JP2001346283A - スピーカシステム - Google Patents

スピーカシステム

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JP2001346283A
JP2001346283A JP2000164078A JP2000164078A JP2001346283A JP 2001346283 A JP2001346283 A JP 2001346283A JP 2000164078 A JP2000164078 A JP 2000164078A JP 2000164078 A JP2000164078 A JP 2000164078A JP 2001346283 A JP2001346283 A JP 2001346283A
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Japan
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cabinet
speaker unit
speaker
diaphragm
bass reflex
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JP2000164078A
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English (en)
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Mikiro Iwasa
幹郎 岩佐
Hiroyuki Takewa
弘行 武輪
Kazuhide Sato
和栄 佐藤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 界磁部やキャビネットの放熱性能を改善する
ことで、耐入力の高い小型のスピーカシステムを実現す
ること。 【解決手段】 スピーカシステムとして、バスレフポー
ト4をキャビネット1の上部空間に取り付け、低音再生
スピーカユニット2の界磁部に放熱器5を取り付ける。
低域再生スピーカユニット2の発熱よって内部の空気が
温度上昇すると、この空気はバスレフポート4を介して
キャビネット4の外部に排出される。こうすると、界磁
部内の温度上昇が抑止され、小型のスピーカユニット2
を大電力で駆動できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大入力の音響信号
を再生するに際し、放熱性を改善した小型のスピーカシ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタル信号の処理技術の飛躍
的な向上によって、マルチチャンネル再生を行う音響再
生装置が増加した。このような装置ではチャンネルの数
だけスピーカシステムを必要とする。しかし大きなスピ
ーカシステムを数多く配置することは難しく、小型で場
所を取らず、更に高耐入力の特性を有するスピーカシス
テムが必要となってきている。以下、従来の小型のスピ
ーカシステムの構造について、図面を参照しながら説明
する。
【0003】図7は従来の小型のスピーカシステムの構
造図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。
このスピーカシステムでは、キャビネット21に界磁部
22aを持つ動電型の低域再生スピーカユニット22が
取り付けられ、更に界磁部23aを持つ高域再生スピー
カユニット23が取り付けられている。キャビネット2
1の下部にはバスレフポート24が配置され、小型バス
レフ型のスピーカシステムが構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような小型のス
ピーカシステムに大きな電気信号(音響信号)が印加さ
れると、ボイスコイルの抵抗成分によりボイスコイルが
発熱する。このジュール熱が磁気空隙を介して界磁部に
伝わるために、スピーカユニット22の界磁部22aと
スピーカユニット23の界磁部23aの温度が上昇す
る。界磁部22aと23aから発生した熱によって暖め
られた空気は、キャビネット21の中の上層部に蓄積
し、更にはキャビネット21の内部全体の温度を上昇さ
せる。
【0005】各スピーカユニットの界磁部22aと23
aから放射された熱の一部は、キャビネット21自体の
放射で外に排出されるものの、大部分の熱はキャビネッ
ト21内に蓄積される。キャビネットの内容積の小さい
小型スピーカシステムでは、キャビネット21内の温度
上昇は大型のものと比較して顕著であり、そのキャビネ
ット21内の温度上昇でスピーカユニット22,23の
界磁部22aと23aの温度上昇が促進される。更には
界磁部22aと23aの温度上昇でボイスコイルの温度
上昇も加速されることになり、その結果ボイスコイルの
線材が焼き切れてスピーカユニットが破壊することがあ
る。このことは小型スピーカシステムの耐入力の低下の
原因となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、音響信号を界磁部に挿入されたボイスコイルに入力
し、振動板の振動によって音を放射するスピーカユニッ
トと、前記スピーカユニットのフレームを固定するバッ
フル板を含み、前記スピーカユニットの振動板の背面か
ら放射される音のキャビティを形成するキャビネット
と、前記振動板の背面から放射される音を前記キャビネ
ットの前面に案内するバスレフポートと、を具備するス
ピーカシステムにおいて、前記バスレフポートは、前記
キャビネット内部の空気の温度が最も高くなる個所に設
けられたことを特徴とするものである。
【0007】本願の請求項2の発明は、請求項1のスピ
ーカシステムにおいて、前記バスレフポートは、前記キ
ャビネットのバッフル板の最上部に設けられたことを特
徴とするものである。
【0008】本願の請求項3の発明は、請求項1のスピ
ーカシステムにおいて、前記バスレフポートは、前記キ
ャビネットのバッフル板の最上部に設けられ、その断面
形状が垂直方向に比べ水平方向が大なることを特徴とす
るものである。
【0009】本願の請求項4の発明は、請求項1のスピ
ーカシステムにおいて、前記スピーカユニットの界磁部
に放熱器を付加したことを特徴とするものである。
【0010】本願の請求項5の発明は、音響信号を界磁
部に挿入されたボイスコイルに入力し、振動板の振動に
よって音を放射するスピーカユニットと、前記スピーカ
ユニットのフレームを固定するバッフル板を含み、前記
スピーカユニットの振動板の背面から放射される音のキ
ャビティを形成するキャビネットと、前記振動板の背面
から放射される音を前記キャビネットの前面に案内する
バスレフポートと、を具備するスピーカシステムにおい
て、前記バスレフポートは、前記キャビネットのバッフ
ル板の最上部に設けられ、前記キャビネットは、内側上
部が略球面形状であることを特徴とするものである。
【0011】本願の請求項6の発明は、請求項5のスピ
ーカシステムにおいて、前記スピーカユニットの界磁部
に放熱器を付加したことを特徴とするものである。
【0012】本願の請求項7の発明は、請求項5のスピ
ーカシステムにおいて、前記バスレフポートは、前記キ
ャビネットのバッフル板の最上部に設けられ、その断面
形状が垂直方向に比べ水平方向が大なることを特徴とす
るものである。
【0013】本願の請求項8の発明は、音響信号を界磁
部に挿入されたボイスコイルに入力し、振動板の振動に
よって音を放射するスピーカユニットと、前記スピーカ
ユニットのフレームを固定するバッフル板を含み、前記
スピーカユニットの振動板の背面から放射される音のキ
ャビティを形成するキャビネットと、前記振動板の背面
から放射される音を前記キャビネットの前面に案内する
バスレフポートと、を具備するスピーカシステムにおい
て、前記バスレフポートは、前記キャビネット内部の空
気の温度が最も高くなる個所に設けられ、前記キャビネ
ットに内面及び前記スピーカユニットの界磁部表面に
は、熱放射効率を高めるため黒色塗装膜が形成されてい
ることを特徴とするものである。
【0014】本願の請求項9の発明は、音響信号を界磁
部に挿入されたボイスコイルに入力し、振動板の振動に
よって音を放射するスピーカユニットと、前記スピーカ
ユニットの界磁部に付加された放熱器と、前記スピーカ
ユニットのフレームを固定するバッフル板を含み、前記
スピーカユニットの振動板の背面から放射される音のキ
ャビティを形成するキャビネットと、前記振動板の背面
から放射される音を前記キャビネットの前面に案内する
バスレフポートと、を具備するスピーカシステムにおい
て、前記バスレフポートは、前記キャビネット内部の空
気の温度が最も高くなる個所に設けられ、前記キャビネ
ットの内面及び前記放熱器の表面には、熱放射効率を高
めるため黒色塗装膜が形成されていることを特徴とする
ものである。
【0015】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の実施の
形態1におけるスピーカシステムについて、図1及び図
2を参照しながら説明する。図1(a)は本実施の形態
におけるスピーカシステムの正面図であり、(b)は本
スピーカシステムの構造を示す断面図である。キャビネ
ット1は板厚が数mmで、内容積の小さな略直方体状の
形状を有し、スピーカユニットの振動板の背面から放射
される音のキャビティを形成している。キャビネット1
の下部には、放熱器5付きの界磁部2aを持ち、小口径
の動電型の低域再生スピーカユニット2が取り付けられ
ている。そしてキャビネット1の上部には、界磁部3a
を持つ高域再生スピーカユニット3が取り付けられてい
る。
【0016】これらのスピーカユニットは、音響信号を
界磁部に挿入されたボイスコイルに入力し、界磁部の電
磁力によって振動板を振動させ、音を放射するものであ
る。界磁部はマグネットとボイスコイルボビンに回巻さ
れたボイスコイルとを有している。スピーカユニットは
フレームによってバッフル板に固定されている。キャビ
ネット1の最上部には、背部とバッフル板部に開口部を
持つバスレフポート4が取り付けられている。バスレフ
ポート4は、スピーカユニットの振動板の背面から放射
される音をキャビネット1の前面に案内するものであ
る。図1(b)に示すように、バスレフポート4の上側
面はキャビネット1の上面パネルに固着されている。
【0017】このような構造を有するスピーカシステム
の動作について説明する。このスピーカシステムに大き
な電気信号(音響信号)が印加されると、界磁部2a、
3a内のボイスコイルはその抵抗成分によりジュール熱
を発生する。その熱が磁気空隙を介して界磁部2a、3
aに伝わるために、界磁部2a及び3aと低域再生スピ
ーカユニット2の放熱器5の温度が上昇する。夫々の発
熱によって暖められた近傍の空気は、温度が高くたるめ
にキャビネット1内の上層部に移動して蓄積する。この
ためキャビネット1の上部の温度が上昇する。しかしな
がらバスレフポート4がキャビネット1の最上部に位置
しているので、温度が上昇して膨張した空気は、バスレ
フポート4を介してキャビネット1の外部に排除され
る。また排除された空気の代わりに、新たな空気が取り
入れられる。キャビネット1の内部に取り込まれた空気
は、残存空気より温度が低いために、キャビネット1内
の下部に移動する。
【0018】このような空気の移動によって、キャビネ
ット1内の温度上昇が抑制される。即ち空気の対流効果
でキャビネット内の冷却効果が向上する。このため、特
にボイスコイルの電流値が大きくなる低音再生スピーカ
ユニット2において、界磁部2aの温度上昇を抑制で
き、更にはボイスコイル自身の温度上昇を抑制すること
ができる。その結果、小型のスピーカシステムの耐入力
を向上できる。また、バスレフポート4の側面をキャビ
ネット1の上面に固着することで、補強リブの作用が得
られる。これにより、キャビネット1の振動で異常音が
発生することを防ぐ効果も得られる。
【0019】一例として、板厚5mm、内容積0.5リ
ットルの樹脂製の小型のキャビネット1に、放熱器5付
きの界磁部2aを有し、口径5cmの動電型の低域再生
スピーカユニット2を取り付ける。これに加えて口径
2.5cmの高域再生スピーカユニット3を取り付け
た。そしてキャビネット1の前面、即ちバッフルの最上
部にバスレフポート4を配置した。このような構造の小
型バスレフ型のスピーカシステムに対して、DIN.ノ
イズ(ホワイトノイズ)を50Wを90分間入力して、
低域再生スピーカユニット2の界磁部2a底面の表面温
度とボイスコイルの温度とを測定した。
【0020】図2にスピーカユニット界磁部とボイスコ
イルの温度上昇特性とを、従来の構成のキャビネットに
入れた場合と比較した結果を示す。T1aは従来の低域
再生スピーカユニットにおけるボイスコイルの温度上昇
特性を示し、T1bは本実施の形態の低域再生スピーカ
ユニットにおけるボイスコイルの温度上昇特性を示す。
従来例のボイスコイルの温度は飽和状態では202℃で
あるのに対し、本実施の形態のボイスコイルの温度は1
90℃であり、12℃低くなっていることが判る。また
T2aは従来の低域再生スピーカユニットにおける界磁
部底面の温度上昇特性を示し、T2bは本実施の形態の
低域再生スピーカユニットにおける界磁部底面の温度上
昇特性を示す。従来例の界磁部底面の温度は飽和状態で
は95℃であるのに対し、本実施の形態の界磁部底面の
温度は85℃であり、10℃低くなっていることが判
る。
【0021】尚、ここではバスレフポート4をキャビネ
ット1の前面に設けた構成について説明したが、バスレ
フポート4の出口を裏面に設けた場合でもよい。更にバ
スレフポート4の断面を垂直方向に比べ水平方向の方が
大なるように構成することにより、キャビネット上部の
より広い部分の放熱が可能となる。バスレフポート4の
他の断面形状としては、水平方向に短径を配置し、垂直
方向に長径を配置した楕円形状や長方形等でも良い。
【0022】(実施の形態2)次に本発明の実施の形態
2におけるスピーカシステムについて、図3及び図4を
参照しながら説明する。図3(a)は本実施の形態にお
けるスピーカシステムの正面図であり、(b)は本スピ
ーカシステムの構造を示す断面図である。キャビネット
1は板厚が数mmで、内容積の小さな略直方体状の形状
を有している。キャビネット1の下部には、放熱器5付
きの界磁部2aを持ち、小口径の動電型の低域再生スピ
ーカユニット2が取り付けられている。そしてキャビネ
ット1の上部には、界磁部3aを持つの高域再生スピー
カユニット3が取り付けられている。更にキャビネット
1の最上部には、バスレフポート4が設けられている。
図1(b)に示すように、バスレフポート4の上側面は
キャビネット1の上面パネルに固着されている。これら
の実施の形態1の構成要素に加えて、キャビネット1の
上部空間に集熱器6を設けている。この集熱器6は略半
球状に形成された集熱部材である。
【0023】このような構造を有するスピーカシステム
の動作について説明する。このスピーカシステムに大き
な電気信号が印加されると、界磁部2a、3a内のボイ
スコイルはその抵抗成分によりジュール熱を発生する。
その熱が磁気空隙を介して界磁部2a、3aに伝わるた
めに、界磁部2a及び3aと低域再生スピーカユニット
2の放熱器5の温度が上昇する。夫々の発熱によって暖
められた近傍の空気は温度が高くなるため、キャビネッ
ト1内の上層部に移動して蓄積する。
【0024】集熱器6を付けてキャビネット1内の上部
を半球形状に構成することによって、高い温度の空気は
集熱器6の頂部に効果的に集められる。そこで集熱器6
の頂部近傍に上昇した温度の高い空気は、バスレフポー
ト4を介してキャビネット1の外部に排除される。また
排除された空気の代わりに、新たな空気が取り入れられ
る。キャビネット1の内部に取り込まれた空気は、残存
空気より温度が低いために、キャビネット1内の下部に
移動する。こうしてキャビネット内の温度上昇が抑制さ
れ、空気の対流効果でキャビネット内が冷却される。
【0025】このように集熱器6を設け、発生した熱を
集熱しやすい形状にすることにより、バスレフポート4
から更に効率よく熱を逃がすことができる。従ってスピ
ーカユニットの界磁部2aと3aの温度上昇を抑制し、
ボイスコイルの温度上昇を抑制することができる。
【0026】一例として、板厚5mm、内容積0.5リ
ットルの樹脂製の小型のキャビネット1に、放熱器5付
きの界磁部2aを有し、口径5cmの動電型の低域再生
スピーカユニット2を取り付けた。これに加えて口径
2.5cmの高域再生スピーカユニット3を取り付け
た。そしてキャビネット1の前面、即ちバッフルの最上
部にバスレフポート4を配置し、キャビネット1の上部
空間に集熱器6を設けた。このような構造の小型バスレ
フ型のスピーカシステムに対して、DIN.ノイズを5
0Wを90分間入力して、低域再生スピーカユニット2
の界磁部2a底面の表面温度とボイスコイルの温度とを
測定した。
【0027】図4にスピーカユニット界磁部とボイスコ
イルの温度上昇特性とを、従来の構成のキャビネットに
入れた場合と比較した結果を示す。T1aは従来の低域
再生スピーカユニットにおけるボイスコイルの温度上昇
特性を示し、T1cは本実施の形態の低域再生スピーカ
ユニットにおけるボイスコイルの温度上昇特性を示す。
従来例のボイスコイルの温度は飽和状態では202℃で
あるのに対し、本実施の形態のボイスコイルの温度は飽
和状態では187℃であり、15℃低くなっていること
が判る。またT2aは従来の低域再生スピーカユニット
における界磁部底面の温度上昇特性を示し、T2cは本
実施の形態の低域再生スピーカユニットにおける界磁部
底面の温度上昇特性を示す。従来例の界磁部底面の温度
は飽和状態では95℃であるのに対し、本実施の形態の
界磁部底面の温度は飽和状態では82℃であり、13℃
低くなっていることが判る。
【0028】尚、ここでは半球状の放熱器6を個別部品
として設けたが、キャビネット1と一体にしてキャビネ
ット内部の形状を半球状にしてもよい。
【0029】(実施の形態3)次に本発明の実施の形態
3におけるスピーカシステムについて、図5及び図6を
参照しながら説明する。図5(a)は本実施の形態にお
けるスピーカシステムの正面図であり、(b)は本スピ
ーカシステムの構造を示す断面図である。キャビネット
1は板厚が数mmで、内容積の小さな略直方体状の形状
を有している。キャビネット1の下部には、放熱器5付
きの界磁部2aを持ち、小口径の動電型の低域再生スピ
ーカユニット2が取り付けられている。そしてキャビネ
ット1の上部には、界磁部3aを持つの高域再生スピー
カユニット3が取り付けられている。更にキャビネット
1の最上部には、バスレフポート4が設けられている。
図1(b)に示すように、バスレフポート4の上側面は
キャビネット1の上面パネルに固着されている。
【0030】このような実施の形態1の構成要素に加え
て、本実施の形態のスピーカシステムでは、キャビネッ
ト1内で発熱又吸熱する部分に黒色塗装を施す。即ち、
キャビネット1の内面には黒色塗装を施し、黒色塗装層
1kを形成する。そして低域再生スピーカユニット2の
界磁部2aにも黒色塗装層2kを形成し、高域再生スピ
ーカユニット3の界磁部3aにも黒色塗装層3kを形成
する。
【0031】本実施の形態における動作と効果は、実施
の形態1の動作と効果に加えて、界磁部3aと放熱器5
との表面を黒色塗装層を形成することで、熱の放射率を
向上、即ち最大値1に近付けることができる。これと同
様に、キャビネット1の内面に黒色塗装層を形成するこ
とで、放射率を同じく1に近付けることができる。こう
して界磁部3a及び界磁部2aに付けた放熱器5と、キ
ャビネット1の内面の空気との間で、熱放射による熱交
換が行われる。こうすると、ボイスコイルの熱は空気を
介さず直接キャビネット1に伝達され、そしてキャビネ
ット表面からこの熱が空中へ放射される。従ってスピー
カユニットの界磁部2aと3aの温度上昇を更に抑制で
き、スピーカシステムの耐入力を向上することができ
る。
【0032】一例として、板厚5mm、内容積0.5リ
ットルの樹脂製の小型のキャビネット1に、放熱器5付
きの界磁部2aを有し、口径5cmの動電型の低域再生
スピーカユニット2を取り付けた。これに加えて口径
2.5cmの高域再生スピーカユニット3を取り付け
た。そしてキャビネット1の前面、即ちバッフルの最上
部にバスレフポート4を配置し、キャビネット1内の放
熱部分及び吸熱部分に黒色塗装を施した。このような構
造の小型バスレフ型のスピーカシステムに対して、DI
N.ノイズを50Wを90分間入力して、低域再生スピ
ーカユニット2の界磁部2a底面の表面温度とボイスコ
イルの温度上昇とを測定した。
【0033】図6にスピーカユニットの界磁部とボイス
コイルの温度上昇特性とを、従来の構成のキャビネット
に入れた場合と比較した結果を示す。T1aは従来の低
域再生スピーカユニットにおけるボイスコイルの温度上
昇特性を示し、T1dは本実施の形態の低域再生スピー
カユニットにおけるボイスコイルの温度上昇特性を示
す。従来例のボイスコイルの温度は飽和状態では202
℃であるのに対し、本実施の形態のボイスコイルの温度
は飽和状態では185℃であり、17℃低くなっている
ことが判る。またT2aは従来の低域再生スピーカユニ
ットにおける界磁部底面の温度上昇特性を示し、T2d
は本実施の形態の低域再生スピーカユニットにおける界
磁部底面の温度上昇特性を示す。従来例の界磁部底面の
温度は飽和状態では95℃であるのに対し、本実施の形
態の界磁部底面の温度は飽和状態では79℃であり、1
6℃低くなっていることが判る。
【0034】
【発明の効果】本願の請求項1〜9記載の発明によれ
ば、キャビネット内の上部ではバスレフポートから高温
の空気がキャビネット外に排出され、外の冷えた空気が
取り入れられるため、スピーカユニットの界磁部からの
放熱によるキャビネット内の温度上昇を抑制でき、更に
は界磁部自体の温度上昇をも抑制することができる。そ
の結果、小型で耐入力の高いスピーカシステムが実現で
きる。
【0035】特に請求項4,6,9記載の発明によれ
ば、界磁部に放熱器を設けることにより、界磁部からの
放熱によるキャビネット内の温度上昇を抑制することが
でき、更には界磁部の温度上昇をも抑制することができ
る。
【0036】特に請求項2,3,9記載の発明によれ
ば、バスレフポートの位置をキャビネット内の空気の温
度が最も高くなる位置に設けることにより、バスレフポ
ートから暖まった空気をキャビネット外に効率よく排出
できる。
【0037】特に請求項8,9記載の発明によれば、界
磁部表面又は放熱器表面とキャビネット内面とに黒色塗
装層を設けることで、発熱部の熱放射を高め、吸熱部の
吸熱効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるスピーカシステ
ムの構造図である。
【図2】実施の形態1によるスピーカユニットシステム
において、界磁部とボイスコイルの温度上昇を従来例と
比較した説明図である。
【図3】本発明の実施の形態2におけるスピーカシステ
ムの構造図である。
【図4】実施の形態2によるスピーカユニットシステム
において、界磁部とボイスコイルの温度上昇を従来例と
比較した説明図である。
【図5】本発明の実施の形態3におけるスピーカシステ
ムの構造図である。
【図6】実施の形態3によるスピーカユニットシステム
において、界磁部とボイスコイルの温度上昇を従来例と
比較した説明図である。
【図7】従来例におけるスピーカシステムの構造図であ
る。
【符号の説明】
1 キャビネット 1k,2k,3k 黒色塗装層 2 低域再生スピーカユニット 2a,3a 界磁部 3 高域再生スピーカユニット 4 バスレフポート 5 放熱器 6 集熱器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 和栄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D012 BD08 FA07 5D017 AA07 AD12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音響信号を界磁部に挿入されたボイスコ
    イルに入力し、振動板の振動によって音を放射するスピ
    ーカユニットと、 前記スピーカユニットのフレームを固定するバッフル板
    を含み、前記スピーカユニットの振動板の背面から放射
    される音のキャビティを形成するキャビネットと、 前記振動板の背面から放射される音を前記キャビネット
    の前面に案内するバスレフポートと、を具備するスピー
    カシステムにおいて、 前記バスレフポートは、前記キャビネット内部の空気の
    温度が最も高くなる個所に設けられたことを特徴とする
    スピーカシステム。
  2. 【請求項2】 前記バスレフポートは、 前記キャビネットのバッフル板の最上部に設けられたこ
    とを特徴とする請求項1記載のスピーカシステム。
  3. 【請求項3】 前記バスレフポートは、 前記キャビネットのバッフル板の最上部に設けられ、そ
    の断面形状が垂直方向に比べ水平方向が大なることを特
    徴とする請求項1記載のスピーカシステム。
  4. 【請求項4】 前記スピーカユニットの界磁部に放熱器
    を付加したことを特徴とする請求項1記載のスピーカシ
    ステム。
  5. 【請求項5】 音響信号を界磁部に挿入されたボイスコ
    イルに入力し、振動板の振動によって音を放射するスピ
    ーカユニットと、 前記スピーカユニットのフレームを固定するバッフル板
    を含み、前記スピーカユニットの振動板の背面から放射
    される音のキャビティを形成するキャビネットと、 前記振動板の背面から放射される音を前記キャビネット
    の前面に案内するバスレフポートと、を具備するスピー
    カシステムにおいて、 前記バスレフポートは、前記キャビネットのバッフル板
    の最上部に設けられ、前記キャビネットは、内側上部が
    略球面形状であることを特徴とするスピーカシステム。
  6. 【請求項6】 前記スピーカユニットの界磁部に放熱器
    を付加したことを特徴とする請求項5記載のスピーカシ
    ステム。
  7. 【請求項7】 前記バスレフポートは、 前記キャビネットのバッフル板の最上部に設けられ、そ
    の断面形状が垂直方向に比べ水平方向が大なることを特
    徴とする請求項5記載のスピーカシステム。
  8. 【請求項8】 音響信号を界磁部に挿入されたボイスコ
    イルに入力し、振動板の振動によって音を放射するスピ
    ーカユニットと、 前記スピーカユニットのフレームを固定するバッフル板
    を含み、前記スピーカユニットの振動板の背面から放射
    される音のキャビティを形成するキャビネットと、 前記振動板の背面から放射される音を前記キャビネット
    の前面に案内するバスレフポートと、を具備するスピー
    カシステムにおいて、 前記バスレフポートは、前記キャビネット内部の空気の
    温度が最も高くなる個所に設けられ、 前記キャビネットに内面及び前記スピーカユニットの界
    磁部表面には、熱放射効率を高めるため黒色塗装膜が形
    成されていることを特徴とするスピーカシステム。
  9. 【請求項9】 音響信号を界磁部に挿入されたボイスコ
    イルに入力し、振動板の振動によって音を放射するスピ
    ーカユニットと、 前記スピーカユニットの界磁部に付加された放熱器と、 前記スピーカユニットのフレームを固定するバッフル板
    を含み、前記スピーカユニットの振動板の背面から放射
    される音のキャビティを形成するキャビネットと、 前記振動板の背面から放射される音を前記キャビネット
    の前面に案内するバスレフポートと、を具備するスピー
    カシステムにおいて、 前記バスレフポートは、前記キャビネット内部の空気の
    温度が最も高くなる個所に設けられ、 前記キャビネットの内面及び前記放熱器の表面には、熱
    放射効率を高めるため黒色塗装膜が形成されていること
    を特徴とするスピーカシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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