JP2001340062A - γ−アミノ酪酸を含有するイネ科植物の乾燥緑葉粉末の製造方法 - Google Patents

γ−アミノ酪酸を含有するイネ科植物の乾燥緑葉粉末の製造方法

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Shinji Tsuzaki
慎二 津崎
Kinya Takagaki
欣也 高垣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 γ−アミノ酪酸を保持するイネ科植物緑葉の
乾燥緑葉粉末を提供すること。 【解決手段】 a)酸素核磁気共鳴スペクトルのピーク
の半値幅が90Hz以下の水を用いてイネ科植物の緑葉
をブランチングする工程;b)ブランチングしたイネ科
植物の緑葉を冷却する工程;c)得られたイネ科植物の
緑葉を乾燥する工程;およびd)乾燥したイネ科植物の
緑葉を粉砕する工程;を包含する方法でγ−アミノ酪酸
を20mg/100g以上含有しているイネ科植物の乾
燥緑葉粉末が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、γ−アミノ酪酸
(以下、GABAということがある)、ビタミン類を高
濃度で含有するイネ科植物の乾燥緑葉粉末およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イネ科植物の緑葉、例えば麦若葉は、ビ
タミン類、不溶性食物繊維に富み、有害物質の吸着、腸
内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値
の急上昇防止、スーパーオキサイドディスムターゼ(S
OD)を活性化するなどの効果を有する健康食品として
注目を浴びている。
【0003】ところで、この麦若葉には、GABAが乾
燥重量換算で約100〜500mg/100g程度含ま
れていることが、本発明者らにより見出された。GAB
Aは血圧降下作用を有することから、高血圧の人が、麦
若葉をそのまま食べれば血圧降下作用が期待できる。
【0004】しかし、麦若葉を緑色および栄養状態を保
ったまま長期保存することは困難であるため、一般に熱
水を用いるブランチング処理を行って、麦若葉の緑色お
よび栄養状態を保つ工夫がなされているが、麦若葉を熱
水処理すると、GABAをはじめ、水溶性ビタミン類も
溶出してしまい、せっかくの栄養素が維持できないとい
う問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、血圧降下作用
を有するGABAを高濃度で含有し、またイネ科植物の
緑葉が有する栄養素(ビタミン類)が保持されたイネ科
植物の乾燥緑葉粉末およびその製造方法が望まれてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、GABA含
量の高いイネ科植物の乾燥緑葉粉末の製造方法について
鋭意検討したところ、驚くべきことに酸素核磁気共鳴ス
ペクトルのピークの半値幅が90Hz以下の水でブラン
チング処理することにより、イネ科植物の褪色に関する
酵素を失活させ、緑葉の緑色、風味を保持し、GABA
含量がほとんど減少しないことを見出し、本発明を完成
させたものである。
【0007】すなわち、本発明は、イネ科植物の乾燥緑
葉粉末の製造方法であって、該乾燥緑葉粉末は、γ−ア
ミノ酪酸を20mg/100g以上含有しており、そし
て、該方法は、 a)酸素核磁気共鳴スペクトルのピークの半値幅が90
Hz以下の水を用いてイネ科植物の緑葉をブランチング
する工程; b)ブランチングしたイネ科植物の緑葉を冷却する工
程; c)得られたイネ科植物の緑葉を乾燥する工程;および d)乾燥したイネ科植物の緑葉を粉砕する工程; を包含する方法に関する。
【0008】また、本発明は、前記方法により得られ
る、γ-アミノ酪酸を20mg/100g以上保持した
イネ科植物の乾燥緑葉粉末に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本明細書において、「イネ科植
物」とは、植物分類法においてイネ科植物として分類さ
れる植物をいう。例えば、大麦、小麦、ライ麦、えん
麦、ハト麦、イタリアンライグラス、イタリアンエース
などの麦類、イネ、あわ、笹、ひえ、きび、トウモロコ
シ、ソルガム、サトウキビなどの植物が挙げられるが、
これらに限定されない。
【0010】イネ科植物の緑葉は成熟期前に収穫された
緑葉であることが望ましい。特に麦類の緑葉を用いる場
合、通常、大麦、小麦、ライ麦、えん麦、ハト麦、イタ
リアンライグラス、イタリアンエースなどの若葉が緑葉
として用いられるが、これらに限定されない。麦若葉
は、成熟期前、すなわち分けつ開始期から出穂開始前期
(背丈が20〜40cm程度)に収穫されることが好ま
しい。これらの麦若葉の中でも、大麦若葉がより好まし
く用いられる。
【0011】また、本明細書において、「イネ科植物の
乾燥緑葉」は、長期間緑色が維持されている乾燥された
イネ科植物の葉および茎を意味する。
【0012】イネ科植物緑葉は、収穫直後はGABA含
量が高いので、直ちに処理されることが好ましい。イネ
科植物緑葉の処理までに時間を要する場合、イネ科植物
緑葉の変質を防ぐために低温貯蔵などの当業者が通常用
いる貯蔵手段により貯蔵される。
【0013】上記イネ科植物の緑葉を、必要に応じて、
水(好ましくは25℃以下の冷水)で洗浄し、泥などを
洗い落とし、水気を切った後、さらに必要に応じて、適
当な長さ(例えば約10cm)に切断する。これに直ち
にブランチング処理を施してもよいが、必要に応じて、
GABA富化処理する。
【0014】このGABA富化処理は、GABAの含量
を高めるための処理であり、これには、例えば、嫌気処
理および/または保温処理が挙げられる。
【0015】嫌気処理は、ほとんど酸素を含まないか無
酸素の気体で処理することを意味する。真空状態も含
む。気体としては、二酸化炭素ガス、窒素ガスが好まし
く用いられる。
【0016】保温処理は、イネ科植物の緑葉を一定温度
に保持する処理である。保温処理の方法は問わない。温
水処理、赤外線照射処理、インキュベーター処理等が挙
げられる。
【0017】嫌気処理および/または保温処理の時間は
10分から24時間が好ましく、1〜6時間がより好ま
しい。嫌気処理および/または保温処理の温度は、約2
0〜50℃が好ましく、約30〜45℃がより好まし
く、40℃前後が最も好ましい。20℃に満たないか5
0℃を超えるとGABAの含量が上がりにくい。
【0018】GABA富化処理によって得られたGAB
A含量を高めたイネ科植物の緑葉は、GABA富化処理
していないイネ科植物緑葉に比べてGABAの量が2倍
以上、好ましくは3倍以上、より好ましくは5倍以上、
高められている。
【0019】次に、イネ科植物緑葉またはGABA富化
処理されたイネ科植物の緑葉(以下、まとめて、単に
「緑葉」ということがある)のブランチング処理を行
う。ブランチング処理は酸素核磁気共鳴スペクトルのピ
ークの半値幅(以下、単に半値幅という)が90Hz以
下の水を用いて行う。
【0020】ブランチングに用いる水は、半値幅が90
Hz以下の水であれば、特に制限はない。半値幅が90
Hz以下の水としては、天然水(湧水、温泉水などを含
む)、半値幅90Hz以下になるような処理、例えば、
磁化処理、遠赤外線処理、備長炭浸漬処理、塩化マグネ
シウムを含有する水、超音波処理を施した水が挙げられ
る。好ましい半値幅は、約90〜50Hz、より好まし
くは約80〜50Hz、さらに好ましくは約70〜50
Hzである。50Hzより小さい水でも使用され得る。
【0021】これらの磁化処理、遠赤外線処理、超音波
処理などにより半値幅の小さな水を得る方法は、例え
ば、特開平11−128951号公報に記載されてい
る。
【0022】具体的に説明すると、磁化処理は、水に磁
力線を照射して行う。磁化処理装置としては、例えば、
好ましい装置として、特開平8−197064号公報に
記載された装置が挙げられる。この装置は、水を循環さ
せ、その循環水路の途中にスリットを設け、マグネット
装置を配置して水流とほぼ直角に磁力線を照射する装置
である。マグネット装置として、循環水路に複数個のマ
グネットを並列または直列に配置した装置も用いられ
る。磁化処理は、通常、0.07〜15T(T:テス
ラ、1テスラは10000ガウス)、好ましくは0.3
〜3T、より好ましくは0.8〜2T、最も好ましく
は、1.2T程度を適切な時間照射することにより、行
われる。
【0023】遠赤外線処理としては、セラミック板浸漬
処理、麦飯石浸漬処理、備長炭浸漬処理などが挙げられ
る。
【0024】セラミック板浸漬処理は、水100重量部
に対して2重量部以上の、4〜24μmの波長の遠赤外
線を放出するセラミック板を、水に適切な時間浸漬する
ことにより、行われる。
【0025】麦飯石浸漬処理は、水100重量部に対し
て2重量部の以上の麦飯石を、水に適切な時間浸漬する
ことにより、行われる。
【0026】備長炭浸漬処理は、水100重量部に対し
て2重量部以上の備長炭を、水に適切な時間浸漬するこ
とにより、行われる。
【0027】天然水(温泉水)は、湧水箇所からあるい
は温泉の湧出口から採取することにより得られる。
【0028】塩化マグネシウム含有水は、塩化マグネシ
ウムを0.01〜3重量%、好ましくは0.5〜1重量
%含む。塩化マグネシウムの原料として、いわゆるにが
りを用いてもよいが、にがりを添加する場合は、水10
0重量部に対して1〜3重量%を加えることが好まし
い。
【0029】超音波処理は、水に周波数20KHz以上
の超音波を適切な時間照射することにより、行われる。
【0030】半値幅90Hz以下の水を製造する場合、
上記処理を単独で行ってもよいし、組合せて用いて行っ
てもよい。
【0031】これらの半値幅が90Hz以下の水を用い
てブランチング処理を行うと、褪色がほとんどなく、G
ABA含量が保たれ、風味も備えた乾燥緑葉の粉末が得
られる。
【0032】緑葉のブランチング処理は、上記半値幅9
0Hz以下の水を用いて、80〜110℃、好ましく
は、90〜105℃で、30秒〜10分、好ましくは1
〜5分間程度加熱することにより行う。
【0033】加工品の変色、変質等の原因になり得る酵
素を不活性化させるためのブランチング処理を受けた緑
葉に対して、冷却処理を行うことが好ましく、特に、急
冷処理を行うこと好ましい。
【0034】続いて、ブランチング処理され、冷却処理
された緑葉は、水分含量が10%以下、好ましくは5%
以下となるように乾燥される。この乾燥工程は、例え
ば、熱風乾燥、高圧蒸気乾燥、電磁波乾燥、噴霧乾燥、
凍結乾燥などの当業者が通常用いる任意の方法により行
われる。乾燥は、好ましくは40℃〜90℃、より好ま
しくは50〜80℃で、緑葉が変色しない温度および時
間で行われる。これにより、乾燥緑葉が得られる。
【0035】得られた乾燥緑葉は、例えば、クラッシャ
一、ミル、ブレンダー、石臼などの当業者が通常用いる
任意の機械または道具により粉砕され、本発明のイネ科
植物の乾燥緑葉粉末(以下、単に、緑葉粉末ということ
がある)が得られる。
【0036】得られた緑葉粉末はこのままでも、食品、
医薬品の原料となり得るが、特定の粒子範囲を有する粉
末であることが好ましい。例えば、好ましい緑葉粉末
は、30メッシュ通過〜250メッシュ残留粉末であ
る。緑葉粉末の粒径が250メッシュを通過する程度に
小さい場合、食品素材、医薬品原料として加工する際、
取扱いにくくなる虞があり、粒径が30メッシュに残留
する程度に大きい場合、緑葉粉末と他の食品素材との均
一な混合が妨げられる虞がある。
【0037】このようにして得られた緑葉粉末は、必要
に応じて、例えば、気流殺菌、高圧蒸気殺菌、加熱処理
などの当業者が通常用いる任意の殺菌技術により殺菌さ
れ得る。
【0038】このようにして得られたイネ科植物の乾燥
緑葉粉末は、GABA含量の低下が抑えられる。GAB
A富化処理したイネ科植物緑葉からの乾燥緑葉粉末は、
GABA富化処理していないイネ科植物緑葉の乾燥緑葉
粉末に比べて、2倍以上、好ましくは3倍以上、より好
ましくは5倍以上にGABA含量が高められている。こ
のように得られた麦若葉末には100g当たりGABA
が20mg以上、好ましくは100mg以上、より好ま
しくは300mg以上、さらに好ましくは500mg以
上含まれる。
【0039】得られたイネ科植物の乾燥緑葉粉末は、そ
のまま飲料としてもよいし、他の食品と混合して、健康
食品の原料とすることもできる。
【0040】
【実施例】以下、本発明に用いられるイネ科植物の緑葉
として、大麦若葉を例に説明するが、これらの実施例は
例示を目的としたものであり、本発明を制限することを
意図しない。
【0041】(参考例:ブランチング処理に使用する半
値幅90Hz以下の水の製造) (参考例1)スリット間隙幅2mmの磁力線照射水製造
装置のスリットに、水道水(半値幅144Hz)を80
ml/秒の速度でスリットを通過させつつ、1.2テス
ラの磁力線を24時間照射した。この処理により得られ
た水(以下、磁化処理水という)を、日本電子(株)製
JNMEX−270にかけ、O17−NMRスペクトル
を観測し、そのスペクトルのピークの半値幅を求めた。
磁化処理水の半値幅は63Hzであった。
【0042】(参考例2)水100重量部に対して5重
量部の備長炭を、水に24時間浸漬して、備長炭浸漬水
を製造した。この備長炭浸漬水を参考例1と同様にO
17−NMRスペクトルを観測し、スペクトルのピーク
の半値幅を求めたところ、65Hzであった。
【0043】(実施例1〜3)背丈が約30cmで刈り
取った二条大麦の若葉を水洗いし、付着した泥などを除
去した。ついで、水洗いした大麦若葉を長さ約10cm
に切り揃えた。その一部を、ビニール袋につめ、空気を
抜いた後、窒素ガスを充填した。これを40℃のインキュ
ベーター内で6時間嫌気処理し、GABA富化処理した
大麦若葉を得た。
【0044】次にGABA富化処理していない大麦若葉
(実施例1、比較例1,2)およびGABA富化処理し
た大麦若葉(実施例2,3、比較例3)をブランチング
処理した。ブランチング処理は、参考例1において調製
した磁化処理水(実施例1および2)、参考例2におい
て調製した備長炭浸漬水(実施例3)、または、半値幅
が90Hz以上の水、すなわち水道水(比較例1〜3)
を用いて、95℃の熱水1Lに大麦若葉を100g投入
し、3分間加熱することにより行った。
【0045】ブランチング処理した大麦若葉を直ちに5
℃の冷水に5分間浸潰して冷却し、続いて冷却した大麦
若葉を30秒間遠心分離して水切りを行った。水切りを
行った大麦若葉を60℃にて、10時間温風乾燥して、
水分量を5%以下とした後、粉砕機にかけ、200メッ
シュを90%が通過する程度に粉砕して大麦若葉末を得
た。
【0046】比較例2は、従来の麦若葉末の処理方法
(特許第2544302号公報)に従って、大麦若葉を
処理した。すなわち、大麦若葉100gを食塩7.5
g、重曹7.5gを含む1リットルの熱水(95℃)に
投入した以外は、比較例1と同様にして、大麦若葉末を
調製した。
【0047】そして、それぞれの製造方法により得られ
た、麦若葉末のGABAおよびGABA以外の有効成
分、特にビタミンB1およびビタミンCについて検討し
た。
【0048】なお、GABAは、アミノ酸自動分析器を
用いて、以下の条件で測定した。 <アミノ酸自動分析計操作条件> 機種:JLC-500/V(日本電子株式会社) カラム:LCR-6、4mm×90mm(日本電子株式会社) 移動相:クエン酸リチウム緩衝液(日本電子株式会社) P-21(pH2.98, Li 0.105mol/l) 0→16.3min P-12(pH3.28, Li 0.26mol/l) 16.3→36.1min P-13(pH3.46, Li 0.80mol/l) 36.1→56.0min P-14(pH2.83, Li 1.54mol/l) 56.0→63.4min P-15(pH3.65, Li 1.54mol/l) 63.4→80.0min 反応液:ニンヒドリン・ヒドリダンチン試液(和光純薬工業株式会社) 温度:カラム35℃(0→16.3min),64℃(15.3→31.0min) 44℃(31.0→44.4min),72℃(63.4→80.0min) 反応槽135℃ 流量:移動相 0.50ml/min 反応液 0.30ml/min 測定波長:570 nm
【0049】また、ビタミンB1、ビタミンCは、高速
液体クロマトグラフィーを用いて測定した。
【0050】上記のようにして製造された麦若葉末のブ
ランチング条件、およびそれらに含まれるGABA、ビ
タミンB1、ビタミンC含量の測定値を表1に示す。な
お、表中未処理とあるのは、大麦若葉(生葉)に含まれ
る各成分の量(乾燥重量換算値)である。
【0051】
【表1】
【0052】表1に示されるように、本発明の製造方法
による麦若葉末、すなわち、半値幅が90Hz以下の水
を用いてブランチング処理した実施例1で得られた麦若
葉末は、ブランチング処理によるGABAの損失は、わ
ずかに8%である。半値幅が90Hz以上の水を用いて
ブランチング処理した比較例1がGABAを95%も損
失するのに比べると、本発明の方法が、極めて優れてい
ることを示している。
【0053】さらに、特許第2544302号公報に記
載の、従来の食塩と重曹とを含む熱水で処理する方法
(比較例2)では、94%のGABAが損失することを
考慮すると、本発明の方法が極めて優れていることが理
解される。
【0054】さらに、未処理の大麦若葉には、乾燥重量
換算で、100gあたり、GABAが215.3mg、
ビタミンB1が1.09mg、ビタミンCが690mg
含まれていたが、半値幅が90Hz以下の水を用いてブ
ランチング処理した実施例1で得られた麦若葉末は、ブ
ランチング処理によるビタミンB1損失は、わずかに6
%であり、ビタミンCは25%であったのに対し、半値
幅が90Hz以上の水を用いてブランチング処理した比
較例1は、ビタミンB1が91%、ビタミンCが99%
も損失するのに比べると、本発明の方法が、ビタミンの
保持においても極めて優れていることを示している。
【0055】さらに、GABA富化処理を行い、ついで
半値幅が90Hz以下の水を用いてブランチング処理し
た大麦若葉からの乾燥緑葉(実施例2、3)には、未処
理の乾燥緑葉よりもGABAが多く含まれており、ブラ
ンチング処理を受けてもGABAが高い含量で維持され
ていることがわかる。これに対して、半値幅が90Hz
以上の水を用いて、GABA富化処理した麦若葉を処理
した比較例3は、GABAの損失が大きかった。
【0056】なお、酸素核磁気共鳴スペクトルのピーク
の半値幅が90Hz以下の水で処理することにより、褪
色に関する酵素は失活し、長期保存でも緑色に変化はな
かった。
【0057】
【発明の効果】イネ科植物の緑葉を酸素核磁気共鳴スペ
クトルのピークの半値幅が90Hz以下の水で処理する
ことにより、GABAが残存し、水溶性ビタミン類、例
えば、ビタミンB1、Cの分解溶出が抑えられる。すな
わち、栄養価の高いイネ科植物の乾燥緑葉粉末が提供さ
れる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/12 A61P 9/12 Fターム(参考) 4B018 LE03 MD19 ME04 MF04 MF07 4C088 AB73 AB77 AB78 BA07 MA52 ZA42 4C206 AA01 FA45 MA04 MA63 ZA42

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イネ科植物の乾燥緑葉粉末の製造方法で
    あって、該乾燥緑葉粉末は、γ−アミノ酪酸を20mg
    /100g以上含有しており、そして、該方法は、 a)酸素核磁気共鳴スペクトルのピークの半値幅が90
    Hz以下の水を用いてイネ科植物の緑葉をブランチング
    する工程; b)ブランチングしたイネ科植物の緑葉を冷却する工
    程; c)得られたイネ科植物の緑葉を乾燥する工程;および d)乾燥したイネ科植物の緑葉を粉砕する工程; を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法により得られる、
    γ-アミノ酪酸を20mg/100g以上保持したイネ
    科植物の乾燥緑葉粉末。
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