JP2001350003A - 黒色反射防止膜およびそれを用いた光学装置。 - Google Patents

黒色反射防止膜およびそれを用いた光学装置。

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JP2001350003A
JP2001350003A JP2000173428A JP2000173428A JP2001350003A JP 2001350003 A JP2001350003 A JP 2001350003A JP 2000173428 A JP2000173428 A JP 2000173428A JP 2000173428 A JP2000173428 A JP 2000173428A JP 2001350003 A JP2001350003 A JP 2001350003A
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film
black
light
reflection
antireflection film
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JP2000173428A
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Takahiro Domoto
隆裕 道本
Ichirou Ono
五千郎 小野
Shigeru Iketani
繁 池谷
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、得られた黒色膜での特性によら
ず、所望の反射率が得られる黒色反射防止膜を得ること
を目的とする。 【解決手段】 本発明では、基板1上に形成された黒色
被膜2と、前記黒色被膜2の上に形成され、前記基板1
が配置されている雰囲気と異なる屈折率を有した透明な
物質からなる反射防止膜3、4とから黒色反射防止膜を
構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の反射を低減す
る黒色反射防止膜および、その黒色反射防止膜を用いた
光学機器に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】カメラや顕微鏡などの光学機器において
は、メイン光路を通過した光線の一部がレンズ表面、端
面および鏡筒内面で散乱してゴーストを形成するといっ
た問題があった。このため、鏡筒内面に使用される部品
にはレンズ表面を除く大部分に黒色艶消し塗装や黒色メ
ッキ、黒色陽極酸化膜などを形成している。
【0003】黒色膜を形成する方法としては、黒色塗装
や黒色メッキなどの表面処理が広く利用されている。例
えば、黒色塗装の場合は次の通りである。有機溶剤で溶
解した透明樹脂の成分中に黒色顔料を分散させて塗料を
作る。その塗料を基材表面に刷毛やスプレーにて塗装し
ている。また、黒色メッキでは黒色クロムメッキや黒色
ニッケルメッキが用いられる。また、ほかにもアルミ基
材に黒色膜を形成する場合は、基材表面を陽極酸化して
開口部を設け、この中に黒色染料を染み込ませて封孔す
る黒色アルマイト処理を代表とする陽極酸化が広く使用
される。
【0004】ところで、近年、半導体露光装置のような
短波長単色光源を用いた光学装置においては、鏡筒内部
に黒色塗料を塗布してしまうと、黒色塗料が光線の照射
により分解してしまい、分解された成分が光線のエネル
ギーによってレンズをおせんさせる物質としてレンズ表
面に新たに形成される。また、黒色アルマイト処理の場
合でも、被膜中の染料が分解して同様な問題を引き起こ
してしまう。この他にも、塗料に含まれる低分子量の有
機物による汚染を含め、有機材料を用いる黒色膜からは
レンズを汚染してしまうガスが放出されてしまうので、
このことが問題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この様な汚染ガスの放
出を防ぐため、近年、気相蒸着法による黒色膜を反射防
止膜として使用することが試みられている。この様に気
相蒸着法を用いて黒色反射防止膜を形成すれば、有機材
料を用いることが無いので、ガスの発生は防げる。しか
し、黒色膜からの反射率には成膜条件により、大きなバ
ラツキが発生してしまい、安定して反射率の低減を試み
ることが難しい。
【0006】そこで、本発明は、得られた黒色膜での特
性によらず、所望の反射率が得られる黒色反射防止膜を
得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
するために、本発明では、基板上に形成された黒色被膜
と、前記黒色被膜の上に形成され、各界面と隣接するも
のと異なる屈折率を有した透明な物質からなる反射防止
膜とから黒色反射防止膜を構成した。
【0008】この様に、黒色被膜の上に各界面と隣接す
る物質と異なる屈折率を有する反射防止膜を形成するこ
とで、黒色被膜単体よりも反射率を確実に低下させ、所
望の反射率が得られるようになる。
【0009】更に、本発明では、前記反射防止膜は、酸
化物又はフッ化物からなることとした。この様に反射防
止膜を酸化物やフッ化物にすることで、反射防止膜には
有機物質を含有させていないので、短い波長の光が照射
されたとしても反射防止膜からガスが発生しないので、
黒色反射防止膜が成膜された光学部品の光学面が汚染さ
れることを防ぐことが可能となった。
【0010】また更に、本発明では、前記黒色被膜およ
び前記反射防止膜は気相蒸着法によって形成された膜で
あることとした。この様に黒色被膜及び反射防止膜とも
に気相蒸着法により成膜することで、それぞれの膜を成
膜時に同じ装置で成膜出来るので、製造上容易となる。
【0011】また、本発明では、前記基板は光学素子を
支持する鏡筒であり、前記鏡筒の内部に請求項1乃至3
のいずれか一項に記載の黒色反射防止膜が施されている
ことを特徴とする光学装置とした。
【0012】この様に黒色被膜と反射防止膜で形成され
た黒色反射防止膜を鏡筒の内面に使用することで、その
鏡筒に支持された光学素子に光が通過しても、光学素子
表面で反射し鏡筒に照射された光が迷光として存在せ
ず、良好な光学特性を得ることができる。また、更にガ
スの発生も防ぐことができる。
【0013】そして、この光学装置は、波長250ナノ
メートル以下の光を発する光源と、前記光源からの光を
被投影物に照射する照明手段とを更に有し、前記鏡筒に
支持された光学素子により前記被投影物の像を所望の面
に結像させることを特徴とする光学装置とした。この様
に250nm以下という有機物質が分解してしまうよう
な波長域の光が鏡筒内部を通過しても、ガスの発生が無
く迷光が少ない光学装置である。
【0014】次に、本発明に係わる実施の形態を例示し
て、本発明を更に詳しく説明するものとする。しかしな
がら、本発明はこれに限られるものでは無い。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る実施の形態を
図面を基にして説明する。図1は、本発明の実施の形態
である黒色反射防止膜が形成された物品の概略断面図で
ある。この黒色反射防止膜は、黒色膜2と、その黒色膜
2の上に酸化チタン3と酸化ケイ素4からなる透明反射
防止膜が形成されているものである。
【0016】ところで、黒色膜2は、チタンと炭素、フ
ッ素、窒素との化合物であるTiCFN膜からなる。こ
のTiCFN膜は、成膜コンディションなどに反射率が
変化するが、紫外域から可視域の広い帯域にかけて、十
数パーセント以下の反射率を有し、反射防止を行うため
の膜としては好適な膜である。しかし、十パーセントよ
りも反射率を低下させたい場合は、TiCFN膜は反射
率にばらつきがあるので、確実に十パーセント未満にす
ることは難しい。そこで、本発明の実施の形態では、反
射を防止したい波長に併せて、膜厚を設定した酸化チタ
ン膜3と酸化ケイ素膜4とを成膜して反射防止膜を形成
した。
【0017】つぎに、この黒色反射防止膜の製造につい
て説明する。この黒色反射防止膜を構成する膜は、全て
同じ気相蒸着法で成膜することを可能としている。な
お、本実施の形態の製造で用いた蒸着装置は、図2に示
すアーク放電型イオンプレーティング装置を用いた。ち
なみに、図2は、このアーク放電型イオンプレーティン
グ装置の概略構成図である。このアーク放電型イオンプ
レーティング装置は、プラズマを形成する不活性ガスを
導入するガス供給口18と、蒸着物質を載置する部分に
対して反対の極性を持つ陰極部22と、陰極部22で形
成されたプラズマを真空容器11に導入する空芯コイル
24と、真空蒸着を行う真空容器11からなる。
【0018】なお、真空容器11内には、蒸着物質を載
置する蒸着源保持部12と、蒸着源保持部12の下側に
載置されたプラズマ収束用永久磁石16と、真空容器1
1に反応ガスを供給するための反応ガス供給口19と、
排気口20と、シャッター15と、基板ホルダー14
と、膜厚計17を有している。
【0019】そして、ガス供給口18と蒸着源保持部1
2、空芯コイル24との間には、プラズマ生成用電源2
3が接続されており、更に蒸着源保持部12と基板ホル
ダー14との間には、バイアス電源21が接続されてい
る。
【0020】このイオンプレーティング装置は、陰極部
22で形成されたプラズマを真空容器11に空芯コイル
24で導き出し、そして、導き出されたプラズマをプラ
ズマ収束用永久磁石16で収束させながら、蒸着源保持
部12の蒸着物質が載置された部分にプラズマを照射さ
せる。そして、溶融・蒸発した蒸着物質は、基板ホルダ
ー14に固定された基板1に堆積されて、膜が形成され
る。なお、本イオンプレーティング装置は、基板ホルダ
ー14と蒸着源保持部12との間に、バイアス電圧が印
加されているので、より緻密な膜が出来る装置である。
【0021】ところで、このイオンプレーティング装置
を用いて黒色反射防止膜を形成する場合は、次のように
行われる。まず、蒸着源保持部12の載置可能な部分
に、チタン(Ti)とシリコン(Si)をそれぞれ別々
の場所に載置する。また、基板ホルダー14には、黒色
反射防止膜を形成する基板1を設置する。なお、本発明
の実施の形態では、ステンレス鋼からなる基板1を設置
した。そして、蒸着源保持部12のチタンが載置された
部分がプラズマ収束用永久磁石16の直上に来るように
移動する。
【0022】次に、真空容器11内の真空度を8×10
-3Paに調整し、プラスマ発生用のアルゴンガスをガス
導入口18に導入する。なお、アルゴンガスが導入され
たときの真空容器11内の真空度は、3×10-1Paに
なるように調整する。そして、陰極部22と蒸着源保持
部12との間に電圧を印加させて、アーク放電を生じさ
せる。アーク放電が生じると、図2で示した範囲にプラ
ズマが発生する。そして、このプラズマは蒸着源保持部
12のチタンに照射され、チタンが溶融・蒸発する。
【0023】また、これと同時に、反応ガス供給口19
に反応ガスである4フッ化炭素(CF4)と窒素ガス
(N2)の混合ガスを供給する。なお、この混合ガスの
混合比は、4フッ化炭素:窒素ガス=10:1から8:
5の範囲にしている。
【0024】そして、この混合ガスが反応ガス供給口1
9を介して真空容器11内に導入されると、混合ガスは
プラズマに照射され反応性が高くなる。結果、基板1の
表面にはTiCFN膜が形成される。なお、このTiC
FN膜の膜厚は、真空容器11内に設置される膜厚計1
7によってモニターされる。そこで、膜厚計が所望の膜
厚になったら、シャッター15を閉じ、基板1上への成
膜を停止する。この様にして、本発明の実施の形態にお
けるTiCFN膜を0.5から5マイクロメートル程度
まで成膜して、黒色膜を形成した。
【0025】この様にして形成されたTiCFN膜は、
波長100nmから250nmに広い帯域において、1
%以下の反射率が得られる。しかしながら、成膜条件の
不安定性から時に10%以上の反射率となるTiCFN
膜が形成されてしまうこともあった。また、更に常温で
の成膜では、湿度によって黒色膜が剥離する場合も生じ
ている。
【0026】そこで、本発明の実施の形態では、TiC
FN膜の成膜後に、更に耐環境性に優れ、各界面での界
面反射を基に干渉効果により反射を防止する反射防止膜
を成膜することにした。
【0027】この反射防止膜の成膜は、黒色膜を成膜し
た同じイオンプレーティング装置を用いて、次のように
行った。TiCFN膜が所望の膜厚まで成膜されたら、
次に、4フッ化炭素ガスと窒素ガスの供給を止める。次
に、酸素(O2)を反応ガス供給口19に導入し、シャ
ッター15を開く。その結果、蒸発したチタンおよび酸
素ガスは、プラズマ雰囲気中を通過することによりイオ
ン化されて、基板1上には、更に酸化チタン膜、特にT
iO2膜が成膜されるようになる。
【0028】なお、このTiO2 膜は、反射防止効果を
得るために、特に反射を防止する波長λに対して、その
光学的膜厚ndをλ/4に相当する厚さにした。その様
にするために、真空容器11内に設けられた膜厚計でも
って、TiO2 膜の膜厚を計測しながら、所望の膜厚に
なったら、シャッター15を閉じてTiO2 膜の基板1
上への成膜を停止させる。この様にして、本実施の形態
では、TiCFN膜の上にTiO2膜を形成した。
【0029】次に、本発明の実施の形態では、反射防止
膜を形成するために、TiO2 膜の上に酸化ケイ素膜、
特にSiO2 膜を形成している。このSiO2 膜の形成
は次の様にして行われる。最初に蒸着源保持部12を回
転させて、ケイ素が載置されている部分がプラズマ収束
用永久磁石16の直上に来るようにする。そして、シャ
ッター15を開くと、プラズマが照射されたことによっ
て蒸発するケイ素が真空容器11内の酸素とともにイオ
ン化されて、SiO2 膜がTiO2 膜の上に成膜され
る。
【0030】なお、このSiO2 膜も反射防止膜の構成
の一部であるので、TiO2 膜と同様に光学的膜厚nd
がλ/4となるような厚さで成膜する。なお、膜厚制御
は、TiO2 膜成膜時と同様に膜厚計をモニターしなが
ら、所望の膜厚になったら、シャッター15を閉じるこ
とで行われる。
【0031】このようにして、本発明の実施の形態で
は、ステンレス鋼の基板1の上に黒色膜であるTiCF
N膜を形成し、更に黒色膜の上に各界面で隣接するもの
と屈折率の異なる反射防止膜であるTiO2膜およびS
iO2 膜を形成して、黒色反射防止膜を形成した。この
黒色反射防止膜の反射率特性を図3に示した。なお、比
較してTiO2 膜およびSiO2 膜が成膜されていない
黒色膜の反射率特性も図3に図示している。
【0032】この図3の点線は黒色膜のみの反射率特性
を示しており、実線は本発明の実施の形態における黒色
反射防止膜である。この様に、反射防止膜であるTiO
2 膜およびSiO2 膜を黒色膜の上に施したものは、黒
色膜自体の反射率が10%を越えたとしても、黒色反射
防止膜全体からする反射率は190nmから250nm
の波長域にわたって、10%以下の値が得られている。
したがって、十分な反射防止効果が期待できる膜となっ
ている。
【0033】ところで、本発明の実施の形態では、この
ようして得られた黒色反射防止膜を半導体回路パターン
や液晶素子パターンを転写する露光装置の鏡筒の内部に
形成した。次に、この露光装置の説明を図4を用いて説
明する。
【0034】図4は本発明の実施の形態による投影露光
装置の概略的構成を示している。投影露光装置本体は、
図示しないチャンバー内に収容されており、温度が一定
に保たれるように制御されている。図4に示すように、
例えば193nmの出力波長を持つパルス光を発振する
ArFエキシマレーザ光源100からほぼ平行光束とし
てのレーザ光が出射され、図示しないシャッタを介して
投影露光装置に入射する。シャッタは、たとえばウエハ
またはレチクルの交換中に照明光路を閉じ、これにより
光源100が自己発振してパルス光の中心波長、波長幅
および強度の少なくとも1つを含むビーム特性を安定化
(調節)する。
【0035】光源100からのレーザ光は筐体CA内に
収容された照明光学系200に入射される。レーザ光は
ミラー201で反射され、ビーム整形光学レンズユニッ
ト202に入射する。入射ビームは、整形光学レンズユ
ニット202で所定断面形状のレーザ光に整形され、図
示しないタレット板に設けられた互いに透過率(減光
率)が異なる複数のNDフィルタの1つを通過して反射
ミラー203で反射して、オプティカルインテグレータ
としてのフライアイレンズ204に導かれる。フライア
イレンズ204は、多数のレンズ素子が束ねられて構成
されており、このレンズ素子の射出面側には、それを構
成するレンズ素子の数に対応した多数の光源像(2次光
源)が形成される。
【0036】フライアイレンズ204よって形成される
多数の2次光源からの光束は、リレーレンズユニット2
05、長方形の開口を規定する可変視野絞り206、リ
レーレンズユニット207を通って反射ミラー208で
反射された後、複数のレンズ等の屈折性光学素子で構成
されるコンデンサ光学レンズユニット209にて集光さ
れる。これにより、可変視野絞りの開口206によって
規定された均一な照明光束は重畳的にレチクルRを照明
する。
【0037】レチクルRを透過した光は、投影光学系3
00を構成する種々の光学部材(レンズエレメントおよ
び/またはミラー)を介してウェハステージWSに載置
されたウェハWの表面上に到達し、レチクルR上のパタ
ーンを結像する。ウエハステージWSは、照明光で照射
されるレチクルRから発生して投影光学系300を通過
する光に対してウエハWを相対移動する。露光の際に
は、レチクルRとウェハWが投影光学系の倍率に対応し
た速度比で互に逆方向に走査される。投影光学系300
には、たとえば3つの投影レンズユニット301,30
2,303が設けられている。そして、それぞれのレン
ズユニットには複数枚のレンズが収容されている。レン
ズユニット301〜303は照明光学系200と同様に
鏡筒LBにより包囲されてれる。
【0038】そして、ウエハステージWSによりウエハ
Wの露光領域を露光初期位置(走査露光開始位置)に位
置させるとともに、レチクルRも図示しないレチクルス
テージにより露光初期位置に設定する。レーザ光源10
0からレーザ光を出射させると、レチクルブラインドで
規定された断面形状の均一な照明光がレチクルRの所定
領域を照明する。レチクルRとウエハWとを相対移動し
ながらレチクルR上のパターンの像をウエハW上に投影
露光する。
【0039】このようにして、レチクルRに描画されて
いるパターンをウエハWに転写する露光装置では、例え
ば、投影光学系300を構成するレンズには光学的な干
渉作用を利用して表面反射を低減する反射防止膜が形成
されている。しかし、反射防止膜が各レンズに形成され
ていたとしても、100%、レンズからの反射が防止さ
れるわけでは無く、一部はレンズの表面を反射して鏡筒
LBに到達する。鏡筒は一般にステンレス鋼や真鍮など
で形成されているので、鏡筒LBに到達した光は反射さ
れ、ウエハWに到達してしまう。この様な光を迷光と呼
んでいるが、迷光がウエハWに到達すると、ウエハWで
結像される像にコントラストのムラが発生してしまい、
そのムラがその後の半導体装置製造工程に悪影響を及ぼ
してしまう。
【0040】したがって、集積回路の製造の歩留まりを
低減させてしまうことになる。そこで、本発明の実施の
形態における露光装置では、鏡筒LBの内側に図1に示
す黒色反射防止膜を設けた。この様にすることで、迷光
が抑えられ、光学特性の良い半導体露光装置が得られ
る。また、250nm以下の波長の光を得るための光源
は、主にエキシマレーザが用いられている。このエキシ
マレーザーは光量が大きいため、迷光の強さが大きくな
る傾向がある。したがって、250nm以下の波長を有
する露光装置にとっては、迷光を防ぐことは大変重要に
なるが、この課題は本発明の実施の形態による黒色反射
防止膜を用いることによって解決が可能となる。
【0041】なお、本発明は上記の実施の形態だけに限
られるものではない。例えば、TiO2 膜とSiO2
とからなる反射防止膜以外にも、MgF2 膜とSiO2
膜との組み合わせで成膜しても構わず、またはフッ化化
合物によって反射防止膜を形成しても構わない。とく
に、酸化物やフッ化物からなる膜は、吸湿性が乏しく、
環境の変化によって影響を受けにくいという性質があ
る。したがって、耐環境性を向上するためにも、酸化物
やフッ化物からなる膜を黒色膜の上に成膜する反射防止
膜として用いることが良い。
【0042】また、本発明の黒色膜は、TiCFN膜だ
けに限られるものでもない。他にもTiCN膜や、Ti
AlN膜などでも構わない。なお、黒色膜としては気相
蒸着法で成膜できるものが好ましい。有機溶剤など使っ
て、スプレーや塗布して黒色膜を成膜する方法では、短
波長の光が照射されたとき、含有している有機物が分解
してしまい、その有機物がレンズ表面を汚染してしまう
可能性があるからである。したがって、その様な事が起
きないようにするために、気相蒸着法で成膜出来るもの
が良い。
【0043】また、成膜方法についても、本発明はイオ
ンプレーティング法による蒸着だけに限られず、スパッ
タ法や抵抗加熱の真空蒸着法であっても構わない。しか
し、なお、膜の密着性が十分高いものが得られやすい成
膜方法は、イオンプレーティング法であるので、その点
でイオンプレーティング法を用いることが好ましい。
【0044】また、黒色反射防止膜を形成する基板は、
本発明はステンレス鋼や真鍮だけ限られないのは言うま
でも無い。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、所望の波長の光に
対して反射防止効果や散乱防止効果が高い黒色反射防止
膜を得ることが可能となり、かつ黒色膜の反射防止効果
が製造上のバラツキが生じたとしても、黒色反射防止膜
全体では所望の反射率が得られるようになる。
【0046】また、更に黒色膜に反射防止膜を成膜する
ことで、耐環境性が更に優れた黒色反射防止膜が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】:本発明の実施の形態による黒色反射防止膜の
概略構成図である。
【図2】:本発明の実施の形態による黒色反射防止膜を
成膜するイオンプレーティング装置の概略構成図であ
る。
【図3】:本発明の実施の形態による黒色反射防止膜の
反射率特性を示す図である。
【図4】:本発明の実施の形態による黒色反射防止膜を
用いた鏡筒を有する露光装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1・・・基板 2・・・TiCFN膜 3・・・TiO2膜 4・・・SiO2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 14/10 C23C 14/32 Z 4K029 14/32 G02B 7/02 D 5F046 G02B 7/02 19/00 19/00 G03F 7/20 502 G03F 7/20 502 521 521 G02B 1/10 A H01L 21/027 H01L 21/30 515D Fターム(参考) 2H044 AD01 2H052 BA02 BA03 BA06 BA09 BA12 2H097 AA03 BA10 CA13 LA10 LA12 2K009 AA02 AA05 CC02 CC03 DD03 DD07 EE01 4F100 AA00B AA05C AA17C AA20C AA21C AA40B AT00A BA03 BA07 BA10C EH66B GB41 JL10 JL10B JN06 JN06C JN18C 4K029 AA02 AA27 BA42 BA46 BA48 BA54 BB02 BC07 BD08 CA04 DD06 5F046 BA03 CA04 CB12 CB20 CB26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成され、無機物質からなる黒
    色被膜と、前記黒色被膜の上に形成され、各界面と隣接
    しているものと異なる屈折率を有した反射防止膜とから
    なる黒色反射防止膜。
  2. 【請求項2】 前記反射防止膜は、酸化物又はフッ化物
    からなることを特徴とする請求項1に記載の黒色反射防
    止膜。
  3. 【請求項3】 前記黒色被膜および前記反射防止膜は気
    相蒸着法によって形成された膜であることを特徴とする
    請求項2に記載の黒色反射防止膜。
  4. 【請求項4】 前記基板は光学素子を支持する鏡筒であ
    り、前記鏡筒の内部に請求項1乃至3のいずれか一項に
    記載の黒色反射防止膜が施されていることを特徴とする
    光学装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の光学装置は、波長25
    0ナノメートル以下の光を発する光源と、前記光源から
    の光を被投影物に照射する照明手段とを更に有し、前記
    鏡筒に支持された光学素子により前記被投影物の像を所
    望の面に結像させることを特徴とする光学装置。
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