JP2001354454A - ガラス繊維用処理剤 - Google Patents

ガラス繊維用処理剤

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JP2001354454A JP2000169908A JP2000169908A JP2001354454A JP 2001354454 A JP2001354454 A JP 2001354454A JP 2000169908 A JP2000169908 A JP 2000169908A JP 2000169908 A JP2000169908 A JP 2000169908A JP 2001354454 A JP2001354454 A JP 2001354454A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス繊維に対して優れた接着性、平滑性、
柔軟性を有するガラス繊維用処理剤を提供すること。 【解決手段】 0.1〜20モル%のスルホン酸基又は
その塩基を有する変性ポリビニルアルコール系樹脂
(A)からなるガラス繊維用処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、ガラス繊維用処理剤に関し、更
に詳しくは、ガラス繊維に対して優れた接着性、平滑
性、柔軟性を有するスルホン酸基又はその塩基を有する
変性ポリビニルアルコール系樹脂からなるガラス繊維用
処理剤に関するものである。
【発明の属する技術分野】
【0002】
【従来の技術】通常、ガラス繊維は紡糸直後に集束処理
剤で処理されており、かかる処理剤の使用は、その後の
工程においてガラス繊維がうける屈曲、摩耗等の作用か
らガラス繊維を保護し、糸切れ、毛羽立ち等を防ぐこと
を主たる目的としている。
【0003】したがって、かかる処理剤としては、繊維
の表面に保護用被膜を形成し、かつ繊維間を接着包合し
て繊維が摩擦等によって糸切れや毛羽立ち等が起こらな
いように保護する処理剤が通常用いられている。従来、
このような処理剤として、酢酸ビニル系、アクリル酸エ
ステル系、スチレン−ブタジエン系等のオレフィン性不
飽和単量体の単独重合体又は共重合体の水性分散液、澱
粉、一般のポリビニルアルコール系樹脂等の水溶性高分
子溶液が使用されている。
【0004】しかしながら、これらの合成樹脂の水性分
散液あるいは水溶性高分子溶液で処理されたガラス繊維
の集束性は必ずしも充分に満足できるものではなく、澱
粉系の集束処理剤では澱粉の腐敗等の問題があり、経時
安定性に悪く、一般のポリビニルアルコール系樹脂、特
に高ケン化、高粘度品の場合には溶液の粘度が経時変化
して増粘するという問題がある。更に、近年の製造加工
機器の高速運転化に伴い、より高度な集束性が要求され
るようになり、このような集束性に対しては不充分であ
った。
【0005】かかる対策として、特開平4−7473
6号公報では、平均重合度が4000以上のポリビニル
アルコールからなるガラス繊維用処理剤が、特開平8
−290944号公報では、エチレン単位の含有量が1
〜24モル%の変性ポリビニルアルコールからなるガラ
ス繊維用処理剤が、特開平9−30841号公報で
は、炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を側鎖に有
するビニルアルコール系重合体からなるガラス繊維用処
理剤が、それぞれ提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
〜の公報開示技術では、ガラス繊維の集束性(接着
性)についてある程度の効果は得られるものの、近年の
製造加工機器の高速運転化を考慮するとまだまだ満足の
いくものではなく、又平滑性向上や柔軟性向上も含め更
なる改善が求められる。
【0007】そこで、本発明ではこのような背景下にお
いて、製造加工機器の高速運転化に対応した、接着性、
平滑性、柔軟性に優れたガラス繊維用処理剤を提供する
ことを目的とするものである。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、上記の
事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、0.1〜20モル
%のスルホン酸基又はその塩基を有する変性ポリビニル
アルコール系樹脂(A)からなるガラス繊維用処理剤が
上記目的に合致することを見出し、本発明を完成した。
【0009】本発明では、更に、リン酸エステル系化合
物(B)を含有してなることが、柔軟性付与の点で好ま
しい。又、更に、多価アルコール(C)を含有してなる
ことも、柔軟性付与の点で好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明で用いられる変性ポリビニルアルコール系樹
脂(A)は、スルホン酸基又はその塩基を有する構造の
ものであれば特に限定されることはない。例えば以下の
如き手段で製造される。
【0011】エチレンスルホン酸、アリルスルホン
酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸又
はその塩と酢酸ビニル等のビニルエステルとをアルコー
ルあるいはアルコール/水混合溶媒中で重合し得られる
重合体を更にケン化する方法。
【0012】下記一般式(2)あるいは一般式(3)
で示されるスルホアルキルマレートと酢酸ビニル等のビ
ニルエステルとを共重合させ、得られる共重合体を更に
ケン化する方法。上記スルホアルキルマレートにはナト
リウムスルホプロピル2−エチルヘキシルマレート、ナ
トリウムスルホプロピルトリデシルマレート、ナトリウ
ムスルホプロピルエイコシルマレート等が挙げられる。
【0013】 [Rはアルキル基、R′はアルキレン基、Mは水素又は
アルカリ金属、アンモニウムイオン]
【0014】 [R′はアルキレン基、Mは水素又はアルカリ金属、ア
ンモニウムイオン]
【0015】下記一般式(4)あるいは一般式(5)
で示されるスルホアルキル(メタ)アクリルアミド、例
えばN−スルホイソブチレンアクリルアミドナトリウム
塩と酢酸ビニル等のビニルエステルとを共重合させ、得
られる共重合体をケン化する方法。
【0016】 [R1は水素又はメチル基、R2は水素又はアルキル基、
R′はアルキレン基、Mは水素又はアルカリ金属、アン
モニウムイオン]
【0017】 [R1は水素又はメチル基、R′はアルキレン基、Mは
水素又はアルカリ金属、アンモニウムイオン]
【0018】更に下記一般式(6)で示されるスルホア
ルキル(メタ)アクリレート、例えばナトリウム2−ス
ルホエチルアクリレートと酢酸ビニル等のビニルエステ
ルとを共重合させ、得られる共重合体をケン化する方
法。
【0019】 [R1は水素又はメチル基、Mは水素又はアルカリ金
属、アンモニウムイオン]
【0020】ポリビニルアルコールを臭素、ヨウ素等
で処理した後、酸性亜硫酸ソーダ水溶液中で加熱する方
法。 ポリビニルアルコールを濃厚な硫酸水溶液中で加熱す
る方法。 ポリビニルアルコールをスルホン酸基を含有するアル
デヒド化合物でアセタール化する方法。
【0021】上記の〜の製造方法については特に制
限されず、公知の共重合方法、ケン化方法を採用するこ
とができる。又、本発明においては、スルホン酸基は遊
離の酸の形であっても、あるいはナトリウム塩、カリウ
ム塩、アンモニウム塩等の形であってもよい。
【0022】尚、上記ビニルエステルとしては、酢酸ビ
ニルの他、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプリン
酸ビニル、ラウリル酸ビニル、バーサティック酸ビニ
ル、パルミチン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル等が単独又は併用して用いられるが、中でも
酢酸ビニルが実用性の面で特に好ましい。又、上記ビニ
ルエステルの他に共重合可能なモノマーを20モル%以
下、好ましくは10モル%以下共重合させてもよい。
【0023】共重合可能なモノマーとしては、例えばオ
レフィン(エチレン、プロピレン、α−ブテン、α−オ
クテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等)、不飽和
モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸等)又はこれらのエステル又は塩、不飽和多価カルボ
ン酸(マレイン酸、フタル酸、フマール酸、イタコン酸
等)又はこれらの部分ないし完全エステル又は塩又は無
水物、アミド(アクリルアミド、メタクリルアミド
等)、ニトリル(アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等)、ビニルエーテル、ビニルケトン、スチレン、塩
化ビニル等が挙げられる。
【0024】本発明において、上記スルホン酸基又はそ
の塩基を有する変性ポリビニルアルコール系樹脂(A)
中におけるスルホン酸基又はその塩基の含有量は、0.
1〜20モル%であることが好ましく、より好ましくは
0.1〜15モル%、特に好ましくは0.1〜10モル
%である。かかる含有量が0.1モル%未満ではガラス
繊維集束性(接着性)が劣り、20モル%を越えると繊
維どうしの膠着(糊付け繊維のブロッキング化)が起こ
り、経糸切れ及び毛羽立ちを発生することとなり好まし
くない。
【0025】更に、スルホン酸基又はその塩基を有する
変性ポリビニルアルコール系樹脂(A)の重合度は20
0〜4000のものが好ましく、より好ましくは300
〜3500、特に好ましくは400〜3000である。
該重合度が200未満ではガラス繊維の集束性が乏しく
なり、4000を越えると単繊維間への浸透性が乏しく
なり好ましくない。
【0026】又、スルホン酸基又はその塩基を有する変
性ポリビニルアルコール系樹脂(A)のポリビニルアル
コール部分のケン化度は50〜100モル%であること
が好ましく、より好ましくは60〜99.5モル%、特
に好ましくは70〜99モル%である。かかるケン化度
が50モル%未満では平滑性が劣ることとなり好ましく
ない。
【0027】又、上記変性ポリビニルアルコール系樹脂
(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、アセター
ル化、ウレタン化、リン酸エステル化、シアノエチル化
したり、ビニルモノマーをグラフトすることも可能であ
る。
【0028】かくして本発明のガラス繊維用処理剤は、
上記の如きスルホン酸基又はその塩基を有する変性ポリ
ビニルアルコール系樹脂(A)からなるものであるが、
更にリン酸エステル系化合物(B)を含有してなること
が柔軟性の点で好ましい。
【0029】リン酸エステル系化合物(B)としては、
特に限定されないが、下記一般式(1)で示される化合
物であることが好ましい。
【0030】
【化2】 ここで、Rは水素、アルキル基、アルキルアリル基のい
ずれか(好ましくは炭素数8以上のアルキル基、アルキ
ルフェニル基)で、Xはアルキレン基(好ましくはエチ
レン基)で、Mは水素、又はNa、K、NH4、NH3
25OH、RNH3のいずれかである。nは1以上の整
数で、yは0〜2の整数である。又、該リン酸エステル
系化合物(B)は、yが0、1、2の混合物として用い
てもよい。
【0031】該リン酸エステル系化合物(B)の具体例
としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル
リン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ルリン酸塩等が挙げられる。
【0032】該一般式(1)で示されるリン酸エステル
系化合物(B)は、上記構造を有するものであることが
好ましいが、H.L.B.としては5〜15が好まし
く、より好ましくは6〜10である。融点としては35
℃以下が好ましく、より好ましくは20℃以下である。
酸価としては40〜200mgKOH/gが好ましく、
より好ましくは100〜200mgKOH/gである。
【0033】かかるリン酸エステル系化合物(B)の含
有量については、特に限定されないが、変性ポリビニル
アルコール系樹脂(A)100重量部に対して、リン酸
エステル系化合物(B)が0.1〜20重量部であるこ
とが好ましく、より好ましくは0.1〜10重量部、特
に好ましくは0.1〜5重量部である。
【0034】かかる含有量が0.1重量部未満では平滑
性付与効果が得難く、20重量部を越えると繊維どうし
の膠着(糊付け繊維のブロッキング化)が起こり、経糸
切れ及び毛羽立ちを発生することとなり好ましくない。
【0035】又、本発明のガラス繊維用処理剤は、上記
の如きスルホン酸基又はその塩基を有する変性ポリビニ
ルアルコール系樹脂(A)に、更に多価アルコール
(C)を含有してなることも柔軟性の点で好ましい。
【0036】多価アルコール(C)としては、特に限定
されず、ポリアルキレングリコール類(ポリエチレング
リコール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレング
リコール、エチレングリコールとプロピレングリコール
のランダム共重合体、ブロック共重合体又は交互共重合
体)、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げ
られるが、中でもポリエチレングリコール、グリセリン
等が好ましく用いられる。
【0037】上記ポリアルキレングリコール類として
は、その重量平均分子量が200〜20000であるこ
とが好ましく、より好ましくは200〜10000であ
る。かかる重量平均分子量が200未満では柔軟性付与
の効果が乏しく、20000を越えると変性ポリビニル
アルコール系樹脂(A)と相分離しやすくなり好ましく
ない。
【0038】かかる多価アルコール(C)の含有量につ
いては、特に限定されないが、変性ポリビニルアルコー
ル系樹脂(A)100重量部に対して、多価アルコール
(C)が0.1〜20重量部であることが好ましく、よ
り好ましくは0.1〜10重量部、特に好ましくは0.
1〜5重量部である。
【0039】かかる含有量が0.1重量部未満では平滑
性付与効果が得難く、20重量部を越えると繊維どうし
の膠着(糊付け繊維のブロッキング化)が起こり、経糸
切れ及び毛羽立ちを発生することとなり好ましくない。
又、本発明では上記リン酸エステル系化合物(B)、多
価アルコール(C)を併用することもできる。
【0040】更に、本発明のガラス繊維用処理剤には、
必要に応じて、カップリング剤(γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキ
シ)シラン等のシラン化合物)、平滑剤、消泡剤、界面
活性剤、防腐剤、防虫剤、防錆剤、増粘剤、耐水化剤
(尿素樹脂等)等の公知の添加剤を添加することもでき
る。
【0041】又、本発明の効果を損なわない範囲で他の
通常の被膜形成剤、例えば澱粉、アクリル樹脂、ワック
ス、カルボキシメチルセルロース、ノニオン性、アニオ
ン性あるいはカチオン性の合成樹脂エマルジョンを併用
することもできる。
【0042】かくして得られた本発明のガラス繊維用処
理剤は、一般には水に溶解して用いられるが、溶剤系で
も使用可能である。溶剤の種類としてはメタノール、ア
セトン、DMSO、酢酸エチル、酢酸メチル、テトラヒ
ドロフラン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ等
が挙げられるが、変性ポリビニルアルコール系樹脂
(A)の特性、変性ポリビニルアルコール系樹脂(A)
とリン酸エステル系化合物(B)及び/又は多価アルコ
ール(C)の含有割合等に応じて適宜選択すればよい。
【0043】本発明のガラス繊維用処理剤を塗布するに
当たっての塗布液の調製は特に制限されず、要するに水
と上記の変性ポリビニルアルコール系樹脂(A)、好ま
しくは更にリン酸エステル系化合物(B)及び/又は多
価アルコール(C)を混合すればよい。濃度は適宜選択
すればよいが、作業性等を考慮すれば、0.1〜40重
量%が好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%で
ある。
【0044】ガラス繊維への塗布量については、特に限
定されないが、通常ガラス繊維への固形分付着量が0.
1〜10重量%となるように塗布されるのが好ましく、
より好ましくは0.5〜10重量%である。付着量が
0.1重量%未満では集束性が期待できず、10重量%
を越えると繊維どうしの膠着が起こり、経糸切れ及び毛
羽立ちが発生することとなり好ましくない。
【0045】塗布方法としては、一般のサイジング方
法、即ち紡糸時にアプリケーター部でガラス繊維に塗布
し、乾燥する方法でもよく、又、ガラス繊維製品に含浸
させる方法でもよい。
【0046】かくして本発明のガラス繊維用処理剤は、
0.1〜20モル%のスルホン酸基又はその塩基を有す
る変性ポリビニルアルコール系樹脂(A)からなるた
め、好ましくは更にリン酸エステル系化合物又はその塩
(B)及び/又は多価アルコール(C)を含有してなる
ため、ガラス繊維に対して優れた接着性(集束性)、平
滑性、柔軟性を有するものである。
【0047】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは、特に
断わりのない限り、重量基準を意味する。
【0048】以下に示す如き変性ポリビニルアルコール
系樹脂(A)を用意した。 [変性ポリビニルアルコールの調製(A−1)]酢酸ビ
ニルとアリルスルホン酸ナトリウムをメタノール溶媒中
で共重合して得られた共重合体のメタノール溶液に、水
酸化ナトリウムのメタノール溶液を添加して常法により
ケン化反応を行い、重合度600、ケン化度80モル
%、スルホン酸基含有量0.2モル%の変性ポリビニル
アルコール(A−1)を得た。
【0049】[変性ポリビニルアルコールの調製(A−
2)]酢酸ビニルとアリルスルホン酸ナトリウムをメタ
ノール溶媒中で共重合して得られた共重合体のメタノー
ル溶液に、水酸化ナトリウムのメタノール溶液を添加し
て常法によりケン化反応を行い、重合度650、ケン化
度76モル%、スルホン酸基含有量0.4モル%の変性
ポリビニルアルコール(A−2)を得た。
【0050】[変性ポリビニルアルコールの調製(A−
3)]酢酸ビニルとN−スルホイソブチレンアクリルア
ミドナトリウムをメタノール溶媒中で共重合して得られ
た共重合体のメタノール溶液に、水酸化ナトリウムのメ
タノール溶液を添加して常法によりケン化反応を行い、
重合度400、ケン化度60モル%、スルホン酸基含有
量5モル%の変性ポリビニルアルコール(A−3)を得
た。
【0051】[変性ポリビニルアルコールの調製(A−
4)]酢酸ビニルとナトリウムスルホプロピルトリデシ
ルマレートをメタノール溶媒中で共重合して得られた共
重合体のメタノール溶液に、水酸化ナトリウムのメタノ
ール溶液を添加して常法によりケン化反応を行い、重合
度800、ケン化度90モル%、スルホン酸基含有量
0.1モル%の変性ポリビニルアルコール(A−4)を
得た。
【0052】以下に示す如きリン酸エステル系化合物
(B)を用意した。 ・B−1:一般式(1)においてR=オクチル基、X=
エチレン基、M=NH325OH、n=2、y=2で
あるリン酸エステル系化合物 ・B−2:一般式(1)においてR=ステアリル基、X
=エチレン基、M=NH325OH、n=2、y=1
であるリン酸エステル系化合物 ・B−3:一般式(1)においてR=セチル基、X=エ
チレン基、M=NH4、n=10、y=1のリン酸エス
テル系化合物
【0053】以下に示す如き多価アルコール(C)を用
意した。 ・C−1:ポリエチレングリコール(重量平均分子量4
00) ・C−2:グリセリン
【0054】実施例1〜14、比較例1〜3 表1に示す如き含有割合にて上記ポリビニルアルコール
系樹脂(A)、上記リン酸エステル系化合物(B)、多
価アルコール(C)を水に溶解し、水溶液濃度4.5%
のガラス繊維用処理剤を得た。かかる処理剤を用いてガ
ラス繊維に下記の条件で塗布した。
【0055】(塗布条件) 糊付け温度 40℃ 糊付け速度 16m/min 乾燥温度 120℃熱風乾燥
【0056】得られたガラス繊維の接着性(集束性)、
平滑性、柔軟性を下記の如く評価した。
【0057】(接着性) 切断毛羽長 糊付け処理したガラス繊維(30cm)の一方を固定
し、他方に荷重100gのおもりを付け吊し、該おもり
をガラス繊維固定部から10cm離したところから、重
力落下させ、該ガラス繊維を切断した際の、切断部分の
毛羽長(cm)を測定した。
【0058】抱合力 糊付け処理したガラス繊維をTM式抱合度試験機(松井
精機社製)を用いて荷重100g/10本、角度145
度で、25回往復摩擦運動したときのガラス繊維の集束
状態を観察し、1級〜9級の9段階で評価した。1級に
なるほど抱合力が良好である。
【0059】(平滑性) 摩擦係数 糊付けしたガラス繊維どうしの動摩擦係数をμメータ
(エイコー社製)にて測定した。
【0060】(柔軟性) 曲げ硬さ 糊付けしたガラス繊維(2cm)を20本平面上で等間
隔に揃え(疑似織物作製)、両端をチャックで挟み、一
方を固定し、他方を右に90度曲げてから、左に180
度曲げた後、元の位置に戻す際の回復力(gf・cm/
cm)を測定した。実施例、比較例の評価結果を表2に
示す。
【0061】 〔表1〕 変性ホ゜リヒ゛ニル アルコール系樹脂 リン酸エステル系化合物 多価アルコール 塗布量 (A) (B) (C) 種類 含有量 種類 含有量 種類 含有量 (%) 実施例1 A−1 100 −− −− −− −− 2.7 〃 2 A−2 100 −− −− −− −− 2.8 〃 3 A−3 100 −− −− −− −− 2.7 〃 4 A−4 100 −− −− −− −− 2.8 〃 5 A−1 100 B−1 3 −− −− 2.7 〃 6 A−1 100 B−2 3 −− −− 2.7 〃 7 A−2 100 B−3 3 −− −− 2.7 〃 8 A−3 100 B−1 3 −− −− 2.7 〃 9 A−4 100 B−1 3 −− −− 2.7 〃 10 A−1 100 −− −− C−1 3 2.7 〃 11 A−2 100 −− −− C−2 3 2.8 〃 12 A−3 100 −− −− C−1 3 2.9 〃 13 A−4 100 −− −− C−1 3 2.7 〃 14 A−1 100 B−1 1.5 C−1 1.5 2.7 比較例1 A−5 100 −−− −− −−− −− 2.7 〃 2 A−6 100 −−− −− −−− −− 2.8 〃 3 A−7 100 −−− −− −−− −− 3.0
【0062】尚、表中の各成分の含有量は重量部であ
る。ポリビニルアルコール(A−5)は、重合度50
0、ケン化度88モル%の未変性ポリビニルアルコール
である。ポリビニルアルコール(A−6)は、酢酸ビニ
ルとアリルスルホン酸ナトリウムをメタノール溶媒中で
共重合して得られた共重合体のメタノール溶液に、水酸
化ナトリウムのメタノール溶液を添加して常法によりケ
ン化反応を行って得られた、重合度600、ケン化度8
0モル%、スルホン酸基含有量25モル%の変性ポリビ
ニルアルコールである。ポリビニルアルコール(A−
7)は、3−ブテン−1−オールにより変性した、変性
量5モル%、重合度600、ケン化度99モル%のヒド
ロキシアルキル変性ポリビニルアルコールである。
【0063】 〔表2〕 接着性 平滑性 柔軟性 切断毛羽長 包合力 摩擦係数 曲げ硬さ (cm) (級) (gf・cm/cm) 実施例1 0.4 6 0.42 109×10-4 〃 2 0.4 5 0.43 101×10-4 〃 3 0.4 6 0.41 96×10-4 〃 4 0.4 5 0.42 90×10-4 〃 5 0.4 5 0.36 69×10-4 〃 6 0.4 6 0.35 71×10-4 〃 7 0.4 5 0.37 64×10-4 〃 8 0.4 5 0.36 60×10-4 〃 9 0.4 5 0.36 68×10-4 〃 10 0.4 6 0.38 64×10-4 〃 11 0.4 6 0.36 62×10-4 〃 12 0.4 5 0.36 61×10-4 〃 13 0.4 6 0.36 60×10-4 〃 14 0.4 5 0.35 59×10-4 比較例1 0.5 7 0.44 234×10-4 〃 2 0.4 5 0.48 262×10-4 〃 3 0.4 6 0.44 250×10-4
【0064】
【発明の効果】本発明のガラス繊維用処理剤は、0.1
〜20モル%のスルホン酸基又はその塩基を有する変性
ポリビニルアルコール系樹脂(A)からなるため、好ま
しくは更にリン酸エステル系化合物(B)及び/又は多
価アルコール(C)を含有してなるため、ガラス繊維に
対して接着性、平滑性、柔軟性に非常に優れた効果を示
すものである。又、電子材料部品(精密素材品)、樹脂
シート強化材料、セメント製品強化材料として優れたガ
ラス繊維を提供することができるなど、工業的価値の非
常に高いものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.1〜20モル%のスルホン酸基又は
    その塩基を有する変性ポリビニルアルコール系樹脂
    (A)からなることを特徴とするガラス繊維用処理剤。
  2. 【請求項2】 更に、リン酸エステル系化合物(B)を
    含有してなることを特徴とする請求項1記載のガラス繊
    維用処理剤。
  3. 【請求項3】 リン酸エステル系化合物(B)が下記一
    般式(1)で示される化合物であることを特徴とする請
    求項2記載のガラス繊維用処理剤。 【化1】 ここで、Rは水素、アルキル基、アルキルアリル基のい
    ずれか、Xはアルキレン基、Mは水素、又はNa、K、
    NH4、NH325OH、RNH3のいずれか、nは1
    以上の整数、yは0〜2の整数である。
  4. 【請求項4】 更に、多価アルコール(C)を含有して
    なることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のガラ
    ス繊維用処理剤。
  5. 【請求項5】 変性ポリビニルアルコール系樹脂(A)
    100重量部に対して、リン酸エステル系化合物(B)
    を0.1〜20重量部含有してなることを特徴とする請
    求項2又は3記載のガラス繊維用処理剤。
  6. 【請求項6】 変性ポリビニルアルコール系樹脂(A)
    100重量部に対して、多価アルコール(C)を0.1
    〜20重量部含有してなることを特徴とする請求項4記
    載のガラス繊維用処理剤。
  7. 【請求項7】 変性ポリビニルアルコール系樹脂(A)
    の重合度が200〜4000で、ケン化度が50〜10
    0モル%であることを特徴とする請求項1〜6いずれか
    記載のガラス繊維用処理剤。
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