JP2001348647A - 成形性の優れた鋼管およびその製造方法 - Google Patents

成形性の優れた鋼管およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイドロフォーム等の成形性に優れた鋼管と
その製造法を提供する。 【解決手段】 鋼管の軸方向のr値が 1 7以上で、鋼板
1/2 板厚における板面の{ 110}< 110>〜{ 221}<
110 >の方位群のX 線ランダム強度比の平均が 3.0以上
で、鋼板1/2 板厚における板面の{ 110}< 110>のX
線ランダム強度比が 6.0以上、鋼板1/2 板厚における板
面の{ 001}< 110>、{ 112}< 110>のX線ランダ
ム強度比がいずれも2以下である成形性の優れた鋼管。
また、鋼管を縮径加工に供するに際し、一旦Ac3 変態点
以上に加熱し、Ar3 点以上の温度域で縮径率10%以上、
及びAr3 〜(Ar3-60)℃の温度域で縮径率20% 以上となる
ように縮径加工を行い、(Ar3-60)℃以下600 ℃以上の
温度で縮径加工を終了し、全縮径率を30%以上とする
成形性の優れた鋼管の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車のパ
ネル類、足廻り、メンバーなどに用いられる鋼管および
その製造方法に関するものである。特にハイドロフォー
ム成形(特開平10−175027号公報参照)の用途
に好適である。本発明の鋼管は、表面処理をしないもの
と、防錆のために溶融亜鉛めっき、電気めっきなどの表
面処理を施したものの両方を含む。亜鉛めっきとは、純
亜鉛のほか、主成分が亜鉛である合金のめっきも含む。
本発明による鋼管は、特に軸押し力の働くハイドロフォ
ーム成形性に極めて優れており、ハイドロフォーム成形
時の自動車用部品の製造効率を向上させることができ
る。さらに、本発明は高強度鋼管にも適用できるため部
品の板厚を低減させることが可能となり、地球環境保全
に寄与できるものと考えられる。
【0002】
【従来の技術】自動車の軽量化ニーズに伴い、鋼板の高
強度化が望まれている。高強度化することで板厚減少に
よる軽量化や衝突時の安全性向上が可能となる。また、
最近では、複雑な形状の部位について、高強度鋼の鋼管
からハイドロフォーム法を用いて成形加工する試みが行
われている。これは、自動車の軽量化や低コスト化のニ
ーズに伴い、部品数の減少や溶接フランジ箇所の削減な
どを狙ったものである。
【0003】このように、ハイドロフォームなどの新し
い成形加工方法が実際に採用されれば、コストの削減や
設計の自由度が拡大されるなどの大きなメリットが期待
される。このようなハイドロフォーム成形のメリットを
充分に生かすためには、これらの新しい成形法に適した
材料が必要となる。本発明者らは特願2000−525
74号により、集合組織を制御した成形性に優れた鋼管
について提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】地球環境問題がますま
す深刻となる中、ハイドロフォーム成形に対してこれま
で以上に高強度の鋼管への要求が高まることは必至と考
えられるが、その際に成形性が従来以上に問題となって
くることは間違いない。本発明は、より一層成形性の良
好な鋼管およびそれを高いコストをかけることなく製造
する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ハイドロ
フォーム等の成形性に優れた材料の集合組織およびその
制御方法を見出し、これを限定することでハイドロフォ
ーム等の成形性に優れた鋼管を提供するものである。即
ち、本発明の要旨とするところは次のとおりである。 (1) 質量%で、 C :0.0005〜0.50%、Si:0.001〜2.5%、 Mn:0.01〜3.0%、 P :0.001〜0.2%、 S :0.05%以下、 N:0.01%以下 を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、鋼板
の1/2板厚における板面の{110}<110>〜
{221}<110>の方位群のX線ランダム強度比の
平均が2.0以上で、鋼板の1/2板厚における板面の
{110}<110>のX線ランダム強度比が6.0以
上、かつ鋼板の1/2板厚における板面の{001}<
110>および{112}<110>のX線ランダム強
度比が2.0以下であることを特徴とする成形性の優れ
た鋼管。 (2) 鋼管の軸方向のr値が1.7以上であることを
特徴とする上記(1)に記載の成形性の優れた鋼管。 (3) 含有成分が、さらに質量%で、Al,Zrおよ
びMgの1種または2種以上を合計で0.0001〜
0.5%含むことを特徴とする上記(1)または(2)
に記載の成形性の優れた鋼管。 (4) 含有成分が、さらに質量%で、Ti,Vおよび
Nbの1種又は2種以上を合計で0.001〜0.3%
含むことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1
項に記載の成形性の優れた鋼管。 (5) 含有成分が、さらに質量%で、Bを0.000
1〜0.01%含むことを特徴とする上記(1)〜
(4)のいずれか1項に記載の成形性の優れた鋼管。 (6) 含有成分が、さらに質量%で、Sn,Cr,C
u,Ni,Co,WおよびMoの1種又は2種以上を合
計で0.001〜2.5%含むことを特徴とする上記
(1)〜(5)のいずれか1項に記載の成形性の優れた
鋼管。 (7) 含有成分が、さらに質量%で、Caを0.00
01〜0.01%含むことを特徴とする上記(1)〜
(6)のいずれか1項に記載の成形性の優れた鋼管。
【0006】(8) 上記(1)〜(7)のいずれか1
項に記載の鋼管を得るにあたり、縮径加工に供するに際
して、一旦Ac3 変態点以上に加熱し、Ar3 点以上の
温度域で縮径率10%以上、及びAr3 〜(Ar3 −6
0) ℃の温度域で縮径率20%以上となるように縮径加
工を行い、(Ar3 −60)℃以下600℃以上の温度
で縮径加工を終了し、全縮経率を30%以上とすること
を特徴とする成形性の優れた鋼管の製造方法。 (9) 母管に対する縮径加工後の鋼管の板厚変化率が
+15%〜−20%以下となる縮径加工を施すことを特
徴とする上記(8)に記載の成形性の優れた鋼管の製造
方法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。まず、上記(1)の要件について説明する。成分含
有量は質量%である。 C:高強度化に有効で0.0005%以上の添加とする
が、集合組織を制御する上では過度の添加は好ましいも
のではなく、上限を0.50%とする。0.001〜
0.3%がより好ましく、0.002〜0.2%がさら
に好ましい範囲である。
【0008】Si:安価に機械的強度を高めることが可
能であり、要求される強度レベルに応じて添加すれば良
いが、過剰の添加はメッキのぬれ性や加工性の劣化を招
くばかりか良好な集合組織形成を阻害するので、上限を
2.5%とした。下限を0.001%としたのは、これ
未満とするのは製鋼技術上困難なためである。
【0009】Mn:高強度化に有効な元素であるため下
限を0.01%とした。また、Mnは変態中のバリアン
ト選択に好ましい影響を与え、集合組織を改善する効果
を有するので、0.5%以上の添加が好ましい。一方で
過剰の添加は延性の低下を招くため、上限を3.0%と
した。
【0010】P:高強度化に有効な元素であるので0.
001以上添加する。0.2%超を添加すると熱間圧延
や縮径加工時に欠陥が発生したり、成形性が劣化したり
するので、0.2%を上限とする。
【0011】S:不純物であり低いほど好ましく、熱間
割れを防止するために0.05%以下とする。好ましく
は0.015%以下である。
【0012】N:不純物であり低いほど好ましく、加工
性を劣化させるため上限を0.01%以下とする。0.
005%以下がより好ましい範囲である。
【0013】鋼板の1/2板厚での板面の{110}<
110>〜{221}<110>の方位群および{11
0}<110>のX線ランダム強度比:ハイドロフォー
ム成形等を行う上で最も重要な特性値である。板厚中心
位置での板面のX線回折を行い、ランダム試料に対する
各方位の強度比を求めたときの、{110}<110>
〜{221}<110>の方位群での平均が3.0以上
とした。この方位群に含まれる主な方位は{110}<
110>、{661}<110>、{441}<110
>、{331}<110>、{221}<110>であ
る。これらは深絞り冷延鋼板を素材として電縫溶接など
によって単に鋼管にしたのでは得られない結晶方位群で
ある。
【0014】また本発明では、高r値冷延鋼板の代表的
な結晶方位である{111}<112>や{554}<
225>はほとんどなく、これらはいずれも2.0以
下、さらに好ましくは1.0未満である。これらの各方
位のX線ランダム強度比は{110}極点図よりベクト
ル法により計算した3次元集合組織や、{110},
{100},{211},{310}極点図のうち複数
の極点図を基に級数展開法で計算した3次元集合組織か
ら求めればよい。たとえば、後者の方法によって各結晶
方位のX線ランダム強度比を求めるには、3次元集合組
織のφ2=45°断面における(110)[1−1
0]、(661)[1−10]、(441)[1−1
0]、(331)[1−10]、(221)[1−1
0]の強度で代表させる。
【0015】なお、本発明の集合組織は通常の場合、φ
2=45°断面において上記の方位群の範囲内に最高強
度を有し、この方位群から離れるにしたがって徐々に強
度レベルが低下するが、X線の測定精度の問題や鋼管製
造時の軸周りのねじれの問題、X線試料作製の精度の問
題などを考慮すると、最高強度を示す方位がこれらの方
位群から±5°ないし10°程度ずれる場合も有りう
る。
【0016】{110}<110>〜{221}<11
0>方位群の平均X線ランダム強度比とは、上記の各方
位のX線ランダム強度比の相加平均である。上記方位の
すべての強度が得られない場合には{110}<110
>、{441}<110>、{221}<110>の方
位の相加平均で代替しても良い。中でも、{110}<
110>は重要であり、本発明ではこの方位のX線ラン
ダム強度比が6.0以上である。また、成形困難な場合
には上記方位群の平均強度比が4.0以上でかつ{11
0}<110>の強度比が8.0以上であることが望ま
しい。
【0017】さらに{001}<110>および{11
2}<110>は、いずれもその強度が2.0以下でな
くてはならない。これらは軸方向のr値を低下せしめる
方位だからである。好ましくは1.0以下である。その
他の方位、例えば{116}<110>、{114}<
110>、{113}<110>、{223}<110
>などの強度は特に限定しないが、これらも軸方向のr
値を低下させるので、それぞれ2.0以下であることが
好ましい。
【0018】{001}<110>、{116}<11
0>、{114}<110>、{113}<110>、
{112}<110>、{223}<110>のX線ラ
ンダム強度比とは、3次元集合組織のφ2=45°断面
における、(001)[1−10]、(116)[1−
10]、(114)[1−10]、(113)[1−1
0]、(112)[1−10]、(223)[1−1
0]で代表させれば良い。
【0019】鋼管のX線回折を行う場合には、鋼管より
弧状試験片を切り出し、これをプレスして平板としX線
解析を行う。また、弧状試験片から平板とするときは、
試験片加工による結晶回転の影響を避けるため極力低歪
みで行うものとし、加工により導入される歪み量の上限
を10%以下で行うこととした。
【0020】このようにして得られた板状の試料につい
て機械研磨や化学研磨などによって板厚中心付近まで研
磨し、バフ研磨によって鏡面に仕上げた後、電解研磨や
化学研磨によって歪みを除去すると同時に、板厚中心層
が測定面となるように調整する。なお、鋼板の板厚中心
層に偏析帯が認められる場合には、板厚の3/8〜5/
8の範囲で偏析帯のない場所について測定すればよい。
さらにX線測定が困難な場合には、EBSP法やECP
法により測定しても差し支えない。
【0021】本発明の集合組織は、上述の通り板厚中心
または板厚中心近傍の面におけるX線測定結果により規
定されるが、中心付近以外の板厚においても同様の集合
組織を有することが好ましい。しかしながら鋼管の外側
表面〜板厚1/4程度までは、後述する縮径加工による
せん断変形に起因して集合組織が変化し、上記の集合組
織の要件を満たさない場合もあり得る。なお、{hk
l}<uvw>とは、上述の方法でX線用試料を採取し
たとき、板面に垂直な方向が<hkl>で鋼管の長手方
向が<uvw>であることを意味する。
【0022】本発明の集合組織に関する特徴は、通常の
逆極点図や正極点図だけでは表すことができないが、例
えば鋼管の半径方向の方位を表す逆極点図を板厚の中心
付近に関して測定した場合、各方位のX線ランダム強度
比は以下のようになることが好ましい。<100>:
1.5以下、<411>:1.5以下、<211>:
1.5以下、<111>:5以下、<332>:10以
下、<221>:30.0以下、<110>:50.0
以下。また、軸方向を表す逆極点図においては、<11
0>:15以上、<110>以外の全ての方位:3以
下。
【0023】次に上記(2)の要件について説明する。
鋼管のr値は、集合組織の変化によって種々変化する
が、少なくとも軸方向のr値は1.7以上となる。製造
条件によっては軸方向のr値が3.5を超える場合もあ
る。r値の異方性については特に限定するものではない
が、本発明では軸方向のr値が円周方向や半径方向のr
値よりも常に大きい。なお、例えば高r値冷延鋼板を単
に電縫溶接により鋼管とした場合、板取りによっては軸
方向のr値が1.7以上となる場合がある。しかしなが
ら、本発明は既述の集合組織を有し、同時にr値が1.
7以上である点において、そのような鋼管とは明瞭に区
別されるものである。
【0024】r値の評価は、JIS11号管状試験片ま
たはJIS12号弧状試験片によって行えば良い。その
ときの歪量は伸び率15%で評価するが、均一伸びが1
5%未満のときには、均一伸びの範囲内の歪量で評価す
る。なお、試験片はシーム部以外から試料を採取するこ
とが望ましい。なお、鋼管を板状に巻き戻してJIS1
3号板状引張試験片とすると、弧状試験片よりもr値が
大きくなる傾向にあるので、板状試験片で評価する場合
には、r値は1.9以上となる。
【0025】続いて上記(3)〜(7)の要件の成分限
定理由について説明する。 Al,Zr,Mg:脱酸元素として有効である。一方、
過剰の添加は酸化物、硫化物や窒化物の多量の晶出や析
出を招き清浄度が劣化して、延性を低下させてしまう
上、めっき性を損なう。したがって、必要に応じてこれ
らの1種または2種以上を合計で0.0001〜0.5
0%とする。
【0026】Ti,V,Nb:必要に応じて添加する。
Ti,V,Nbは、炭化物、窒化物もしくは炭窒化物を
形成することによって、鋼材を高強度化したり加工性を
向上することができるばかりでなく、集合組織形成にも
好ましいので、0.001%以上添加する。その合計が
0.3%を超えた場合には母相であるフェライト粒内も
しくは粒界に多量の炭化物、窒化物もしくは炭窒化物と
して析出して、延性を低下させることから、添加範囲を
0.001〜0.3質量%とした。より好ましくは0.
01〜0.08%である。
【0027】B:必要に応じて添加する。Bは、粒界の
強化や鋼材の高強度化に有効ではあるが、その添加量が
0.01%を超えるとその効果が飽和するばかりでな
く、必要以上に鋼板強度を上昇させ、加工性も低下させ
ることから、0.0001〜0.01%とした。
【0028】Sn,Cr,Cu,Ni,Co,W,M
o:これらは強化元素であり,必要に応じてこれらの1
種又は2種以上の合計で0.001%以上添加する。ま
た、過剰の添加は、コストアップや延性の低下を招くこ
とから、2.5%以下とした。
【0029】Ca:介在物制御のほか脱酸に有効な元素
で、適量の添加は熱間加工性を向上させるが、過剰の添
加は逆に熱間脆化を助長させるため、必要に応じて0.
0001〜0.01%の範囲とした。
【0030】また、不可避的不純物として、O,Zn,
Pb,As,Sbなどをそれぞれ0.01%以下の範囲
で含んでも、本発明の効果を失するものではない。
【0031】さらに製造にあたっては、高炉、電炉等に
よる溶製に続き各種の2次製錬を行いインゴット鋳造や
連続鋳造を行い、連続鋳造の場合には室温付近まで冷却
することなく熱間圧延するCC−DRなどの製造方法を
組み合わせて製造してもかまわない。鋳造インゴットや
鋳造スラブを再加熱して熱間圧延を行っても良いのは言
うまでもない。熱間圧延の加熱温度は特に限定するもの
ではなく、目的とする仕上げ温度を具現化するのに適切
な温度であれば良い。
【0032】熱延の仕上げ温度は通常のγ単相域のほか
α+γ2相域やα単相域、α+パーライト、α+セメン
タイトのいずれの温度域で行っても良い。熱間圧延の1
パス以上について潤滑を施しても良い。また、粗圧延バ
ーを互いに接合し、連続的に仕上げ熱延を行っても良
い。粗圧延バーは一度巻き取っても再度巻き戻してから
仕上げ熱延に供してもかまわない。熱延後の冷却速度や
巻き取り温度は特に限定するものではない。熱間圧延後
は酸洗することが望ましい。さらにスキンパス圧延や5
0%以下の圧下率の冷間圧延を施しても良い。
【0033】鋼管の製造にあたっては、通常は電縫溶接
を用いるが、TIG、MIG、レーザー溶接、UOや鍛
接等の溶接・造管手法等を用いることも出来る。これら
の溶接鋼管製造に於いて、溶接熱影響部は必要とする特
性に応じて局部的な固溶化熱処理を単独あるいは複合し
て、場合によっては複数回重ねて行っても良く、本発明
の効果をさらに高める。この熱処理は溶接部と溶接熱影
響部のみに付加することが目的であって、製造時にオン
ラインであるいはオフラインで施行できる。
【0034】次に上記(8)および(9)の要件につい
て説明する。鋼管を縮径加工する前の加熱温度および続
く縮径加工の条件は、本発明において重要である。本発
明は以下のような新知見に立脚するものである。すなわ
ち、まず、γ域での縮径加工を施し、続くγ域での再結
晶によって{100}<001>型のγ集合組織を発達
させる。このようなγ集合組織を特定の応力あるいは歪
状態の下、すなわち縮径加工に基づく応力あるいは歪状
態下で変態させると、ハイドロフォーム成形に良好な
{110}<110>近傍の集合組織が顕著に発達する
ことを見いだしたのである。
【0035】加熱温度は、Ac3 変態点以上としなけれ
ばならない。これはγ単相域で縮径加工を行うことで、
上述した{100}<001>型のγ集合組織が発達す
るためである。加熱温度の上限は特に限定しないが、表
面性状を良好に保つために1150℃以下とすることが
望ましい。(Ac3 +50)℃〜1050℃がより好ま
しい範囲である。
【0036】γ域での縮径加工は縮径率が10%以上と
なるように行う。10%未満では{100}<001>
型の集合組織がγ域で発達しないため、最終的に好まし
いr値や集合組織を得ることが困難となる。γ域で縮径
率20%以上とするのが好ましく、30%以上がより一
層望ましい。なお、この場合の縮径率とは{(縮径加工
前の母管の直径−γ域での縮径完了後の鋼管の直径)/
縮径加工前の母管の直径)}×100(%)で定義され
る。
【0037】Ar3 〜(Ar3 −60)℃の温度域で
は、縮径率20%以上の縮径加工を行う。すなわち変態
中にはこの縮径という応力なし歪状態下で変態させるこ
とが、目的とする集合組織形成すなわち{110}<1
10>〜{221}<110>方位群、特に{110}
<110>の発達に必須だからである。なおここでの縮
径率は、{(Ar3 点以下での縮径加工前の鋼管の直径
−Ar3 〜(Ar3 −60)℃での縮径完了後の鋼管の
直径)/Ar3 点以下での縮径加工前の鋼管の直径}×
100(%)で定義される。この温度域での板厚の変化
率は特に指定するものではないが、板厚が増加するよう
に縮径することが好ましい。これは変態による好ましい
集合組織形成を助長するためである。
【0038】縮径加工の終了温度は、(Ar3 −60)
℃以下600℃以上とする。この温度域でさらなる縮径
加工を施せば、上述の変態によって形成された集合組織
がさらに発達する。この温度域での縮径は10%以上と
するのが好ましい。縮径加工終了温度が(Ar3 〜6
0)℃超ではこのような効果は小さく、600℃未満で
は加工組織が残存し、延性に乏しくなり、縮径後の再加
熱等を施すことが必要になってくるため、コストアップ
となる。好ましくは、680℃が下限温度である。な
お、この温度域での縮径加工は、板厚が低減するように
して行うことが好ましい。
【0039】このようにして製造された鋼管の全縮径率
は30%以上でなくてはならない。30%未満では集合
組織の発達が十分ではない。好ましくは50%以上であ
る。全縮径率は下式で定義される。 {(縮径加工後前の母管の直径−縮径完了後の鋼管の直
径)/縮径加工前の母管の直径)}×100(%)。
【0040】母管に対する縮径加工後の鋼管の板厚変化
率は、+15%〜−20%とすることが好ましい。板厚
減少率は{(縮径加工完了後の鋼管の板厚−縮径加工前
の母管の板厚)/縮径加工前の母管の板厚)}×100
(%)で定義される。なお、鋼管の直径は鋼管の外形を
測定する。上述の通り、Ar3 〜(Ar3 −60)℃で
は板厚が増加するように、また(Ar3 −60)℃〜6
00℃では板厚が減少するように縮径し、かつ生産性を
落とさない範囲で板厚を制御することを考慮すると、+
15(板厚増加)〜−20%(板厚減少)、より好まし
くは+10〜−10%が最適な範囲となる。
【0041】縮径加工は、複数のロールを組み合わせて
多段パスのラインを通板することによって行っても良い
し、ダイスを用いて引き抜いて行っても良い。また、縮
径時に潤滑を施すことは成形性向上の点で望ましい。本
発明に係る鋼管は、延性を確保するためフェライトを面
積率で50%以上含有することが好ましいが、フェライ
ト以外の金属組織として、パーライト、ベイナイト、マ
ルテンサイト、オーステナイトおよび炭窒化物等の組織
を含んでも良い。
【0042】
【実施例】表1に示す成分の各鋼を溶製して1250℃
に加熱後、表1に示す仕上げ温度で熱間圧延して巻き取
った。酸洗に引き続き電縫溶接により直径100〜20
0mmに造管した後、所定の温度に加熱して、縮径加工
を行った。得られた鋼管の加工性の評価は以下の方法で
行った。前もって鋼管に10mmφのスクライブドサー
クルを転写し、内圧と軸押し量を制御して、円周方向へ
の張り出し成形を行った。バースト直前での最大拡管率
を示す部位(拡管率=成形後の最大周長/母管の周長)
の軸方向の歪εΦと円周方向の歪εθを測定した。
【0043】この2つの歪の比ρ=εΦ/εθと最大拡
管率をプロットし、ρ=−0.5となる拡管率Reをも
ってハイドロフォームの成形性指標とした。X線測定
は、縮径前の母管および縮径後の鋼管から弧状試験片を
切り出し、プレスして平板として行った。(110)、
(200)、(211)、(310)極点図を測定し、
これらを用いて級数展開法により3次元集合組織を計算
し、φ2=45°断面における各結晶方位のX線ランダ
ム強度比を求めた。
【0044】表2には、縮径加工の諸条件と縮径加工後
の鋼管の特性を示す。本発明例ではいずれも良好な集合
組織とr値を有し、ハイドロフォーム成形時の最大拡管
率も高いのに対して、本発明外の例では集合組織、r値
が好ましくなく、最大拡管率も低い。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、ハイドロフォーム等の
成形性に優れた材料の集合組織およびその制御方法が得
られ、ハイドロフォーム等の成形性に優れた鋼管を製造
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 展弘 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 篠原 康浩 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 吉田 亨 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 Fターム(参考) 4K032 AA01 AA02 AA04 AA05 AA08 AA09 AA10 AA11 AA12 AA14 AA15 AA16 AA17 AA19 AA20 AA21 AA22 AA23 AA24 AA27 AA29 AA31 AA32 AA35 AA36 AA37 AA39 CA01 CC02 CC03 CC04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、 C :0.0005〜0.50%、 Si:0.001〜2.5%、 Mn:0.01〜3.0%、 P :0.001〜0.2%、 S :0.05%以下、 N :0.01%以下 を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、鋼板
    の1/2板厚における板面の{110}<110>〜
    {221}<110>の方位群のX線ランダム強度比の
    平均が3.0以上で、鋼板の1/2板厚における板面の
    {110}<110>のX線ランダム強度比が6.0以
    上、かつ鋼板の1/2板厚における板面の{001}<
    110>および{112}<110>のX線ランダム強
    度比が2.0以下であることを特徴とする成形性の優れ
    た鋼管。
  2. 【請求項2】 鋼管の軸方向のr値が1.7以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の成形性の優れた鋼
    管。
  3. 【請求項3】 含有成分が、さらに質量%で、Al,Z
    rおよびMgの1種または2種以上を合計で0.000
    1〜0.5%含むことを特徴とする請求項1または2に
    記載の成形性の優れた鋼管。
  4. 【請求項4】 含有成分が、さらに質量%で、Ti,V
    およびNbの1種又は2種以上を合計で0.001〜
    0.3%含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の成形性の優れた鋼管。
  5. 【請求項5】 含有成分が、さらに質量%で、Bを0.
    0001〜0.01%含むことを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の成形性の優れた鋼管。
  6. 【請求項6】 含有成分が、さらに質量%で、Sn,C
    r,Cu,Ni,Co,WおよびMoの1種又は2種以
    上を合計で0.001〜2.5%含むことを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の成形性の優れた鋼
    管。
  7. 【請求項7】 含有成分が、さらに質量%で、Caを
    0.0001〜0.01%含むことを特徴とする請求項
    1〜6のいずれか1項に記載の成形性の優れた鋼管。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の鋼
    管を得るにあたり、縮径加工に供するに際して、一旦A
    c3 変態点以上に加熱し、Ar3 点以上の温度域で縮径
    率10%以上、及びAr3 〜(Ar3 −60)℃の温度
    域で縮径率20%以上となるように縮径加工を行い、
    (Ar3 −60)℃以下600℃以上の温度で縮径加工
    を終了し、全縮経率を30%以上とすることを特徴とす
    る成形性の優れた鋼管の製造方法。
  9. 【請求項9】 母管に対する縮径加工後の鋼管の板厚変
    化率が+15%〜−20%となる縮径加工を施すことを
    特徴とする請求項8に記載の成形性の優れた鋼管の製造
    方法。
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