JP2001351678A - 高温ナトリウム二次電池 - Google Patents

高温ナトリウム二次電池

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JP2001351678A
JP2001351678A JP2000170404A JP2000170404A JP2001351678A JP 2001351678 A JP2001351678 A JP 2001351678A JP 2000170404 A JP2000170404 A JP 2000170404A JP 2000170404 A JP2000170404 A JP 2000170404A JP 2001351678 A JP2001351678 A JP 2001351678A
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container
tube
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solid electrolyte
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Tadahiko Mitsuyoshi
忠彦 三吉
Manabu Madokoro
間所  学
Hisamitsu Hato
久光 波東
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電池構造が簡素化できて量産性が高く、且つ、
電池温度が異常上昇した際に、ナトリウムの移動が停止
してナトリウムと正極活物質との反応が抑制されると共
に、固体電解質袋管に応力がかからず、安全性が極めて
高い高温ナトリウム二次電池の提供。 【解決手段】一例の構成は、液体ナトリウムを収納した
負極室と、正極活物質を収納した正極室と、前記負極
室、正極室間を分離した固体電解質袋管及び前記固体電
解質袋管の開口部近傍に設けられた絶縁リングとを含
み、負極室内にナトリウム容器と袋管状の安全管が設け
られ、前記安全管側部と前記固体電解質袋管の側部との
平均間隔よりも、前記安全管の側部と前記絶縁リングの
側部との平均間隔又は/及び前記負極容器の側部との平
均間隔、あるいは、前記負極容器の変形を防止する遮蔽
筒の側部との平均間隔の方が短い

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力貯蔵装置や電
気自動車などに用いるに好適な高温ナトリウム二次電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】負極室内に液体ナトリウム、正極室内に
硫黄、多硫化ナトリウム、セレン、テルル、金属塩化物
などの正極活物質を充填し、負極室/正極室間をβ型や
β”型のベータアルミナセラミックスなどの固体電解質
袋管で分離した構造の高温ナトリウム二次電池は、長寿
命でエネルギー密度が大きいことから注目され、電力貯
蔵装置や電気自動車などへの利用が期待されている。
【0003】しかしながら高温ナトリウム二次電池にお
いては、電池が破損して固体電解質袋管にクラックが入
った際に、負極室内のナトリウムと正極室内の正極活物
質とが直接反応して電池温度が上昇し、その結果固体電
解質袋管の破損が拡大して、電池が大破するという安全
上の問題があった。この問題に対処する方法として、例
えば特開平4−253168号公報に見られるように、
負極室内にナトリウム貯蔵容器とナトリウム貯蔵容器か
らのナトリウム排出通路及び通路閉鎖機構を設け、事故
時の温度上昇によるナトリウム貯蔵容器の熱膨張によっ
て、通路閉鎖機構に設けられた吐出口を閉鎖して、ナト
リウム貯蔵容器からのナトリウムの流出を止める方法が
提案されている。しかしながら、この方法においては、
安全性向上のための特別な部品である通路閉鎖機構を設
ける必要があり、電池構造が複雑で量産が困難になると
いう実用上の問題があった。さらに、事故時に電池温度
が上昇した際、ナトリウム貯蔵容器の吐出口とは反対側
が固体電解質袋管で支えられて吐出口が閉鎖されるた
め、ナトリウム貯蔵容器の熱膨張による応力が固体電解
質袋管に直接加わり、固体電解質袋管が軸方向に引張ら
れて、クラックを起点に固体電解質袋管の破損が拡大す
るという問題もあった。このため、場合によっては固体
電解質袋管の破損によって吐出口が再び開いて電池が大
破したり、一度ナトリウムの流出が止まっても、その後
の電池運転停止による温度低下によってナトリウム貯蔵
容器が熱収縮して吐出口が再び開き、ナトリウムが再び
移動して正極活物質と反応した際に、固体電解質袋管の
破損が拡大しているために電池大破につながる可能性が
残されていた。なお、この方法には、一旦固体電解質袋
管が大破した後では通路閉鎖機構が働かなくなるため
に、ナトリウムの移動が止まらず、電池破損が継続して
進むという問題もある。
【0004】これに代わる方法として、特開平6−20
8854号公報や特開平6−342672号公報などに
見られるように、負極室内の固体電解質袋管の内側に隣
接して有底筒状の安全管を設け、電池温度が異常上昇し
た際の安全管の熱膨張によって、安全管と固体電解質袋
管との間隔を閉鎖する方法が提案されている。しかしな
がら、この方法においても、安全管の熱膨張による応力
が固体電解質袋管に直接加わって、固体電解質袋管が円
周方向に引張られる。このため、上記方法の場合と同様
に、クラックを起点に固体電解質袋管の破損が拡大し
て、安全管と固体電解質袋管との間隔が広がって電池が
大破したり、電池運転停止後の温度低下によって安全管
が熱収縮して固体電解袋管との間隔が広がり、ナトリウ
ムが再び移動した際に電池が大破する可能性があった。
また、この方法においても、一旦固体電解質袋管が大破
した後では安全管と固体電解質袋管との間隔が閉鎖でき
ないために、ナトリウムの移動が止められないという問
題がある。
【0005】さらに、特開平8−171931号公報に
は、電池温度が異常上昇した際に低融点合金を溶かして
ナトリウム貯蔵容器(公報では安全管と記載)の出口を
塞ぐ構造が提案されている。しかしながら、この構造で
は固体電解質袋管に熱膨張による応力が加わる問題は無
いが、電池が破損していない場合でも、一度温度が上が
り過ぎるとナトリウムの出口が封鎖されて、その後は電
池が使用できないという電池実用上の問題があった。ま
た、特開平10−64580号公報や特開平8−780
46号公報においては、有底筒状の安全管(公報では隔
壁と記載)の上部に低熱膨張材や反応体を設置し、異常
温度上昇時に低熱膨張材とナトリウム貯蔵容器(公報で
は収納容器と記載)とを密着させたり、電池破損時に負
極内に侵入した正極活物質と反応体とを反応させ、反応
生成物によってその後の正極活物質の侵入を防止する方
法が提案されている。これらの構造においても、固体電
解質袋管に熱膨張による応力が加わる問題は無いが、安
全管の上部に特殊材料から成る特別な部品を追加して設
ける必要があり、電池量産に手間が掛かるという電池実
用上の問題が残されていた。
【0006】このように、高温ナトリウム二次電池の大
破の可能性を低減すると共に電池の量産性を確保して、
電池の実用性を高めるためには、安全対策をさらに工夫
する必要があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来技術の欠点を除き、電池大破の可能性を低減して、
安全性や実用性を高めた高温ナトリウム二次電池を提供
するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の高温ナト
リウム二次電池は、液体ナトリウムを収納した負極室
と、正極活物質を収納した正極室と、前記負極室、正極
室間を分離した固体電解質袋管及び前記固体電解質袋管
の開口部近傍に設けられた絶縁リングとを含む高温ナト
リウム二次電池であって、前記液体ナトリウムが出入り
するための貫通孔を設けたナトリウム容器が前記負極室
内に設置されると共に、前記固体電解質袋管と前記ナト
リウム容器との間に袋管状の安全管が設けられ、前記安
全管の側部外面と前記固体電解質袋管の側部内面との平
均間隔よりも、前記安全管の側部外面と前記絶縁リング
の側部内面との平均間隔又は/及び前記負極容器の側部
内面との平均間隔の方が短いことを特徴としている。ま
た、本発明の第二の高温ナトリウム二次電池は、液体ナ
トリウムを収納した負極室と、正極活物質を収納した正
極室と、前記負極室、正極室間を分離した固体電解質袋
管及び前記固体電解質袋管の開口部近傍に設けられた絶
縁リングとを含む高温ナトリウム二次電池であって、前
記液体ナトリウムが出入りするための貫通孔を設けたナ
トリウム容器が前記負極室内に設置され、前記固体電解
質袋管と前記ナトリウム容器との間に袋管状の安全管が
設けられると共に、前記負極容器の内面に近接して前記
負極容器の変形を防止する遮蔽体が設けられており、前
記安全管の側部外面と前記固体電解質袋管の側部内面と
の平均間隔よりも、前記安全管の側部外面と前記遮蔽体
の側部内面との平均間隔の方が短いことを特徴としてい
る。
【0009】ここで、前記安全管の熱膨張率が前記絶縁
リング又は/及び前記負極容器、あるいは、前記遮蔽筒
の熱膨張率よりも大きく、前記高温ナトリウム二次電池
の温度が異常高温度に達して、前記安全管が熱膨張した
際、前記安全管の側部外面と前記固体電解質袋管の側部
内面とが密着するより低温で、前記安全管の側部外面と
前記絶縁リングの側部内面又は/及び前記負極容器の側
部内面とが密着するか、あるいは、前記安全管の側部外
面と前記遮蔽体の側部内面とが密着することが望まし
い。また、前記安全管がAl又はAl合金製であり、前
記絶縁リングがαアルミナやアルミニウムマグネシウム
スピネルなどのセラミックス製又は/及び前記負極容器
がSUSやFe、Ni、Co、Moなどを主体とするA
lよりも低熱膨張率の金属製であるか、または、前記遮
蔽体が前記低熱膨張率の金属製やセラミックス製あるい
はカーボン製であることが特に望ましい。
【0010】さらに、本発明の第三の高温ナトリウム二
次電池は、液体ナトリウムを収納した負極室と、正極活
物質を収納した正極室と、前記負極室、正極室間を分離
した固体電解質袋管及び前記固体電解質袋管の開口部近
傍に設けられた絶縁リングとを含む高温ナトリウム二次
電池であって、前記液体ナトリウムが出入りするための
貫通孔を設けたナトリウム容器が前記負極室内に設置さ
れ、前記固体電解質袋管と前記ナトリウム容器との間に
袋管状の安全管が設けられており、前記ナトリウム容器
の熱膨張率が前記安全管の熱膨張率よりも大きくて、前
記高温ナトリウム二次電池の温度が異常高温度まで上昇
して、前記ナトリウム容器や前記安全管が熱膨張した
際、前記安全管の側部外面と前記固体電解質袋管の側部
内面とが密着するより低温で、前記ナトリウム容器の外
面と前記安全管の内面とが密着することを特徴としてい
る。ここで、前記ナトリウム容器がAl又はAl合金製
であり、前記安全管がSUSやFe、Ni、Co、Mo
など主体とするAlよりも低熱膨張率の金属製であるこ
とが望ましい。また、前記ナトリウム容器の側部外面と
前記安全管の側部内面との所定位置の平均間隔が他の部
分の平均間隔よりも狭くなるように、前記ナトリウム容
器の側部外面又は/及び前記安全管の側部内面の前記所
定位置に円周状の凸部を設けることが特に望ましい。
【0011】また、本発明の第四の高温ナトリウム二次
電池は、液体ナトリウムを収納した負極室と、正極活物
質を収納した正極室と、前記負極室、正極室間を分離し
た固体電解質袋管及び前記固体電解質袋管の開口部近傍
に設けられた絶縁リングとを含む高温ナトリウム二次電
池であって、前記液体ナトリウムが出入りするための貫
通孔を設けたナトリウム容器が前記負極室内に設置され
ると共に、前記ナトリウム容器の側部外面と前記固体電
解質袋管の側部内面との平均間隔よりも、前記ナトリウ
ム容器の側部外面と前記絶縁リングの側部内面との平均
間隔又は/及び前記負極容器の側部内面との平均間隔の
方が短いことを特徴としている。
【0012】さらに、本発明の第五の高温ナトリウム二
次電池は、液体ナトリウムを収納した負極室と、正極活
物質を収納した正極室と、前記負極室、正極室間を分離
した固体電解質袋管及び前記固体電解質袋管の開口部近
傍に設けられた絶縁リングとを含む高温ナトリウム二次
電池であって、前記液体ナトリウムが出入りするための
貫通孔を設けたナトリウム容器が前記負極室内に設置さ
れ、前記負極容器の内面に近接して前記負極容器の変形
を防止する遮蔽体が設けられており、前記ナトリウム容
器の側部外面と前記固体電解質袋管の側部内面との平均
間隔よりも、前記ナトリウム容器の側部外面と前記遮蔽
体の側部内面との平均間隔の方が短いことを特徴として
いる。ここで、前記ナトリウム容器の熱膨張率が前記絶
縁リング又は/及び前記負極容器、あるいは、前記遮蔽
体の熱膨張率よりも大きく、前記高温ナトリウム二次電
池の温度が異常高温度に達して、前記ナトリウム容器が
熱膨張した際、前記ナトリウム容器の側部外面と前記固
体電解質袋管の側部内面とが密着するより低温で、前記
ナトリウム容器の側部外面と前記絶縁リングの側部内面
又は/及び前記負極容器の側部内面とが密着するか、あ
るいは、前記ナトリウム容器の側部外面と前記遮蔽体の
側部内面とが密着することが望ましい。また、前記ナト
リウム容器がAl又はAl合金製であり、前記絶縁リン
グがαアルミナやアルミニウムマグネシウムスピネルな
どのセラミックス製又は/及び前記負極容器がSUSや
Fe、Ni、Co、Moなどを主体とするAlよりも低
熱膨張率の金属製であるか、または、前記遮蔽体が前記
低熱膨張率の金属製やセラミックス製あるいはカーボン
製であることが特に望ましい。
【0013】さらに、前記異常高温度が450〜550
℃の範囲内にあること、前記貫通孔が前記ナトリウム容
器の側面に設けられていることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を用いて説明
する。
【0015】図1は本発明の高温ナトリウム二次電池の
構造例を示している。図において、1はナトリウムイオ
ン導電性の固体電解質袋管で、普通β型やβ”型のベー
タアルミナセラミックスから成る固体電解質が用いられ
る。2、3は固体電解質袋管1と共にそれぞれ負極室
4、正極室5を構成する負極容器、正極容器であり、A
lやFe、SUSまたはこれらの表面にCrやMo、T
i、Si、Cなどを主体とする耐食層を設けたものやA
l合金とSUS等とのクラッド材が普通に用いられる。
6は負極容器と正極容器とを絶縁し、且つ、これらと接
合された絶縁リングであり、普通αアルミナセラミック
スを用いて、図示されていないが固体電解質袋管1とガ
ラス接合したり、αアルミナやマグネシウムアルミニウ
ムスピネルなどのセラミックスを用いて、固体電解質袋
管1と一体焼結されている。また、負極容器や正極容器
と絶縁リングとの接合には、図示されていないが、Al
やAl合金を接合材として用いて、接合材の液相線温度
以下や固相線温度以下に加熱して、加圧接合する熱圧接
法が一般に行われている。7は負極室内に収納された液
体ナトリウム、8はナトリウム容器であり、ナトリウム
7は放電時には重力や負極室4の一部であるナトリウム
容器内に充填された窒素ガスやArガスなどの不活性ガ
スの圧力で押され、一方充電時には固体電解質袋管を通
して侵入するナトリウムの圧力で押されて、ナトリウム
容器8の下部、すなわち固体電解質袋管1の開口部から
遠い位置に設けた貫通孔9を出入りする。なお、この図
においては、ナトリウム容器8は負極容器2と一体化さ
れているが、ナトリウム容器と負極容器とを分離した構
造も採用できる。
【0016】さらに、10はナトリウム容器8の外面と
固体電解質袋管1の内面との間に配置された袋管状の安
全管で、放電時に貫通孔を通ってナトリウム容器から出
たナトリウムは、安全管の上部開口部を通って固体電解
質袋管の表面へ供給される。一方、充電時には固体電解
質袋管を通して負極室へ侵入したナトリウムは、安全管
の上部開口部を通ってナトリウム容器内へ収納される。
また、11は正極室内に設置された多孔質導電材で、一
般には炭素繊維又は/及び炭素粒子の集合体や金属繊維
集合体などが用いられ、この多孔質導電材に正極活物質
が含浸されて、電池反応を促進している。ここで、高温
ナトリウム二次電池がナトリウム硫黄電池の場合、正極
活物質としては硫黄や多硫化ナトリウムが用いられ、一
方、ナトリウム硫黄電池以外の高温ナトリウム二次電池
においては、正極活物質としては硫黄、セレン、テルル
の元素やこれらの塩化物、金属塩化物(金属はAl、N
i、Feなど)が用いられる。さらに、ナトリウム硫黄
電池においては、普通、固体電解質袋管1と多孔質導電
材11との間に別の多孔質材12が設けられる。この多
孔質材はアルミナやガラスなどの繊維や粒子の集合体か
ら構成され、イオン導電性の正極活物質を含浸する性質
を持ち、ナトリウム硫黄電池などの充電時の抵抗上昇を
押さえ、電池の充放電特性を改善する効果を持ってい
る。なお、多孔質材12内に多孔質導電材11と同様の
多孔質導電材を混合することや、逆に多孔質導電材11
内に多孔質材12と同様な多孔質材を混合することもで
きる。
【0017】図1においては、安全管10の底部外面は
固体電解質袋管1の底部内面と接触しており、また、安
全管の側部外面は固体電解質袋管の側部内面に近接して
配置されているため、固体電解質破損時に正極活物質と
直接反応するナトリウム量が制限され、電池の安全性が
高められる。さらに、図1においては、絶縁リング6の
側部内面又は/及び負極容器2の側部21の内面とが固
体電解質袋管の側部内面よりも内側に位置しており、安
全管の側部外面と固体電解質袋管の側部内面との平均間
隔よりも、安全管の側部外面と絶縁リングの側部内面と
の平均間隔又は/及び前記負極容器の側部内面との平均
間隔の方が短くなっている。このため、固体電解質袋管
にクラックが入ってナトリウムと正極活物質とが直接反
応し、電池温度が運転温度を超えて異常高温度まで上昇
した際には、安全管が熱膨張して絶縁リングの内面や負
極容器の内面と密着し、これによってナトリウムの移動
が停止されるため、その後の反応が抑制されて、電池の
安全性が向上する。さらに、安全管と固体電解質袋管と
が密着するより低温で安全管と絶縁リングや負極容器と
が密着し、ナトリウムと正極活物質とのそれ以後の反応
が抑制されるために、安全管の熱膨張による応力が固体
電解質袋管に加わる恐れは無く、その結果として固体電
解質袋管のクラック進展も起こりにくいため、安全性は
飛躍的に向上する。
【0018】ここで、絶縁リングとしてαアルミナセラ
ミックスが用いられる場合、αアルミナとベータアルミ
ナとは熱膨張率がほぼ等しい。また、絶縁リングとして
マグネシウムアルミニウムスピネルが用いられた場合に
はベータアルミナよりも熱膨張率が若干大きいが、絶縁
リングとしてセラミックスを用いる限り、それほど大き
な差にはならない。このために、安全管の側部外面と絶
縁リングの側部内面との平均間隔を安全管の側部外面と
固体電解質袋管の側部内面との平均間隔よりも短くする
ことにより、安全管と固体電解質袋管とが密着するより
低温で安全管と絶縁リングとを密着させることができ
る。なお、安全管10としては絶縁リングよりも熱膨張
率の大きい、Al、Feやこれらの合金又はSUSなど
の金属を用いることができるが、熱膨張率の大きさから
AlやAl合金を用いることが特に望ましい。
【0019】また、電池の異常高温度で固体電解質袋管
と安全管とを密着させる従来の構造では、固体電解質袋
管としてベータアルミナを、安全管としてAlやAl合
金を用いて、500℃で両者が密着する場合を想定する
と、ベータアルミナの熱膨張率は7×10−6/℃、A
l合金の熱膨張率は24×10−6/℃程度のために、
固体電解質袋管の側部内面の直径が60mmの時には、
室温での固体電解質袋管の側部内面と安全管の側部外面
との平均間隔を約0.24mmと極めて小さくする必要
がある。このため、固体電解質袋管の側部内面をほぼ全
面機械加工したり、安全管の加工時に安全管を一度高温
にして固体電解質袋管の内面と接触させて変形させるな
ど、製造に特別な工夫が必要で、量産性上の問題があっ
た。一方、本発明のように、絶縁リングと安全管とを密
着させる構造では、例えば絶縁リングとしてベータアル
ミナと熱膨張率がほぼ等しいαアルミナを用い、絶縁リ
ングの側部内面の直径を60mmとした場合には、室温
での絶縁リングの側部内面と安全管の側部外面との平均
間隔は上と同じ0.24mmとなる。しかしながら、こ
の構造では絶縁リングの側部の上下方向の厚さが比較的
短くできるため、絶縁リングの側部内面の機械加工は固
体電解質袋管の内面を加工するよりもはるかに容易で、
電池の量産性が高い。
【0020】一方、負極容器2としては普通AlやAl
合金又はSUSが用いられるが、絶縁リング6との接合
部は絶縁リングに拘束されて、ほぼ絶縁リングと同じ熱
膨張となるため、負極容器についても、安全管の側部内
面と負極容器の側部外面との平均間隔を安全管の側部内
面と固体電解質の側部内面との平均間隔よりも短くする
ことにより、安全管と固体電解質袋管とが密着するより
低温で安全管と負極管とを密着させることができる。も
ちろん、安全管をAl又はAl合金製とし、負極容器を
SUSやFe、Ni、Co、Moなどを主体とするAl
よりも低熱膨張率の金属製として、安全管の熱膨張率を
負極容器よりも大きくして異常高温度で両者を密着させ
ることもできる。
【0021】なお、図1の構造においては、安全管10
の底部は固体電解質袋管1の底部と密着しているが、安
全管上部と負極容器2の蓋部22との間には空隙が設け
られていて両者は密着しないため、電池が異常高温度に
達しても、安全管の軸方向の熱膨張によって固体電解質
袋管に軸方向の引張り応力が加わる恐れはない。また、
安全管の上部が絶縁リング6や負極容器の側部21の内
面と密着した際には、それによってナトリウムと正極活
物質との反応が抑制されて、その後の温度上昇は小さ
く、また、密着後の安全管の軸方向の熱膨張による応力
は絶縁リングや負極容器の側面との摩擦力によって固体
電解質袋管に伝わるため、軸方向の引張り応力は極めて
小さくて、固体電解質袋管のクラックを進展させる恐れ
は無い。
【0022】さらに、図1においては、絶縁リング6の
側部内面又は/及び負極容器2の側部21の内面とが固
体電解質袋管の側部内面よりも内側に設置されている
が、この代わりに、図示されていないが、絶縁リングや
負極容器の側部に近接した安全管10の側面を外側に広
げて、安全管の側部外面と固体電解質袋管の側部内面と
の平均間隔よりも、安全管の側部外面と絶縁リングの側
部内面との平均間隔又は/及び前記負極容器の側部内面
との平均間隔を短くすることもできる。
【0023】一方、図1の構造において、ナトリウム容
器8の側部外面と安全管10の側部内面とを近接させ、
且つ、ナトリウム容器にAlやAl合金などの高熱膨張
金属材料を用い、安全管にSUSやFe、Ni、Co、
Moなどを主体とするAlよりも低熱膨張率の金属を用
いることもできる。こうすることにより、固体電解質袋
管にクラックが入って電池温度が運転温度を超えて異常
高温度まで上昇した際、ナトリウム容器が熱膨張して安
全管の側部内面と密着し、これによってナトリウムの移
動が停止されるため、その後の反応が抑制されて電池の
安全性が向上する。また、この構造ではナトリウム容器
の側部外面と安全管の側部内面との間隔は軸方向でほぼ
一定となっているために、ナトリウム容器の熱膨張によ
ってこの間隔が全体的に低下して、ナトリウム容器と安
全管が密着しなくてもナトリウムの移動速度が大幅に低
下して、電池の安全性が高められる。さらに、安全管の
側部が熱膨張して固体電解質袋管の側部内面と密着する
より低温でナトリウム容器と安全管とを密着させること
により、安全管の熱膨張による応力が固体電解質袋管に
加わることは無くなり、その結果として固体電解質袋管
のクラック進展も起こりにくくなって、安全性は飛躍的
に向上する。なお、このためには、ナトリウム容器、安
全管および固体電解質袋管の熱膨張率をそれぞれα1、
α2、α3、これらの側面半径をそれぞれr1、r2、
r3、ナトリウム容器の側部外面と安全管の側部内面と
の平均間隔をt1、安全管の側部外面と固体電解質袋管
の側部内面との平均間隔をt2とした際に、(α1×r
1−α2×r2)/t1>(α2×r2−α3×r3)
/t2となるように、部品の寸法や熱膨張率を選べば良
い。また、この場合、図1のように絶縁リング6の側部
内面又は/及び負極容器の側部21の内面とを固体電解
質袋管の側部内面よりも内側に配置する代わりに、図示
されていないが、これらの内面を固体電解質袋管の側部
内面と同じ位置や外側に配置しても良い。さらに、この
構造では、ナトリウム容器8の底部外面と安全管10の
底部内面との間隔を比較的広くして、ナトリウム容器が
軸方向に熱膨張して安全管の底部と接するのを防止し、
固体電解質袋管へ軸方向の引張り応力が加わる可能性を
無くしている。
【0024】このように、本発明の構造によれば、特別
な部品を設けなくても安全性が向上するため、電池の量
産性が高くできる。また、固体電解質袋管のクラック進
展の恐れがなく、安全性と量産性の確保された実用性の
高い高温ナトリウム二次電池が実現できる。
【0025】また、図1では、貫通孔9はナトリウム容
器8の側面下部に1個設けられているが、複数個設ける
ことやナトリウム容器の底部に設けることも可能であ
る。但し、貫通孔9をナトリウム容器の底部に設けた場
合、ナトリウム中に異物が混入すると、異物が沈んで貫
通孔を塞ぐ恐れがある。これに対して、貫通孔をナトリ
ウム容器の側面に設ければ、異物による貫通孔の閉鎖が
起こりにくく、電池の信頼性が高いという利点がある。
なお、電池の特性向上のために電池を寝かせて運転する
可能性もあるが、その場合には図1のように貫通孔をナ
トリウム容器の側面の固体電解質袋管の開口部から遠い
位置に設けて、貫通孔を設けた部分を下にして電池を寝
かせて運転すれば良い。さらに、貫通孔の面積としては
1平方ミリメートル以下程度が望ましく、貫通孔が複数
個ある場合には、貫通孔の面積の合計を1平方ミリメー
トル以下程度にすれば良い。
【0026】図2は本発明の高温ナトリウム二次電池の
別の構造例を示しており、図1と同じ符号で示したもの
は同じ内容を示している。図2においては、負極容器の
側部21の内面に隣接して筒状の遮蔽体13が設けられ
ており、この遮蔽体によって絶縁リング6との熱圧接時
に負極容器の側部が内側へ変形するのを防止している。
なお、この遮蔽体は負極容器がAlやAl合金製の場合
には不可欠であり、これがないと負極容器が内側へ変形
して、電池の組立てが困難となる。また、この構造にお
いては、安全管10の側部外面と遮蔽体13の側部内面
との平均間隔が安全管の側部外面と固体電解質袋管1の
側部内面との平均間隔よりも短くなっている。この結
果、固体電解質袋管にクラックが入ってナトリウムと正
極活物質とが直接反応し、電池温度が運転温度を超えて
異常高温度まで上昇した際には、安全管が熱膨張して絶
縁体の内面と密着し、これによってナトリウムの移動が
停止されるため、その後の反応が抑制されて、電池の安
全性が向上する。さらに、安全管の側部外面と固体電解
質袋管の側部内面とが密着するより低温で安全管と遮蔽
体とが密着し、ナトリウムと正極活物質とのそれ以後の
反応が抑制されるために、安全管の熱膨張による応力が
固体電解質袋管に加わる恐れは無く、その結果として固
体電解質袋管のクラック進展も起こりにくいため、安全
性は飛躍的に向上する。
【0027】ここで、遮蔽体13の外側は絶縁リングと
接合された負極容器の側部21で支えられているため、
熱膨張による変形が抑制され、安全管の熱膨張によって
容易に安全管と遮蔽体とを密着することができる。ま
た、安全管をAl又はAl合金製とし、遮蔽体をSUS
やFe、Ni、Co、Moなどを主体とするAlよりも
低熱膨張率の金属製、または、セラミックスあるいはカ
ーボンなどの低熱膨張材として、安全管の熱膨張率を遮
蔽体よりも大きくし、電池の異常高温時に安全管と遮蔽
体とを密着させることもできる。
【0028】さらに、図2において、ナトリウム容器8
の外面と安全管の内面とを近接させ、且つ、ナトリウム
容器にAlやAl合金などの高熱膨張金属材料を用い、
安全管にSUSやFe、Ni、Co、Moなどを主体と
するAlよりも低熱膨張率の金属を用いることもでき
る。こうすることにより、固体電解質袋管にクラックが
入って電池温度が運転温度を超えて異常高温度まで上昇
した際、ナトリウム容器が熱膨張して安全管の内面と密
着し、これによってナトリウムの移動が停止されるた
め、その後の反応が抑制されて電池の安全性が向上す
る。さらに、安全管の側部が熱膨張して固体電解質袋管
の側部内面と密着するより低温でナトリウム容器の側部
外面と安全管の側部内面とを密着させることにより、安
全管の熱膨張による応力が固体電解質袋管に加わること
は無くなり、その結果として固体電解質袋管のクラック
進展も起こりにくくなって、安全性は飛躍的に向上す
る。
【0029】なお、図2ではナトリウム容器の底部に貫
通孔9が設けられているために、ナトリウム容器の底部
外面が軸方向の熱膨張によって安全管の底部内面と密着
した場合にも、ナトリウムの移動を防止することができ
る。なお、このためには、図示されているようにナトリ
ウム容器の上部にベローズ81を設けるなどの方法によ
り、ナトリウム容器の軸方向の熱膨張による応力を低減
して、固体電解質袋管へ加わる軸方向の引張り応力を低
減する必要がある。また、安全管の上部開口部と負極容
器2との間に間隙を設けて、安全管の軸方向の熱膨張に
よる負極容器との接触を防止すると共に、安全管の径方
向の熱膨張により安全管の側部外面と固体電解質袋管の
側部内面とが密着するより低温で、ナトリウム容器の底
部外面を安全管の底部内面と密着させてナトリウムと正
極活物質との反応を抑制することにより、固体電解質袋
管への応力印加を抑制して、電池の安全性を高めること
ができる。
【0030】図3も本発明の高温ナトリウム二次電池の
別の構造例を示しており、図1、図2と同じ符号で示し
たものは同じ内容を示している。図3においては、ナト
リウム容器8が負極容器2と分離されており、負極室4
の一部であるナトリウム容器内に充填されたArガスや
不活性ガスによって、ナトリウム容器内のナトリウム7
は押され、側面下部に設けた貫通孔9を出入りする。こ
の構造においては、ナトリウム容器にAlやAl合金な
どの高熱膨張金属材料を用い、安全管にSUSやFe、
Ni、Co、Moなどを主体とするAlよりも低熱膨張
率の金属を用いると共に、ナトリウム容器の側部に外向
きに凸部82を設けて、この位置でのナトリウム容器の
側部外面と安全管の側部内面との平均間隔を他の部分よ
りも短くしている。このように、ナトリウム容器と安全
管との密着位置を凸部によって規程することにより、熱
膨張時の密着の信頼性を向上して、安全設計の精度が向
上できるという利点がある。なお、図示されていない
が、この代わりに安全管の側部に内向きに凸部を設けた
り、ナトリウム容器と安全管の両方に凸部を設けて、そ
の位置での安全管とナトリウム容器との平均間隔を短く
することもできる。こうすることにより、固体電解質袋
管にクラックが入って電池温度が運転温度を超えて異常
高温度まで上昇した際、ナトリウム容器が熱膨張して安
全管と密着し、これによってナトリウムの移動が停止さ
れるため、その後の反応が抑制されて電池の安全性が向
上する。さらに、安全管の側部が熱膨張して固体電解質
袋管の側部内面と密着するより低温でナトリウム容器と
安全管とを凸部82を設けた位置で密着させることによ
り、安全管の熱膨張による応力が固体電解質袋管に加わ
ることは無くなり、その結果として固体電解質袋管のク
ラック進展も起こりにくくなって、安全性は飛躍的に向
上する。また、この構造においては、安全管底部が固体
電解質袋管の底部に、ナトリウム容器底部が安全管底部
に密着しているが、安全管の上部、ナトリウム容器の上
部共に負極容器2との間に間隔が設けられているため
に、安全管やナトリウム容器の軸方向の熱膨張で固体電
解質袋管に軸方向の引張り応力が加わる恐れはない。
【0031】また、図4は本発明の高温ナトリウム二次
電池の別の構造を示しており、図1、図2、図3と同じ
符号で示したものは同じ内容を示している。この図にお
いては電池は横に寝かせた構造となっており、また、安
全管は省略されていて、ナトリウム容器8の側部外面と
遮蔽体13の側部内面との平均間隔がナトリウム容器の
側部外面と固体電解質袋管1の側部内面との平均間隔よ
りも短くなっている。こうすることにより、電池構造が
簡素化されて実用性が高まると共に、電池異常加熱時に
ナトリウム容器が熱膨張して遮蔽体と密着して、固体電
解質袋管とは反対側に設けた貫通孔9から供給されるナ
トリウム7の移動を停止し、固体電解質袋管に応力を加
えることなく、電池の安全性が確保できる。また、固体
電解質袋管が大きく破損した場合にもナトリウムの移動
が停止するため、電池の安全性が極めて高く保たれる。
なお、図4の構造において、ナトリウム容器8の上部側
面と負極容器の側部21との平均間隔をナトリウム容器
の側部外面と固体電解質袋管1の側部内面との平均間隔
より狭くして、電池の異常加熱時の際にナトリウム容器
の側部外面が固体電解質袋管の側部内面と密着するより
低温で、ナトリウム容器の上部側面と負極容器の側部と
を密着させても良い。また、図示されていないが遮蔽体
を省略し、図1の構造と類似して、ナトリウム容器8の
側部外面と絶縁リング6の側部内面との平均間隔をナト
リウム容器の側部外面と固体電解質袋管1の側部内面と
の平均間隔よりも短くして、安全性を向上することも可
能である。ここで、ナトリウム容器8がAl又はAl合
金製であり、絶縁リング6がαアルミナやアルミニウム
マグネシウムスピネルなどのセラミックス製又は/及び
負極容器の側部21がSUSやFe、Ni、Co、Mo
などを主体とするAlよりも低熱膨張率の金属製である
か、または、遮蔽体13が前記低熱膨張率の金属製やセ
ラミックス製あるいはカーボン製であることができる。
こうすることにより、ナトリウム容器8の熱膨張率が絶
縁リング6又は/及び負極容器の側部21、あるいは、
遮蔽体13の熱膨張率よりも大きくなり、高温ナトリウ
ム二次電池の温度が異常高温度に達して、ナトリウム容
器が熱膨張した際、ナトリウム容器の側部外面と固体電
解質袋管の側部内面とが密着するより低温で、ナトリウ
ム容器の側部外面と絶縁リングの側部内面又は/及び負
極容器の側部内面とが密着するか、あるいは、ナトリウ
ム容器の側部外面と前記遮蔽体の側部内面とが密着する
ことにより、固体電解質袋管に応力を加えること無く、
ナトリウムの移動を抑制して、電池の安全性を高めるこ
とができる。
【0032】なお、図1、図2、図3、図4において、
安全管やナトリウム容器と絶縁リングや負極容器側部あ
るいは遮蔽体との密着、または、ナトリウム容器と安全
管との密着が起こる異常高温度は450〜550℃の範
囲内であることが望ましい。高温ナトリウム二次電池の
運転温度の上限は電池寿命の制約のために約400℃以
下であり、電池の正常な運転中に密着によるナトリウム
移動停止を起こさないためには、温度にある程度の余裕
を持たせて、密着が起こる異常高温度は約450℃以上
であることが望ましい。一方、負極容器や正極容器と絶
縁リングとの接合に一般に用いられるAlやAl合金製
の接合材の液相線温度は約600℃のため、接合部の剥
離を防いで信頼性を高めるためには、密着が起こる異常
高温度を約550℃以下にすることが望ましい。なお、
密着が起こる温度は、密着する部品の寸法と熱膨張率及
び密着する部品間の間隔より、容易に設計することがで
きる。また、本発明では、ナトリウムの移動防止に固体
電解質袋管が関与していないため、例え固体電解質袋管
が大破したとしても、安全管やナトリウム容器の熱膨張
によってナトリウムの移動が防止され、その後の電池破
損の継続が抑制されるという利点がある。
【0033】具体例として、図1に示すように、固体電
解質袋管1としてリチウムドープのβ”アルミナ焼結体
からなる外径約60mm、長さ約600mm、肉厚約
1.5mmの円筒状袋管を用いた。また、負極容器2及
びナトリウム容器8の材料にはAl合金を、正極容器3
にはAl合金の胴部表面にクロム合金を溶射したものを
用い、ナトリウム容器の側面下部に貫通孔9を設けた。
さらに、ナトリウム容器8と固体電解質袋管1との間
に、SUS430製の袋管状安全管10を設置した。こ
こで、室温における固体電解質袋管の側部内径は57m
m、安全管の側部外径は55.5mm、内径は53.5
mm、ナトリウム容器の側部外形は53.2mmであ
る。一方、絶縁リング6としてはαアルミナ焼結体を用
いて、固体電解質の開口部とガラス接合した後、絶縁部
材の表面に負極容器、正極容器の端部を配置し、Al−
Si−Mg系の合金箔を用いて、負極容器、正極容器の
端部と絶縁部材とを熱圧接した。次に、負極室4内にナ
トリウム7と約0.01MPaのArガスを充填し、こ
のガス圧でナトリウムが安全管下部の貫通孔9を通っ
て、固体電解質袋管の内表面を覆うようにした。一方、
正極室5内には充填率10〜30%の炭素繊維マットか
ら成る多孔質材11とアルミナ繊維集合体から成る多孔
質材12を充填し、正極活物質として硫黄を含浸して、
正極モールドを形成した。このように比較的簡単な構造
で、量産性や実用性の高いナトリウム硫黄電池を作製し
た。
【0034】得られたナトリウム硫黄電池を室温から運
転温度まで30回昇降温した結果、電池の構造や性能に
は全く問題は起こらなかった。また、電池を過充電して
固体電解質袋管にクラックを設けても、ナトリウム容器
が熱膨張して安全管に密着し、ナトリウムの移動が停止
するためにそれ以上の電池の破損は起こらず、電池の高
安全性が確認された。なお、この構造においては、熱膨
張係数が固体電解質袋管は約7×10−6/℃、安全管
は約12×10−6/℃、ナトリウム容器は約24×1
0−6/℃である。このため、電池運転温度である33
0℃では固体電解質袋管の側部内面と安全管の側部外面
との平均間隔は約0.71mm、安全管の側部内面とナ
トリウム容器の側部外面との平均間隔は約0.05mm
であり、ナトリウムは電池の充放電時に正常に移動する
が、電池温度が運転温度を超えて異常高温度である50
0℃に達すると、安全管の側部内面とナトリウム容器の
側部外面とが密着して、ナトリウムの移動が停止する。
なお、この際の固体電解質袋管の側部内面と安全管の側
部外面との平均間隔は約0.69mmで隙間が残るた
め、安全管の熱膨張によって固体電解質袋管に円周方向
の引張り応力が加わる恐れはなく、電池の安全性が確保
される。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、安全性向上のために特
別な部品を設ける必要がないため、高温ナトリウム二次
電池の構造が簡素化でき、且つ、電池の製造が容易で量
産性が高い。また、固体電解質袋管にクラックが入って
電池温度が異常上昇した際には、ナトリウムの移動が停
止してナトリウムと正極活物質との反応が抑制されると
共に、固体電解質袋管に応力がかからないためにクラッ
ク進展の恐れがなく、安全性に極めて優れた、実用性の
高い高温ナトリウム二次電池が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高温ナトリウム二次電池の構造例を示
す構造図である。
【図2】本発明の高温ナトリウム二次電池の構造例を示
す構造図である。
【図3】本発明の高温ナトリウム二次電池の構造例を示
す構造図である。
【図4】本発明の高温ナトリウム二次電池の構造例を示
す構造図である。
【符号の説明】
1…固体電解質袋管、2…負極容器、3…正極容器、4
…負極室、5…正極室、6…絶縁リング、7…ナトリウ
ム、8…ナトリウム容器、9…貫通孔、10…安全管、
13…遮蔽体、21…負極容器の側部、82…凸部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 波東 久光 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 Fターム(参考) 5H029 AJ12 AJ14 AK01 AL13 AM15 BJ02 BJ27 DJ04 DJ07 DJ08 DJ09 DJ17 EJ01 EJ08 HJ04 HJ14

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体ナトリウムを収納した負極室と、正
    極活物質を収納した正極室と、前記負極室、正極室間を
    分離した固体電解質袋管及び前記固体電解質袋管の開口
    部近傍に設けられた絶縁リングとを含む高温ナトリウム
    二次電池であって、前記液体ナトリウムが出入りするた
    めの貫通孔を設けたナトリウム容器が前記負極室内に設
    置されると共に、前記固体電解質袋管と前記ナトリウム
    容器との間に袋管状の安全管が設けられ、前記安全管の
    側部外面と前記固体電解質袋管の側部内面との平均間隔
    よりも、前記安全管の側部外面と前記絶縁リングの側部
    内面との平均間隔又は/及び前記負極容器の側部内面と
    の平均間隔の方が短いことを特徴とする高温ナトリウム
    二次電池。
  2. 【請求項2】 液体ナトリウムを収納した負極室と、正
    極活物質を収納した正極室と、前記負極室、正極室間を
    分離した固体電解質袋管及び前記固体電解質袋管の開口
    部近傍に設けられた絶縁リングとを含む高温ナトリウム
    二次電池であって、前記液体ナトリウムが出入りするた
    めの貫通孔を設けたナトリウム容器が前記負極室内に設
    置され、前記固体電解質袋管と前記ナトリウム容器との
    間に袋管状の安全管が設けられると共に、前記負極容器
    の内面に近接して前記負極容器の変形を防止する遮蔽体
    が設けられており、前記安全管の側部外面と前記固体電
    解質袋管の側部内面との平均間隔よりも、前記安全管の
    側部外面と前記遮蔽体の側部内面との平均間隔の方が短
    いことを特徴とする高温ナトリウム二次電池。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記安全管の
    熱膨張率が前記絶縁リング又は/及び前記負極容器、あ
    るいは、前記遮蔽体の熱膨張率よりも大きく、前記高温
    ナトリウム二次電池の温度が異常高温度に達して、前記
    安全管が熱膨張した際、前記安全管の側部外面と前記固
    体電解質袋管の側部内面とが密着するより低温で、前記
    安全管の側部外面と前記絶縁リングの側部内面又は/及
    び前記負極容器の側部内面とが密着するか、あるいは、
    前記安全管の側部外面と前記遮蔽体の側部内面とが密着
    することを特徴とする高温ナトリウム二次電池。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記安全管がAl又
    はAl合金製であり、前記絶縁リングがαアルミナやア
    ルミニウムマグネシウムスピネルなどのセラミックス製
    又は/及び前記負極容器がSUSやFe、Ni、Co、
    Moなどを主体とするAlよりも低熱膨張率の金属製で
    あるか、または、前記遮蔽体が前記低熱膨張率の金属製
    やセラミックス製あるいはカーボン製であることを特徴
    とする高温ナトリウム二次電池。
  5. 【請求項5】 液体ナトリウムを収納した負極室と、正
    極活物質を収納した正極室と、前記負極室、正極室間を
    分離した固体電解質袋管及び前記固体電解質袋管の開口
    部近傍に設けられた絶縁リングとを含む高温ナトリウム
    二次電池であって、前記液体ナトリウムが出入りするた
    めの貫通孔を設けたナトリウム容器が前記負極室内に設
    置され、前記固体電解質袋管と前記ナトリウム容器との
    間に袋管状の安全管が設けられており、前記ナトリウム
    容器の熱膨張率が前記安全管の熱膨張率よりも大きく
    て、前記高温ナトリウム二次電池の温度が異常高温度ま
    で上昇して、前記ナトリウム容器や前記安全管が熱膨張
    した際、前記安全管の側部外面と前記固体電解質袋管の
    側部内面とが密着するより低温で、前記ナトリウム容器
    の外面と前記安全管の内面とが密着することを特徴とす
    る高温ナトリウム二次電池。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記ナトリウム容器
    がAl又はAl合金製であり、前記安全管がSUSやF
    e、Ni、Co、Moなど主体とするAlよりも低熱膨
    張率の金属製であることを特徴とする高温ナトリウム二
    次電池。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6において、前記ナトリウ
    ム容器の側部外面と前記安全管の側部内面との所定位置
    の平均間隔が他の部分の平均間隔よりも狭くなるよう
    に、前記ナトリウム容器の側部外面又は/及び前記安全
    管の側部内面の前記所定位置に円周状の凸部を設けるこ
    とを特徴とする高温ナトリウム二次電池。
  8. 【請求項8】 請求項1、2又は5において、前記貫通
    孔が前記ナトリウム容器の側面に設けられていることを
    特徴とする高温ナトリウム二次電池。
  9. 【請求項9】 液体ナトリウムを収納した負極室と、正
    極活物質を収納した正極室と、前記負極室、正極室間を
    分離した固体電解質袋管及び前記固体電解質袋管の開口
    部近傍に設けられた絶縁リングとを含む高温ナトリウム
    二次電池であって、前記液体ナトリウムが出入りするた
    めの貫通孔を設けたナトリウム容器が前記負極室内に設
    置されると共に、前記ナトリウム容器の側部外面と前記
    固体電解質袋管の側部内面との平均間隔よりも、前記ナ
    トリウム容器の側部外面と前記絶縁リングの側部内面と
    の平均間隔又は/及び前記負極容器の側部内面との平均
    間隔の方が短いことを特徴とする高温ナトリウム二次電
    池。
  10. 【請求項10】 液体ナトリウムを収納した負極室と、
    正極活物質を収納した正極室と、前記負極室、正極室間
    を分離した固体電解質袋管及び前記固体電解質袋管の開
    口部近傍に設けられた絶縁リングとを含む高温ナトリウ
    ム二次電池であって、前記液体ナトリウムが出入りする
    ための貫通孔を設けたナトリウム容器が前記負極室内に
    設置され、前記負極容器の内面に近接して前記負極容器
    の変形を防止する遮蔽体が設けられており、前記ナトリ
    ウム容器の側部外面と前記固体電解質袋管の側部内面と
    の平均間隔よりも、前記ナトリウム容器の側部外面と前
    記遮蔽体の側部内面との平均間隔の方が短いことを特徴
    とする高温ナトリウム二次電池。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10において、前記ナト
    リウム容器の熱膨張率が前記絶縁リング又は/及び前記
    負極容器、あるいは、前記遮蔽体の熱膨張率よりも大き
    く、前記高温ナトリウム二次電池の温度が異常高温度に
    達して、前記ナトリウム容器が熱膨張した際、前記ナト
    リウム容器の側部外面と前記固体電解質袋管の側部内面
    とが密着するより低温で、前記ナトリウム容器の側部外
    面と前記絶縁リングの側部内面又は/及び前記負極容器
    の側部内面とが密着するか、あるいは、前記ナトリウム
    容器の側部外面と前記遮蔽体の側部内面とが密着するこ
    とを特徴とする高温ナトリウム二次電池。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記ナトリウム
    容器がAl又はAl合金製であり、前記絶縁リングがα
    アルミナやアルミニウムマグネシウムスピネルなどのセ
    ラミックス製又は/及び前記負極容器がSUSやFe、
    Ni、Co、Moなどを主体とするAlよりも低熱膨張
    率の金属製であるか、または、前記遮蔽体が前記低熱膨
    張率の金属製やセラミックス製あるいはカーボン製であ
    ることを特徴とする高温ナトリウム二次電池。
  13. 【請求項13】 請求項3、5又は11において、前記
    異常高温度が450〜550℃の範囲内にあることを特
    徴とする高温ナトリウム二次電池。
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