JP2001353470A - 自動車塗膜の補修方法 - Google Patents

自動車塗膜の補修方法

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JP2001353470A
JP2001353470A JP2000178407A JP2000178407A JP2001353470A JP 2001353470 A JP2001353470 A JP 2001353470A JP 2000178407 A JP2000178407 A JP 2000178407A JP 2000178407 A JP2000178407 A JP 2000178407A JP 2001353470 A JP2001353470 A JP 2001353470A
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coating
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Tamiki Hayase
民樹 早瀬
Masahiro Ando
正寛 安藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車用上塗り塗膜の補修により得られた塗
膜の色相、あるいはその塗膜を透かして見た場合の底色
の色相が被補修塗膜と同等となるよう、容易に補修でき
る補修方法及び補修用の塗料の提供。 【解決手段】 補修用下塗り塗料(A)を塗装し、その
上に補修用上塗り塗料(B)を塗装する自動車塗膜の補
修方法において、前記補修用下塗り塗料(A)のかわり
に、アルミニウム顔料を含有する万能下塗りベース塗料
(C)と前記補修用上塗り塗料(B)とを混合した下塗
り塗料(D)を用いることを特徴とする自動車塗膜の補
修方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体等の上
塗り塗膜の補修方法に関するものであり、特に隠蔽性の
低い、ソリッドカラー塗膜あるいはメタリック塗膜の補
修方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車の塗膜は、防錆性の高い電
着塗料を用いる下塗塗膜、下塗塗膜の上に形成される中
塗塗膜、及び中塗塗膜上に形成される上塗塗膜からなっ
ている。上塗塗膜は、アルミニウム顔料やマイカ顔料な
どの光輝性顔料を含有するメタリック塗料とクリアー塗
料との組み合わせからなるメタリック塗膜と、それらの
光輝性顔料ではなく一般の着色顔料を含むソリッドカラ
ー塗膜とに分けられる。
【0003】上記自動車塗膜に欠陥がある場合、補修塗
装が施される。補修塗装は、通常、自動車塗膜の欠陥が
ある部分を研磨材で研磨して、補修用下塗塗料を塗布し
た後、ソリッドカラーの場合は補修用ソリッドカラー塗
膜を形成し、メタリック塗膜の場合は補修用メタリック
塗膜と補修用クリアー塗膜を形成することにより行われ
ている。上記補修用下塗塗料は、補修部位の肌調整、下
地色の隠蔽のために用いられるもので、灰色をしている
のが一般的であるが、最近上塗塗膜と近似した色を持っ
た着色下塗塗料を用いることも行われている。
【0004】ところで、近年、彩度及び明度の高い上塗
塗色を用いることが多く、そのような塗色の場合上塗塗
膜自体の隠蔽性が低く、下塗塗膜の色が透けて見える現
象がおきることがある。そのような彩度及び明度の高い
上塗塗色を用いた塗膜の欠陥部分を補修した場合、補修
部分の上塗塗膜が濁ったように見えたり、透かして見た
場合に補修した部分としていない部分との底色が違うな
どの問題がおきることが報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、自動
車用上塗り塗膜の補修により得られた塗膜の色相、ある
いはその塗膜を透かして見た場合の底色の色相が被補修
塗膜と同等となるよう、容易に補修できる補修方法及び
補修用の塗料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、補修用下塗り
塗料(A)を塗装し、その上に補修用上塗り塗料(B)
を塗装する自動車塗膜の補修方法において、上記補修用
下塗り塗料(A)のかわりに、アルミニウム顔料を含有
する万能下塗りベース塗料(C)と上記補修用上塗り塗
料(B)とを混合した下塗り塗料(D)を用いることを
特徴とする自動車塗膜の補修方法を提供するものであ
る。
【0007】また本発明は、上記アルミニウム顔料を含
有する万能下塗りベース塗料(C)が、平均粒径
(R50)5〜15μmのアルミニウム顔料をPWC1〜
8%で含有する自動車塗膜の補修方法を提供するもので
ある。また上記下塗り塗料(D)が、上記アルミニウム
顔料を含有する万能下塗りベース塗料(C)と前記補修
用上塗り塗料(B)とを重量比で3/1〜1/3に混合
した塗料である自動車塗膜の補修方法を提供するもので
ある。
【0008】更に、本発明は、上記方法に用いられるア
ルミニウム顔料を含有する万能下塗りベース塗料(C)
および下塗り塗料(D)を提供するものであり、また更
に、本発明は、上記方法により補修された塗膜を有する
自動車あるいは自動車用部品をも提供するものである。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】補修方法 本発明の補修方法は、自動車車体等に形成された上塗り
塗膜に対して行われる。この上塗り塗膜としては、電着
塗膜等の下塗り及び/又は中塗り塗膜が施された基材上
に、ソリッドカラー塗膜あるいはメタリック塗膜等が挙
げられる。この補修対象となる塗膜は、一般的にスプレ
ー塗装により形成されたものであっても、あるいは静電
塗装によって形成されたものでもよい。
【0010】更に、予め上塗り塗膜の補修対象部分は、
サンドペーパー等の研磨材を用いて、いわゆる水研ぎ、
または空研ぎにより、補修対象部分の下塗りあるいは中
塗り塗膜が露出する程度にまで、緩やかに勾配をつけて
研磨されたものであってよい。また、補修対象部位の肌
調整、下地色の隠蔽のために、いわゆるプライマ・サー
フェーサーと呼ばれる一般に灰色の下塗り塗膜が形成さ
れていてもよい。
【0011】本発明の補修方法では、補修対象部分に補
修用下塗り塗料(A)を塗装するかわりに、予め、平均
粒径(R50)5〜15μmのアルミニウム顔料をPWC
1〜8%で含有する万能下塗りベース塗料(C)を用意
し、これを用いて調製された下塗り塗料(D)を塗装す
る。この下塗り塗料(D)は、上記万能下塗りベース塗
料(C)と補修用上塗り塗料(B)とを重量比で3/1
〜1/3に混合したものであることが好ましい。
【0012】例えば、補修用上塗り塗料(B)がソリッ
ドカラー塗料の場合は、アルミニウム顔料を含有する万
能下塗りベース塗料(C)と補修用ソリッドカラー塗料
とを混合するため、アルミニウム顔料を含有したカラー
下塗り塗料が得られる。一方、補修用上塗り塗料(B)
がアルミニウム顔料および/またはマイカ顔料を含有す
るメタリック塗料の場合は、アルミニウム顔料を含有す
る万能下塗りベース塗料(C)と補修用メタリック塗料
とを混合するため、アルミニウム顔料および/またはマ
イカ顔料を含有したメタリック下塗り塗料が得られるこ
ととなる。
【0013】上記下塗り塗料(D)は、補修された上塗
り塗膜が、ソリッドカラーであってもメタリック色であ
っても、アルミニウム顔料を含有した万能下塗りベース
塗料(C)と補修用上塗り塗料(B)とを混合して調製
するため、アルミニウム顔料を含有した塗料となる。
【0014】研磨された補修対象部分に、予め塗装粘度
に調整された下塗り塗料(D)を塗装し、下塗り塗膜を
形成する。この塗料に含まれる細かいアルミニウム顔料
が塗膜の隠蔽性を向上させることができるため、仮に、
補修上塗り塗膜が透けたり、隠蔽膜厚に達っする膜厚ま
で塗装されない状態で塗装が止められても、未補修部分
との色相差が目立つことはない。更に、上記下塗り塗料
(D)は隠蔽力が高いため、下塗り塗膜および補修上塗
り塗膜の塗装膜厚を薄くすることができる。このため外
観上及び経済的にも本発明の下塗り塗料(D)を用いる
ことが好ましい。
【0015】この下塗り塗膜は、常温乾燥することも、
強制乾燥することもできる。強制乾燥する場合は、40
〜60℃で、5〜30分間程度加熱することにより行わ
れる。
【0016】次に、補修用上塗り塗膜を形成するための
補修用上塗り塗料(B)を塗装する。この補修用上塗り
塗料(B)としては、ソリッドカラー塗料およびメタリ
ック塗料等が挙げられる。
【0017】上記補修用上塗り塗膜がソリッドカラー塗
膜の場合は、上記下塗り塗膜上にソリッドカラー塗料
を、スプレー塗装することによりソリッドカラー塗膜を
形成することができる。
【0018】上記補修用上塗り塗膜がメタリック塗膜の
場合は、メタリック塗膜を形成する補修用メタリック塗
料、および補修用クリヤー塗膜を形成する補修用クリヤ
ー塗料を順次スプレー塗装することによりメタリック塗
膜を形成することができる。尚、上記補修用メタリック
塗料および上記補修用クリヤー塗料の塗布は、ウエット
オンウエット塗装法で行うことができる。
【0019】更に、上記補修上塗り塗膜は、常温乾燥す
ることも、強制乾燥することもできる。強制乾燥する場
合は、40〜70℃で、30〜60分間程度加熱するこ
とにより行われることが好ましい。
【0020】下塗り塗料 本発明の補修方法において、補修用上塗り塗料を塗装す
る前に塗装される下塗り塗料(D)は、アルミニウム顔
料を含有する万能下塗りベース塗料(C)と補修用上塗
り塗料(B)とを混合することにより得られる。
【0021】上記アルミニウム顔料の平均粒径(D50
は、5〜15μmであることが好ましく、5〜10μm
であることが更に好ましい。上限を越えると隠蔽性が損
なわれ、ソリッドカラーに用いた場合に光輝感が出てし
まう。下限を下回ると塗膜の明度が低下する。また上記
アルミニウム顔料の含有量は、PWC1〜8%であるこ
とが好ましく、3〜6%であることが更に好ましい。ア
ルミニウム顔料の含有量が少なすぎると、隠蔽性感を十
分に付与することができないことがあり、含有量が多す
ぎると、塗膜の物性が低下する場合がある。
【0022】上記万能下塗りベース塗料(C)のバイン
ダーとしては、特に限定されるものではないが、一般に
は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹
脂、フッ素系樹脂等の塗膜形成性樹脂が挙げられ、必要
によりポリイソシアネート化合物などの架橋剤を用いる
ことができる。
【0023】また、上記万能下塗りベース塗料中には、
必要により、有機・無機の着色顔料及び/または体質顔
料を併用してもできるが、種々の上塗り塗色に対する汎
用性を確保するためには灰色系の塗色で用いることが好
ましい。塗料中の固形分含有量は、製造時30〜70重
量%である。
【0024】上記万能下塗りベース塗料(C)として
は、補修用塗料原色を適宜調色して調製したものであっ
ても、市販されているものを用いても良い。具体的に
は、日本ペイント社製の「naxアドミラ」シリーズ、
「naxスペリオ」シリーズ、「naxスペリオ2K」
シリーズ等の原色が挙げられる。
【0025】更に、上記万能下塗りベース塗料(C)の
塗料形態としては有機溶剤型、水性(水溶性、水分散
性、エマルジョン)、非水分散型のいずれでもよい。上
記補修用上塗り塗料(B)としては、後述するものが好
ましいものとして挙げられる。本発明の補修方法におい
て用いられる下塗り塗料(D)は、上記万能下塗りベー
ス塗料(C)と補修用上塗り塗料(B)とを重量比で3
/1〜1/3に混合したものを用いることが好ましい。
すなわち、本発明では、従来の下塗り塗料(A)にかえ
て、アルミニウム顔料を含有する万能下塗りベース塗料
(C)と前記補修用上塗り塗料(B)とを混合した下塗
り塗料(D)を用いる。
【0026】上記下塗り塗料(D)は、アルミニウム顔
料、着色顔料、塗膜形成性樹脂及び必要により硬化剤等
を含有する。この万能下塗りベース塗料(C)と補修用
上塗り塗料(B)との混合比が上限を越えると下地の隠
蔽力が低下し、下限を越えると合成色、底色が合わなく
なる。好ましくは2/1〜1/2である。
【0027】例えば、上記万能下塗りベース塗料(C)
が、アルミニウム顔料を含有した灰色塗料であり、補修
用上塗り塗料(B)が、青系の補修用メタリック塗料の
場合は、両者を混合し、青系の光輝感を有する下塗り塗
料を得ることができる。また、補修用上塗り塗料(B)
が、赤系補修用ソリッドカラー塗料の場合は、赤系ソリ
ッドカラーとの灰色との中間色である赤黒く弱い光輝感
を有する下塗り塗料が得られる。一方、上記補修用メタ
リック塗料が、シルバーメタリック塗料の場合は、いわ
ゆる、ガンメタ調の下塗り塗料が調製されることとな
る。
【0028】補修用上塗り塗料 本発明の補修方法において用いられる補修用上塗り塗料
は、ソリッドカラー塗膜を形成するソリッドカラー塗料
であっても、メタリック塗膜を形成するために用いられ
るメタリック塗料であってもよい。尚、メタリック塗膜
の場合は、メタリック塗料を塗装した後、クリヤー塗料
が塗装される。上記ソリッドカラー塗料の場合は、着色
顔料、塗膜形成性樹脂および必要により硬化剤等を含有
する。一方、メタリック塗料の場合は、光輝性顔料、塗
膜形成性樹脂および必要により硬化剤等を含有する。
【0029】上記ソリッドカラー塗料に含有される着色
顔料としては、有機系、無機系の各種着色顔料及び体質
顔料などが挙げられる。着色顔料としては、例えば、有
機系のアゾレーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ
系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノ
ン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナ
クリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔
料など、無機系の黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボ
ンブラック、二酸化チタンなど、また体質顔料として
は、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等
が用いられる。また、上記着色顔料を1種または2種以
上を組み合わせて用いることで、所望の色相の塗膜を形
成することができる。上記ソリッドカラー塗料のバイン
ダーとしては、特に限定されるものではないが、一般に
は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹
脂、フッ素系樹脂等の塗膜形成性樹脂が挙げられ、必要
によりポリイソシアネート化合物などの架橋剤を用いる
ことができる。
【0030】上記メタリック塗料に含有される光輝性顔
料としては、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、
スズ、酸化アルミニウム等の金属又は合金等の無着色あ
るいは着色された金属製光輝剤及びその混合物が挙げら
れる。更に、干渉マイカ顔料、ホワイトマイカ顔料、グ
ラファイト顔料その他の着色、有色偏平顔料等が挙げら
れる。
【0031】上記メタリック塗料のバインダーとして
は、特に限定されるものではなく、上記ソリッドカラー
塗料に用いられるバインダーとして挙げたものが用いら
れる。また、上記メタリック塗料中には、必要により、
上記ソリッドカラー塗料の記載で挙げた有機・無機の着
色顔料及び/または体質顔料を併用していてもよい。上
記メタリック塗膜を形成するために用いられる補修用ク
リヤー塗料は、バインダーとなる塗膜形成性樹脂および
必要により硬化剤等を含有する。
【0032】更に、本発明において用いる補修用クリヤ
ー塗料のバインダー樹脂としては、特に限定されるもの
ではなく、一般には、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、アルキッド樹脂、フッ素系樹脂等の塗膜形成性樹脂
が挙げられ、必要によりポリイソシアネート化合物など
の架橋剤を用いることができる。
【0033】上記補修用上塗り塗料中の固形分含有量
は、製造時30〜70重量%であり、塗布時10〜50
重量%である。
【0034】上記補修用上塗り塗料の塗料形態としては
有機溶剤型、水性(水溶性、水分散性、エマルジョ
ン)、非水分散型のいずれでもよい。
【0035】基材 本発明の塗膜形成方法は、種々の基材、例えば金属、プ
ラスチック、発泡体等の製品に有利に用い得ることがで
きる。
【0036】上記金属製品としては、例えば、鉄、銅、
アルミニウム、スズ、亜鉛等およびこれらの金属を含む
合金が挙げられる。具体的には、乗用車、トラック、オ
ートバイ、バス等の自動車車体および部品が挙げられ
る。これら金属基材の場合は予めリン酸塩、クロム酸塩
等で化成処理されたものが特に好ましい。更に化成処理
された鋼板上に、カチオン型あるいはアニオン型の電着
塗料を用いて電着塗膜を形成できるが、カチオン型電着
塗料組成物が防食性において優れた積層塗膜を与えるた
め好ましい。
【0037】上記プラスチック製品としては、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、塩化
ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等のものが挙げられる。具
体的には、スポイラー、バンパー、ミラーカバー、グリ
ル、ドアノブ等の自動車部品等が挙げられる。更に、こ
れらのプラスチック製品は、トリクロロエタンで蒸気洗
浄または中性洗剤で洗浄されたものが好ましい。また、
さらに静電塗装を可能にするためのプライマー塗装が施
されていてもよい。
【0038】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により詳細に
説明する。なお、部及び%は、特に断らない限り、重量
部及び重量%を意味する。
【0039】実施例1 補修用塗料の調製 下記に示した補修用塗料原色の配合に従い、各塗料を予
め調製し、塗装粘度に調製した。尚、「NAX アドミ
ラ」は、日本ペイント社製1液型ベースコート用アクリ
ル樹脂塗料の商品名であり、これらは補修用塗料の調色
用原色である。 〔万能下塗りベース塗料の調製;アルミニウム顔料PWC=5.1%〕 NAX アドミラ 011 メタリックベース極細目 640.0部 (アルミニウム顔料の平均粒径(D50)7μm) NAX アドミラ 611 チンチングブラックNP 230.0部 NAX アドミラ 320 ホワイト 90.0部NAX アドミラ 901 バインダー 40.0部 合計 1000.0部 〔補修用青系メタリック塗料の調製〕 NAX アドミラ 569 カスタムブルー 668.0部 NAX アドミラ 021 ハイスパーク極細目 102.0部 NAX アドミラ 604 シャドウグリーン 53.0部 NAX アドミラ 611 チンチングブラックNP 23.0部NAX アドミラ 901 バインダー 154.0部 合計 1000.0部 〔青系メタリック色の下塗り塗料の調製〕 万能下塗りベース塗料の調製で得られた塗料 500.0部補修用青系メタリック塗料の調製で得られた塗料 500.0部 合計 1000.0部
【0040】補修性評価塗膜の作製 評価用の補修塗膜を以下に示す手順で作製した。予め、
リン酸亜鉛処理した厚さ0.8mm、20cm×30c
mのダル鋼板の上に、電着塗膜、中塗塗膜を形成された
塗膜を用意した。次に、先に調製した青系メタリック色
の下塗り塗料を、乾燥膜厚が10μm、14μm及び1
8μmになるように、手吹きスプレーで段階塗装し、下
塗り塗膜を形成した。次に、補修用青色メタリック塗料
を乾燥膜厚が15μm、25μm及び40μmになるよ
うに、それぞれの各膜厚の下塗り塗膜上に塗装し、補修
メタリック塗膜を形成した。また、評価用塗膜とは別
に、補修用青色メタリック塗料の乾燥膜厚が100μm
(完全隠蔽膜厚)となるように塗装した色相比較用標準
塗膜を作成した。10分間セッティングした後、NAX
マルチ 2100 HG クリヤー(日本ペイント社
製アクリル樹脂・イソシアネート硬化型補修用クリヤー
塗料)を、それぞれのメタリック塗膜を形成した塗板
に、乾燥膜厚が40μmになるように塗装し、補修性評
価用の補修メタリック塗膜を作製した。
【0041】得られた補修メタリック塗膜の段階塗装さ
れた各膜厚部分と、完全隠蔽された標準塗膜との色差
(△E)を、CR−231(ミノルタ社製)を用いて測
色し、評価結果を表1に示す。
【0042】塗膜補修 予め、リン酸亜鉛処理した厚さ0.8mm、20cm×
30cmのダル鋼板の上に、電着塗膜、中塗塗膜、静電
塗装された青系メタリック塗膜及びクリヤー塗膜を順次
形成されたメタリック塗膜を補修対象塗膜として用意し
た。
【0043】次に、塗板の1/3程度を補修部と仮定
し、この補修対象部分の中塗塗膜が研ぎ出されるまで、
水研ぎにより研ぎ出し部分を形成した。すなわち、補修
部のメタリック塗膜及びクリヤー塗膜を除去した。
【0044】次に、予め希釈された先に製造した青系メ
タリック色の下塗り塗料を用いて、補修部分の研ぎ出し
部分に、手吹きスプレーで塗装し、下塗り塗膜を形成し
た。下塗り塗膜は、研ぎ出された中塗り塗膜を覆い隠す
程度の範囲まで、且つ厚膜部の乾燥膜厚が14μmにな
るように塗布した。10分間セッティングした後、先の
下塗り塗膜より5〜7cm広い目に、補修用青系メタリ
ック塗料を吹き付け、補修メタリック塗膜を乾燥膜厚が
25μmになるように形成した。更に、10分間セッテ
ィングした後、NAX マルチ 2100 HG クリ
ヤー(日本ペイント社製アクリル樹脂・イソシアネート
硬化型補修用クリヤー塗料)を全面に塗装し、補修メタ
リック塗膜を形成した。更に10分間放置、セッティン
グした。その後60℃で30分間焼き付けて補修塗膜を
完成した。得られた補修塗膜は被補修塗膜と比較して、
光輝感ばかりでなく、下塗り塗膜との合成色、及び透か
して見た場合の底色が全く同等であった。
【0045】実施例2 実施例1で用いた下塗り塗料および補修用メタリック塗
料を、下記に配合を示した塗料へ変更し、実施例1と同
様の手順で塗装し、赤系ソリッドカラー塗料の補修性を
評価した。 〔補修用赤系ソリッドカラー塗料の調製〕 NAX アドミラ 537 スレンレッド 887.0部 NAX アドミラ 605 スパークレッド 110.0部 NAX アドミラ 611 チンチングブラックNP 2.0部NAX アドミラ 320 ホワイト 1.0部 合計 1000.0部 〔赤系ソリッドカラー色の下塗り塗料の調製〕 万能下塗りベース塗料の調製で得られた塗料 400.0部補修用赤系ソリッドカラー塗料の調製で得られた塗料 600.0部 合計 1000.0部
【0046】塗膜補修 更に、実際に赤系ソリッドカラー塗色の塗膜補修に、先
の下塗り塗料を用いて補修塗装し、得られた塗膜を実施
例1と同様に評価した。得られた補修塗膜は、実施例1
と同様に、被補修塗膜と同等の色相を有する補修塗膜で
あった。
【0047】実施例3 実施例1で用いた下塗り塗料および補修用メタリック塗
料を、下記に示す配合へ変更し、実施例1と同様の手順
で製造した塗料を使用し、シルバー塗膜の補修性を評価
した。 〔補修用シルバーメタリック塗料の調製〕 NAX アドミラ 024 ハイスパーク荒目 850.0部 NAX アドミラ 025 ハイスパーク大荒目 148.0部NAX アドミラ 612 ヘルメスブルー 2.0部 合計 1000.0部 〔シルバーメタリック色の補修用下塗り塗料の調製〕 万能下塗りベース塗料の調製で得られた塗料 600.0部シルバーメタリック塗料の調製で得られた塗料 400.0部 合計 1000.0部
【0048】塗膜補修 更に、実際にシルバー塗色の塗膜補修に、先の下塗り塗
料を用いて補修塗装し、得られた塗膜を実施例1と同様
に評価した。得られた補修塗膜は、実施例1と同様に、
被補修塗膜と同等の色相を有する補修塗膜であった。
【0049】比較例1 先の万能下塗りベース塗料に含まれる「NAX アドミ
ラ 011 メタリックベース極細目」を抜いて調製し
たアルミニウム顔料を含有しない灰色の下塗り塗料を、
補修用下塗り塗料として用いた以外は実施例1と同様に
して、補修性評価用塗膜を形成し、同様に補修性を評価
した。
【0050】塗膜補修 更に、実際に青系メタリック塗色の塗膜補修に、この下
塗り塗料を用いて補修塗装し、得られた塗膜を実施例1
と同様に評価した。被補修塗膜の塗色とは、底色にやや
違和感のある補修塗膜しか得ることはできなかった。上
記実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1の結果から明らかなように、下塗り塗
膜は、乾燥塗膜が10μm程度であっても隠蔽性に優
れ、上塗り塗膜は15μm程度でも、完全隠蔽塗膜とほ
ぼ同等の塗膜を形成することができた。更に、本発明の
下塗り塗料を用いて行った塗膜補修は、簡単で容易に被
補修塗膜と同等の補修塗膜を得ることができた。
【0053】
【発明の効果】補修用下塗り塗料として、本発明の下塗
り塗料を用いることにより、隠蔽性が低い場合や、補修
用上塗り塗膜の膜厚が薄い場合であっても、補修してい
ない部分と補修部分の色相を容易に一致させることがで
きた。更に、本発明の補修方法によれば、万能下塗りベ
ースを用いて下塗り塗料を容易に作製できるので、塗色
毎に専用の補修用下塗り塗料を調製する必要がない上、
煩雑な調色作業や準備を行う必要がなく、従って補修作
業を簡便にすることができる。また、仕上がりにばらつ
きのない補修作業を行うことができ、補修作業の熟練者
でなくとも補修作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における補修塗膜を示す断面
図。
【符号の説明】
1・・・補修クリヤー塗膜 2・・・補修メタリック塗膜 3・・・補修下塗り塗膜 4・・・自動車用中塗り塗膜 5・・・自動車用下塗り塗膜 6・・・自動車用クリヤー塗膜 7・・・自動車用メタリック塗膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AE03 BB02X CA47 DA27 DB02 DC12 EA02 EA41 EC10 EC53 EC54 4J038 CD091 CG001 DD001 DD121 HA066 KA08 KA20 LA06 NA01 NA23 PA07 PB07 PB12 PC02 PC08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補修用下塗り塗料(A)を塗装し、その
    上に補修用上塗り塗料(B)を塗装する自動車塗膜の補
    修方法において、前記補修用下塗り塗料(A)のかわり
    に、アルミニウム顔料を含有する万能下塗りベース塗料
    (C)と前記補修用上塗り塗料(B)とを混合した下塗
    り塗料(D)を用いることを特徴とする自動車塗膜の補
    修方法。
  2. 【請求項2】 前記アルミニウム顔料を含有する万能下
    塗りベース塗料(C)が、平均粒径(R50)5〜15μ
    mのアルミニウム顔料をPWC1〜8%で含有すること
    を特徴とする請求項1記載の自動車塗膜の補修方法。
  3. 【請求項3】 前記下塗り塗料(D)が、前記アルミニ
    ウム顔料を含有する万能下塗りベース塗料(C)と前記
    補修用上塗り塗料(B)とを重量比で3/1〜1/3に
    混合したものであることを特徴とする請求項1または2
    記載の自動車塗膜の補修方法。
  4. 【請求項4】 自動車塗膜の補修方法が、自動車塗膜の
    補修対象部分を研磨材により研磨し、必要に応じてプラ
    イマ・サーフェーサーを塗装後、補修用下塗り塗料
    (D)を塗装し、その上に補修用上塗り塗料(B)を塗
    装することを含有する請求項1記載の自動車塗膜の補修
    方法。
  5. 【請求項5】 前記請求項1乃至4のいずれかに記載の
    方法に用いられるアルミニウム顔料を含有する万能下塗
    りベース塗料(C)。
  6. 【請求項6】 前記請求項1乃至4のいずれかに記載の
    方法に用いられる下塗り塗料(D)。
  7. 【請求項7】 前記請求項1乃至4のいずれかに記載の
    方法により補修された塗膜を有する自動車あるいは自動
    車用部品。
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