JP2001352899A - 青果物の保存方法及び追熟型果実の保存方法 - Google Patents

青果物の保存方法及び追熟型果実の保存方法

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JP2001352899A
JP2001352899A JP2000180492A JP2000180492A JP2001352899A JP 2001352899 A JP2001352899 A JP 2001352899A JP 2000180492 A JP2000180492 A JP 2000180492A JP 2000180492 A JP2000180492 A JP 2000180492A JP 2001352899 A JP2001352899 A JP 2001352899A
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vegetables
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carbon dioxide
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Atsushi Tanaka
田中  敦
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無気呼吸を起こさせずに、あらゆる青果物の
変色、萎れ、腐敗、追熟、食味低下、風味低下、内容成
分の減少など鮮度低下を防ぐことが可能なMA効果を有
する青果物の保存方法を提供すること。 【解決手段】 青果物を保存する方法において、大気の
ガス組成(酸素約21%、二酸化炭素0.04%)での
青果物の酸素消費速度をRO21(cc/kg/hr/atm)、二酸
化炭素排出速度をRCO21(cc/kg/hr/atm)、保存中のガ
ス条件下(酸素X%、二酸化炭素は25%以下)での青
果物の酸素消費速度をROX(cc/kg/hr/atm)、二酸化炭
素排出速度をRCOX(cc/kg/hr/atm)、青果物の保管温
度をT(℃)とした場合、0<T≦30、X<21、
1.5<RO21/ROXかつ、RCO21/RO21≦RCOX/R
OX≦1.3×RCO21/RO21を満たす条件で保存する青
果物の保存方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MA(Modified
Atmosphere)による青果物の鮮度保持を目的とする包装
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】青果物は収穫後も生きており生命活動が
継続され、呼吸を行っている。そして、一般的に呼吸速
度が速いほど、青果物は輸送、保管中の品質低下が著し
くなる。青果物の鮮度保持では、この呼吸を如何に抑え
るかが重要で、低温ほど青果物の呼吸は抑制されること
が知られている。よって、青果物は収穫後直ちに予冷
し、冷蔵車、冷蔵室等を用いて低温のまま輸送、保管、
販売されることが望ましい。このような、産地からの一
貫した低温管理システムをコールドチェーンシステムと
言うが、国内のコールドチェーンシステムの構築は欧米
などに較べると後れをとっており、青果物流通の問題点
となっている。しかし、このシステムを完成させるため
には、莫大な費用が掛かり、販売価格への上乗せが見込
めない現状では、生産者、輸送業者、販売業者らのいず
れがその費用を負担するのかといった点で、当面実現は
困難である。そこで、近年これを補うために、青果物の
鮮度保持を目的とした資材が多数研究、開発されてい
る。温度とは別に、周囲のガス組成を大気よりも低酸
素、高二酸化炭素条件にしても青果物の呼吸は抑制され
る。これを利用したのがCA(Controlled Atmospher
e)貯蔵やMA(Modified Atmosphere)包装である。
CAでは、大がかりな装置を用いて強制的に貯蔵庫内を
低酸素、高二酸化炭素状態にするので、任意のガス組成
で青果物を貯蔵することができ、かつ温度も対象となる
青果物を保存するための理想に近い条件で保つことがで
きる。CAに関してはこれまでに多くの研究がなされ、
リンゴ(温度0℃、酸素3%、二酸化炭素3%、湿度9
0〜95%)、温州みかん(温度3℃、酸素10%、二
酸化炭素0〜2%、湿度85〜90%)、ニホンナシ
(二十世紀)(温度0℃、酸素5%、二酸化炭素4%、
湿度85〜92%)、青梅(温度5℃、酸素2〜3%、
二酸化炭素3〜5%)、トマト(温度6〜8℃、酸素3
〜10%、二酸化炭素5〜9%)、ニンニク(温度0
℃、酸素2〜4%、二酸化炭素5〜8%、湿度85〜9
0%)のように多くの青果物で最適条件が明らかにされ
ている。ただし、CAは大がかりな装置が必要で、流通
中の青果物の鮮度保持法方としては適さないため、用途
は産地等での長期貯蔵における鮮度保持に限られる。さ
らに、コストに見合ったメリットを得ることができない
ケースが多く、国内でこの技術が実用化されているのは
青森県のリンゴ程度である。一時期国内でも盛んにCA
貯蔵に関する研究が行われたが、こういった事情から、
新たな研究は殆ど行われておらず、食の多様化と共に近
年増加した、多種の青果物に十分対応できる状態ではな
い。一方MA包装はCA貯蔵と異なり、青果物を適度な
ガス透過性を有する包材で包装し、青果物の呼吸量と包
装体のガス透過量のバランスで包装体内を大気よりも低
酸素、高二酸化炭素状態にするので、特殊なガス供給装
置などは必要ない。MAとCAの鮮度保持の原理は、ガ
ス組成で青果物の呼吸を抑制するという点では同じであ
るが、CAが大がかりな装置を用いて任意の酸素、二酸
化炭素濃度、温度、湿度環境を作り出すのに対して、M
Aでは湿度の調節が難しく、酸素と二酸化炭素組成は青
果物の呼吸量と包材の透過量によって決まるため、酸素
濃度を下げるほど二酸化炭素濃度は上昇する傾向にな
り、両方を別々に分けて任意の値にする事ができない。
また、CAは長期貯蔵を目的としとし、できうる限り低
温で管理されているのに対して、MAは流通中の鮮度保
持に用いられることも多いため、温度条件が不安定でC
Aよりも高温になる。これらのことから、MAとCAで
は、対象となる青果物が同じでも最適なガス条件は異な
ったものになり、さらにMAでは輸送手段、輸送距離、
季節などによって影響を受ける流通、保管中の温度変化
に対応できるガス透過量となるよう包装設計を行う必要
がある。よって、これまでCA貯蔵の研究で求められた
条件をMA包装の際にあてはめることはできない。過度
な低酸素、高二酸化炭素条件下(青果物によって条件は
異なる)では、植物に障害が発生し、異臭の発生、腐敗
などに繋がることから、青果物毎に適した条件を求める
ことは重要で、現在もどの程度のガス条件が良いか試行
錯誤による解明が青果物毎に行われている。現在、対象
となる青果物の保存に適したガス条件を求めるに、様々
な温度、ガス組成下で青果物を保管し、青果物の変化を
官能評価(変色、臭気、味、腐敗の程度など)で評価し
たり、成分含量、組成を分析、あるいは色差計などで色
の具合を数値化するなどして優劣をきめる、いわば経験
的方法が用いられている。しかし、これらの方法は、評
価者の先入観、体調、感度差、青果物の個体差などの影
響が大きく、繰り返し確認が必要な上、それほど正確な
条件を得ることができない。また、青果物の種類によっ
て、評価すべきポイントが異なるため、あらゆる青果物
の品質を正しく評価できるようになるためには、様々な
青果物の特性を熟知した評価者が必要である。しかし、
多数ある青果物全てについて知識を得るには、非常に長
い時間を要する。以上のように青果物のMA包装に関し
てはファジーな部分が多く、現在用いられているMA包
装が必ずしも理想的であるとはいえない。簡単に言えば
ベストよりもベターな状態と言える。さらに、MA包装
などの実用に際しては、膨大なデーターの蓄積を要する
が、上記のようなことが障壁となり普及を妨げているの
が現状である。特にMA包装に関しては、CA貯蔵のよ
うに温度条件が一定でない分、さらなるデーターの蓄積
が必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、異臭
を伴い且つ青果物自身に悪影響を及ぼすエタノール、ア
セトアルデヒドが生じる原因である無気呼吸を起こさせ
ずに、これまでよりも効果的にあらゆる青果物の変色、
萎れ、腐敗、追熟、食味低下、風味低下、内容成分の減
少など鮮度低下を防ぐことが可能なMA効果を有する青
果物の保存方法、及び青果物用鮮度保持包装体を提供す
ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、青果物を保存
する方法において、大気のガス組成(酸素約21%、二
酸化炭素0.04%)での青果物の酸素消費速度をR
O21(cc/kg/hr/atm)、二酸化炭素排出速度をRCO21(c
c/kg/hr/atm)、保存中のガス条件下(酸素X%、二酸
化炭素は25%以下)での青果物の酸素消費速度をROX
(cc/kg/hr/atm)、二酸化炭素排出速度をRCOX(cc/kg
/hr/atm)、青果物の保管温度をT(℃)とした場合、
0<T≦30、X<21、1.5<RO21/ROXかつ、
CO21/RO 21≦RCOX/ROX≦1.3×RCO21/RO21
を満たす条件で保存する青果物の保存方法である。又本
発明は、合成樹脂フィルムから成る包装体で青果物を保
存する方法において、大気のガス組成(酸素約21%、
二酸化炭素0.04%)での青果物の酸素消費速度をR
O21(cc/kg/hr/atm)、二酸化炭素排出速度をRCO21(c
c/kg/hr/atm)、任意のガス条件下(酸素X%、二酸化
炭素は25%以下)での青果物の酸素消費速度をR
OX(cc/kg/hr/atm)、二酸化炭素排出速度をRCOX(cc/
kg/hr/atm)、青果物の保管温度をT(℃)とした場
合、0<T≦30、X<21、1.5<RO21/ROX
つ、RCO21/RO21≦RCOX/ROX≦1.3×RCO21/R
O21を満たす条件で保存する青果物の保存方法である。
好ましくは、合成樹脂フィルムが開口面積7.85×1
-5〜2.36×10 -2mm2/個の微細孔を1個以上
有する又は/及び合成樹脂フィルムが表面に酸素透過性
を高めるために設けた傷、クラック(割れ目、裂け目)
を有する前記青果物の保存方法である。更に本発明は、
追熟型果実を保存する方法において、大気のガス組成
(酸素約21%、二酸化炭素0.04%)での青果物の
酸素消費速度をRO21(cc/kg/hr/atm)、二酸化炭素排
出速度をRCO21(cc/kg/hr/atm)、保存中のガス条件下
(酸素X%、二酸化炭素は25%以下)での青果物の酸
素消費速度をROX(cc/kg/hr/atm)、二酸化炭素排出速
度をRCOX(cc/kg/hr/atm)、青果物の保管温度をT
(℃)とした場合、0<T≦30、X<21、1.5<
O21/ROX、かつ、R CO21/RO21≦RCOX/ROX≦4.
0×RCO21/RO21を満たす条件で保存する追熟型果実
の保存方法である。又本発明は、合成樹脂フィルムから
成る包装体で追熟型果実を保存する方法において、大気
のガス組成(酸素約21%、二酸化炭素0.04%)で
の青果物の酸素消費速度をRO21(cc/kg/hr/atm)、二
酸化炭素排出速度をRCO21(cc/kg/hr/atm)、包装体内
のガス条件下(酸素X%、二酸化炭素は25%以下)で
の青果物の酸素消費速度をROX(cc/kg/hr/atm)、二酸
化炭素排出速度をRCOX(cc/kg/hr/atm)、青果物の保
管温度をT(℃)とした場合、0<T≦30、X<2
1、1.5<RO21/ROX、かつ、RCO21/RO21≦RCOX
/ROX≦4.0×RCO21/RO21を満たす条件で保存す
る追熟型果実の保存方法である。好ましくは、合成樹脂
フィルムが開口面積7.85×10-5〜2.36×10
-2mm2/個の微細孔を1個以上有する又は/及び合成
樹脂フィルムが表面に酸素透過性を高めるために設けた
傷、クラック(割れ目、裂け目)を有する前記追熟型果
実の保存方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】青果物は収穫後も呼吸を行ってお
り、変色、萎れ、腐敗、す入り、果肉軟化、味の低下、
ビタミン、糖など成分の減少といった品質の低下の原因
となる変化が生じやすい。産地では収穫後予冷を行うの
が一般的になりつつあるものの、流通、販売中に全ての
青果物の品温を理想的に管理することは現在不可能であ
り、出荷後の青果物は急速に品質が損なわれている場合
が多い。近年健康への関心が高まるにつれ、より新鮮で
良い物をという消費者の声は大きくなってきており、生
産者、小売店などはこれに答えるべく何らかの対策が必
要になっている。
【0006】そこで、本発明者らは、青果物の劣化を抑
制するために、ガス濃度調整による青果物の鮮度保持に
ついて研究を行った。その結果、本発明の条件を満たす
条件、包装体で青果物を貯蔵、包装すれば、これまでよ
りも品質を良好に保たれることが突き止められた。具体
的には本発明の条件を満たす包装によって青果物の変色
(黄化、褐変、赤化、黒変など)、萎れ、す入り、追
熟、味の低下などが抑えられ、商品性保持期間も従来
(大気中)より延長することができた。本発明の包装袋
を用いれば流通中や小売店のバックヤードやショウケー
スなどでの品質劣化を防ぐ以外にも、1〜10℃で1〜
2ヶ月程度の長期貯蔵を行うことも可能である。
【0007】青果物は、一般的に過度な低酸素、高二酸
化炭素条件になると嫌気呼吸を行い、アルコール、アセ
トアルデヒドを発生させる。逆にガス雰囲気があまり大
気に近すぎると呼吸が抑制されず、鮮度が保持されな
い。よってMA包装やCA貯蔵で青果物の鮮度保持を行
う場合には、ガス雰囲気を上記両者の中間帯となるよう
にしなければならない。青果物の呼吸(酸素消費速度と
二酸化炭素排出速度)は、青果物に呼吸障害が起こらな
い限りは、酸素濃度が低いほど抑制されるので、この条
件は、青果物の二酸化炭素排出量÷酸素消費量=Qとす
ると、Qの値の変化と呼吸速度で容易に求めることがで
きる。通常(青果物が正常な呼吸を行っている場合)Q
は1程度(青果物の種類によって若干上下する。)であ
り、呼吸障害が生じると、Qは通常よりも大きい値にな
る。よって、青果物の保存に適したガス組成条件を求め
るには、MA包装の場合Qが変動しない範囲で、できう
る限り酸素濃度が低い値を求めればよい。(MAでは包
装体内の酸素濃度と二酸化炭素濃度は包材が同じ素材で
有れば別々に制御できず、包装体内の酸素濃度+二酸化
炭素濃度=ほぼ一定の値となるので、酸素濃度を中心に
考えればよい。CA貯蔵の場合には、酸素濃度と二酸化
炭素濃度両方に配慮が必要である。)この考え方は、あ
らゆる青果物に共通で、この方法を用いれば従来のよう
に青果物毎に異なった特性を把握する必要もなく、保存
試験で問題となる評価者の先入観などの影響も受けない
ので、対象となる青果物の保存に適した普遍的で正確な
ガス組成条件を求めることができる。具体的には、大気
のガス組成(酸素約21%、二酸化炭素0.04%)で
の青果物の酸素消費速度をRO21(cc/kg/hr/atm)、二
酸化炭素排出速度をRCO21(cc/kg/hr/atm)、保存中の
ガス条件下(酸素X%、二酸化炭素は25%以下)での
青果物の酸素消費速度をROX(cc/kg/hr/atm)、二酸化
炭素排出速度をRCOX(cc/kg/hr/atm)、青果物の保管
温度をT(℃)とした場合、0<T≦30、X<21、
1.5<RO21/ROXかつ、RCO21/RO21≦RCOX/R
OX≦1.3×RC O21/RO21を満たす条件で青果物を保
存すれば、最も効果的なMAあるいはCAによる青果物
の鮮度保持効果が得られる。通常の青果物では、RCO21
/RO21≦RCOX/ROXである。RCOX/ROX>1.3×
CO21/RO21では、青果物の劣化が促進され、嫌気呼
吸の産物であるエタノールやアセトアルデヒドの蓄積が
生じるため、人が実際に食べた際に味や風味に悪影響を
及ぼす恐れがある。バナナなどの追熟型果実の場合は、
COX/ROXがRCO21/RO21の4倍以下であれば、果実
の劣化を促進することもなく、風味も損なわれない。よ
って追熟するタイプの果実ではRCO21/RO21≦RCOX
OX≦4×RCO21/RO21である。追熟型果実として
は、バナナ以外にキウイフルーツ、洋なし、アボガド、
マンゴー、パパイヤ等が挙げられる。ただし、この範囲
内でも、青果物の呼吸量があまり抑制されていない状態
では青果物の鮮度を維持できないし、青果物の種類によ
っては、ガス条件をいくら変えても、それほど呼吸が抑
制されないものがある。これらの場合では、CA貯蔵や
MA包装による鮮度保持効果がそれほど期待できない。
よって、1.5<RO2 1/ROXであることが必要であ
る。MA包装で青果物の鮮度を保持する場合のガス組成
条件は青果物の種類によって異なるが、上記条件に当て
はまるCA貯蔵庫または包装体を使用すれば、呼吸障害
を発生することなく青果物の呼吸を抑制でき、その鮮度
を保つことが可能である。具体的な効果としては、ブロ
ッコリー、コマツナ、ナバナなどでは黄化防止、ビタミ
ンCの保持、エダマメでは黄化防止、食味保持、トウモ
ロコシでは甘味、瑞々しさ、萎れ、皮の黄化防止、トマ
トでは熟度の進行に伴う変色、果肉の軟化、味の低下防
止、サヤエンドウ、インゲンでは黄化、萎れ防止、スダ
チ、カボスでは黄化、風味低下、萎れ防止、サクランボ
では、変色、うるみ、果実と柄の萎れ、柄の黄化、食味
低下などを防止できる。青果物の種類としては、これら
のみに限らず、ホウレンソウ、シュンギク、オオバ、ニ
ラ、ネギ、パセリ、ミズナ、ミブナなど葉菜類、ピーマ
ン、キュウリ、トマトなど果菜類、アスパラガスなど葉
茎類、ブドウ、メロン、イチゴ、柿、キウイフルーツ、
サクランボ、青梅、ナシ、リンゴ、バナナなど果実類、
シイタケ、マッシュルーム、ナメコ、シメジ、エノキ、
エリンギ、マイタケ、マツタケなど菌茸類、バラ、カー
ネーション、キクなど花卉類、ナガイモ、ダイコンなど
根菜類、さらにモヤシ(緑豆、黒緑豆、大豆)、カイワ
レ、トウミョウ、栗、剥き栗、ハーブ類、カット野菜
(レタス、ハクサイ、キャベツ、ニンジン、カボチャ、
パプリカ、タマネギなど)などといったあらゆる青果物
に使用できる。
【0008】青果物には、ある温度以下の条件下で低温
障害を生じるものがある。例をあげると、キュウリは8
℃以下、バナナは10〜12.5℃以下、青梅は5〜6
℃以下、オクラ、ピーマン、ナスは6〜8℃以下で変
色、ピッティング、異味、異臭、硬化等の低温障害が発
生する。このほかトマト、カボチャ、スイカ、メロン、
サヤオインゲン、サトイモ、オレンジ、カボス、マンゴ
ー、レモンなど多くの青果物でも低温障害が発生する。
低温障害が発生しない青果物でも温度が0℃以下になる
と凍結の恐れがある。また、30℃より高温でも本発明
の包装体を用いれば従来の条件よりも若干品質を良好に
保つことができるが、1〜2日程度で青果物に腐敗が発
生する場合があるので、温度T(℃)は、0<T≦30
である。ただし上記のように一部低温障害が発生する青
果物に関しては、30≧T>低温障害が発生し始める温
度(℃)で、例えばキュウリでは、8<T≦30、バナ
ナでは10<T≦30である。また、本発明の包装体を
使用して、流通、販売中などに30℃を越えるようなこ
とがあっても、青果物の呼吸量は青果物自身の温度(品
温)が上昇しなければ変わらないし、包装体内は直ぐに
嫌気的条件になるわけではないので、30℃を超える時
間が連続して3時間以下、あるいは連続しない場合で通
算で6時間以下なら、その後30℃以下で保たれれば特
に差し支えない。特に、青果物を日持ちさせたい場合
は、T<20以下が好ましく、モヤシやカット野菜のよ
うに極端に傷みやすいものが対象の場合はT<12が良
い。
【0009】本発明に用いる包装体の材質としては、青
果物の包装に用いることのできるものであればどのよう
なものであってもなんら差し支えないが、一般には無延
伸ポリプロピレン、延伸ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等が用いられる。加
えてこれ以外のポリアミド、ポリエステル、ポリカーボ
ネイト等のフィルム、さらにはこれらの複合フィルムで
あってもよく、さらには、これらのフィルム表面にシー
ラント層を設けたものでも、防曇処理したフィルムであ
ってもなんら差し支えない。特に包装体内の結露が問題
になる場合は、水蒸気透過率が30〜200g/m2・24
hr・atm(at40℃・90%RH)であるナイロンあるいは
ポリスチレン単層フィルム、又はこれらいずれかとエチ
レン−酢酸ビニルアルコール共重合樹脂フィルムとラミ
ネートした多層フィルムを用いればよい。上記素材を用
いることで包装体全体の重量減少が1日当り0.3〜
1.0%となり、結露が防止できると共に青果物に萎れ
が生じにくい。また、これらのフィルムの厚さは20〜
60μmのものが好ましい。さらに、これらのフィルム
は透明であっても良く、また表面に印刷や電子レンジに
かけた際に生じる破裂音を防止するためのパートコート
剤を付したものであってもなんら差し支えない。これら
の素材をそのまま包装体として使用したのでは、酸素透
過量が不足する場合がある。その場合は、包装体の酸素
透過量を大きくするため、使用するフィルムの酸素透過
性を向上させる必要がある。包装体の酸素透過量調整法
方はどどのような方法でも差し支えないが、例を挙げる
と、上記フィルムに開口面積7.85×10-5〜2.3
6×10-2mm2/個の微細孔を開けることにより、包
装体を青果物の保存に必要なガス透過量に調整すること
ができる。上記微孔に関しては、その開口面積が7.8
5×10-5mm2未満であると加工が困難であり、2.
36×10-2mm2を超えると上では1パックあたりの
孔数が少なくなるために、袋内のガス組成の調節が難し
くなる。よって、バランス的に平均開口面積7.85×
10-5〜2.36×10-2mm2/個が好ましい。さら
に正確に包装体内ガス組成を制御するには、平均開口面
積7.85×10-5〜7.85×10 -3mm2/個が好
ましい。また、フィルム表面に貫通あるいは未貫通の
傷、クラックを設けてガス透過量を調整することもでき
る。これらの場合、包装体の酸素透過量は、材質自体の
酸素透過量と上記微孔の大きさ、数、あるいは、傷、ク
ラックのサイズ、深さ、数によって決まる酸素透過量と
の和になる。その他の方法としては、ヒートシール部分
に非接着部を設けたり、大谷石、ゼオライトなどの多孔
質を用いるフィルムに練り混んでも良い。また、ストロ
ーなど中空管、スポンジなどを容器に付して、包装体の
透過量を向上させても良い。さらに、包装体は合成樹脂
フィルムからなる袋状の包装体に限らず、樹脂トレイの
開口部に合成樹脂フィルムを張り付けて密封する形態や
気密性の発泡スチロール容器、タッパーなど容器に上記
のような方法で開口部を設けて、ガス透過量を調節して
も良い。
【0010】本発明に用いる包装体はMA効果を得るた
めに、密封する必要がある。袋を使用する際の密封方法
はヒートシール、結束帯、輪ゴム、かしめ、バックシー
ラー、ジッパー袋等どんな方法でもなんら差し支えな
い。包装形態としては袋だけに限られず、例えばトレイ
容器にトップシールを施すような物でも何ら差し支えな
く、発泡スチーロール容器、タッパー等密封できる容器
に適正な対象となる青果物の保存に適したガス通気性を
持たせる加工を施したものでも良い。また、段ボール箱
に本発明の包装袋を一体化させたMA段ボール箱として
も使用できる。使用目的は流通、小売り時の鮮度保持に
限らず、低温での長期貯蔵もあげられる。
【0011】以下、実施例で本発明を説明する。
【実施例】《実施例1》サイズ、縦400mm、横140
mmで、酸素透過量が12400cc/100gr/24h/atmとなる
ように微孔(平均開口面積3.85×10-3mm2、8
1個)を開けた、厚さ30μmの防曇延伸ポリプロピレ
ン(以下防曇OPP)からなる袋に、トウモロコシ(ピ
ーターコーン)1本(約350g)を詰めてヒートシー
ラーで密封し、20℃で4日間保存した。そのときの袋
内ガス組成とその条件におけるRO21/ROXと(RCOX
OX)/(RCO21/RO21)の値、トウモロコシの品質
評価の結果を表1に示す。n数=4であり、以下同様の
個数で評価した。 《実施例2》サイズ、縦220mm、横130mmで、酸素
透過量が825cc/100gr/24h/atmとなるように微孔(平
均開口面積3.85×10-3mm2、5個)を開けた、
厚さ30μmの防曇OPPからなる袋に、トマト2個
(約350g)を詰めて密封し、20℃で7日間保存し
た。そのときの袋内ガス組成とその条件におけるRO21
/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21/RO21)の値、ト
マトの品質評価の結果を表2に示す。表1に示す。n数
=4であり、以下同様の個数で評価した。 《実施例3》サイズ、縦180mm、横150mmで、酸素
透過量が4120cc/100gr/24h/atmとなるように微孔
(平均開口面積3.85×10-3mm2、27個)を開
けた、厚さ30μmの防曇OPPからなる袋に、サヤエ
ンドウ(キヌサヤ)(約100g)を詰めて密封し、2
0℃で6日間保存した。そのときの袋内ガス組成とその
条件におけるRO21/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21
/RO21)の値、サヤエンドウの品質評価の結果を表3
に示す。n数=4であり、以下同様の個数で評価した。 《実施例4》サイズ、縦210mm、横110mmで、酸素
透過量が1110cc/100g/24h/atmとなるように微孔
(平均開口面積3.85×10-3mm2、7個)を開け
た、厚さ30μmの防曇OPPからなる袋に、インゲン
(約100g)を詰めて密封し、20℃で9日間保存し
た。そのときの袋内ガス組成とその条件におけるRO21
/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21/RO21)の値、イ
ンゲンの品質評価の結果を表4に示す。n数=4であ
り、以下同様の個数で評価した。 《実施例5》サイズ、縦300mm、横100mmで、酸素
透過量が1125cc/100gr/24h/atmとなるように微孔
(平均孔径70μm、7個)を開けた、30μmの防曇延
伸ポリプロピレン(防曇OPP)からなる袋に、グリー
ンアスパラガス約100gを詰めてヒートシーラーで密
封し、20℃で5日間保存した。そのときの袋内ガス組
成とその条件におけるRO21/ROXと(RCOX/ROX)/
(RCO21/RO21)の値、グリーンアスパラガスの品質
評価の結果を表5に示す。n数=4であり、以下同様の
個数で評価した。
【0012】《実施例6》サイズ、縦300mm、横18
0mmで、酸素透過量が500cc/100gr/24h/atmとなるよ
うに微孔(平均孔径70μm、14個)を開けた、30
μmの防曇延伸ポリプロピレン(防曇OPP)からなる
袋に、キュウリ5本(約450g)を詰めて密封し、2
0℃で10日間保存した。そのときの袋内ガス組成とそ
の条件におけるRO21/ROXと(RCOX/ROX)/(R
CO21/RO21)の値、キュウリの品質評価の結果を表6
に示す。n数=4であり、以下同様の個数で評価した。 《実施例7》サイズ、縦320mm、横200mmで、酸素
透過量が453cc/100gr/24h/atmとなるように微孔(平
均孔径70μm、17個)を開けた、30μmの防曇延伸
ポリプロピレン(防曇OPP)からなる袋に、バナナ3
本(約600g)を詰めて密封し、20℃で5日間保存
した。そのときの袋内ガス組成とその条件におけるR
O21/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21/RO21)の
値、バナナの品質評価の結果を表7に示す。n数=4で
あり、以下同様の個数で評価した。 《実施例8》サイズ、縦260mm、横200mmで、酸素
透過量が275cc/100gr/24h/atmとなるように微孔(平
均孔径70μm、5個)を開けた、30μmの防曇延伸ポ
リプロピレン(防曇OPP)からなる袋に、大豆もやし
約300gを詰めて密封し、12℃で5日間保存した。
そのときの袋内ガス組成とその条件におけるRO21/R
OXと(RCOX/ROX)/(RCO21/RO21)の値、大豆も
やしの品質評価の結果を表8に示す。n数=4であり、
以下同様の個数で評価した。 《実施例9》サイズ、縦170mm、横180mmで、酸素
透過量が1580cc/24h・atm・100grとなるように微孔
(平均孔径70μm、10個)を開けた、30μmの防曇
延伸ポリプロピレン(防曇OPP)からなる袋に、シイ
タケ(約100g)を詰めて密封し、20℃で5日間保
存した。そのときの袋内ガス組成とその条件におけるR
O21/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21/RO21)の
値、シイタケの品質評価の結果を表9に示す。n数=4
であり、以下同様の個数で評価した。
【0013】《比較例1》使用した袋の酸素透過量が4
746cc/100gr/24h/atmとなるように微孔(平均開口面
積3.85×10-3mm2、30個)を開けた以外は実
施例1と同様にトウモロコシを20℃で4日間保存し
た。そのときの袋内ガス組成とその条件におけるRO21
/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21/RO21)の値、ト
ウモロコシの品質評価の結果を表1に示す。 《比較例2》使用した袋の酸素透過量が16741cc/1
00gr/24h/atmとなるように微孔(平均開口面積3.85
×10-3mm2、110個)を開けた以外は実施例1と
同様にトウモロコシを20℃で5日間保存した。そのと
きの袋内ガス組成とその条件におけるRO21/ROX
(RCOX/ROX)/(RCO21/RO21)の値、トウモロコ
シの品質評価の結果を表1に示す。 《比較例3》使用した袋に直径5mmの穴が4個開いて
いる以外は実施例1と同様にトウモロコシを20℃で4
日間保存した。そのときの袋内ガス組成とその条件にお
けるRO21/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21
O21)の値、トウモロコシの品質評価の結果を表1に
示す。 《比較例4》使用した袋の酸素透過量が220cc/100gr
/24h/atmとなるように微孔(平均開口面積3.85×1
-3mm2、1個)を開けた以外は実施例2と同様にト
マトを20℃で7日間保存した。そのときの袋内ガス組
成とその条件におけるRO21/ROXと(RCOX/ROX)/
(RCO21/RO21)の値、トマトの品質評価の結果を表
2に示す。 《比較例5》使用した袋の酸素透過量が1870cc/100
gr/24h/atmとなるように微孔(平均開口面積3.85×
10-3mm2、12個)を開けた以外は実施例2と同様
にトマトを20℃で7日間保存した。そのときの袋内ガ
ス組成とその条件におけるRO21/ROXと(RCOX
OX)/(RCO21/RO21)の値、トマトの品質評価の
結果を表2に示す。 《比較例6》使用した袋に直径5mmの穴が4個開いて
いる以外は実施例2と同様にトマトを20℃で7日間保
存した。そのときの袋内ガス組成とその条件におけるR
O21/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21/RO21)の
値、トマトの品質評価の結果を表2に示す。 《比較例7》使用した袋の酸素透過量が1710cc/100
gr/24h/atmとなるように微孔(平均開口面積3.85×
10-3mm2、11個)である以外は実施例3と同様に
サヤエンドウを20℃で6日間保存した。そのときの袋
内ガス組成とその条件におけるRO21/ROXと(RCOX
OX)/(RCO21/RO21)の値、サヤエンドウの品質
評価の結果を表3に示す。 《比較例8》使用した袋の酸素透過量が7565cc/100
gr/24h/atmとなるように微孔(平均開口面積3.85×
10-3mm2、50個)を開けた以外は実施例3と同様
にさやえんどうを20℃で6日間保存した。そのときの
袋内ガス組成とその条件におけるRO21/ROXと(RCOX
/ROX)/(RCO21/RO21)の値R、サヤエンドウの
品質評価の結果を表3に示す。 《比較例9》使用した袋に直径5mmの穴が4個開いて
いる以外は実施例3と同様にサヤエンドウを20℃で6
日間保存した。そのときの袋内ガス組成とその条件にお
けるRO21/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21
O21)の値、サヤエンドウの品質評価の結果を表3に
示す。 《比較例10》使用した袋の酸素透過量が508cc/100
gr/24h/atmとなるように微細孔(平均開口面積3.85
×10-3mm2、3個)を開けた以外は実施例4と同様
にインゲンを20℃で6日間保存した。そのときの袋内
ガス組成とその条件におけるRO21/ROXと(RCOX/R
OX)/(RCO21/RO21)の値R、インゲンの品質評価
の結果を表4に示す。 《比較例11》使用した袋の酸素透過量が2007cc/1
00gr/24h/atmとなるように微孔(平均開口面積3.85
×10-3mm2、13個)を開けた以外は実施例4と同
様にインゲンを20℃で6日間保存した。そのときの袋
内ガス組成とその条件におけるRO21/ROXと(RCOX
OX)/(RCO21/RO21)の値、インゲンの品質評価
の結果を表4に示す。 《比較例12》使用した袋に直径5mmの穴が4個開い
ている以外は実施例4と同様にいんげんを20℃で6日
間保存した。そのときの袋内ガス組成とその条件におけ
るRO2 1/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21/RO21
の値、インゲンの品質評価の結果を表4に示す。 《比較例13》使用した袋の酸素透過量が225cc/100
gr/24h/atmとなるように微孔(平均孔径70μm、1
個)を開けた以外は実施例5と同様にグリーンアスパラ
ガスを20℃で5日間保存した。そのときの袋内ガス組
成とその条件におけるRO21/ROXと(RCOX/ROX)/
(RCO21/RO21)の値、グリーンアスパラガスの品質
評価の結果を表5に示す。 《比較例14》使用した袋の酸素透過量が4123cc/1
00gr/24h/atmとなるように微孔(平均孔径70μm、2
7個)を開けた以外は実施例5と同様にグリーンアスパ
ラガスを20℃で5日間保存した。そのときの袋内ガス
組成とその条件におけるRO21/ROXと(RCOX/ROX
/(RCO21/RO21)の値、グリーンアスパラガスの品
質評価の結果を表5に示す。 《比較例15》使用した袋に直径5mmの穴が4個開い
ている以外は実施例5と同様にグリーンアスパラガスを
20℃で5日間保存した。そのときの袋内ガス組成とそ
の条件におけるRO21/ROXと(RCOX/ROX)/(R
CO21/RO21)の値、グリーンアスパラガスの品質評価
の結果を表5に示す。 《比較例16》使用した袋の酸素透過量が63.3cc/1
00gr/24h/atmとなるように微孔(平均70μm、1個)
を開けた以外は実施例6と同様にキュウリを20℃で1
0日間保存した。そのときの袋内ガス組成とその条件に
おけるRO21/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21/R
O21)の値、キュウリの品質評価の結果を表6に示す。 《比較例17》使用した袋の酸素透過量が929.6cc
/100gr/24h/atmとなるように微孔(平均孔径70μm、
27個)を開けた以外は実施例6と同様にキュウリを2
0℃で10日間保存した。そのときの袋内ガス組成とそ
の条件におけるRO21/ROXと(RCOX/ROX)/(R
CO21/RO21)の値、キュウリの品質評価の結果を表6
に示す。 《比較例18》使用した袋に直径5mmの穴が4個開い
ている以外は実施例6と同様にキュウリを20℃で10
日間保存した。そのときの袋内ガス組成とその条件にお
けるRO21/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21
O21)の値、キュウリの品質評価の結果を表6に示
す。 《比較例19》使用した袋の酸素透過量が301.5cc
/100gr/24h/atmとなるように微孔(平均孔径70μm、
11個)である以外は実施例7と同様にバナナを20℃
で5日間保存した。そのときの袋内ガス組成とその条件
におけるRO21/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21/R
O21)の値、バナナの品質評価の結果を表7に示す。 《比較例20》使用した袋の酸素透過量が1476cc/1
00gr/24h/atmとなるように微孔(平均孔径70μm、5
8個)を開けた以外は実施例7と同様にバナナを20℃
で5日間保存した。そのときの袋内ガス組成とその条件
におけるRO21/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21/R
O21)の値R、バナナの品質評価の結果を表7に示す。 《比較例21》使用した袋に直径5mmの穴が4個開い
ている以外は実施例7と同様にバナナを20℃で5日間
保存した。そのときの袋内ガス組成とその条件における
O21/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21/RO21)の
値R、バナナの品質評価の結果を表7に示す。 《比較例22》使用した袋の酸素透過量が93.3cc/1
00gr/24h/atmとなるように微細孔(平均孔径70μm、
1個)を開けた以外はは実施例8と同様に大豆もやしを
12℃で5日間保存した。そのときの袋内ガス組成とそ
の条件におけるRO21/ROXと(RCOX/ROX)/(R
CO21/RO21)の値、大豆もやしの品質評価の結果を表
8に示す。 《比較例23》使用した袋の酸素透過量が643cc/100
gr/24h/atmとなるように微孔(平均孔径70μm、12
個)を開けた以外は実施例8と同様に大豆もやしを12
℃5日間保存した。そのときの袋内ガス組成とその条件
におけるRO21/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21/R
O21)の値、大豆もやしの品質評価の結果を表8に示
す。 《比較例24》使用した袋に直径5mmの穴が4個開い
ている以外は実施例8と同様に大豆もやしを12℃で5
日間保存した。そのときの袋内ガス組成とその条件にお
けるR O21/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21
O21)の値、大豆もやしの品質評価の結果を表8に示
す。 《比較例25》使用した袋の酸素透過量が976cc/100
gr/24h/atmとなるように微孔(平均孔径70μm、6
個)を開けた以外は実施例9と同様にシイタケを20℃
で5日間保存した。そのときの袋内ガス組成とその条件
におけるRO21/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21/R
O21)の値、シイタケの品質評価の結果を表9に示す。 《比較例26》使用した袋の酸素透過量が2775cc/1
00gr/24h/atmとなるように微孔(平均孔径70μm、1
8個)を開けた以外は実施例9と同様にシイタケを20
℃で5日間保存した。そのときの袋内ガス組成とその条
件におけるRO21/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21
O21)の値、シイタケの品質評価の結果を表9に示
す。 《比較例27》使用した袋に直径5mmの穴が4個開い
ている以外は実施例9と同様にシイタケを20℃で5日
間保存した。そのときの袋内ガス組成とその条件におけ
るRO2 1/ROXと(RCOX/ROX)/(RCO21/RO21
の値、シイタケの品質評価の結果を表9に示す。
【0014】表中の記号は以下の通りである。 ○:新鮮、□:僅かに変化、△:商品性の限界、×:食
用に適さない (△×は△と×の中間) 表中臭気の表現は以下の通りである ア:嫌気によるアルコール臭発生、腐:腐敗臭 QX/Q21=(RCOX/ROX )/(RCO21/R
O21 )
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】
【表5】
【0020】
【表6】
【0021】
【表7】
【0022】
【表8】
【0023】
【表9】
【0024】
【発明の効果】本発明の青果物の保存方法によれば、無
気呼吸を起こさせずに、これまでよりも効果的にあらゆ
る青果物の変色、萎れ、腐敗、追熟、食味低下、風味低
下、内容成分の減少など鮮度低下を防ぐことが可能にな
った。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】青果物を保存する方法において、大気のガ
    ス組成(酸素約21%、二酸化炭素0.04%)での青
    果物の酸素消費速度をRO21(cc/kg/hr/atm)、二酸化
    炭素排出速度をRCO21(cc/kg/hr/atm)、保存中のガス
    条件下(酸素X%、二酸化炭素は25%以下)での青果
    物の酸素消費速度をROX(cc/kg/hr/atm)、二酸化炭素
    排出速度をRCOX(cc/kg/hr/atm)、青果物の保管温度
    をT(℃)とした場合、0<T≦30、X<21、1.
    5<RO21/ROXかつ、RCO21/RO21≦RCOX/ROX
    1.3×RCO21/RO21を満たす条件で保存することを
    特徴とする青果物の保存方法。
  2. 【請求項2】合成樹脂フィルムから成る包装体で青果物
    を保存する方法において、大気のガス組成(酸素約21
    %、二酸化炭素0.04%)での青果物の酸素消費速度
    をRO21(cc/kg/hr/atm)、二酸化炭素排出速度をR
    CO21(cc/kg/hr/atm)、包装体内のガス条件下(酸素X
    %、二酸化炭素は25%以下)での青果物の酸素消費速
    度をROX(cc/kg/hr/atm)、二酸化炭素排出速度をR
    COX(cc/kg/hr/atm)、青果物の保管温度をT(℃)と
    した場合、0<T≦30、X<21、1.5<RO21
    OXかつ、RCO21/RO21≦RCOX/ROX≦1.3×R
    CO21/RO21を満たす条件で保存することを特徴とする
    青果物の保存方法。
  3. 【請求項3】合成樹脂フィルムが開口面積7.85×1
    -5〜2.36×10-2mm2/個の微細孔を1個以上
    有する請求項2記載の青果物の保存方法。
  4. 【請求項4】合成樹脂フィルムが表面に酸素透過性を高
    めるために設けた傷、クラック(割れ目、裂け目)を有
    する請求項2又は3記載の青果物の保存方法。
  5. 【請求項5】追熟型果実を保存する方法において、大気
    のガス組成(酸素約21%、二酸化炭素0.04%)で
    の青果物の酸素消費速度をRO21(cc/kg/hr/atm)、二
    酸化炭素排出速度をRCO21(cc/kg/hr/atm)、包装体内
    のガス条件下(酸素X%、二酸化炭素は25%以下)で
    の青果物の酸素消費速度をROX(cc/kg/hr/atm)、二酸
    化炭素排出速度をRCOX(cc/kg/hr/atm)、青果物の保
    管温度をT(℃)とした場合、0<T≦30、X<2
    1、1.5<RO21/ROX、かつ、RCO21/RO21≦RCOX
    /ROX≦4.0×RCO21/RO21を満たす条件で保存す
    ることを特徴とする追熟型果実の保存方法。
  6. 【請求項6】合成樹脂フィルムから成る包装体で追熟型
    果実を保存する方法において、大気のガス組成(酸素約
    21%、二酸化炭素0.04%)での青果物の酸素消費
    速度をRO21(cc/kg/hr/atm)、二酸化炭素排出速度
    をRCO21(cc/kg/hr/atm)、包装体内のガス条件下
    (酸素X%、二酸化炭素は25%以下)での青果物の酸
    素消費速度をROX(cc/kg/hr/atm)、二酸化炭素排出
    速度をRCOX(cc/kg/hr/atm)、青果物の保管温度を
    T(℃)とした場合、0<T≦30、X<21、1.5
    <RO21/ROX、かつ、RCO21/RO21≦RCOX/ROX
    4.0×RCO21/RO21を満たす条件で保存することを
    特徴とする追熟型果実の保存方法。
  7. 【請求項7】合成樹脂フィルムが開口面積7.85×1
    -5〜2.36×10-2mm2/個の微細孔を1個以上
    有する請求項6記載の追熟型果実の保存方法。
  8. 【請求項8】合成樹脂フィルムが表面に酸素透過性を高
    めるために設けた傷、クラック(割れ目、裂け目)を有
    する請求項6又は7記載の追熟型果実の保存方法。
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