JP2001351695A - バックアップ用複数並列アルカリ水溶液二次電池の充電方法 - Google Patents
バックアップ用複数並列アルカリ水溶液二次電池の充電方法Info
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Abstract
に、限定された充電電流値で、しかも電池の劣化を極力
抑制するように、バックアップ用複数並列アルカリ水溶
液二次電池を充電する方法を提供すること。 【解決手段】電池列2-1、2-2、2-3、2-4を並列
接続してバックアップ用複数並列アルカリ水溶液二次電
池2を構成し、周囲温度T℃において、電池列2-1、
2-2、2-3、2-4を1列ずつ、順次、スイッチS-
1、S-2、S-3、S-4の開閉によって、一定時間t
ずつ充電し、該時間tを関係式 t=A×exp(BT)
(1) (ここに、AおよびBは該二次電池に対応して定められ
る定数である)によって設定することを特徴とするバッ
クアップ用複数並列アルカリ水溶液二次電池の充電方法
を構成する。
Description
並列アルカリ水溶液二次電池の充電方法に関するもので
ある。
化、携帯型化によって、電池の需要が高まっている。そ
れに応じて電池の改良、開発はますます活発化してい
る。また、電池の新しい適用領域も拡大してきている。
池の信頼性向上の要求も高くなってきている。特に、従
来の鉛電池やニッケルカドミウム電池(以下、Ni/C
d電池と称す)に比べて大幅な高エネルギー密度である
ニッケル水素電池(以下、Ni/MH電池と称す)やリ
チウムイオン電池では、事故による被害の程度もより深
刻となりうるので、信頼性の確保が重要な課題となって
いる。
挙げられる。特に停電時のバックアップ用途に使用され
る二次電池、および電池パックは通常電池を使用してい
る感覚が薄れているため、電池寿命が短いと、いったん
停電が発生した際に電池の使用ができなくなって重大事
態に陥る危険性がある。ここに、電池パックとは、単電
池、あるいは複数個の単電池を直列接続、並列接続、あ
るいは両者の併用によって接続したものを、安全制御回
路あるいは充放電制御回路と一体化したものを意味す
る。以下、電池と電池パックとをまとめて電池と称す。
また、電池寿命が短いと頻繁に取り替えが必要となり、
人件費や維持費が高騰して好ましくない。
化学劣化を起こしたり、充放電サイクルなどにより電気
化学的に劣化することによって容量が減少することに起
因する。
いるとは言いがたいが、セパレータの材質劣化や、電極
を構成する高分子化合物の結着剤に含まれる出発物質の
モノマーの劣化がその主要因と考えられている。また、
充放電サイクルに伴って生じる副反応によって電池反応
に関わる鉛、硫酸鉛、ニッケル化合物、水素吸蔵合金、
あるいはカドミウムなどの活物質や活物質の吸蔵物質が
消耗したり構造変化したりすることも原因として指摘さ
れている。
学劣化の生成しにくいポリエチレン、ポリプロピレンな
どのポリオレフィン材料に変更したり、電極、電解液の
構成材料から劣化が容易に起こりうる不純物を除去した
り、充放電に伴って起こりうる副反応の化学反応を抑制
することによって対処している。
イクルに伴う電極活物質の構造変化、たとえば、Ni/
Cd電池やNi/MH電池の正極材料であるβ-NiOO
Hからγ-NiOOHへの変化などによる密度の変化が
電極の膨れと収縮を繰り返し機械的に劣化したり、放電
によって変化した活物質が充電によっても完全に元の構
造や化合物に回復しなかったり、あるいは、充電の上
限、放電の下限電圧の不適切によって過充電、過放電状
態となり、副反応として電解液などの電気化学分解が生
じたりすることが主要因として考えられる。
縮に耐えられる強固な結着剤の選定、充放電サイクルに
よる密度変化が小さく、反応可逆性の高い活物質材料の
選定、耐過充電、耐過放電特性を向上させる添加剤の採
用、電極材料や電解液材料の組成最適化、正極・負極の
活物質量バランス最適化などを行うことによって対処し
ている。
池においては、待機時のほとんどを充電状態におくた
め、主に化学劣化と過充電による電気化学劣化の程度が
電池寿命を左右する。過充電による電気化学劣化として
は、アルカリ水溶液系電池においては、充電末期におけ
る発生酸素の処理反応による負極活物質(カドミウム、
水素)の消耗が挙げられる。過充電による電気化学劣化
に対しては、電極構成材料に添加物を混合したり、適当
な金属メッキを施したりして耐過充電特性を改善する方
策が一般的に採用されている。
電末期の通電圧による劣化は電池反応機構上避けられな
い。そのため、特に通電圧による劣化低減を目的の一つ
として種々の充電方法が提案されてきた。
に対する従来の充電方法としては、一定の電流値で充電
を実施する方法が最も一般的に用いられてきた。最も普
及している方法としては、電池を負荷から切り放し0.
1CmA以下(ここに、1CmAは電池の公称容量を1
時間で除して得る電流値である)の微小電流で充電し続
けるトリクル充電という方法が知られている。この方法
は、充電に関わる装置・部品が単純で安価であること
を、その大きな特徴とする。しかしながら、電池の充電
電圧は周囲温度や劣化の程度で大きく変わり、過充電に
よる電池の劣化がきわめて深刻になる場合がある。
後、放置し、電池電圧が一定の電圧にまで降下すると再
び充電を行う間欠充電方式が提案された。この充電方法
によると、一度満充電した後、放置し、自己放電などに
よって電池電圧があらかじめ設定した電圧にまで低下す
ると再び一定の電流で一定時間充電し、以後、この放置
と再充電とを繰り返して容量を維持するものである。あ
るいは、再充電を時間ではなく、充電終了の電圧を設定
して、この2つの設定電圧値の間で放置と再充電を繰り
返す方法も提案されている。また、電圧を設定する代わ
りに、単純に放置と再充電の時間を設定してこれを経時
的に繰り返す方法もある。
純に充電を続ける方法に比較して過充電に晒される機会
は若干改善されるものの、これらの方法においても周囲
温度や電池の劣化状態によって充電電圧が変化していく
問題は解決されず、根本的な電気化学劣化の抑制はでき
なかった。
はなく、充電電流をある時間幅を有するパルスとして供
給して行う方法も提案されている。この方法では、一定
の電流値に比べ、電流パルス間は休止となるため、一定
電流での充電に比べて過充電に晒される機会は減少する
ものの、この方法においても同様に、周囲温度や電池の
劣化状態によって充電電圧が変化していく問題は解決さ
れず、根本的な電気化学劣化の抑制はできなかった。
Ni/MH電池などのアルカリ水溶液系二次電池、Li
イオン電池では鉛電池のように多様な電圧、容量を有す
る小型から大型までのサイズがなく、限定された電圧、
容量範囲内でのサイズに限定され、大容量を必要とする
場合には、多数の電池を直列、並列に組み合わせて構成
するしか方法がなく、充電方法はいっそう複雑となって
くる。
要な充電電流値を確保しようとすれば、これを供給する
電源部が大きくなり、高エネルギー密度電池を採用した
利点が損なわれるという欠点を有していた。
れたものであり、その目的は、周囲温度の変化や電池の
劣化状態に影響されずに、限定された充電電流値で、し
かも電池の劣化を極力抑制するように、バックアップ用
複数並列アルカリ水溶液二次電池を充電する方法を提供
することにある。
に、本発明は、請求項1に記載のように、商用電源の停
止時に動作するバックアップ用複数並列アルカリ水溶液
二次電池の充電方法であって、単電池1個から、あるい
は電気的に接続された複数個の単電池からなる電池列を
n列(ここに、2≦n≦5とする)並列接続してなるモ
ジュールを構成要素として該二次電池を構成し、周囲温
度T℃において、該各モジュール中の該電池列を1列ず
つ、順次、一定時間tずつ充電し、該時間tを関係式 t=A×exp(BT) (1) (ここに、AおよびBは該二次電池に対応して定められ
る定数である)によって設定することを特徴とするバッ
クアップ用複数並列アルカリ水溶液二次電池の充電方法
を構成する。
に、請求項1に記載のバックアップ用複数並列アルカリ
水溶液二次電池の充電方法において、上記関係式(1)
における定数Aを定める方法として、上記モジュール中
の電池と同種類の電池を用い、該電池を周囲温度0℃に
おいて充電時間7日間以上で充電した後、放電電流値
0.2CmA以上(ここに、1CmAは該電池の公称容
量を1時間で除して得る電流値である)で放電させる操
作を繰り返す充放電サイクル試験を行い、3サイクル目
までに、該電池の容量の該電池の初期容量に対する割合
が60%以上に保たれているような充電電流値I 0を求
め、定数Aが関係式 2.78×10−4 ≦ A/(1時間)≦I0/(1CmA) (2) を満足するように定数Aを定め、上記モジュール1個当
たりの充電電流値IMを、上記定数Aを定める方法にお
いて求めた充電電流値I0と該モジュール1個中の上記
電池列の列数nとから、関係式 IM =I0n (3) によって設定し、上記関係式(1)における定数Bを定
める方法として、上記関係式(2)によって定めた定数
Aを用い、関係式 B=D×ln(A/(1時間))+0.04 (4) および関係式 −0.025 ≦ D ≦ −0.020 (5) (ここに、Dは定数である)が成立するように定数Bを
定めることを特徴とするバックアップ用複数並列アルカ
リ水溶液二次電池の充電方法を構成する。
されるアルカリ水溶液二次電池について、限定された充
電電流値で周囲温度の変化に対応して確実に、しかも電
池の劣化を極力抑制するように、充電する方法を提供す
るものである。
個から、あるいは電気的に接続された複数個の単電池か
らなる電池列(単電池1個からなっていても、それを電
池列とみなす)をn列(ここに、2≦n≦5とする)並
列接続してなるモジュールを構成要素として上記二次電
池を構成し、それぞれのモジュールにおける電池列を1
列ずつ、順次、一定時間tずつ充電する。
1電池列ずつ、順次、一定時間ずつ充電する。このよう
に充電を行うことで、1個のモジュール中の1つの電池
列はそのモジュール中の他の電池列が充電される間は放
置されていることになり、この放置期間を挟むことによ
り充電に伴う副反応や通電圧の電気化学劣化を抑制する
ことができ、かつ過充電に晒される期間を根絶するとと
もに使用に必要な容量を確保する。
適な充電電流であっても、35℃以上の高温下では自己
放電速度が大きくなり充電不足に陥ることになり、逆に
高温下で妥当な充電電流値であっても、低温下では深刻
な過充電状態になって電池の劣化による容量低下が激し
くなる。その具体的一例を図を用いて示す。
ズ、公称容量2300mAh)を、充電電流値230m
A(0.1CmA)、充電時間15時間、放電電流値4
60mA(0.2CmA)、放電終止電圧1.1Vで初期
容量を確認した後、充電電流値77mA(0.033C
mA)、および230mA(0.1CmA)、充電時間
28日間、放電電流値2300mA(1.0CmA)、
放電終止電圧1.1Vで充放電サイクル試験を行ったと
きの各サイクルにおいて測定された容量の公称容量に対
する割合(図中、初期容量比と表示)の変化を示した図
である。
中、1-1は充電電流値が0.033CmAの初期容量比
の変化を示した曲線であり、1-2は充電電流値が0.1
CmAのときの初期容量比の変化を示した曲線である。
また、図2は周囲温度45℃での試験の結果であり、図
中、2-1は充電電流値が0.033CmAのときの初期
容量比の変化を示した曲線であり、2-2は充電電流値
が0.1CmAのときの初期容量比の変化を示した曲線
である。
℃においては、充電電流値0.033CmAでは安定し
た容量変化を示しているのに対して、0.1CmAでは
過充電による電池の劣化が原因となり、容量がまったく
確保できていない。これに対して、45℃では0.03
3CmAの充電電流値では自己放電に対処できず充電不
足による容量の低下が著しい。
充電を回避し、確実な充電を実現するためには置かれた
周囲温度下での最適な充電電流値を確保するため充電電
流値を低温では小さく、高温では大きくすることで対処
するのが一般的である。
確保しようとすれば、本発明の充電方法の対象となる多
数のバックアップ用二次電池を搭載する電源機器では大
がかりな電源部分を必要として、せっかく高エネルギー
密度電池を搭載しても機器の小型化が不可能となり利点
が大きく損なわれてくる。
構成になるバックアップ用アルカリ水溶液二次電池の充
電方法によると、1電池列当たりの充電時間を調節する
だけでよく、高温充電に際して充電電流値を大きくする
必要が全くない。
ュールでの、1電池列ごとの順次充電の充電時間tを、
電池の周囲温度がT℃である場合に、関係式 t=A×exp(BT) (1) (ここに、AおよびBは該二次電池に対応して定められ
る定数である)で示される条件に従って設定する。ここ
に、関数exp(x)は指数関数exである。
構成する定数A、およびBを以下の方法によって決定す
ることを提案する。
る1電池列当たりの充電時間tを示すから、0℃におけ
る1電池列当たりの充電時間を1秒(2.78×10
−4時間)以上、I0/(1CmA)時間以下とすること
を本発明では提案する。ここで、I0は1モジュール当
たりの時間平均充電電流値であり、それは、1モジュー
ル当たりの充電電流値IMを1モジュールを構成する電
池列数nで除して得られる。また、I0/(1CmA)は
無次元数であるが、この場合には、充電時間を1時間単
位で表したときの数値であるとする。このように0℃で
の1電池列当たりの充電時間tを設定することにより、
過充電を極力抑え電池の劣化を防ぐことができる。
0を求めるために、以下の充放サイクル電試験の実施を
提案する。
複数並列で搭載されている二次電池または電池パックと
同種類の電池を用い、周囲温度0℃で充電時間7日間以
上とし、放電電流値を0.2CmA以上とする条件で充
放電を繰り返す充放電サイクル試験を行い、3サイクル
目までに該電池の容量の該電池の初期容量に対する割合
が60%以上に保たれるような充電電流値を求め、これ
を時間平均充電電流値I0とする。
の短期間の充電時間であると過充電による電池の劣化を
早急に把握できないからである。具体的結果を図3に示
す。
称容量2300mAh)を、充電電流値を230mA
(0.1CmA)とし、放電電流値を2300mA(1.
0CmA)とし、放電終止電圧を1.0Vとして充放電
を繰り返す充放電サイクル試験の結果を示す図であり、
図中、3-1は充電期間を3日間、3-2は充電期間を7
日間、3-3は充電期間を30日間に設定した場合の、
積算充電時間に対する容量の変化を示した曲線である。
設定した充電電流値が過充電を引き起こす好ましくない
電流値であることが判明するまでに3-2、3-3で示す
曲線の場合の充電期間が7日間以上であると2サイクル
目で十分であるのに対して、3-1に示す充電期間が3
日間と短い場合には10サイクル以上待たなければなら
ず、上記定数Aの最適値を求めるために長期間を要し好
ましくないことがわかる。
する理由は、通常、容量を求める条件が一般的にこの電
流値であることによる。これ以下でも容量を求めること
ができるが、実際に電池を使用(放電)する場合には
0.02CmA以上であることがほとんどであり、実使
用上との対比で利便性が高く、かつ放電が完了するまで
の期間が短縮化できる利点があり本発明の方法を実現す
るうえで有効である。
値を求める上で、初期容量比を60%以上とする理由
は、一般に電池寿命を60%とするため、この値を下回
る容量を示すような充電電流値の条件は短期間で電池寿
命に至る恐れがあり適当ではない。
Aを、関係式 2.78×10−4 ≦ A/(1時間)≦I0/(1CmA) (2) が満足されるように定める。
搭載する電源装置から各モジュールに供給されるモジュ
ール当たりの充電電流値IMを、周囲温度に関係なく、
上記で求めた充電電流値I0とモジュール内電池列数n
との積に等しいとする関係式 IM =I0n (3) によって設定しておく。
ついては、適用温度範囲内の最高温度、便宜的に45℃
の周囲温度における1電池列当たりの充電時間tが5時
間以上10時間以下、好ましくは6時間以上8時間以下
となるようにする。45℃における1電池列当たりの充
電時間をこの条件に設定すれば、充電電流値を大きくす
ることなく確実な充電を実現できる。
(1)における定数Bは、上記方法によって定めた定数
Aを用い、関係式 B=D×ln(A/(1時間))+0.04 (4) (ここに、Dは定数である)および関係式 −0.025 ≦ D ≦ −0.020 (5) (ここに、Dは定数である)が成立するように定める。
ここに、関数ln(x)はeを底とする自然対数関数lo
gexである。
りの充電時間tは、電池の適用温度範囲内での充電に際
して、過充電を回避するとともに、該適用温度下におけ
るアルカリ水溶液二次電池の自己放電による容量の低下
を補う充電を保証する。
クアップ用アルカリ水溶液二次電池の充電方法におい
て、モジュール当たりの電池並列数nを2≦n≦5にす
る。6並列以上の並列数であると、他の電池の充電中の
放置期間が長くなり、適用温度範囲内の35℃以上の温
度での確実な充電が不可能となり大幅な容量低下を起こ
すので好ましくない。
溶液二次電池の充電方法は、これを具体的に使用する場
合、上記に示した機能を充足しうる構成の充電制御回路
として装置電源部に搭載したり、あるいは、上記機能を
充足しうる構成の充電制御回路を制御対象の電池ととも
に電池パック内に収納する。
満たす充電制御回路のブロック概念の一例を示した。
体的機能として示す充電制御回路であり、2は充電制御
の対象となるバックアップ電池であり、この場合、バッ
クアップ電池2は、電池列2-1、2-2、2-3、2-4
よりなる4電池列構成となっている。3は充電制御回路
1に搭載された本発明における充電方法に基づいて充電
制御を実施する充電制御用マイコンであり、4は商用電
源あるいは装置本体側から端子10および11によって
供給される電力を制御するための電源マイコンであり、
5は充電制御用マイコン3によって制御される電源のス
イッチであり、充電が開始されると、充電制御用マイコ
ン3は回路12によって電池側のスイッチ群Sの制御も
併せて行い、スイッチ群Sを構成するスイッチS-1、
S-2、S-3およびS-4を順次一定時間ごとにONさ
せて1電池列ごとに電池を充電する。また、放電の際に
は、充電制御用マイコン3によって、条件により、スイ
ッチ群SのスイッチS-1、S-2、S-3およびS-4の
全てまたは一部を閉回路にして必要な放電電気量を供給
する。6は電気回路における温度異常を検知するための
サーミスタであり、これら温度異常を含めて充電制御用
マイコン3による出力異常の検出結果を端子7によって
本体側に送出する。これらの部品を搭載した上記充電制
御回路1は、端子8、および9によって制御対象の電池
2に連結される。
ための充電制御回路の一概念を示したものであるが、本
発明の充電方法を実現することができれば何らこれに限
定されることはない。
バックアップ用アルカリ水溶液二次電池は、電解液にア
ルカリ水溶液を用いた電池であり、具体的にはNi/C
d電池、Ni/MH電池が考えられ、特にNi/MH電池
において効果を発揮するが、上述の条件に適合すればこ
れ以外の電池も制御可能である。
プ用アルカリ水溶液二次電池の充電方法は、特に高信頼
性を必要とする機器が考えられ、該充電方法によって必
要な使用時間の確保と電池の長寿命化とを実現すること
によって、停電時の動作を確実のものにする。しかしな
がら、アルカリ水溶液二次電池をバックアップ電池とし
て搭載する機器であれば何ら使用上問題なく、しかも従
来を上回る使用時間と長寿命を実現することができるた
め使用する利点はきわめて大きい。
プ用アルカリ水溶液二次電池の充電方法について具体的
実施例によって説明するが、本発明は何らこれに限定さ
れることはない。 [実施例1]Ni/MH電池(4/3FAサイズ、公称容
量3300mAh、適用温度範囲−10℃〜55℃)が
15個直列接続されている電池パックを電池列とし、該
電池列を4列並列してなるバックアップ用電池(モジュ
ール数1)を搭載する電源装置において、1電池列ごと
に一定時間ずつ各電池列、すなわち電池パックを順次充
電していく方法の充電条件を検討した。
数Aを決定するために、同じ種類のNi/MH電池を用
いて0℃で充電電流値をいくつか設定し、充電時間7日
間、放電電流値3300mA(1.0CmA)、放電終
止電圧1.0Vで充放電サイクルを3サイクル実施し、
最適充電電流値I0として110mA(0.033Cm
A)を決定した。これにより、定数Aを A=0.033時間 (6) とした。
間tを6時間となるように上記関係式(1)における定
数Bを B=−0.022×ln(A/(1時間))+0.04=0.116 (7) として、上記関係式(1)に代入し t=0.033時間×exp(0.116T) (8) を得た。
値IMを IM=0.033CmA×4=0.132CmA すなわち、440mAとした。
電制御用マイコンにプログラム入力して、45℃での充
電状態を確認した。30日間上記条件で充電し、放電電
流1.0CmA(3300mA)、放電終止電圧1.0V
で放電し、放電容量を確認した。
クを用い、45℃で平均充電電流値に相当する電流値4
40mAで30日間連続トリクル充電し、上記と同様の
条件で放電を行い、放電容量を検討した。
池列当たりの充電時間を1分間(0.167時間)、1.
0時間に設定した他は同様の条件で放電容量を検討し
た。
おける放電容量の公称容量に対する割合(図中、公称容
量比と表示)を比較して示した図であり、図中、「実施
例」は本実施例の場合の結果を、「比較例」は440m
Aの連続トリクル充電の場合の結果を、「参考例1」は
1電池列当たりの充電時間を0.167時間に設定した
充電の場合の結果を、「参考例2」は1電池列当たりの
充電時間を1時間とした充電の場合の結果を、それぞ
れ、示している。
公称容量に対する比容量(図中、公称容量比と表示)が
88%であり、高温においても十分な容量を確保できる
ことが明らかになった。
電では、比容量は54%に留まり、実用上最低必要な比
容量である60%以下となった。
74%の比容量にとどまり、いずれも本発明の充電条件
の結果には及ばなかった。
えて容量を別に検討した結果では、本発明における結果
として得られた88%の比容量を確保するためには0.
15CmA以上、すなわち500mA以上を必要とする
ことがわかった。
ける複数並列の電池の充電方法によれば、限定された充
電電流値で、効率よく充電が可能であることがわかっ
た。 [実施例2]実施例1に用いたのと同様のNi/MH電
池(4/3FAサイズ、公称容量3300mAh、適用
温度範囲−10℃〜55℃)を対象とする図4に示す構
造の充電制御回路を作製して、これを充放電試験装置に
接続し、充放電サイクル試験を行った。
28日間とし、充電電流値を440mA(0.132C
mA)とし、放電は、放電電流値を3300mA(1.
0CmA)とし、放電終止電圧を1.0Vとした。
1に示す関係式(8)に従って表1に示す設定となるよ
うに充電制御用マイコンにプログラムを入力した。
た充放電サイクル試験の結果として、3サイクル目の公
称容量に対する比容量を示した。表1より明らかなよう
に、本発明における充電方法によると周囲温度の変化に
よる影響が少なくなり、安定した良好な容量維持を示す
ことがわかった。
り、周囲温度の変化や電池の劣化状態に影響されずに、
限定された充電電流値で、しかも電池の劣化を極力抑制
するように、バックアップ用複数並列アルカリ水溶液二
次電池を充電する方法を提供することができる。このよ
うに、複数並列のバックアップ用アルカリ水溶液二次電
池を充電し、容量を維持しておく場合、本発明における
充電方法を用いることにより、周囲温度の影響を最小限
におさえ、より小さな電流値で電池劣化を少なくして充
電することができ、バックアップ用二次電池の使用にお
いてきわめて大きな貢献を果たすことができる。
二次電池の充電方法の概念を説明するために用いた周囲
温度25℃におけるNi/MH電池の初期容量比の充放
電サイクル数に伴う変化を示した図である。
二次電池の充電方法の概念を説明するために用いた周囲
温度45℃におけるNi/MH電池の初期容量比の充放
電サイクル数に伴う変化を示した図である。
二次電池の充電方法の概念を説明するために用いた充電
時間の影響を示すNi/MH電池の容量の積算充電時間
に伴う変化を示した図である。
方法を具体的に適用する充電制御回路構成の概念ブロッ
ク図である。
よび比較例の結果と比較して示した図である。
2、2-3、2-4…バックアップ電池を構成する各電池
列、3…充電制御用マイコン、4…電源マイコン、5…
スイッチ、6…サーミスタ、7…異常出力検出端子、8
…電池接続プラス端子、9…電池接続マイナス端子、1
0…電源接続プラス端子、11…電源接続マイナス端
子、12…スイッチSを制御するための回路、S…バッ
クアップ電池の充放電制御スイッチ群、S-1、S-2、
S-3、S-4…各電池列の充電、放電を制御するスイッ
チ。
Claims (2)
- 【請求項1】商用電源の停止時に動作するバックアップ
用複数並列アルカリ水溶液二次電池の充電方法であっ
て、 単電池1個から、あるいは電気的に接続された複数個の
単電池からなる電池列をn列(ここに、2≦n≦5とす
る)並列接続してなるモジュールを構成要素として該二
次電池を構成し、 周囲温度T℃において、該各モジュール中の該電池列を
1列ずつ、順次、一定時間tずつ充電し、 該時間tを関係式 t=A×exp(BT) (1) (ここに、AおよびBは該二次電池に対応して定められ
る定数である)によって設定することを特徴とするバッ
クアップ用複数並列アルカリ水溶液二次電池の充電方
法。 - 【請求項2】請求項1に記載のバックアップ用複数並列
アルカリ水溶液二次電池の充電方法において、 上記関係式(1)における定数Aを定める方法として、 上記モジュール中の電池と同種類の電池を用い、該電池
を周囲温度0℃において充電時間7日間以上で充電した
後、放電電流値0.2CmA以上(ここに、1CmAは
該電池の公称容量を1時間で除して得る電流値である)
で放電させる操作を繰り返す充放電サイクル試験を行
い、3サイクル目までに、該電池の容量の該電池の初期
容量に対する割合が60%以上に保たれているような充
電電流値I 0を求め、定数Aが関係式 2.78×10−4 ≦ A/(1時間)≦I0/(1CmA) (2) を満足するように定数Aを定め、上記モジュール1個当
たりの充電電流値IMを、上記定数Aを定める方法にお
いて求めた充電電流値I0と該モジュール1個中の上記
電池列の列数nとから、関係式 IM =I0n (3) によって設定し、上記関係式(1)における定数Bを定
める方法として、上記関係式(2)によって定めた定数
Aを用い、関係式 B=D×ln(A/(1時間))+0.04 (4) および関係式 −0.025 ≦ D ≦ −0.020 (5) (ここに、Dは定数である)が成立するように定数Bを
定めることを特徴とするバックアップ用複数並列アルカ
リ水溶液二次電池の充電方法。
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