JP2001347353A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

鋼の連続鋳造方法

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JP2001347353A
JP2001347353A JP2000167400A JP2000167400A JP2001347353A JP 2001347353 A JP2001347353 A JP 2001347353A JP 2000167400 A JP2000167400 A JP 2000167400A JP 2000167400 A JP2000167400 A JP 2000167400A JP 2001347353 A JP2001347353 A JP 2001347353A
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cooling
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cooling water
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Masafumi Hanao
方史 花尾
Masayuki Kawamoto
正幸 川本
Sukehisa Kikuchi
祐久 菊地
Masashi Hara
昌司 原
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】亜包晶中炭素鋼を高速で鋳造する場合でも、縦
割れの発生がなく、良好な表面品質の鋳片を得ることが
できる鋼の連続鋳造方法の提供。 【解決手段】下記(イ)式を満足する条件で鋳造を行
う。 (イ)・・・q≦58.0−260.2×Vc ただし、q=Q/A、 Q=n×Cp×(T2−T1)/1
6、 A=w×Vcで、qは冷却板内の平均熱量(MJ/
2)、Vcは鋳造速度(m/s)、Qは単位時間に冷却板
内に伝達される溶鋼の熱量(MW)、Aは単位時間に冷
却板と接する凝固殻の表面積(m2/s)、nは冷却板内冷
却水量(kg/s)、Cpは水の比熱(J/kg・K)、T
1は入側冷却水温度(K)、T2は出側冷却水温度(K)、w
は冷却板の鋳型幅方向の合計の長さ(m)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳片表面の縦割れ
の発生を防止できる鋼の連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼帯などの熱間圧延用の素材である鋳片
の連続鋳造においては、鋳片品質の向上および生産性の
確保などの観点から、通常150〜300mmの厚さの
鋳片が速度1〜2m/分で鋳造されている。一方、近
年、関連する設備の建設費および要員の削減等の観点か
ら、製品の厚さや形状により近い50〜120mmの厚
さの薄鋳片を2〜5m/分の高速で鋳造する試みが進め
られ、既に実用化されている。
【0003】ところで、C含有率が0.08〜0.18
質量%である亜包晶鋼の鋳片表面には、その凝固特性か
ら縦割れが発生しやすい。この縦割れは、速度1〜2m
/分で鋳造する場合にも発生しやすく、さらに50〜1
20mmの厚さの薄鋳片を2〜5m/分の高速で鋳造す
る場合には、さらに縦割れが発生しやすい。
【0004】縦割れの発生には、鋳型内における凝固殻
の冷却状態が大きく関与しているので、鋳型内の凝固殻
の冷却速度を遅くし、いわゆる凝固殻を緩冷却の状態に
するとともに、鋳型の幅方向での凝固殻の冷却を均一に
することが行われている。
【0005】鋳型内の凝固殻を均一に、緩冷却する方法
として、たとえば特開平9−271904号公報には、
鋳型の冷却板に合金系の溶射被膜層を形成させることに
より、冷却板の伝熱効率を抑制する方法、また特開平1
0−193042号公報には、鋳型の冷却板に多数のス
リットを備え、冷却板と凝固殻との接触状態を疎にする
ことにより冷却板の伝熱効率を抑制する方法がそれぞれ
開示されている。しかし、これら特開平9−27190
4号公報または特開平10−193042号公報に開示
された方法を用いても、C含有率が0.08〜0.18
質量%である亜包晶鋼を2〜5m/分の高速で通常の厚
さの鋳片または薄鋳片に鋳造する場合に、縦割れが発生
しやすい。
【0006】特開平5−15955号公報には、T.C
aOのSiO2 に対する質量%の比「T.CaO/Si
2 」を0.9〜1.3と大きくしたモールドパウダが
提案されている。溶融パウダが冷却する過程で、より多
くの結晶を析出することにより、鋳型内の凝固殻を緩冷
却して、鋳片表面の縦割れの発生を防止する。しかし、
このモールドパウダを用いても、C含有率が0.08〜
0.18質量%である亜包晶鋼を2〜5m/分の高速で
通常の厚さの鋳片または薄鋳片に鋳造する場合に、縦割
れが発生しやすい。
【0007】また、たとえば上述のT.CaO/SiO
2 をさらに極端に大きくしたモールドパウダを用いるこ
とにより、鋳型内の凝固殻をさらに緩冷却しようとして
も、鋳型の冷却板と凝固殻との間の潤滑性が悪くなるた
め、ブレークアウトが発生しやすくなる。
【0008】「鉄と鋼」vol.83、(1997)N
o.11、p.701には、90〜120mmの厚さの
薄鋳片を最高5m/分の速度で鋳造する際に、鋳型の冷
却板の特定位置における局所熱流束が限界値を超える
と、その特定位置近傍の鋳片表面に縦割れが発生しやす
いことが開示されている。具体的には、亜包晶中炭素鋼
において、その局所熱流束が2MW/m2 を超えると、
鋳片表面に縦割れが発生しやすいことが開示されてい
る。
【0009】しかし、C含有率が0.08〜0.18質
量%である亜包晶鋼を50〜120mmの厚さの薄鋳片
に、2〜5m/分の高速でスラブ鋳片または薄鋳片に鋳
造する場合に、鋳造速度との関連で局所熱流束を適正な
範囲に選択しないと、鋳片表面に著しく縦割れの発生す
る場合がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、亜包晶鋼な
どの縦割れの発生しやすい中炭素鋼を高速で鋳造する場
合でも、鋳片表面に縦割れの発生がなく、良好な表面品
質の鋳片を得ることができる鋼の連続鋳造方法を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)および(2)に示す鋼の連続鋳造方法にある。 (1)下記(ハ)式で定義される鋳型の冷却板内に伝達
される単位時間当たりの溶鋼の熱量Q(MW)を、下記
(ニ)式で定義される単位時間内に鋳型の冷却板と接す
る凝固殻の表面積A(m2 /s)で除した下記(ロ)式
で定義される鋳型の冷却板内を溶鋼側から冷却水側に向
かう平均熱量q(MJ/m2 )が、下記(イ)式を満足
する条件で鋳造する鋼の連続鋳造方法。
【0012】 q≦58.0−260.2×Vc ・・・(イ) ここで、q=Q/A ・・・(ロ) Q=n×Cp×(T2−T1)/106・・・(ハ) A=w×Vc ・・・(ニ) Vc:鋳造速度(m/s) n:冷却板内に供給する冷却水量(kg/s) Cp:水の比熱;4180(J/kg・K) T1:冷却水の冷却板への入側温度(K) T2:冷却水の冷却板からの出側温度(K) w:冷却水で冷却されている冷却板の鋳型幅方向の合計
の長さ(m) (2)C含有率が0.08〜0.18質量%である溶鋼
を2m/分以上の鋳造速度で鋳造する上記(1)に記載
の鋼の連続鋳造方法。
【0013】本発明でいう鋳型の冷却板とは、その内部
に通水路を有し、通常冷却水で冷却されている冷却板を
いう。通常の連続鋳造では、鋳型の2つの長辺側の冷却
板は冷却水により冷却されている。
【0014】本発明の方法において、前述の(ロ)式で
定義する平均熱量q(MJ/m2 )とは、鋳型の冷却板
内に伝達される単位時間当たりの溶鋼の熱量Q(MW)
を、単位時間内に鋳型の冷却板と接する凝固殻の表面積
A(m2 /s)で除した値のことである。
【0015】図1は、鋳片表面の縦割れの発生に及ぼす
平均熱量qおよび鋳造速度Vcの関係を示す図であり、
後述する実施例で示す内容の試験結果から求めた図であ
る。すなわち、垂直部長さ1.5m、湾曲半径3.5m
の垂直曲げ型連続鋳造機を用い、後述する表1に示すC
含有率0.09〜0.10質量%の亜包晶中炭素鋼を、
厚さ90mm、幅1000mmの薄鋳片に、速度3m/
分(0.05m/sに相当)および速度4.5m/分
(0.075m/sに相当)で鋳造した。その際、Ca
OのSiO2 に対する質量%の比CaO/SiO2 、お
よび溶融パウダの凝固点と粘度の相違する後述する表2
に示すモールドパウダを用いることにより、平均熱量q
の条件を変更して試験した。
【0016】図1から、前述の(ロ)式で定義される平
均熱量qと鋳造速度Vcとの関係が前述の(イ)式の条
件を満足すれば、鋳片の縦割れの発生を防止できること
がわかる。縦割れの発生を防止できる理由は、次の通り
である。
【0017】溶鋼が鋳型内で凝固して凝固殻が形成され
る際に、鋳造速度が速くなるとともに、鋳型内の凝固殻
の厚さが薄くなる。そのため、鋳型の冷却板からの凝固
殻の冷却において、鋳型の幅方向におけるほんの少しの
冷却ムラが、鋳型の幅方向における凝固厚さの不均一さ
となって現れ、いわゆる鋳型内における凝固殻の不均一
凝固が助長される。鋳型の幅方向で凝固殻の厚さが異な
るので、鋳片表面に熱応力、またはガイドロール間での
バルジングする際の応力などが作用すると、鋳片表面に
縦割れが発生しやすくなる。
【0018】そこで、本発明の方法では、鋳造速度Vc
が速くなるにしたがって、平均熱量qを小さく、すなわ
ち、鋳型内を通過中の凝固殻において、凝固殻の単位面
積当たりに、溶鋼の有する熱が鋳型の冷却板に伝達され
る平均の熱量を小さくする。これにより、鋳型内の凝固
殻は効果的に均一に緩冷却されるので、鋳片の縦割れの
発生を効果的に防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の方法では、鋳型の冷却板
内に伝達される単位時間当たりの溶鋼の熱量Qを、単位
時間内に鋳型の冷却板と接する凝固殻の表面積Aで除し
た平均熱量qが、前述の(イ)式を満足する条件で鋳造
する。
【0020】ここで、前述の(ニ)式で定義される単位
時間内に鋳型の冷却板と接する凝固殻の表面積Aは、冷
却水で冷却されている冷却板の鋳型幅方向の合計の長さ
wを用いて計算する。通常、鋳型の2つの長辺側の冷却
板が水冷されているので、その際には、鋳型内の凝固殻
と接する2つの長辺側の冷却板の鋳型幅方向の合計幅を
wとして計算すればよい。2つの長辺側の冷却板ととも
に、2つの短辺側の冷却板内にも通水路が配置されて水
冷されている場合には、鋳型断面の全周長wを用いて計
算すればよい。いずれもこれらw(m)に鋳造速度Vc
(m/s)を掛けることにより、上記表面積Aが求ま
る。
【0021】前述の(イ)式を満足する条件で鋳造する
ことは、鋳造速度Vcが速くなるにしたがって、平均熱
量qを小さくすることを意味するので、鋳型内の凝固殻
は効果的に均一に緩冷却され、鋳片の縦割れの発生を効
果的に防止することができる。
【0022】本発明の方法を用いた具体的な連続鋳造操
業は、たとえば、次のように行うことができる。すなわ
ち、通常の連続鋳造では、鋼の化学組成に対応して、一
定の目標の鋳造速度を決めて鋳造する。連続鋳造におけ
る生産性を確保しつつ、表面および内部の鋳片品質を確
保するためである。本発明の方法では、鋳造速度Vcと
前述の(ロ)式で定義される平均熱量qとを調整するこ
とにより、これら鋳造速度Vcと平均熱量qとが、前述
の(イ)式を満足する条件で鋳造する。その際、鋳造速
度を調整しても構わないが、上述の通り、連続鋳造の生
産性および鋳片品質を確保する観点からは、平均熱量q
を調整する方が望ましい。
【0023】そこで、平均熱量qを調整する方法とし
て、鋳型内に添加するモールドパウダの冷却能を調整す
る方法を用いることができる。その具体的な方法とし
て、溶融パウダの凝固点を調整したモールドパウダを用
いるのが望ましい。溶融パウダの凝固点を高したモール
ドパウダを用いることにより、平均熱量qを低下させる
ことができる。鋼の化学組成、目標の鋳造速度に対応し
た適正な凝固点を有するモールドパウダを、鋳造試験に
より確認することができる。
【0024】ところで、実際の連続鋳造では、操業条件
の変更などにより、鋳造中に鋳造速度を変更する場合が
ある。鋳造中に鋳造速度を変更させた場合には、鋳型冷
却水の入側温度と出側温度との差を確認しながら、変更
後の鋳造速度Vcと平均熱量qとが前述の(イ)式を満
足するように、鋳造速度を変更する前に使用していたモ
ールドパウダとは別の凝固点に調整したモールドパウダ
に変更するのが望ましい。
【0025】上述の本発明の方法は、C含有率が0.0
8〜0.18質量%である溶鋼を2m/分以上の鋳造速
度で鋳造する際に適用するのが望ましい。C含有率0.
08〜0.18質量%の亜包晶鋼を鋳造する際、その凝
固特性から鋳片表面に縦割れが発生しやすい。さらに、
鋳造速度が2m/分以上になると、鋳片表面に縦割れが
著しく発生しやすくなる。そこで、本発明の方法を適用
することにより、鋳片表面の縦割れの発生を効果的に防
止できる。
【0026】その際、前述の図1に示す通り、溶融パウ
ダの凝固点を1150℃程度以上にすること、および溶
融パウダの1300℃における粘度を0.6poise
以下にするのが望ましい。
【0027】さらに、本発明の方法は、50〜120m
mの厚さの薄鋳片に、2〜5m/分の高速で薄鋳片に鋳
造する場合に適用するのがより好ましく、その際、鋳片
表面の縦割れの発生を、さらにより効果的に防止でき
る。
【0028】
【実施例】垂直部長さ1.5m、湾曲半径3.5mの垂
直曲げ型連続鋳造機を用い、表1に示すC含有率0.0
8〜0.10質量%の亜包晶中炭素鋼を、厚さ90m
m、幅1000mmの鋳片に、一定の速度3m/分
(0.05m/sに相当)または4.5m/分(0.0
75m/sに相当)で鋳造した。各試験では、1ヒート
約80tonを鋳造した。
【0029】
【表1】 試験には、2つの長辺側の冷却板に通水路を有する鋳型
を用いた。鋳片の幅に相当する1000mmの幅の鋳型
の長辺側の1つの冷却板内に供給する冷却水量は一定の
35kg/sとした。つまり、2つの長辺側の冷却板内
に供給する合計の冷却水量は70kg/sとした。した
がって、冷却水で冷却されている冷却板の鋳型幅方向の
合計の長さwが2mで、冷却板内に供給する冷却水量n
が70kg/sの条件で試験することになる。
【0030】モールドパウダの化学組成を表2に示す。
それぞれCaO、SiO2 、Fを基本成分とし、CaO
のSiO2 に対する比、すなわち、塩基度を1.2〜
1.8、凝固点を1115〜1235℃、1300℃に
おける粘度を0.4〜0.7poiseに調整したモー
ルドパウダを用いた。
【0031】
【表2】 各鋳造試験中に鋳型の冷却板内に供給する冷却水の冷却
板への入側温度および出側温度を測定し、その温度差を
求めた。後述するように、それら入側温度および出側温
度は鋳造中にほぼ一定の温度で、したがって、それらの
温度差もほぼ一定であった。
【0032】また、各試験では、長さ10mの鋳片サン
プルを採取した。鋳片表面を目視で観察し、縦割れの発
生状況を評価した。鋳造したままの鋳片表面を目視で観
察するので、長さが50mm程度以上の縦割れを主とし
て観察している。評価「A」は、縦割れが発生していな
いか、極わずかしか発生していないもの、評価「B」
は、縦割れが2〜3個程度発生しているが、深さが浅い
ため、鋳片を素材として熱間圧延した製品では、疵が発
生しない程度のもの、評価「C」は、縦割れが10個程
度発生しているか、または深い縦割れが数個発生してい
るもので、鋳片を素材として熱間圧延した製品では、疵
が著しく発生する程度のものである。各試験条件と各試
験結果を表3に示す。
【0033】
【表3】 本発明例の試験No.1では、塩基度(CaO/SiO
2 )が1.8、溶融パウダの凝固点が1235℃、13
00℃における粘度が0.4poiseであるモールド
パウダaを用い、また本発明例の試験No.2では、塩
基度(CaO/SiO2 )が1.5、溶融パウダの凝固
点が1220℃、1300℃における粘度が0.5po
iseであるモールドパウダbを用いて試験した。
【0034】試験No.1およびNo.2では、とも
に、粘度は低いが、凝固点が高いモールドパウダaまた
はbを用いたので、鋳型の冷却板の冷却水の出側と入側
の温度差は9.1または11.2Kと小さくなった。そ
のため、平均熱量を26.6または32.8MJ/m2
と低くすることができた。鋳造速度は3m/分(0.0
5m/s)であるので、前述の(イ)式の右辺の値は4
5.0となる。したがって、平均熱量が26.6または
32.8MJ/m2 の条件は、本発明で規定する条件の
範囲内である。鋳片表面の縦割れの評価は評価Aで、縦
割れが発生しなかった。鋳型内の凝固殻の冷却条件を効
果的に均一に緩冷却とすることができたためである。
【0035】本発明例の試験No.3では、塩基度(C
aO/SiO2 )が1.3、溶融パウダの凝固点が12
03℃、1300℃における粘度が0.6poiseで
あるモールドパウダcを用い、また本発明例の試験N
o.4では、塩基度(CaO/SiO2 )が1.2、溶
融パウダの凝固点が1174℃、1300℃における粘
度が0.5poiseであるモールドパウダdを用いて
試験した。
【0036】試験No.3およびNo.4では、とも
に、試験No.1およびNo.2に比べて、凝固点がや
や低いが、粘度がやや高いモールドパウダcまたはモー
ルドパウダdを用いたので、鋳型の冷却板の冷却水の出
側と入側の温度差は13.1または14.9Kと小さく
なった。そのため、平均熱量を38.3または43.6
MJ/m2 と低くすることができた。鋳造速度は3m/
分(0.05m/s)であるので、前述の(イ)式の右
辺の値は45.0となる。したがって、平均熱量が3
8.3または43.6MJ/m2 の条件は、本発明で規
定する条件の範囲内である。鋳片表面の縦割れの評価は
評価Bで、縦割れの発生をわずかな発生に抑制すること
ができた。試験No.1およびNo.2に比べて、やや
縦割れが発生したのは、モールドパウダaおよびモール
ドパウダbに比べて、粘度が高く、凝固点が低いモール
ドパウダを用いたために、鋳型内の凝固殻の緩冷却の程
度が弱くなったためである。
【0037】本発明例の試験No.5では、上述の試験
No.1と同じモールドパウダaを用いて試験した。た
だし、鋳造速度をさらに高速で4.5m/分(0.07
5m/s)とした。高速での鋳造にもかかわらず、粘度
は低いが、凝固点が高いモールドパウダaを用いたの
で、鋳型の冷却板の冷却水の出側と入側の温度差を1
1.1Kと低く保持できた。そのため、平均熱量を2
1.7MJ/m2 と低くすることができた。鋳造速度が
4.5m/分(0.05m/s)であるので、前述の
(イ)式の右辺の値は38.5となる。したがって、平
均熱量が21.7MJ/m2 の条件は、本発明で規定す
る条件の範囲内である。鋳片表面の縦割れの評価は評価
Aで、縦割れが発生しなかった。鋳型内の凝固殻の冷却
条件を効果的に均一に緩冷却とすることができたためで
ある。
【0038】比較例の試験No.6では、塩基度(Ca
O/SiO2 )が1.2、溶融パウダの凝固点が111
5℃、1300℃における粘度が0.7poiseであ
るモールドパウダeを用いて試験した。粘度は高いが、
凝固点が低いモールドパウダeを用いたので、鋳型の冷
却板の冷却水の出側と入側の温度差は17.1Kと大き
くなった。そのため、平均熱量は50.0MJ/m2
大きくなった。鋳造速度は3m/分(0.05m/s)
であるので、前述の(イ)式の右辺の値は45.0とな
る。したがって、この平均熱量50.0MJ/m2 の値
は、本発明で規定する条件の上限を超えて高い値であ
る。鋳片表面の縦割れの評価は評価Cで、深い縦割れが
著しく発生した。平均熱量の値が大きいので、鋳型内の
凝固殻を緩冷却できなかったためである。
【0039】
【発明の効果】本発明の方法の適用により、亜包晶鋼な
どの縦割れの発生しやすい中炭素鋼を高速で鋳造する場
合でも、鋳片表面に縦割れの発生がなく、良好な表面品
質の鋳片を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋳片表面の縦割れの発生に及ぼす平均熱量qお
よび鋳造速度Vcの関係を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 菊地 祐久 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 原 昌司 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 4E004 MA01 MC01 MC05 NC04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(ハ)式で定義される鋳型の冷却板内
    に伝達される単位時間当たりの溶鋼の熱量Q(MW)
    を、下記(ニ)式で定義される単位時間内に鋳型の冷却
    板と接する凝固殻の表面積A(m2 /s)で除した下記
    (ロ)式で定義される鋳型の冷却板内を溶鋼側から冷却
    水側に向かう平均熱量q(MJ/m2 )が、下記(イ)
    式を満足する条件で鋳造することを特徴とする鋼の連続
    鋳造方法。 q≦58.0−260.2×Vc ・・・(イ) ここで、q=Q/A ・・・(ロ) Q=n×Cp×(T2−T1)/106・・・(ハ) A=w×Vc ・・・(ニ) Vc:鋳造速度(m/s) n:冷却板内に供給する冷却水量(kg/s) Cp:水の比熱;4180(J/kg・K) T1:冷却水の冷却板への入側温度(K) T2:冷却水の冷却板からの出側温度(K) w:冷却水で冷却されている冷却板の鋳型幅方向の合計
    の長さ(m)
  2. 【請求項2】C含有率が0.08〜0.18質量%であ
    る溶鋼を2m/分以上の鋳造速度で鋳造することを特徴
    とする請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
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