JP2001354079A - 車両用モール部材 - Google Patents

車両用モール部材

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JP2001354079A
JP2001354079A JP2000174188A JP2000174188A JP2001354079A JP 2001354079 A JP2001354079 A JP 2001354079A JP 2000174188 A JP2000174188 A JP 2000174188A JP 2000174188 A JP2000174188 A JP 2000174188A JP 2001354079 A JP2001354079 A JP 2001354079A
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Japan
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molding
molding member
resin
vehicle
sealant
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JP2000174188A
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English (en)
Inventor
Junji Yamada
准司 山田
Hirotoshi Ariga
裕俊 有賀
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Tokai Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tokai Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】他の物質との接着性が高い、車両用のモール部
材を提供する。 【解決手段】シーラント29に接着されて車両に取り付
けられる車両用モール部材21は、少なくとも前記シー
ラント29と接する前記モール部材21の取り付け部位
26の一部に、スチレン樹脂、スチレン系エラストマ
ー、アイオノマー樹脂、エチレンメタクリル酸共重合
体、及びエチレン酢酸ビニル共重合体からなる群から選
択される1又は2以上の樹脂を含有する樹脂材料によっ
て成形された部位23aを有しており、前記成形部位2
3aの表面においてプラズマ放電処理された被処理部2
3bを備えている。この車両用モール部材21の被処理
部23bは、プラズマ放電処理され、且つ極性基を含ん
でいるため、シーラント、特にウレタン系シーラントと
の接着性が高くなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両の外装に用
いられるモール部材に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の外装部材として使用される樹脂部
材には、車体パネルと車体パネルの間や、車体パネルと
ウィンドウガラスの間に隙間を埋めるように設けられる
ルーフモールやウィンドウモールなどのモール部材があ
る。これらのモール部材では、ある程度の可撓性を有
し、耐候性、耐薬品性に優れるとともに、ウレタン系シ
ーラントとの接着性が高いことが必要とされる。従来、
これらの目的に適った樹脂部材として、ポリ塩化ビニル
系の樹脂が多用されていたが、リサイクルし難い、焼却
すると有毒ガスが発生する等の環境面での問題に対処す
るため、代替品の開発・利用が進められてきている。
【0003】上記代替品として、オレフィン系熱可塑性
樹脂が注目されているが、シーラント、典型的にはウレ
タン系シーラントとの接着性が低いのが難点となってい
る。このため、モール部材をオレフィン系熱可塑性樹脂
で成形し、接着部位に接着性オレフィン系重合体層を設
けたり、接着部位表面をプラズマ放電処理したりされ
る。しかし、十分な接着力が得られなかったり、成形体
の接着部位の形成に時間がかかったりする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
シーラント、特にウレタン系シーラントとの接着性が高
い、車両用のモール部材を提供することを課題とし、特
にウィンドウモール及びルーフモールとするのに好まし
い合成樹脂製のモール部材を提供することを課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、シーラントに接着されて車両に取り付
けられる車両用モール部材であって、少なくとも前記シ
ーラントと接する前記モール部材の取り付け部位の一部
に、スチレン樹脂、スチレン系エラストマー、アイオノ
マー樹脂、エチレンメタクリル酸共重合体、及びエチレ
ン酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される1又は
2以上の樹脂を含有する樹脂材料によって成形された部
位と、前記成形部位の表面においてプラズマ放電処理さ
れた被処理部とを備える車両用モール部材を提供する。
【0006】このモール部材では、少なくとも前記シー
ラントと接する前記モール部材の取り付け部位の一部
に、極性基を有する樹脂を含有する成形部位が形成され
ている。成形部位は、車両用モール部材全体を構成して
も良いし、一部のみに設けられていても良い。成形部位
の表面をプラズマ放電処理することにより、被処理部が
形成されている。この被処理部は、シーラント、特にウ
レタン系シーラントに対して高い接着性を有する。した
がって、本発明のモール部材は、車体パネルへの取り付
け部位など所定部位に被処理部が設けられて、車体パネ
ル等に良好に接着する車両用モール部材となっている。
【0007】また、上記いずれかの前記被処理部の上
に、シラン系化合物、ポリオレフィン系化合物、イソシ
アネート系化合物からなる群より選択されるいずれかの
化合物を含有する合成樹脂層が付与されている車両用モ
ール部材を提供する。被処理部の上に上記した成分を含
有する樹脂層を設けることにより、より接着性の高い取
り付け部位を備えたモール部材となる。
【0008】また、上記いずれかの車両用モール部材で
あって、オレフィン系熱可塑性樹脂を含有する樹脂材料
で成形された部位を備える車両用モール部材を提供す
る。オレフィン系熱可塑性樹脂を含有する樹脂材料は、
耐候性、耐薬品性にすぐれているため、屋外で使用され
る車両用モール部材の寿命が長くなる。
【0009】また、このモール部材は、特に、固定され
たウィンドウガラスと車体パネルとの隙間を埋めるウィ
ンドウモールや、車体パネル間の接合部を隠蔽するルー
フモールに適用すると好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。車両用モール部材とは、車両用の長
尺状部材であり、例えば、ウィンドウモール、ベルトモ
ール、サイドモール、ルーフモール等がある。好ましく
は、固定された二部材間の隙間を埋めるウィンドウモー
ルやルーフモールである。
【0011】本発明の車両用モール部材は、極性基を含
有する樹脂材料で成形された部位(以下単に本成形部位
という。)を備えている。車両用モール部材全体を本成
形部位としても良いが、少なくともシーラントと接する
取り付け部位の一部に設けられている。
【0012】極性基を有する熱可塑性樹脂としては、ス
チレン系樹脂、スチレン系エラストマー、アイオノマー
樹脂、エチレンメタクリル酸共重合体(EMAA樹脂)、
エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)などが挙げ
られる。モール部材の一部のみを本成形部位とする場合
は、他の部分を形成する樹脂材料と本成形部位材料との
融着性が高くなるように他の樹脂材料と組み合わせるこ
とができる。例えば、他の部分がオレフィン系熱可塑性
樹脂を含有する材料の場合、本成形部位中にも、オレフ
ィン系熱可塑性樹脂を含有していると、融着性が高くな
り、一体成形しやすくなる。また、例えば、オレフィン
系熱可塑性エラストマー(TPO)にスチレン系熱可塑
性エラストマー(SBC)を混合して得られるポリマー
ブレンドを含有する熱可塑性樹脂材料(以下、ブレンド
材料という。)を使用することによって、本成形部位に
良好な弾性を付与することができる。
【0013】本成形部位をブレンド材料で成形する場
合、ブレンド材料の一方であるTPOは、特に限定され
ず、種々のものが使用可能である。好ましくは、ハード
セグメントとしてポリプロピレンを含む。また、ソフト
セグメントしては、エチレンプロピレンジエンゴム(E
PDM)及び/又はエチレンプロピレンゴム(EPM)
を含むものが好ましい。TPOは、例えばバンバリーミ
キサー等の機械的手段によって、単純に混合されたもの
や、有機過酸化物を添加してソフトセグメントを部分的
に架橋させたもの、あるいは、IPN(相互侵入高分子
網目構造)を形成したもの等を用いることができる。好
ましくは、機械的に混合したブレンドを使用する。
【0014】ブレンド材料の他方であるSBCは、特に
限定されず、種々のものが使用可能である。ハードセグ
メントとして、ポリスチレンを含み、ソフトセグメント
として、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエチレ
ン−ポリブテンのいずれか一種又は複数種を含むものが
好ましい。SBCは、ハードセグメントとソフトセグメ
ントとのブロックコポリマーが使用され、ABA型、
(AB)nX型などがあるが、ABA型が、好ましい。
【0015】TPOとSBCとの配合比は、TPO10
0重量部に対してSBCが2.5〜50重量部である
と、好ましい。2.5重量部未満であると、接着性等が
著しく低下し、50重量部を超えると、耐候性や耐薬品
性が著しく低下し外装用として使用に耐えなくなるから
である。本成形部位に、耐候性、耐薬品性を確保したい
場合は、配合比をTPO100重量部に対してSBCを
5〜35重量部とすると、接着剤との良好な接着性を確
保しつつ良好な耐候性や耐薬品性を保持させることがで
きるため、好ましい。
【0016】なお、本成形部位を構成する材料には、必
要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解抑制
剤、流動性改良剤、粘着防止剤、着色剤などの添加剤を
適宜添加することができる。例えば、軟化剤、可塑剤と
してプロセスオイルを添加したり、充填剤としてタルク
を添加したりすることができる。また、添加剤のみに限
定されず、ポリオールやポリエステルポリオールなど他
の合成樹脂を混入させて、改質等することもできる。ま
た、モール部材に本成形部位以外の樹脂材料部分を設け
る場合、この樹脂材料についても同様に種々の添加材を
添加することができる。
【0017】本成形部位の表面は、プラズマ放電処理さ
れて被処理部が形成されている。被処理部は、プラズマ
放電処理されており、極性基を含有しているため、他の
合成樹脂、特にウレタン系樹脂を主成分とするシーラン
トとの接着性が高くなっている。本明細書において、プ
ラズマ放電処理は、気体放電により発生した正及び負の
荷電粒子及び/又は励起分子(以下、これらをプラズマ
という。)で処理することを意味する。ここでいう気体
放電には、コロナ放電、アーク放電、グロー放電等の各
種の気体放電を包含する。本発明の被処理部の形成に
は、コロナ放電又はアーク放電による処理が好ましい。
また、発生したプラズマを、空気等の気体と一緒に被処
理面に吹き付けるプラズマジェット処理を行うことが好
ましい。本成形部位をプラズマ放電処理すると、表面
に、例えば、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基な
どの極性基が生成し、濡れ性及び接着性が向上する。ま
た、プラズマ放電処理により架橋構造が形成される場合
には、接着性の向上に寄与する。
【0018】なお、被処理部には、種々の合成樹脂層を
付与することができる。合成樹脂層としては、例えば、
プライマー層が挙げられる。プライマー層を付与するこ
とにより、被処理部のウレタン系シーラントとの接着性
を向上させることができる。かかるプライマー層として
は、シラン系化合物、ポリオレフィン系化合物、イソシ
アネート系化合物のいずれかを含有することが好まし
い。
【0019】本発明の車両用モール部材は、極性基を含
有する樹脂材料で成形された本成形部位を有し、表面が
プラズマ放電処理された被処理部を備えているため、シ
ーラント、特にウレタン系シーラントとの接着性が高く
なっている。このように、本発明の車両用モール部材
は、所定の部位に高い接着性を有している。なお、本成
形部位は、表面加工が必要な部分、例えば、意匠部に設
けても良い。この場合所定の面を被処理部に形成し、塗
膜等を付与することで、所定の表面に耐候性、耐汚染性
などの所定の性質を付与したり、色彩を施すことができ
る。
【0020】次に、車両用モール部材の典型的な製造方
法について簡単に説明する。図1は、本発明の車両用モ
ール部材を製造する一連の工程を示す模式図である。本
実施形態の装置は、取り付け部位のみが本成形部位に形
成され、他の部分が異なる樹脂材料で成形されているモ
ール部材を製造することができる。図1には、成形装置
10、WBL除去装置12、プラズマ放電処理装置1
4、表面加工装置16、及びカッター18が左から順に
配置されている。図1において、成形装置10で成形さ
れた成形材1は、長尺状のまま、成形速度にほぼ等しい
速さで順次各装置に移送されるものとする。
【0021】車両用モール部材は、射出成形、ブロー成
形、インフレーション成形などでも成形可能であるが、
車両用モール部材は専ら長尺状であるため、押出し成形
によって成形するのが好ましい。成形装置10は、原料
となる熱可塑性樹脂を投入する押出し機、押出し型、サ
イジング、及び冷却装置を有する、従来公知の押出し成
形装置である。
【0022】車両用モール部材の取り付け部位を本成形
部位とし、他の部分をオレフィン系熱可塑性樹脂を含有
する樹脂材料で成形する場合には、本成形部位の材料中
にオレフィン系熱可塑性樹脂を含有させると、他の部分
の樹脂材料との融着がしやすく好ましい。また、本成形
部位をアイオノマー樹脂又はエチレンメタクリル酸共重
合体を含有する本成形部位材料で形成する場合、オレフ
ィン系熱可塑性エラストマーを含有する他の部分の樹脂
材料と本成形部位材料との溶解度パラメータが同一又は
近似のものを用いると、好ましい。この場合、二種類の
樹脂材料は相溶性を示し、良好に融着するため、二層押
し出し成形によって一体化できる。本成形部位材料がオ
レフィン系熱可塑性樹脂を含有する場合も同様である。
また、成形温度が同一又は近似であることが好ましく、
1つの押し出し成形型で製造することができる。成形材
料とオレフィン系熱可塑性エラストマーの成形温度が大
きく異なる場合は、本成形部位以外の部分を先に成形し
て、これを本成形部位の成形型内に供給しながら本成形
部位を成形することで、一体化させることができる。
【0023】押出し成形装置10で外形が成形された成
形材1は、そのままプラズマ放電処理しても良いが、本
形態では、本成形部位の被処理部とされる表面を、WB
L除去装置12で前処理する。WBL(弱境界層)除去装
置12は、紫外線照射処理や溶剤処理等公知のWBL除
去処理を行える従来公知の装置で良い。例えば、紫外線
照射処理では、低圧水銀ランプを用いて、低波長、好ま
しくは184.9nm及び254.0nmの紫外線を照射することで良
好にWBL等接着性を阻害する物質を除去することがで
きる。溶剤処理の場合は、本成形部位材料を良好に溶解
できる溶剤を本成形部位表面に接触させることにより、
接着性を阻害する物質やWBLを除去することができ
る。WBL除去処理では、成形材1の本成形部位の表面
に存在する添加剤や低分子量の酸化物などの不純物を除
去する。不純物の除去により、より接着性の高い表面を
得ることができ、後に続くプラズマ放電処理の効果を高
めることができる。
【0024】次に、プラズマ放電処理装置14で、本成
形部位の表面をプラズマ放電処理する。プラズマ放電処
理装置の一形態を図2に模式的に示す。図2において、
長尺状の成形材1は、上面に本成形部位2を有してお
り、本成形部位2の上方にプラズマ発生装置(図示しな
い)及びプラズマ吹き出し口15が設けられている。プ
ラズマ吹き出し口15は、プラズマ発生装置でアーク放
電により発生したプラズマと、空気とを合わせて下方、
すなわち成形材1の本成形部位2の表面に吹き付けて、
被処理部3を形成させる。
【0025】プラズマ放電処理では、処理される本成形
部位表面(被処理面)は吹き出し口15に近接するほど効
率よく処理される。また、被処理面の各部から吹き出し
口15までの距離をほぼ等しくしておくと、均一に処理
することができ、好ましい。例えば、図2において点線
で示すような形状の場合も、吹き出し口15から被処理
面での距離がより均一となるように弾性変形させて支持
すると好ましい。
【0026】また、本形態では、本成形部位は極性基を
含有するため、短時間のプラズマ放電処理によって被処
理部の接着性を望ましい程度にまで向上させることがで
き、成形材1の押出速度に合わせて、被処理部を形成さ
せていくことができる。成形からプラズマ放電処理まで
をインラインで行う場合、被処理面又は吹き出し口15
の少なくともどちらか一方をプラズマ放電処理前の成形
体の長手方向に一定速度で移動させてガスの吹き付けを
行うと、被処理面全体を均一に処理することができ、好
ましい。
【0027】プラズマ放電処理した成形材1は、所定の
長さに切断してそのまま車両用モール部材とすることが
できる。被処理部上にプライマーを付与する場合は、切
断前にプライマー層を付与することができる。図1で、
表面加工装置16は、被処理部にプライマーを塗布して
より接着性の高い表面に形成する装置である。表面加工
装置16は、プラズマ放電処理装置14で形成された被
処理部にプライマーを塗布ロールで塗布し、乾燥機で熱
風乾燥させる。被処理部はプライマーとの接着性が高い
ため、短時間でプライマーと接着する。このため、押し
出し成形機から表面加工装置16までをインラインで作
動させることができる。プライマーを塗布する塗布ロー
ルは、被処理部の凹凸形状に合わせて弾性変形できるシ
リコン製とすることにより、被処理部にプライマーを均
一に塗布することができる。
【0028】図1に示す製造工程では、最後にカッター
18で成形材1を所定の長さに切断することで、車両用
モール部材を得ることができる。なお、成形材1を所定
の長さに切断するのは、押出し成形直後や、プラズマ放
電処理直後など任意の工程の後で行うことができる。
【0029】次に、本発明の実施の形態に係る車両用モ
ール部材について図面を参照して説明する。図3は、本
発明の車両用モール部材の一実施形態であるウィンドウ
モール21が車体パネル28及びウィンドウガラス27
の接合部分に設けられている状態を示す。ウィンドウモ
ール21は長尺状部材で、固定して取り付けられるウィ
ンドウガラス27の端縁に沿って、車体パネル28とウ
ィンドウガラス27との接合部分に設けられる。ウィン
ドウモール21は、長手方向に沿う外装部22、脚部2
3、及びリップ24を有する。
【0030】外装部22は、取り付け状態で車体の外面
側に設けられる部分で、ウィンドウガラス27の外側側
面端部を被覆する。外装部22は、半硬質TPOから成
る。また、外装部22のウィンドウガラス27の外側側
面と密着する端縁22aは、軟質TPOで形成されてい
る。さらに、外装部22の車体外面側全体は、意匠材2
2bで被覆されている。この意匠材22bは、従来公知
の合成樹脂製の塗膜としても良いし、あるいは、アイオ
ノマー樹脂等の本成形部位材料と同様の樹脂材料を積層
状に一体成形したものでも良い。
【0031】脚部23は、ウィンドウガラス27を固定
する部分で、支持部25と支持突片26とを有する。支
持部25は、ウィンドウガラス27の端面と密着する。
支持突片26は、取り付け状態において支持部25の車
体側を向く端縁と連続して形成されている。また、支持
部25はウィンドウモール21の基部を成しており、外
装部22及びリップ24は支持部25から延びるように
形成されている。なお、支持突片26は、本発明の取り
付け部位に相当する。
【0032】支持突片26は、ウィンドウガラス27の
車体側の側面に密着する。また、支持突片26の背面側
(車体側)は、車体パネル28とウィンドウガラス27
との間に充填されるウレタン系シーラント29に接触
し、接着される。支持突片26のウレタン系シーラント
29に接着する面は、長手方向に沿って凸状に形成され
ている。
【0033】脚部23は、全体が半硬質TPOで形成さ
れており、支持突片26の車体側が、SBCとTPOと
のブレンド材料で形成されて、本成形部位23aとされ
ている。本成形部位23aの表面全体は、プラズマ放電
処理されて被処理部23bとされており、合成樹脂部材
との接着性が高くなっている。
【0034】リップ24は、ウィンドウガラス27の厚
み部分の端縁から車体パネル28の意匠面までを滑らか
な曲線で連続させる薄片状部分で、全体が軟質TPOで
形成されている。リップ24は、車体パネル28の意匠
面に当接して弾性変形する。
【0035】図3に示すように、このウィンドウモール
21は、取り付け状態において、脚部23の被処理部2
3bが、ウレタン系シーラント29と良好に接着して、
固定されており、同時にウィンドウガラス27が、車体
パネル28の所定の位置に固定されている。
【0036】なお、このウィンドウモール21におい
て、ウレタン系シーラント29と接触する脚部23の被
処理部23bに、合成樹脂層としてシラン系プライマー
を付与することが好ましい。この場合、被処理部23b
とシラン系プライマーは良好に密着し、更にプライマー
とウレタン系シーラント29とが強固に接着される。
【0037】また、意匠材22b部分もプラズマ放電処
理して被処理部としても良い。被処理部に形成すること
により、種々の合成樹脂層を付与することができ、耐候
性、耐薬品性等に優れた樹脂塗膜を形成して保護した
り、種々の色彩を施したりすることもできる。いうまで
もなく、この場合の被処理部においても従来公知のプラ
イマーを塗布してから、他の合成樹脂層を設けても良
い。
【0038】図4に本発明の別の実施の形態に係るルー
フモール51の一部を示す。ルーフモール51は、溝状
に形成されたセンタルーフパネル71とサイドルーフパ
ネル72との接合部73を隠蔽して、連続状の外観を形
成する長尺状部材である。本実施形態のルーフモール5
1は、中央部54、端部近傍部53、及び先端部52
と、部分に応じて異なる形状に形成されている。また、
中央部54と、端部近傍部53の半ばまでが押し出し成
形によって形成されており、端部近傍部53の途中から
先端部52までが射出成形によって成形されている。
【0039】図5に示すように、中央部54は、ルーフ
モール51の長軸に沿って、基部56、脚部58、及び
意匠部60を備えている。基部56は、断面長方形状に
形成された部分で、下部に脚部58が、上部に意匠部6
0が設けられている。脚部58は、基部56の下端から
略水平方向に延びる薄板状に形成されている。図5に示
すように、脚部58は、接合部73に塗布されるウレタ
ン系シーラント75と接触し、接着する部分で、本発明
の取り付け部位に相当する。脚部58の下面には、中央
寄りの二箇所に凸状部分が設けられている。また、意匠
部60は、基部56の上端から略水平方向に延びる厚板
状部分で、図5,6に示すようにセンタルーフパネル7
1とサイドルーフパネル72の頂面を滑らかな曲線で連
続させる。
【0040】端部近傍部53は、図6に示すように、基
部56及び意匠部60を備えている。端部近傍部53
は、中央部54の断面形状に形成された押し出し成形部
材の脚部58の部分を切断することで得られる形状であ
る。端部近傍部53は、接合部73の溝の深さが端部に
向かうにつれて浅くなっていくのに合わせて、高さを小
さく形成した部位である。図6に示すように、基部56
の下端が接合部73に塗布されるウレタン系シーラント
75に接着する。すなわち、端部近傍部53では、基部
56の下端が取り付け部位となっている。
【0041】先端部52は、意匠部60が下方へ延び
て、センタルーフパネル71とサイドルーフパネル72
との隙間の断面形状に沿う形状に形成された部分で、接
合部73の側面を被覆する。
【0042】ルーフモール51では、意匠部60全体が
軟質TPOで形成されており、接合部73の上部周辺の
形状に沿わせられるようになっている。また、意匠部6
0の上面、すなわち車両取り付け時に外気に晒される面
は、意匠材60aで被覆されている。意匠材60aは、
ウィンドウモール21の意匠材22bと同様、極性基を
有する熱可塑性樹脂材料等で形成しても良いし、本成形
部位材料で形成した後、表面を被処理部にし、種々の塗
膜を形成しても良い。
【0043】基部56は、大部分が半硬質TPOで形成
され、下端部分は本成形部位材料、例えばTPOとSB
Cとのブレンド材料で形成されている。基部56の本成
形部位材料部分は、端部近傍部53では、本成形部位5
6aとしてルーフモール51の最下面を成す部分で、プ
ラズマ放電処理によって被処理部56bに形成され、接
着性が高められる。また、この被処理部56bに合成樹
脂層としてシラン系プライマーを塗布することで、ウレ
タン系シーラントとの接着性を高めることができる。な
お、基部56の内部中央には、伸縮変形防止用のワイヤ
57が挿入されている。
【0044】脚部58は、基部56の下方に位置する中
央部分が基部56の下部と同様の本成形部位材料で形成
されて本成形部位58aとなっている。また、この中央
部から両側に伸びる薄板状部分は、軟質TPOで形成さ
れている。本成形部位58aは、プラズマ放電処理され
て被処理部58bに形成され、合成樹脂層としてシラン
系プライマーが塗布されている。
【0045】また、先端部52は、全体が意匠材60a
と同様の極性基を備えた樹脂材料で形成されている。す
なわち、先端部52及び端部近傍部53の一部を構成す
る射出成形体は、全体が極性基を備えた合成樹脂材料か
ら成る。このため、この射出成形体は、本成形部位材料
で形成することもでき、例えば、押し出し成形体と接着
される部分を被処理部に形成し、また更にプライマー等
の合成樹脂層を付与して接着することができる。
【0046】このルーフモール51は、取り付け状態に
おいて、センタルーフパネル71とサイドルーフパネル
72との接合部73に塗布されたウレタン系シーラント
75に被処理部58b、56bで接着されて、良好に固
定されている。中央部54では、図5に示すように脚部
58の被処理部58bが、端部近傍部53では、図6に
示すように基部56の被処理部56bがシーラント75
に接触し、良好に接着されている。このとき、脚部58
から基部56までは、意匠部60によって外側から見え
ないようになっている。なお、先端部52の接合部73
と対向する面側を被処理部に形成してウレタン系シーラ
ント75と接着させても良い。
【0047】また、ルーフモール51は、押し出し成形
体のみから形成しても良い。この場合、端部から所定の
長さまでの脚部58を切り取って端部近傍部53を形成
した後、先端をホットプレスによって再成形することに
よって先端部52に形成することができる。
【0048】
【実施例】オレフィン系熱可塑性樹脂上に極性基を備え
た成形材料を積層状に押し出し成形し、その表面を放電
処理機「Plasma Jet Surface Treater」を、出力0.5
kWで作動させて、吹き出し口から成形体の表面までの距
離を1.5cmに保って5秒間プラズマ放電処理(CD処理)
した。その後、直ちにプライマーを塗布して試料1,2
を得た。試料1,2について、プライマー塗布直後、1
週間後、4週間後にシーラントを塗布して10日間放置
した。また、比較試料として、試料1,2と同様に成形
した成形体の表面をCD処理せずにプライマーを塗布して
比較試料1,2を得た。各比較試料について、プライマ
ー塗布直後、1週間後、4週間後にシーラントを塗布し
て10日間放置した。試料1,2及び比較試料1,2のプ
ライマー塗布後10日経ったものについて、シーラント
層を180度の方向に引張って、接着強度を試験した。
その結果を表2に示す。
【0049】なお、オレフィン系熱可塑性樹脂として
は、レオストマー(理研ビニル工業(株)製)を使用し、極
性基を備えた樹脂としては以下のものを使用した。 試料1、比較試料1……………アイオノマー樹脂(ハイ
ミラン、三井デュポンポリケミカル(株)製) 試料2、比較試料2……………エチレンメタクリル酸共
重合体(ニュクレル、三井デュポンポリケミカル(株)製) また、プライマーとしては、全ての試料及び比較試料に
対してシラン化合物系プライマー435−75(サンス
ター(株)製)を使用した。また、全ての試料及び比較試
料に対して、下記3種類のウレタン系シーラントを塗布
して実験を行った。 YH………………ハマタイトWS-95(横浜ゴム(株)製) SS・………………ペンギンシール556(サンスター
(株)製) DW………………58702H(ダウ・ケミカル(株)製)
【0050】
【表1】
【0051】表1に示すように、被処理部が形成された
本成形部位を構成する成形材料に関係なく、プラズマ放
電処理を施すことにより、強い接着性を示すことが分か
った。また、プラズマ放電処理をしておくことにより、
プライマー塗布後4週間経過してからシーラントを塗布
しても、試料1,2ともに、10Kgf程度の接着強度を
維持しており、プライマーを塗布した状態での保存や輸
送が可能であることが分かった。
【0052】
【発明の効果】本発明では、他の物質との接着性が高
い、車両用のモール部材を提供することができた。ま
た、特にウィンドウモール及びルーフモールとするのに
好ましい合成樹脂製のモール部材を提供することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の車両用モール部材を製造する
典型的な工程を示す概略図である。
【図2】図2は、図1の製造工程のうちプラズマ放電処
理工程を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明の一実施の形態に係るウィンド
ウモールが車体パネルとウィンドウガラスとの間に設け
られている状態を示す横断面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施の形態に係るルーフモ
ールの一部を示す斜視図である。
【図5】図5は、車体パネル間に設けられている図4の
ルーフモールの中央部の状態を示す横断面図である。
【図6】図6は、車体パネル間に設けられている図4の
ルーフモールの端部近傍部の状態を示す横断面図であ
る。
【符号の説明】
1 成形材 2 本成形部位 3 被処理部 10 成形装置 12 WBL除去装置 14 プラズマ放電処理装置 15 プラズマ吹き出し口 16 表面加工装置 18 カッター 21 ウィンドウモール 22 外装部 22a 端縁 22b,60a 意匠材 23a,56a,58a 本成形部位 23 脚部 23b,56b,58b 被処理部 24 リップ 25 支持部 26 支持突片 27 ウィンドウガラス 28 車体パネル 29,75 ウレタン系シーラント 30 ダムラバー 51 ルーフモール 52 先端部 53 端部近傍部 54 中央部 56 基部 57 ワイヤ 58 脚部 60 意匠部 71 センタルーフパネル 72 サイドルーフパネル 73 接合部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シーラントに接着されて車両に取り付け
    られる車両用モール部材であって、 少なくとも前記シーラントと接する前記モール部材の取
    り付け部位の一部に、スチレン樹脂、スチレン系エラス
    トマー、アイオノマー樹脂、エチレンメタクリル酸共重
    合体、及びエチレン酢酸ビニル共重合体からなる群から
    選択される1又は2以上の樹脂を含有する樹脂材料によ
    って成形された部位と、 前記成形部位の表面においてプラズマ放電処理された被
    処理部とを備える車両用モール部材。
  2. 【請求項2】 前記被処理部の上に、シラン系化合物、
    ポリオレフィン系化合物、イソシアネート系化合物から
    なる群より選択されるいずれかの化合物を含有する合成
    樹脂層が付与されている請求項1記載の車両用モール部
    材。
  3. 【請求項3】 オレフィン系熱可塑性樹脂を含有する樹
    脂材料で成形された部位を備える請求項1又は2記載の
    車両用モール部材。
  4. 【請求項4】 ウィンドウモール又はルーフモールであ
    る請求項1から3のいずれかに記載の車両用モール部
    材。
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