式(9)の構造を支持する。1 H−NMR(DMS0−d6 )δ(ppm) 9.27(d,J=25.6Hz,12H),7.99
−6.64(m,15H)
【化14】
【0047】(実施例5) α, α’−ビス(4−アミジノフェノキシ)−5−ニト
ロ−m−キシレン二塩酸塩の合成 炭酸カリウム2.2gとα, α’−ジブロモ−5−ニト
ロ−m−キシレン1.00g、4−シアノフェノール
0.77gをアセトン中で22時間加熱還流した後、水
を加えて反応を停止させ、析出した結晶を濾取した。こ
れを塩化メチレンに溶解し、硫酸マグネシウムで乾燥し
た後、n−ヘキサンを加えて結晶を析出させた。これを
濾取し、α, α’−ビス(4−シアノフェノキシ)−5
−ニトロ−m−キシレン0.53gを得た。α, α’−
ビス(4−シアノフェノキシ)−5−ニトロ−m−キシ
レン0.52gを出発物質として、実施例1と同様にし
てアミジノ化を行ない、塩酸で処理してα, α’−ビス
(4−アミジノフェノキシ)−5−ニトロ−m−キシレ
ン二塩酸塩0.14gを得た。このものの機器分析デー
タは式(10)の構造を支持する。1 H−NMR(DMS0−d6 )δ(ppm) 9.19(d,J=13.2Hz,6H),8.27−
7.13(m,11H),5.40(s,4H)
【化15】
【0048】(実施例8)ポリ(5−アミジノ−1,3
−ジオキシフェニレンペンタメチレン) の合成 フラスコ中に60%水素化ナトリウム0.30gおよび
ジメチルホルムアミド10mLを入れ、これに3,5−
ジヒドロキシベンゾニトリル0.50gをジメチルホル
ムアミド5mLに溶解した溶液を滴下した。さらに1,
5−ジブロモペンタン0.85gをジメチルホルムアミ
ド5mLに溶解した溶液を滴下し、室温で一夜撹拌した
のち、反応混合物に水を加えた。生成物をクロロホルム
で抽出し、水洗後硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この
クロロホルム溶液にノルマルヘキサンを加えて析出した
固体を除去し、黄色の油状物として式(11)で表され
るポリ(5−シアノ−1,3−ジオキシフェニレンペン
タメチレン)0.26gを得た。この際、式(12)の
構造を有する副生成物において、酸素の結合したアルキ
ル基炭素に結合しているプロトン数と臭素の結合したア
ルキル基炭素に結合しているプロトン数を機器分析によ
って比較することで、そのポリマー単位構造繰り返し数
が11と求められた結果から、本実施例のポリ(5−シ
アノ−1,3−ジオキシフェニレンペンタメチレン) の
ポリマー単位構造繰り返し数は11から12であると考
えることができる。このポリ(5−シアノ−1,3−ジ
オキシフェニレンペンタメチレン)0.26gをクロロ
ホルム10mLに溶解し、メタノール8mLを加え、氷
冷下塩化水素ガスを20分間導入した。室温に戻して1
1時間撹拌した後、減圧下溶媒および塩化水素を留去し
て得られたゲル状物をメタノール−クロロホルム−ノル
マルヘキサン溶媒で洗浄して淡黄色の固体を得た。この
固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し淡
黄色アモルファス0.11gを得た。このアモルファス
に2mol/Lアンモニアメタノール溶液20mLを加
え、一夜加熱還流した。反応混合物から減圧下メタノー
ルおよびアンモニアを留去して淡橙色のアモルファスと
してポリ(5−アミジノ−1,3−ジオキシフェニレン
ペンタメチレン) 塩酸塩0.06gを得た。原料である
ポリ(5−シアノ−1,3−ジオキシフェニレンペンタ
メチレン) のポリマー単位構造繰り返し数が11から1
2であることから、このポリ(5−アミジノ−1,3−
ジオキシフェニレンペンタメチレン) 塩酸塩のポリマー
単位構造繰り返し数も11から12であると考えること
ができる。このものの機器分析データは式(13)の構
造を支持する。1 H−NMR(DMS0−d6 )δ(ppm) 9.30,8.93,7.01,6.93,4.00,
1.76,1.53
【化16】 式11中、nは約11〜12である。
【化17】 式12中、nは11である。
【化18】 式13中、nは11〜12である。
【0049】(実施例9) ポリ(5−アミジノ−1,3−ジオキシフェニレンオク
タメチレン)の合成 フラスコ中に60%水素化ナトリウム0.30gおよび
ジメチルホルムアミド10mLを入れ、これに3,5−
ジヒドロキシベンゾニトリル0.50gをジメチルホル
ムアミド5mLに溶解した溶液を滴下した。さらに1,
8−ジブロモオクタン1.01gをジメチルホルムアミ
ド5mLに溶解した溶液を滴下し、室温で一夜撹拌した
のち、反応混合物に水を加えた。生成物をクロロホルム
で抽出し、水洗後硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この
クロロホルム溶液にノルマルヘキサンを加えて固体を析
出させた。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製し、ポリ(5−シアノ−1,3−ジオキシフ
ェニレンオクタメチレン)0.05gを得た。このポリ
(5−シアノ−1,3−ジオキシフェニレンオクタメチ
レン)0.05gをクロロホルム15mLに溶解し、1
0mLを加え一夜撹拌した後、減圧下溶媒および塩化水
素を留去して固体を得た。この固体にクロロホルム15
mLおよび2mol/Lアンモニアメタノール溶液20
mLを加え、一夜加熱還流した。反応混合物から減圧下
メタノールおよびアンモニアを留去し、塩化水素メタノ
ール溶液を加えた。減圧下溶媒を留去し、残分をジエチ
ルエーテルで洗浄し、橙色の固体としてポリ(5−アミ
ジノ−1,3−ジオキシフェニレンオクタメチレン) 塩
酸塩0.02gを得た。このものの機器分析データは式
(14)の構造を支持する。1 H−NMR(DMS0−d6 )δ(ppm) 9.31,8.96,7.10,6.94,4.02−
3.97,1.96,1.40−1.34
【化19】
【0050】(実施例10) 1,3−ビス(3−アミジノ−5−ペンタデカノキシフ
ェノキシ) プロパン二塩酸塩の合成 フラスコ中に3−ヒドロキシ−5−ペンタデカノキシベ
ンゾニトリル0.200g、1,3−ジブロモプロパン
0.058g、炭酸カリウム0.120gおよびジメチ
ルホルムアミド10mLを入れ、80℃の油浴で3日間
加熱還流した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテ
ルで抽出した。抽出物から溶媒を留去し、その残渣をク
ロロホルム- メタノールで再結晶することによって淡橙
色粉末として1,3−ビス(3−シアノ−5−ペンタデ
カノキシフェノキシ) プロパン0.0913gを得た。
これをクロロホルム20mLに溶解し、メタノール10
mLを加え、氷冷下塩化水素ガスを15分間バブリング
したのち室温で1日間撹拌した。反応混合物にジエチル
エーテルを加え、濾過することで無色の結晶として1,
3−ビス(3−メトキシイミノメチル−5−ペンタデカ
ノキシフェノキシ)プロパン0.0745gを得た。こ
れにクロロホルム10mLと2mol/Lアンモニアメ
タノール溶液10mLを加え、80℃の油浴で1日間加
熱還流した。減圧下溶媒を留去したのち、メタノールに
溶解し、1mol/L塩酸を加えて塩酸塩を形成させ、
さらに水を加えることで固体を析出させ、無色の粉末と
して1,3−ビス(3−アミジノ−5−ペンタデカノキ
シフェノキシ) プロパン二塩酸塩0.0551gを得
た。このものの機器分析データは式(15)の構造を支
持する。1 H−NMR(CD3OD)δ(ppm) 6.95(s,2H),6.93(s,2H), 6.8
4(s,2H), 4.26(t,4H,J=6Hz),
4.03(t,4H,J=6Hz), 2.30(qui
nt,2H),1.79(t,4H),1.48−1.
28(m,48H,0.89(t,6H,J=6Hz)
【化20】
【0051】(実施例11) 1、5−ビス(3−アミジノ−5−ペンタデカノキシフ
ェノキシ) ペンタン二塩酸塩の合成 フラスコ中に3−ヒドロキシ−5−ペンタデカノキシベ
ンゾニトリル0.200g、1,5−ジブロモペンタン
0.066g、炭酸カリウム0.120gおよびジメチ
ルホルムアミド10mLを入れ、80℃の油浴で3日間
加熱還流した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテ
ルで抽出した。抽出物から溶媒を留去し、その残渣をク
ロロホルム−メタノールで再結晶することによって淡橙
色粉末として1,5−ビス(3−シアノ−5−ペンタデ
カノキシフェノキシ)ペンタン0.1358gを得た。
これをクロロホルム20mLに溶解し、メタノール10
mLを加え、氷冷下塩化水素ガスを15分間バブリング
したのち室温で1日間撹拌した。反応混合物にジエチル
エーテルを加え、濾過することで無色の結晶として1,
5−ビス(3−メトキシイミノメチル−5−ペンタデカ
ノキシフェノキシ)ペンタン0.1050gを得た。こ
れにクロロホルム10mLと2mol/Lアンモニアメ
タノール溶液10mLを加え、80℃の油浴で1日間加
熱還流した。減圧下溶媒を留去したのち、メタノールに
溶解し、1mol/L塩酸を加えて塩酸塩を形成させ、
さらに水を加えることで固体を析出させ、無色の粉末と
して1,5−ビス(3−アミジノ−5−ペンタデカノキ
シフェノキシ) ペンタン二塩酸塩0.0615gを得
た。このものの機器分析データは式(16)の構造を支
持する。1 H−NHR(CD3OD)δ(ppm) 9.23(s),8.75(s),6.93(s,2
H), 6.92(s,2H),4.09(t,4H,J
=6Hz),4.04(t,4H,J=7Hz),1.
89−1.19(m,58H),0.89(t,6H,
J=6Hz)
【化21】
【0052】(実施例12) 1,8−ビス(3−アミジノ−5−ペンタデカノキシフ
ェノキシ) オクタン二塩酸塩の合成 フラスコ中に3−ヒドロキシ−5−ペンタデカノキシベ
ンゾニトリル0.200g、1,8−ジブロオクタン
0.079g、炭酸カリウム0.120gおよびジメチ
ルホルムアミド10mLを入れ、80℃の油浴で3日間
加熱還流した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテ
ルで抽出した。抽出物から溶媒を留去し、その残渣をク
ロロホルム- メタノールで再結晶することによって淡橙
色粉末として1,8−ビス(3−シアノ−5−ペンタデ
カノキシフェノキシ)オクタン0.1200gを得た。
このうち0.0966gをクロロホルム20mLに溶解
し、メタノール10mLを加え、氷冷下塩化水素ガスを
15分間バブリングしたのち室温で1 日間撹拌した。反
応混合物にジエチルエーテルを加え、濾過することで淡
黄色の結晶として1,8−ビス(3−メトキシイミノメ
チル−5−ペンタデカノキシフェノキシ)オクタン0.
0839gを得た。これにクロロホルム10mLと2m
ol/Lアンモニアメタノール溶液10mLを加え、8
0℃の油浴で1日間加熱還流した。減圧下溶媒を留去し
たのち、メタノールに溶解し、1mol/L塩酸を加え
て塩酸塩を形成させ、さらに水を加えることで固体を析
出させ、淡黄色の粉末として1,8−ビス(3−アミジ
ノ−5−ペンタデカノキシフェノキシ) オクタン二塩酸
塩0.0588gを得た。このものの機器分析データは
式(17)の構造を支持する。1 H−NMR(CD3OD)δ(ppm) 6.90(s,4H), 6.79(s,2H), 4.0
4(m,8H), 1.79(m,8H),1.50−
1.28(m,56H),0.89(t,6H,J=6
Hz)
【化22】
【0053】(試験例1) 1.細胞 大日本製薬株式会社より購入した、Cos−1細胞(A
TCC No.CRL−1650)を10%牛胎児血清
(FCS)を含むIscove’s modifide
d Dalbecco’s medium(IMDM)
を用いて5%CO2 ,37℃のインキュベーター中で継
代培養した。 2.リポソーム調製 カチオン化脂質(3, 5−ジウンデシロキシベンズアミ
ジン)を10μmo1、ジラウロイルホスファチジルコ
リン(DLPC)を20μmol、ジオレオイルホスフ
ァチジルエタノールアミン(DOPE)を20μmol
を秤り取り、1mLのクロロホルムに溶解した。これを
クロロホルム溶液Aとする。クロロホルム溶液Aの20
μLを容量10mLのナス型フラスコに取りさらに1m
Lのクロロホルムを加えた。エバポレーターによりクロ
ロホルムを減圧留去しフラスコ内壁に脂質薄膜を形成し
た。次いで、80℃度の蒸留水1mLを加え激しく振と
う攪拌することによりリポソームを調製した。 3.脂質DNA複合体調製 実施例1の化合物0.025molを蒸留水1mLに溶
解した後、β−Galactosidaseの遺伝子を
組み込んだプラスミドpc DNA/Amp(Invi
trogen社)20μgを加え、ボルテックスミキサ
ーにて2分間攪拌し、DNA複合体を調製した。これと
前記リポソームを体積比1:1の割合でボルテックスミ
キサーにより混合し、脂質DNA複合体を調製した。同
様に実施例2の化合物についても、脂質DNA複合体を
調製した。また、本発明の化合物を含まない点以外は同
一の条件で、すなわち上記DNAとリポソームのみを同
一条件で混合してDNA含有リポソームを調製し、比較
例1を得た。 4.トランスフェクション方法 10%FCS IMDM培地(2mL)を添加した、6
穴マルチウェルプレートに2×104 のCos−1細胞
を播き細胞培養を行った。約24時間培養後、0.2μ
gのDNAが含まれるような量で前記脂質DNA複合体
または比較例1のDNA含有リポソームを加え、37℃
で1時間培養した。培養後、遺伝子導入時の培地を新し
いものと交換し更に48時間培養を続けた。 5.β−Galactosidase検出方法 トランスフェクションから48時間後、細胞を溶解し、
発現しているβ−Galactosidaseの量をP
romega社のキット(β−Galactosida
se Enzyme Assay System) を用
い測定した。また総タンパク質量をPicrce社のキ
ット(BCA Protein Assay Reag
ent)を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】(試験例2) 1.細胞 大日本製薬株式会社より購入した、Cos−1細胞(A
TCC No.CRL−1650)を10%牛胎児血清
(FCS)を含むIMDMを用いて5%CO2,37℃
のインキュベーター中で継代培養した。 2 .リポソーム調製 試験例1で調製したクロロホルム溶液Aを90μLを容
量10mLのナス型フラスコに取り、さらに1mLのク
ロロホルムを加えた。エバポレーターにてクロロホルム
を減圧留去しフラスコ内壁に脂質薄膜を形成した。脂質
薄膜を60℃の蒸留水1mLを用い水和し、さらにボル
テックスミキサーで攪拌してエマルジョンとした。この
エマルジョンを60℃にて超音波処理してリポソームを
形成した。 3.脂質DNA複合体調製 DNA(プラスミドpCMV−Lacz)と実施例8の
化合物を12×75mmのポリスチレンチューブでボル
テックスミキサーにより体積比1:1の割合で混合し、
複数のアミジノ基を有する化合物DNA複合体を形成し
た。この複数のアミジノ基を有する化合物DNA複合体
とリポソームを12×75mmのポリスチレンチューブ
でボルテックスにより体積比1:1の割合で混合し、脂
質DNA複合体を形成した。また、本発明の化合物を含
まない点以外は同一の条件で、すなわち、DNAとリポ
ソームのみを同一の条件で混合してDNA含有リポソー
ムを調製し、比較例2とした。 4 .トランスフェクション 細胞を24穴プレートに撒き10%血清を含むIMDM
にて培養した。トランスフェクションは細胞が80%コ
ンフルエントになった状態でおこなった。前記脂質DN
A複合体または比較例2のDNA含有リポソームを加え
た10%血清を含む培地で37℃にて30分間培養し
た。培養後、遺伝子導入時の培地を新しいものと交換し
さらに48時間培養を続けた。 5 .β−Galactosidase検出 トランスフェクション後、発現しているβ−Galac
tosidaseの量をPRomega社のキット(β
−Galactosidase EnzymeAssa
y System)を用い測定した。また総タンパク質
量をPierce社のキット(BCA Protein
Assay Reagent)を用いて測定した。結
果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】(試験例3) 1 .細胞 大日本製薬株式会社より購入した、Cos−1細胞(A
TCC No.CRL−1650) を10%牛胎児血清
(FCS)を含むIMDMを用いて5%CO2,37℃
のインキュベーター中で継代培養した。 2 .リポソーム調製 試験例1で調製したクロロホルム溶液Aを90μLを容
量10mLのナス型フラスコに取り、さらに1mLのク
ロロホルムを加えた。エバポレーターにてクロロホルム
を減圧留去しフラスコ内壁に脂質薄膜を形成した。脂質
薄膜を60℃の蒸留水1mLを用い水和し、さらにボル
テックスミキサーで攪拌してエマルジョンとした。この
エマルジョンを60℃にて超音波処理してリポソームを
形成した。さらに、カチオン化脂質に、本発明の化合物
の代わりに3,5−ジドデカノキシベンズアミジン塩酸
塩を用いて同様にしてリポソームを調製し、これを比較
例3とした。 3.脂質DNA複合体調製 DNA(プラスミドpCMV−LacZ)と上記のリポ
ソームを12×75mmのポリスチレンチューブでボル
テックスミキサーにより体積比1:1の割合で混合し、
脂質DNA複合体を形成した。 4 .トランスフェクション 細胞を24穴プレートに撒き10%血清を含むIMDM
にて培養した。トランスフェクションは細胞が80%コ
ンフルエントになった状態でおこなった。脂質DNA複
合体を加えた10%血清を含む培地で37℃にて30分
間培養した。培養後、遺伝子導入時の培地を新しいもの
と交換しさらに40時間培養を続けた。 5 .β−Galatosidase検出 トランスフェクション後、発現しているβ−Galat
osidaseの量をPromega社のキット(β−
Galatosidase Assay Syste
m) を用い測定した。また総タンパク質量をPierc
e社のキット(BCA Protein Assay
Reagent)を用いて測定した。結果を表3に示
す。
【表3】
【0058】(急性毒性)ICR系雄性マウス(5週
齢)を用いて経口および静脈内投与により急性毒性試験
を行った結果、本発明の化合物のLD50は320mg
/kg以上であり有効性に比べて高い安全性が確認され
た。
【0059】
【発明の効果】上述した通り、本発明により新規アミジ
ン化合物が供給される。本発明のアミジン化合物を構成
成分とする製剤は、試験例に示されるように、従来の製
剤に比べ細胞への導入効率が高いことが明らかとなっ
た。よって、本発明の製剤は、トランスフェクションと
いう目的に対して非常に効果的である。本発明のアミジ
ン化合物を構成成分とするDNA複合体は、試験例に示
されるように、本発明の化合物を含まないDNA複合体
に比べ細胞への導入効率が有意に高いことが明らかとな
った。よって、本発明のDNA複合体は、トランスフェ
クションという目的に対して非常に効果的である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61K 48/00 Fターム(参考) 4C076 CC50 DD15 DD48 DD63 EE56 FF34 FF67 4C084 AA13 MA05 NA06 NA11 NA13 4C086 AA01 EA16 MA02 MA05 NA06 NA11 NA13 4H006 AA01 AB20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)または(2)で示される、1
    価および/または2価の基を2以上有する複数のアミジ
    ノ基を有する化合物またはその塩。 【化1】 【化2】 (式(1)および式(2)において、X、Yは同一でも
    異なっていてもよい−(O)i −(CH2 j −(O)
    k −を表し、i、kは各々独立して0または1の整数を
    表し、jは0または1〜20までの整数である。)
  2. 【請求項2】下記式(3)で示される請求項1に記載の
    複数のアミジノ基を有する化合物またはその塩。 【化3】 (ただし、X、Yは同一でも異なっていてもよい−
    (O)i −(CH2 p −(O)k −を表し、i、kは
    各々独立して0または1の整数を表し、pは0または1
    〜7までの整数を表し、Aは置換基を有してもよいベン
    ゼン環である。)
  3. 【請求項3】下記式(4)で示される請求項1に記載の
    複数のアミジノ基を有する化合物またはその塩。 【化4】 (ここで、nは、2または3であり、Aは、置換基を有
    していてもよいベンゼン環である。)
  4. 【請求項4】下記式(5)で示される請求項1に記載の
    複数のアミジノ基を有する化合物またはその塩。 【化5】 (ここで、jは、0または1〜20までの整数であり、
    mは、2〜50までの整数であり、Rは、水素原子また
    は炭素数1〜20までのアルキル基であり、R’は、3
    −アミジノ−5−ヒドロキシフェノキシ基または炭素数
    1〜20までのアルキル基である。)
  5. 【請求項5】核酸、ポリヌクレオチド、遺伝子およびそ
    の類縁体から選択される少なくとも1つと、請求項1な
    いし4のいずれかに記載の複数のアミジノ基を有する化
    合物または製剤学的に許容される塩を有効成分として含
    有する複合体。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の複合体に加えて、さら
    に、脂質を含有する脂質複合体。
  7. 【請求項7】請求項5または6のいずれかの複合体に加
    えて、さらに他の薬剤を含有する製剤。
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