JP2001343486A - ブチルアミンで再生した核燃料再処理用二相系溶媒中の残存ブチルアミン除去方法 - Google Patents

ブチルアミンで再生した核燃料再処理用二相系溶媒中の残存ブチルアミン除去方法

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JP2001343486A JP2000165469A JP2000165469A JP2001343486A JP 2001343486 A JP2001343486 A JP 2001343486A JP 2000165469 A JP2000165469 A JP 2000165469A JP 2000165469 A JP2000165469 A JP 2000165469A JP 2001343486 A JP2001343486 A JP 2001343486A
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butylamine
nitric acid
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solvent
nuclear fuel
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Gunzou Uchiyama
軍蔵 内山
Shunei Asakura
俊英 朝倉
Kazunari Kamei
一成 亀井
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Japan Atomic Energy Research Institute
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 核燃料再処理工程において使用された後、ブ
チルアミン洗浄剤での再生処理を受けた二相溶媒系の硝
酸水溶液相中に分配され、残留するブチルアミンを効果
的に除去する方法を提供し、かつそれにより核燃料再処
理工程におけるブチルアミンを工程管理するのに有効な
安全化技術手段を提供すること。 【解決手段】 核燃料再処理工程においてウラン、プル
トニウム及び核分裂生成物を溶媒抽出するのに使用した
有機溶媒相/硝酸水溶液相の二相系溶媒をその有機溶剤
を再生するためにブチルアミンからなる洗浄剤で処理し
た後に該硝酸水溶液相中に分配され、残存するブチルア
ミンを、2価銀イオンを触媒として電気化学的に二酸化
炭素、水及び二酸化窒素にまで酸化分解して除去するこ
とを特徴とする該二相系溶媒の再生方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核燃料再処理工程
において使用された結果、劣化した有機溶媒相/硝酸水
溶液相の二相系溶媒の有機相溶媒を再生するためにブチ
ルアミンを洗浄剤として採用してその二相系溶媒を処理
したときに、硝酸水溶液相に分配され、残留するブチル
アミンを除去する方法に関する。さらに詳しくは、該硝
酸水溶液相中に分配され、残存するブチルアミンを、2
価銀イオンを触媒として電気化学的に二酸化炭素、水及
び二酸化窒素として酸化分解して駆逐することを特徴と
する該二相系溶媒の処理方法ないし再生方法に関する。
また本発明は、そのような方法を組み込んだブチルアミ
ン洗浄剤の工程管理及び発生廃液の処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】核燃料再処理工程においては、有機溶媒
[リン酸トリブチル(TBP)とその希釈剤(例えばド
デカン)との混合物]及び硝酸水溶液からなる二相溶媒
系での溶媒抽出法により、ウラン、プルトニウム及び核
分裂生成物(FP)を分離している。
【0003】既に本発明者等は、核燃料再生処理工程に
おいて、放射線損傷や、硝酸による化学損傷で劣化し、
放射性物質や有機分解生成物を含有する上記有機溶媒を
再生する方法として、塩基性化合物であるブチルアミン
を用いての処理する技術を開発し、提案してきている。
【0004】ブチルアミンは、親水性基であるアミノ基
(−NH2)を有する小分子量(mw=73)の有機化
合物であるため、核燃料再処理用の二相溶媒系ではその
有機溶媒相と硝酸水溶液相(pH0から10)との両相
にそれぞれ溶解する性質を有する。ブチルアミンの該二
相間分配比は、0.2〜2であり、従って水溶液及び再
生有機相の両方に溶解して工程全体に拡散することにな
る。しかしながら、これまでのところ、そのようなブチ
ルアミンを再処理工程において工程管理するのに有効な
技術手段は開発されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ブチルアミンを分解処
理して発生する廃液についても、その他の無機放射性廃
液と同様に廃液発生量を低減(減容)するための蒸発濃
縮操作が行われることになる。この際に遭遇し得る高温
加熱条件下での異常化学反応を防止する観点から、廃液
中の有機物濃度は極力低く抑える必要がある。
【0006】従って、本発明の主要な目的は、前記の如
きブチルアミン洗浄剤での再生処理を受けた後に二相溶
媒系の硝酸水溶液相中に分配され、残留するブチルアミ
ンを効果的に除去する方法を提供し、かつそれにより核
燃料再処理工程におけるブチルアミンを工程管理するの
に有効な技術手段を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の如
き従来技術及びそこに残された未解決の問題を解決すべ
く、鋭意研究及び検討を重ねた結果、そのような二相系
溶媒再生操作工程の一部としての残留ブチルアミンの処
理のための手段として、電気化学的酸化分解方法が有効
であること、ならびにその酸化分解反応のために適切な
触媒を採用することにより実用的に満足できる残留ブチ
ルアミン処理技術を見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明では、2価銀イオン(Ag2+)を
触媒として廃硝酸水溶液溶媒相中のブチルアミンを電気
化学的に単純な3種の化合物の二酸化炭素、水及び二酸
化窒素にまで酸化分解して除去、駆逐することを基礎と
している。
【0008】かくして、本発明は、核燃料再処理工程に
おいてウラン、プルトニウム及び核分裂生成物を溶媒抽
出するのに使用した有機溶媒相/硝酸水溶液相の二相系
溶媒をその有機溶剤を再生するためにブチルアミンから
なる洗浄剤で処理した後に該硝酸水溶液相中に分配さ
れ、残存するブチルアミンを、2価銀イオンを触媒とし
て電気化学的に二酸化炭素、水及び二酸化窒素にまで酸
化分解して駆逐することを特徴とする該二相系溶媒の再
生方法を提供する。
【0009】本発明方法の電気化学的酸化においては、
ブチルアミン含有廃硝酸水溶液に銀種(例えば水溶性銀
塩、好ましくは硝酸銀)を導入する。その硝酸水溶液に
挿入した白金などの陽極電極及び同じく白金などの陰極
電極を用いて、陽極電極電位を、飽和カロメル参照電極
に対して、1.6V以上に設定制御すると硝酸水溶液中
の1価の銀イオン(Ag+)は2価の銀イオン(A
2+)に酸化される。この2価の銀イオンは水と反応し
て酸化力の強いラジカル(O・)を発生させ、自らは1
価の銀イオンへ戻る。この高酸化力ラジカルがブチルア
ミン(C49NH2)を攻撃して二酸化炭素、水及び二
酸化窒素にまで酸化分解する。硝酸水溶液中のこれらの
反応過程は、以下の式(1)〜(3)で表すことができ
る。
【0010】 Ag+ → Ag2+ + e- (1) Ag2+ + H2O → 2Ag+ + 2H+ + O・ (2) C49NH2+15.5O・→4CO2 + 5.5H2O +NO2 (3) このブチルアミンの電気化学的酸化は、常温の操作温度
でも有意に進行するが、昇温することで更に効果的に加
速される。上記の式から明らかなように、導入された銀
種(例えばAgNO3からのAg+)は陽極で式(1)に
より2価イオンになるが、式(2)の酸素ラジカル発生
反応で1価イオンに戻るため被処理硝酸水溶液でリサイ
クルされることになり、消費されることなく、2次廃棄
物とはならない。
【0011】本発明によれば硝酸水溶液中のブチルアミ
ンを完全に二酸化炭素、水及び二酸化窒素に酸化分解す
ることができるため、後工程での蒸発濃厚化操作前に廃
液中の残存有機物の除去操作を不要とすることができ
る。
【0012】本発明による電気化学的酸化分解反応は、
処理速度の点から硝酸水溶液中に触媒としての銀を2g
/L以上の濃度で存在させて実施するのが好ましい。ま
た実用上、電気化学的酸化分解反応に付される硝酸水溶
液中の初期ブチルアミン含量の少なくとも約90%程度
を酸化分解、除去するまで実施するのが好ましい。
【0013】図2に、本発明方法を実験室規模で実施す
るための電気化学的酸化分解装置の一例を示す。温度計
5、液体攪拌用空気供給管(ガラスフィルター付き)6
及び水冷コンデンサー7を備えた密封容器内には、陽極
(白金被覆チタン板)1、陰極(白金被覆チタン板)
2、及び隔膜付きガラス管4に収納された飽和カロメル
参照電極3が設けられ、これらの電極は外部の電解制御
機器に結ばれている。
【0014】以下実施例により本発明を説明するが、本
発明は実施例に具体的に示された事項に限定されるもの
ではない。
【0015】
【実施例】硝酸水溶液中のブチルアミンの電気化学的酸
化分解実験 一連の実験でブチルアミン含有硝酸水溶液に種々の濃度
(0、2、4、6、8及び16gAg/L)の触媒銀を
存在させて電気化学的酸化を行い電解時間の経過に伴う
ブチルアミン分解率をモニターした。実験には100m
Lのガラス製電気分解槽を用いた。これに80mLの3
M硝酸水溶液を入れ、初期濃度が0.18g/Lとなる
ようにブチルアミンを添加、混合し、さらに上記の各銀
触媒濃度を得るための硝酸銀を添加、混合した。液体攪
拌用空気供給管を電気分解槽の底まで挿入し、気送ポン
プで空気を水溶液中に泡立て十分に攪拌し、かつ液温を
60℃に保持しつつ、白金被覆チタン板からなる陽極
(酸化)電極の電位(対飽和カロメル参照電極)を+
1.6ボルトに維持して電気化学的酸化反応を生じさ
せ、時間の経過に伴うブチルアミンの分解量を時々測定
した。種々の銀濃度での測定結果から求めた電解時間に
対するブチルアミン分解率の進行状態を示すグラフを図
1に示す。図1に見られるように、銀濃度2g/L以上
では、約350分で90%を超えるブチルアミンが分解
した。
【0016】これらの結果は、通常の廃硝酸水溶液中に
見られる濃度オーダーのブチルアミンを銀を触媒として
効率的に酸化分解できることを示している。
【0017】従って、本発明によれば、銀触媒の存在下
での電気化学的酸化プロセスで水溶液中のブチルアミン
を安定な化合物である二酸化炭素、水及び二酸化窒素に
分解することができるので、後工程(蒸発濃縮工程)で
の安定性の向上を容易に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の種々の銀濃度での電解時間(横軸:
min)に対するブチルアミン分解率(縦軸:%)を示
すグラフ。
【図2】 本発明方法を実験室規模で実施するための電
気化学的酸化分解装置の一例の側面図。
【符号の説明】
1 陽極 2 陰極 3 飽和カロメル参照電極 4 ガラス管 5 温度計 6 液体攪拌用空気供給管 7 水冷コンデンサー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月16日(2000.6.1
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ブチルアミンで再生した核燃料再処理
用二相系溶媒中の残存ブチルアミン除去方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核燃料再処理工程
において使用された結果、劣化した有機溶媒相/硝酸水
溶液相の二相系溶媒の有機相溶媒を再生するためにブチ
ルアミンを洗浄剤として採用してその二相系溶媒を処理
したときに、硝酸水溶液相に分配され、残留するブチル
アミンを除去する方法に関する。さらに詳しくは、該硝
酸水溶液相中に分配され、残存するブチルアミンを、2
価銀イオンを触媒として電気化学的に二酸化炭素、水及
び二酸化窒素として酸化分解して除去することを特徴と
する該二相系溶媒の処理方法ないし再生方法に関する。
また本発明は、そのような方法を組み込んだブチルアミ
ン洗浄剤の工程管理及び発生廃液の処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】核燃料再処理工程においては、有機溶媒
[リン酸トリブチル(TBP)とその希釈剤(例えばド
デカン)との混合物]及び硝酸水溶液からなる二相溶媒
系での溶媒抽出法により、ウラン、プルトニウム及び核
分裂生成物(FP)を分離している。
【0003】既に本発明者等は、核燃料再生処理工程に
おいて、放射線損傷や、硝酸による化学損傷で劣化し、
放射性物質や有機分解生成物を含有する上記有機溶媒を
再生する方法として、塩基性化合物であるブチルアミン
を用いての処理する技術を開発し、提案してきている。
【0004】ブチルアミンは、親水性基であるアミノ基
(−NH2)を有する小分子量(mw=73)の有機化
合物であるため、核燃料再処理用の二相溶媒系ではその
有機溶媒相と硝酸水溶液相(pH0から10)との両相
にそれぞれ溶解する性質を有する。ブチルアミンの該二
相間分配比は、0.2〜2であり、従って水溶液及び再
生有機相の両方に溶解して工程全体に拡散することにな
る。しかしながら、これまでのところ、そのようなブチ
ルアミンを再処理工程において工程管理するのに有効な
技術手段は開発されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ブチルアミンを分解処
理して発生する廃液についても、その他の無機放射性廃
液と同様に廃液発生量を低減(減容)するための蒸発濃
縮操作が行われることになる。この際に遭遇し得る高温
加熱条件下での異常化学反応を防止する観点から、廃液
中の有機物濃度は極力低く抑える必要がある。
【0006】従って、本発明の主要な目的は、前記の如
きブチルアミン洗浄剤での再生処理を受けた後に二相溶
媒系の硝酸水溶液相中に分配され、残留するブチルアミ
ンを効果的に除去する方法を提供し、かつそれにより核
燃料再処理工程におけるブチルアミンを工程管理するの
に有効な技術手段を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の如
き従来技術及びそこに残された未解決の問題を解決すべ
く、鋭意研究及び検討を重ねた結果、そのような二相系
溶媒再生操作工程の一部としての残留ブチルアミンの処
理のための手段として、電気化学的酸化分解方法が有効
であること、ならびにその酸化分解反応のために適切な
触媒を採用することにより実用的に満足できる残留ブチ
ルアミン処理技術を見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明では、2価銀イオン(Ag2+)を
触媒として廃硝酸水溶液溶媒相中のブチルアミンを電気
化学的に単純な3種の化合物の二酸化炭素、水及び二酸
化窒素にまで酸化分解して除去することを基礎としてい
る。
【0008】かくして、本発明は、核燃料再処理工程に
おいてウラン、プルトニウム及び核分裂生成物を溶媒抽
出するのに使用した有機溶媒相/硝酸水溶液相の二相系
溶媒をその有機溶剤を再生するためにブチルアミンから
なる洗浄剤で処理した後に該硝酸水溶液相中に分配さ
れ、残存するブチルアミンを、2価銀イオンを触媒とし
て電気化学的に二酸化炭素、水及び二酸化窒素にまで酸
化分解して除去することを特徴とする該二相系溶媒の再
生方法を提供する。
【0009】本発明方法の電気化学的酸化においては、
ブチルアミン含有廃硝酸水溶液に銀種(例えば水溶性銀
塩、好ましくは硝酸銀)を導入する。その硝酸水溶液に
挿入した白金などの陽極電極及び同じく白金などの陰極
電極を用いて、陽極電極電位を、飽和カロメル参照電極
に対して、1.6V以上に設定制御すると硝酸水溶液中
の1価の銀イオン(Ag+)は2価の銀イオン(A
2+)に酸化される。この2価の銀イオンは水と反応し
て酸化力の強いラジカル(O・)を発生させ、自らは1
価の銀イオンへ戻る。この高酸化力ラジカルがブチルア
ミン(C49NH2)を攻撃して二酸化炭素、水及び二
酸化窒素にまで酸化分解する。硝酸水溶液中のこれらの
反応過程は、以下の式(1)〜(3)で表すことができ
る。
【0010】 Ag+ → Ag2+ + e- (1) Ag2+ + H2O → 2Ag+ + 2H+ + O・ (2) C49NH2+15.5O・→4CO2 + 5.5H2O +NO2 (3) このブチルアミンの電気化学的酸化は、常温の操作温度
でも有意に進行するが、昇温することで更に効果的に加
速される。上記の式から明らかなように、導入された銀
種(例えばAgNO3からのAg+)は陽極で式(1)に
より2価イオンになるが、式(2)の酸素ラジカル発生
反応で1価イオンに戻るため被処理硝酸水溶液でリサイ
クルされることになり、消費されることなく、2次廃棄
物とはならない。
【0011】本発明によれば硝酸水溶液中のブチルアミ
ンを完全に二酸化炭素、水及び二酸化窒素に酸化分解す
ることができるため、後工程での蒸発濃厚化操作前に廃
液中の残存有機物の除去操作を不要とすることができ
る。
【0012】本発明による電気化学的酸化分解反応は、
処理速度の点から硝酸水溶液中に触媒としての銀を2g
/L以上の濃度で存在させて実施するのが好ましい。ま
た実用上、電気化学的酸化分解反応に付される硝酸水溶
液中の初期ブチルアミン含量の少なくとも約90%程度
を酸化分解、除去するまで実施するのが好ましい。
【0013】図2に、本発明方法を実験室規模で実施す
るための電気化学的酸化分解装置の一例を示す。温度計
5、液体攪拌用空気供給管(ガラスフィルター付き)6
及び水冷コンデンサー7を備えた密封容器内には、陽極
(白金被覆チタン板)1、陰極(白金被覆チタン板)
2、及び隔膜付きガラス管4に収納された飽和カロメル
参照電極3が設けられ、これらの電極は外部の電解制御
機器に結ばれている。
【0014】以下実施例により本発明を説明するが、本
発明は実施例に具体的に示された事項に限定されるもの
ではない。
【0015】
【実施例】硝酸水溶液中のブチルアミンの電気化学的酸
化分解実験 一連の実験でブチルアミン含有硝酸水溶液に種々の濃度
(0、2、4、6、8及び16gAg/L)の触媒銀を
存在させて電気化学的酸化を行い電解時間の経過に伴う
ブチルアミン分解率をモニターした。実験には100m
Lのガラス製電気分解槽を用いた。これに80mLの3
M硝酸水溶液を入れ、初期濃度が0.18g/Lとなる
ようにブチルアミンを添加、混合し、さらに上記の各銀
触媒濃度を得るための硝酸銀を添加、混合した。液体攪
拌用空気供給管を電気分解槽の底まで挿入し、気送ポン
プで空気を水溶液中に泡立て十分に攪拌し、かつ液温を
60℃に保持しつつ、白金被覆チタン板からなる陽極
(酸化)電極の電位(対飽和カロメル参照電極)を+
1.6ボルトに維持して電気化学的酸化反応を生じさ
せ、時間の経過に伴うブチルアミンの分解量を時々測定
した。種々の銀濃度での測定結果から求めた電解時間に
対するブチルアミン分解率の進行状態を示すグラフを図
1に示す。図1に見られるように、銀濃度2g/L以上
では、約350分で90%を超えるブチルアミンが分解
した。
【0016】これらの結果は、通常の廃硝酸水溶液中に
見られる濃度オーダーのブチルアミンを銀を触媒として
効率的に酸化分解できることを示している。
【0017】従って、本発明によれば、銀触媒の存在下
での電気化学的酸化プロセスで水溶液中のブチルアミン
を安定な化合物である二酸化炭素、水及び二酸化窒素に
分解することができるので、後工程(蒸発濃縮工程)で
の安定性の向上を容易に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の種々の銀濃度での電解時間(横軸:
min)に対するブチルアミン分解率(縦軸:%)を示
すグラフ。
【図2】 本発明方法を実験室規模で実施するための電
気化学的酸化分解装置の一例の側面図。
【符号の説明】 1 陽極 2 陰極 3 飽和カロメル参照電極 4 ガラス管 5 温度計 6 液体攪拌用空気供給管 7 水冷コンデンサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀井 一成 茨城県那珂郡東海村石神外宿2600 住友金 属鉱山株式会社内 Fターム(参考) 4G069 AA02 BA36A BB12A BB12B BC32A BC32B CA05 CA10 CA11 DA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核燃料再処理工程においてウラン、プル
    トニウム及び核分裂生成物を溶媒抽出するのに使用した
    有機溶媒相/硝酸水溶液相の二相系溶媒をその有機溶剤
    を再生するためにブチルアミンからなる洗浄剤で処理し
    た後に該硝酸水溶液相中に分配され、残存するブチルア
    ミンを、2価銀イオンを触媒として電気化学的に二酸化
    炭素、水及び二酸化窒素にまで酸化分解して駆逐するこ
    とを特徴とする該二相系溶媒の再生方法。
  2. 【請求項2】 二相系溶媒の有機溶媒相がリン酸トリブ
    チル及び希釈剤からなる請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 該硝酸水溶液中に触媒としての銀を2g
    /L以上の濃度で存在させて電気化学的酸化分解反応を
    実施する請求項1または2の方法。
  4. 【請求項4】 飽和カロメル参照電極に対する陽極電極
    電位を少なくとも1.6Vとして電気化学的酸化分解反
    応を実施する請求項1〜3のいずれかの方法。
  5. 【請求項5】 電気化学的酸化分解反応に付される硝酸
    水溶液中の初期ブチルアミン含量の90%以上を酸化分
    解するまで実施する請求項1〜4のいずれかの方法。
  6. 【請求項6】 電気化学的酸化分解反応を常温またはそ
    れ以上の温度で実施する請求項1〜5のいずれかの方
    法。
JP2000165469A 2000-06-02 2000-06-02 ブチルアミンで再生した核燃料再処理用二相系溶媒中の残存ブチルアミン除去方法 Pending JP2001343486A (ja)

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