JP2001348210A - 過酸化水素水溶液の製造方法 - Google Patents

過酸化水素水溶液の製造方法

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JP2001348210A JP2000165674A JP2000165674A JP2001348210A JP 2001348210 A JP2001348210 A JP 2001348210A JP 2000165674 A JP2000165674 A JP 2000165674A JP 2000165674 A JP2000165674 A JP 2000165674A JP 2001348210 A JP2001348210 A JP 2001348210A
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Etsuo Matsunaga
悦夫 松永
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、粗過酸化水素水溶液の濃縮に伴っ
て生じる釜残溶液の中の不純物を効率よく除去して、不
純物(重金属、有機物等)含量の低い精製過酸化水素水
溶液を回収できる方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の課題は、粗過酸化水素水溶液を
蒸発器で蒸発操作して、過酸化水素と水の混合蒸気を頂
部から抜き出すと共に、蒸発器釜残溶液を底部から抜き
出し、該蒸発器釜残溶液をストリッピング塔でスチーム
ストリッピングして、蒸発器釜残溶液中の過酸化水素を
頂部から回収すると共に、ストリッピング塔釜残溶液を
底部から抜き出す、工程を含む過酸化水素水溶液の製造
方法において、蒸発器釜残溶液を活性アルミナと接触さ
せて蒸発器釜残溶液中の不純物を吸着除去し、ストリッ
ピング塔の底部から精製過酸化水素水溶液を抜き出すこ
とを特徴とする過酸化水素水溶液の製造方法などによっ
て解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過酸化水素水溶液
の製造において、粗過酸化水素水溶液の濃縮に伴って生
じる釜残溶液の中の不純物を効率よく除去して、不純物
(重金属、有機物等)含量の低い精製過酸化水素水溶液
を回収する方法に関する。更に詳しくは、アンスラキノ
ン法によって得られた粗過酸化水素水溶液を精製するに
当り、粗過酸化水素水溶液の濃縮に伴って生じる蒸発器
釜残溶液或いはストリッピング塔釜残溶液中の不純物を
効率よく除去して、不純物(重金属、有機物等)含量の
低い精製過酸化水素水溶液を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】過酸化水素水溶液は、一般に、アンスラ
キノン法(アンスラキノン類の酸化・還元)によって製
造されている。即ち、まず、水添工程においてアンスラ
キノン類溶液を作動液としてアンスラハイドロキノン類
を生成させ、次いで、酸化工程においてアンスラハイド
ロキノン類から過酸化水素とアンスラキノン類を生成さ
せ、抽出工程において過酸化水素を水で抽出して過酸化
水素水溶液(粗過酸化水素水溶液)を得て、次いで有機
溶媒で有機物を抽出除去し、更に濃縮・精製工程におい
て粗過酸化水素水溶液を濃縮・精製することにより製造
される。
【0003】濃縮・精製工程では、まず、蒸発器で蒸発
操作するなどの方法によって、粗過酸化水素水溶液が濃
縮される。このとき、過酸化水素と水の混合蒸気が蒸発
器の頂部から抜き出されると共に、底部から蒸発器釜残
溶液が抜き出されるが、この釜残溶液は不純物(重金
属、有機物等)を含有する高濃度の過酸化水素水溶液と
なっている。このため、例えば、蒸発器釜残溶液をスト
リッピング塔でスチームストリッピングして、釜残溶液
中の過酸化水素を回収する方法が提案されている(特公
昭45−34926号公報)。
【0004】しかし、この方法においても、ストリッピ
ング塔の底部から、不純物(重金属、有機物等)を多量
に含有する、低品質の高濃度過酸化水素水溶液(ストリ
ッピング塔釜残溶液)が抜き出されてくる。従来、この
釜残溶液は更に処理して利用できるものではなく、過酸
化水素の誘導品製造用に自家消費するか、或いは希釈し
て低品質過酸化水素水溶液として外販するなどのほかは
有効な処理方法がない状態であった。また、前記蒸発器
釜残溶液もストリッピング以外に有効な処理方法がなか
った。
【0005】なお、粗過酸化水素水溶液から不純物を除
去する方法としては、蒸発又は蒸留以外に、有機溶剤に
よる抽出除去、吸着剤による吸着除去、凝集剤による沈
殿除去などの方法が知られている。このうち、吸着剤と
しては、重金属やリン酸成分の除去にイオン交換樹脂が
(特公昭39−3002号公報など)、有機物の除去に
活性炭が(特公昭38−26152号公報など)、リン
酸成分の除去に活性アルミナ(特開平5−78104号
公報など)などがそれぞれ使用されている。
【0006】また、過酸化水素水溶液中の微量の不純物
(重金属又は有機物)を除去して安定剤が効果を発揮す
るような過酸化水素水溶液を得るために、過酸化水素水
溶液を、製造の中間段階(例えば、濃縮前)或いは製造
又は濃縮の終了後、好ましくは全ての製造工程が終了し
た後に、活性アルミナと接触させる方法も知られている
(特公昭48−41158号公報)。しかし、この方法
は前記のような釜残溶液を対象としたものではなく、釜
残溶液中の不純物を効率よく除去できる方法は知られて
いなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、過酸化
水素水溶液の製造において、粗過酸化水素水溶液の濃縮
に伴って生じる釜残溶液の中の不純物を効率よく除去し
て、不純物(重金属、有機物等)含量の低い精製過酸化
水素水溶液を回収する方法は従来知られていなかった。
このような事情に鑑み、本発明は、過酸化水素水溶液の
製造において、粗過酸化水素水溶液の濃縮に伴って生じ
る釜残溶液の中の不純物を効率よく除去して、不純物
(重金属、有機物等)含量の低い精製過酸化水素水溶液
を回収できる方法を提供することを課題とする。
【0008】即ち、本発明は、粗過酸化水素水溶液の濃
縮において、最初の蒸発器を経てストリッピング塔の底
部から抜き出されるストリッピング塔釜残溶液を不純物
(重金属、有機物等)含量の低い精製過酸化水素水溶液
として回収できる、過酸化水素水溶液の製造方法を提供
することを課題とする。更に、本発明は、蒸発器から抜
き出される蒸発器釜残溶液も同様の精製過酸化水素水溶
液として回収可能な、過酸化水素水溶液の製造方法を提
供することも課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、(1)
粗過酸化水素水溶液を蒸発器で蒸発操作して、過酸化水
素と水の混合蒸気を頂部から抜き出すと共に、蒸発器釜
残溶液を底部から抜き出し、(2)該蒸発器釜残溶液を
ストリッピング塔でスチームストリッピングして、蒸発
器釜残溶液中の過酸化水素を頂部から回収すると共に、
ストリッピング塔釜残溶液を底部から抜き出す、工程を
含む過酸化水素水溶液の製造方法において、蒸発器釜残
溶液を活性アルミナと接触させて蒸発器釜残溶液中の不
純物を吸着除去し、ストリッピング塔の底部から精製過
酸化水素水溶液を抜き出すことを特徴とする過酸化水素
水溶液の製造方法によって解決される。
【0010】また、本発明の課題は、(1)粗過酸化水
素水溶液を蒸発器で蒸発操作して、過酸化水素と水の混
合蒸気を頂部から抜き出すと共に、蒸発器釜残溶液を底
部から抜き出し、(2)該蒸発器釜残溶液をストリッピ
ング塔でスチームストリッピングして、蒸発器釜残溶液
中の過酸化水素を頂部から回収する、工程を含む過酸化
水素水溶液の製造方法において、ストリッピング塔釜残
溶液を活性アルミナと接触させて、ストリッピング塔釜
残溶液中の不純物を吸着除去し、ストリッピング塔の底
部から精製過酸化水素水溶液を抜き出すことを特徴とす
る過酸化水素水溶液の製造方法によっても解決される。
【0011】更に、本発明の課題は、粗過酸化水素水溶
液を蒸発器で蒸発操作して、過酸化水素と水の混合蒸気
を頂部から抜き出すと共に、蒸発器釜残溶液を底部から
抜き出す、工程を含む過酸化水素水溶液の製造方法にお
いて、蒸発器釜残溶液を活性アルミナと接触させて、蒸
発器釜残溶液中の不純物を吸着除去し、蒸発器の底部か
ら精製過酸化水素水溶液を抜き出すことを特徴とする過
酸化水素水溶液の製造方法によって解決される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる粗過酸化水素
水溶液としては、アンスラキノン法(アンスラキノン類
の酸化・還元)によって製造される過酸化水素を水で抽
出し、更に有機溶媒(トルエン等の低沸点炭化水素な
ど)で不純物を抽出除去して得られる過酸化水素水溶液
(過酸化水素含量:20〜40重量%、重金属(Fe、
Crなどの重金属イオン)含量:各0.01〜0.1重
量ppm、高沸点有機物含量:10重量ppm程度)が
好適に挙げられる。以下、本発明では、この過酸化水素
水溶液を粗過酸化水素水溶液と称する。
【0013】過酸化水素水溶液の製造における粗過酸化
水素水溶液の濃縮・精製工程で、粗過酸化水素水溶液
は、例えば、次のように濃縮されて釜残溶液が生じる。
本発明の一実施態様を示すプロセス図により、濃縮・精
製工程を説明する。
【0014】即ち、粗過酸化水素水溶液は、最初に蒸発
器1で蒸発操作するなどの方法によって濃縮される。こ
の蒸発操作においては、粗過酸化水素水溶液が導管11
を通して蒸発器1の中段に供給されて、水と過酸化水素
の大部分が蒸発するまで加熱され、過酸化水素と水の混
合蒸気(過酸化水素含量:10〜30重量%)が蒸発器
1の頂部から導管14を通して抜き出される。この過酸
化水素と水の混合蒸気は蒸留塔(図示せず)に供給され
て、公知のように更に蒸留精製される。
【0015】一方、蒸発器1の底部からは、粗過酸化水
素水溶液の2〜10容量%に相当する蒸発器釜残溶液
(過酸化水素含量:60〜70重量%、重金属(Fe、
Crなどの重金属イオン)含量:各0.1〜5重量pp
m、高沸点有機物含量:100〜500重量ppm)が
導管12を通して抜き出される。この釜残溶液は後述の
ストリッピング塔に供給される。なお、導管12には蒸
発器釜残溶液の循環ライン(導管13)が設置される。
導管13にはリボイラー(図示せず)が設置されること
もある。
【0016】蒸発器1の型式や材質は、前記蒸発操作が
可能で、重金属等の不純物を生成しないものであるなら
ば特に制限されず、どのようなものであってもよい。材
質には、例えば、ステンレス鋼、ジルコニウムなどを用
いることができ、蒸発器としては、薄膜式蒸発器などを
用いることができる。蒸発器1における蒸発操作の条件
も前記蒸発操作ができる範囲であれば特に制限されず、
例えば、40〜120℃、50〜760mmHgの条件
であればよい。
【0017】次いで、蒸発器釜残溶液は導管12を通し
てストリッピング塔のストリッピング部2の上部に供給
され、導管15を通してストリッピング部2の下部に供
給される水蒸気と、好ましくは30〜40mmHgの圧
力で向流接触させることによりスチームストリッピング
される。このとき、水蒸気は、前記の過酸化水素と水の
混合蒸気が蒸留塔で更に蒸留精製される際に抜き出され
る水蒸気を用いることが好ましい。
【0018】ストリッピング部2でスチームストリッピ
ングされた過酸化水素は、ストリッピング部2の上方に
連結する濃縮部3の下部に供給され、導管20を通して
濃縮部3の上部から供給される純水(重金属等の不純物
を含まない還流水を用いてもよい)と、好ましくは20
〜45mmHgの圧力で向流接触させることにより濃縮
される。そして、濃縮された過酸化水素水溶液は導管1
8を通して濃縮部3の底部から抜き出されると共に、過
剰の水蒸気が導管19を通して濃縮部3の頂部から抜き
出される。
【0019】一方、ストリッピング塔(ストリッピング
部2)の底部からは、ストリッピング塔釜残溶液(過酸
化水素含量:30〜50重量%、重金属(Fe、Crな
どの重金属イオン)含量:各0.3〜50重量ppm、
高沸点有機物含量:300〜5000重量ppm)が導
管16を通して抜き出される。なお、導管16にはスト
リッピング塔釜残溶液の循環ライン(導管17)が設置
され、導管17にはリボイラー(図示せず)が設置され
る。リボイラーは通常35〜60mmHg程度の圧力と
される。
【0020】ストリッピング塔の型式や材質は、前記の
スチームストリッピング及び濃縮操作が可能で、重金属
等の不純物を生成しないものであるならば特に制限され
ず、どのようなものであってもよい。ストリッピング塔
の材質としては、例えば、ステンレス鋼、ジルコニウム
などを用いることができる。なお、ストリッピング塔に
おいて、ストリッピング部と濃縮部は連結されて設置さ
れていてもよく、別個に設置されていてもよい。
【0021】本発明では、前記のようにして得られる釜
残溶液(蒸発器釜残溶液及び/又はストリッピング塔釜
残溶液)を活性アルミナと接触させることによって、粗
過酸化水素水溶液の濃縮に伴って生じる釜残溶液を不純
物(重金属、有機物等)含量の低い精製過酸化水素水溶
液として回収することができる。
【0022】前記処理(釜残溶液と活性アルミナとの接
触)は、蒸発器釜残溶液については、蒸発器釜残溶液の
抜き出しライン(導管12)又はその循環ライン(導管
13)に活性アルミナ塔を設置することにより、また、
ストリッピング塔釜残溶液については、ストリッピング
塔釜残溶液の抜き出しライン(導管16)又はその循環
ライン(導管17)に活性アルミナ塔を設置することに
より行われる。活性アルミナ塔の型式や材質は、活性ア
ルミナを充填して釜残溶液と活性アルミナを接触させる
ことができるものであれば、どのようなものであっても
よい。なお、この処理において、いずれの場合も、接触
温度は0〜30℃、SVは0.1〜10hr-1程度であ
ることが好ましい。
【0023】前記処理は蒸発器釜残溶液のみ、或いはス
トリッピング塔釜残溶液のみについて行ってもよく、両
者について行ってもよい。いずれの処理においても、蒸
発器及びストリッピング塔を含む濃縮・精製工程であれ
ば、ストリッピング塔釜残溶液を不純物(重金属、有機
物等)含量の低い精製過酸化水素水溶液として導管16
を通して回収することができる。
【0024】蒸発器釜残溶液を処理する場合には、蒸発
器釜残溶液を低不純物含量の精製過酸化水素水溶液とし
て導管12を通してそのまま回収することもできる。こ
の場合、濃縮・精製工程をストリッピング塔を除いたプ
ロセスとすることもできる。なお、以上の各操作は全て
連続式であることが好ましい。
【0025】このようにして回収される低不純物含量の
精製過酸化水素水溶液は、過酸化水素含量:30〜70
重量%、重金属(Fe、Crなどの重金属イオン)含
量:各0.01〜1重量ppm、高沸点有機物含量:1
00〜200重量ppmのもので、市販の工業用グレー
ドに相当するものである。なお、回収された低不純物含
量の精製過酸化水素水溶液は、必要に応じて蒸発器1に
戻して過酸化水素を更に回収してもよく、また、前記の
有機溶媒抽出の工程に戻して有機物含量を更に低減させ
てもよい。
【0026】なお、活性アルミナとしては、アルミニウ
ムをAl23として90重量%以上、更には95重量%
以上含有し、比表面積が100〜400m2/g、更に
は100〜200m2/gであるものが好ましい。そし
て、活性アルミナの粒子径は3〜50メッシュ、更には
5〜20メッシュであることが好ましい。このような活
性アルミナの中では、γ−アルミナが好ましい。
【0027】前記活性アルミナは、鉄をFe23として
0.5重量%以下、更には0.1重量%以下、クロム、
銅、ニッケルを金属としてそれぞれ10重量ppm以
下、ナトリウムをNa2Oとして0.4重量%以下、更
には0.3重量%以下含有するようなものが好ましい。
【0028】また、前記活性アルミナは、必要に応じ
て、水又は無機酸水溶液(希硝酸、塩酸、硫酸等)、特
に0.5〜5重量%硝酸水溶液で洗浄して、表面のアル
カリ成分を実質的に除去したものであってもよい。
【0029】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。なお、過酸化水素はJISK1463
に準拠する過マンガン酸カリウム溶液での滴定法によ
り、重金属はICPによりそれぞれ測定した。プロセス
は図1に概略示されるプロセスに従った。
【0030】実施例1 アンスラキノン法による粗過酸化水素水溶液(過酸化水
素含量:30重量%、Fe含量:40重量ppb、Cr
含量:40重量ppb、高沸点有機物含量:10重量p
pm)8600kg/hrを導管12を通して蒸発器1
の中段へ供給し、60 ℃、75mmHgで過酸化水素
と水を蒸発させた。そして、蒸発器の頂部から導管14
を通して過酸化水素と水の混合蒸気(過酸化水素含量:
27重量%)7740kg/hrを抜き出すと共に、底
部から導管12を通して蒸発器釜残溶液(過酸化水素含
量:60重量%、Fe含量:400重量ppb、Cr含
量:400重量ppb、高沸点有機物含量:100重量
ppm)860kg/hrを抜き出した。また、抜き出
した釜残溶液の一部は導管13を通して蒸発器の底部に
循環した。
【0031】蒸発器の底部から抜き出した蒸発器釜残溶
液860kg/hrは、導管12(導管13の分岐部の
下流側)に設置した活性アルミナ塔を通過させて(接触
温度:30℃、SV:5hr-1)、ストリッピング塔の
ストリッピング部2の上部に供給した。なお、活性アル
ミナ塔には、活性アルミナ(KHO;住友化学製)を充
填した。
【0032】ストリッピング塔のストリッピング部2で
は、導管12を通して上部に供給した前記釜残溶液86
0kg/hrを、導管15を通して下部に供給する水蒸
気4300kg/hrと40mmHgで向流接触させ
て、過酸化水素をスチームストリッピングした。そし
て、ストリッピング塔(ストリッピング部2)の底部か
ら釜残溶液140kg/hrを精製過酸化水素水溶液
(過酸化水素含量:40重量%、Fe含量:60重量p
pb、Cr含量:60重量ppb、高沸点有機物含量:
300重量ppm)として導管16を通して抜き出し
た。この釜残溶液の一部は導管17(リボイラーを設
置)を通してストリッピング塔の底部に循環した。
【0033】一方、ストリッピング部2でスチームスト
リッピングした過酸化水素は、ストリッピング部2の上
方に連結する濃縮部3の下部に供給し、導管20を通し
て濃縮部3の上部から供給する純水5000kg/hr
と、20mmHgで向流接触させた。そして、回収過酸
化水素水溶液(過酸化水素含量:5重量%)を導管18
を通して濃縮部3の底部から9200kg/hrで抜き
出すと共に、過剰の水蒸気を導管19を通して濃縮部3
の頂部から抜き出した。
【0034】比較例1 実施例1において活性アルミナ塔を設置しなかったほか
は、実施例1と同様に操作した。その結果、ストリッピ
ング塔(ストリッピング部2)の底部から導管16を通
して抜き出した釜残溶液は、過酸化水素含量:40重量
%、Fe含量:2440重量ppb、Cr含量:244
0重量ppb、高沸点有機物含量:610重量ppmで
あった。
【0035】実施例2 実施例1において活性アルミナ塔を導管16(導管17
の分岐部の下流側)に設置したほかは、実施例1と同様
に操作した。その結果、実施例1と同様の釜残溶液を精
製過酸化水素水溶液として導管16を通して抜き出し
た。
【0036】実施例3 実施例1において活性アルミナ塔を通過させた釜残溶液
をそのまま抜き出したところ、精製過酸化水素水溶液
(過酸化水素含量:60重量%、Fe含量:10重量p
pb、Cr含量:10重量ppb、高沸点有機物含量:
50重量ppm)であった。
【0037】
【発明の効果】本発明により、過酸化水素水溶液の製造
において、粗過酸化水素水溶液の濃縮に伴って生じる釜
残溶液の中の不純物(重金属、有機物等)を効率よく除
去して(特に重金属、中でもFeやCrを効率よく除去
して)、不純物(特に重金属、中でもFeやCr)含量
の低い精製過酸化水素水溶液を回収することができる。
即ち、本発明により、粗過酸化水素水溶液の濃縮におい
て、最初の蒸発器を経てストリッピング塔の底部から抜
き出されるストリッピング塔釜残溶液を不純物(重金
属、有機物等)含量の低い精製過酸化水素水溶液として
回収できる。更に、本発明により、蒸発器から抜き出さ
れる蒸発器釜残溶液も同様の精製過酸化水素水溶液とし
て回収可能になる。従来、ストリッピング塔釜残溶液
は、過酸化水素の誘導品製造用に自家消費するか、或い
は希釈して低品質過酸化水素水溶液として外販するなど
のほかは有効な処理方法がなく、また、蒸発器釜残溶液
もストリッピング以外に有効な処理方法がなかったこと
から、低品質の釜残溶液を生じさせない本発明の方法は
工業的に非常に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を概略示すプロセス図であ
る。
【符号の説明】
1は蒸発器、2はストリッピング塔のストリッピング
部、3はストリッピング塔の濃縮部、11〜20は導管
をそれぞれ表す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)粗過酸化水素水溶液を蒸発器で蒸
    発操作して、過酸化水素と水の混合蒸気を頂部から抜き
    出すと共に、蒸発器釜残溶液を底部から抜き出し、
    (2)該蒸発器釜残溶液をストリッピング塔でスチーム
    ストリッピングして、蒸発器釜残溶液中の過酸化水素を
    頂部から回収すると共に、ストリッピング塔釜残溶液を
    底部から抜き出す、工程を含む過酸化水素水溶液の製造
    方法において、蒸発器釜残溶液を活性アルミナと接触さ
    せて蒸発器釜残溶液中の不純物を吸着除去し、ストリッ
    ピング塔の底部から精製過酸化水素水溶液を抜き出すこ
    とを特徴とする過酸化水素水溶液の製造方法。
  2. 【請求項2】 (1)粗過酸化水素水溶液を蒸発器で蒸
    発操作して、過酸化水素と水の混合蒸気を頂部から抜き
    出すと共に、蒸発器釜残溶液を底部から抜き出し、
    (2)該蒸発器釜残溶液をストリッピング塔でスチーム
    ストリッピングして、蒸発器釜残溶液中の過酸化水素を
    頂部から回収する、工程を含む過酸化水素水溶液の製造
    方法において、ストリッピング塔釜残溶液を活性アルミ
    ナと接触させて、ストリッピング塔釜残溶液中の不純物
    を吸着除去し、ストリッピング塔の底部から精製過酸化
    水素水溶液を抜き出すことを特徴とする過酸化水素水溶
    液の製造方法。
  3. 【請求項3】 粗過酸化水素水溶液を蒸発器で蒸発操作
    して、過酸化水素と水の混合蒸気を頂部から抜き出すと
    共に、蒸発器釜残溶液を底部から抜き出す、工程を含む
    過酸化水素水溶液の製造方法において、蒸発器釜残溶液
    を活性アルミナと接触させて、蒸発器釜残溶液中の不純
    物を吸着除去し、蒸発器の底部から精製過酸化水素水溶
    液を抜き出すことを特徴とする過酸化水素水溶液の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 粗過酸化水素水溶液がアンスラキノン法
    によって得られる粗過酸化水素水溶液である、請求項1
    〜3のいずれかに記載の過酸化水素水溶液の製造方法。
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