JP2001353734A - プラスチックレンズの製造方法およびプラスチックレンズ製造用粘着テープ - Google Patents

プラスチックレンズの製造方法およびプラスチックレンズ製造用粘着テープ

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JP2001353734A JP2000181537A JP2000181537A JP2001353734A JP 2001353734 A JP2001353734 A JP 2001353734A JP 2000181537 A JP2000181537 A JP 2000181537A JP 2000181537 A JP2000181537 A JP 2000181537A JP 2001353734 A JP2001353734 A JP 2001353734A
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良夫 佐野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラスチックレンズ内部の気泡・白濁、外周部
の気泡をなくし、外観、光学性能、機械的強度、染色
性、加工作業性等に優れたプラスチックレンズを得るた
めの方法。 【解決手段】フィルム基材に、水蒸気透過率が3g/m
2・24hr・0.1mm以下である粘着剤を塗布した
粘着テープを、所定の間隔に対向配置させた2枚のガラ
ス型の側面に密着させ、該2枚のガラス型と粘着テープ
に囲まれて形成されたプラスチックレンズ製造用鋳型中
に原料モノマーを注入し、これを重合させることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックレン
ズを注型重合する際に、所定の間隔に対向配置させた2
枚のガラス型側面を封止するための粘着テープおよびそ
れを用いたプラスチックレンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズの製造方法には、注
型成形法、切削研磨法、射出成形法等が挙げられるが、
一般的には、より簡単にプラスチックレンズを成形する
ことができる注型成形法が用いられている。注型成形法
においては、2枚のガラス型の互いの成形面を所定の間
隔をもって対向させ、この状態で周面をガスケットで封
止してこれをクリップ等で固定して作製したプラスチッ
クレンズ製造用鋳型の内部空間に原料モノマーを注入
し、重合硬化させて、プラスチックレンズを成形する方
法が主流であった。この場合、ガスケットが内部空間を
規制しているため、レンズの度数、乱視度の大小などに
より膨大な種類のガスケットを必要とすること、高精度
なプラスチックレンズを製造するためにガスケットの精
度を上げることに難点が多くコストが高くなってしまう
こと、また、プラスチックレンズを重合硬化させた後に
クリップ及びガスケットを外す作業が煩労、等の問題点
があった。そこで近年は、ガスケットに代わり、フィル
ム基材に粘着剤を塗布した粘着テープを使った技術が開
示されている(特開平1−294016公報、特公平3
−8246公報、特公平5−64564公報、特開平6
−346034公報等)。粘着テープは、製造するプラ
スチックレンズの厚みに幅広く対応できる上、それのみ
でガラス型を保持できるのでクリップも必要ない。その
結果、安価に多様な種類のプラスチックレンズを製造で
きる方法として広く利用されている。粘着テープの基材
となるフィルムの素材は、ポリエチレンテレフタレ−
ト、ポリエチレン−2,6ナフタレ−トなどのポリエス
テル類、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテンなど
のポリオレフィン類、ポリイミド類、ポリアミド類、ポ
リカ−ボネ−ト類等が挙げられ、それらに塗布する粘着
剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコーン系等が使
用されている。
【0003】一方、プラスチックレンズ素材は高屈折率
化が進んでおり、アリルカーボネート系樹脂、アクリレ
ート系樹脂、メタクリレート系樹脂、およびチオウレタ
ン系樹脂を原料とするプラスチックレンズが、加工性、
耐熱性、耐衝撃性に優れているため広く用いられてい
る。この中でも特に、チオウレタン系樹脂組成物は、重
合硬化後、屈折率が1.60以上の樹脂が得られるた
め、多数製品化されている。しかし、このチオウレタン
系樹脂組成物は、原料となるポリイソシアネート化合物
とポリチオール化合物を混ぜることにより重合を緩やか
に進行させるため、重合中にイソシアネート成分が水と
反応して炭酸ガスを生じ、発泡し易い。その結果、プラ
スチックレンズ内部の気泡・白濁、外周部の気泡を引き
起こし、外観、光学性能、機械的強度、染色性、加工作
業性等の低下の原因となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記チオウレタン系樹
脂組成物重合時の発泡現象は、粘着テープを使用した注
型重合の際によく見られる。そのため、重合時の雰囲気
中の水分とプラスチックレンズ製造用鋳型内のモノマー
が接しやすい粘着テープの部分に着目した技術研究がな
されている。特公平5−64564号公報では、ガラス
型を固定する粘着テープのフィルム基材の酸素透過率を
15cc/m2・24hr・0.1mm以下、かつ水蒸
気透過率を10g/m2・24hr・0.1mm以下に
限定する方法が、また特開平10−128861および
特開平11−333868では水蒸気透過率2から3g
/m2・24hr・0.1mm以下であるプラスチック
フィルム基材を用いた粘着テープが開示されている。し
かしながら、これら単一材料のみで前記条件を満たして
いるフィルム基材は剛性に乏しく型を保持する性能が不
足しているものもあるため注型成形法には適していない
上、コストが高い。また、酸素あるいは水蒸気透過率の
低い材料の被膜を積層したり、金属薄膜を積層する等し
て前記条件に合ったフィルム基材を得る場合においても
同様にコストが高くなってしまうという問題点を有して
いた。
【0005】このように、プラスチックレンズの注型重
合に用いる粘着テープのフィルム基材に要求される性能
(ガラス型への追従性、プラスチックレンズの成形性、
重合時の耐熱性、低コスト、低い水蒸気透過率等)を全
て満足できる基材を限定することは、現実的には非常に
困難と考えられる。
【0006】一方、粘着剤に要求される性能としては、
プラスチックレンズ原料注入・硬化時に漏れがないこ
と、および溶け出しがないこと、プラスチックレンズ硬
化後にガラス型に残らないこと、ガラス型との接着強度
が十分あること、巻き戻し力が適度にあること等があげ
られるが、逆にプラスチックレンズ製造方法の変革から
耐加水分解性(JIS C2318;85℃飽和水蒸気
中に72時間放置した後の引張強度保持力)は必要でな
いこともわかってきている。
【0007】また重合時の雰囲気に着目した技術研究も
なされている。特開平10−58551号公報では、原
料を注入したモールドを水分量3.5ppm以下の雰囲
気内において、重合を行う方法が開示されている。しか
し、この方法では、機械設備の改造等に費用がかかり、
やはり好ましくない。
【0008】そこで本発明は、注型成形法において、従
来のガラス型・粘着テープ基材・機械設備をそのまま利
用でき、かつ、気泡・白濁、外周部の気泡のない製品品
質に優れたプラスチックレンズを得るための製造方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のプラスチックレ
ンズの製造方法は、フィルム基材に水蒸気透過率が3g
/m2・24hr・0.1mm以下である粘着剤を吐工
した粘着テープを、所定の間隔に対向配置させた2枚の
ガラス型の側面に密着させ、該2枚のガラス型と粘着テ
ープに囲まれて形成されたプラスチックレンズ製造用鋳
型中に原料モノマーを注入し、これを重合させることを
特徴とする。
【0010】さらに本発明のプラスチックレンズの製造
方法における原料モノマーは、ポリイソシアネート化合
物とポリチオール化合物の混合物を主成分とすることを
特徴とする。
【0011】また本発明のプラスチックレンズ製造用粘
着テープは、フィルム基材に粘着剤を吐工した粘着テー
プであって、該粘着剤の水蒸気透過率が3g/m2・2
4hr・0.1mm以下であることを特徴とする。
【0012】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明のプラスチックレンズの製造方法またはプラスチッ
クレンズ製造用粘着テープにおける粘着剤は、主成分と
してシリコーン系、アクリル系、天然ゴム系等が使用で
きるが、硬化性化合物への溶け出し、耐熱性等の性能か
ら見てシリコーン系粘着剤が好ましい。具体的にはシリ
コーンゴム成分と、粘着性付与樹脂としてシリコーンレ
ジン部分とからなる粘着剤が望ましい。さらに詳しく
は、ジオルガノシロキサン25量体以下の低沸点成分含
有量が12重量%以下であるシリコーン系粘着剤が好適
である。該低沸点成分含有量が12%を越えるとモノマ
ーへの溶け出し量が多くなり、レンズ外周部が白濁す
る。
【0013】これら主成分に副成分としてポリイソシア
ネート、または金属アルコキシドおよびその加水分解物
等の吸水性物質を混合および/または塗布する。 副成
分として用いる吸水性物質としては、粉末シリカゲル、
コロイダルシリカ等のシリカ微粒子、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−メタクリル
オキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエ
チルトリメトキシシラン、β−アミノエチルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
シラン等の有機シラン化合物、テトラエトキシチタン、
テトラエトキシタンタル等の金属アルコキシド等があげ
られる。これらの金属アルコキシドは、予めトルエン、
キシレン等の有機溶剤に溶解し硬化剤を添加しておいた
主成分と混合した後に基材フィルムに吐工し、所定温度
で反応させるのが一般的である。副成分が主成分との混
合時または吐工時に異常反応を起こし、吸水性が損なわ
れるような場合は、副成分のみを単独で予め基材フィル
ムに塗布した後主成分を吐工・反応するか、または主成
分のみを吐工・反応した後、巻き戻し時に粘着剤に重ね
て塗布しても良い。主成分と混合するか単独で塗布する
かは主成分および基材との相性、製造上の制約条件、コ
ストなどを考慮して選択することができる。該副成分の
含有量は0.1wt%以上30wt%以下の範囲がよ
く、基材とレンズ原料の組み合わせを考慮すると1wt
%以上20wt%以下が特によい。
【0014】該粘着剤をフィルム基材に吐工する際の厚
さは、20μm以上100μm以下の範囲がよく、作業
性や価格の面から50μm以下が特によい。20μm以
下であると十分な粘着力が得られない上、水蒸気透過率
も高くなってしまう。逆に100μm以上であると、粘
着テープをロールから剥がす際に強い力が必要となる、
剥がした先から丸まってしまい作業性が悪い、サイドス
ティックが発生する等の点から好ましくない。
【0015】本発明における粘着テープのフィルム基材
は、水蒸気透過率の大小に関わらず、従来広く使われて
いるものを使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタ
レ−ト、ポリエチレン−2,6ナフタレ−トなどのポリ
エステル類、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン
などのポリオレフィン類、ポリイミド類、ポリアミド
類、ポリカ−ボネ−ト類など多くのものが有効である
が、中でもポリエチレンテレフタレ−トがテープ製造時
およびプラスチックレンズ重合時の耐熱性、ガラス型へ
の追従性、低コスト等の面から好適である。さらに、一
部の極端に発泡し易いチオウレタン系樹脂組成物に対し
ては、ポリエチレンナフタレートやポリフェニレンスル
フィド等の水蒸気透過率の低い基材と併用することによ
り取り扱うことができる。また、従来のチオウレタン系
樹脂組成物であっても、原料調合時に高真空装置などの
特別な製造設備を必要とせずに高い効果を得ることがで
きる。
【0016】本発明のプラスチックレンズの製造方法に
おける原料モノマーは、ポリイソシアネート化合物の1
種以上、およびポリチオール化合物を主成分とする組成
物を用いるのが好ましい。前記ポリイソシアネート化合
物としてはトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、ポリメリック型ジフェニルメタン
ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレ
ンジイソシアネート、トリレンジイソチオシアネート、
ジフェニルメタンジイソチオシアネート、トリジンジイ
ソチオシアネート、ナフタレンジイソチオシアネート、
ヘキサメチレンジイソチオシアネート、イソホロンジイ
ソチオシアネート、キシリレンジイソチオシアネート、
2,5−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ[2,
2,1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチ
ル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、3,8−ビス
(イソシアネートメチル)トリシクロ[5,2,1,0
2,6]−デカン、3,9−ビス(イソシアネートメチ
ル)トリシクロ[5,2,1,02,6]−デカン、4,
8−ビス(イソシアネートメチル)トリシクロ[5,
2,1,02,6]−デカン、4,9−ビス(イソシアネ
ートメチル)トリシクロ[5,2,1,02, 6]−デカ
ン、ダイマー酸ジイソシアネート等のポリイソ(チオ)
シアネート化合物およびそれらの化合物のアロファネー
ト変性体、ビュレット変性体、イソシアヌレート変性体
が挙げられ、単独あるいは、必要に応じて2種類以上の
混合物として用いてることができる。
【0017】また、ポリチオール化合物の具体例として
は、以下の化合物が挙げられる。
【0018】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】 そのほか、ジ(2−メルカプトエチル)エーテル、1,
2−エタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、エ
チレングリコールジチオグリコレート、トリメチロール
プロパントリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリ
トールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペン
タエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオ
ネート)、1,2−ジメルカプトベンゼン、キシリレン
ジチオール、4−メルカプトメチル−3,6−ジチオ−
1,8−オクタンジチオール等も挙げられる。
【0019】これらのポリチオール化合物をポリイソシ
アネート化合物と反応させることによって、高屈折率で
あるとともに落球強度、耐熱性、染色性、耐候性等の耐
久品質面でバランスの取れた含硫ウレタン系プラスチッ
クレンズを得ることができる。さらに、ポリチオール化
合物とポリオール化合物を併用することも可能である。
【0020】プラスチックレンズの注型成形する際、ポ
リイソシアネート化合物とポリチオール化合物の使用割
合は、NCO/SH(官能基)モル比が通常0.5〜
3.0、好ましくは0.5〜1.5の範囲内で実施する
必要がある。また、内部離型剤、鎖延長剤、架橋剤、光
安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散染料・油溶染
料・顔料などの着色剤・ブルーイング剤、反応触媒等を
ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物の混合
液中に適宜添加することもできる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0022】(実施例1)2枚のガラス型の互いの成形
面を所定の間隔をもって対向配置させたものを、この状
態で周面を粘着テープ〔厚さ0.05mmの二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)ルミラ
ーS−10)にジオルガノシロキサン25量体以下の低
沸点成分が8wt%のシリコーン主成分に粉末状シリカ
ゲル15wt%を混合した粘着剤を厚さ0.03mmで
吐工したもの; 粘着テープの水蒸気透過率1.5g/
2・24hr・0.1mm 〕で巻いて固定してプラス
チックレンズ製造用鋳型を作成した。図1にその外観
図、図2に断面図を示す(実施例2,3におけるプラス
チックレンズ製造用鋳型も同じ図面で示す)。
【0023】4−メルカプトメチル−3,6−ジチオ−
1,8−オクタンジチオール87g、m−キシリレンジ
イソシアネート94g、ジブチルスズジラウレート0.
02g、内部離型剤0.15g、2−(5−メチル−2
−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール0.09g
を混合し、充分に撹拌したモノマーを5mmHg以下の
真空下で60分脱気を行った。
【0024】その後、前記プラスチックレンズ製造用鋳
型中にこのモノマーを注入し、恒温槽内で40℃で7時
間保持し、その後40℃から120℃まで10時間かけ
て昇温させて重合を行った。
【0025】重合が完了した後、室温まで除冷して、粘
着テープ、ガラス型を取り外し、プラスチックレンズを
得た。
【0026】(実施例2)2枚のガラス型の互いの成形
面を所定の間隔をもって対向配置させたものを、この状
態で周面を粘着テープ〔厚さ0.05mmの二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)ルミラ
ーS−10)にテトラエトキシシランを塗布した後ジオ
ルガノシロキサン25量体以下の低沸点成分が7wt%
のシリコーン粘着剤を厚さ0.03mmで吐工したも
の; 粘着テープの水蒸気透過率2.0g/m2・24h
r・0.1mm 〕で巻いて固定してプラスチックレン
ズ製造用鋳型を作成した。実施例1と同様のモノマーを
注入し、恒温槽内で40℃で7時間保持し、その後40
℃から120℃まで10時間かけて昇温させて重合を行
った。
【0027】重合が完了した後、室温まで除冷して、粘
着テープ、ガラス型を取り外し、プラスチックレンズを
得た。
【0028】(実施例3)2枚のガラス型の互いの成形
面を所定の間隔をもって対向配置させたものを、この状
態で周面を粘着テープ〔厚さ0.038mmの二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)ルミ
ラーS−10)にテトラメトキシシラン70wt%、γ
−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン30w
t%よりなる混合物を塗布した後、ジオルガノシロキサ
ン25量体以下の低沸点成分が6wt%のシリコーン粘
着剤に粉末状シリカゲル5wt%を混合したものを厚さ
0.03mmで吐工したもの; 粘着テープの水蒸気透
過率1.8g/m2・24hr・0.1mm 〕で巻いて
固定してプラスチックレンズ製造用鋳型を作成した。
【0029】その後、前記プラスチックレンズ製造用鋳
型中に実施例1と同様のモノマーを注入し、恒温槽内で
40℃で7時間保持し、その後40℃から120℃まで
10時間かけて昇温させて重合を行った。
【0030】重合が完了した後、室温まで除冷して、ガ
スケット、ガラス型を取り外し、プラスチックレンズを
得た。
【0031】(比較例1)2枚のガラス型の互いの成形
面を所定の間隔をもって対向配置させたものを、この状
態で周面を粘着テープ〔厚さ0.038mmの二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)ルミ
ラーS−10)にジオルガノシロキサン25量体以下の
低沸点成分が7wt%のシリコーン粘着剤を厚さ0.0
3mmで吐工したもの; 粘着テープの水蒸気透過率
6.8g/m2・24hr・0.1mm〕で巻いて固定
してプラスチックレンズ製造用鋳型を作成した。実施例
1と同様のモノマーを注入し、恒温槽内で40℃で7時
間保持し、その後40℃から120℃まで10時間かけ
て昇温させて重合を行った。
【0032】重合が完了した後、室温まで除冷して、粘
着テープ、ガラス型を取り外し、プラスチックレンズを
得た。
【0033】(比較例2)2枚のガラス型の互いの成形
面を所定の間隔をもって対向配置させたものを、この状
態で周面を粘着テープ〔厚さ0.05mmの二軸延伸ポ
リフェニレンスルフィドフィルム(東レ(株)トレリ
ナ)にジオルガノシロキサン25量体以下の低沸点成分
が7wt%のシリコーン粘着剤を厚さ0.03mmで吐
工したもの;粘着テープの水蒸気透過率2.3g/m2
・24hr・0.1mm 〕で巻いて固定してプラスチ
ックレンズ製造用鋳型を作成した。実施例1と同様のモ
ノマーを注入し、恒温槽内で40℃で7時間保持し、そ
の後40℃から120℃まで10時間かけて昇温させて
重合を行った。
【0034】重合が完了した後、室温まで除冷して、粘
着テープ、ガラス型を取り外し、プラスチックレンズを
得た。
【0035】上記実施例1〜3および比較例1、2につ
いて、それぞれ100枚づつ重合したレンズを、以下の
ような良品規格に従って評価し、不良発生率を表1に示
した。
【0036】〈良品規格〉 気泡・・・レンズ中心部に発生した泡状のものを目視で
評価し、レンズ外周から中心方向3.0mm以内に全く
無いものを良品とした。 白濁・・・レンズの曇りを目視とプロジェクターで評価
し、目視で全く見えないものを良品とした。 カケ・・・レンズ外周部に発生した気泡を目視で評価し
た。外周から中心方向へ3.0mm以内に全く無いもの
を良品とした。
【0037】〈コスト〉実施例1で使用したレンズ1枚
あたりのテープの単価を100とし、指数で表わした。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明のプラスチックレンズの製造方法
によれば、重合時の発泡によるプラスチックレンズ内部
の気泡・白濁、外周部の気泡を防ぐことができる。その
結果、外観、光学性能、機械的強度、染色性、加工作業
性等に優れたプラスチックレンズを収率よく製造するこ
とが可能となる。また、本発明によれば、フィルム基材
の水蒸気透過率にとらわれることなく、要求される他の
性能(ガラス型への追従性、プラスチックレンズの成形
性、重合時の耐熱性、低コスト等)を優先してフィルム
基材を選定することができる。その結果、良品の安定的
な生産、生産コストの削減が実現できる。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるプラスチックレンズ製
造用鋳型の外観図。
【図2】本発明の実施例におけるプラスチックレンズ製
造用鋳型の断面図。
【符号の説明】
1.ガラス型 2.粘着テープ 3.フィルム基材 4.粘着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AA42L AH74 AJ03 CA01 CB01 CK07 4J004 AA02 AA05 AA10 AA11 AA14 AA17 AA18 AB01 CA04 CA06 CC02 FA08 FA10 4J034 BA02 CA32 CB02 CB05 CB07 CC03 CC10 CD08 HA07 HA11 HC01 HC03 HC12 HC13 HC22 HC52 HC54 HC55 HC64 HC71 HC73 JA02 JA12 QC08 QC10 RA13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルム基材に、水蒸気透過率が3g/m
    2・24hr・0.1mm以下である粘着剤を吐工した
    粘着テープを、所定の間隔に対向配置させた2枚のガラ
    ス型の側面に密着させ、該2枚のガラス型と粘着テープ
    に囲まれて形成されたプラスチックレンズ製造用鋳型中
    に原料モノマーを注入し、これを重合させることを特徴
    とするプラスチックレンズの製造方法。
  2. 【請求項2】前記原料モノマーが、ポリイソシアネート
    化合物とポリチオール化合物の混合物を主成分とするこ
    とを特徴とする、請求項1に記載のプラスチックレンズ
    の製造方法。
  3. 【請求項3】フィルム基材に粘着剤を吐工した粘着テー
    プであって、該粘着剤の水蒸気透過率が3g/m2・2
    4hr・0.1mm以下であることを特徴とするプラス
    チックレンズ製造用粘着テープ。
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