JP2001347612A - 多層構造体 - Google Patents

多層構造体

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JP2001347612A
JP2001347612A JP2000169371A JP2000169371A JP2001347612A JP 2001347612 A JP2001347612 A JP 2001347612A JP 2000169371 A JP2000169371 A JP 2000169371A JP 2000169371 A JP2000169371 A JP 2000169371A JP 2001347612 A JP2001347612 A JP 2001347612A
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acid
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ppm
ethylene
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Kazuyori Yoshimi
一頼 吉見
Minoru Miyata
実 宮田
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 臭気バリアーの持続性、低温時の耐破袋性、
耐変色性及び外観に優れた多層構造体並びに臭気発生物
質を収納し、廃棄するのに適した収納用袋及び当該収納
用袋を容器に収納した収納体を得ること。 【解決手段】 リン酸化合物をリン酸根換算量で5〜5
00ppm含有するするエチレン含有量5〜60モル
%、けん化度95%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合
体けん化物の層と保護層の少なくとも二層からなる多層
構造体において、該多層構造体の少なくとも一層に脱臭
剤を含有する多層構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、臭気バリアーの持
続性、低温時の耐破袋性、耐変色性及び外観に優れた多
層構造体並びに臭気発生物質を収納し、廃棄するのに適
した収納用袋及び当該収納用袋を容器に収納した収納体
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、使用済みオムツ、糞尿、生ゴミ、
魚介類、果実、野菜、タバコの吸い殻、動植物の腐敗物
等の臭気発生物質を収納するための袋の素材としては、
低密度ポリエチレン、軟質ポリ塩化ビニル等が用いられ
てきた。しかし、これらのフィルムは、臭気バリアー性
に極めて劣る。ポリ塩化ビニリデン系フィルムやポリ塩
化ビニリデン系樹脂をコーティングしたフィルムは、前
記臭気発生物質の臭気バリアー性については、不充分で
ある。
【0003】また、特開昭61−60732号公報、特
開昭61−148236号公報には鉄(II)化合物と有
機酸からなる組成物(脱臭剤)を含有するプラスチック
フィルムについて、特開昭62−86031号公報には
有機酸(脱臭剤)を含有する樹脂組成物について、特開
昭62−235363号公報、特開昭62−23536
4号公報、特開昭62−235365号公報等には亜鉛
化合物と有機酸からなる組成物(脱臭剤)を含有する樹
脂組成物について記載されている。しかし、これらの脱
臭剤を単にポリオレフィン等に配合して用いただけで
は、前記臭気発生物質の臭気を充分に遮断することは困
難である。
【0004】そこで、特開平2−255752号公報、
WO89/08464号公報等に記載されているよう
に、ガスバリアー性に優れたエチレン−酢酸ビニル共重
合体けん化物(EVOH)と脱臭剤とを組み合わせる方
法が提案されている。しかし、この方法の場合、確かに
臭気物質の短期的収納には、かなりの臭気バリアー性が
認められるものの、臭気物質を長期間収納する場合に
は、必ずしも充分ではなかった。
【0005】更に、前記特開平2−255752号公
報、WO89/08464号公報等に記載のEVOH及
び脱臭剤を用いた収納袋は、低温時の耐破袋性が不充分
であり、また当該袋に臭気発生物質を長期間収納すると
EVOH層に変色を来す場合があり、その改善が望まれ
ていた。
【0006】更に、前記公報等に記載の従来のEVOH
と脱臭剤を用いた収納袋は、筋、木目模様等が認められ
外観が必ずしも良好なものではなく、その改善が望まれ
ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記課題、
即ち収納用袋などに用いるのに適した多層構造体の 臭気バリアー性の長期持続性 低温時の耐破袋性 耐変色性 外観 の改善を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題は、リン酸化合
物をリン酸根換算量で5〜500ppm含有するするエ
チレン含有量5〜60モル%、けん化度95%以上のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体けん化物の層と保護層の少
なくとも二層からなる多層構造体において、該多層構造
体の少なくとも一層に脱臭剤を含有する多層構造体によ
って解決される。
【0009】本発明の多層構造体が、本発明の優れた効
果を奏する理由は必ずしも明らかではないが、EVOH
自体の臭気バリアー性及び脱臭剤とEVOH中のリン酸
化合物、および必要に応じて配合される脂肪族カルボン
酸アミド、ホウ素化合物との相乗的な作用効果に基づく
ものと理解される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるEVOHは、
エチレン−脂肪酸ビニル共重合体の脂肪酸ビニル成分を
けん化したものであり、好適にはエチレン−酢酸ビニル
共重合体をけん化したものであって、本発明の目的に適
合するものとしては、特にエチレン単位の含有量が5〜
60モル%、とりわけ25〜50モル%、脂肪酸ビニル
単位の鹸化度が95%以上、とりわけ98%以上のもの
が挙げられる。本発明で用いられるEVOHのメルトフ
ローレート(MFR)の値としては0.1〜50g/1
0分の範囲、好ましくは0.5〜10g/10分の範囲
に設定するのが良い。尚、本発明でいうメルトフローレ
ート(MFR)とは、温度190℃、荷重2160gの
値をいう。但し、ポリマーの融点が190℃を超えるも
のは、190℃以上の複数の温度で、荷重2160gで
測定したMFRを190℃に外挿して得た値をいう。
【0011】また、本発明におけるEVOHは、10モ
ル%以下の範囲で、他の共重合モノマーで変性されてい
てもよく、かかる変性用共重合モノマーとしては、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−
ペンテン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、高級脂肪酸ビ
ニルエステル、アルキルビニルエーテル、N−(2−ジ
メチルアミノエチル)メタクリルアミド類あるいはその
4級化物、N−ビニルイミダゾールあるいはその4級化
物、N−ビニルピロリドン、N,N−ブトキシメチルア
クリルアミド、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメ
チルメトキシシラン等を例示することができる。
【0012】本発明で用いられるEVOHは、臭気バリ
アー性の長期持続性及び臭気発生物質によるEVOH層
の耐変色性を改善する目的でリン酸化合物をリン酸根
(PO 4)換算量で5〜500ppm含有させる必要が
ある。かかるリン酸化合物の含有量の下限は、好ましく
はリン酸根換算量で7ppm以上、更に好ましくは10
ppm以上、最も好ましくは15ppm以上である。ま
た、リン酸化合物の含有量の上限は、好ましくは400
ppm以下、更に好ましくは350ppm以下、最も好
ましくは300ppm以下である。リン酸化合物の含有
量が5ppmを下回る場合は、本発明の前記臭気バリア
ー性の長期持続性及びEVOH層の耐変色性の改善効果
が減少し、またリン酸化合物の含有量が500ppmを
上回るときには、低温時の耐破袋性が悪化する。
【0013】本発明において、EVOH中に配合するリ
ン酸化合物としては、リン酸、亜リン酸等の各種のリン
酸やその塩等を例示することができる。リン酸塩として
は第1リン酸塩、第2リン酸塩、第3リン酸塩のいずれ
も使用できるが、特に、リン酸2水素ナトリウム、リン
酸2水素カリウム等のリン酸2水素塩、更に好ましくは
リン酸2水素アルカリ金属塩が本発明の効果を充分奏す
る点で推奨される。
【0014】本発明においては、EVOHに脂肪族カル
ボン酸アミドを10〜5000ppm含有させることに
より臭気バリアー性、低温時の耐破袋性及び外観の改善
についての効果が一層顕著となる。かかる脂肪族カルボ
ン酸アミドの含有量の下限は、50ppm以上、更に好
ましくは100ppm以上、特に好ましくは150pp
m以上であり、脂肪族カルボン酸アミドの含有量の上限
は、好ましくは3000ppm以下、更に好ましくは2
000ppm以下、特に好ましくは1500ppm以下
である。
【0015】脂肪族カルボン酸アミドの含有量が前記値
を下回るときは、臭気バリアー性、低温時の耐破袋性及
び外観の改善効果が充分に得られない虞がある。また、
脂肪族カルボン酸アミドの含有量が5000ppmを上
回るときは、外観が逆に悪化する。
【0016】本発明で用いられる脂肪族カルボン酸アミ
ドを構成する脂肪族カルボン酸とは炭素数5以上、好ま
しくは5〜25、更に好ましくは10〜25、最も好ま
しくは15〜22の脂肪族カルボン酸であり、かかる脂
肪族カルボン酸の例としては、ラウリン酸、ステアリン
酸、ミリスチン酸、エルカ酸などが挙げられる。かかる
脂肪族カルボン酸アミドの具体例としては、ステアリン
酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等のモノ
アミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビ
スステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミ
ド等のビスアミド類などを例示することができるが、脂
肪族カルボン酸のビスアミドが本発明の効果を充分奏す
る点で特に好ましい。
【0017】本発明においては、耐変色性及び外観の改
善の点で、EVOHにホウ素化合物をホウ素元素換算量
で10〜2000ppm含有させることが好ましい。ホ
ウ素化合物の含有量の下限は、ホウ素元素換算量で好ま
しくは30ppm以上、更に好ましくは50ppm以
上、最も好ましくは70ppm以上である。また、ホウ
素化合物の含有量の上限は、好ましくは1500ppm
以下、更に好ましくは1000ppm以下、最も好まし
くは500ppm以下である。
【0018】本発明において用いられるホウ素化合物の
例としては、ホウ酸、ホウ酸エステル、ホウ酸塩が挙げ
られる。ホウ酸エステルとしてはホウ酸トリエチル、ホ
ウ酸トリメチルなどが挙げられ、ホウ酸塩としては上記
の各種ホウ酸のアルカリ金属塩、ホウ砂などが挙げられ
る。これらの化合物うちでもホウ酸及びそのアルカリ金
属塩が好ましい。ホウ素化合物の含有量がホウ素元素換
算量で10ppmを下回るときは、外観及び耐変色性の
改善効果が充分に得られない虞がある。ホウ素化合物の
含有量がホウ素元素換算量で2000ppmを上回ると
きは、逆に外観の悪化を来す。前記範囲に調整すること
により、良好な耐変色性と外観が得られる。
【0019】尚、本発明の場合、EVOHに他の樹脂、
添加剤等を配合し、組成物として用いることを許容する
が、本発明におけるリン酸化合物、脂肪族カルボン酸ア
ミド及びホウ素化合物の含有量とは、当該EVOHを含
む組成物全体に対する含有量をいう。
【0020】本発明で用いられる脱臭剤としては、臭気
発生物質の各種臭気成分、特にアンモニア、トリメチル
アミン、アセトアルデヒド、硫化水素、メチルメルカプ
タン、硫化メチル、二硫化メチル、スチレン、フェノー
ル、n−吉草酸、イソ−吉草酸等に対して脱臭効果のあ
る物質であり、有機酸類、鉄(II)化合物、亜鉛化合
物、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、鉄(II)化合
物−有機酸組成物等を例示することができる。また、こ
れらの脱臭剤は単独で用いることもできるし、また複数
種を組み合わせて用いることもできる。
【0021】亜鉛化合物としては、ケイ酸亜鉛、酸化亜
鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、硝酸亜鉛、炭酸
亜鉛、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、クエン酸亜鉛、フマル
酸亜鉛、ギ酸亜鉛等を例示することができる。
【0022】また、アルミニウム化合物としては、硫酸
アルミニウム、リン酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウ
ム、硫酸アルミニウムカリウム等を例示することができ
る。また、ケイ素化合物としては、二酸化ケイ素、オル
ソリン酸ケイ素、ピロリン酸ケイ素−I型、ピロリン酸
ケイ素−II型などのリン酸ケイ素化合物、活性シリカゲ
ル等を例示することができる。
【0023】また、鉄(II)化合物としては、2価の鉄
イオンを形成する物であれば任意の物が使用できる。具
体例としては硫酸第一鉄、塩化第一鉄、硝酸第一鉄、臭
化第一鉄、ヨウ化第一鉄などの鉄(II)無機塩、没食子
酸第一鉄、リンゴ酸第一鉄、フマル酸第一鉄などの鉄
(II)有機塩等が挙げられ、このうち硫酸第一鉄、塩化
第一鉄が好ましい。
【0024】更に、亜鉛化合物とケイ素化合物の組成物
も好適に用いられる。この組成物の具体的な例として
は、酸化亜鉛と二酸化ケイ素の比率が重量比で1:5〜
5:1の範囲からなる、大部分がアモルファスな構造を
有するケイ酸亜鉛の実質的に無定形の微粒子が好まし
い。酸化亜鉛と二酸化ケイ素の比率は、好ましくは1:
4〜4:1の範囲、更に好ましくは1:3〜3:1の範
囲である。
【0025】また、亜鉛化合物とアルミニウム化合物の
組成物も好適に用いられる。この組成物の具体例として
は、酸化亜鉛又は炭酸亜鉛と硫酸アルミニウム又は硫酸
アルミニウムカリウムの混合物が好ましく、亜鉛化合物
100重量部に対してアルミニウム化合物1〜1000
重量部、好ましくは30〜300重量部の割合で使用さ
れる。
【0026】また、有機酸類としては、炭素数5以上、
好ましくは炭素数6以上、最も好ましくは炭素数8以上
の有機酸、例えば脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ポリカ
ルボン酸、芳香族モノカルボン酸、芳香族ポリカルボン
酸が好ましく、特に芳香族ポリカルボン酸が好ましい。
芳香族ポリカルボン酸の例としてはフタル酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、1,2,3−ベ
ンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカル
ボン酸、ピロメリット酸、ベンゼンヘキサカルボン酸、
ナフタレンジカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、
ナフタレンテトラカルボン酸、ジフェニルテトラカルボ
ン酸、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、アゾベン
ゼンテトラカルボン酸、或いはこれらの無水物が挙げら
れ、これらの中でベンゼントリカルボン酸、特にトリメ
リット酸が好ましい。
【0027】鉄(II)化合物−有機酸組成物に用いられ
る鉄(II)化合物としては、水中に溶解して2価の鉄イ
オンを形成するものであれば任意のもが使用できる。例
として硫酸第一鉄、塩化第一鉄、硝酸第一鉄、臭化第一
鉄、ヨウ化第一鉄などの鉄(II)の無機塩、没食子第一
鉄、リンゴ酸第一鉄、フマル酸第一鉄などの鉄(II)の
有機塩が挙げられ、このうち硫酸第一鉄、塩化第一鉄が
好ましい。鉄(II)化合物−有機酸組成物に用いられる
有機酸としては水に可溶なものであればよく、例として
はアスコルビン酸、イソアスコルビン酸及びその金属塩
などのアスコルビン酸類、クエン酸、イソクエン酸、乳
酸、酒石酸、リンゴ酸などのカルボン酸類が挙げられ、
このうちL−アスコルビン酸が好ましい。
【0028】本発明で用いられる鉄(II)化合物−有機
酸組成物は、両者が結合していることが好適であり、こ
れは、例えば両成分を一旦混合、溶解した水溶液を噴霧
乾燥、凍結乾燥等により乾燥、粉末化して調整できる。
鉄(II)化合物と有機酸の成分比率は重量比で1:0.
01〜1.0の範囲が好ましく、より好ましくは1:
0.02〜0.80の範囲である。有機酸成分がアスコ
ルビン酸類の場合は鉄(II)化合物と有機酸の成分比率
は重量比で1:0.02〜0.30の範囲が好ましく、
より好ましくは1:0.02〜0.13、特に好ましく
は1:0.05〜0.13の範囲である。本発明におい
て2種以上の鉄(II)化合物あるいは2種以上の有機酸
を併用して用いても差し支えない。また鉄(II)化合物
−有機酸組成物には脱臭機能の安定化剤としてミョウバ
ンを鉄(II)化合物と有機酸の合計量に2〜20重量%
添加することが好ましい。ミョウバンとしては特に制限
はないが、カリミョウバン、アンモニアミョウバン、ナ
トリウムミョウバンが好適である。
【0029】更に、他の脱臭剤として、亜鉛化合物とポ
リカルボン酸からなる組成物などの金属化合物を安定化
させた組成物、鉄(III)−フタロシアニン誘導体など
の生体酵素モデル化合物、キリ、ヒイラギ、モクセイ、
ツワブキ、フキ、ライラック、シナレンギョウ、クリ、
ハンノキなどの植物の樹木液又は抽出成分、ゼオライト
などのアルミノ珪酸塩、セピオライト、シロタイル、バ
リゴルスカイト、ラフリナイトなどの含水珪酸マグネシ
ウム質粘土鉱物、活性フミンサン、活性アルミナ、活性
炭なども使用できる。
【0030】前記した脱臭剤の中で酸化亜鉛、硫酸亜鉛
などの亜鉛化合物、二酸化ケイ素、オルソリン酸ケイ素
などのケイ素化合物、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニ
ウムカリウムなどのアルミニウム化合物、亜鉛化合物と
ケイ素化合物の組成物、亜鉛化合物とアルミニウム化合
物の組成物、さらには有機酸、鉄(II)化合物−有機酸
組成物が特に好ましい。
【0031】また、これらの脱臭剤のうち、EVOHに
好ましく配合できるものとしては、ケイ酸亜鉛、酸化亜
鉛とミョウバンの組成物が挙げられる。
【0032】本発明においては、脱臭剤を保護層、特に
熱可塑性樹脂よりなる保護層に含有させることが、最も
好適であるが、EVOH層に含有させた場合でも、脱臭
剤の種類を選択することによって良好な効果を奏する。
また、本発明の多層構造体においてはEVOH層と保護
層の間に接着性樹脂層等の他の中間層を設けたときは、
当該中間層に脱臭剤を含有させることが好ましい。また
脱臭剤はこれらの層のうち、一層のみに配合してもよい
し、また必要に応じ二層以上に配合することも出来る。
脱臭剤の含有量は、多層構造体の樹脂層を構成する樹脂
に対して0.1重量%以上、好ましくは0.2以上、更
に好ましくは0.5以上で、且つ30重量%以下、好ま
しくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下
の範囲から選択することが、本発明の効果を充分奏する
点で好ましい。
【0033】本発明において脱臭剤を、保護層に配合す
る方法としては、保護層が熱可塑性樹脂である場合には
バンバリーミキサー、短軸又はニ軸スクリュー押出機、
ブラベンダープラストグラフ等を用いて、予め熱可塑性
樹脂に配合し、次いで多層構造体を成形する方法、直接
脱臭剤と熱可塑性樹脂を各種成形機に供給して成形機で
混練しながら配合し、次いで多層構造体を成形する方
法、一旦、押出機で高濃度のマスターペレットを作成
し、次いで希釈したものを用いて、多層構造体を成形す
る方法、更に熱可塑性樹脂の溶液に脱臭剤を混合後、キ
ャスト法によって製膜する方法などが挙げられる。また
保護層が、紙、不織布、布である場合には、脱臭剤を
紙、不織布、布などに含浸又はコーティングする方法が
好ましい。また、脱臭剤をEVOHに配合する方法又は
接着性樹脂に配合する方法としては、前記の脱臭剤と熱
可塑性樹脂との配合方法と同様の方法を採用することが
できる。
【0034】本発明において、保護層とは、多層構造体
及び収納袋に強度、柔軟性、更に必要に応じて耐湿性、
ヒートシール性等を付与するものであり、保護層を形成
する材料としては熱可塑性樹脂が好ましい。かかる熱可
塑性樹脂としては低密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、エチ
レン−プロピレン共重合体等のエチレン系重合体又は共
重合体、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル等を例示することができる
が、、特に前記エチレン系重合体又は共重合体が本発明
の効果を充分奏する点で好ましい。とりわけ酢酸ビニル
含量5〜45重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、
(メタ)アクリル酸エステル含量5〜45重量%のエチ
レン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好まし
く、酢酸ビニル含量が10〜30重量%のエチレン−酢
酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル含量が
10〜30重量%のエチレン−(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体が特に好ましい。これらの樹脂には、必要
に応じてスリップ剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を
添加することもできる。エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の
酢酸エステル成分、(メタ)アクリル酸エステル成分が
前記値を下回ると多層フィルムの低温耐破袋性に劣る場
合があり、また前記値を上回ると表面のスリップ性が不
良になり、スリップ剤、ブロッキング防止剤等の添加に
よっても満足なスリップ性が得られない場合がある。
【0035】本発明の多層構造体において脱臭剤を含有
する層とEVOHの位置関係には、特に制限はないが、
臭気物質に対してEVOH層より外側に脱臭剤を含有す
る保護層を少なくとも一層配置することが好ましい。層
構造としては、保護層をP、中間層をT、EVOH層を
E、脱臭剤をDとするとき、袋の内側から外側の順にD
含有P/E、D含有P/E/D含有P、P/E/D含有
P、P/D含有E、P/D含有E/P、P/D含有E/
D含有P、D含有P/D含有E/D含有P、P/D含有
T/E/D含有T/P、P/T/D含有E/D含有T/
Pなどを例示できるが、このうち本発明の効果を充分奏
する点で、含有P/E/D含有P、P/E/D含有Pの
構成が好ましく、更にP/含有T/E/D含有T/P、
P/E/D含有T/Pの構成が最も好ましい。またP、
E、D含有P、D含有E、D含有T等はそれぞれ複数層
設けても良い。更に各層間には必要に応じて後述する接
着性樹脂を適宜設けることもできる。この場合には、当
該接着性樹脂層に脱臭剤を配合することもできるし、ま
た接着性樹脂層のみならず、他の層に配合することもで
きる。
【0036】本発明の多層構造体の厚さとしては、通常
EVOH層が2〜200μ、好ましくは5〜100μ、
特に好ましくは7〜50μ、保護層の厚さは、5〜10
00μ、好ましくは10〜800μ、全体の厚さは15
〜3000μ、好ましくは20〜2000μ、特に好ま
しくは30〜1000μである。本発明の多層構造体は
共押出法、ドライラミネーション法、押出ラミネーショ
ン法、サンドラミネーション法などにより得られる。
【0037】また、本発明の多層構造体においてEVO
H層と保護層、特に脱臭剤を含有する保護層の層間接着
力が充分でない場合には接着性樹脂層を設けることが好
ましい。接着性樹脂としては、多層構造体を共押出法で
成形する場合、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、
エチレン−α−オレフィン共重合体、線状低密度ポリエ
チレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(酢酸ビニル含量45重量%以下)、エチレン
−(メタ)アクリル酸エステル(アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル含量45重量%以下)等にマレイ
ン酸、無水マレイン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸
又はその無水物をグラフトさせて得られるグラフト変性
ポリオレフィンが好ましく用いられる。これらの接着性
樹脂は、層間に接着層として設ける場合のみならず、保
護層とEVOH層との層間の接着性を付与する目的で、
かかる接着層を設けることなく保護層又はEVOH層の
いずれかの層又は両層に当該接着性樹脂を配合して用い
ることもできる。
【0038】臭気発生物質を収納する袋には、特に低温
時の耐破袋性が要求される。この目的のために、EVO
Hに、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩及びα−オレフ
ィンの群から選ばれる少なくとも一種の共重合成分を2
〜45モル%含有するエチレン系共重合体又はエチレン
含有率65〜95モル%、けん化度50〜100%のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(以下「配合樹
脂」という。)をEVOHに配合することが好ましい。
配合樹脂のコモノマー含有量が2モル%未満ではEVO
Hの低温耐破袋性に乏しく、45モル%を超えるとEV
OHと臭気防止性に劣る傾向があるので好ましくない。
エチレンと共重合される(メタ)アクリル酸エステルと
しては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチル
ヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アク
リル酸エイコシルなどが挙げられるが、特に(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルが好適であ
る。これらのコモノマーは2種以上を用いることも出来
る。また前記以外の第三のコモノマーを使用すること
も、本発明の効果を阻害しない限り差支えない。また、
配合樹脂を二種以上EVOHに配合することも良い。
【0039】臭気バリアー性と低温耐破袋性の両面がバ
ランス良く兼ね備えたEVOHと配合樹脂の組成は、E
VOHが60〜95重量部、配合樹脂が40〜5重量部
の範囲が好ましく、EVOHが65〜90重量部、配合
樹脂が35〜10重量部の範囲が更に好ましい。
【0040】EVOHと配合樹脂の配合方法は、バンバ
リーミキサー、単軸又はニ軸スクリュー押出機、ブラベ
ンダープラストグラフ等を用いる方法があるが、各成分
を直接各種成形機に供給して成形機で混練しながら成形
加工しても良い。また、これらを混練する際、他の添加
剤(各種樹脂、熱安定化剤、酸化防止剤、可塑剤、着色
剤等)を使用することも良い。熱安定化剤としては、ハ
イドロタルサイト系化合物、金属石鹸、鉛塩系化合物、
有機錫系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ヒン
ダードアミン系化合物、スルフィド系化合物、ホスファ
イト系化合物等が用いられるが、ハイドロタルサイト系
化合物が特に有効である。EVOHを含む組成物中のか
かる熱安定化剤の添加量は、5〜1000ppm、好ま
しくは10〜500ppm、更に好ましくは15〜30
0ppmの範囲から選択するのが良い。
【0041】本発明に係る多層構造体は、好ましくはフ
ィルム又はシートの形状に成形され、更にかかるフィル
ム又はシートは、袋(パウチ)又は熱成形容器等に加工
され好適に使用される。また、本発明に係る多層構造体
は、中空成形容器や回転成形容器等としても使用するこ
とができる。本発明に係る多層構造体は、使用済みオム
ツ、糞尿、生ゴミ、魚介類、果実、野菜、タバコの吸い
殻、動植物の腐敗物等の臭気発生物質の収納に好適に使
用される。
【0042】また本発明の多層構造体からなる収納用袋
を、取出口を有するプラスチック製容器、紙製容器等の
容器に収納し、収納体とすることにより、屋外等での使
用のための携帯用収納体として好適に使用される。
【0043】以下実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
尚、リン酸化合物、及び脂肪族カルボン酸アミドの分析
方法は、次の方法による。
【0044】(1)リン酸化合物 試料10gを0.01規定の塩酸水溶液に50mlに投
入し、95℃で6時間撹拌する。撹拌後の水溶液をイオ
ンクロマトグラフィーを用いて定量分析し、リン酸イオ
ン含有量(PO4 3-)を得る。カラムは、(株)横川電
機製のICS−A23を使用し、溶離液は2.5mMの
炭酸ナトリウムと1.0mMの炭酸水素ナトリウムを含
む水溶液とする。尚、定量に際してはリン酸水溶液で作
製した検量線を用いる。
【0045】(2)ホウ素化合物 試料100gを磁性ルツボに入れ、電気炉内で灰化させ
る。得られた灰分を0.01規定の硝酸水溶液200m
Lに溶解し、原子吸光分析によって定量し、ホウ素化合
物の含有量をホウ素元素換算量として求める。
【0046】(3)脂肪族カルボン酸アミド ソックスレー抽出器にて、用いた脂肪族カルボン酸アミ
ドを溶解する溶媒(例えばクロロホルム等)を用いて試
料から脂肪族カルボン酸アミドを抽出し、抽出液の溶媒
を除去後、抽出物についてそれ自体公知の分析方法で分
析定量する。
【0047】また、評価方法は、次の方法による。 (1)臭気バリアー性 15cm×21cmのフィルムを2枚重ね、15cmの
一辺と21cmの二辺を幅1cmで熱シールした三方シ
ール袋に開口部より腐敗した魚(鯖)のミンチを200
g入れ、脱気した後、開口部を幅1cmに熱シールして
袋を密封し包装体を作成し、当該包装体を内容量2Lの
広口ガラスビンに入れ、ガラス栓で密封し、35℃の状
態で放置した。次いで所定期間経過後ガラス栓をとり、
直ちに広口ガラスビン内の臭気を官能検査により評価し
た。放置期間は、1日間(短期)及び7日間(長期)の
2水準とし、評価結果は、次の5段階の基準に基づき判
定した。 ◎:臭気は全く認められず極めて良好な状態 ○:臭気が極く僅かに認められるが良好な状態 △:臭気がかなり認められる状態 ×:臭気が強く認められる状態
【0048】(2)耐変色性 前記臭気バリアー性評価に用いた14日間放置後の包装
体について、当該包装体のフィルムへの着色状況を目視
により判定した ◎:変色は全く認められず極めて良好な状態 ○:変色は極く僅かに認められるが良好な状態 △:変色がかなり認められる状態 ×:変色が強く認められる状態
【0049】(3)耐破袋性 前記包装体を5℃の室内に3日間放置後、2mの高さか
らコンクリート面に包装体を当該コンクリート面と並行
にして落下させ、その破袋状況から評価した。 ◎:破袋は全く認められず極めて良好な状態 ○:破袋は認められず良好な状態であるが、シール面等
に極く僅かに損傷が認められる。 △:破袋は認められないが、シール面等にかなり損傷が
認められる。 ×:破袋が認められ内容物が漏洩した状態
【0050】(4)外観 内容物充填前のフィルム等の外観を木目模様、筋等の外
観悪化要因の有無を目視にて判定した。 ◎:外観悪化要因は全く認められず極めて良好な状態 ○:外観悪化要因が極く僅か認められるが良好な状態 △:外観悪化要因がかなり認められる。 ×:外観悪化要因が充分認められる。 尚、評価結果は、主として表−1に示す。
【0051】実施例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体を常法により、メタノー
ル中で水酸化ナトリウムを用いてけん化し、得られたE
VOHのペーストを水中にストランド状に押出し、カッ
トして得られたウエットチップを充分水洗し、次いでリ
ン酸二水素カリウム(KH2PO4)の水溶液で処理し、
乾燥した。得られたEVOHの乾燥チップは、リン酸二
水素カリウムをリン酸根換算値で105ppm含有し、
エチレン含有量は31モル%、けん化度は99.5%、
MFR1.3g/10分であった。当該EVOHからな
る厚さ20μの中間層と該中間層の両側に、密度0.9
2g/cm3、融点123℃の線状低密度ポリエチレン
(LLDPE)からなる厚さ各30μの表面層を有し、
中間層と表面層の層間に無水マレイン酸グラフト変性線
状低密度ポリエチレン100重量部とトリメリット酸
(TMLA)2重量部の組成物からなる厚さ10μの接
着性樹脂層を配した全厚100μの多層フィルムを3基
の押出機、3種5層用多層フィードブロック付Tダイを
用いて共押出法により製膜した。接着性樹脂層に用いた
組成物は、予め押出機により混練し、ペレット化して用
いた。得られた多層フィルムについて上述の評価方法を
用いて評価した。結果を表1に示す。
【0052】実施例2 実施例1で得られたEVOHのウエットチップをリン酸
二水素カリウム(KH 2PO4)及びホウ酸(BA)の水
溶液で処理し、乾燥した。得られたEVOHの乾燥チッ
プは、リン酸二水素カリウムをリン酸根換算値で105
ppm、ホウ酸をホウ素元素換算量で150ppm含有
し、エチレン含有量は31モル%、けん化度は99.5
%、MFR1.0g/10分であった。以下実施例1と
同様に製膜し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0053】実施例3 実施例2で得られたEVOHの乾燥チップにエチレンビ
スステアリン酸アミド(EBSA)を300ppm添加
し、ブレンダーでブレンド後、押出機によりペレット化
した。以下実施例1と同様に製膜し、評価した。評価結
果を表1に示す。
【0054】実施例4 実施例2で得られたEVOHの乾燥チップ90重量部と
エチレン含量が90モル%、酢酸ビニル含量が10モル
%、MFRが5.0g/10分のエチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA−1)10重量部のブレンド物に対し
て、エチレンビスステアリン酸アミドを300ppm及
びハイドロタルサイトを50ppm添加し、ブレンダー
でブレンド後、押出機によりペレット化した。以下実施
例1と同様に製膜し、評価した。評価結果を表1に示
す。
【0055】実施例5 実施例4において、接着性樹脂に配合するトリメリット
酸をアモルファス構造のケイ酸亜鉛(酸化亜鉛と二酸化
ケイ素の重量比が1:3で、粒子径が平均3μ以下の微
粉末)(Zn−Si)に変更した以外は実施例4と同様
にしてペレットを製造した。得られたペレットを用いて
実施例1と同様に製膜し、評価した。評価結果を表1に
示す。
【0056】実施例6 実施例4において、接着性樹脂に配合するトリメリット
酸を酸化亜鉛とミョウバンの重量比が5:1からなる微
粉末(粒子径が平均10μ以下)(Zn−Al)に変更
した以外は実施例4と同様に実施例4と同様にしてペレ
ットを製造した。得られたペレットを用いて実施例1と
同様に製膜し、評価した。評価結果を表1に示す。
【0057】実施例7 酢酸ビニル含量が25重量%、MFR3g/10分のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA−2)90重量部
とゼオライト10重量部を2軸押出機によりペレット化
し、ゼオライト(ZL)のマスターペレットを得た。次
にエチレン含量が45モル%、けん化度が99.1%、
MFRが2.5g/10分のEVOH80重量部とエチ
レン含量が89モル%、酢酸ビニル含量が7モル%、M
FRが2.5g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合
体20重量部からなり、リン酸二水素ナトリウム(Na
2PO4)をリン酸根換算値で含有量150ppm、ホ
ウ砂(BR)をホウ素元素換算量で250ppm、メチ
レンビスステアリン酸アミド(MBSA)を700pp
m含有する組成物の厚さ10μの中間層と該中間層の両
側に厚さ各25μの、酢酸ビニル含量25重量%、MF
R3g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A−2)90重量部と上記ゼオライトのマスターペレッ
ト10重量部のブレンド物からなる表面層を有し、各層
間に厚さ5μの無水マレイン含量0.5重量%、酢酸ビ
ニル含量15重量%の無水マレイン酸グラフト変性エチ
レン−酢酸ビニル共重合体からなる接着性樹脂層を介し
て配された、全層70μの多層フィルムを、3基の押出
機、3種5層用多層ダイヘッドを用いて共押出法により
得た。中間層の組成物としてはあらかじめ押出機により
ブレンドしたペレットを用い、表面層の組成物としては
ドライブレンドしたものを用いた。得られた多層フィル
ムについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表1
に示す。
【0058】実施例8 実施例7におけるゼオライトを次に示す鉄(II)−アス
コルビン酸組成物(Fe−As)に変更した以外は実施
例7と同様に実施し、評価した。結果を表1に示す。硫
酸第一鉄の7水和物140gとL−アスコルビン酸0.
9gを水360gに溶解させ、さらにミョウバンを0.
2g溶解させたこの溶液を送液量40ml/min、噴霧空気
量151/min、乾燥空気流量6m2/min、入口温度12
0℃、出口温度75℃の条件で噴霧乾燥し、粉体の鉄
(II)−アスコルビン酸組成物を得た。
【0059】実施例9 エチレン含量が8モル%、けん化度が99.8%、MF
Rが8.0g/10分のEVOHを水に溶解し、溶液と
した。次に酸化亜鉛とミョウバン5:1(重量比)から
なる微粉末(粒子径が平均10μ以下)(Zn−A
l)、リン酸水素二カリウム及びホウ酸を溶液に加え、
攪拌混合した後、キャスト法により製膜し、乾燥して厚
さ10μのEVOHの単層フィルムを得た。EVOH中
の酸化亜鉛とミョウバンからなる微粉末の含有量は3重
量%、リン酸水素二カリウムの含有量は、リン酸根換算
量で250ppm及びホウ酸の含有量は、ホウ素元素換
算量で200ppmであった。EVOHフィルムの両側
に密度0.91g/cm3、融点120℃、厚み45μ
の密度0.91g/cm3の低密度ポリエチレン(LD
PE)のフィルムを2液硬化型ポリエステル系接着剤を
用いて積層し、得られた多層フィルムについて評価し
た。評価結果を表1に示す。
【0060】実施例10 エチレン含有量35モル%、けん化度99.5%、MF
R1.8g/10分のEVOH85重量部とエチレン含
量が90モル%、酢酸ビニル含量が10モル%、MFR
が5.0g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA−1)15重量部の組成物からなり、当該組成
物中のリン酸二水素カリウム(KH2PO4)含有量がリ
ン酸根換算値で200ppm、ホウ酸(BA)含有量
が、ホウ素元素換算量で120ppm、エチレンビスス
テアリン酸アミド(EBSA)含有量が500ppm、
ゼオライト(ZL)含有量が5重量%の組成物を中間層
(厚み30μ)とし、ポリプロピレン(PP、株式会社
グランドポリマー製「B101」)を内外層(内層35
0μ、外層300μ)とし、無水マレイン酸グラフト変
性ポリプロピレン(三井化学株式会社製アドマー(登録
商標)「QF−500」)を接着性樹脂層(それぞれ厚
み35μ)とした総厚750μの3種5層の容量500
ml中空成形容器を作製し、実施例1に準じて評価し
た。臭気バリアー性、耐変色性及び外観についての評価
結果は、極めて良好であった(臭気バリアー性および耐
変色性の評価を行うにあたっては、中空成形容器の開口
部をアルミホイルおよびポリプロピレン製のキャップを
用いて密封した)。前記耐破袋性の評価に準じ、容器の
耐落下破壊性について評価したところ、容器の破壊は、
認められず極めて良好な状態であった。但し、耐落下破
壊性については、容器の底部をコンクリート面と並行に
して、落下した。
【0061】実施例11 実施例4で作成したフィルムを用いて35cm×55c
mの三方シール袋(シール幅1cm)を作り、開口部に
粘着テープを取り付けた収納用袋を作成した。当該収納
用袋を、取出口を有する紙製容器に収納し、収納体を作
った。当該収納体は、携帯に便利であり、且つ取出し時
には簡単にフィルムを取出すことが可能であった。収納
体の取出口より、収納用袋を取出し、幼児の使用済みお
むつを収納し、粘着テープで密閉し、1日間放置した
が、臭気も認められず極めて良好な結果を得た。
【0062】比較例1 実施例1において、接着性樹脂層に脱臭剤を配合しなか
った以外は、実施例1と同様にフィルムを作成し、評価
を行った。評価結果を表1に示す。
【0063】比較例2 実施例1において、EVOHにリン酸化合物を配合しな
かった以外は、実施例1と同様にフィルムを作成し、評
価を行った。評価結果を表1に示す。
【0064】比較例3 実施例1において、EVOHに配合するリン酸二水素カ
リウムの量をリン酸根換算量で700ppmとした以外
は、実施例1と同様にフィルムを作成し、評価を行っ
た。評価結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明の多層構造体は、臭気物質に対し
て長期間極めて優れた臭気バリアー性、低温耐破袋性、
耐変色性及び外観を示し、特に臭気発生物質の収納袋及
び収納体として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/00 C08K 3/00 3/32 3/32 3/38 3/38 5/00 5/00 5/20 5/20 5/55 5/55 C08L 23/26 C08L 23/26 29/04 29/04 S Fターム(参考) 3E067 AA03 AA11 AB99 BA01C BA12B BB14B BB22B BB25B BC07C EA32 FA04 FB15 FC01 GB15 3E086 AA23 AD01 BA04 BA15 BA35 BB15 CA40 4F071 AA15 AA28 AA29 AA78 AB11 AB25 AB27 AC09 AC12 AC17 AF23 AF57 AH04 BA01 BB06 BC01 4F100 AA04A AA04H AH02A AH02H AH03A AH03H AK04A AK04J AK22A AK22J AK25A AK25J AK63 AK69A AL01A AL01J AL05A AL07 AR00B BA02 CA12A CA12H CA30A CA30B CA30H EH20 GB15 JD02 JL09 YY00A 4J002 BB221 BE031 DB009 DH026 DK007 EG009 EP018 EY017 FD206 FD207 FD208 FD209 GF00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸化合物をリン酸根換算量で5〜5
    00ppm含有するするエチレン含有量5〜60モル
    %、けん化度95%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合
    体けん化物の層と保護層の少なくとも二層からなる多層
    構造体において、該多層構造体の少なくとも一層に脱臭
    剤を含有する多層構造体。
  2. 【請求項2】 エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
    が脂肪族カルボン酸アミドを10〜5000ppm含有
    してなる請求項1記載の多層構造体。
  3. 【請求項3】 エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
    がホウ素化合物をホウ素元素換算量で10〜2000p
    pm含有してなる請求項1〜2記載の多層構造体。
  4. 【請求項4】 エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
    の層が、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物60〜
    95重量部と酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステ
    ル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩及びα
    −オレフィンの群から選ばれる少なくとも一種の共重合
    成分を2〜45モル%含有するエチレン系共重合体又は
    エチレン含有率65〜95モル%、けん化度50〜10
    0%のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物を40〜
    5重量部との組成物からなる層である請求項1〜3記載
    の多層構造体。
  5. 【請求項5】 脱臭剤が、亜鉛化合物、アルミニウム化
    合物、珪素化合物、鉄(II)化合物及び有機酸の群から
    選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1〜4記
    載の多層構造体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載の多層構造体からなる
    収納用袋。
  7. 【請求項7】請求項6記載の収納用袋を取出口を有する
    容器に収納した収納体。
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