JP2001342466A - ニッケル−銅系脱硫剤の製造方法 - Google Patents
ニッケル−銅系脱硫剤の製造方法Info
- Publication number
- JP2001342466A JP2001342466A JP2000214147A JP2000214147A JP2001342466A JP 2001342466 A JP2001342466 A JP 2001342466A JP 2000214147 A JP2000214147 A JP 2000214147A JP 2000214147 A JP2000214147 A JP 2000214147A JP 2001342466 A JP2001342466 A JP 2001342466A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nickel
- copper
- carrier
- desulfurizing agent
- aqueous solution
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Abstract
低濃度まで効果的に吸着除去することができ、かつ寿命
の長いニッケル−銅系脱硫剤の製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 担体上にニッケル及び銅を担持してなる
脱硫剤を製造する方法において、ニッケル源、銅源及び
担体を含むpH2以下の酸性水溶液または酸性分散液
と、無機塩基を含む塩基性水溶液とを混合したのち、生
成した固形物を焼成するニッケル−銅系脱硫剤の製造方
法。
Description
硫剤の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、
石油系炭化水素中、特に灯油中の硫黄分を極めて低濃度
まで効率よく除去することができ、かつ寿命の長い石油
系炭化水素用ニッケル−銅系脱硫剤を製造する方法に関
するものである。
脚光を浴びており、この新エネルギー技術の一つとして
燃料電池が注目されている。この燃料電池は、水素と酸
素を電気化学的に反応させることにより、化学エネルギ
ーを電気エネルギーに変換するものであって、エネルギ
ーの利用効率が高いという特徴を有しており、民生用、
産業用あるいは自動車用などとして、実用化研究が積極
的になされている。この燃料電池には、使用する電解質
の種類に応じて、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物
型、固体高分子型などのタイプが知られている。一方、
水素源としては、メタノール、メタンを主体とする液化
天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然
ガスを原料とする合成液体燃料、さらには石油系のLP
G、ナフサ、灯油などの石油系炭化水素の使用が研究さ
れている。
る場合、上記石油系炭化水素、特に灯油は常温常圧で液
状であって、保管及び取扱いが容易である上、ガソリン
スタンドや販売店など、供給システムが整備されている
ことから、水素源として有利である。しかしながら、石
油系炭化水素は、メタノールや天然ガス系のものに比べ
て、硫黄分の含有量が多いという問題がある。この石油
系炭化水素を用いて水素を製造する場合、一般に、該炭
化水素を、改質触媒の存在下に水蒸気改質又は部分酸化
改質処理する方法が用いられる。このような改質処理に
おいては、上記改質触媒は、炭化水素中の硫黄分により
被毒されるため、触媒寿命の点から、該炭化水素に脱硫
処理を施し、硫黄分含有量を、通常0.2重量ppm以
下にすることが肝要である。
まで多くの研究がなされており、例えばCo−Mo/ア
ルミナやNi−Mo/アルミナなどの水素化脱硫触媒と
ZnOなどの硫化水素吸着剤を用い、常圧〜5MPaの
圧力下、200〜400℃の温度で水素化脱硫する方法
が知られている。この方法は、厳しい条件下で水素化脱
硫を行い、硫黄分を硫化水素にして除去する方法であ
り、しかも硫黄分を0.2重量ppm以下にすることは
困難であるため、燃料電池用石油系炭化水素の製造には
適用しにくい。一方、石油系炭化水素中の硫黄分を、水
素化精製処理を行うことなく、温和な条件で吸着除去
し、硫黄分を0.2重量ppm以下にし得る脱硫剤とし
て、ニッケル系あるいはニッケル−銅系吸着剤が知られ
ている〔特公平6−65602号公報、同平7−115
842号公報、同平7−115843号公報、特開平1
−188405号公報、同平2−275701号公報、
同平2−204301号公報、同平5−70780号公
報、同平6−80972号公報、同平6−91173号
公報、同6−228570号公報(以上、ニッケル系吸
着剤)、特開平6−315628号公報(ニッケル−銅
系吸着剤)〕。これらのニッケル系あるいはニッケル−
銅系吸着剤は、燃料電池用の石油系炭化水素に対して、
脱硫剤として適用するのに有利であるが、いずれも脱硫
剤としての寿命の面で実用的なレベルに対していないの
が実状である。特に、上記ニッケル−銅系吸着剤では、
石油系炭化水素中の硫黄分を効率よく脱硫するには未だ
不十分であった。
状況下で、石油系炭化水素中の硫黄分を極めて低濃度ま
で効率よく除去することができ、かつ寿命の長い工業的
に有利な石油系炭化水素用ニッケル−銅系脱硫剤を製造
する方法を提供することを目的とするものである。
に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、ニッケル源及び銅源を
含む酸性水溶液または固体を含む酸性分散液(以下、
「酸性水溶液等」という)と、無機塩基を含む塩基性水
溶液とを混合し、この際、上記酸性水溶液等及び必要に
応じ上記塩基性水溶液に担体を含有させ、生成した固形
物を焼成することにより、担体上にニッケル及び銅を担
持してなる脱硫剤が得られ、このような方法により本発
明の上記目的を達成しうることを見出した。本発明は、
かかる知見に基づいて完成したものである。すなわち、
本発明は、担体上にニッケル及び銅を担持してなる脱硫
剤を製造する方法において、ニッケル源、銅源及び担体
を含むpH2以下の酸性水溶液等と、無機塩基を含む塩
基性水溶液とを混合したのち、生成した固形物を焼成す
るニッケル−銅系脱硫剤の製造方法、及び担体上にニッ
ケル及び銅を担持してなる脱硫剤を製造する方法におい
て、ニッケル源、銅源及び担体を含むpH2以下の酸性
水溶液または酸性水分散液と、無機塩基及び担体を含む
塩基性水溶液とを混合したのち、生成した固形物を焼成
するニッケル−銅系脱硫剤の製造方法を提供するもので
ある。また、本発明は、シリカ−アルミナ担体にニッケ
ル及び銅を担持してなるニッケル−銅系脱硫剤を提供す
るものである。
ッケル及び銅を担持させてなる脱硫剤は以下に示す方法
によって製造される。まずニッケル源、銅源及び担体を
含む酸性水溶液等と、無機塩基を含む塩基性水溶液を調
製する。前者の酸性水溶液等に用いられるニッケル源と
しては、例えば塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッ
ケル、酢酸ニッケル、炭酸ニッケル及びこれらの水和物
などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種
以上を組み合わせて用いてもよい。これらのニッケル源
の使用量は、得られる脱硫剤中の金属ニッケル含有量
が、40〜80重量%、更に50〜70重量%の範囲に
なるように選ばれる。ニッケル含有量が40重量%より
少ない場合は、充分な脱硫性能が発揮されないおそれが
あ、また80重量%を超える場合は脱硫剤の機械的強度
や脱硫性能が低下する原因となるなど所望の性能をもつ
脱硫剤が得られにくい。
銅、硫酸銅、酢酸銅及びこれらの水和物などが挙げられ
る。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わ
せて用いてもよい。これらの銅源の使用量は、得られる
脱硫剤中の金属銅含有量が、10〜50重量%、更に1
5〜35重量%の範囲になるように選ばれる。銅の含有
量が10重量%より少ない場合は、硫黄の吸着量が低く
なり、また50重量%を超える場合は硫黄の吸着速度が
低下するなど所望の性能をもつ脱硫剤が得られにくい。
担体としては、多孔質担体が好ましく、特に多孔質の無
機酸化物が好ましい。このようなものとしては、例えば
シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジル
コニア、マグネシア、珪藻土、白土、粘土及び酸化亜鉛
などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中
で、本発明においては特にシリカ−アルミナが好適であ
る。このような担体は、酸性水溶液等に含まれるが、必
要に応じ更に塩基性水溶液にも含むことができる。例え
ば、担体がシリカ−アルミナである場合には、そのアル
ミニウム源を含む酸性水溶液等と、シリカ源を含む無塩
基性水溶液を用いることがある。
水溶液等は、塩酸、硫酸、硝酸などの酸によって、pH
2以下、好ましくは1.5以下に調整することが必要であ
る。このpHが2を超えるとニッケル及び銅の分散性が
低下する。一方、塩基性水溶液に用いられる無機塩基と
しては、アルカリ金属の炭酸塩や水酸化物などが好まし
く、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。これらは
単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いても
よいが、本発明においては、このような無機塩基として
炭酸ナトリウムあるいは水酸化ナトリウムの単独又は炭
酸ナトリウムと水酸化ナトリウムとの組合せが好適であ
る。この無機塩基の使用量は、次の工程において前記p
H2以下の酸性水溶液と、この塩基性水溶液を混合した
場合、混合液が実質上中性から塩基性になるように選ぶ
のが有利である。
たpH2以下の酸性水溶液等と塩基性水溶液を、それぞ
れ50〜90℃程度に加温したのち、両者を混合する。
この混合はできるだけ素早く行うことが好ましい。さら
に得られた混合液を50〜90℃程度の温度に保持し0.
5〜3時間程度攪拌し、反応を完結させる。次に、生成
した固形物を充分に洗浄したのち固液分離するか、ある
いは生成した固形物を固液分離したのち充分に洗浄し、
次いで、この固形物を公知の方法により80〜150℃
程度の温度で乾燥処理する。このようにして得られた乾
燥処理物を、好ましくは200〜400℃、更に好まし
くは300〜370℃の範囲の温度において焼成するこ
とにより、担体上にニッケル及び銅が担持された脱硫剤
が得られる。焼成温度が上記範囲を逸脱すると、ニッケ
ル及び銅の分散性が低くなるなど所望の性能をもつニッ
ケル−銅系脱硫剤が得られにくい場合がある。
持量は、脱硫剤全量に基づき、金属ニッケルとして40
〜80重量%、更に50〜70重量%の範囲であること
が好ましい。ニッケル含有量が40重量%より少ない場
合は、充分な脱硫性能が発揮されないおそれがある。ま
た80重量%を超える場合は脱硫剤の機械的強度や脱硫
性能が低下する原因となるなど所望の性能をもつ脱硫剤
が得られにくい。また、銅の担持量は脱硫剤全量に基づ
き、金属銅として10〜50重量%、更に15〜35重
量%の範囲であるとが好ましい。銅含有量が10重量%
より少ない場合は硫黄の吸着容量が低くなり、また50
重量%を超える場合は硫黄の吸着速度が低下するなど所
望の性能をもつ脱硫剤が得られにくい。本発明において
は、担体上に担持されるニッケル及び銅の担持量の合計
は、脱硫剤全量に基づき、金属換算で70〜90重量
%、更に75〜80重量%であることが好ましい。この
量が70重量%より少ない場合は、充分な脱硫性能が発
揮されないおそれがある。また90重量%を超える場合
は、脱硫剤の機械的強度や脱硫性能が低下する原因とな
るなど所望の性能をもつ脱硫剤が得られにくい。
成分を担持させるが、必要に応じ、コバルト、鉄、マン
ガン、クロムなどの他の金属を混在させてもよい。本発
明の方法により製造されるニッケル−銅系脱硫剤は、石
油系炭化水素、好ましくは灯油の脱硫剤として用いら
れ、石油系炭化水素の中でも硫黄分含有量が80重量p
pm以下のJIS1号灯油に適用するのが好ましい。こ
のJIS1号灯油は、原油を常圧蒸留して得た粗灯油を
脱硫することにより得られる。該粗灯油は、通常硫黄分
が多く、そのままではJIS1号灯油とはならず、硫黄
分を低減させる必要がある。この硫黄分を低減させる方
法としては、一般に工業的に実施されている水素化精製
法で脱硫処理するのが好ましい。この場合、脱硫触媒と
して、通常ニッケル、コバルト、モリブデン、タングス
テンなどの遷移金属を適当な割合で混合したものを金
属、酸化物、硫化物などの形態でアルミナを主成分とす
る担体に担持させたものが用いられる。反応条件は、例
えば反応温度250〜400℃、圧力2〜10MPa・
G、水素/油モル比2〜10、液時空間速度(LHS
V)1〜5h-1などの条件が用いられる。
を脱硫処理する方法としては、例えば以下に示す方法を
用いることができる。まず、該本発明に係る脱硫剤が充
填された脱硫塔に、予め水素を供給し、150〜400
℃程度の温度において、該脱硫剤の還元処理を行う。次
に、石油系炭化水素、好ましくは灯油1号を、脱硫塔中
を上向き又は下向きの流れで通過させ、温度130〜2
30℃程度、圧力常圧〜1MPa・G程度、LHSV1
0h-1以下程度の条件で脱硫処理する。この際、必要に
より、少量の水素を共存させてもよい。脱硫条件を上記
範囲で適当に選択することにより、硫黄分0.2重量p
pm以下の石油系炭化水素を得ることができる。
を、燃料電池用水素の製造に用いる場合、通常、上記脱
硫剤を用いて灯油等の石油系炭化水素油を前述のように
脱硫した後、水蒸気改質及び/又は部分酸化を行う。上
記脱硫剤を用いることにより、水蒸気改質触媒等への炭
素析出がなく効率的に水素を製造することができる。水
蒸気改質の方法には特に制限はないが、通常以下のよう
な方法で行われる。まず、改質触媒の担持金属として
は、Ni、ジルコニウムあるいはルテニウム(Ru),
ロジウム(Rh),白金(Pt)などの貴金属が挙げら
れる。これらは単独でもよいし、2種以上を組合わせて
用いてもよい。具体的には、Ruとジルコニウムとを担
持したものが挙げられる。この種の担持金属の場合、さ
らにコバルトおよび/またはマグネシウムを添加したも
のが好適なものとして挙げられる。一方、水蒸気改質に
使用する触媒の担体としては、無機酸化物が用いられ、
具体的には、アルミナ、シリカ、ジルコニア、マグネシ
ア及びそれらの混合物が挙げられる。これらの中でもア
ルミナとジルコニアが特に好ましい。
触媒層の入口温度を630℃以下に保って水蒸気改質を
行う方法が好ましい。水蒸気改質触媒層入口温度は、酸
素添加により上昇する傾向にあるので、これをコントロ
ールする必要がある。触媒層出口温度は、特に制限はな
いが、好ましくは650〜800℃で行う。触媒層出口
温度が650℃未満では水素の生成量が充分でなく、8
00℃を越える温度で反応するにはリアクターを特に耐
熱性材料にする必要がある場合があり、経済性の点で好
ましくないからである。水素の製造においては、反応圧
力は常圧〜3MPa,さらには常圧〜1MPaであるこ
とが好ましい。また、石油系炭化水素油の流量について
は、LHSVで0.1〜100h-1である。なお、水素
の製造においては、石油系炭化水素は上記水蒸気改質と
部分酸化を単独であるいは組み合わせて水素を製造する
場合に使用しても効率的に水素を製造できる。部分酸化
反応は、好ましくはルテニウムなどの貴金属やニッケル
などを耐熱性酸化物に担持した触媒下、反応圧力が常圧
〜5MPa,反応温度400〜1,100℃、酸素/炭
素比0.2〜0.8,LHSV0.1〜100h-1で行
われる。また、水蒸気添加する場合は、水蒸気/炭素モ
ル比1.5〜10、好ましくは1.5〜5、更に好ましくは
2〜4で行う。上記水素の製造においては、上記水蒸気
改質により得られるCOが水素生成に悪影響を及ぼすた
め、これを反応によりCO2 としてCOを除くことが好
ましい。
に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限
定されるものではない。なお、各例で得られた脱硫剤の
脱硫性能は、下記の方法に従って評価した。 <脱硫性能>脱硫剤15ミリリットルを、内径17mm
のステンレス鋼製反応管に充填する。次いで、常圧下、
水素気流中にて120℃に昇温し、1時間保持したの
ち、さらに昇温し、380℃で1時間保持することによ
り、脱硫剤を活性化する。次に、反応管の温度を150
℃に保持し、硫黄分濃度65重量ppmのJIS1号灯
油を、常圧下、LHSV10h-1で反応管に供給開始す
る。5時間経過した時点における処理灯油中の硫黄分濃
度を分析し、脱硫性能を評価する。なお、使用するJI
S1号灯油の蒸留性状は以下のとおりである。 初留温度 :152℃ 10%留出温度:169℃ 30%留出温度:184℃ 50%留出温度:203℃ 70%留出温度:224℃ 90%留出温度:254℃ 終点 :276℃
酸銅10.3gを溶解し、これに擬ベーマイト(担体)
0.9gを加えたのち、1モル/リットル濃度の硝酸水
溶液20ミリリットルを加え、pH1に調整し、(A)
液を調製した。一方、水500ミリリットルに炭酸ナト
リウム33.1gを溶解し、これに水ガラス11.7g
(SiO2 濃度29重量%)を加え、(B)液を調製し
た。次に、上記(A)液と(B)液を、それぞれ80℃
に加熱したのち、両者を瞬時に混合し、混合液の温度を
80℃に保持したまま1時間撹拌した。その後、蒸留水
60リットルを用いて生成物を充分に洗浄したのち、ろ
過し、次いで固形物を120℃送風乾燥機にて12時間
乾燥し、さらに300℃で1時間焼成処理することによ
り、シリカ−アルミナ担体(Si/Al比=5)にニッ
ケルが61重量%、銅が19.8重量%担持された脱硫
剤を得た。この脱硫剤を用いて行った脱硫試験におい
て、5時間後の灯油中の硫黄分は2重量ppmであっ
た。
10.3gに代えて、硝酸ニッケル56.0g及び硝酸
銅5.2gを用い、更に、擬ベーマイト0.9gに代え
てγ−アルミナ0.6gを用いた以外は、実施例1と同
様にしてシリカ−アルミナ担体(Si/Al比=5)に
ニッケルが72.1重量%、銅が11.2重量%担持さ
れた脱硫剤を得た。この脱硫剤を用いて行った脱硫試験
において、5時間後の灯油中の硫黄分は5重量ppmで
あった。 実施例3 実施例1において、硝酸ニッケル49.8g及び硝酸銅
10.3gに代えて、硝酸ニッケル62.2g及び硝酸
銅51.7gを用い、擬ベーマイトを0.9gに代えて
0.8g用い、更に炭酸ナトリウムを33.1gに代え
て70g用い、なおかつ水ガラス11.7gに代えてシ
リカ2.5gを用いた以外は、実施例1と同様にしてシ
リカ−アルミナ担体(Si/Al比=8)にニッケルが
30.2重量%、銅が50.8重量%担持された脱硫剤
を得た。この脱硫剤を用いて行った脱硫試験において、
5時間後の灯油中の硫黄分は8重量ppmであった。 実施例4 実施例3において、擬ベーマイト0.9gに代えてシリ
カ4.0gに代え、また、水ガラスを用いなかったこと
以外は、実施例3と同様にしてシリカ担体にニッケルが
30.2重量%、銅が50.8重量%担持された脱硫剤
を得た。この脱硫剤を用いて行った脱硫試験において、
5時間後の灯油中の硫黄分は8重量ppmであった。
脱硫剤を製造した。すなわち、水1000ミリリットル
に硝酸銅58g、硝酸ニッケル69.8g、硝酸亜鉛1
16.6g及び硝酸アルミニウム60gを溶解し、
(A)液を調製した。一方、水2000ミリリットルに
炭酸ナトリウム105gを溶解して、(B)液を調製し
た。次に、上記(A)液と(B)液を攪拌しながら、徐
々に混合した。混合液のpHが7になった時点で炭酸ナ
トリウム溶液の添加を終了し、そのまま1時間撹拌し
た。その後、得られた沈殿ケーキを重炭酸アンモニウム
を用いて洗浄したのち、固形物を110℃乾燥機にて一
昼夜乾燥し、さらに400℃で1時間焼成処理すること
により、ニッケル量が21重量%、銅量が22重量%で
ある脱硫剤を得た。この脱硫剤を用いて行った脱硫試験
において、5時間後の灯油中の硫黄分は50重量ppm
であった。
mのステンレス鋼製反応管に充填した。次いで、常圧
下、水素気流中にて120℃に昇温し、1時間保持した
のち、さらに昇温し、380℃で1時間保持することに
より、脱硫剤を活性化した。次に、反応管の温度を15
0℃に保持し、前記硫黄分濃度65重量ppmのJIS
1号灯油を、常圧下、LHSV2h-1で反応管を通過
させ、さらに、下流にルテニウム系改質触媒(ルテニウ
ム担持量0.5重量%)20ミリリットルが充填された
改質器により、水蒸気改質処理した。改質処理条件は、
圧力:大気圧、水蒸気/炭素(S/C)モル比2.5、
LHSV:1.5h-1、入り口温度:500℃、出口温
度:750℃である。その結果、150時間経過後の改
質器出口での転化率は100%であった。また、この反
応期間中の脱硫処理灯油の硫黄分は0.2重量ppm以
下であった。なお、転化率は、式 転化率(%)=100×B/A 〔ただし、Aは時間当たりの供給灯油中の全炭素量(モ
ル流量)で、A=CO+CO2 +CH4 +2×C2 留分
+3×C3 留分+4×C4 留分+5×C5 留分であり、
Bは時間当たりの改質器出口ガス中の全炭素量(モル流
量)でB=CO+CO2 +CH4 である。〕によって算
出した値である。なお、分析はガスクロマトグラフィー
法による。
を用いた以外は、実施例5と同様にして、灯油の脱硫処
理及び水蒸気改質処理を行った。その結果、80時間経
過後、改質器出口の転化率は100%を下回り、120
時間経過後に改質器出口で油滴が確認された。なお、8
0時間及び120時間経過した時点における脱硫処理灯
油中の硫黄分は、それぞれ10重量ppm及び18重量
ppmであった。
系炭化水素中の硫黄分を0.2重量ppm以下まで効率
よく吸着除去することができ、かつ寿命も長い。また、
この脱硫剤を用いて脱硫処理された石油系炭化水素を水
蒸気改質処理することにより、燃料電池用水素を効果的
に製造することができる。
Claims (9)
- 【請求項1】 担体上にニッケル及び銅を担持してなる
脱硫剤を製造する方法において、ニッケル源、銅源及び
担体を含むpH2以下の酸性水溶液または酸性水分散液
と、無機塩基を含む塩基性水溶液とを混合したのち、生
成した固形物を焼成するニッケル−銅系脱硫剤の製造方
法。 - 【請求項2】 担体上にニッケル及び銅を担持してなる
脱硫剤を製造する方法において、ニッケル源、銅源及び
担体を含むpH2以下の酸性水溶液または酸性水分散液
と、無機塩基及び担体を含む塩基性水溶液とを混合した
のち、生成した固形物を焼成するニッケル−銅系脱硫剤
の製造方法。 - 【請求項3】 担体が多孔質である請求項1または2に
記載の製造方法。 - 【請求項4】 担体がシリカ、アルミナ、シリカ−アル
ミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、珪藻土、白
土、粘土及び酸化亜鉛の中から選ばれる少なくとも一種
である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項5】 無機塩基を含む塩基性水溶液が、無機塩
基として、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム又は炭酸
ナトリウムと水酸化ナトリウムを含むものである請求項
1〜4のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項6】 200〜400℃の温度で焼成を行う請
求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかの製造方法によ
り製造したニッケル−銅系脱硫剤を用いて石油系炭化水
素を脱硫処理した後、水蒸気改質処理を行うことを特徴
とする燃料電池用水素の製造方法。 - 【請求項8】 水蒸気改質処理をルテニウム系触媒から
なる改質触媒を用いて行う請求項7記載の製造方法。 - 【請求項9】 シリカ−アルミナ担体にニッケル及び銅
を担持してなるニッケル−銅系脱硫剤。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000214147A JP4531939B2 (ja) | 2000-03-31 | 2000-07-14 | ニッケル−銅系脱硫剤の製造方法 |
PCT/JP2001/002861 WO2001072417A1 (fr) | 2000-03-31 | 2001-04-02 | Agent desulfurant pour hydrocarbures derives de petrole, procede de fabrication d'hydrogene pour pile a combustible et procede de fabrication d'agent desulfurant a base de nickel |
DK01917783.1T DK1270069T3 (da) | 2000-03-31 | 2001-04-02 | Anvendelse af et afsvovlningsmiddel |
EP01917783A EP1270069B1 (en) | 2000-03-31 | 2001-04-02 | Use of a desulfurizing agent |
AU2001244705A AU2001244705A1 (en) | 2000-03-31 | 2001-04-02 | Desulfurizing agent for hydrocarbon derived from petroleum, method for producinghydrogen for use in fuel cell and method for producing nickel-based desulfurizi ng agent |
US10/221,199 US7268097B2 (en) | 2000-03-31 | 2001-04-02 | Desulfurizing agent for hydrocarbon derived from petroleum, method for producing hydrogen for use in fuel cell and method for producing nickel-based desulfurizing agent |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000-96488 | 2000-03-31 | ||
JP2000096488 | 2000-03-31 | ||
JP2000214147A JP4531939B2 (ja) | 2000-03-31 | 2000-07-14 | ニッケル−銅系脱硫剤の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001342466A true JP2001342466A (ja) | 2001-12-14 |
JP4531939B2 JP4531939B2 (ja) | 2010-08-25 |
Family
ID=26589036
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000214147A Expired - Fee Related JP4531939B2 (ja) | 2000-03-31 | 2000-07-14 | ニッケル−銅系脱硫剤の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4531939B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004009735A1 (ja) * | 2002-07-22 | 2004-01-29 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | 液状炭化水素の脱硫方法及び燃料電池用水素の製造方法 |
JP2005068415A (ja) * | 2003-08-05 | 2005-03-17 | Japan Energy Corp | 接触分解ガソリン基材の製造方法およびそれを用いた無鉛ガソリン組成物 |
JP2008045018A (ja) * | 2006-08-14 | 2008-02-28 | Nippon Oil Corp | 灯油用脱硫剤、脱硫方法およびそれを用いた燃料電池システム |
JP2008510035A (ja) * | 2004-08-10 | 2008-04-03 | コノコフィリップス・カンパニー | 脱硫化及びそれのための新規な工程 |
CN112546845A (zh) * | 2020-11-20 | 2021-03-26 | 沈阳三聚凯特催化剂有限公司 | 一种水解吸收型脱硫剂及其制备方法和应用 |
CN116983991A (zh) * | 2023-08-03 | 2023-11-03 | 西安元创化工科技股份有限公司 | 一种还原态铜/镍基吸附催化剂的制备方法与应用 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001276605A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-10-09 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 脱硫剤及び燃料電池用水素の製造方法 |
-
2000
- 2000-07-14 JP JP2000214147A patent/JP4531939B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001276605A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-10-09 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 脱硫剤及び燃料電池用水素の製造方法 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004009735A1 (ja) * | 2002-07-22 | 2004-01-29 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | 液状炭化水素の脱硫方法及び燃料電池用水素の製造方法 |
US7510648B2 (en) | 2002-07-22 | 2009-03-31 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Method for desulfurization of liquid hydrocarbons and process for production of hydrogen for fuel cells |
JP2005068415A (ja) * | 2003-08-05 | 2005-03-17 | Japan Energy Corp | 接触分解ガソリン基材の製造方法およびそれを用いた無鉛ガソリン組成物 |
JP2008510035A (ja) * | 2004-08-10 | 2008-04-03 | コノコフィリップス・カンパニー | 脱硫化及びそれのための新規な工程 |
JP2008045018A (ja) * | 2006-08-14 | 2008-02-28 | Nippon Oil Corp | 灯油用脱硫剤、脱硫方法およびそれを用いた燃料電池システム |
CN112546845A (zh) * | 2020-11-20 | 2021-03-26 | 沈阳三聚凯特催化剂有限公司 | 一种水解吸收型脱硫剂及其制备方法和应用 |
CN116983991A (zh) * | 2023-08-03 | 2023-11-03 | 西安元创化工科技股份有限公司 | 一种还原态铜/镍基吸附催化剂的制备方法与应用 |
CN116983991B (zh) * | 2023-08-03 | 2024-04-30 | 西安元创化工科技股份有限公司 | 一种还原态铜/镍基吸附催化剂的制备方法与应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4531939B2 (ja) | 2010-08-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1270069B1 (en) | Use of a desulfurizing agent | |
WO2006101079A1 (ja) | 脱硫剤及びこれを用いた脱硫方法 | |
JP2001279274A (ja) | 燃料電池用燃料油、脱硫方法及び水素の製造方法 | |
JP4531939B2 (ja) | ニッケル−銅系脱硫剤の製造方法 | |
JP4322804B2 (ja) | 液状炭化水素の脱硫方法及び燃料電池用水素の製造方法 | |
JP4388665B2 (ja) | Ni−Cu系脱硫剤及び燃料電池用水素の製造方法 | |
JP4749589B2 (ja) | 有機硫黄化合物含有燃料油用脱硫剤及び燃料電池用水素の製造方法 | |
JP2001279257A (ja) | 脱硫剤、脱硫方法及び燃料電池用水素の製造方法 | |
JP4521172B2 (ja) | 脱硫剤及びこれを用いた脱硫方法 | |
JP4580070B2 (ja) | 石油系炭化水素用脱硫剤及び燃料電池用水素の製造方法 | |
JP2001279259A (ja) | 石油系炭化水素用脱硫剤及び燃料電池用水素の製造方法 | |
JP2004075778A (ja) | 炭化水素用脱硫剤及び燃料電池用水素の製造方法 | |
JP4490533B2 (ja) | 燃料電池用燃料油 | |
JP4580071B2 (ja) | 石油系炭化水素用脱硫剤及び燃料電池用水素の製造方法 | |
JP2005146054A (ja) | 脱硫剤及びこれを用いた脱硫方法 | |
JP2005146054A6 (ja) | 脱硫剤及びこれを用いた脱硫方法 | |
JP2002322482A (ja) | 有機硫黄化合物含有液状油の脱硫方法 | |
JP2001278602A (ja) | 脱硫剤、脱硫方法及び燃料電池用水素の製造方法 | |
JP2001276605A (ja) | 脱硫剤及び燃料電池用水素の製造方法 | |
JP2001294874A (ja) | 灯油系燃料電池用燃料油 | |
JP2001279275A (ja) | 燃料電池用燃料油及び燃料電池用水素の製造方法 | |
JP4531917B2 (ja) | ニッケル系脱硫剤の製造方法 | |
JP2003290660A (ja) | 脱硫剤及びそれを用いた燃料電池用水素の製造方法 | |
JP2010001480A (ja) | 脱硫剤及びこれを用いた脱硫方法 | |
JP2001279273A (ja) | 灯油系燃料電池用燃料油 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100223 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100422 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100518 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100610 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |