JP2001347673A - インクジェットヘッド構造、インクジェットヘッドの製造方法及び画像形成装置 - Google Patents

インクジェットヘッド構造、インクジェットヘッドの製造方法及び画像形成装置

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JP2001347673A
JP2001347673A JP2000174560A JP2000174560A JP2001347673A JP 2001347673 A JP2001347673 A JP 2001347673A JP 2000174560 A JP2000174560 A JP 2000174560A JP 2000174560 A JP2000174560 A JP 2000174560A JP 2001347673 A JP2001347673 A JP 2001347673A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術の問題点に鑑み、膜厚のばらつきの
少ない振動板を提供することを第1の目的とする。第2
の目的は、振動板側にのみ個別電極を形成し、保持基板
を共通電極とすることで、従来技術の問題点を解決す
る。 【解決手段】 液室7の一部を形成する振動板6を静電
力で吸引することで該振動板6を変形し、該振動板6の
弾性力を開放することでインクを吐出する静電型インク
ジェットヘッドにおいて、振動板6として絶縁体を用い
たことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像形成用のヘッド
構造に関するもので、特に複写機、FAX、プリンタ等
の画像形成装置に用いられるインクジェットヘッド構造
の改良、該インクジェットヘッドの製造方法及び改良さ
れたヘッドを組み込んだ画像形成装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】オンデマンド式インクジェットヘッドに
よる記録は、昨今のカラー化の需要拡大により広く用い
られるようになってきている。デジタル画像機器がパー
ソナルコンピュータに接続されるネットワーク時代にな
り、カラー記録の趨勢が拡大するにつれて、記録の更な
る高画質化や高速印字化が追求され、そのためインクジ
ェットヘッドにおいてもノズル数、ノズル密度の向上が
求められている。斯かる要望に対して、近年加圧液室を
形成する振動板を静電力で変位させた後、振動板の弾性
力を開放してインクを加圧しインクを吐出する静電型イ
ンクジェットヘッドが開発されている。このタイプのイ
ンクジェットヘッドは構造が単純で熱の発生が少ないと
いう特徴を有している。加えてアクチュエータや液室を
シリコンで構成することができ、そのため半導体プロセ
スに近いマイクロマシニングプロセスで製作できるため
高密度化に適している。斯かるタイプのインクジェット
ヘッドの従来技術として特開平6−71882号公報な
どが挙げられる。この従来技術によると振動板としては
単結晶シリコンが用いられている。ところで、一般に上
記静電型インクジェットヘッドの振動板において、振動
板の弾性は短辺幅の4乗に比例するため、振動板短辺長
を短くしていくにつれて弾性力に対抗する静電力も大き
くする必要があり駆動電圧が高くなってしまうという問
題がある。又、弾性力は板厚の3乗に比例するため、振
動板の板厚を薄くすることで電圧を低くする必要が出て
くる。そこで精度良く薄い振動板膜厚を形成することが
重要な技術課題として要求される。しかしながら、前記
特開平6−71882号公報のように単結晶シリコンを
用いるものは、半導体プロセスに近いマイクロマシニン
グプロセスで製造されるものであるところから、振動板
の厚さは不純物層を形成する拡散工程で決定され、拡散
工程には、温度、拡散源の状態、時間、シリコン基板の
表面状態等のプロセスパラメータが多いため、製造にお
いては、厳格な工程管理が必要になってしまうという問
題がある。特に要求される膜厚が薄くなるほど、膜厚の
ばらつきの影響が大きくなるという問題がある。一方、
更に、同種タイプのインクジェットヘッドの従来技術で
ある特開平6−55732号公報においては図6に示す
ように振動板7を共通電極にし抵抗を低減するため、振
動板7に金属薄膜14を形成したものが知られている。
本従来技術においては、振動板は絶縁物であるため導体
膜を形成する必要がでてくる。しかし、全面に金属など
の導体層を形成すると、振動板を保持基板に接合する場
合に接合強度の著しい低下を生じてしまう。又、電極を
各ノズル単位で分割する場合は工程数が増加してしまい
コスト面での上昇を招いてしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術の問題点
を解消するため、本発明においては第1に、従来技術の
問題点に鑑み、膜厚のばらつきの少ない振動板を提供す
ることを目的とする。そのため振動板として絶縁体であ
る熱酸化膜を用いることとし、膜厚制御性が高いことで
知られているシリコンの熱酸化プロセスを使用して製造
することにした。振動板形成においては、板厚の均一性
や再現性が重要であるため、上記プロセスは最適な製造
プロセスといえる。本発明の第2の目的は、振動板側に
のみ個別電極を形成し、保持基板を共通電極とすること
で、従来技術の問題点を解決することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、液室の一部を形成する振動板を
静電力で吸引することで該振動板を変形し、該振動板の
弾性力を開放することでインクを吐出する静電型インク
ジェットヘッドにおいて、振動板として絶縁体を用いた
インクジェットヘッド構造を最も主要な特徴とする。請
求項2の発明は、請求項1のインクジェットヘッド構造
において、絶縁体がシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、
シリコン酸窒化膜、硼珪酸ガラスのいずれかであるイン
クジェットヘッド構造を主要な特徴とする。請求項3の
発明によれば、請求項1又は請求項2のインクジェット
ヘッド構造において、各ノズルに対応した振動板にそれ
ぞれ個別の電極を形成するインクジェットヘッド構造を
主要な特徴とする。請求項4の発明によれば、請求項1
乃至3のいずれか1項記載のインクジェットヘッド構造
において、振動板に対向する保持基板が複数ノズルに渡
り連続した導体であるインクジェットヘッド構造を主要
な特徴とする。請求項5の発明は、請求項1乃至3のい
ずれか1項記載のインクジェットヘッド構造において、
液室を構成する基板側に溝を形成するインクジェットヘ
ッド構造を主要な特徴とする。請求項6の発明は、請求
項1乃至3のいずれか1項記載のインクジェットヘッド
構造において、電極が多層で酸化膜振動板に接する層の
抵抗が低いインクジェットヘッド構造を主要な特徴とす
る。請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項
記載のインクジェットヘッド構造を有する画像形成装置
を主要な特徴とする。請求項8の発明は、電極を外部に
引き出すパッド領域を保持基板であるシリコンを熱酸化
することで固定するインクジェットヘッド製造方法を最
も主要な特徴とする。請求項9の発明は、請求項8のイ
ンクジェット製造方法において、シリコン窒化膜をギャ
ップ内に形成し酸化防止膜に用いるインクジェットヘッ
ド製造方法を主要な特徴とする。
【0005】
【作用】液室の一部を形成する振動板を静電力で吸引し
該振動板を変形し、該振動板の弾性力を開放することで
インクを吐出する静電型インクジェットヘッドにおいて
は、高密度化のために振動板短辺幅が短くなり増加した
振動板の剛性を低減するためその厚みを精度良く薄く製
作する必要がある。請求項1の発明によれば、絶縁体を
振動板にすることとするので、膜厚の均一性と制御性を
向上することができる。また、インクジェットヘッド構
造においては、高密度化のために振動板短辺幅が短くな
り増加した振動板の剛性を低減するためその厚みを精度
良く薄く製作する必要がある。請求項2の発明によれ
ば、絶縁体がシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコ
ン酸窒化膜、硼珪酸ガラスのいずれかであることとする
ので、膜厚の均一性と制御性を向上することができる。
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2のイン
クジェットヘッド構造において、各ノズルに対応した振
動板にそれぞれ個別の電極を形成することとするので、
保持基板と液室基板の直接接合できる領域が形成でき、
接合部に金属やその化合物をはさんで接合する必要がな
く、接合の質を向上することができる。請求項4の発明
によれば、請求項1乃至3のいずれか1項記載のインク
ジェットヘッド構造において、振動板に対向する保持基
板が複数ノズルに渡り連続した導体であることとするの
で、保持基板上に個別電極を形成せず、保持基板を共通
電極とすることで電極形成のプロセスを簡略化すること
ができる。請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれ
か1項記載のインクジェットヘッド構造において、液室
を構成する基板側に溝を形成することとするので、個別
電極が接合面よりはみ出ることがなく、接合のアライメ
ントをし易くすることができる。請求項6の発明は、請
求項1乃至3のいずれか1項記載のインクジェットヘッ
ド構造において、電極が多層で酸化膜振動板に接する層
の抵抗が低いこととするので、引きだし電極の異方性導
電膜等に接する部分であって抵抗が低い部分において接
触抵抗が低くなる。
【0006】請求項7の発明は、請求項1乃至6のいず
れか1項記載のインクジェットヘッド構造を有する画像
形成装置を特徴とするので、高密度化に伴い液室短辺が
短いヘッドを持ちながら、振動板膜厚を高精度で薄く制
御できるのでより低電圧で駆動することができる。請求
項8の発明は、電極を外部に引き出すパッド領域を保持
基板であるシリコンを熱酸化することで固定するインク
ジェットヘッド製造方法を最も主要な特徴とする。イン
クジェットヘッド製造方法においては、個別電極を液室
基板に形成する場合、引きだし電極パッドの形成が難し
い。請求項8の発明は、電極を外部に引き出すパッド領
域を保持基板であるシリコンを熱酸化することで固定す
るので、保持基板に電極パッドを容易に固定することが
できる。請求項9の発明は、請求項8のインクジェット
製造方法において、シリコン窒化膜をギャップ内に形成
し酸化防止膜に用いるインクジェットヘッド製造方法を
主要な特徴とする。請求項8のインクジェット製造方法
においては、ギャップ内を酸化することで引きだし電極
を固定しているが、請求項9の発明は、シリコン窒化膜
をギャップ内に形成し酸化防止膜に用いることとするの
で、酸化で振動板が変位するギャップ深さが減少するこ
とがない。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
従い説明する。尚、本発明のインクジェットヘッド構造
は当然のことながら静電型インクジェットヘッドに関す
るものである。図1は本発明のインクジェットヘッド構
造の構造概略図であり、a)は正面縦断面図、b)は加
圧液室の短辺方向断面図を示す。加圧液室7の底面壁と
して形成された振動板6と対向する対向個別電極5に電
圧を印加し、静電力で振動板6を変位させた後、静電力
を開放し振動板の弾性復元力で加圧液室7のインクを加
圧することでインクをノズル10から吐出する。また、
インクは振動板6が変位した際、流路8を通り共通液室
9から加圧液室7内に供給される。本発明のインクジェ
ットヘッド構造では振動板6として絶縁体を用いること
が特徴である。絶縁体としてシリコン酸化膜、シリコン
窒化膜、シリコン酸窒化膜、硼珪酸ガラス等が使用でき
る。以下、実施形態としては、シリコン酸化膜を用いた
場合について説明するものとする。インクジェットヘッ
ドの高密度化の要求に対応する実施形態について説明す
る。ノズル密度が300dpiである場合、1ピッチは
84.7μmになる。振動板短辺長は60μm程度以下
になる。本実施形態では隔壁幅を約30μmとし、振動
板短辺幅を55μmとしてヘッドを製造している。液室
高さは70μm、加圧液室長辺長は1.5mm、ノズル
径は20μmである。振動板の弾性は短辺幅の4乗に比
例するため、短辺長が55μmとした場合には、弾性力
に対抗する静電力も大きくなり、駆動電圧が高くなる。
板厚の3乗に弾性力が比例するため、振動板板厚を薄く
することで電圧を低くする必要がでてくる。そこで制御
性良く薄く振動板膜厚を制御することが重要である。本
発明のインクジェットヘッド構造では、振動板6にシリ
コン酸化膜を使用することを特徴とした。シリコン酸化
膜を用いた振動板6の加圧液室7に面しないギャップ3
の側の面に対向個別電極5が形成されている。また、保
持基板1にはp形またはn形の導電形不純物を含んだシ
リコンを用い、共通電極を形成していることも特徴であ
る。更に、例えば保持基板1の裏面に電極14を形成し
共通電極を外部に取り出すことが可能である。パッド領
域12で個別電極5を外に取り出すパッド電極13は酸
化膜11により固定されている。酸化膜11は液室基板
15と保持基板1とを接合した後にギャップ3内を熱酸
化して形成される。このギャップ内酸化の際に振動板6
に面する保持基板1が酸化してギャップを狭めないよう
にシリコン窒化膜2が形成されている。
【0008】次に、図2乃至図5のインクジェットヘッ
ド製造工程の説明図に基づき、ステップa)乃至k)よ
りなるインクジェット製造工程について説明する。 工程a):液室基板として(1.1.0)面単結晶シリ
コン基板201を熱酸化し、0.4μmの酸化膜202
を形成する。 工程b):フォトリソグラフィにより有機レジストで溝
203のパターンを形成し、CHF3、H2、Heの混合
ガスであるRIE(Reactive Ion Etching)を行い酸化膜
202を開口する。溝203のパターンは加圧液室パタ
ーンに平行で異方性エッチングで垂直な(1.1.1)
面が形成される方向にしておく。c12と0202の混
合ガスでシリコンにRIEを行い、例えば0.3μmエ
ッチングする。 工程c):フォトリソグラフィにより有機レジストパタ
ーン204を形成する。例えば本実施形態ではc12と
−HBrの混合ガスのRIEでシリコンを0.2μmエ
ッチングした。アッシャでレジストを除去する。このよ
うにしてギャップ溝203と電極引出しパッド用溝20
5が形成される。 工程d):熱酸化を行い、振動板の厚さに対応した厚み
の酸化膜206を形成する。本実施形態では1.3μm
の酸化膜を形成した。このときc)で残した酸化膜20
2はさらに厚くなりh)の207となる。パッド部を酸化
膜エッチングで開口する場合、保持基板のシリコンが露
出しないために酸化膜を厚くする。 工程e):対向個別電極としては、W、No、Ta、T
iなどの高融点金属やそれらの化合物が使用できる。こ
の層は一般的なパッド電極とFPC(フレキシブル基板) の
電極との接続に使用される図示しない異方性導電膜と圧
着するので抵抗が低いほど好ましい。本実施形態ではT
iN208をスパッタ法で100nm成膜する。さらに
POClとSiH4の混合ガスによるCVDでポリシリ
コン209を300nm形成する。そしてSiH4とN2
Oの混合ガスによるCVDで酸化膜210を200nm
形成する。また、ポリシリコン自体を熱酸化し酸化膜と
することもできる。フォトリソグラフィで対向個別電極
の有機レジストパターンを形成する。バッファフッ酸で
酸化膜をエッチングし、ポリシリコンをフッ酸、硝酸、
水の混合液でエッチングする。さらにTiNを過酸化水
素とアンモニア水の混合液でエッチングする。レジスト
をアッシングで取り去る。
【0009】工程f):保持基板1となる第二のシリコ
ン基板211(比抵抗は例えば2Ωcm程度)にSiH4
とNH3の混合ガスのCVDでシリコン窒化膜シリコン
窒化膜を0.05μm成膜し、SiH4とNH3の混合ガ
スによるCVDで酸化膜を100nm形成する。フォト
リソグラフィで有機レジストをパターニングし、バッフ
ァフッ酸で酸化膜をエッチングする。レジストをアッシ
ングし、熱リン酸で露出しているシリコン窒化膜を取り
除く、さらにフッ酸で酸化膜をエッチングし取り除く。
このようにすることで、ギャップに面する保持基板上に
シリコン窒化膜212を形成することができた。 工程g):液室基板の酸化膜201と保持基板211の
シリコンを直接接合する。例えば1000℃の熱処理を
行う。 工程h):液室基板201を研磨し70μmの厚みに
する。SiH4とNH3の混合ガスによるCVDでシリコ
ン窒化膜シリコン窒化膜を0.1μm成膜し、対向個別
電極とアライメントしてフォトリソグラフィより有機レ
ジストの加圧液室パターンを形成しCHF3系ガスでシ
リコン窒化膜をエッチングする。TMAH(水酸化テト
ラメチルアンモニウム)水溶液で異方性エッチングを行
う。加圧液室パターンが液室基板面に垂直な(1.1.
1)面に平行であるようにしておくと、垂直な液室隔壁
を形成できる。KOH水溶液でも異方性エッチングでき
るが、酸化膜に対して選択比が大きいTMAHが好まし
い。大半をKOHでエッチングし、終点近くのみTMA
Hでエッチングすることもできる。シリコンがエッチン
グされ熱酸化膜206で終点となり、1.3μmの酸化
膜が振動板213として残る。シリコン窒化膜を熱リン
酸でエッチングし取り除く。また、パッド領域214で
も酸化膜206と同様に生成した酸化膜213bが異方
性エッチングの終点となり、パッド領域が酸化膜213
bで覆われる状態になる。保持基板のシリコンは熱酸化
膜206と同じ厚みである酸化膜213bより厚い酸化
膜207で覆われる。ウエハ内の各チップ毎に、全電極
のギャップが連通した溝パターン216をギャップパタ
ーンに含めておく。つまり、全電極に対応するギャップ
を溝パターン216にて連通する。シリコンの異方性エ
ッチング後は全ギャップが外部に連通する穴217は振
動板と同じ厚さの酸化膜で覆われている。この穴217
以外の部分を石英板マスクを用いて覆い、CHF3系ガ
スのRIEでこの酸化膜を取り去ることで全ギャップは
外気に開放される。尚、h)の平面略図では酸化膜を
除いた後を示している。
【0010】ギャップ内を酸化するため、熱酸化を例え
ば950℃で行う。パッドの電極の上層の、即ち、液室
基板は逆さに保持基板に接合されているのでh)図では
最下層になるが、酸化膜210と保持基板が酸化され成
長した酸化膜215とが接し融着する。液室基板も酸化
され酸化膜で覆われる。ギャップ領域は保持基板上にシ
リコン窒化膜212があり、ギャップ内は細長くたとえ
酸化が均一に行われなくとも、酸化膜が成長せずギャッ
プ深さは規定された深さに保たれる。酸化で生成した裏
面の酸化膜をCHF3+H2+Heの混合ガスのRIEで
取り去り、Al膜218をスパッタし、シンタリングを
行う。 工程i):ダイシングを行う。開口した部分はダイシン
グテープで覆われ冷却水の侵入は生じない。またこのと
き、パッド領域短辺方向断面略図に示すようにパッド
電極は振動板と同じ厚さの酸化膜213で覆われてお
り、ギャップに冷却水は侵入しない。パッド電極である
208、209は酸化膜210と保持基板の酸化膜21
5が融着しており、保持基板に固定され、ダイシングで
剥離しない。参考として液室の短辺方向の断面略図も
示してある。 工程j):石英板マスクでパッド領域214以外の液室
部分を保護しCHF3+H2+Heの混合ガスのRIEで
パッド領域214(電極パッド219)の酸化膜213
bを取り去り、パッド領域の電極208を露出させる。
d)で酸化膜207を206より厚くしてあるので保持
基板のシリコンは露出しない。 工程k):一般的なエッチング技術で共通液室と流路用
の穴を形成したステンレス板とレーザ加工で20μmの
ノズル孔を形成したステンレス板をエポキシ系接着剤で
接着し共通液室ノズルユニット220を製作する。そし
て、共通液室ノズルユニット220を液室基板に接着す
る。電極パッドに異方性導電膜を介し、FPC(フレキ
シブルプリント基板)を圧着する。
【0011】
【発明の効果】液室の一部を形成する振動板を静電力で
吸引して該振動板を変形し、該振動板の弾性力を開放す
ることでインクを吐出する静電型インクジェットヘッド
においては、高密度化のために振動板短辺幅が短くなり
増加した振動板の剛性を低減するためその厚みを精度良
く薄く製作する必要がある。請求項1の発明によれば、
振動板として絶縁体を用いることとしたので、膜厚の均
一性と制御性を向上することができた。請求項1に記載
したインクジェットヘッド構造においては、高密度化の
ために振動板短辺幅が短くなり増加した振動板の剛性を
低減するためその厚みを精度良く薄く製作する必要があ
る。請求項2の発明によれば、絶縁体をシリコン酸化
膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、硼珪酸ガラス
のいずれかであることとしたので、膜厚の均一性と制御
性を向上することができるインクジェットヘッド構造を
提供することができた。請求項3の発明によれば、請求
項1又は請求項2のインクジェットヘッド構造におい
て、各ノズルに対応した振動板にそれぞれ個別の電極を
形成することとしたので、保持基板と液室基板の直接接
合できる領域が形成でき、接合部に金属やその化合物を
はさんで接合する必要がなく、接合の質を向上すること
ができるインクジェットヘッド構造を提供することがで
きた。請求項4の発明によれば、請求項1乃至3のいず
れか1項記載のインクジェットヘッド構造において、振
動板に対向する保持基板が複数ノズルに渡り連続した導
体であることとしたので、保持基板上に個別電極を形成
せず、保持基板を共通電極とすることで電極形成のプロ
セスを簡略化することができるインクジェットヘッド構
造を提供することができた。
【0012】請求項5の発明は、請求項1乃至3のいず
れか1項記載のインクジェットヘッド構造において、液
室を構成する基板側に溝を形成することとしたので、個
別電極が接合面よりはみ出ることがなく、接合のアライ
メントをし易くすることができるインクジェットヘッド
構造を提供することができた。請求項6の発明は、請求
項1乃至3のいずれか1項記載のインクジェットヘッド
構造において、電極が多層で酸化膜振動板に接する層の
抵抗が低いこととしたので、引出し電極の異方性導電膜
等に接する部分の抵抗が低い部分が接触抵抗が低くなる
インクジェットヘッド構造を提供することができた。請
求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の
インクジェットヘッド構造を有する画像形成装置を特徴
とするので、高密度化に伴い液室短辺が短いヘッドを持
ちながら、振動板膜厚を高精度で薄く制御できるのでよ
り低電圧で駆動することができる画像形成装置を提供す
ることができた。請求項8の発明は、電極を外部に引き
出すパッド領域を保持基板であるシリコンを熱酸化する
ことで固定するインクジェットヘッド製造方法を最も主
要な特徴とする。インクジェットヘッド製造方法におい
ては、対向個別電極を液室基板に形成する場合、引出し
電極パッドの形成が難しい。請求項8の発明は、電極を
外部に引き出すパッド領域を保持基板であるシリコンを
熱酸化することで固定するので、保持基板に電極パッド
を容易に固定することができるインクジェットヘッド製
造方法を提供することができた。請求項9の発明は、請
求項8のインクジェット製造方法において、シリコン窒
化膜をギャップ内に形成し酸化防止膜に用いるインクジ
ェットヘッド製造方法を主要な特徴とする。請求項8の
インクジェット製造方法においては、ギャップ内を酸化
することで引出し電極を固定しているが、請求項9の発
明は、シリコン窒化膜をギャップ内に形成し酸化防止膜
に用いることとするので、酸化で振動板が変位するギャ
ップ深さが減少することがないインクジェットヘッド製
造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明インクジェットヘッド構造の構造概略図
であり、(a)は平面図、(b)は加圧液室の短辺方向
断面図である。
【図2】(a)乃至(d)は、インクジェットヘッド製
造工程の説明図である。
【図3】(e)乃至(h)は、インクジェットヘッド
製造工程の説明図である。
【図4】(h)乃至(i)は、インクジェットヘッド
製造工程の説明図である。
【図5】(j)及び(k)は、インクジェットヘッド製
造工程の説明図である。
【図6】従来のインクジェットヘッド構造の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 保持基板、2 シリコン窒化膜、3 ギャップ、4
酸化膜、5 対抗個別電極、6 振動板、7 加圧液
室、8 流路、9 共通液室、10 ノズル、11 酸
化膜、12 パッド領域、13 電極パッド、14 共
通電極、15 液室基板、201 単結晶シリコン基
板、202 酸化膜、203 溝、204有機レジスト
パターン、205 パッド用溝、電極引出し、206
酸化膜、207 酸化膜、208 TiN、209 ポ
リシリコン、210 酸化膜、211 第二のシリコン
基板、212 シリコン窒化膜、213 酸化膜、21
3b酸化膜、214 パッド領域、215 保持基板の
Siが熱酸化で成長した酸化膜、216 溝パターン、
217 穴、218 Al膜、219 電極パッド22
0 共通液室ノズルユニット

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液室の一部を形成する振動板を静電力で
    吸引することで該振動板を変形し、該振動板の弾性力を
    開放することでインクを吐出する静電型インクジェット
    ヘッドにおいて、振動板として絶縁体を用いたことを特
    徴とするインクジェットヘッド構造。
  2. 【請求項2】 請求項1のインクジェットヘッド構造に
    おいて、絶縁体がシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シ
    リコン酸窒化膜、硼珪酸ガラスのいずれかであることを
    特徴とするインクジェットヘッド構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2のインクジェット
    ヘッド構造において、各ノズルに対応した振動板にそれ
    ぞれ個別の電極を形成することを特徴とするインクジェ
    ットヘッド構造。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項記載のイ
    ンクジェットヘッド構造において、振動板に対向する保
    持基板が複数ノズルに渡り連続した導体であることを特
    徴としたインクジェットヘッド構造。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれか1項記載のイ
    ンクジェットヘッド構造において、液室を構成する基板
    側に溝を形成することを特徴とするインクジェットヘッ
    ド構造。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれか1項記載のイ
    ンクジェットヘッド構造において電極が多層で酸化膜振
    動板に接する層の抵抗が低いことを特徴とするインクジ
    ェットヘッド構造。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項記載のイ
    ンクジェットヘッド構造を有することを特徴とする画像
    形成装置。
  8. 【請求項8】 電極を外部に引き出すパッド領域を保持
    基板であるシリコンを熱酸化することで固定することを
    特徴とするインクジェットヘッド製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8のインクジェット製造方法にお
    いて、シリコン窒化膜をギャップ内に形成し酸化防止膜
    に用いることを特徴とするインクジェットヘッド製造方
    法。
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