JP2001340357A - 有床義歯、及び、有床義歯の製造方法、並びに、有床義歯に用いるレジンプレート - Google Patents

有床義歯、及び、有床義歯の製造方法、並びに、有床義歯に用いるレジンプレート

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JP2001340357A
JP2001340357A JP2000202925A JP2000202925A JP2001340357A JP 2001340357 A JP2001340357 A JP 2001340357A JP 2000202925 A JP2000202925 A JP 2000202925A JP 2000202925 A JP2000202925 A JP 2000202925A JP 2001340357 A JP2001340357 A JP 2001340357A
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resin plate
denture
plate
resin
metal sheet
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JP2000202925A
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Takashi Satomi
孝 里見
Miho Okamoto
美保 岡本
Akira Hasegawa
明 長谷川
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GC Dental Products Corp
Original Assignee
GC Dental Products Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 介護施設等において、介護等を受ける高齢者
が使用する全部床義歯や部分床義歯の所有者等の所有者
識別情報の確認が容易であって、見栄えがよく、義歯床
の変色やクラックの発生による強度の低下が長期にわた
って生じることのない有床義歯を安価に提供すること、
および、該有床義歯を容易に製造する方法、並びに、有
床義歯のために有用な部品を提供する。 【解決手段】 所有者識別情報を記録した透明または半
透明のレジンプレート、または、所有者識別情報が刻印
された金属シートを透明または半透明のレジンプレート
に接着した金属シート接着レジンプレートが、前記レジ
ンプレートを透過して所有者識別情報が判読可能となる
方向で義歯床の所定位置に埋入固定されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、有床義歯、およ
び、その製造方法、並びに、有床義歯に用いる部品に関
するものである。さらに詳しくは、この発明は、氏名等
の所有者識別情報を有する全部床義歯(総義歯)や部分
床義歯といった有床義歯、および、その製造方法、並び
に、有床義歯に用いる部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高齢者が健康な生活を営むことができる
ようにするために、80歳で20本の天然歯を残そうと
する8020運動が唱えられている。しかしながら、こ
れを実現できている高齢者は少数であり、大多数の高齢
者は部分床義歯または総義歯といった有床義歯を使用し
ているのが実状である。このような高齢者のなかには、
老人ホーム等の介護施設で日帰りケアを始めとして、短
期、または、長期にわたり介護を受ける高齢者も多い。
介護においては、食事等が終わった後早めに口腔内を清
潔にすることが必要である。一人の介護者が一人の高齢
者の介護を行うような特別の場合は別として、このよう
な施設では、一人の介護者が複数の高齢者の介護を担当
するのが通常である。この場合、介護者が複数の高齢者
から有床義歯を預かり、清浄し、返却することになる
が、その所有者の判別は、有床義歯だけからでは、所有
者自身、介護者いずれからしても容易でなく、往々にし
て取り違えて返却することが起きる。このようなことを
防止するため、以下のようにして有床義歯に所有者の氏
名をつけることで、所有者、介護者の双方がその所有者
を容易に判別できるようにしている。
【0003】すなわち、 (i)有床義歯の義歯床の舌側面を削り取って形成した
凹部に、有床義歯の所有者の氏名を記載した短冊状のテ
ープを入れ、レジンを筆積みしてテープを埋入する方
法。 (ii)有床義歯の義歯床の舌側面にインクジェットプ
リンターで所有者の氏名を印字する方法。 (iii)有床義歯の義歯床の舌側面にエアタービンを
用いて所有者の氏名を刻み込む方法。 (iv)蝋義歯の段階で、ワックスの義歯床の舌側面に
所有者の氏名を刻み込み、蝋義歯を埋没材でフラスコ埋
没し、ワックスを流蝋して重合型を形成し、重合型を分
割した後、重合型内に餅状レジンを填入し、該餅状レジ
ンを重合させて、義歯床に所有者の氏名を刻み込む方
法。 しかしながら、(i)の方法は、筆積みを短冊状のテー
プの全面にわたって比較的厚く行うことが必要であり、
操作に手間がかかり、また、筆積みの際レジンへの気泡
の混入が避けられず、見栄えが悪く、氏名が見え難くな
る。また、筆積み箇所が使用中に変色してさらに見栄え
が悪くなったり、レジンにクラックが生じ、強度の低下
をきたし破損に至ったりすることになる。(ii)の方
法は、義歯床曲面への印字となるため明瞭に印字するこ
とが困難であり、インキの定着力も弱く、インキが清浄
時のブラッシングによって比較的短期間のうちに擦り取
られることになる。これを防止するため、印字面にレジ
ンを筆積みすると手間がかかることになり、また、筆積
みの際レジンへの気泡の混入が避けられず、見栄えが悪
く、氏名が見え難くなる。また、筆積み箇所が使用中に
変色してさらに見栄えが悪くなったりすることになる。
(iii)の方法は、熟練を要し高価となる。また、咀
嚼時等に刻み込んだ部分に応力集中し易く、咀嚼を繰り
返すことで比較的容易に刻み込まれた部分から破損す
る。(iv)の方法は、安価であるが、得られた有床義
歯は上記(iii)と同様に咀嚼時等に刻み込んだ部分
に応力集中し易く、咀嚼を繰り返すことで比較的容易に
刻み込まれた部分から破損する。
【0004】ところで、不慮の事故等に遭遇した人の身
元を確認するのに、指紋法等の一般的な個人識別法が利
用できない場合、残存した歯科的証拠による個人識別が
極めて有効であるといわれている。しかしながら、前記
(i)〜(iv)による有床義歯では、不幸にして身体
が焼失してしまうような大災害、火災、飛行機事故等に
遭遇した場合、義歯床も焼失してしまい、指紋法等の一
般的な個人識別法は勿論、残存した歯科的証拠による個
人識別も困難であり、とりわけ、全部床義歯を使用して
いる人の個人識別は、不可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような実情に鑑
み、本発明者等は鋭意研究の結果、この発明に到達した
ものであって、先ず、第1の発明においては、見栄えが
よく、所有者名等の所有者識別情報の確認が容易であっ
て、義歯床の変色やクラックの発生による強度の低下が
長期にわたって生じることのない全部床義歯や部分床義
歯といった有床義歯を安価に提供すること、および、該
有床義歯を容易に製造する方法、並びに、該有床義歯に
用いる有用な部品を提供することを目的としている。そ
して、第2の発明においては、さらに、前記の第1の発
明の目的の達成に加え、不幸にして、身体が焼失するよ
うな大災害、事故に遭遇した場合において、義歯床の焼
失後も残存して、個人識別が可能となる有床義歯を安価
に提供すること、および、該有床義歯を容易に製造する
方法、並びに、該有床義歯に用いる有用な部品を提供す
ることも目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1の発明の有床義歯は、所有者識別情報を記録し
た透明または半透明のレジンプレートが、該レジンプレ
ートを透過して所有者識別情報が判読可能となる方向で
義歯床の所定位置に埋入固定されてなることを特徴とす
る。これによれば、義歯床にレジンプレートが埋入固定
されることから、従来のような筆積みによるものに比べ
気泡が存在せず、見栄えがよく、また、所有者識別情報
がレジンプレートを透し外側から容易にしかも明瞭に確
認(すなわち、判読)できることになる。そして、レジ
ンプレート自体は、変色やクラックが生ぜず強度の低下
がなく、また、所有者識別情報が記録された面が義歯床
内に封止されることになり、唾液等と記録された面が直
接接触することがなく、記録された面が汚染したり、損
傷する恐れがなく、長期にわたり安定して使用できるこ
とになる。所有者識別情報としては、氏名だけであって
もよいが、その他に、例えば血液型、生年月日等が付記
されていると、旅先等で緊急治療等の対処が必要な場合
の参考とすることができる。所有者識別情報が記録され
たレジンプレートとしては、後述する(e)、(f)に
よる方法で作製されたものが好ましいが、これに限られ
ず、手書きで記録したものでもよく、その他、インクジ
ェットプリンター等適宜の記録方法によって記録したも
のが使用できる。義歯床としては、レジン床、メタルフ
レームを有するレジン床等が例示できる。義歯床とレジ
ンプレートのレジン材料は同一であることが好ましく、
PMMA等のアクリル系、ポリエーテルサルホン系、ポ
リカーボネート系の樹脂を例示することができる。レジ
ンプレートは所有者識別情報をレジンプレートを透過し
て確認するのに支障がない範囲で透明または半透明であ
ることが必要であって、歯肉部に似せるように着色等が
施されているものであってもよいことはいうまでもな
い。レジンプレートの透明性は、例えば、濁度計(ND
H−300A、日本電色工業社製)により、54φ×4
mmのサンプルを300Aで測定した透過率で示すと、
レジンプレートを透過して所有者識別情報を判読できる
下限である透過率20%以上が好ましい。
【0007】第1の発明の有床義歯の製造は、所有者識
別情報を記録した透明または半透明のレジンプレート
を、該レジンプレートを透過して所有者識別情報が判読
可能となる方向で義歯床の所定位置に埋入固定すること
で行えばよい。より具体的には、以下のようにして製造
することができる。すなわち、 (a)義歯床の所定位置に形成されたレジンプレート埋
入用凹部に、前記レジンプレートを透過して所有者識別
情報が判読可能となる方向で前記レジンプレートを埋入
し、接着材で固定するようにしてもよい。これは、既製
の有床義歯に使用する場合に有効であって、既製の有床
義歯の義歯床の所定位置にレジンプレート埋入用凹部を
形成して行う。接着材としては、義歯床材料およびレジ
ンプレートの両者に適した補修用の常温重合レジン、光
重合レジン等が使用できる。必要に応じ、レジンプレー
トと義歯床材料の接着することになる箇所を市販の適宜
なレジン接着用プライマーによってプライマー処理を施
してもよい。
【0008】(b)前記レジンプレートを重合型に設け
たレジンプレート設置用凹部に設置し、次いで、前記重
合型内に餅状レジンを填入し、該餅状レジンを重合さ
せ、前記レジンプレートを透過して所有者識別情報が判
読可能となる方向で前記レジンシートを義歯床に埋入固
定するようにしてもよい。これは、新たに有床義歯を製
造する際に有効であり、レジンプレートと餅状レジンと
の間に空隙が生ずることがなく、また、餅状レジンが重
合し、レジンプレートと一体化することから、レジンプ
レートが埋入固定された義歯床は、使用中における強度
の低下を招く恐れがない。レジンプレート設置用凹部
は、下記の(c)に記載するようなダミープレートによ
って形成してもよいが、これに限られず、例えば、重合
型の所定位置を切削等してレジンプレートを設置できる
サイズに形成するようにしてもよい。
【0009】(c)上記(b)と同様に新しく有床義歯
を製造する方法としては、人工歯が排列された蝋義歯の
義歯床の所定位置にダミープレートを埋設し、該ダミー
プレートとともに前記蝋義歯を埋没材でフラスコ埋没
し、ワックスを流蝋して重合型を形成し、重合型よりダ
ミープレートを分離してレジンプレート設置用凹部を形
成させ、該凹部に前記レジンプレートを設置し、次い
で、重合型内に餅状レジンを填入し、該餅状レジンを重
合させ、前記レジンプレートを透過して所有者識別情報
が判読可能となる方向で前記レジンプレートを義歯床に
埋入固定するようにしてもよい。これによれば、上記
(b)における重合型に設けたレジンプレート設置用凹
部をダミープレートを用いることで容易に作製できる。
すなわち、ダミープレートをレジンプレートに置換する
だけで、レジンプレート設置用凹部に設置することがで
きることになる。
【0010】(d)上記(c)において、前記ダミープ
レートの埋没材側には突起が設けられ、前記レジンプレ
ートの所有者識別情報を記録した面の反対面にはダミー
プレートと同一箇所に同一形状の突起が設けられてお
り、ダミープレートを重合型より分離してダミープレー
トの突起による陰型穴を有するレジンプレート設置用凹
部を形成させ、前記陰型穴に前記レジンプレートの突起
を位置合わせして係止させ、レジンプレート設置用凹部
にレジンプレートを設置するようにしてもよい。これに
よれば、ダミープレートによって形成された重合型の陰
型穴にレジンプレートの突起を位置合わせして係止させ
ることで、餅状レジンを重合型内に填入する際、レジン
プレートが餅状レジンの填入に伴い横ずれしたり、斜め
に傾いたり、浮き上がったり、餅状レジン内に巻き込ま
れたりせず良好な有床義歯を容易にかつ確実に製造する
ことができる。有床義歯完成後にレジンプレートの突起
等は研削等によって除去する。
【0011】(e)レジンプレートに筆積みされた重合
レジンの重合硬化により、所有者識別情報を印字した転
写ラベル表面から所有者識別情報が剥離転写されてレジ
ンプレートに記録されることが好ましい。筆積みされる
重合レジンとしては、常温重合レジン等が使用できる。
剥離転写がなされる原理ははっきりしていないが、常温
重合レジン等に含まれるモノマーや溶媒が転写ラベルの
表面と印字面との界面に侵入して剥離転写を容易にした
り、モノマーや溶媒によって膨潤された印字材内にモノ
マーが侵入して重合し、印字材と一体化すると考えられ
る。
【0012】(f)レジンプレートに所有者識別情報が
刻印されて形成された刻印凹部にオペークモディファイ
ヤーが充填され、該モディファイヤーの重合硬化によ
り、所有者識別情報がレジンプレートに記録されてもよ
い。これによれば、刻印凹部に充填され重合硬化したオ
ペークモディファイヤーの有する色によって所有者識別
情報が色付けされ、所有者識別情報の判読がより容易に
なるとともに、商品価値の高い立体的にも視認されるも
のが容易かつ確実に提供できる。レジンプレートへの所
有者識別情報の刻印は、適宜の方法によって可能である
が、例えば、ポイント等の歯科用研削(切削)工具を使
用して行えばよい。オペークモディファイヤーとして
は、色調の異なる光硬化性のもの等が使用できる。所有
者識別情報が、例えば、文字氏名の場合には、鏡文字を
レジンプレートに刻印することになる。
【0013】ここで用いるレジンプレートは、透明また
は半透明のレジンが所定形状のプレートに成型され、所
有者識別情報の記録用の面が形成されてなることを特徴
とする。そのレジンプレートの材料としては、前述した
通りのものが例示できる。また、ダミープレートとして
は、上記レジンプレートと同一形状であることが好まし
い。ダミープレートは、レジンプレートと同一の材料で
あってもよいが、より安価な樹脂等を使用してもよい。
ダミープレートの埋没材側には突起が設けられ、レジン
プレートの記録用の面の反対面にはダミープレートと同
一箇所に同一形状の突起が設けられていることが好まし
いことは前述した通りである。
【0014】そして、第2の発明は、第1の発明におけ
る所有者識別情報を記録した透明または半透明なレジン
プレートに代え、所有者識別情報を刻印した金属シート
をその刻印面側において透明または半透明なレジンプレ
ートと接着した金属シート接着レジンプレートを用いた
ものである。該金属シート接着レジンプレートを用いる
ことで、金属シートに刻印された所有者識別情報をレジ
ンプレートを透し外側から容易に確認することができる
等、前記した第1の発明と同様な目的の達成に加え、不
幸にして、身体が焼失するような大災害、事故に遭遇し
た場合において、義歯床が焼失しても所有者識別情報を
刻印した金属シートが残存することになり、これによっ
て、個人識別が可能となる。
【0015】すなわち、第2の発明の有床義歯は、所有
者識別情報が刻印された金属シートを透明または半透明
のレジンプレートに接着した金属シート接着レジンプレ
ートが、前記レジンプレートを透過して所有者識別情報
が判読可能となる方向で義歯床の所定位置に埋入固定さ
れてなることを特徴とする。これによれば、義歯床に金
属シート接着レジンプレートが埋入固定されることか
ら、従来のような筆積みによるものに比べ気泡が存在せ
ず、見栄えがよく、また、金属シートに刻印された所有
者識別情報をレジンプレートを透し外側から容易にしか
も明瞭に確認できることになる。金属シートの素材、刻
印方法等については、後述する。そして、レジンプレー
ト自体は、変色やクラックが生ぜず強度の低下がなく、
また、所有者識別情報の刻印された金属シートが義歯床
内に封止されることになり、唾液等と刻印面が直接接触
することがなく、刻印面が汚染したり、損傷する恐れが
なく、長期にわたり安定して使用できることになる。所
有者識別情報としては、氏名だけであってもよいが、そ
の他に、例えば血液型、生年月日等が付記されている
と、旅先等で緊急治療等の対処が必要な場合の参考とす
ることができる。
【0016】金属シート接着レジンプレートとしては、
後述する(m)による方法で作製されたものが好ましい
が、これに限られるものではない。義歯床の素材として
は、第1の発明におけると同一の素材を使用すればよ
い。レジンプレートは所有者識別情報を刻印した金属シ
ートとの接着面の反対側からレジンプレートを透過し
て、所有者識別情報を確認するのに支障がない範囲で透
明または半透明であることが必要であって、歯肉部に似
せるように着色等が施されているものであってもよいこ
とはいうまでもない。なお、レジンプレートは、第1の
発明におけるものと同一のものを使用することができ
る。
【0017】第2の発明の有床義歯の製造は、所有者識
別情報が刻印された金属シートを透明または半透明のレ
ジンプレートに接着した金属シート接着レジンプレート
を、前記レジンプレートを透過して所有者識別情報が判
読可能となる方向で義歯床の所定位置に埋入固定するこ
とで行えばよい。より具体的には、以下のようにして製
造することができる。すなわち、 (g)義歯床の所定位置に形成された前記金属シート接
着レジンプレート埋入用凹部に、前記レジンプレートを
透過して所有者識別情報が判読可能となる方向で前記金
属シート接着レジンプレートを埋入し、接着材で固定す
るようにしてもよい。これは、既製の有床義歯に使用す
る場合に有効であって、既製の有床義歯の義歯床の所定
位置に金属シート接着レジンプレート埋入用凹部を形成
して行う。接着材としては、少なくとも、義歯床材料と
レジンプレートを接着させることが必要であり、補修用
の常温重合レジン、光重合レジン等が使用できる。必要
に応じ、義歯床材料と接着することになる金属シート接
着レジンプレートの金属シートの所定箇所を市販の適宜
な金属接着用プライマーによってプライマー処理を施し
てもよい。
【0018】(h)前記金属シート接着レジンプレート
を重合型に設けた前記金属シート接着レジンプレート設
置用凹部に設置し、次いで、前記重合型内に餅状レジン
を填入し、該餅状レジンを重合させ、前記レジンプレー
トを透過して所有者識別情報が判読可能となる方向で前
記金属シート接着レジンプレートを埋入固定するように
してもよい。これは、新たに有床義歯を製造する際に有
効であり、金属シート接着レジンプレートと餅状レジン
との間に空隙が生ずることがなく、また、餅状レジンが
重合し、金属シート接着レジンプレートと一体化するこ
とから、金属シート接着レジンプレートが埋入固定され
た義歯床は、使用中における強度の低下を招く恐れがな
い。金属シート接着レジンプレート設置用凹部は、下記
の(j)に記載するようなダミープレートによって形成
してもよいが、これに限られず、例えば、重合型の所定
位置を切削等して金属シート接着レジンプレートを設置
できるサイズに形成するようにしてもよい。
【0019】(j)上記(h)と同様に新しく有床義歯
を製造する方法としては、人工歯が排列された蝋義歯の
義歯床の所定位置にダミープレートを埋設し、該ダミー
プレートとともに前記蝋義歯を埋没材でフラスコ埋没
し、ワックスを流蝋して重合型を形成し、重合型よりダ
ミープレートを分離して金属シート接着レジンプレート
設置用凹部を形成させ、該凹部に前記金属シート接着レ
ジンプレートを設置し、次いで、重合型内に餅状レジン
を填入し、該餅状レジンを重合させ、前記レジンプレー
トを透過して所有者識別情報が判読可能となる方向で前
記金属シート接着レジンプレートを埋入固定するように
してもよい。これによれば、上記(h)における重合型
に設けた金属シート接着レジンプレート設置用凹部をダ
ミープレートを用いることで容易に作製できる。すなわ
ち、ダミープレートを金属シート接着レジンプレートに
置換するだけで、金属シート接着レジンプレート設置用
凹部に設置することができることになる。
【0020】(k)上記(j)において、前記ダミープ
レートの埋没材側には突起が設けられ、前記金属シート
接着レジンプレートの金属シートを接着した面の反対面
にはダミープレートと同一箇所に同一形状の突起が設け
られており、ダミープレートを重合型より分離してダミ
ープレートの突起による陰型穴を有する金属シート接着
レジンプレート設置用凹部を形成させ、前記陰型穴に前
記金属シート接着レジンプレートの突起を位置合わせし
て係止させ、前記凹部に金属シート接着レジンプレート
を設置するようにしてもよい。これによれば、ダミープ
レートによって形成された重合型の陰型穴に金属シート
接着レジンプレートの突起を位置合わせして係止させる
ことで、餅状レジンを重合型内に填入する際、金属シー
ト接着レジンプレートが餅状レジンの填入に伴い横ずれ
したり、斜めに傾いたり、浮き上がったり、餅状レジン
内に巻き込まれたりせず良好な有床義歯を容易にかつ確
実に製造することができる。有床義歯完成後に金属シー
ト接着レジンプレートの突起等は研削等によって除去す
る。
【0021】(m)所有者識別情報が刻印された金属シ
ートをレジンプレートに筆積みされた重合レジンに重
ね、該重合レジンを重合硬化させて、前記金属シートと
レジンプレートとを接着して金属シート接着レジンプレ
ートとすることが好ましい。これによれば、金属シート
とレジンプレートの間に気泡が存在することなく接着さ
れ、レジンプレートを透過して金属シートに刻印された
所有者識別情報が判読可能な金属シート接着レジンプレ
ートを得ることができる。筆積みされる重合レジンとし
ては、常温重合レジン等が使用できる。
【0022】金属シート接着レジンプレートに用いるレ
ジンプレートは、透明または半透明のレジンが所定形状
のプレートに成型され、所有者識別情報が刻印された金
属シートとの接着用の面が形成されてなることを特徴と
する。そのレジンプレートの材料としては、前述した通
りのものが例示できる。また、金属シート接着レジンプ
レートと同一形状のダミープレートを用いることが好ま
しい。該ダミープレートは、レジンプレートと同一の材
料であってもよいが、より安価な樹脂等を使用してもよ
い。該ダミープレートの埋没材側には突起が設けられ、
金属シート接着レジンプレートの金属シートを接着した
面の反対面にはダミープレートと同一箇所に同一形状の
突起が設けられていることが好ましいことは前述したと
同様である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示し、さらに
詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は
以下の実施の形態によって限定されるものではない。 (実施の形態1)図1は、この発明の有床義歯に使用す
る所有者識別情報の記録用のレジンプレートの一例を示
し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図
である。図1のレジンプレート1は、既製の有床義歯に
使用するのに適したものとして示しており、側面1aが
テーパーとされて、上面1bに対し下面1cが幾分狭
く、正面図および側面図において逆台形をしており、下
面1cを所有者識別情報の記録用の面として用いる。
【0024】このレジンプレート1は、例えば、大、
中、小のように複数種を用意しておき、既製の有床義歯
の義歯床の形状、サイズ等に応じ、適当なものを選択し
て使用すればよい。レジンプレート1は、後述するよう
にその記録用の面に記録された所有者識別情報を、レジ
ンプレートを透過して記録された面とは反対面側から目
視で確認することから透明または半透明であることが必
要であり、また、既製の義歯の義歯床の素材樹脂と同一
の樹脂を使用することが好ましく、PMMA等のアクリ
ル系、ポリエーテルサルホン系、ポリカーボネート系の
樹脂を例示することができる。
【0025】所有者識別情報を氏名とし、PMMAが透
明であってしかも有床義歯の義歯床の素材として主流で
あることから、以下、PMMAを材料とするレジンプレ
ートを用いて所有者の氏名が封止された有床義歯の製造
方法の一例を説明する。その他の材料の義歯床と、それ
に適するレジンプレートを用いた所有者識別情報が密封
された有床義歯の製造については、これに準じて行えば
よい。
【0026】既製の有床義歯の所有者の氏名を、市販の
ラベル印字機(例えば、商品名:「テプラ」;キングジ
ム社製)を用いて転写ラベルに正像印字する。図2に所
有者の氏名が印字された転写ラベル2を示す。次いで、
図3に示されるように、前記レジンプレート1の記録用
の面に歯科用のアクリル系の常温重合レジン3を薄く筆
積みし、転写ラベル2の印字面とレジンプレート1の記
録用の面とを重ね合わせる。そして、図4に示すよう
に、専用のクリップ4で両者を挟み、レジンプレート1
の記録用の面に転写ラベル2の印字面を圧接し、筆積み
した常温重合レジン3を重合硬化させる。次いで、転写
ラベル2を剥がして、インキをレジンプレート1側に剥
離転写させる。これにより、レジンプレート1の記録用
の面に所有者の氏名が記録される。剥離転写がなされる
原理ははっきりしていないが、常温重合レジンに含まれ
るモノマーや溶媒が転写ラベルの表面と印字面との界面
に侵入して剥離転写を容易にしたり、モノマーや溶媒に
よって膨潤されたインキ内にモノマーが侵入して重合
し、インキと一体化することが考えられる。図4に示す
専用のクリップ4は、幅広の下方支持板4aと、上方挟
み板4bとからなり、下方支持板4aは転写ラベル2を
支持し、上方挟み板4bは、レジンプレート1の一側縁
に沿って細幅状にレジンプレート1を挟み込む機能を果
たす。
【0027】図5は、このようにして所有者の氏名が剥
離転写され記録されたレジンプレート(以下、特にこと
わりのない限り「記名レジンプレート」という。)6で
あって、常温重合レジン3がはみ出して重合硬化したバ
リを取り去って整形した状態を示す。図5(a)は平面
図で、レジンプレート1を透過し記録面6aの所有者の
氏名が目視で確認できることを示す。図5(b)は正面
図で、重合硬化した常温重合レジン3は、層状で厚さが
均一で凹凸がなく、常温重合レジン3中にインキが埋設
されていることを示す。
【0028】このようにして得られた記名レジンプレー
ト6を既製の有床義歯の義歯床の適宜位置に埋入固定
し、記名レジンプレート6の記録面6aを義歯床内に封
止する操作手順を、上顎総義歯の義歯床を例にとって説
明する。図6は、上顎総義歯7の断面の概略図であり、
(a)は義歯床8にレジンプレート埋入用凹部9を設け
た状態を示し、(b)は記名レジンプレート6が埋入さ
れた状態を示す。図6に示すように、上顎総義歯7の義
歯床8の舌側面を削除して、側壁がテーパーとなった断
面逆台形のレジンプレート埋入用凹部9を形成する。レ
ジンプレート埋入用凹部9の内面寸法と記名レジンプレ
ート6の外形寸法に僅かな寸法差を設けることにより、
レジンプレート埋入用凹部9と記名レジンプレート6と
の間に歯科用のアクリル系の常温重合レジンを接着材と
する接着材層を設けることができるようになっている。
レジンプレート埋入用凹部9と記名レジンプレート6の
形状、サイズを上記の関係とすることで、レジンプレー
ト埋入用凹部9の底部および側壁に常温重合レジンを塗
布し、記名レジンプレート6を押圧すると、埋入用凹部
9と記名レジンプレート6との間で未硬化の常温重合レ
ジンが流れ易く、気泡が残留したり気泡が巻き込まれた
りすることなく、埋入用凹部9の側壁と記名レジンプレ
ート6の側面との間のテーパー面に沿って余剰の常温重
合レジンが容易にはみ出ることになる。レジンプレート
埋入用凹部9の深さは、記名レジンプレート6が埋入さ
れ、常温重合レジンが重合硬化して、記名レジンプレー
ト6が埋入用凹部9に固定された時、へこみが形成され
ることなく、義歯床8の表面と記名レジンプレート6の
上面が面一となるように形成されることが好ましいが、
記名レジンプレート6の上面側が露出してもよい。記名
レジンプレート6の露出した部分は、常温重合レジンが
はみ出して重合硬化した部分を研磨する際に一緒に研磨
する。
【0029】記名レジンプレート6の露出した部分と常
温重合レジンがはみ出して重合硬化した部分が、面一に
なるように研磨されて完成した所有者の名前入りの上顎
総義歯7を図7に示す。図7に示されるように記名レジ
ンプレート6の記録面6aは義歯床8内に封止されてい
る。このようにして製造された有床義歯は、気泡等が見
られないため氏名の確認が容易で、良好な審美性を有す
るもので、レジンプレートの変色やクラックが生ぜず強
度の低下がなく、また、レジンプレートの記録用の面が
義歯床内に封止されていることから唾液等と記録面が直
接接触することがなく、記録面が汚染したり、損傷する
恐れがなく、長期にわたり安定して使用できることにな
る。また、義歯床、レジンプレート、接着材の材質が同
一または類似することから咀嚼等によって同様な力学的
挙動をすることになり、耐久性が高い。
【0030】(実施の形態2)図8は、この発明の有床
義歯に使用する所有者識別情報の記録用のレジンプレー
トの他例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、
(c)は側面図である。図8に示すレジンプレート10
は、新しく有床義歯を製造する際に使用するのに適した
ものであり、上面10aに突起11、11が突設されて
おり、側面10bがテーパーとされて、上面10aに対
し下面10cが幾分広く、正面図および側面図において
台形をしており、下面10cを所有者識別情報の記録用
の面として用いる。
【0031】図9は、この発明の有床義歯の重合型を製
造する際に使用するダミープレートの一例を示し、
(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図であ
る。図9に示すダミープレート12は、上記のレジンプ
レート10を用いた有床義歯を製造する際に使用するも
のであり、上面12aに突起13、13が突設されてお
り、側面12bにテーパーが付されて上面12aに対し
下面12cが幾分広く、正面図および側面図において台
形をしており、レジンプレート10と同一形状に成型さ
れている。レジンプレート10の素材は、前記した既製
義歯に使用するレジンプレート1と同様である。ダミー
プレート12の素材は、特に限定されず、レジンプレー
ト10と同一であっても、また、同一でなくてもよく、
透明または半透明である必要はない。レジンプレートと
混同しないようにするため識別用の着色をすることが好
ましい。このレジンプレート10、および、ダミープレ
ート12は、例えば、大、中、小のように複数種を用意
しておき、製造する義歯の義歯床の形状、サイズ等に応
じ、適当なものを選択して使用すればよい。
【0032】以下、PMMAを材料とするレジンプレー
ト10を用いて所有者の氏名が封止された有床義歯の製
造方法の一例を説明する。その他の材料の義歯床と、そ
れに適するレジンプレートを用いた所有者識別情報が密
封された有床義歯の製造については、これに準じて行え
ばよい。
【0033】新しく製造しようとする有床義歯の所有者
の氏名をレジンプレート10に記録するには、先ず、有
床義歯の所有者の氏名を、市販のラベル印字機(例え
ば、商品名:「テプラ」;キングジム社製)を用いて転
写ラベルに正像印字する。これは、前記した既製義歯に
おけると同様である。次いで、図10に示されるよう
に、前記レジンプレート10の記録用の面に歯科用のア
クリル系の常温重合レジン3を薄く筆積みし、転写ラベ
ル2の印字面とレジンプレート10の記録用の面とを重
ね合わせる。そして、図11に示すように専用のクリッ
プ4で突起11、11を避けて両者を挟み、レジンプレ
ート10の記録用の面に転写ラベル2の印字面を圧接
し、筆積みした常温重合レジン3を重合硬化させる。次
いで、転写ラベル2を剥がして、インキをレジンプレー
ト10側に剥離転写させる。これにより、レジンプレー
ト10の記録用の面に所有者の氏名が記録されたことに
なる。その他は、前記した既製義歯におけると同様なこ
とから詳細な説明は省略する。
【0034】図12は、このようにして所有者の氏名が
剥離転写され記録された記名レジンプレート15であっ
て、常温重合レジン3がはみ出して重合硬化したバリを
取り去って整形した状態を示す。図12(a)は平面図
で、レジンプレート10を透過し記録面15aの所有者
の氏名が目視で確認できることを示す。図12(b)は
正面図で、重合硬化した常温重合レジン3は、層状で厚
さが均一で凹凸がなく、常温重合レジン3中にインキが
埋設されていることを示す。
【0035】このようにして得られた記名レジンプレー
ト15を新しく作製する有床義歯の義歯床の適宜位置に
埋入固定し、記名レジンプレート15の記録面15aを
義歯床内に封止する操作手順を、上顎総義歯を例にとっ
て以下に説明する。先ず、通法に従い、上顎の作業模型
16を作製し、該作業模型16上にワックスアップし、
これに人工歯17を排列して蝋義歯18を作製する(図
13参照)。蝋義歯は必要に応じ口腔内試適を行う。そ
して、作業模型16上の蝋義歯18の義歯床18aの舌
側面の適宜位置に、ダミープレート12を埋設する。ダ
ミープレート12は、図13に示すように、突起13お
よび上面12a側を露出するように下面12c側が義歯
床18a内に埋設されるが、その埋設深さは、ダミープ
レート12を記名レジンプレート15に置換する際にダ
ミープレート12を外しやすく、また、研磨、仕上げす
る際に研磨量が多くならないように設定する。次いで、
ダミープレート12とともに蝋義歯18を埋没材により
フラスコ20内で埋没し、ワックスを流蝋して重合型1
9を形成する。図14に、フラスコ埋没し、ワックスを
流蝋した状態を示す。
【0036】そして、ダミープレート12と記名レジン
プレート15とを以下のようにして置換する。すなわ
ち、重合型19を分割して上下の重合型19a、19b
とし、ダミープレート12を重合型19aから分離し、
ダミープレート12の突起による陰型穴21aを有する
レジンプレート設置用凹部21を形成させる。ダミープ
レート12は、上面12aに対し下面12cが幾分広く
台形をしていることから、重合型19aからダミープレ
ート12の分離が容易に行える。そして、通法に従い、
重合型19に分離剤を塗る。次いで、レジンプレート設
置用凹部21の陰型穴21aに記名レジンプレート15
の突起11を位置合わせして係止させ、レジンプレート
設置用凹部21に記名レジンプレート15を設置する。
これにより、記名レジンプレート15の記録面15a
が、重合型19aの表面に露出することになる。図15
はダミープレート12と記名レジンプレート15との置
換直前の状態を示す。
【0037】そして、重合型19内にPMMA系の加熱
重合型餅状レジン23を填入する。この際、記名レジン
プレート15は、重合型19aのレジンプレート設置用
凹部21の陰型穴21aに突起11が位置合わせされて
係止していることから、餅状レジン23の填入により記
名レジンプレート15が横ずれしたり、斜めに傾いた
り、浮き上がったり、餅状レジン23内に巻き込まれた
りすることがない。また、記名レジンプレート15と餅
状レジン23との間には空隙ができることがない。図1
6は、重合型19に餅状レジン23を填入した状態を示
す。次いで、重合型19内で餅状レジン23を加圧し、
加熱重合させ、餅状レジン23を義歯床24とする。そ
の結果、記名レジンプレート15の記録面15aが、義
歯床24内に封止された状態となる。該義歯床24は、
餅状レジン23が重合してPMMA系の樹脂となったも
のであることから、記名レジンプレート15と義歯床2
4との間に空隙が生ずることがなく一体化する。義歯床
24内に埋入固定された記名レジンプレート15は、側
面がテーパーとなっていることから、義歯床24内に機
械的にも固定される。そのため、記名レジンプレート1
5は義歯床24内に強固・確実に埋入固定されることに
なる。
【0038】義歯床24に埋入固定された記名レジンプ
レート15のうち、突起11や記名レジンプレート15
の上面側の露出している部分を義歯床24と面一となる
ように研削、研磨する。図17に完成した所有者の名前
入りの上顎総義歯25を示す。このようにして製造され
た有床義歯は、気泡等が見られず、氏名の確認が容易
で、良好な審美性を有するもので、レジンプレートの変
色やクラックが生ぜず、強度の低下がなく、また、記名
レジンプレートの記録面が強固・確実に義歯床内に封止
されていることから唾液等と記録面が直接接触すること
がなく、記録面が汚染したり損傷する恐れがなく、長期
にわたり安定して使用できることになる。また、義歯
床、レジンプレートの材質が同一または類似することか
ら咀嚼等によって同様な力学的挙動をすることになり、
耐久性が高い。
【0039】以上、重合型に餅状レジンを填入して義歯
床を重合させる方法について説明したが、これに限られ
ず、餅状レジンを加圧流し込み(注入)して義歯床を重
合させる方法等を用いてもよい。また、餅状レジンは加
熱重合型に限られず、マイクロ波重合型、光重合型、常
温重合型等であってもよいものである。さらに、餅状レ
ジンに代え、ペースト状の重合レジンであってもよい。
また、レジンプレート、ダミープレートが突起を有する
ものとして説明したが、突起を有しないものであっても
よく、その場合は、ダミープレートによるレジンプレー
ト設置用凹部の形成のし易さ、レジンプレート設置用凹
部へのレジンプレートの設置の確実さおよび設置のし易
さ、餅状レジンの重合型への填入に伴いレジンプレート
が横ずれしたり、斜めに傾いたり、浮き上がったり、餅
状レジン内に巻き込まれたりしない条件を満たすように
その厚さ、形状等を適宜決定すればよい。
【0040】実施の形態1、実施の形態2で示したレジ
ンプレートに所有者識別情報を直接刻印し、これを記名
レジンプレートとしてもよい。レジンプレートが透明ま
たは半透明であることから、レジンプレートの刻印凹部
に、例えば、オペークモディファイヤー等を充填し、該
モディファイヤーを重合・硬化させて、刻印凹部に着色
すると、レジンプレートを透過して所有者識別情報の判
読が容易となるとともに商品価値の高い立体的にも視認
されるものが容易かつ確実に提供できる。
【0041】(実施の形態3)実施の形態1で示したレ
ジンプレート1に所有者の氏名を刻印し、記名レジンプ
レートを得るには、例えば、以下のようにすればよい。
先ず、図18に示すように、片面に粘着層を有する透明
シート31の非粘着面に所有者の氏名を記載する。所有
者の氏名の記載は、手書きでもよいが、適宜のプリンタ
ー等によって行ってもよい。次いで、所有者の氏名が記
載された透明シート31をレジンプレート1の上面1b
に貼り付ける。透明シート31をレジンプレート1に貼
り付けた後に、所有者の氏名を記載してもよい。図19
は、透明シート31が貼り付けられたレジンプレート1
が、刻印のため上下逆にされた状態を示している。図1
9に示されるように、レジンプレート1の記録用の面で
ある下面1c側から、レジンプレート1を透過して透明
シート31に記載された所有者の氏名が鏡文字として確
認できる。
【0042】そして、例えば、歯科用研削(切削)工具
によって、レジンプレート1を透過して見える鏡文字を
なぞって、レジンプレート1の記録用の面に所有者の氏
名を刻印する。図20に所有者の氏名が刻印されたレジ
ンプレート1Aを示す。このようにして得られたレジン
プレート1Aの刻印された面を清掃した後、刻印凹部3
2に、例えば、光硬化性のオペークモディファイヤー3
3を充填し、光照射して重合硬化させる。硬化後、オペ
ークモディファイヤー33の余剰部分は研磨等により除
去し、透明シート31を剥離して記名レジンプレート1
Bを完成させる。透明シートの剥離時期は、所有者の氏
名刻印後であれば特に限定されるものではない。図21
にオペークモディファイヤー33が硬化し、所有者の氏
名が記録された記名レジンプレート1Bを示す。該記名
レジンプレート1Bを既製の有床義歯の義歯床の適宜位
置に埋入固定し、記名レジンプレート1Bの記録面1e
を義歯床に封止する操作手順は実施の形態1と同様なこ
とから、レジンプレート1Bを既製の有床義歯の義歯床
に埋入固定する操作手順を、上顎総義歯を例に図22の
工程図で示し、詳細な説明は省略する。
【0043】図22の工程図に従って作製された上顎総
義歯34を図23に示す。このようにして製造された有
床義歯は、気泡等が見られず、氏名の確認が容易で、良
好な審美性を有するもので、レジンプレートの変色やク
ラックが生ぜず、強度の低下がなく、また、記名レジン
プレートの記録面が強固・確実に義歯床内に封止されて
いることから唾液等と記録面が直接接触することがな
く、記録面が汚染したり損傷する恐れがなく、長期にわ
たり安定して使用できることになる。また、義歯床、レ
ジンプレートの材質が同一または類似することから咀嚼
等によって同様な力学的挙動をすることになり、耐久性
が高い。レジンプレートへの所有者の氏名の刻印は、前
記した方法に限定されるものではなく、例えば、レジン
プレートに直接油性ペン等で所有者の氏名を記載し、こ
れに基づき、記録用の面に刻印してもよい。レジンプレ
ートに油性ペン等で記載した所有者の氏名は、アルコー
ル等適宜の溶媒で拭き取ったりすればよい。また、透明
シートは、剥離紙上に粘着層を介して仮固定されている
ものであってもよい。
【0044】(実施の形態4)実施の形態2で示したレ
ジンプレート10に所有者の氏名を刻印し、記名レジン
プレートを得るには、例えば、以下のようにすればよ
い。先ず、図18に示すように片面に粘着層を有する透
明シート31の非粘着面に所有者の氏名を記載する。次
いで、所有者の氏名が記載された透明シート31をジグ
36に貼り付ける。図24は、透明シート31が貼り付
けられたジグ36を示し、所有者の氏名はジグを透過し
て鏡文字として確認される。このため、ジグ36には、
透明性が高く、レジンプレート10と屈折率が同等な材
料が使用され、レジンプレート10の突起を係止する逃
孔36a、36aが穿設されている。次いで、該ジグ3
6の逃孔36a、36aにレジンプレート10の突起1
1、11を挿入し、レジンプレート10を係止する。そ
して、例えば、歯科用研削(切削)工具によって、レジ
ンプレート10およびジグ36を透過して見える鏡文字
をなぞって、レジンプレート10の記録用の面に所有者
の氏名を刻印する。図25に、ジグ36上で所有者の氏
名が刻印されたレジンプレート10Aを示す。
【0045】このようにして得られたレジンプレート1
0Aの刻印された面を清掃した後、刻印凹部37に、例
えば、光硬化性のオペークモディファイヤー38を充填
し、光照射して重合硬化させる。硬化後、オペークモデ
ィファイヤー38の余剰部分は研磨等により除去し、透
明シート31ごとジグ36を取り外して記名レジンプレ
ート10を完成させる。図26にオペークモディファイ
ヤー38が硬化し、所有者の氏名が記録された記名レジ
ンプレート10Bを示す。なお、ジグ36を用いず、透
明シート31を裏返し、レジンプレート10の突起1
1、11の先端を透明シート31の粘着層と当接させ
て、レジンプレート10を透過して見える鏡文字をなぞ
って、レジンプレート10の記録用の面に所有者の氏名
を刻印するようにしてもよいことはいうまでもない。該
記名レジンプレート10Bを新しく作製する有床義歯の
義歯床の適宜位置に埋入固定し、記名レジンプレート1
0Bの記録面10eを義歯床に封止する操作手順は実施
の形態2と同様なことから、レジンプレート10Bを新
しく作製する有床義歯の義歯床に埋入固定する操作手順
を、上顎総義歯を例に図27の工程図で示し、詳細な説
明は省略する。
【0046】図27の工程図に従って作製された上顎総
義歯39を図28に示す。このようにして製造された有
床義歯は、気泡等が見られず、氏名の確認が容易で、良
好な審美性を有するもので、レジンプレートの変色やク
ラックが生ぜず、強度の低下がなく、また、記名レジン
プレートの記録面が強固・確実に義歯床内に封止されて
いることから唾液等と記録面が直接接触することがな
く、記録面が汚染したり損傷する恐れがなく、長期にわ
たり安定して使用できることになる。また、義歯床、レ
ジンプレートの材質が同一または類似することから咀嚼
等によって同様な力学的挙動をすることになり、耐久性
が高い。
【0047】(実施の形態5)図29は、この発明の有
床義歯に使用する所有者識別情報が刻印された金属シー
ト接着レジンプレートの一例であって、既製の有床義歯
に使用するのに適したものとして示している。ここで使
用するレジンプレート1は、実施の形態1において図1
に示したと同様の構造ものが使用されており、以下にお
いては、図1におけると同一の番号を付して、説明を省
略する。金属シート接着レジンプレート41は、レジン
プレート1の下面1cと金属シート42の刻印面42a
側とが接着材層43を介して接着され、レジンプレート
1を透過して、所有者識別情報が目視で確認できるよう
になっている。刻印面は、所有者識別情報が正像として
刻印された面であり、図29における金属シート42に
施された刻印は、凹刻されたものとして示されている。
【0048】金属シートとしては、歯科用のNi−Cr
合金、銀合金、コバルトクロム合金、チタン合金等から
なる金属をシートとしたものが使用できる。金属シート
への刻印は、例えば、歯科用エングレバー器、テープラ
イターのような市販の刻印器等によって行えばよい。歯
科用エングレバー器(キクタニ社製が例示できる。)に
よれば、所有者識別情報は金属シート42に、正像とし
て凹刻された面が刻印面となる。また、テープライター
のような市販の刻印器(三菱uni;三菱鉛筆社製が例
示できる。)では、金属シート45に所有者識別情報を
エンボスさせて得られた凸面側が正像であって、該凸面
が刻印面45aとなる。図30にテープライターのよう
な市販の刻印器によって刻印された金属シート45がレ
ジンプレート1に接着された金属シート接着レジンプレ
ート46を示す。なお、エッチングによって金属シート
に刻印をするようにしてもよいことはいうまでもない。
所有者識別情報を氏名とし、PMMAを材料とするレジ
ンプレート1を使用して、図29に示された金属シート
接着レジンプレート41を用いた有床義歯の製造方法の
一例を、以下、説明する。図30に示された金属シート
接着レジンプレートを用いた有床義歯の製造について
は、これに準じて行えばよい。
【0049】既製の有床義歯の所有者の氏名を、歯科用
エングレバー器によって、金属シートに正像刻印する。
図31に所有者の氏名が刻印された金属シート42の刻
印面側からの平面図を示す。そして、金属シート42の
刻印面42aを脱脂し、金属接着用プライマーで処理す
る。次いで、レジンプレート1の下面1cに接着材層と
なる歯科用のアクリル系の常温重合レジン3を薄く筆積
みし(図32参照)、金属シート42の刻印面42aと
重ね合わせる。そして、図33に示されるように、専用
のクリップ4で両者を挟み、常温重合レジン3を重合硬
化させることで、金属シート42とレジンプレート1と
を接着させる。次いで、金属シート42をトリミングし
て図29に示す金属シート接着レジンプレートを得る。
ここで使用する専用のクリップは、実施の形態1におけ
ると同様な構造のものでよいが、金属シートが磁性のも
のの場合、下方支持板4aの裏面に磁石を取り付けたク
リップを用いると、該磁石の作用により金属シートを下
方支持板の表面に磁気的に吸着でき、常温重合レジンを
筆積みしたレジンプレート1と金属シート42との重ね
合わせが容易に行えることになる。
【0050】このようにして得られた金属シート接着レ
ジンプレート41を既製の有床義歯の義歯床の適宜位置
に埋入固定する操作手順は、義歯床の舌側面を削除し
て、側壁がテーパーとなった断面逆台形の金属シート接
着レジンプレート埋入用凹部を形成し、金属シート接着
レジンプレート41の金属シート42の外表面を金属接
着用プライマーで処理する以外は、実施の形態1と同様
である。そこで、金属シート接着レジンプレート41を
既製の有床義歯の義歯床に埋入固定する操作手順を、上
顎総義歯を例に図34の工程図で示し、詳細な説明は省
略する。
【0051】図34の工程図に従って作製された上顎総
義歯47を図35に示す。図35に示されるように金属
シート接着レジンプレート41の金属シート42が義歯
床48内に封止されている。このようにして製造された
有床義歯は、気泡等が見られないため金属シート42に
刻印された氏名をレジンプレート1を透し外側から容易
に確認でき、良好な審美性を有するもので、レジンプレ
ートの変色やクラックが生ぜず強度の低下がなく、ま
た、金属シート42が義歯床内に封止されていることか
ら唾液等と刻印面が直接接触することがなく、刻印面が
汚染する恐れがなく、長期にわたり安定して使用できる
ことになる。そして、不幸にして、身体が焼失するよう
な大災害、事故に遭遇した場合において、義歯床が焼失
しても義歯床の焼失後も所有者識別情報が刻印された金
属シートが残存することから、個人識別が可能となる。
【0052】(実施の形態6)図36は、金属シート接
着レジンプレート51の他例であって、新しく有床義歯
を製造する際に使用するのに適したものとして示してい
る。ここで使用するレジンプレート10は、実施の形態
2において図8に示したと同様な構造のものが使用され
ており、以下においては、図8におけると同一の番号を
付して、詳細な説明は省略する。また、金属シート42
は、図29におけると同様に、所有者識別情報が凹刻さ
れたものとして示している。
【0053】所有者識別情報を氏名とし、PMMAを材
料とするレジンプレート10を使用して、有床義歯の所
有者の氏名が刻印された金属シート接着レジンプレート
51を実施の形態5と同様にして作製する。得られた金
属シート接着レジンプレート51を新しく作製する有床
義歯の義歯床の適宜位置に埋入固定する操作手順は、金
属シート接着レジンプレート51の金属シート42の外
表面に金属接着用プライマーで処理する以外は、実施の
形態2と同様である。そこで、金属シート接着レジンプ
レート51を新しく製造しようとする有床義歯の義歯床
に埋入固定する操作手順を、上顎総義歯を例に図37の
工程図で示し、詳細な説明は省略する。
【0054】図37の工程図に従って作製された上顎総
義歯52を図38に示す。該上顎総義歯52は、金属シ
ート接着レジンプレート51の金属シート42が義歯床
53内に封止された状態となっており、義歯床53内に
埋入固定された金属シート接着レジンプレート51は、
金属シート42、レジンプレート10とが義歯床と一体
化して結合するとともに、側面がテーパーとなっている
ことから、義歯床53内に機械的にも固定されることに
なる。
【0055】また、このようにして製造された有床義歯
は、気泡等が見られないため、金属シート42に刻印さ
れた氏名をレジンプレート10を透し外側から容易に確
認でき、良好な審美性を有するもので、レジンプレート
の変色やクラックが生ぜず強度の低下がなく、また、金
属シート42が義歯床内に封止されていることから唾液
等と刻印面が直接接触することがなく、刻印面が汚染す
る恐れがなく、長期にわたり安定して使用できることに
なる。そして、不幸にして、身体が焼失するような大災
害、事故に遭遇した場合において、義歯床が焼失しても
義歯床の焼失後も所有者識別情報が刻印された金属シー
トが残存することから、個人識別が可能となる。
【0056】以上、重合型に餅状レジンを填入して義歯
床を重合させる方法について説明したが、これに限られ
ず、餅状レジンを加圧流し込み(注入)して義歯床を重
合させる方法等を用いてもよいことは、実施の形態2と
同様である。また、餅状レジンは加熱重合型に限られ
ず、マイクロ波重合型、光重合型、常温重合型等であっ
てもよいことも、実施の形態2と同様である。さらに、
餅状レジンに代え、ペースト状の重合レジンであっても
よいことも、実施の形態2と同様である。レジンプレー
ト、ダミープレートが突起を有するものとして説明した
が、突起を有しないものであってもよいことも、実施の
形態2と同様である。テープライターのような市販の刻
印器によって刻印された金属シートがレジンプレートに
接着された金属シート接着レジンプレートを用いた有床
義歯の製造は、これに準じて行えばよい。
【0057】
【実施例】次に、実施例を示し、さらに詳細に、この発
明を説明する。もちろん、この発明は以下の実施例によ
って限定されるものではない。
【0058】(実施例1)実施の形態1において説明し
た方法に従い、記名レジンプレートをPMMA系義歯床
を有する既製の上顎総義歯の義歯床の舌側面に形成した
レジンプレート埋入用凹部に接着材で埋入固定し、レジ
ンプレートの記録面を義歯床内に封止した。ここにおい
て、レジンプレートには、PMMAを使用した。なお、
レジンプレートの透過率は、49%である。転写ラベル
は、市販のラベル印字機(商品名;テプラ、キングジム
社製)を使用して作製し、PMMA系の常温重合レジン
(商品名;ユニファストII、ジーシー社製)を用いて
レジンプレートに筆積みを行い、記名レジンプレートを
作製した。義歯床への記名レジンプレートの接着材に
は、PMMA系の常温重合レジン(商品名;ユニファス
トII、ジーシー社製)を用いた。記名レジンプレート
が義歯床に埋入固定された上顎総義歯は、気泡等が見ら
れず、氏名の確認が容易で、良好な審美性を有してい
た。そして、7ヶ月間通常に使用したが、レジンプレー
トの変色やクラックが生ぜず強度の低下がなく、また、
唾液等と記録された面が直接接触せず、記録された面が
汚染したり、損傷したりせず、安定して使用できた。記
名レジンプレートと義歯床のレジンプレート埋入用凹部
との接着不良による剥離も生じなかった。
【0059】(実施例2)実施の形態2において説明し
た方法に従い、突起を有するレジンプレートとダミープ
レートを用いて、PMMA系義歯床の舌側面に記名レジ
ンプレートを埋入固定した上顎総義歯を製造した。ここ
において、レジンプレートとダミープレートには、PM
MAを使用した。該PMMAは、実施例1において用い
たと同一透過率のものである。記名レジンプレートは、
実施例1と同様にして製作したことから、詳細な説明は
省略する。義歯床には、MMAと粉末のPMMAを用い
た加熱重合型餅状レジン(商品名;アクロン、ジーシー
社製)を使用した。記名レジンプレートが義歯床に埋入
固定された上顎総義歯は、気泡等が見られず、氏名の確
認が容易で、良好な審美性を有していた。そして、7ヶ
月間通常に使用したが、レジンプレートの変色やクラッ
クが発生せず強度の低下がなく、また、唾液等と記録面
が直接接触せず、記録面が汚染したり、損傷したりせ
ず、安定して使用できた。記名レジンプレートと義歯床
のレジンプレート設置用凹部との接着不良による剥離も
生じなかった。
【0060】(実施例3)実施の形態3において説明し
た方法に従い、記名レジンプレートをPMMA系義歯床
を有する既製の上顎総義歯の義歯床の舌側面に形成した
レジンプレート埋入用凹部に接着材で埋入固定し、レジ
ンプレートの記録面を義歯床内に封止した。ここにおい
て、レジンプレートには、PMMAを使用した。該PM
MAは、実施例1において用いたと同一透過率のもので
ある。記名レジンプレートは以下のようにして作製し
た。すなわち、先ず、レジンプレートの上面にセロファ
ンテープ(登録商標)を貼り付け、該テープに油性ペン
で所有者の氏名を記載した。そして、レジンプレートを
上下逆にし、レジンプレートを透過して氏名を見ながら
記録面にポイントで氏名を鏡文字で刻印した。次いで、
記録面を清掃した後、光硬化性のオペークモディファイ
ヤー(商品名アクシスオペークモディファイヤー;ジー
シー社製)を刻印凹部に充填し、光照射して重合硬化さ
せ、硬化後、その余剰部分は研磨して除去し、セロファ
ンテープは剥離した。義歯床への前記記名レジンプレー
トの接着材には、PMMA系の常温重合レジン(商品
名;ユニファストII、ジーシー社製)を用いた。記名
レジンプレートが義歯床に埋入固定された上顎総義歯
は、気泡等が見られず、氏名の確認が容易で、良好な審
美性を有していた。そして、7ヶ月間通常に使用した
が、レジンプレートの変色やクラックが生ぜず強度の低
下がなく、また、唾液等と記録された面が直接接触せ
ず、記録された面が汚染したり、損傷したりせず、安定
して使用できた。記名レジンプレートと義歯床のレジン
プレート埋入用凹部との接着不良による剥離も生じなか
った。
【0061】(実施例4)実施の形態4において説明し
た方法に従い、突起を有するレジンプレートとダミープ
レートを用いて、PMMA系義歯床の舌側面に記名レジ
ンプレートを埋入固定した上顎総義歯を製造した。ここ
において、レジンプレート、ジグ、および、ダミープレ
ートには、PMMAを使用した。該PMMAは、実施例
1において用いたと同一透過率のものである。記名レジ
ンプレートは以下のようにして作製した。すなわち、先
ず、セロファンテープ(登録商標)に油性ペンで所有者
の氏名を記載し、氏名が鏡文字となって確認できるよう
にジグの下面に貼り付けた。そして、レジンプレートの
突起をジグの逃孔に挿入して、レジンプレートをジグに
係止し、レジンプレートおよびジグを透過して氏名を見
ながら記録面にポイントで氏名を鏡文字で刻印した。次
いで、記録面を清掃した後、光硬化性のオペークモディ
ファイヤー(商品名アクシスオペークモディファイヤ
ー;(株)ジーシー製)を刻印凹部に充填し、光照射し
て重合硬化させ、硬化後、その余剰部分は研磨して除去
し、セロファンテープごとジグを取り外した。義歯床に
は、MMAと粉末のPMMAを用いた加熱重合型餅状レ
ジン(商品名;アクロン、ジーシー社製)を使用した。
記名レジンプレートが義歯床に埋入固定された上顎総義
歯は、気泡等が見られず、氏名の確認が容易で、良好な
審美性を有していた。そして、7ヶ月間通常に使用した
が、レジンプレートの変色やクラックが生ぜず強度の低
下がなく、また、唾液等と記録された面が直接接触せ
ず、記録された面が汚染したり、損傷したりせず、安定
して使用できた。記名レジンプレートと義歯床のレジン
プレート設置用凹部との接着不良による剥離も生じなか
った。
【0062】(実施例5)実施の形態5の方法に従い金
属シート接着レジンプレートを作製し、PMMA系義歯
床を有する既製の上顎総義歯の義歯床の舌側面に形成し
た金属シート接着レジンプレート埋入用凹部に、前記金
属シート接着レジンプレートを接着材で埋入固定し、金
属シートを義歯床内に封止した。ここにおいて、金属シ
ートとして、歯科用Ni−Cr合金板(商品名;サンプ
ラチナレスト板、三金工業社製)に歯科用エングレバー
器(キクタニ社製)によって患者の氏名を正像凹刻した
ものを使用した。レジンプレートには、PMMAを使用
した。該PMMAは、実施例1において用いたと同一透
過率のものである。金属シート接着レジンプレートは、
前記金属シートの刻印面を脱脂し、金属接着用プライマ
ー(商品面;メタルプライマーII:ジーシー社製)に
よりプライマー処理し、PMMA系の常温重合レジン
(商品名;ユニファストII、ジーシー社製)を用いて
レジンプレートに筆積みして作製した。なお、ここで用
いる金属接着用プライマーであるメタルプライマーII
は、金属接着性モノマーであるチオリン酸系メタクリレ
ート(MEPS)を配合したプライマーである。作製し
た金属シート接着レジンプレートの金属シートの外表面
を前記と同様にプライマー処理し、金属シート接着レジ
ンプレート埋入用凹部に、前記金属シート接着レジンプ
レートを接着した。接着材には、PMMA系の常温重合
レジン(商品名;ユニファストII、ジーシー社製)を
用いた。
【0063】金属シート接着レジンプレートが義歯床に
埋入固定された上顎総義歯は、気泡等が見られず、金属
シートに刻印された氏名をレジンプレートを透し外側か
ら容易に確認でき、また、良好な審美性を有していた。
そして、7ヶ月間通常に使用したが、レジンプレートの
変色やクラックが発生せず強度の低下がなく、また、金
属シートが義歯床内に封止されていることから唾液等と
刻印面が直接接触することがなく、刻印面が汚染する恐
れがなく、長期にわたり安定して使用できた。金属シー
ト接着レジンプレートと義歯床の金属シート接着レジン
プレート埋入用凹部との接着不良による剥離も生じなか
った。なお、別途製作した金属シート接着レジンプレー
トを電気炉中において、800℃、30分間焼却試験し
た。レジンプレートは燃焼したが、金属シートは灰色に
変色した酸化膜ができた程度であって、刻印された氏名
は明瞭に識別することができた。なお、金属シートの材
料の歯科用Ni−Cr合金の融点は、1450℃であ
る。
【0064】(実施例6)実施の形態6に説明した方法
に従い、突起を有するレジンプレートとダミープレート
を用いて、PMMA系義歯床の舌側面に金属シート接着
レジンプレートを埋入固定した上顎総義歯を製造した。
ここにおいて、レジンプレートとダミープレートには、
PMMAを使用した。該PMMAは、実施例1において
用いたと同一透過率のものである。金属シート接着レジ
ンプレートは、実施例5と同様にして作製した。義歯床
には、MMAと粉末のPMMAを用いた加熱重合型餅状
レジン(商品名;アクロン、ジーシー社製)を使用し
た。作製した金属シート接着レジンプレートの金属シー
トの外表面を実施例3と同一の金属接着用プライマーで
プライマー処理した。
【0065】得られた上顎総義歯は、気泡等が見られ
ず、金属シートに刻印された氏名をレジンプレートを透
し外側から容易に確認でき、また、良好な審美性を有し
ていた。そして、7ヶ月間通常に使用したが、レジンプ
レートの変色やクラックが発生せず強度の低下がなく、
また、金属シートが義歯床内に封止されていることから
唾液等と刻印面が直接接触することがなく、刻印面が汚
染する恐れがなく、長期にわたり安定して使用できた。
金属シート接着レジンプレートと義歯床の金属シート接
着レジンプレート設置用凹部との接着不良による剥離も
生じなかった。
【0066】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、この発明に
よれば以下のような顕著な作用・効果を得ることができ
る。すなわち、レジンプレートを使用する第1の発明に
おいては、介護施設等において、介護等を受ける高齢者
が使用する全部床義歯や部分床義歯の所有者識別情報の
確認が容易であって、見栄えがよく、義歯床の変色やク
ラックが生ぜず、強度の低下が長期にわたって生じるこ
とのない有床義歯を安価に得ることができる。また、金
属シート接着レジンプレートを使用する第2の発明にお
いては、介護施設等において、介護等を受ける高齢者が
使用する全部床義歯や部分床義歯の所有者識別情報の確
認が容易であって、見栄えがよく、義歯床の変色やクラ
ックが発生せず、強度の低下が長期にわたって生じるこ
とのない有床義歯を安価に得ることができるとともに、
不幸にして、身体が焼失するような大災害、事故に遭遇
した場合においても、義歯床の焼失後も所有者識別情報
が刻印された金属シートが残存することから、個人識別
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の有床義歯に使用する所有者識別情報
の記録用レジンプレートの一例であり、(a)は平面
図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図2】所有者の氏名が印字された転写ラベルを示す。
【図3】図1のレジンプレートに所有者識別情報を記録
する際の筆積み操作の説明図である。
【図4】図1のレジンプレートに所有者識別情報を記録
する際の転写操作の説明図である。
【図5】所有者識別情報が記録された状態の図1のレジ
ンプレートを示し、(a)は平面図、(b)は正面図で
ある。
【図6】上顎総義歯の断面の概略図であり、(a)はレ
ジンプレート埋入用凹部を設けた状態を示し、(b)は
レジンプレートが埋入された状態を示す。
【図7】図5のレジンプレートを用いた上顎総義歯の概
略図である。
【図8】この発明の有床義歯に使用する所有者識別情報
の記録用レジンプレートの他例の、(a)は平面図、
(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図9】この発明の有床義歯の重合型を製造する際に使
用するダミープレートの一例の、(a)は平面図、
(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図10】図8のレジンプレートに所有者識別情報を記
録する際の筆積み操作の説明図である。
【図11】図8のレジンプレートに所有者識別情報を記
録する際の転写操作の説明図である。
【図12】所有者識別情報が記録された状態の図8のレ
ジンプレートを示し、(a)は平面図、(b)は正面図
である。
【図13】図9に示すダミープレートを上顎蝋義歯に埋
設した状態の説明図である。
【図14】図13に示す蝋義歯をフラスコ埋没し、流蝋
した状態を示す説明図である。
【図15】ダミープレートと図12のレジンプレートと
を置換する説明図である。
【図16】図15の置換操作に続き重合型内に餅状レジ
ンが填入された状態を示す説明図である。
【図17】図12のレジンプレートを用いた上顎総義歯
の概略図である。
【図18】この発明に使用する所有者識別情報が記載さ
れた透明シートの一例を示す平面図である。
【図19】図18に示す透明シートの所有者識別情報が
図1のレジンプレートを透過して鏡文字として認識され
る状態を示す、(a)は平面図、(b)は正面図であ
る。
【図20】所有者識別情報が刻印された状態を示すレジ
ンプレートの正面図である。
【図21】オペークモディファイヤーがレジンプレート
の刻印凹部に充填されて硬化した状態を示す記名レジン
プレートの正面図である。
【図22】図21のレジンプレートを既製の上顎総義歯
に埋入固定する工程図である。
【図23】図21のレジンプレートを用いた上顎総義歯
の概略図である。
【図24】図18に示す透明シートの所有者識別情報が
ジグを透過して鏡文字として認識される状態を示す平面
図である。
【図25】ジグ上でレジンプレートに所有者識別情報が
刻印された状態を示す正面図である。
【図26】図25に示すレジンプレートの刻印凹部にオ
ペークモディファイヤーが充填されて硬化した状態を示
す正面図である。
【図27】図26のレジンプレートを新しく製造する上
顎総義歯に埋入固定する工程図である。
【図28】図26のレジンプレートを用いた上顎総義歯
の概略図である。
【図29】この発明の有床義歯に使用する所有者識別情
報が刻印された金属シート接着レジンプレートの一例
で、(a)は平面図、(b)はX−X線端面図である。
【図30】この発明の有床義歯に使用する所有者識別情
報が刻印された金属シート接着レジンプレートの他例
で、(a)は平面図、(b)はY−Y線端面図である。
【図31】この発明に使用する所有者識別情報が刻印さ
れた金属シートの一例の平面図である。
【図32】図29の金属シート接着レジンプレートを作
製する際のレジンプレートに筆積みする操作の説明図で
ある。
【図33】図29の金属シート接着レジンプレートを作
製する際の接着操作の説明図である。
【図34】図29の金属シート接着レジンプレートを既
製の上顎総義歯に埋入固定する工程図である。
【図35】図29の金属シート接着レジンプレートを用
いた上顎総義歯の概略図である。
【図36】この発明の有床義歯に使用する所有者識別情
報が刻印された金属シート接着レジンプレートのさらに
他例で、(a)は平面図、(b)はZ−Z線端面図であ
る。
【図37】図36の金属シート接着レジンプレートを新
しく製造する上顎総義歯に埋入固定する工程図である。
【図38】図36の金属シート接着レジンプレートを用
いた上顎総義歯の概略図である。
【符号の説明】
1、10 レジンプレート 2 転写ラベル 4 クリップ 6、15 記名レジンプレート 12 ダミープレート 41、51 金属シート接着レジンプレート 42 金属シート

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所有者識別情報を記録した透明または半
    透明のレジンプレートが、該レジンプレートを透過して
    所有者識別情報が判読可能となる方向で義歯床の所定位
    置に埋入固定されてなることを特徴とする有床義歯。
  2. 【請求項2】 所有者識別情報を記録した透明または半
    透明のレジンプレートを、該レジンプレートを透過して
    所有者識別情報が判読可能となる方向で義歯床の所定位
    置に埋入固定することを特徴とする有床義歯の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 義歯床の所定位置に形成されたレジンプ
    レート埋入用凹部に、前記レジンプレートを透過して所
    有者識別情報が判読可能となる方向で前記レジンプレー
    トを埋入し、接着材で固定することを特徴とする請求項
    2記載の有床義歯の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記レジンプレートを重合型に設けたレ
    ジンプレート設置用凹部に設置し、次いで、前記重合型
    内に餅状レジンを填入し、該餅状レジンを重合させ、前
    記レジンプレートを透過して所有者識別情報が判読可能
    となる方向で前記レジンプレートを義歯床に埋入固定す
    ることを特徴とする請求項2記載の有床義歯の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 人工歯が排列された蝋義歯の義歯床の所
    定位置にダミープレートを埋設し、該ダミープレートと
    ともに前記蝋義歯を埋没材でフラスコ埋没し、ワックス
    を流蝋して重合型を形成し、重合型よりダミープレート
    を分離してレジンプレート設置用凹部を形成させ、該凹
    部に前記レジンプレートを設置し、次いで、重合型内に
    餅状レジンを填入し、該餅状レジンを重合させ、前記レ
    ジンプレートを透過して所有者識別情報が判読可能とな
    る方向で前記レジンプレートを義歯床に埋入固定するこ
    とを特徴とする請求項2記載の有床義歯の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ダミープレートの埋没材側には突起
    が設けられ、前記レジンプレートの所有者識別情報を記
    録した面の反対面にはダミープレートと同一箇所に同一
    形状の突起が設けられており、ダミープレートを重合型
    より分離してダミープレートの突起による陰型穴を有す
    るレジンプレート設置用凹部を形成させ、前記陰型穴に
    前記レジンプレートの突起を位置合わせして係止させ、
    前記凹部にレジンプレートを設置することを特徴とする
    請求項5記載の有床義歯の製造方法。
  7. 【請求項7】 レジンプレートが、前記義歯床と同一レ
    ジンからなることを特徴とする請求項2、3、4、5ま
    たは6記載の有床義歯の製造方法。
  8. 【請求項8】 レジンプレートに筆積みされた重合レジ
    ンの重合硬化により、所有者識別情報を印字した転写ラ
    ベル表面から所有者識別情報が剥離転写されてレジンプ
    レートに記録されることを特徴とする請求項2、3、
    4、5、6または7記載の有床義歯の製造方法。
  9. 【請求項9】 レジンプレートに所有者識別情報が刻印
    されて形成された刻印凹部にオペークモディファイヤー
    が充填され、該モディファイヤーの重合硬化により、所
    有者識別情報がレジンプレートに記録されることを特徴
    とする請求項2、3、4、5、6または7記載の有床義
    歯の製造方法。
  10. 【請求項10】 透明または半透明のレジンが所定形状
    のプレートに成型され、所有者識別情報の記録用の面が
    形成されてなることを特徴とするレジンプレート。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のレジンプレートと同
    一形状であることを特徴とするダミープレート。
  12. 【請求項12】 所有者識別情報が刻印された金属シー
    トを透明または半透明のレジンプレートに接着した金属
    シート接着レジンプレートが、前記レジンプレートを透
    過して所有者識別情報が判読可能となる方向で義歯床の
    所定位置に埋入固定されてなることを特徴とする有床義
    歯。
  13. 【請求項13】 所有者識別情報が刻印された金属シー
    トを透明または半透明のレジンプレートに接着した金属
    シート接着レジンプレートを、前記レジンプレートを透
    過して所有者識別情報が判読可能となる方向で義歯床の
    所定位置に埋入固定することを特徴とする有床義歯の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 義歯床の所定位置に形成された前記金
    属シート接着レジンプレート埋入用凹部に、前記レジン
    プレートを透過して所有者識別情報が判読可能となる方
    向で前記金属シート接着レジンプレートを埋入し、接着
    材で固定することを特徴とする請求項13記載の有床義
    歯の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記金属シート接着レジンプレートを
    重合型に設けた前記金属シート接着レジンプレート設置
    用凹部に設置し、次いで、前記重合型内に餅状レジンを
    填入し、該餅状レジンを重合させ、前記レジンプレート
    を透過して所有者識別情報が判読可能となる方向で前記
    金属シート接着レジンプレートを埋入固定することを特
    徴とする請求項13記載の有床義歯の製造方法。
  16. 【請求項16】 人工歯が排列された蝋義歯の義歯床の
    所定位置にダミープレートを埋設し、該ダミープレート
    とともに前記蝋義歯を埋没材でフラスコ埋没し、ワック
    スを流蝋して重合型を形成し、重合型よりダミープレー
    トを分離して金属シート接着レジンプレート設置用凹部
    を形成させ、該凹部に前記金属シート接着レジンプレー
    トを設置し、次いで、重合型内に餅状レジンを填入し、
    該餅状レジンを重合させ、前記レジンプレートを透過し
    て所有者識別情報が判読可能となる方向で前記金属シー
    ト接着レジンプレートを埋入固定することを特徴とする
    請求項13記載の有床義歯の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記ダミープレートの埋没材側には突
    起が設けられ、前記金属シート接着レジンプレートの金
    属シートを接着した面の反対面にはダミープレートと同
    一箇所に同一形状の突起が設けられており、ダミープレ
    ートを重合型より分離してダミープレートの突起による
    陰型穴を有する金属シート接着レジンプレート設置用凹
    部を形成させ、前記陰型穴に前記金属シート接着レジン
    プレートの突起を位置合わせして係止させ、前記凹部に
    金属シート接着レジンプレートを設置することを特徴と
    する請求項16記載の有床義歯の製造方法。
  18. 【請求項18】 レジンプレートが、前記義歯床と同一
    レジンからなることを特徴とする請求項13、14、1
    5、16または17記載の有床義歯の製造方法。
  19. 【請求項19】 所有者識別情報が刻印された金属シー
    トをレジンプレートに筆積みされた重合レジンに重ね、
    該重合レジンを重合硬化させて、前記金属シートとレジ
    ンプレートとを接着して金属シート接着レジンプレート
    とすることを特徴とする請求項13、14、15、1
    6、17または18記載の有床義歯の製造方法。
  20. 【請求項20】 透明または半透明のレジンが所定形状
    のプレートに成型され、所有者識別情報が刻印された金
    属シートとの接着用の面が形成されてなることを特徴と
    するレジンプレート。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の金属シート接着レジ
    ンプレートと同一形状であることを特徴とするダミープ
    レート。
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KR101903962B1 (ko) 2017-02-20 2018-10-04 한훈섭 틀니 착용자의 생체 특성 확인용 타액 측정체와 정보식별체의 틀니 매립방법

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