JP2001348630A - 金属v素材の精錬方法 - Google Patents

金属v素材の精錬方法

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JP2001348630A
JP2001348630A JP2000173589A JP2000173589A JP2001348630A JP 2001348630 A JP2001348630 A JP 2001348630A JP 2000173589 A JP2000173589 A JP 2000173589A JP 2000173589 A JP2000173589 A JP 2000173589A JP 2001348630 A JP2001348630 A JP 2001348630A
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Tomoki Shibata
智樹 芝田
Masafumi Sakata
雅史 坂田
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Daido Steel Co Ltd
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テルミット反応で製造された金属V素材中の
Al成分とO成分を効率よく除去する金属V素材の精錬
方法を提供する。 【解決手段】 精錬対象の金属V素材を造滓剤とともに
真空溶解炉で溶解して金属V素材からAl成分とO成分
を除去するスラグ精錬法であって、造滓剤がCaOとA
23の配合物であり、その配合物におけるAl23
配合量が20〜90重量%である金属V素材の精錬方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属V素材の精錬方
法に関し、更に詳しくは、V25に対して金属Alを還
元元素としたテルミット反応で製造された金属V素材中
の除去対象成分であるAl成分とO成分を、いわゆるス
ラグ精錬法で有効に除去することができる金属V素材の
精錬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属Vには、水素吸蔵合金や核融合炉用
構造材料の基礎素材としての用途分野がある。そして、
この金属V素材の製造方法としては、各種の方法が実施
されているが、近時、テルミット法で製造される場合が
多い。このテルミット法は、公知の方法で製造したV2
5を金属Alで還元して金属IV素材を製造する方法で
ある。そして、このテルミット法で製造された金属V素
材は、金属V成分が95〜99重量%程度、またAl成
分やO成分が主としてAl23の形態で1〜5重量%程
度の組成比になっているのが通例である。
【0003】しかしながら、このような組成の金属V素
材を水素吸蔵合金の基礎素材として用いた場合、O成分
は当該水素吸蔵合金に対しその水素吸蔵量を減少させる
という悪影響を及ぼし、また核融合炉用構造材料の基礎
素材として用いた場合には、Al成分やO成分がその構
造材料の中性子線に対する耐性を劣化させるという問題
が生ずる。
【0004】そのため、この金属V素材を上記した用途
分野で使用する場合には、当該金属V素材を精錬してA
l成分やO成分を除去することが必要になる。金属V素
材のこの精錬に関しては、従来から、エレクトロンビー
ム炉(EB炉)を用いた精錬が行われている。すなわ
ち、EB炉内のるつぼに精錬対象の金属V素材を投入
し、ここに所定エネルギーの電子ビームを照射して溶解
する方法である。この方法によれば、金属V素材に含有
されているAl成分とO成分が例えばAlO(g)とい
うガス成分となって除去され、金属Vの高純度化が達成
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たEB炉を用いた金属V素材の高純度化には次のような
問題がある。まず、EB炉は、その付帯設備まで含める
と可成り設備費が嵩み、そのため、高純度化に要するコ
ストアップを招くということである。また、EB炉によ
る溶解は投入した素材の表面部分でのみ進行するので、
素材の投入量が多い場合は、その全量を溶解することが
困難であり、そのことから大量の素材を高い生産性の下
で高純度化することができず、やはり高純度化に要する
コストアップを招くということである。
【0006】本発明は、テルミット反応で製造された金
属V素材をEB炉で高純度化するという従来の精錬法が
かかえていた上記した問題を解決し、金属V素材の処理
量が大量であっても高純度化が可能であり、また要する
設備費もEB溶解に比べて低廉であり、もって低コスト
で金属V素材の精錬が可能な金属V素材の精錬法の提供
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
目的を達成するために、金属V素材の安価な精錬法に関
する研究を重ねる過程で、金属V素材からの除去対象成
分であるAl成分とO成分は、当該金属V素材において
は、Al23に代表されるAl酸化物の形態で存在して
いるということに着目した。
【0008】そして、Al成分とO成分を金属V素材か
ら除去して当該金属V素材を高純度化するためには、金
属V素材に存在しているAl酸化物を除去することが有
効であり、またそのための手段としていわゆるスラグ精
錬法の採用を着想し、この着想に基づいて更なる研究を
重ねた結果、本発明の金属V素材の精錬方法を開発する
に至った。
【0009】すなわち、本発明の金属V素材の製造方法
は、精錬対象の金属V素材を造滓剤とともに真空溶解炉
で溶解して前記金属V素材からAl成分とO成分を除去
する方法であって、前記造滓剤がCaOとAl23の配
合物であることを特徴とする。具体的には、前記配合物
におけるAl23の配合量が20〜90重量%であり、
前記金属V素材におけるAl成分とO成分の含有率が、
Al23の形態で1〜5重量%であり、また、前記金属
V素材が、金属Alを還元元素とするV25に対するテ
ルミット反応で製造された金属V素材である金属V素材
の精錬方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、金属V素材に対するい
わゆるスラグ精錬法であり、用いる造滓剤が後述するC
aOとAl23の配合物であるところに最大の特徴を有
し、その精錬時における除去対象成分はAl成分とO成
分である。本発明においては、まず、高周波真空誘導溶
解炉を代表例とする真空溶解炉内に設置されているるつ
ぼの中に、精錬対象の金属V素材と後述する造滓剤が投
入される。
【0011】そして、真空溶解炉を運転して金属V素材
を金属Vの融点(常圧下の融点は1910℃)以上の温
度に加熱して金属V素材の溶湯を溶製する。この過程で
は、造滓剤が溶融して成るスラグが溶湯の上に同時に形
成される。ところで、金属V素材中のAl成分とO成分
は、溶湯中で次のような存在形態をとっているものと考
えられる。すなわち、それぞれが単独で溶湯中に溶存し
ている形態と、両者が結合したAl23の形態である。
後者のAl23の形態は、溶製前の金属V素材のAl2
3がそのまま溶湯に移行したものであると考えられ
る。
【0012】そして、このAl23は、その融点が20
50℃(常圧下)であり、金属Vの融点より高いため、
溶湯内では非溶融状態で存在していることになる。ここ
で、用いた造滓剤を考えると、これは融点(常圧下)が
2572℃であるCaOと前記した融点のAl23の2
成分系であるため、CaO−Al23の状態図から明ら
かなように、両者の配合比を選定することにより、得ら
れた配合物の溶融物であるスラグの融点をAl23の融
点よりも低くすることができる。
【0013】したがって、このような状態にあるスラグ
と前記した溶湯との接触界面における反応を考えると、
上記界面近傍における溶湯中のAl23は低融点化して
おり、そのAl23は溶湯からスラグへと移動すること
になる。すなわち、溶湯中のAl23は除去されて、溶
湯は高純度化する。そして、この過程で、溶湯中の固溶
O成分と固溶Al成分のAl23への生成反応が進み、
同時にこの生成Al23もスラグ側へ移動していくこと
になるので、溶湯の高純度化は進行する。
【0014】その場合、形成されているスラグは、あく
までも溶湯上で溶融状態になっていることが必要であ
る。すなわち、換言すれば、スラグは、その融点が金属
Vの前記した融点よりも低くなるような組成比になって
いることが必要である。このようなことから、本発明に
おいては、スラグ形成に用いる造滓剤として、Al23
の配合量が20〜90重量%(したがって、CaOの配
合量が10〜80重量%)の配合物を選定する。Al2
3の配合量が上記範囲から外れている配合物を造滓剤
として用いても、金属Vの融点より低融点の組成比にな
るスラグを形成することが困難となり、溶湯からのAl
成分とO成分の除去は事実上不可能となるからである。
【0015】なお、この造滓剤は、CaO粉末とAl2
3の粉末を上記した配合比となるように混合して製造
することができる。このとき、CaO粉末は吸湿性であ
るため、可能な限り水分を含まない状態で使用すること
が好ましい。水分を含んだ状態で使用すると、この水分
によりCaOはCa(OH)2になってしまい、そのこ
とにより、造滓剤として用いたときに溶湯中のO成分の
除去効果を阻害するからである。
【0016】
【実施例】まず、CaO粉末とAl23粉末を用いて表
1で示した各種配合比の配合物を造滓剤として製造し
た。なお、この配合物の融点を状態図から求め、その値
も表1に併記した。
【0017】
【表1】
【0018】一方、テルミット反応で製造した金属V素
材を精錬対象として用意した。この素材は、化学分析に
よれば、V:95重量%、固溶Al:0.5重量%、A
2 3:2.0重量%であり、全O成分量が2.75重量
%のものである。そして、その融点は1900℃(常圧
下)である。この素材を高周波真空誘導溶解炉内のZr
2製るつぼに投入し、そして同時に、表1で示した造
滓剤のそれぞれを、溶湯1kg当たり200gとなる割合
で投入したのち溶解炉を運転し、表2で示した温度と時
間でスラグ精錬を行った。
【0019】得られた精錬物を分析した。以上の結果を
表2に示した。なお、各除去成分の除去率も表2に併記
した。
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】表2から明らかなように、本発明のスラ
グ精錬法によれば、金属V素材中のAl成分とO成分を
Al23成分として極めて高い除去率で除去することが
できる。しかも、この精錬は真空溶解炉を用いて実施で
きるので、従来のEB炉を用いた精錬コストに比べて全
体として安価となり、また素材の大量処理が可能であ
る。
【0022】したがって、本発明は、金属Vの高純度が
要求される水素吸蔵合金や核融合炉用構造材料の製造時
に適用してその工業的価値は極めて大である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精錬対象の金属V素材を造滓剤とともに
    真空溶解炉で溶解して前記金属V素材からAl成分とO
    成分を除去する方法であって、前記造滓剤がCaOとA
    23の配合物であることを特徴とする金属V素材の精
    錬方法。
  2. 【請求項2】 前記配合物におけるAl23の配合量が
    20〜90重量%である請求項1の金属V素材の精錬方
    法。
  3. 【請求項3】 前記金属V素材におけるAl成分とO成
    分の含有率が、Al23の形態で1〜5重量%である請
    求項1または2の金属V素材の精錬方法。
  4. 【請求項4】 前記金属V素材が、金属Alを還元元素
    とするV25に対するテルミット反応で製造された金属
    V素材である請求項1〜3のいずれかの金属V素材の精
    錬方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100453553B1 (ko) * 2002-01-31 2004-10-20 한국지질자원연구원 바나듐 함유 폐기물로부터 바나듐을 회수하는 재활용 방법
CN112813230A (zh) * 2020-12-30 2021-05-18 河钢股份有限公司承德分公司 一种含钒铁水真空提钒的方法

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