JP2001344082A - ファイル管理システムおよび印刷装置 - Google Patents

ファイル管理システムおよび印刷装置

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JP2001344082A
JP2001344082A JP2000163266A JP2000163266A JP2001344082A JP 2001344082 A JP2001344082 A JP 2001344082A JP 2000163266 A JP2000163266 A JP 2000163266A JP 2000163266 A JP2000163266 A JP 2000163266A JP 2001344082 A JP2001344082 A JP 2001344082A
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Masataka Yatani
正孝 八谷
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Seiko Instruments Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷データを記憶装置に読み書きする際のア
クセス時間の短縮を図り、多数の印刷データを同時に扱
う場合でも印刷装置の処理能力を低下させないファイル
管理システムおよび印刷装置を提供することにある。 【解決手段】 データファイルの所在情報を含みデータ
ファイルの管理に使用されるファイル固有情報を上記記
憶媒体に格納し、任意のデータファイルを読み出す場合
に対応する上記ファイル固有情報を読み出して当該ファ
イル固有情報に基づき上記データファイルを読み出すよ
うに構成されているファイルシステムにおいて、印刷デ
ータファイルのスプール処理の管理に使用されるスプー
ル管理情報を上記ファイル固有情報に含ませて格納する
ように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、印刷データをハ
ードディスク等の記憶装置に一旦蓄積した後に印刷処理
を行う印刷装置、並びに、印刷データファイルを格納す
るための記憶装置を備えたファイル管理システムに適用
して有用な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、長尺紙またはA0サイズやA1
サイズの大判紙に印刷を行う印刷装置やネットワークプ
リンタなどにおいて、ホストコンピュータから供給され
る印刷データを一時的に格納するハードディスク等の記
憶装置を備えるものがある。
【0003】かかるハードディスク等の記憶装置にデー
タの集合であるデータファイルを読み書きする場合に、
該データファイルを効率よく格納したり目的のデータフ
ァイルを検索して高速なアクセスを実現するために、一
般にファイルシステムと呼ばれるファイル管理システム
が提供されている。
【0004】図5には、従来の一般的なファイルシステ
ムを説明するデータチャートを示す。
【0005】ファイルシステムにおいては、先ず、各デ
ータファイルにファイル自身を区別するための名前が付
けられる。この名前を管理する管理簿をディレクトリと
いい、このディレクトリ自体が1つのデータファイルに
なっている。以下、このデータファイルのことをディレ
クトリファイルと呼ぶ。ディレクトリの構造としてはデ
ィレクトリが階層的に構築されるツリー構造などが一般
である。
【0006】また、ファイルシステムにおいては、デー
タファイルを管理するために、ファイルの保有者名、作
成日時、変更履歴、ファイルの種別、ファイルの所在場
所、並びにサイズなどのファイル固有情報を、データフ
ァイル毎に作成し記録する。例えばUNIX(登録商
標)で使用されるようなファイルシステムにおいては、
ファイル固有情報は記憶媒体の所定の管理領域に設けら
れた管理データテーブルの中に格納される。そして、デ
ィレクトリファイルには、ディレクトリに収容されるデ
ータファイルのファイル名と、当該データファイルのフ
ァイル固有情報の有りかを示すテーブルインデックス番
号とを対応づけたディレクトリ情報が格納される。
【0007】このようなファイルシステムにおいてデー
タファイルを読み出すには、先ず、ディレクトリファイ
ルを参照してファイル名から対応するテーブルインデッ
クス番号を読み出し、該テーブルインデックス番号に基
づき管理データテーブルから該当するファイル固有情報
にアクセスする。そして、この固有情報に含まれるファ
イルの所在場所に基づき実際のデータファイルを読み出
していくといった処理が行われる。
【0008】ところで、印刷装置においては、例えば複
数の印刷データが同時に受信されるような場合に、印刷
データを一旦記憶装置に蓄積し待機させることがある。
このような印刷データの蓄積をスプールと呼ぶ。印刷デ
ータをスプールさせる場合には、例えば印刷処理に移行
させる印刷データの順番を確認したり、印刷データの送
信者(オーナーと云う)に待機中であることを伝えたり
といった処理を行うために、各印刷データに通し番号の
ようなスプール番号を対応づけたり、各印刷データの優
先度の情報や受信日時の情報、並びにオーナー情報など
を個別に記憶しておくと都合がよい。このように、印刷
データをスプールする上で有用な情報はスプール管理情
報と呼ばれ、ネットワークプリンタなどにおいて複数の
印刷データをスプールし管理する場合に用いられてい
る。
【0009】従来、スプール管理情報を用いてスプール
管理を行うような印刷装置では、図5に示すように、印
刷データが受信される毎に上記スプール管理情報を1つ
のデータファイルとして作成するとともに、このデータ
ファイル(以下、スプール管理ファイルと呼ぶ)を印刷
データファイルとともに記憶装置内に格納しておくのが
通常であった。そして、該スプール管理ファイルを参照
しながらスプールされた印刷データファイルにアクセス
を行っていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】スプール管理ファイル
を記憶装置内に格納しこれを参照しながらスプール管理
を行うように構成された印刷装置においては、スプール
された印刷データを読み出して印刷処理にかける際、ま
ず、スプール管理ファイルを読み込んでスプール管理情
報を取得し、その後、印刷データファイルを読み出して
印刷処理にかけるという手順をとっていた。すなわち、
印刷データを読み出すのに、スプール管理ファイルと印
刷データファイルと少なくとも2つのデータファイルに
アクセスする必要があった。
【0011】2つのファイルにアクセスするということ
は、実際には上述のディレクトリファイルへのアクセ
ス、ファイル固有情報へのアクセス、データファイルへ
のアクセスといった処理を、2つのファイル毎にそれぞ
れ実行しなければならない。ハードディスクのような記
憶装置の場合、記憶媒体の離れた箇所に記録されている
データに続けてアクセスする場合、磁気ヘッドを記憶媒
体の半径方向に移動させるシークと呼ばれる動作が必要
なためデータへのアクセス速度が低下するという性質が
ある。それゆえ、ハードディスクのような記憶装置に印
刷データファイルをスプールさせる印刷装置では、印刷
データを読み出すのに少なくとも2つのデータファイル
へアクセスを要する分、余計に時間が必要となり読出し
時間のロスを招いていた。
【0012】ネットワークを介して複数のホストコンピ
ュータに接続されるネットワークプリンタなどでは、多
数(例えば20台)のホストコンピュータから複数の印
刷データを同時に受信して記憶装置にスプールしたり、
これらのデータ受信処理やスプール処理と並行して、印
刷処理にかけるためスプールされた印刷データを読出す
処理など、多数の印刷データを並列的に同時に取り扱う
事態が生じる。そして、このような場合に、印刷装置側
の処理速度が遅いとホストからの要求に追いつかず、ホ
ストコンピュータに印刷データの送信待機を余儀なくさ
せたり、印刷処理の優先順位を効率的に決めるために印
刷装置側で複雑なスプール管理を行うなどの新機能の追
加ができないといった問題が生じることがあった。そし
て、印刷装置側の処理速度が遅い原因の一つには、前述
した印刷データを読み書きする際のシーク時間が関係し
ていた。
【0013】この発明の目的は、印刷データを記憶装置
に読み書きする際のアクセス時間の短縮を図り、多数の
印刷データを同時に扱う場合でも印刷装置の処理能力を
低下させないファイル管理システムおよび印刷装置を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、円盤状の記憶媒体を有する記憶装置を備
え、前記記憶媒体におけるデータファイルの所在情報を
含み当該記憶媒体に格納されるデータファイルの管理に
使用されるファイル固有情報を上記記憶媒体に格納し、
任意のデータファイルを読み出す場合に対応する上記フ
ァイル固有情報を読み出して当該ファイル固有情報に基
づき上記データファイルを読み出すように構成されてい
るファイル管理システムにおいて、印刷内容を示す印刷
データファイルを印刷処理の前に一旦上記記憶媒体に蓄
積し待機させる処理の管理に使用される印刷データ蓄積
管理情報を上記ファイル固有情報に含ませて格納するよ
うに構成する。
【0015】このように、ファイル固有情報に印刷デー
タ蓄積管理情報(スプール管理情報)を含めておくこと
で、印刷データファイルにアクセスする場合に、従来、
スプール管理ファイルと印刷データファイルと2つのデ
ータファイルにアクセスする必要があったのに対して、
本発明では印刷データファイルのアクセスのみで印刷デ
ータと印刷データ蓄積管理情報とを取得することが出来
る。従って、従来と比較した場合に、2つのファイルに
係るデータの読み込み時間や2つのファイルへのアクセ
スに伴う記憶媒体の準備時間(シーク時間や読出し要求
や書込み要求などのコマンドの解析時間など)が省かれ
る分、印刷データファイルへのアクセス時間が短縮す
る。
【0016】具体的には、上記印刷データ蓄積管理情報
には、記憶媒体に蓄積される各印刷データファイルの指
標となるインデックス番号情報(例えば、通し番号)、
上記印刷データファイルの印刷優先度を示す優先度情報
の何れかが含まれるものである。その他、印刷データ蓄
積管理情報としては、送信者を表すオーナー情報、受信
開始時刻情報、受信終了時刻情報、印刷枚数情報などが
ある。
【0017】また、上記ファイル固有情報には、データ
ファイルの種類(例えば通常のデータファイルやディレ
クトリファイル)を示すファイルモード情報が含まれる
が、望ましくは、このファイルモード情報により、少な
くとも上記印刷データファイルと、その他のデータファ
イルとが識別できるように構成すると良い。
【0018】通常のデータファイルには印刷データ蓄積
管理情報は存在しないので、ファイル固有情報の形式は
印刷データファイルのものとその他のデータファイルの
ものとで異なってくる。従って、これら形式の違いを識
別する必要があるが、それをファイル固有情報の中のフ
ァイルモード情報を頼りに行うことが出来る。
【0019】また、本発明の印刷装置は、上記課題を解
決するため、外部から供給される印刷データを円盤状の
記憶媒体を有する記憶装置に一旦蓄積し、該蓄積された
印刷データに基づき印刷処理を行う印刷装置において、
上述のファイル管理システムを用いて上記記憶装置への
印刷データの格納を行うように構成する。
【0020】このように構成することで、記憶装置へ印
刷データを読み書きする際にかかるタイムロスを軽減す
ることができ、このタイムロスによる印刷装置の処理能
力への影響を少なくすることが出来る。
【0021】外部から印刷データを受信する処理、受信
した印刷データを上記記憶装置へ書き込む処理、およ
び、印刷処理するため上記記憶装置から印刷データを読
み出して印刷手段に転送する処理の、それぞれを制御す
る制御手段を備え、該制御手段が、複数の印刷データの
受信、複数の印刷データの書込み、および上記印刷デー
タの転送を、並列処理により並行して行うことが可能な
印刷装置においては、印刷データの読み書きにかかるタ
イムロスが何重にも重なるので、このタイムロスの軽減
は特に効果的である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施例を図
面に基づいて説明する。
【0023】図1は、本発明の実施例である印刷装置1
のハード的な構成を示すブロック図、図2はこの印刷装
置1の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0024】この実施例の印刷装置1は、図1に示すよ
うに、この装置の全体的な制御を行う制御手段としての
CPU10と、ホストコンピュータ2から送られてきた
印刷データが一時的に蓄えられるスプール用の記憶装置
11と、ユーザーにより操作可能な入力キーや操作内容
を表示する表示部が設けられた操作パネル12と、CP
U10により実行される制御用プログラムや制御用デー
タが記憶されたプログラムROM13と、ネットワーク
4を介して接続された複数のホストコンピュータ2との
間でデータの送受信を行うインターフェース14と、供
給された印刷データに従って印刷処理を行う印刷手段と
してのプリンタエンジン16と、該プリンタエンジン1
6に印刷データを転送するためのエンジンインターフェ
ース15などから構成される。
【0025】スプール用の記憶装置11は、例えば円盤
状の磁気的記憶媒体を備えたハードディスク装置により
構成される。ハードディスクは大容量の記憶容量を安価
に得られるという利点がある反面、データの読み書きに
かかる時間が半導体メモリなどに比べて長いという欠点
を有する。特に、記憶媒体中の離れた箇所に格納された
データに続けてアクセスする場合に磁気ヘッドを記憶媒
体の半径方向に移動させるシークと呼ばれる動作が必要
であり、このシーク時間がデータの読み書きにかかる時
間に比べて無視できない程度に長いという性質を有す
る。
【0026】CPU10は、内部にRAMを備えたプロ
セッサであり、該RAMを作業スペースとして上記プロ
グラムROM13に記憶された制御用プログラムや制御
用データに従って、複数の機能モジュールを実現する。
複数の機能モジュールとしては、図2に示すように、各
機能モジュールを統括的に制御するメインコントロール
部101、ホストインターフェース14を介して送受信
されるデータのプロトコル処理を行うインターフェース
部102、印刷データの言語解析を行いプリンタエンジ
ン16が処理可能なデータに変換してエンジンインター
フェース15に出力する言語解析ブロック103、ホス
トコンピュータ2からインターフェース部102を介し
て送られてくる印刷データを記憶装置11に蓄積すると
共にこの蓄積中に印刷データの管理を行うスプール部1
04、所定のフォーマットに従ってスプール用の記憶装
置11へデータの読み書きを行うこの発明の実施例であ
るファイルシステム105などが構成される。これら複
数の機能モジュールは、CPU10による制御用プログ
ラムの並列処理により同時に並行して動作可能であり、
更にRAMを介した各機能モジュール間のデータのやり
取りも可能になっている。上記ファイルシステム105
とスプール用記憶装置11により本発明に係るファイル
管理システムが構成される。
【0027】ここで、印刷装置1による一連の動作につ
いて簡単に説明する。先ず、ホストコンピュータ2から
印刷データが送信されると、該印刷データがホストイン
ターフェース14を介して受信され、CPU10により
実現されるインターフェース部102により内部処理可
能なデータ形式に変換される。インターフェース部10
2はデータ受信があるとそれをメインコントロール部1
01に通知する。メインコントロール部101はこの通
知に基づき受信した印刷データを記憶装置11に一時的
に格納するようスプール部104に指示をだし、受信し
た印刷データはインターフェース部102からスプール
部104に送られる。スプール部104はファイルシス
テム105を介してこの印刷データを記憶装置11に格
納する。
【0028】メインコントロール部101は、スプール
された印刷データがあり、且つ印刷処理が行われてない
状態の場合に、スプール部に記憶装置11に格納されて
いる印刷データを優先度順に読み出すように指示すると
ともに、言語解析ブロック103に言語解析の開始を指
示する。すると、スプール部104が記憶装置11に格
納されている印刷データの中から優先度の高いものを選
択してファイルシステム105を介して読み出し、言語
解析ブロック103に送る。言語解析ブロック103は
印刷データの解析および展開を行ってプリンタエンジン
16に転送する。1個の印刷データファイルの転送が済
んだら言語解析ブロック103からメインコントロール
部101に対して1個の印刷データファイルの印刷処理
が終了したことが通知され、記憶装置11にスプールさ
れている未処理の印刷データが無くなるまで上記の処理
が繰り返される。
【0029】次に、上記のファイルシステム105の詳
細を説明する。
【0030】図3は、この実施例のファイルシステム1
05により記憶装置11に構築されるディレクトリ情報
およびファイル固有情報を示すデータチャートの一例を
示す。
【0031】この実施例のファイルシステム105は、
ファイル固有情報に印刷データ蓄積管理情報としてのス
プール管理情報を含める点で特徴を有し、その他、ディ
レクトリ構造や、その他のファイル固有情報について
は、従来の技術で示した一般的なファイルシステムとほ
ぼ同様である。
【0032】ディレクトリファイルには、特に制限され
ないが、ファイル名とそれに対応するファイル固有情報
の有りかを示すテーブルインデックス番号(図3に「フ
ァイル固有情報番号」と記す)とを対応づけたディレク
トリ情報が格納される。テーブルインデックス番号は、
記憶装置の管理領域に設けられた管理データテーブル
中、ファイル固有情報の先頭データが格納される箇所を
示すもので、該インデックス番号により高速にファイル
固有情報の有りかが分かるようになっている。
【0033】管理データテーブルには、上記テーブルイ
ンデックス番号が示す欄を先頭に該テーブルインデック
ス番号に対応づけられたデータファイルのファイル固有
情報が格納される。
【0034】この実施例のファイル固有情報は、記憶装
置11にファイルを格納し管理するために使用される格
納管理データと、印刷データをスプール管理するために
主にスプール部104により使用されるスプール管理情
報とから構成される。更に、上記格納管理データには、
ファイルの属性情報と、ファイルの所在情報とが含まれ
る。次に、これらを詳細に説明する。
【0035】ファイル属性情報には、ファイルの種類を
示すファイルモード情報、ファイルシステム105にフ
ァイルの書き込みを指示したモジュールを示すファイル
所有者情報、ファイルサイズ、ファイルの書き込みが行
われた時刻を示す時刻情報などが登録されている。ファ
イル種類を示す上記ファイルモード情報は、例えば、デ
ィレクトリファイル、通常のデータファイル、印刷デー
タファイルをそれぞれ識別できるものとなっている。フ
ァイル所有者情報は、例えばファイルが印刷データであ
ればスプール部104を示すデータとなり、ディレクト
リファイルであればファイルシステム105を示したデ
ータとなる。
【0036】ファイルの所在情報は、複数の連続セクタ
からなる所定容量のデータブロックのアドレスを示すも
のである。データファイルは、ファイルサイズに応じて
複数のデータブロックに格納されるので、これら複数の
データブロックの全てのアドレスがファイル所在情報と
して格納される。
【0037】スプール管理情報には、記憶装置11にス
プールされる各印刷データの指標となるインデックス番
号情報としてのスプール番号、印刷データの優先度を示
す優先度情報であるプライオリティ情報、並びに、スプ
ール管理上のその他のデータを含んだジョブ管理情報が
登録されている。
【0038】上記のスプール番号は、例えばスプールさ
れる印刷データに順番に付与される通し番号などであ
り、スプール部104により生成・付与される。
【0039】プライオリティ情報は、ホストコンピュー
タ2により予め印刷データに付与されるものであった
り、或いは、印刷データをスプールする際にスプール部
104やメインコントロール部101により判断されて
付与されるものである。また、新たな印刷データがスプ
ールされる毎に、既にスプールされている印刷データの
プライオリティ情報が更新されていくように構成される
場合もある。
【0040】ジョブ管理情報には、例えば、印刷データ
を送信した送信者(どのホストコンピュータ2か或いは
そのユーザー)を示すオーナー情報、印刷枚数、印刷デ
ータの受信開始の時刻情報、受信終了の時刻情報、印刷
中にエラー(紙つまり、紙切れ、インク切れなど)が生
じた場合に付与される該エラーに関するエラー情報など
が含まれる。エラー情報は、例えば、エラー発生の有
無、エラーの内容、エラー発生までに読み出された印刷
データの範囲などである。
【0041】次に、上記ファイルシステム105を介し
た印刷データへのアクセス動作について詳細に説明す
る。
【0042】図4は、ファイルシステム105により実
行される印刷データファイルへアクセスする処理の制御
手順を示すフローチャートである。
【0043】記憶装置11にスプールされた印刷データ
の読出しは、例えば、前の印刷処理が終了したことを受
けてメインコントロール部101がスプール部104に
次に優先度の高い印刷データを読み出すよう指示を与え
ることで開始される。この指示が与えられると、先ず、
スプール部104で優先度の高い印刷データが選択され
て該印刷データの読出し要求がファイルシステム105
に出される(ステップS0)。
【0044】読出し要求がなされるとファイルシステム
105は、指定された印刷データファイルが格納された
ディレクトリに係るディレクトリファイルを読み込み
(ステップS1)、そのディレクトリ情報の中から上記
印刷データのファイル名を検索する(ステップS2)。
【0045】その結果、指定されたファイル名があれ
ば、それに対応するテーブルインデックス番号(図3の
ファイル固有情報番号)に基づき管理データテーブルの
中から対応するファイル固有情報を読み込む(ステップ
S3)。同時に、該ファイル固有情報からスプール管理
情報も読み込む(ステップS4)。
【0046】一方、指定されたファイル名がなければ所
定のエラー処理(ステップS10)に移行する。
【0047】ファイル固有情報が読み込まれたら、ファ
イル固有情報のデータブロックアドレスに基づいて、先
ず、指定された印刷データファイルを読み込む(ステッ
プS5)。次に、先に読み込んだスプール管理情報を印
刷データファイルのアクセス要求元すなわちスプール部
104へと受け渡す(ステップS6)。この受渡しはス
プール部104が指定したRAM中の指定領域にスプー
ル管理情報を格納することで行われる。次いで、先に読
み込んだ印刷データファイルも同様にアクセス要求元で
あるスプール部104に受け渡して(ステップS7)、
印刷データの読み出しが完了する。
【0048】上述の印刷データファイルの読出し処理
は、通常のデータファイルの読出し処理に対して、ステ
ップS4とステップS6の処理を新たに追加したもので
ある。これらステップで扱われるスプール管理情報は前
段のステップS3で読み込んだファイル固有情報に含ま
れているので、これらステップ処理は、記憶装置11の
シーク動作を伴わず高速に行えるものである。従って、
上記の印刷データファイルの読出し処理によって、印刷
データとそれに対応するスプール管理情報とを、1個の
データファイルへのアクセスとほぼ変わりない時間でス
プール部104に取得させることが可能となる。
【0049】以上のように、この実施例のファイルシス
テム105および該ファイルシステム105を搭載した
印刷装置1によれば、ファイル固有データにスプール管
理情報を含めておくことで、従来、スプールされた印刷
データファイルを読み出す場合にスプール管理ファイル
と印刷データファイルと2つのデータファイルにアクセ
スする必要があったのに対して、1つの印刷データファ
イルへのアクセスのみで印刷データとスプール管理情報
とを取得することが出来る。
【0050】従って、記憶媒体からのデータの読み込み
時間や、異なるファイルへのアクセスに伴う記憶装置1
1の準備時間(シーク時間や読出し要求や書込み要求な
どのコマンドの解析時間など)が省かれ、印刷データフ
ァイルへのアクセスにかかるタイムロスを短縮すること
が出来る。従って、このタイムロスによる印刷装置1の
処理能力への影響を少なくすることが出来る。
【0051】特に、複数の印刷データの受信およびこれ
ら印刷データのスプール処理、並びに、印刷処理のため
スプールされた印刷データを読み出す処理を、並列処理
により並行して行う場合には、印刷データの読み書きに
かかるタイムロスが何重にも重なるので、このタイムロ
スの軽減は効果的である。
【0052】また、通常のデータファイルにはスプール
管理情報は存在しないので、ファイル固有情報の形式は
印刷データファイルのものとその他のデータファイルの
ものとで異なってくる。従って、これら形式の違いを識
別する必要があるが、それをファイル固有情報の中のフ
ァイルモード情報を頼りに行うことが出来るので、個々
のファイル固有情報の取り扱いも容易に行える。
【0053】以上本発明を実施例に基づき具体的に説明
したが、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であるこ
とはいうまでもない。
【0054】例えば、スプール用の記憶装置は、ハード
ディスクのほか、光磁気ディスク、光ディスク等の記憶
媒体を備えた記憶装置により構成された場合でも、本発
明は効果的に適用できる。また、ファイル固有情報や印
刷データ蓄積管理情報としてのスプール管理情報は、実
施例の中で具体的に挙げた内容に限られるものでなく、
印刷データをスプール管理する上で使用される種々のデ
ータを印刷データ蓄積管理情報として含まれるようにし
ても良い。
【0055】また、実施例では、印刷データの受信処理
や、記憶装置への印刷データの書込み処理、並びに、印
刷手段(プリンタエンジン)への印刷データの転送処理
を1個のCPUにより行わせる構成とした場合について
説明したが、複数のCPUや、その他専用の制御回路に
より行わせる構成としても良い。
【0056】また、プリンタエンジンの形式は、例え
ば、インクジェット方式や感光ドラムを備えた電子写真
方式のものなど、どのようなタイプのものでも良い。さ
らに、記憶装置にスプールされる印刷データの形式も、
ドット毎に印刷態様を示した画素データ(ラスタデータ
とも云う)や、描画コマンドとパラメータ等からなるベ
クタデータ等の作図データなど、どのような形式のもの
でも良い。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に従うと、
ファイル固有情報に印刷データ蓄積管理情報(スプール
管理情報)を含めたので、印刷データファイルへのアク
セスのみで印刷データと印刷データ蓄積管理情報とを取
得することが出来る。従って、印刷データファイルへの
アクセス時間を従来に比べて短縮することが出来るとい
う効果がある。
【0058】さらに、複数の印刷データのスプール処理
や、印刷処理のためスプールされた印刷データを読み出
す処理を、並列処理により並行して行うような印刷装置
においては、印刷データの読み書きにかかるタイムロス
が何重にも重なるので、このタイムロスが印刷装置の処
理能力へ影響を及ぼしかねないが、上記アクセス時間の
短縮によりこの影響を低減することが出来るという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用して好適な印刷装置の実施例を示
すブロック図である。
【図2】実施例の印刷装置の機能構成の一例を示す機能
ブロック図である。
【図3】実施例のファイル管理システムで扱われるディ
レクトリ情報とファイル固有情報とを示すデータチャー
トの一例である。
【図4】実施例のファイル管理システムにより実行され
る印刷データファイルへのアクセスの制御手順を示すフ
ローチャートである。
【図5】従来の印刷装置で用いられていたファイルシス
テムの一例を説明するデータチャートである。
【符号の説明】
1 印刷装置 2 ホストコンピュータ 4 ネットワーク 10 CPU 11 スプール用記憶装置 12 操作パネル 13 プログラムROM 14 ホストインターフェース 15 エンジンインターフェース 16 プリンタエンジン 101 メインコントロール部 102 インターフェース部 103 言語解析ブロック 104 スプール部 105 ファイルシステム

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤状の記憶媒体を有する記憶装置を備
    え、前記記憶媒体におけるデータファイルの所在情報を
    含み当該記憶媒体に格納されるデータファイルの管理に
    使用されるファイル固有情報を上記記憶媒体に格納し、
    任意のデータファイルを読み出す場合に対応する上記フ
    ァイル固有情報を読み出して当該ファイル固有情報に基
    づき上記データファイルを読み出すように構成されてい
    るファイル管理システムにおいて、 印刷内容を示す印刷データファイルを印刷処理の前に一
    旦上記記憶媒体に蓄積し待機させる処理の管理に使用さ
    れる印刷データ蓄積管理情報を、上記ファイル固有情報
    に含ませて格納するように構成されていることを特徴と
    するファイル管理システム。
  2. 【請求項2】 上記印刷データ蓄積管理情報には、上記
    記憶媒体に蓄積される各印刷データファイルの指標とな
    るインデックス番号情報、上記印刷データファイルの印
    刷優先度を示す優先度情報の何れかが含まれることを特
    徴とする請求項1記載のファイル管理システム。
  3. 【請求項3】 上記ファイル固有情報には、データファ
    イルの種類を示すファイルモード情報が含まれ、該ファ
    イルモード情報により、少なくとも上記印刷データファ
    イルと、その他のデータファイルとが識別できるように
    構成されていることを特徴とする請求項1記載のファイ
    ル管理システム。
  4. 【請求項4】 外部から供給される印刷データを円盤状
    の記憶媒体を有する記憶装置に一旦蓄積し、該蓄積され
    た印刷データに基づき印刷処理を行う印刷装置におい
    て、 請求項1〜3の何れかに記載のファイル管理システムを
    備え、該ファイル管理システムにより記憶装置への印刷
    データの格納を行うように構成されていることを特徴と
    する印刷装置。
  5. 【請求項5】 外部から印刷データを受信する処理、受
    信した印刷データを上記記憶装置へ書き込む処理、およ
    び、印刷処理するため上記記憶装置から印刷データを読
    み出して印刷手段に転送する処理の、それぞれを制御す
    る制御手段を備え、 該制御手段は、複数の印刷データの受信、複数の印刷デ
    ータの書込み、および上記印刷データの転送を、並列処
    理により並行して行うことが可能な構成であることを特
    徴とする請求項4記載の印刷装置。
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