JP6690414B2 - トリクル充電電源システム - Google Patents

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Description

本発明は、蓄電池(二次電池とも呼ばれる)を利用する技術に関し、蓄電池のトリクル充電、及び電源システム等の技術に関する。
蓄電池として、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、等の各種の蓄電池が存在する。蓄電池は、満充電状態にされてから放置された場合、自己放電によって充電電力量が減少する。言い換えると、蓄電池の充電状態(SOC:State Of Charge)の値が、100%よりも低い値の状態になる。
蓄電池を利用するシステムとして、例えば、停電時等の非常時に対策するために蓄電池を利用する電源システムがある。この電源システムは、非常用電源システムやバックアップ電源システム等と呼ばれる。この電源システムは、商用電力系統に接続されている充電用電源と負荷である機器との間に蓄電池が電気的に接続されている。この電源システムは、通常時には、商用電力系統からの交流電力に基づいて負荷である機器を稼動させる一方で、充電用電源から蓄電池に充電しておき、停電時には、蓄電池から負荷である機器へ放電により電力を供給する。
蓄電池を充電する方式として、フロート充電方式やトリクル充電方式が挙げられる。フロート充電方式は、充電用電源である充電器と負荷に対して蓄電池が並列に電気的に接続されたシステムにおいて、蓄電池に一定電圧で充電を行う方式である。この充電用電源は、負荷への電力供給と、蓄電池への充電との両方に使用される。この蓄電池には、満充電状態でも常に電圧がかかっており、蓄電池の自己放電による充電量の減少に応じて蓄電池に電流が流れて充電されるので、満充電状態が維持される。
トリクル充電方式は、充電用電源である充電器と負荷との間に蓄電池が電気的に接続されたシステムにおいて、蓄電池に微小電流で充電を行う方式である。このシステムでは、通常時には、充電用電源から、商用電力系統の交流電力に基づいて負荷である機器を稼動させる。その一方、蓄電池を負荷から電気的に切り離された状態として、充電用電源から蓄電池を微小電流で充電を行う。その際、トリクル充電方式では、蓄電池の自己放電分による満充電状態からの充電電力減少分を補うために、例えば0.001C〜0.1C程度の微小電流で連続的に充電を行う。これにより、蓄電池の満充電状態が保持される。このシステムでは、停電時、即ち商用電力系統からの交流電力供給が途絶えた場合には、蓄電池を負荷に接続された状態として、蓄電池からの放電による電力を負荷へ供給する。これにより、停電時に負荷である機器の稼動を継続させ、システム運用継続を図る。なお、このようなトリクル充電方式、例えば鉛蓄電池に対するトリクル充電を行うトリクル充電システム等の構成については公知である。
蓄電池の充電に関する先行技術例として、特許第5514594号公報(特許文献1)が挙げられる。特許文献1には、ニッケル水素電池のフロート充電システムとして、ニッケル水素電池に対するフロート充電を行う旨、特に、フロート充電電流値を蓄電池状態に応じて決める旨が記載されている。
特許第5514594号公報
上記蓄電池の自己放電による充電電力量の減少の結果、その蓄電池から必要な時に充分な放電電力を取り出すことができない場合がある。例えば、上記電源システムにおいて、停電時等の非常時に、蓄電池の充電電力量、SOCが低い状態である場合、蓄電池から、負荷が必要としている充分な電力を放電により供給することができない可能性がある。その可能性を低くするためには、その電源システム等において蓄電池を満充電状態に保持することが望ましい。そのためには、電源システム等において蓄電池を好適に充電して満充電状態を保持させる仕組みが必要である。その仕組みとして、電源システム等においてトリクル充電方式等を適用することが挙げられる。
従来、鉛蓄電池に対するトリクル充電を行うトリクル充電システムや、鉛蓄電池を用いた非常用電源システムは一般的である。しかしながら、そのトリクル充電システムを含んだ非常用電源システムでは、安価な鉛蓄電池を利用できるものの、鉛蓄電池の放電が低出力であり、大電流の放電は実現できない。そのため、そのシステムでは、停電時に負荷へ充分な電力を供給できない可能性がある。即ち、従来技術のトリクル充電システム及び電源システムは、蓄電池のトリクル充電及び放電出力に関して課題がある。
本発明の目的は、蓄電池を含むトリクル充電システム及び電源システム等に関して、停電時に蓄電池から従来よりも高出力及び大電流の放電が実現できる技術を提供することである。本発明の他の目的は、そのような放電機能を実現し、過充電等を防止しつつ、蓄電池の寿命をなるべく長くできること、即ち長期間、その放電機能を維持できる技術を提供することである。本発明の他の目的は、そのような放電機能を実現しつつ、従来よりも低コスト、省スペース、高い安全性で、環境にクリーンであることを実現できる技術を提供することである。
本発明のうち代表的な実施の形態は、トリクル充電システムを含んだ電源システムであるトリクル充電電源システムであって、以下に示す構成を有することを特徴とする。
一実施の形態のトリクル充電電源システムは、蓄電池としてニッケル亜鉛電池を含む蓄電池部と、商用電力系統、負荷、及び前記蓄電池部に接続される充電用電源と、を備え、通常時には、前記蓄電池部の前記蓄電池を前記負荷に接続されていない状態として、前記商用電力系統の交流電力に基づいて、前記充電用電源から直流電力によって前記蓄電池部の前記蓄電池に対するトリクル充電を行い、前記商用電力系統の交流電力が途絶えた停電時には、前記蓄電池部の前記蓄電池を前記負荷に接続された状態として、前記蓄電池部の前記蓄電池から放電による直流電力を前記負荷へ供給し、前記蓄電池は、満充電状態が100%である場合に、95%以上100%以下のSOC範囲で運用され、前記トリクル充電のトリクル充電電圧は、1.82V以上1.86V以内の範囲内の一定電圧であり、トリクル充電電流の最大電流は1Cである。
本発明のうち代表的な実施の形態によれば、蓄電池を利用してトリクル充電を行う電源システム等に関して、停電時に蓄電池からなるべく高出力及び大電流の放電で負荷への電力供給が実現できる。また、本発明のうち代表的な実施の形態によれば、そのような放電機能を実現し、過充電等を防止しつつ、蓄電池の寿命をなるべく長くできること、即ち長期間、その放電機能を維持できる。また、本発明のうち代表的な実施の形態によれば、そのような放電機能を実現しつつ、なるべく低コスト、省スペース、高い安全性で、環境にクリーンであることを実現できる。
本発明の実施の形態のトリクル充電電源システムの構成を示す図である。 実施の形態のトリクル充電電源システムで、蓄電池部の構成例を示す図である。 実施の形態のトリクル充電電源システムで、試験例及び比較例における制御条件や結果をまとめた表を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[課題等]
前述の課題等について補足説明する。トリクル充電電源システムに採用する候補となる蓄電池として、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、等の各種の蓄電池がある。各種の蓄電池には、それぞれの利点や不利点等を含む特性がある。
従来、トリクル充電やフロート充電に使用可能である蓄電池は、鉛蓄電池等にほぼ限られていた。その理由としては以下である。鉛蓄電池は、充電が進むと内部抵抗が増加する。このことから、鉛蓄電池は、満充電状態において一定電圧で充電され続けたとしても、その鉛蓄電池へ電流が殆ど流れない。トリクル充電方式の場合には前述のように微小電流しか流れない。よって、その鉛蓄電池は、過充電による電池寿命低下の影響が小さく、長期間で満充電状態を保持することができる。
鉛蓄電池は、他の蓄電池と比較して、安価、安定性に優れる、等の利点がある。鉛蓄電池は、その反面、充放電の電流が小さい、即ち低出力である、等の不利点がある。鉛蓄電池は、長時間運転の用途、例えば負荷変動量が小さい特定の負荷の非常用電源システム等には適している。鉛蓄電池は、放電電流が小さいため、大電流の放電が求められる用途には適していない。鉛蓄電池を用いて大電流の放電を実現するためには、必要容量が大きくなり、その結果、広大な設置スペースが必要になり、高コストとなる。
ニッケル水素電池は、鉛蓄電池よりも充放電の電流が大きい等の利点がある。しかし、ニッケル水素電池は、エネルギー密度が低く自己放電が大きい。また、ニッケル水素電池は、鉛電池と比べて単位容量(kwh)当たりのコストが割高である。このため、大容量のニッケル水素電池の設置の場合、コストが多大となる。また、ニッケル水素電池は、過放電や過充電の防止も求められる。
一方、高出力の放電が可能である蓄電池として、ニッケル亜鉛電池が知られている。ニッケル亜鉛電池は、ニッケル水素電池の負極材料を亜鉛に変更したアルカリ二次電池である。ニッケル亜鉛電池は、鉛蓄電池よりも高い電流値での充放電が可能である。ニッケル亜鉛電池は、エネルギー密度が高く自己放電が小さい。ニッケル亜鉛電池は、ニッケル水素電池と比べて電池電圧が0.4V程度高いため、体積あたりのエネルギー密度が1.4倍大きい。ニッケル亜鉛電池は、ニッケル水素電池よりもコストの点で優位である。ニッケル亜鉛電池は、鉛蓄電池やニッケル水素電池と同様に、水系の電解液が用いられることから、安全性も高い。ニッケル亜鉛電池の負極の亜鉛は、環境適合性、材料コストの面も優れることから、小型、軽量、安価なシステムを構成可能である。また、ニッケル亜鉛電池は、ニッケル水素電池と同様に、過充電により正極から発生した酸素を負極で吸収できるので、密閉構造とすることにより、メンテナンスフリーにできる利点もある。
ニッケル亜鉛電池は、デンドライトによりサイクル寿命の点で遜色する等の理由から、蓄電池としての普及が遅れていた。近時では、デンドライトを抑えて高サイクル寿命のニッケル亜鉛電池の研究開発が進められている。
なお、特許文献1のようなフロート充電システムは、ニッケル水素電池を用いているので、鉛蓄電池と比べて、体積あたりのエネルギー密度が2倍も大きく、小型及び軽量なシステムを構成できる。しかし、ニッケル水素電池を用いてトリクル充電を行うシステムを構成する場合、前述のように高コストとなってしまう。
なお、ニッケル亜鉛電池等、ニッケル極を用いたアルカリ蓄電池は、トリクル充電を行う場合、充電反応と酸素発生反応とが競争して生じるため、充電効率の点で課題がある。その課題は、高温でのトリクル充電の場合には特に顕著である。ここでの高温とは、30〜60℃程度の常温よりも高い温度である。蓄電池は、過充電による酸素発生反応が多く生じると、電解液が減少し、内部抵抗が増加し、最終的に放電が不可能となる。
トリクル充電方式の採用については以下である。非常用電源システム等において、蓄電池が満充電状態で長期間保持される場合、蓄電池の自己放電により、蓄電池に蓄えられている電力量が減少し、SOC値が低くなっている。そのため、長期間経過後、停電等の非常時に、その蓄電池の放電を利用する際には、定格の性能が発揮できず、利用できない場合がある。そこで、蓄電池の自己放電による電力減少分を補って蓄電池を満充電状態に保持するために、トリクル充電を行うことが好ましい。トリクル充電では、蓄電池のSOCが満充電状態に近付くと、自然にトリクル充電電流が減少する。よって、トリクル充電方式では、蓄電池の過充電を防止できる効果がある。
上記課題等に基づいて、実施の形態のトリクル充電電源システムを構成している。実施の形態のトリクル充電電源システムでは、蓄電池として新たにニッケル亜鉛電池を適用し、その蓄電池に対するトリクル充電を行う。実施の形態のトリクル充電電源システムは、ニッケル亜鉛電池の好適なトリクル充電ができるように、好適なトリクル充電の制御及び制御条件等を設計した構成を有する。これにより、実施の形態のトリクル充電電源システムは、従来のシステムよりも高出力及び大電流の放電を実現し、ニッケル亜鉛電池の寿命を最大限に発揮させる。
[用語]
なお、用語として以下である。CAは、蓄電池の充放電の特性を表す単位である。CAにおけるCは、蓄電池の放電率を表す単位であり、Aは電流値を表すアンペア等の単位を示す。放電率は、電池容量に対する放電時の電流の相対的な比率である。電池容量は、放電させて放電終止までに取り出せる電気量を示し、単位はAh(アンペアアワー)等である。1Cは、公称容量値の容量を持つ単電池を定電流放電して、1時間で放電終了となる電流値を指す。1CAは、1Cの場合に実際に流れる電流値を示す。
[トリクル充電特性]
一般的なトリクル充電の充電特性について、より詳しくは以下である。トリクル充電の際、最初の短い期間(例えば1時間)では、定電流充電として、例えば0.2C等の一定電流値を維持するように、電圧値を例えば1V等の電圧値から徐々に上昇させるように制御される。そして、電圧値が、過充電防止のために1.86V等の一定電圧値に達したら、その後の長い期間では、定電圧充電として、電圧値をその一定電圧値の付近の範囲内に維持するように制御される。その期間では、電流値が最初の一定電流値から減衰し、例えば0.001C等の微小電流となり、その微小電流で充電が継続される。
トリクル充電方式では、長期間で充電が行われるので、充電電圧値による寿命への影響が大きいため、充電電圧値に注意する必要がある。また、温度による充電特性への影響があるので、蓄電池及び充電器部の温度に注意する必要がある。蓄電池の種類及び容量は、停電時、即ち放電時の時間及び負荷の消費電力等に応じて設計する必要がある。
(実施の形態1)
図1〜図3を用いて、本発明の実施の形態のトリクル充電電源システムについて説明する。
[トリクル充電電源システム]
図1は、実施の形態のトリクル充電電源システムの構成を示す。実施の形態のトリクル充電電源システムは、商用電力系統及び負荷2に接続されるシステムであり、トリクル充電システム10、停電検出リレー部4、及びスイッチ5等を備えている。トリクル充電システム10は、トリクル充電を行うシステムであり、充電用電源1と、蓄電池部3とを含む。負荷2は、電気的な負荷となる機器やシステム等である。
トリクル充電システム10は、通常時にはスタンバイ状態であり、即ち停電等に準備するために充電用電源1から蓄電池30にトリクル充電を行う状態である。
充電用電源1は、言い換えると充電器部であり、入力側が、商用電力系統の端子部6に交流電線71を通じて接続されている。充電用電源1は、出力側が、直流電線72を通じて負荷2と接続されている。また、充電用電源1は、直流電線73を通じて、蓄電池部3と接続されている。
端子部6は、商用電力系統から交流電力を入力して充電用電源1へ出力している。交流電線71には、電線75を通じて、停電検出リレー部4が接続されている。停電検出リレー部4は、リレー回路を含み、商用電力系統の交流電力の供給状態として停電状態を検出する。停電検出リレー部4は、信号線を通じてスイッチ5と接続されており、出力する制御信号81により、スイッチ5のオン状態とオフ状態とを切り替える。停電検出リレー部4は、通常状態、即ち非停電状態を検出している時間では、制御信号81として、スイッチ5をオフ状態にするオフ信号を与える。停電検出リレー部4は、停電状態を検出している時間では、制御信号81として、スイッチ5をオン状態にするオン信号を与える。
充電用電源1は、商用電力系統からの交流電力を直流電力へ変換する変換回路であるインバータ等を含んでいる。また、充電用電源1は、蓄電池部3の蓄電池30に対するトリクル充電を行うための制御回路等を含んでいる。
充電用電源1と負荷2との間の直流電線72には、蓄電池部3からの直流電線74が接続されている。直流電線72及び直流電線73を通じて、負荷2には、充電用電源1及び蓄電池部3からの直流電力103が、負荷入力として入力される。
充電用電源1と蓄電池部3との間の直流電線73では、通常時、充電用電源1から蓄電池部3の蓄電池30へ直流電力が供給される。即ち、その直流電力の直流電流により、蓄電池部3の蓄電池30に対する充電101が行われる。
直流電線74では、停電時、蓄電池部3の蓄電池30からの直流電力が出力される。即ち、その直流電力の直流電流により、蓄電池30からの放電102が行われる。放電102の電力は、直流電線74を通じて、負荷2へ直流電力103として供給される。
直流電線74の途中にはスイッチ5が設けられている。スイッチ5は、制御端子に入力される制御信号81に基づいて、オン状態とオフ状態とが切り替えられる。通常時、スイッチ5がオフ状態の時間では、直流電線74が直流電線72に接続されていない開状態となるので、蓄電池30からの放電102が行われない。停電時、スイッチ5がオン状態の時間では、直流電線74が直流電線72に接続された閉状態となるので、蓄電池30からの放電102が行われる。
蓄電池部3は、蓄電池30を含む。蓄電池30は、ニッケル亜鉛電池により構成される。蓄電池部3は、通常時には充電用電源1からのトリクル充電である充電101を受け、停電時には負荷2へ放電102を行う。
トリクル充電電源システムは、通常時には、蓄電池30を負荷2である機器から切り離した状態、即ちスイッチ5をオフ状態とする。そして、充電用電源1から蓄電池部3の蓄電池30を、トリクル充電電流として微小電流、例えば0.001〜0.1Cで充電101を行う。このトリクル充電により、蓄電池30を満充電状態に保持させる。トリクル充電電源システムは、商用電力系統からの電力供給が途絶えた停電時には、停電検出リレー部4により停電を検出してスイッチ5をオン状態として、蓄電池30を負荷2に接続された状態とする。そして、蓄電池部3の蓄電池30から放電102を行い、その電力を直流電力103として負荷2へ供給する。これにより、蓄電池30から充分な放電電力量による直流電力103の供給を実現し、停電時に負荷2である機器の稼動を継続させる。
これにより、実施の形態のトリクル充電電源システムは、従来の鉛蓄電池を用いたトリクル充電電源システム等に比べて、高出力及び大電流の放電を実現する。また、実施の形態のトリクル充電電源システムは、トリクル充電方式により、蓄電池30の過充電を防止し、蓄電池30の寿命を最大限に発揮させる。また、実施の形態のトリクル充電電源システムは、従来のニッケル水素電池等を用いたシステムに比べて、安価なシステムを実現する。また、実施の形態のトリクル充電電源システムは、従来のニッケル水素電池等を用いたシステムに比べて、安全性が高く、環境にクリーンなシステムを実現する。
[蓄電池部]
図2は、実施の形態における蓄電池部3の構成を示す。蓄電池部3は、複数の蓄電池30であるニッケル亜鉛電池の直列接続の構成を有する。蓄電池部3は、複数の単電池が直列に接続されており、これにより組電池が構成されている。蓄電池部3は、複数の蓄電池30に対して、蓄電池制御部31を通じて、直流電線73及び直流電線74が接続されている。蓄電池30の組電池の最上位電位側には正極端子が設けられており、直流電線73及び直流電線74に対して電気的に接続されている。組電池の最下位電位側には負極端子が設けられており、グランドに接続されている。
蓄電池制御部31は、複数の蓄電池30の電流や電圧等の状態を調整、制御する。
また、複数の蓄電池30に対して、蓄電池制御部31を通じて、蓄電池状態検出部32が接続されている。蓄電池状態検出部32は、複数の蓄電池30の電流、電圧、及び温度等の状態を計測、検出する。また、蓄電池状態検出部32は、複数の蓄電池30の電流、電圧、及び温度等の状態に基づいて、蓄電池部3の蓄電池30のSOC値を計算により検出してもよい。トリクル充電システム10は、蓄電池部3の蓄電池状態検出部32の検出値を用いて、蓄電池30の正常/異常等を判定してもよい。トリクル充電システム10は、その検出値のSOC値を用いて、蓄電池30の満充電状態等を判断して、その状態に応じた制御を実行してもよい。その制御の例は、SOC値に応じて充電101や放電102を停止させる制御等が挙げられる。
[蓄電池部の変形例]
なお、変形例として、蓄電池部3は、複数の蓄電池30の直列接続の構成に限らず、複数の蓄電池30の並列接続の構成としてもよい。また、蓄電池部3は、直列接続及び並列接続の両方の構成、即ち、複数の組電池が並列に接続された構成としてもよい。いずれの形態も可能であり、必要な蓄電池容量等の設計に応じて選択すればよい。
[ニッケル亜鉛電池]
蓄電池30として用いるニッケル亜鉛電池の詳細構成例については以下である。ニッケル亜鉛電池は、正極または負極の一方の極にニッケル(Ni)を有し、正極または負極の他方の極に亜鉛(Zn)を有し、アルカリ水溶液から成る電解液を有する。
ニッケル極は、構成要素及び製造方法としては、水酸化ニッケル粒子を主成分とする活物質に対して、添加剤、結着剤等を含む。水酸化ニッケル粒子は、コバルト、亜鉛、カドミウム等が固溶されていてもよく、あるいは、コバルト化合物で表面が被覆されていてもよい。添加剤は、酸化コバルトの他に、金属コバルト、水酸化コバルト等のコバルト化合物、金属亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛等の亜鉛化合物等の希土類化合物、等を用いることができる。結着剤は、親水性または疎水性のポリマー等を用いることができる。より具体的には、結着剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸ナトリウム(SPA)から選択される1種以上を使用することができる。結着剤は、例えば正極活物質粒子100質量部に対して、0.01質量部以上0.5質量部以下となることが好ましい。
亜鉛極は、構成要素及び製造方法としては、少なくとも、酸化亜鉛、亜鉛、ポリテトラフロロエチレン、等を含む。アルカリ水溶液は、例えば水酸化カリウム水溶液が挙げられる。正極と負極とのセパレータとしては、親水性微多孔膜が用いられる。
ニッケル亜鉛電池は、単電池において、例えば公称電圧が1.65V、満充電電圧が1.9Vである。
なお、ニッケル亜鉛電池の充放電のサイクル寿命を延ばすためには、例えば、負極の形態変化、凝集、デンドライトの抑制、負極の導電性の向上、等が必要である。そのための有効な対策手段としては、例えば以下が挙げられる。即ち、負極活物質として、カルシウム、水酸化物、フッ化物、リン酸を添加すること。電解液に、リン酸、フッ化物、炭酸塩を添加すること。セパレータに、ポリオレフィン微多孔膜を使用すること。負極活物質として、ビスマス、鉛、カーボン等を添加すること。
[トリクル充電電圧及びトリクル充電電流]
図2中には、蓄電池30に対するトリクル充電の際のトリクル充電電圧V1、トリクル充電電流I1を示す。なお、実施の形態では、定義として、トリクル充電電圧とは、蓄電池30であるニッケル亜鉛電池の1個あたり、即ち単電池あたりの電圧を指す。
トリクル充電電圧V1は、蓄電池30の過充電を防止できるように適切な値に設定される。実施の形態では、トリクル充電の特性及び制御条件として、トリクル充電電圧V1について、1.82V以上1.86V以下の範囲内にある一定電圧値に設定される(後述の試験例1〜試験例5を参照)。このトリクル充電電圧V1は、電池寿命及び性能の観点から、より好ましい範囲としては、1.84V〜1.86Vの範囲内にある一定電圧値とする(後述の試験例3〜試験例5を参照)。このトリクル充電電圧V1は、更に、その範囲内から好ましい値としては、1.85Vとする(後述の試験例4を参照)。
なお、変形例として、トリクル充電システム10内に、電流制限回路等を設け、トリクル充電電流I1に関して、所定の上限値で制限するようにしてもよい。これにより、過大電流による蓄電池30の寿命短縮を防止する。
実施の形態では、トリクル充電電流I1の電流値としては、好ましい条件として、1C以下とする。なお、ここでの1Cとは、公称容量値の容量を持つニッケル亜鉛電池の単電池を、定電流放電して1時間で放電終了となる電流値である。トリクル充電電流I1の電流値は、より好ましくは、0.5Cとし、更に好ましくは、0.2Cとする。
[SOC管理]
ニッケル亜鉛電池のトリクル充電を行う際、電池寿命及び性能の観点からは、SOCの範囲として、満充電状態を100%として、80%以上100%以下の範囲が好ましい。実施の形態のトリクル充電電源システムでは、蓄電池30であるニッケル亜鉛電池のSOCの管理としては、SOCの範囲として95%以上100%以下とする。即ち、そのSOCの範囲は、上限を満充電状態である100%とし、下限をそれに近い状態である95%とする。トリクル充電システム10は、通常時、蓄電池30のSOC値がそのSOC範囲内に収まるように制御する。
なお、変形例としては、上記SOC範囲以外の範囲(例えば80%〜95%の範囲)で管理するようにしてもよい。
[トリクル充電の制御及び制御条件−実施例]
トリクル充電システム10における充電用電源1から蓄電池部3に対するトリクル充電の制御及びその制御条件については以下である。実施の形態のトリクル充電電源システムは、トリクル充電の制御に関する、以下に示すトリクル充電試験の実施例に基づいて、設計されている。
図3は、実施の形態のトリクル充電電源システムで、試験例及び比較例における制御条件や結果をまとめた表を示す。トリクル充電試験として、試験例1〜5を示す。また、試験例1〜5に対して、比較例1,2を示す。実施の形態では、試験例1〜5に基づいて実施例1〜5を構成した。
表では、列として、順に、試験例及び比較例の識別名称、試験温度[℃]、トリクル充電電圧[V]、初期容量[%]、3回目容量維持率[%]、6回目容量維持率[%]、結果を示す。「初期容量」等は蓄電池のSOC値で表される。「3回目容量維持率」は、例えば3回目のトリクル充電のサイクル後である約半年後に蓄電池の容量が初期容量から維持されている率を表す。「6回目容量維持率」は、例えば6回目のトリクル充電のサイクル後である約1年後における同様の率を表す。「結果」列の値は、各トリクル充電特性の試験例及び比較例の評価値であり、特に「6回目容量維持率」の値についての評価値である。この結果値は、二重丸(◎)は、その値として70%以上であったことを示す。同様に、丸(○)は60%以上で70%未満を示し、三角(△)は50%以上で60%未満を示し、バツ(×)は50%未満を示す。
試験例では、蓄電池として、8Ah−1.65V(公称電圧値)のニッケル亜鉛電池を用いた。そのニッケル亜鉛電池における正極は水酸化ニッケル、負極は酸化亜鉛を用いた。負極と正極の容量比(N/P)は2.5とした。正極と負極とのセパレータとしては、親水化処理ポリプロピレン不織布とPP/PEを用いた。電解液としては、KOH(5M)を用いた。
試験例で構成した蓄電池は、室温25℃において化成処理を行った。化成条件としては、充電電流として1Cで1.5時間ほど充電した後に、1C及びカットオフ電圧として1.9Vの条件で放電する操作を施した。この操作の後、ミリオームメータにおいて蓄電池の内部抵抗を測定した結果は0.0016Ω(1.6mΩ)であった。次に、このようにして得たニッケル亜鉛電池を、充電電流として1C、充電電圧として1.90V、カットオフ電流として0.05Cとなるまで、定電圧充電を行った。これによって、ニッケル亜鉛電池を、満充電状態、即ちSOC値として100%にした。
各試験例及び比較例では、初期容量として上記満充電状態としたニッケル亜鉛電池のそれぞれを、充放電試験装置を用いて、複数回のサイクルのトリクル充電を行う試験を行った。いずれも、試験温度は、45℃とし高温とした。また、いずれも、60日間を1サイクルとした定電圧充電、即ち設定されたトリクル充電電圧の付近の範囲内の一定電圧値に保持されるようにしてその期間でトリクル充電を行った。また、いずれも、定電流放電として、放電電流値を0.25Cとし、カットオフ電圧を1.1Vとした条件で、6回のサイクル、即ち約1年間、実施した。
[実施例1(試験例1)]
試験例1である実施例1では、表に示すように、上記ニッケル亜鉛電池について、トリクル充電電圧を1.82Vとし、トリクル充電電流の最大電流を0.2Cと設定した。トリクル充電電圧を1.82Vとしたまま、1サイクルの定電圧充電を行った。上記条件で定電流放電のサイクルを6回実施した。
[実施例2(試験例2)]
試験例2である実施例2では、上記ニッケル亜鉛電池について、トリクル充電電圧を1.83Vとし、トリクル充電電流の最大電流を0.2Cと設定した。トリクル充電電圧として1.83Vのまま、1サイクルの定電圧充電を行った。上記条件で定電流放電のサイクルを6回実施した。
[実施例3(試験例3)]
試験例3である実施例3では、上記ニッケル亜鉛電池について、トリクル充電電圧を1.84Vとし、トリクル充電電流の最大電流を0.2Cと設定した。トリクル充電電圧として1.84Vのまま、1サイクルの定電圧充電を行った。上記条件で定電流放電のサイクルを6回実施した。
[実施例4(試験例4)]
試験例4である実施例4では、上記ニッケル亜鉛電池について、トリクル充電電圧を1.85Vとし、トリクル充電電流の最大電流を0.2Cと設定した。トリクル充電電圧として1.85Vのまま、1サイクルの定電圧充電を行った。上記条件で定電流放電のサイクルを6回実施した。
[実施例5(試験例5)]
試験例5である実施例5では、上記ニッケル亜鉛電池について、トリクル充電電圧を1.86Vとし、トリクル充電電流の最大電流を0.2Cと設定した。トリクル充電電圧として1.86Vのまま、1サイクルの定電圧充電を行った。上記条件で定電流放電のサイクルを6回実施した。
[比較例1]
比較例1は、上記ニッケル亜鉛電池について、トリクル充電電圧を1.81Vとし、トリクル充電電流の最大電流を0.2Cと設定した。トリクル充電電圧として1.81Vのまま、1サイクルの定電圧充電を行った。上記条件で定電流放電のサイクルを6回実施した。
[比較例2]
比較例2は、上記ニッケル亜鉛電池について、トリクル充電電圧を1.87Vとし、トリクル充電電流の最大電流を0.2Cと設定した。トリクル充電電圧として1.87Vのまま、1サイクルの定電圧充電を行った。
[結果(トリクル充電特性の評価)]
上記試験例及び比較例のトリクル充電特性の評価の結果は、図3の表の「結果」列に示す通りである。「6回目容量維持率」等の値は、各サイクルで定電圧充電後に上記条件(0.25C)で定電流放電した後の蓄電池の容量である放電容量の値に相当する。特に、トリクル充電の試験を行う前の放電容量を初期容量として100%とし、3回目、6回目の放電容量の値を示している。
試験例1では、45℃で約1年間の定電圧充電を行ったが、放電容量は、50%以上が維持された。6回目容量維持率は51%であった。このニッケル亜鉛電池のトリクル充電の試験において、1.82Vの充電電圧(=トリクル充電電圧)に制御することで、電流値は小さい値である0.0100C程度の電流で充電されていた。これによって、ニッケル亜鉛電池が過充電や充電不足になることなく、容量を維持できることが明らかとなった。
試験例2では、同様に約1年間の定電圧充電を行ったが、放電容量は、50%以上が維持された。6回目容量維持率は58%であった。1.83Vの充電電圧に制御することで、電流値は小さい値である0.0125C程度の電流で充電されていた。これによって、同様に、ニッケル亜鉛電池の容量を維持できることが明らかとなった。
試験例3では、同様に約1年間の定電圧充電を行ったが、放電容量は、60%以上が維持された。6回目容量維持率は68%であった。1.84Vの充電電圧に制御することで、電流値は小さい値である0.0140C程度の電流で充電されていた。これによって、同様に、ニッケル亜鉛電池の容量を維持できることが明らかとなった。
試験例4では、同様に約1年間の定電圧充電を行ったが、放電容量は、70%以上が維持された。6回目容量維持率は72%であった。この試験において、1.85Vの充電電圧に制御することで、電流値は小さい値である0.0165C程度の電流で充電されていた。これによって、同様に、ニッケル亜鉛電池の容量を維持できることが明らかとなった。
試験例5では、同様に約1年間の定電圧充電を行ったが、放電容量は、60%以上が維持された。6回目容量維持率は65%であった。この試験において、1.86Vの充電電圧に制御することで、電流値は小さい値である0.0178C程度の電流で充電されていた。これによって、同様に、ニッケル亜鉛電池の容量を維持できることが明らかとなった。
比較例1では、同様に約1年間の定電圧充電を行ったが、放電容量は、50%以下となった。6回目容量維持率は38%であった。この試験において、1.81Vの充電電圧に制御することで、電流値は小さい値である0.0090C程度の電流で充電されていた。しかし、充電不足により、ニッケル亜鉛電池の容量が維持できないことが明らかとなった。
比較例2では、同様に約1年間の定電圧充電を行ったが、約1年経過後の蓄電池の電圧が0.3V付近まで低下したことから、放電容量の測定ができなかった。1.87Vの充電電圧に制御することで、電流値は大きな電流である0.051C程度の電流が流れ続けたため、過充電により蓄電池の容量が維持できないことが明らかとなった。
仮に公称容量の50%を電池寿命と定義する。その場合、比較例1では、電池寿命が9ヶ月になる。比較例2では、電池寿命は、放電容量が測定可能であった8ヶ月になる。
試験例の電池寿命を単純計算によって見積もると以下である。即ち、試験例1では1年である。試験例2では、1年と2ヶ月である。試験例3では、1年と7ヶ月である。試験例4では、1年と10ヶ月である。試験例5では、1年と6ヶ月である。試験例1〜5は、それぞれの電池寿命の期間でのトリクル充電が可能である。
また、今回の試験は、45℃という高温でのトリクル寿命試験とした。仮に温度10℃分による蓄電池劣化の速度が2倍となると定義する場合、室温25℃での電池寿命は以下のように見積もることができる。即ち、試験例1では、4年である。試験例2では、4年と8ヶ月である。試験例3では、6年と4ヶ月である。試験例4では、7年と4ヶ月である。試験例5では、6年である。試験例1〜5は、それぞれの電池寿命の期間でのトリクル充電が可能である。
表に示すように、試験例4では、6回目、約1年での容量維持率が70%以上である72%となったので、結果の値を二重丸(◎)とし、最も好適であると評価した。試験例4は最も好適な実施の形態として採用される。試験例3及び試験例5では、6回目容量維持率が60%以上70%未満となったので、結果の値を丸(○)とし、好適であると評価した。試験例3及び試験例5は、好適な実施の形態として採用される。試験例1及び試験例2では、6回目容量維持率が50%以上60%未満となったので、結果の値を三角(△)とし、可能と評価した。試験例1及び試験例2は、試験例3,4,5に比べると効果が低いものの、充分な効果があるので、実施の形態として採用される。
比較例1及び比較例2では、6回目容量維持率が50%未満(特に40%未満)または測定不能となったので、結果の値をバツ(×)とし、不適と評価とした。比較例1及び比較例2は、効果が低いので、実施の形態として採用しない。
本発明者の検討により、上記試験の結果、試験例1〜5に対応する実施例1〜5から、実施の形態のトリクル充電電源システムにおけるトリクル充電電圧V1の範囲として、1.82V〜1.86Vを得た。比較例のように、このトリクル充電電圧V1の範囲外では、6回目容量維持率が特に40%未満または測定不能となったが、この範囲内では、50%以上、特に実施例4では70%以上となった。即ち、このトリクル充電電圧V1の範囲内では、範囲外に比べて、顕著に優れた効果、及びより好ましい効果が得られた。即ち、この実施例1〜5の範囲内のトリクル充電電圧V1に設定した実施の形態のトリクル充電電源システムは、長期間のトリクル充電及び放電を行った後の蓄電池30の容量維持率が充分に高く、電池寿命が長いという効果が得られる。
[効果等]
上記のように、実施の形態のトリクル充電電源システムによれば、従来の鉛蓄電池等を用いた電源システムよりも、停電時に蓄電池から高出力及び大電流の放電によって負荷への電力供給が可能である放電機能を実現できる。また、実施の形態によれば、そのような放電機能を実現し、蓄電池の過充電等を防止しつつ、蓄電池の寿命をなるべく長くでき、即ち長期間、その放電機能を維持できる。また、実施の形態によれば、そのような放電機能を実現しつつ、従来よりも低コスト、省スペース、高い安全性で、環境にクリーンであることを実現できる。
実施の形態のトリクル充電電源システムは、特に、非常用電源システムに、ニッケル亜鉛電池のトリクル充電システムを組み合わせて適用したシステムである。実施の形態によれば、停電時に蓄電池から負荷である機器への充分な放電電力供給を実現できる、好適な非常用電源システムを提供できる。なお、実施の形態のトリクル充電電源システムは、非常用電源システムに適用することが好ましいが、他の用途にも適用可能である。実施の形態のトリクル充電電源システムは、ハイブリッドシステムや無停電電源装置(UPS)等の地上蓄電設備等に適用可能である。
以上、本発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1…充電用電源、2…負荷、3…蓄電池部、4…停電検出リレー部、5…スイッチ、6…端子部、30…蓄電池、71…交流電線、72,73,74…直流電線、81…制御信号。

Claims (1)

  1. 蓄電池としてニッケル亜鉛電池を含む蓄電池部と、
    商用電力系統、負荷、及び前記蓄電池部に接続される充電用電源と、
    を備え、
    前記ニッケル亜鉛電池は、水酸化ニッケルを正極活物質とする正極と、酸化亜鉛を負極活物質とする負極と、水酸化カリウム水溶液から成る電解液と、を有し、
    通常時には、前記蓄電池部の前記蓄電池を前記負荷に接続されていない状態として、前記商用電力系統の交流電力に基づいて、前記充電用電源から直流電力によって前記蓄電池部の前記蓄電池に対するトリクル充電を行い、
    前記商用電力系統の交流電力が途絶えた停電時には、前記蓄電池部の前記蓄電池を前記負荷に接続された状態として、前記蓄電池部の前記蓄電池から放電による直流電力を前記負荷へ供給し、
    前記蓄電池は、満充電状態が100%である場合に、95%以上100%以下のSOC範囲で運用され、
    前記トリクル充電のトリクル充電電圧は、1.82V以上1.86V以内の範囲内の一定電圧であり、トリクル充電電流は0.2Cである、
    トリクル充電電源システム。
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