JP2001347556A - ダイおよび熱可塑性樹脂シートの製造方法 - Google Patents

ダイおよび熱可塑性樹脂シートの製造方法

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JP2001347556A
JP2001347556A JP2000175112A JP2000175112A JP2001347556A JP 2001347556 A JP2001347556 A JP 2001347556A JP 2000175112 A JP2000175112 A JP 2000175112A JP 2000175112 A JP2000175112 A JP 2000175112A JP 2001347556 A JP2001347556 A JP 2001347556A
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die
film
land
thermoplastic resin
thickness
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Shunichi Osada
俊一 長田
Kenji Tsunashima
研二 綱島
Kazue Sonoda
和衛 園田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】口金スジの発生による欠点がなく、かつ厚み均
一性に優れた熱可塑性樹脂シートを製造するためのダ
イ、およびその熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供す
ること。 【解決手段】溶融状態の熱可塑性樹脂をシート状に成型
するフラットダイにおいて、ダイランド内に非平行部を
有することを特徴とするダイ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイおよび熱可塑
性樹脂シートの製造方法に関するものである。
【0002】更に詳しくは、口金スジ等の欠点がなく、
厚み均一性の高い熱可塑性樹脂シートを製造するための
ダイ、および熱可塑性樹脂シートの製造方法に関するも
のである。
【0003】
【従来の技術】熱可塑性樹脂製フィルムなどの熱可塑性
樹脂からなるシートにとって、一般に厚み均一性は重要
な基本品質の一つである。
【0004】例えば、ポリエステル二軸延伸フィルムを
例にたとえると、ポリエステルフィルムはその優れた特
性のため、磁気記録媒体用ベースフィルム、コンデンサ
フィルムなどの電気絶縁用途、プリンタリボンなどのO
A用途、熱により穿孔して印刷する感熱孔版原紙など、
様々な用途で用いられているが、これらの用途では年々
フィルムの厚みについて高度な寸法精度が要求されてき
つつある。例えば、プリンタリボン分野では、フルカラ
ー化の流れに伴い、印刷のより一層の高精細化が求めら
れており、印字むらの低減が必要となっている。ベース
フィルムに厚みむらが存在すると、実際のインクリボン
となった際、印字ヘッドからの熱伝導量がベースフィル
ムの厚みむらによって異なることとなり、印字むらの原
因となることから、ベースフィルムであるポリエステル
フィルムの厚みむら低減が求められている。また、厚み
むらが悪化すると、フィルム厚みに起因する物性むらと
なり、製品の品質の悪化につながる。また、直接製品の
品質に関わらない場合でも、フィルムを製品に加工する
際のトラブルや、ロール状に巻き取る際の巻姿悪化、ひ
いてはそのため加工製品の品質を悪化に招くことにな
り、好ましくない。
【0005】ところで、熱可塑性樹脂フィルムに成型す
る方法は、一般に、押出機により樹脂を溶融し、フィル
タなどを経由して異物を除去してから、成型するフィル
ムの形態に合わせたスリットを持ったダイより吐出し、
内部に冷却媒体を通した回転ロール上に連続的に成型す
る。この際に、樹脂膜をキャスティングドラムに密着さ
せるために、静電気力を付与することもしばしば行われ
ている。さらに、フィルムの強度を増すために、得られ
たキャストフィルムをフィルムの長手方向や幅方向に延
伸することも一般的に行われている。
【0006】ここで、フィルムに厚みむらが生じる原因
としては、溶融押出してキャスティングドラム上にシー
ト状に押し出す際の吐出量の変動、ダイとキャスティン
グドラム間(L−D間)のまだ溶融状態にある樹脂膜の
膜振動や流速変動、溶融樹脂をキャスティングドラムに
密着させる際の密着力不足による着地位置の変動、キャ
スティングドラムの回転むらなどが挙げられる。また配
向フィルムとする場合には、さらに、縦延伸(長手方向
の延伸)の際のロール温度むらや回転むら、また、横延
伸(幅方向の延伸)の際のテンター内の温度むらや風速
むらなどがある。
【0007】そこで従来から厚みむら改善のために種々
の方法が提案されている。例えば、溶融樹脂を冷却固化
するキャスティングドラムの回転むらを抑える方法(特
開昭55−93420号公報)やLD間における膜振動
を抑えるために、熱可塑性樹脂の押出温度を下げて、樹
脂の溶融粘度を高める方法(特開平7−323464号
公報)も提案されているが、いまだ、効果が十分でな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このようにフィルムの
厚みむらを改善する要求は強く、そのために種々の改善
方法が提案されてきたが、その効果はまだ十分でなく、
フィルムの厚みむらに対する低減要求は高い。
【0009】本発明は、厚み均質性に優れ、かつ口金ス
ジ等の欠点が発生しない熱可塑性樹脂シートを製造する
ためのダイ、その熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】溶融状態の熱可塑性樹脂
をシート状に成型するフラットダイにおいて、ダイラン
ド内に非平行部を有することを特徴とするダイ。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0012】本発明では、溶融状態の熱可塑性樹脂をシ
ート状に成型するフラットダイにおいて、溶融樹脂の流
れ方向に対しダイランド内のスリット間隔が非平行にな
る部分を有しているダイでなければならない。ここで言
う非平行になる部分とは、ダイランド内においてスリッ
ト間隔が少なくとも樹脂流れ方向に従い、変化する部分
のことを意味する。非平行部の形状としては、樹脂流れ
方向に従いスリット間隙が不連続に変化する段差状や、
連続的に変化するテーパー状であってもよく、樹脂流れ
方向に従いスリット間隔が広くなる方が好ましい。より
好ましくは、テーパー状でかつ樹脂流れ方向に従い、ス
リット間隔が広くなるとよい。このように、ダイランド
内にスリット間隔が非平行になる部分が存在することに
より、樹脂の壁面部での剪断応力を緩和し、特にダイ吐
出口での不連続な応力挙動を抑制することができるた
め、口金スジの原因となる一般にメヤニやビルドアップ
と呼ばれるポリマー劣化物・オリゴマー凝集物・ブリー
ドアウト凝集物の発生を抑制でき、口金スジの低減に大
きな効果がある。
【0013】また、熱可塑性樹脂の厚みむらを良化する
には、口金から吐出された溶融押出シートを急冷固化す
る工程であるキャスト工程での厚みむら発生を低減する
ことが効果的であり、この際のドラフト比を低減するこ
とが効果的であることは公知である(特開平10−21
7315号公報)。しかしながら、ドラフト比を低減す
るため、口金リップ間隙を狭くすると、口金スジと呼ば
れるスジ状の欠点が発生し、品質の低下につながるばか
りか、ひどい場合には大きな欠点となり製品として採用
できず、生産性の低下にもつながる問題がある。本発明
は、このような矛盾を解決し、厚みむらを低減しつつ、
口金スジの発生を抑制し品質良好でかつ生産性を維持し
た熱可塑性樹脂シート成型用ダイを、筆者らの鋭意検討
の結果、見出したものである。
【0014】従って、仮に、ダイランド内に非平行な部
分がないときには、厚みむらを良化する目的でスリット
間隔を狭めドラフト比を低減すると、メヤニが発生しや
すくなり口金スジが多く発生することから欠点となりよ
くなく、あるいは逆に、口金スジの発生を抑制するため
スリット間隙を広げドラフト比を高くすると、厚みむら
が悪化するため良くない。また、ダイランド外に非平行
部が存在するようにした場合には、溶融ポリマー吐出部
での十分な剪断応力緩和効果がないため、メヤニの発生
を抑制できず十分な効果が得られない。
【0015】本発明で言うフラットダイとは、シート状
に樹脂を成型するダイのことを意味し、具体的には、マ
ニホールドダイ、テーパーマニホールドダイ、コートハ
ンガーダイ、フィッシュテイルダイ、マルチマニホール
ド多層ダイ、フィードブロック式多層ダイ、スクリュダ
イ、厚み自動制御ダイ等が挙げられる。一般にフラット
ダイでは、1)樹脂流入部、2)マニホールドのような
整流用樹脂溜部や、コートハンガー状やフィッシュテイ
ル状の樹脂流路拡幅部、3)ある一定の間隙を保ったス
リット状のダイランド部からなる。
【0016】図1は、 本発明にかかるフラットダイ
(例はマニホールドダイ)の概略断面図であり、1はマ
ニホールドダイ、2は樹脂流入部、3はマニホールド
部、4はダイランド部、5はダイランド下端、6はスリ
ット間隔、7はスリット間隔が非平行な部分である。
【0017】ダイランド内における非平行になる部分
は、ダイランド下端5までの30mm以内、すなわち樹
脂吐出口から上流側に30mm以内に、少なくともその
一部が位置していることが好ましい。より好ましくは、
25mm以内であり、さらに好ましくは、20mm以内
である。非平行部が、ダイランド下端までの30mm以
内に位置していないと、十分な剪断応力の緩和効果が得
られず、口金スジの原因となるメヤニの発生を抑制でき
ない。
【0018】非平行部の形状としては、特に限定される
ものではないが、テーパー状であることが好ましい。よ
り好ましくは、向かい合うランドのテーパー形状※が同
一であるとよい。また、テーパーの角度としては、少な
くとも片側のランドにおいて30゜以下であることが好
ましい。より好ましくは、20゜以下であり、さらに好
ましくは、15゜以下である。テーパーの角度が、30
゜より大きい場合には、成形されたシートの幅方向の厚
み均一性が悪化するという問題が生じる。
【0019】本発明で言う熱可塑性樹脂とは、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリ
オレフィン樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリ
アミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト、ポリメチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−
オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキシレン
ジメチレンテレフタレートなどのポリエステル、その
他、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹
脂などを用いることができる。特に、本発明において
は、ポリエステルを用いた場合にその効果が高く、好ま
しい。中でも、ポリエチレン−2,6−ナフタレートや
ポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、これら
の樹脂はホモ樹脂であってもよく、共重合またはブレン
ドであってもよい。また、これらの樹脂の中に、公知の
各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核
剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、発
泡核剤などが添加されていてもよい。
【0020】本発明で言うポリエステルとは、ジカルボ
ン酸とジオールとから縮重合により得られるポリマーで
あり、ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸、などで代表されるものであり、また、
ジオールとは、エチレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジ
メタノール、ポリアルキレングリコール、ビスフェノー
ルAエチレンオキサイド付加物などで代表されるもので
ある。具体的には例えば、ポリメチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレン
テレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエー
ト、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが
挙げられる。特に好ましいのは、ポリエチレンテレフタ
レートあるいはポリエチレンナフタレートである。もち
ろん、これらのポリエステルとしては、ホモポリマーで
あってもコポリマーであっても良く、共重合成分として
は、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、ポリアルキレングリコール、ビスフェノールA
エチレンオキサイド付加物などのジオール成分、ダイマ
ー酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル
酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン
酸成分が挙げられる。
【0021】本発明では、ダイランド部(内面)の表面
粗さRyが、0.2μm以上2.0μm以下であること
が好ましい。ここで言う表面粗さRyは、JIS B
0601(1994)における表面粗さの最大高さのこ
とを意味する。表面粗さRyは、0.3μm以上1.5
μm以下であるとより好ましい。ダイランド部の表面粗
さRyが0.2μm以上2.0μm以下でない場合に
は、メヤニが発生しやすい傾向にあり、口金スジが発生
しやすいので好ましくない。また、ダイ下面の表面粗さ
Ryが、0.5μm以上4.0μm以下であることが好
ましい。より好ましくは、0.7μm以上3.0μm以
下である。このように、ダイ下面の表面粗さRyが0.
5μm以上4.0μm以下でない場合にも、メヤニが発
生しやすく、口金スジが多発するため、好ましくない。
また、このような表面粗さRyを達成するため、ホーニ
ング処理等されることも好ましい。ここで、ホーニング
とは、液体ホーニング処理によって表面を梨地状に仕上
げたものである。
【0022】本発明においては、ダイランド部、特にダ
イランド部内面がメッキ加工されていることが好まし
い。具体的には、特に限定されるわけではないが、ハー
ドクロムメッキ、マイクロクラックハードクロムメッ
キ、アモルファスクロムメッキ、TiN・TiCN・T
iC等のチタン系化合物、チッ化クロム、ダイヤモンド
ライクカーボン、立方晶窒化ホウ素、タングステンカー
バイド等が挙げられる。またこれらを複合した材質、例
えばニッケル合金+テフロン(登録商標)、セラミック
ス+テフロン等でも構わない。
【0023】本発明のダイランド部吐出口先端のコーナ
ー(R)は、3μm以上600μm以下であることが好
ましい。より好ましくは、10μm以上200μm以下
である。コーナー(R)が小さすぎると、口金スジが発
生しやすくなり好ましくなく、コーナー(R)が大きす
ぎるとシート幅方向の厚みの変動が大きくなり好ましく
ない。
【0024】次に、本発明の熱可塑性樹脂シートの製造
方法について具体的に説明する。
【0025】まず、熱可塑性樹脂の原料をペレットなど
の形態で用意し、必要に応じて、事前乾燥を熱風中、あ
るいは真空下で行い、押出機に供給する。
【0026】押出機内において、融点以上に加熱溶融さ
れた樹脂は、溶融状態でフィルター、ギヤポンプ等を連
結することで樹脂の押出量の均一性が向上し、厚みむら
の低減に効果がある。
【0027】押出機より、ダイに送られた溶融樹脂は、
ダイで目的の形状に成型された後、吐出される。ここで
本発明におけるダイとしては、ダイランド内にスリット
間隙が非平行になる部分を有しているフラットダイを用
いる必要がある。本発明を図1を用いて具体的に説明す
る。フラットダイの1種であるマニホールドダイ1を例
にとると、マニホールドダイ1は一般に樹脂流入部2と
マニホールド3とダイランド部4からなるが、本発明で
は、溶融樹脂の流れ方向に対しダイランド内4のスリッ
ト間隔6が図に示したような、スリット間隔6が例えば
連続的に変化するように非平行になる部分7を有してい
るダイであると良い。このようなダイを用い、かつ溶融
樹脂をシート状に急冷固化する際のドラフト比DRが2
以上15以下である条件であるとよい。ここで言うドラ
フト比DRとは、簡易的にダイ吐出口間隙をキャスティ
ングフィルムの厚みで除したものとして定義する。この
ようなドラフト比DRを満足するようなダイ吐出口間隙
・キャスティングフィルム厚みに調整することにより、
得られたキャスティングフィルムは、口金スジによる欠
点がほとんどないとともに、フィルム長手方向および幅
方向の厚みむらが極めて良好であり、従来困難であった
口金スジの低減と厚みむらの良化を両立できるものであ
る。
【0028】こうしてキャスティングドラム上に押出さ
れた溶融樹脂は、ワイヤー状、テープ状、針状あるいは
ナイフ状の電極を用いて静電気力によりキャスティング
ドラム等の冷却体に密着させ急冷固化されることによ
り、さらに厚み均質性に優れたフィルムとなる。
【0029】このようにして得られたキャスティングフ
ィルムは、必要に応じて二軸配向させても構わない。本
発明における二軸配向されているとは、縦方向および/
または横方向に延伸し、二軸方向に分子配向を与えるこ
とをいう。また、加えて再び縦および/または横に延伸
をかけて、さらに強度な配向を付与してもよい。
【0030】また、本発明における縦延伸とは、フィル
ムに長手方向の分子配向を与えるための延伸を言い、通
常は、ロールの周速差により施される。この延伸は1段
階で行ってもよく、また、複数本のロール対で多段階に
行ってもよい。延伸の倍率としては樹脂の種類により異
なるが、通常、2〜15倍程度である。特に、ポリエチ
レンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍程度で
ある。
【0031】また、本発明における横延伸とは、フィル
ムに幅方向の配向を与えるための延伸を言い、通常は、
テンターを用いて、フィルムの両端をクリップで把持し
ながら搬送して、幅方向に延伸する。延伸の倍率として
は、樹脂の種類により異なるが、通常2〜10倍程度で
ある。
【0032】こうして二軸延伸されたフィルムは、平面
性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温
度以上融点以下の熱処理を行い、均一に徐冷後室温まで
冷やして巻き取るとよい。本発明においては、同時二軸
延伸してもよい。
【0033】
【物性値の評価法】(1)厚みむら:アンリツ株式会社
製フィルムシックネステスタ「KG601A」および電
子マイクロメータ「K306C」を用い、フィルムの縦
方向に30mm幅、25m長にサンプリングしたフィル
ムを連続的に厚みを測定する。フィルムの搬送速度は3
m/分とした。25m長での厚み最大値Tmax(μ
m)、最小値Tmin(μm)から R=Tmax−Tmin を求め、Rと25m長の平均厚みTave(μm)から 厚みむら(%)=R/Tave×100 として求めた。厚みむらは、10回の測定の平均値とし
た。 (2)表面粗さRy:JIS B 0601(199
4)に従い、表面粗さの最大高さを求めた。 (3)口金スジ:口金スジの判定は、製膜開始から48
時間後の溶融キャスト膜を目視にて判定した。
【0034】口金スジがまったく見つからない場合を
「◎」、口金スジが発生し製品として欠陥となった場合
を「×」とした。 (4)固有粘度:ポリエステルをo−クロロフェノール
に溶解し、25℃において測定した。
【0035】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1 熱可塑性樹脂として、コロイダルシリカを1wt%含む
固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを用い
た。このポリエチレンテレフタレートのペレットを18
0℃で3時間真空乾燥した後、押出機に供給した。押出
機にて280℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィ
ルターパックを介して、フラットダイに供給した。フラ
ットダイとしては、樹脂流入口・マニホールド・ダイラ
ンドからなるマニホールドダイを用い、ダイランド内に
テーパー状の非平行部を設けた。ダイランドの寸法とし
て、Ah0.9mm、T1h0.9mm、T2h1.0
mm、Bh1.0mm、A:10.0mm、T:5.0
mm、B:10.0mmのものを用いた。ここで言うダ
イランドの寸法の定義としては、ダイランド樹脂流入口
の間隙:Ah、テーパー部流入口の間隙:T1h、テー
パー部流出口の間隙:T2h、樹脂吐出口の間隙:B
h、樹脂流入側の平行部長さ:A、テーパー部長さ:
T、樹脂吐出口側の平行部長さ:Bとした。ダイランド
およびダイ下面の表面材質は、HCrメッキとし、さら
にホーニング加工を施し、表面粗さRyは、1.0μm
とした。また、ダイランド吐出口先端のコーナーRは、
30μm±10μmとした。このようなダイから押し出
された溶融状態のシートを、静電印加しながら表面温度
25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化せ
しめた。静電印加する際の電極にはワイヤー状電極を用
いた。得られたキャスティングシートの厚みは100μ
mであり、ドラフト比DRは10であった。得られたキ
ャスティングシートは、その後、110℃に設定したロ
ール群で加熱し、縦方向に5.8倍延伸後、テンターに
導き、120℃の熱風で予熱後、横方向に3.8倍延伸
し、そのまま、テンター内で235℃の熱風にて熱処理
を行い、室温まで徐冷後、巻き取った。製膜速度は35
0m/min.であった。得られた製品フィルムの厚み
は、4.5μmであり、厚みむらは6.0%であった。
また、口金スジは「◎」であった。得られた結果を表1
にまとめた。 実施例2 実施例1と同様の装置・条件で、但し、ダイランドの寸
法がAh0.8mm、T1h0.8mm、T2h1.0
mm、Bh1.0mm、A:10.0mm、T:5.0
mm、B:10.0mmのフラットダイを用いた。得ら
れたキャスティングフィルムの厚みは100μm、ドラ
フト比は10であった。また、製品フィルムの厚みは、
4.5μmであり、その厚みむらは6.7%であり、口
金スジは「◎」であった。得られた結果を表1にまとめ
た。 実施例3 実施例1と同様の装置・条件で、但し、ダイランドの寸
法がAh0.9mm、T1h0.9mm、T2h1.0
mm、A:15.0mm、T:20.0mm、B:0m
mのフラットダイを用いた。得られたキャスティングフ
ィルムの厚みは100μm、ドラフト比は10であっ
た。また、製品フィルムの厚みは、4.5μmであり、
その厚みむらは6.5%であり、口金スジは「◎」であ
った。得られた結果を表1にまとめた。 実施例4 実施例1と同様の装置・条件で、但し、ダイランドの寸
法がAh0.9mm、T1h0.9mm、T2h1.0
mm、Bh:1.0mm、A:15.0mm、T:5.
0mm、B:5.0mmのフラットダイを用いた。得ら
れたキャスティングフィルムの厚みは100μm、ドラ
フト比は10であった。また、製品フィルムの厚みは、
4.5μmであり、その厚みむらは6.1%であり、口
金スジは「◎」であった。得られた結果を表1にまとめ
た。 比較例1 実施例1と同様の装置・条件で、但し、ダイランドに長
さ25mm、間隙1.0mmの平行ランドのものを用い
た。得られたキャスティングフィルムの厚みは100μ
m、ドラフト比は10であった。また、製品フィルムの
厚みは、4.5μmであり、その厚みむらは6.9%で
あり、口金スジは「×」であった。得られた結果を表1
にまとめた。 比較例2 実施例1と同様の装置・条件で、但し、ダイランドに長
さ25mm、間隙2.4mmの平行ランドのものを用い
た。得られたキャスティングフィルムの厚みは100μ
m、ドラフト比は24であった。また、製品フィルムの
厚みは、4.5μmであり、その厚みむらは13%であ
り、口金スジは「◎」であった。得られた結果を表1に
まとめた。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明は、口金スジの発生による欠点が
なく、かつ厚み均一性に優れた熱可塑性樹脂シートを製
造するためのダイ、およびその熱可塑性樹脂シートの製
造方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるフラットダイ(例はマニホール
ドダイ)の概略断面図である。
【符号の説明】
1 マニホールドダイ 2 樹脂流入部 3 マニホールド部 4 ダイランド部 5 ダイランド下端 6 スリット間隔 7 スリット間隔が非平行な部分

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融状態の熱可塑性樹脂をシート状に成型
    するフラットダイにおいて、溶融樹脂の流れ方向に対し
    ダイランド内のスリット間隔が非平行になる部分を有し
    ていることを特徴とするダイ。
  2. 【請求項2】非平行部が、ダイランド下端までの30m
    m以内に位置することを特徴とする請求項1に記載のダ
    イ。
  3. 【請求項3】溶融樹脂の流れ方向に対するダイランド内
    のスリット間隔が、テーパー状に拡幅される部分を有す
    ることを特徴とする請求項1から請求項2に記載のダ
    イ。
  4. 【請求項4】ダイランド部の表面粗さRyが、0.2μ
    m以上2.0μm以下であることを特徴とする請求項1
    から請求項3のいずれかに記載のダイ。
  5. 【請求項5】ダイ下面の表面粗さRyが、0.5μm以
    上4.0μm以下であることを特徴とする請求項1から
    請求項4のいずれかに記載のダイ。
  6. 【請求項6】ダイランド部がメッキ加工されていること
    を特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の
    ダイ。
  7. 【請求項7】ダイランド部吐出口先端のコーナーRが、
    3μm以上600μm以下であることを特徴とする請求
    項1から請求項6のいずれかに記載のダイ。
  8. 【請求項8】溶融状態の熱可塑性樹脂をシート状に成型
    するフラットダイであって、ダイランド内に非平行部を
    有するダイを用いて、かつ、ドラフト比DRを2以上1
    5以下の条件で熱可塑性樹脂シートを押し出すことを特
    徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方法。
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