JP2001339728A - 画像符号化方法および符号化装置 - Google Patents

画像符号化方法および符号化装置

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JP2001339728A
JP2001339728A JP2000158541A JP2000158541A JP2001339728A JP 2001339728 A JP2001339728 A JP 2001339728A JP 2000158541 A JP2000158541 A JP 2000158541A JP 2000158541 A JP2000158541 A JP 2000158541A JP 2001339728 A JP2001339728 A JP 2001339728A
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Hitoshi Horie
等 堀江
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Matsushita Graphic Communication Systems Inc
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  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Compression Of Band Width Or Redundancy In Fax (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静止画像の高精細性を維持しつつ、符
号化メモリのオーバーフローを防止し、符号化メモリの
有効利用を図る。 【解決手段】 画像をタイルに分割し、タイル毎に条
件を初期化して符号化する。このとき、タイル毎に、符
号化レート推定器103で、次のタイルを符号化した後の
符号化レートを推定し、この推定値に基づいてスケーリ
ングファクタ計算手段104が整数値を出力し、これをマ
ッピングして実数値に変換する。そして、実数値のスケ
ーリングファクタで量子化テーブル106の値をスケーリ
ングして量子化ステップ幅を適応的に変更する。これに
より、量子化後のデータ値が変化し、結果的に、符号化
レートが所定の範囲内に収まるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多値画像を符号化
する方法および符号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コピー機能やプリンタ機能等を統合した
ディジタル複合機では入力画像をいったんメモリに蓄積
し、その後、復元して画像処理を施してプリントする。
同じ原稿を複数枚コピーする場合がこれにあたる。
【0003】高解像度が高いと1ページの画像データ量
が膨大になる。また、カラー画像の場合、RGBの各色
毎にデータを蓄積する必要があるため、画像データ量は
さらに増加する。よって、通常は、読み取った画像デー
タを圧縮して符号メモリに蓄積する。この符号メモリ
は、少なくとも1ページ分の符号データを蓄積できる容
量が必要である。
【0004】多値画像の圧縮方式としては、JPEGが代表
的である。上述の用途に画像データをJPEG圧縮すると、
画像データの複雑さに応じて符号量は大きく変動する。
符号メモリの容量は少ない方がよいが、しかし、符号メ
モリがオーバーフローしてしまうことは回避する必要が
ある。よって、画像パターンの最悪ケースを考慮すれ
ば、余裕をもたせて、画像データの1ページ分のメモリ
容量を確保しておくのが望ましいことになる。
【0005】しかし、これでは、符号メモリのコスト増
大や、ICチップのサイズの増大といった問題が生じ
る。
【0006】符号メモリのオーバーフローを防止しつつ
メモリのコストを削減するための手法の一つとしては、
符号長が画像の複雑さによらず一定となる固定長符号化
(固定長圧縮)を使う方法がある。
【0007】固定長符号化は容易に構成することができ
る。例えば、JPEGのような変換符号化を固定長にするに
は、直交変換と量子化処理のみを行い、ハフマン符号や
算術符号のような可変長符号化は行わず量子化係数を固
定長符号でコード化すればよい。
【0008】他の固定符号化の例としてブロック符号化
があげられる。ブロック符号化では予め定めた、例えば
8x8画素サイズのブロックを2階調画像で表現する。
つまり、多階調の画像を2値画像として近似して圧縮す
る方法である。各ブロックは、2つの階調値と、閾値で
決まるビットマップデータとによって表される。ブロッ
クサイズが8x8であれば、画像パターンによらず階調
値が2バイト、ビットマップが8バイト、計10バイトの符
号でそのブロックを表現することができる。
【0009】しかし、上述の固定長符号を用いる方法は
符号化効率が低いので、JPEGなどの可変長符号化方式と
同じ符号化レートで比較すると、一般に画質は低いとい
う問題がある。
【0010】ディジタルコピー機のように高精細な静止
画(例えば、600dpi〜1000dpiレベルの静止画)をプリ
ントアウトする場合、画質の低下は致命的な欠点となり
かねない。したがって、固定符号長符号化は、高精細な
静止画の圧縮には適用できない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】可変長符号化を行い、
かつ、圧縮後のデータ量を所定の範囲内に収めるという
技術も、従来ないわけではない。例えば、特開平5−3
550号公報に記載の技術は、量子化幅を変更しなが
ら、ディジタルカメラ(スチルビデオカメラ)で撮像し
た画像を圧縮してメモリに蓄積する動作を繰り返し、符
号量が所定範囲に収束するまでループを回す処理を行
う。つまり、画像を一度符号化して各種の統計量を算出
し、それをもとに所定の範囲内に符号データが収まるよ
うに量子化器の量子化ステップ幅を調整して再度符号化
する。
【0012】しかし、この方法では、画像を符号化して
いったんメモリに取り込み、その後、所定幅に収まるま
でループを回す必要があるので、ディジタルコピー機の
ようにリアルタイム処理が要求される機器には適用でき
ない。
【0013】また、特開平8−298465号公報に記
載の技術では、動画の伝送において、レートバッファ
(符号メモリ)の充足度を指標として、レートバッファ
がオーバーフローしないように符号モジュールの構成を
切り替えて出力レートを制御する。
【0014】この技術は、レートバッファへの符号の蓄
積と、そのレートバッファからの符号の読み出し(伝送
のため)とを同時に行うという動画像の符号化に特徴的
な構成において、バッファメモリの充足度をウオッチン
グする。
【0015】これに対し、デジタルコピー機のような静
止画像の符号化では、バッファメモリは蓄積と同時に読
み出しは行われない。また、動画像と異なり、静止画の
場合にはきわめて高い画質が要求される場合もあり、バ
ッファメモリの充足度に基づいて符号化レートを制御す
るような方式では、符号量が急激に変わって、きわめて
高精細な静止画像の画質が損なわれる場合も想定され
る。また、この従来例の場合、符号レートを制御するた
めのプログラムも、かなり複雑である。
【0016】つまり、現状の技術では、プリンタとスキ
ャナやFAX機能とを複合したデジタル複合機のような、
画像の高精細性とリアルタイム性を満足しつつ、同時に
符号メモリのオーバーフローの防止や符号メモリの有効
利用を図ることはできない。
【0017】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたものであり、可変長符号を用いた高画質の圧縮と、
符号メモリのオーバーフロー防止ならびに符号メモリの
有効利用と、リアルタイム処理と、を同時に満足させる
ことができる画像符号化方法および画像符号化装置を提
供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の画像符号化方法
では、画像を所定サイズのタイル(マクロブロック)に
分割し、タイル(マクロブロック)毎に符号化条件を初
期化して、1つのタイル毎にデータの独立性を確保す
る。
【0019】そして、新たなタイルの符号化を行うとき
に、現在までの統計量(符号化の実績データ等)を基礎
として、そのタイルを符号化した場合の符号量と、その
タイルを符号化した後の符号化レートを予測する。つま
り、タイルを符号化する毎に、それまでの符号量や画像
量などの統計量から符号化対象のタイル(マクロブロッ
ク)の符号量と符号化レートを推定する。
【0020】そして、例えば、その符号化レートの推定
値が、制御目標値から、どれだけ離れているかを考慮し
て、量子化の際のスケーリングファクタ(量子化のステ
ップ幅)を適応的に調整する。
【0021】スケーリングファクタの調整で量子化デー
タの値が増減し、結果的に、圧縮後の符号量が所定の範
囲内になるように、自然に調整されていく。
【0022】つまり、タイル(マクロブロック)毎に圧
縮率が調整されるが、タイル間で圧縮率が大きく異なる
と、その差異が復元画像に反映されて画質が低下するた
め、目標値からの距離に応じて適応的に、自然な調整
(つまり、推定を用いた一種の帰還制御)を行う。一つ
のタイルについての推定は1回だけであり、ループを何
回も回さないためリアルタイム処理が可能であり、処理
の負荷も軽い。
【0023】これにより、高精細性を十分維持しつつ、
符号メモリのオーバーフローが防止される。また、反対
に符号量が少ないときには、符号量をアップさせるよう
に調整が働くので、より高精度(高精細)な符号化を行
え、符号メモリを有効に利用することができる。
【0024】さらに、タイル(マクロブロック)毎に独
立に復号化することができるため、プリントアウトの方
向変換などの画像処理の柔軟性も向上する。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の画像符号化方法の一態様
では、符号化対象の画像を複数のタイルに分割し、この
タイルを画像復元の単位および符号化レート推定の単位
とし、既に符号化済みのタイルに関する統計量から次の
タイルを符号化した後の符号化レートを推定し、その符
号化レートの推定値を所定の範囲内に収める方向に、前
記量子化におけるステップ幅を適応的に変化させる。
【0026】以上説明したように本発明では、1ページ
の画像をタイルに分割してタイル毎に符号化する場合
に、今までの統計値によって次のタイルの符号量を予測
できることに着目し、タイルを単位として符号化レート
の予測値を求め、目標値との距離に応じてスケーリング
ファクタの変化幅をコントロールしながら、タイル毎の
符号化レートを適応的に制御する。
【0027】これにより、符号化メモリはオーバーフロ
ーすることがなく、メモリ容量を抑制でき、装置の小型
化,低コスト化を図れる。また、逆に符号量自体が少な
い場合には、量子化幅を細かくしてデータ量を増やす
(解像度を向上させる)こともできる。よって、符号化
メモリの有効な利用が図れ、また、復元画像の画質も向
上する。
【0028】また、本発明の画像符号化方法の他の態様
では、符号化レートの予測は、累積画像サイズに対する
累積符号長の傾きを基に算出すると共に、累積画素の増
大と共に符号長の変化に対する感度が低下するのを防止
するべく、スケールダウン処理を導入する。これによ
り、常に、適正な予測を行うことを担保することができ
る。
【0029】また、次のタイルの符号量の予測に際して
は、直近の統計量の変化を加味して繊細に判断すること
にすれば、予測(推定)の信頼性が高い。
【0030】さらに、符号化レートが上限値や下限値を
越える場合には、収束力を高めて、符号化レートを所望
の範囲に急速に収束させ、所定の制御域にある場合に
は、緩やかな帰還制御を行うことにより、タイル間の符
号量が大きく変動しないようにするのが望ましい。これ
により、タイル間で画質の格差が生じて、画質が劣化す
るようなことが確実に防止される。したがって、例え
ば、1200dpi以上のきわめて高精細な静止画像のコピー
用途にも十分に使用可能である。
【0031】また、本発明の符号化方式では、予測は1
回だけであり、何回もループを回すような制御(例え
ば、圧縮率を何回も実測するような制御)をしないた
め、高速な処理が実現する。また、統計量による予測は
所定の関数を用いて1回だけ行うものであるため、計算
の負荷も軽く、処理が容易であるこのように、本発明
は、デジタルコピー機等において、「高精細な静止画
像」を「高速」に符号化し、「画質とスピードを両立」
させ、しかも、「装置の小型化」や「低コスト」の追求
のニーズにもこたえるものである。本発明により、高精
細な静止画等の多値画像をほぼ固定レートで符号化でき
る、新規な符号化方式が実現される。
【0032】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照して説明する。図1は、本発明による符号化器の概
要を示すブロック図である。
【0033】本実施の形態では、エントロピ符号器に入
力する前に、JPEG同様の2次元離散コサイン変換(2DC
T)による変換符号化を実施する。この2次元離散コサイ
ン変換(2DCT)は、8画素x8画素サイズの「ブロッ
ク」を単位として行われる。
【0034】また、本実施の形態では、符号化対象の画
像を「タイル(マクロブロック)」と呼ばれる、上述の
「ブロック」以上のサイズの単位により区分けし、この
タイル(マクロブロック)を単位として、エントロピ符
号化を行う。つまり一つのタイル(マクロブロック)の
符号化が終了すると、それまでの学習効果がすべて初期
化され、タイル毎にデータの独立性が確保されることに
なる。
【0035】「タイル」という用語は、主に静止画像の
圧縮の分野で使用され、マクロブロックという用語は、
主に動画像の圧縮の分野で使用されるが、本明細書で
は、同義語として使用するものとする。
【0036】また、タイル(マクロブロック)は、エン
トロピ符号化(および復号化)における独立した一つの
単位(つまり、1つのタイル内では符号に従属性があ
り、タイル間では独立している)であると同時に、符号
化レート推定の単位でも、ある。
【0037】「符号化レート」は、基本的には、画像の
伝送を伴う場合における単位時間あたりの平均の符号量
をいう。但し、本発明では、基本的にはデジタル複写機
のように基本的には伝送を伴わないシステムを想定して
いるので、単位時間あたりの符号量というような時間に
対する概念はなく、「一つのタイルを圧縮した後の1画
素当たりの平均の符号量」という意味で用いる。本発明
では、1画素を、常に1ビット〜2ビット程度に圧縮す
ることを目標とする。
【0038】本発明では、現在までの実績値を勘案し
て、次のタイルを符号化したならば出力されるであろう
符号量を推定し、例えば、その予想される符号量が多す
ぎる場合には量子化器101におけるステップ幅(量子化
の単位)を大きくして量子化データの値を小さくし、圧
縮後の符号量が減るように制御する。
【0039】以下、図1の構成について具体的に説明す
る。
【0040】上述したように、符号化の基本部分はJPEG
同様の2次元離散コサイン変換による変換符号化であ
る。8画素x8画素からなる画像データは、2次元離散
コサイン変換(2DCT)100によって64個の周波数成分に変
換される。
【0041】これをUp、q(p、q=0〜7)と表す。周波
数成分Up、qは量子化101によって量子化される。量子化
は量子化テーブル106に書かれた値を参照して周波数成
分毎に異なったステップ幅で量子化される。量子化テー
ブルの値をQp、q(p、q=0〜7)とすると、スケーリン
グファクタ(後述)が”1”であれば量子化された周波
数成分は、下記(1)式のように表される。
【0042】 round(Up,q/Qp,q),(p,q=0〜7)…………………(1) ここで記号roundは、データ丸め処理を意味する。つま
り、round(x)は、xに最も近い整数を表す。
【0043】量子化テーブル106の一例を図6に示す。高
い周波数成分の量子化歪みは目につきにくいとされてい
るので、通常は、図6のテーブルのように周波数が大き
い成分ほど荒く量子化する。
【0044】量子化された値は、エントロピ符号化器10
2で符号化され、可変長符号データに圧縮される。本実
施の形態では、エントロピ符号器102として、具体的に
は算術符号器を用いることを想定している。但し、これ
に限定されるものではなく、ハフマン符号等でもよい。
【0045】エントロピ符号器102の入力信号である数
値が大きな値であれば、圧縮符号データは多く出力さ
れ、逆に数値が小さければ符号量は少なくなる。つま
り、おおもとの量子化後のデータの値が増減すれば、結
果的に、圧縮後の符号量が増減することになる。
【0046】従って、量子化テーブル106に設定される
値Qp,qを、実質的に変えることによって符号データ量
を制御することができる。ただし、本実施の形態では、
量子化テーブル106に設定される値Qp,q自体を適応的に
変化させるのではなく、このQp,qをスケーリングする
こととし、その際に、スケーリングファクタ(スケーリ
ング係数)を適宜、変化させる構成を採用する。
【0047】整数値のスケーリングファクタ(αi)
は、スケーリングファクタ計算手段104が計算する。マ
ッピングテーブル105は、整数値から実数値への1:1
の変換を行い、整数値のスケーリングファクタ(αi)
に対応する実数値のスケーリングファクタ(βi)を出
力する。エントロピ符号化器102では、整数値のスケー
リングファクタ(αi)のみを符号化する。
【0048】スケーリングファクタの生成を2段階に分
けているのは、実数値のスケーリングファクタ(βi)
を符号化するのはかなり困難であり、精度の保証にも問
題があるため、整数値のスケーリングファクタ(αi)
のみを符号化できるようにするためである。
【0049】マッピングテーブル105における対応が予
め明らかであるなら、復号化に際し、整数値のスケーリ
ングファクタ(αi)を復号化できれば、実数値のスケ
ーリングファクタ(βi)も復元できるので問題は生じ
ない。
【0050】このような原理に基づき、本実施の形態で
は、符号化レート(タイル毎の符号量)の制御を次のよ
うに行う。
【0051】本実施の形態では画像データは、1画素が8
ヒ゛ットで表されるものとする。このとき符号化レートR
[ビット]とは、具体的には、圧縮後に平均して1画素
が何ビットで表されるかを示す量であり、下記(2)式
のように定義する。 R=8*(符号量/画像量)[ビット/画素]…………(2) ここで記号”*”は掛け算を表す。”画像量”というの
は、符号化した累積画素数のことである。(符号量/画
像量)の単位は(バイト/画素)であるため、8をかけ
て(ビット/画素)に変換している。
【0052】図2(b)に示すように、符号化対象とな
る画像200は、マクロブロック(以下タイルという用語
を使用する)に分割される。複数のタイルで構成される
1行分の領域は、ストライプ(SP)と呼ばれる。
【0053】タイル201の内部は、図2(a)に示すよ
うに、更に小さいブロック202に分割されている。ブロ
ック202の大きさは8画素x8画素であり、タイル201の大
きさは32画素x32画素としている。
【0054】上述のとおりブロック202が符号化処理の
基本的な単位であり、ブロック毎にDCT変換,量子化が
なされる。また、算術符号のような予測符号を用いてエ
ントロピ符号化を行う場合、タイル毎に学習結果がクリ
アされる。つまり、1つのタイルの符号化が行われる
と、条件を初期化して次のタイルの符号化を行うことに
なる。これによりタイル間の連鎖が断ち切られ、タイル
毎の、画像の部分的復元が可能となる。つまり、画像を
復元してプリントアウトするとき、一部のタイルのみ方
向転換を行って、プリントアウトするというような柔軟
な画像処理を行えるようになる。
【0055】タイルの符号化は、図2(a)において、矢印
で示すように、左上のブロックから右下のブロックに向
かって順次ブロック毎に行われる。符号データ量は、図
1の量子化器101の量子化ステップ幅をタイル毎に調整
することによって行う。このような調整により、タイル
毎に符号量が増減することになる。
【0056】この量子化ステップ幅は、上述した、実数
値のスケーリングファクタ(βi)を用いて制御され
る。図1の構成では、乗算器107において、量子化テー
ブル106の値Qp,qに、1/βiを乗算することにより、
テーブル設定値をスケーリングする。
【0057】スケーリングファクタ(scaling factor)
はタイル毎に、符号化前にそのタイルの符号化レートを
推定し、推定結果と目標とする符号化レートの差に応じ
て決定する。図1の参照符号103は、符号化レート推定
器であり、参照符号104は、スケーリングファクタ計算
手段である。
【0058】符号化レート推定器103の動作は後述す
る。スケーリングファクタ計算手段104には、外部から
制御パラメータが与えられる。この制御パラメータは、
目標とする符号化レートや所定の制御範囲を指定するた
めのパラメータである。これらの機能ブロックの詳細は
後述する。量子化器101に入力するスケーリングファク
タは、上述のとおり2段階で計算する。
【0059】つまり、スケーリングファクタ計算手段10
4の出力値は、整数値のスケーリングファクタである。i
番目のタイルのスケーリングファクタをαiとする。マ
ッピング処理は、整数値のスケーリングファクタαiを
実数値βiに変換する処理である。
【0060】図5に、スケーリングファクタの変換例
(整数値αiから実数値βiへの変換する場合の例)を示
す。
【0061】この図から分かるように本実施の形態で
は、予め定めた範囲内を次式にしたがって線形変換し
た。αi=0がβi=1.0に対応するように構成した。 βi=1.0+αi*(maxβi−1.0)/64(αi>=0のとき) βi=1.0+αi*(1.0−minβi)/64(αi<0のとき)…(3) ここで、maxβi=8.0、minβi=0.3とした。αiは−64
〜+64の範囲とした。一般的にはαiとβiの変換テーブ
ルを使うと非線型変換を含むより柔軟な変換ができる。
αi>=0のときよりも、αi<0のときの方が変換の傾きが
小さいのは、αiが0より小さくなるにしたがって画質
が悪化するため、その画質の劣化を最小限に抑制するべ
く慎重にスケーリングしているからである。
【0062】図1の量子化テーブル106の値は、このβi
によってスケーリングする。スケーリング後の値は、 floor(Qp、q/βi)、(p、q=0〜7)…………(4)となる。 ここで記号floor(x)はxの切り捨てを表す。従ってi番
目のタイルでは、式(1)からDCT係数の量子化結果は
次のようになる。 round(Up,q/floor(Qp,q/βi)),(p,q=0〜7)…………(5) 復号化するには、各タイルのスケーリングファクタが必
要となるので、各タイルの符号化の先頭でαiを符号化
する必要がある。αiとβiは1:1に対応させてあるの
で、復号時にはαi(整数)からβi(実数)を知ること
ができる。整数値のスケーリングファクタαiのみを符
号化すればよいため、符号化が容易であり、精度も保証
される。
【0063】以下詳細に、符号化レートの推定からスケ
ーリングファクタの決定までの処理を説明する。
【0064】まず、図3によって記号を定義する。これ
から符号化するタイルをi番目のタイルとする。i-1番目
までのタイルは既に符号化済みとする。i-1番目のタイ
ルから吐き出される符号長をCi-1とする。i-2、i-3番目
のタイルも同様に表される。i-1番目とi-2番目の符号長
の差をd(Ci-1)で表す。
【0065】また、ページの先頭からi-1番目までのタ
イルの符号長と画像サイズの積算値をそれぞれ、C(i-
1)、I(i-1)で表す。つまり、カッコ書きされる場合は、
累積値を表す。
【0066】また、一つのタイルの画像サイズ(画素
数)をItとする。これらの情報をもとにi番目のタイル
の符号量と符号化レートを予測する。予測値をそれぞれ
記号”^”を付けて区別し^Ci-1、^Ri-1と表す。
【0067】図4は、図1の符号器における、スケーリ
ングファクタを適応的に変化させる制御(符号化レート
推定値に対してスケーリングファクタを増減させる制
御)を説明するための図である。
【0068】まず、図1のスケーリングファクタ計算手
段104に与えられる制御パラメータについて説明する。
図4の左側に、参照符号400〜404で示される4つの制御
パラメータが示されている。これら4つの値が、外部か
ら与えられる。
【0069】つまり、外部から与えられる4つの制御パ
ラメータは、符号化レートの収束目標値(参照符号40
0)および、この目標値を中心とする所定範囲を定める
ためのしきい値(401〜404)である。
【0070】しきい値401は目標値のa倍に設定されてお
り、しきい値402は目標値のb倍に設定されており、し
きい値403は目標値のd倍に設定されており、しきい値4
04は目標値のc倍に設定されている。本実施の形態で
は、a=1.01,b=0.99,c=0.9,d=1.1とした。図4の右側
に示すように、しきい値(上限値)403としきい値(下
限値)404に挟まれた領域Bのうち、領域B1および領
域B2が、タイル間の境界が目立つことのないように配
慮した穏やかな制御をする範囲である。また、領域B3
は一応の収束域であり、符号化レートの推定値がこの範
囲にあるときは、特別な制御は行わない。また、領域B
から外れた領域Aおよび領域Cは、上限値および下限値
を越えた領域であり、符号化レートがこれらの領域にあ
るときは、強制的な一律制御の対象となる。
【0071】つまり、符号化レート推定値がしきい値40
3より小さく、領域Cにある時はスケーリングファクタを
大きく増加させる。これとは逆に領域Aにあるときは、
スケーリングファクタを大きく減少させる。こうして目
標値400への収束を早める。目標値に近い領域B1とB2で
はスケーリングファクタを小さく変化させる。目標値40
0の近傍である領域B1と領域B2の間では、スケーリング
ファクタは変化させない。こうすることによって、目標
値400の近くでは、符号化レートの変化が小さく安定化
する。
【0072】符号化レートは当然、画像の複雑さによっ
て局所的に変化する。スケーリングファクタを上記のよ
うに制御して画像の局所局所の変化に対する速やかな追
従と画像変化の小さな部分での推定の安定化の両立を図
っている。
【0073】次に、図1の符号化レート推定器103によ
る、符号化レート推定動作について説明する。符号化レ
ートの推定とは、次のタイルを符号化したら、何ビット
の符号が生じるかを推定することと等価である。この推
定は、タイル1個分の画素(32個×32個)が増える
と、これに対して符号がどれだけ増えるかということを
推定することである。よって、基本的には、現在までの
実績値を用いて、画素数の変化に対する符号の増分の割
合を判定し、次も、その割合にしたがって符号が増える
であろうと予測する。
【0074】但し、この原理に基づく単純な計算による
予測では、累積画素数が増加するに従い、予測精度が低
下するという深刻な問題が生じることがわかったため、
本実施の形態では、そのような予測精度の低下が生じな
いように、”スケールダウン処理”を施し、累積画素数
と累積符号長とを比例的にスケールダウンし、予測感度
が、累積画素数によらずにほぼ一定に保たれるように工
夫している。
【0075】以下、このスケールダウン処理を含めて詳
細に説明する。
【0076】結果的に、本実施の形態では、i番目のタ
イルの符号化レート推定値^Riとして、以下の(6)式,
(7)式に示される2種類を用意し、次のように計算した。 ^Ri=8*(scale{C(i-1)}+^Ci)/(scale{I(i-1)}+It)………(6) ^Ri=8*C(i-1)/I(i-1)………………………………………(7) ここで、式(6)の記号scale{C(i-1)}とscale{I(i-1)}
は、符号長と画像量の積算値であるC(i-1)とI(i-1)をそ
の比率C(i-1)/I(i-1)を保つように比例的にスケールダ
ウンした値を表す。即ち、scale{C(i-1)}/scale{I(i-
1)}=C(i-1)/I(i-1)の関係が成立する。
【0077】これら2種類の推定値のうち式(6)は図
4の領域B(より具体的には領域B1とB2)で使用し、式
(7)は領域Aと領域Cで使用する推定値である。また、
式(7)はi-1番目のタイルの符号化が終わった時点
(つまり、現在)の符号化レートそのものである。
【0078】本実施の形態では、scale{I(i-1)}がタイ
ルの画素数とほぼ同等になるように、次式の範囲に収ま
るようスケールダウンした。 It<scale{I(i-1)}<=2*It…………(8) ここで、Itは1タイルの画像サイズ(32画素×32画素)
であり、”<=”は、小さいかイコール(つまり以下)を
示す記号である。
【0079】以下、推定値を式(6),(7)のように
した理由、および、スケールダウン処理を実際に行う場
合の基本的な考え方を、図7および図8(a),(b)
を用いて説明する。
【0080】図7の横軸は累積画像サイズ、縦軸は累積
符号長を表している。この図7のなかで、符号化レート
は点線で表されている。この点線上の点Pの座標を(I(i
-1),C(i-1))とする。これは、i-1番目のタイルの符号
化終了時点を表す座標である。
【0081】点Pにおける符号化レートは、先に説明し
た式(2)から、8*C(i-1)/I(i-1)である。ここで定数8
を無視すると、原点とPを結ぶ直線の傾きは符号化レー
トを表していることが分かる。つまり、画素数に対する
符号の増分が符号化レートである。
【0082】図7の点Pにおいて、i番目のタイルの符号
化レートを予測する。図7のように符号量の予測値を^C
i,タイルの画像サイズをItとすると、原点とP0を結ぶ
直線の傾き^Riが予測値となる。
【0083】符号量予測値^Ciがゼロに近ければPはP1に
移り、逆に^Ciが画像サイズItと同レベルであればPはP2
に移る。従って実際には図7に示すように、座標P0は、
座標P1と座標P2の間にあることになる。
【0084】符号化レートの変動は直線の傾きの変化で
ある。この図では、現在の符号化レートRi-1と、次のタ
イルの符号化レートの予測値^Riの(傾きの)差が符号
化レートの変化を表す。
【0085】そうすると点Pの位置がこの図7の右上に
ある程、つまり符号化が進み原点から遠くなるにつれ
て、原点から見た傾きの変化は小さく見えるようにな
る。これは、累積画素数(分母)が大きくなると、符号
量(分子)が増加しても、全体の割合の変化が鈍ってく
ることに起因する。
【0086】図8(a)を用いて具体的に説明する。図8(a)
において、点P10を起点として、1タイルにつき符号が
Δciだけ増分すると座標は点P12に移り、その傾きを
表す直線はLAとなる。一方、原点と点P10を結ぶ直線LC
上にある点P11を起点として、ΔCi/1タイルの増分を
考えると、座標はP13に移り、その傾きを表す直線はLB
となる。直線LAの傾きは、直線LBの傾きよりも明らかに
小さい。つまり、累積画素サイズが増えてくると、符号
量の変化に対する感度が鈍ってくる。
【0087】従って、次式(9)のように、推定値を単
純に計算すると、符号化が進むにつれて符号化レートの
変動が感じにくくなってしまう。 ^Ri=8*(C(i-1)+^Ci)/(I(i-1)+It)……………(9) 感度が時間的に鈍くなると、符号量の推定が適正に行わ
れず、復元画像の画質が目に見えて劣化することがわか
った。したがって、このような符号化レートの変動の感
度が時間経過と共に低下することを防止するため、本実
施の形態では、スケールダウン処理を行う。
【0088】スケールダウン処理は、点Pを原点OとPを
結ぶ直線上で式(8)を満足するようにスケールダウン
する処理である。
【0089】つまり、図8(a)のように、起点となる点P
11と点P10があまりに遠く離れていては、同レベルの感
度での制御ができない。そこで、図8(b)に示すように、
点P11を、直線LC上で左側に移動させる。例えば、画素
サイズおよび累積符号長を共に半分にする動作を、画素
サイズがIt以下になるまで繰り返す(処理)。この処
理の結果、座標はP14に移動する(画像サイズはSであ
る)。そして、画像サイズがIt以下になると、次は、画
素サイズおよび累積符号長を2倍する。これにより、座
標はP15に移動する(画像サイズは2Sである)。
【0090】これにより、累積画素数が、It(1タイル
の画素数)より大きく、2It以下にスケールダウンされ
たことになる。これが、式(8)のIt<scale{I(i-1)}<=
2*Itの意味である。
【0091】このように起点とする座標を比例的にスケ
ールダウンしてから、ΔCI/1タイルの画素数の増分
を加えることで、累積の画素数が増えた場合でも、累積
画素数が低い場合とほぼ同様の感度で、推定後の符号化
レートを算出することができ、画質の劣化を防止するこ
とができる。
【0092】このように、スケールダウンした後の座標
に、次のタイルを符号化した場合の符号量の推定値を足
して符号化レートを求めたのが、式(6)である。
【0093】つまり、式(6)に示される符号化レート
の推定値^Riは、(scale{C(i-1)}+^Ci)/(scale{I(i-1)}+
It)であり(単位はバイト)、これに8を掛けてビット
単位としたものである。
【0094】式(6)の推定値の中には、累積値(現在
までの統計量)と瞬時瞬時の推定値(次のタイルを符号
化したならばどうなるかをその都度、推定して得られる
値)の両方の要素が含まれている。これによって推定値
の安定化と画像の局所変化に対する感度を両立させてい
る。画像が均質なところでは推定が正確になり、局所変
化の激しいところではその変動を速やかに検出できる。
【0095】以上が、スケールダウン処理の重要性の説
明である。次に、どのようにして、符号化レートの推定
を行うかを、具体的に説明する。
【0096】まず、図9を用いて、符号化処理の全体フ
ローを説明する。処理601はページ単位の初期化であ
り、カウンタなどをリセットする。処理602は、ストラ
イプ毎の初期化である。
【0097】ここでストライプとは、タイル幅xライン
幅からなる長方形領域のことである(図2(b)のSP)。処
理603は、ストライプサイズのラインバッファに画像を
読み込む。図1にはこのメモリは図示していない。
【0098】処理604は、符号化対象タイルの位置を設
定する。タイルの符号化は、図2(b)に示したように、ペ
ージ内で、左上から右下に向かって符号化する。各タイ
ルは左上の座標を指定すれば一意的に識別できる。処理
605では、そのタイルの符号化レート推定を行う。
【0099】処理606では、処理605における推定値をも
とに量子化器のスケーリングファクタを計算する。処理
607では、そのスケーリングファクタを符号化する。処
理608ではエントロピ符号器を1タイルの処理毎に初期
化する。これはタイル毎に符号を独立させるためであ
る。復元時に任意のタイルから復元可能となる。
【0100】本実施の形態では、算術符号を用いたの
で、算術符号化用のレジスタの初期化やコンテクストメ
モリのクリア処理を行う必要がある。処理609でタイル
の符号化を行う。符号化はタイル内のブロック単位で実
行される。
【0101】処理610は、符号器の終端処理である。こ
れは算術符号化用のレジスタから符号を吐き出す処理で
ある。処理610は、タイルの符号を独立させるため処理6
08と対をなしている。
【0102】処理611は、タイルの符号化終了後、符号
量や画像サイズの積算値、そのタイルの符号量などの、
符号化レートの推定処理605で必要な統計量を求める処
理である。
【0103】1ストライプ終了まで上記の処理を繰り返
す。ストライプの処理を必要な回数繰り返して1ページ
の符号化が終了する。
【0104】以上が、符号化処理の全体のフローであ
る。
【0105】次に、符号化レートの推定処理について、
図10および図11を用いて具体的に説明する。図10は概略
のフローであり、図11は現実の技術に近い具体的なフロ
ーである。
【0106】まず、図10を用いて、「符号化レートの推
定処理」の概要について説明する。
【0107】まず、タイル間の符号変化量を更新するた
めの初期化処理を行う(ステップ620)。次に、累積画
像サイズおよび累積符号長のスケールダウン処理を行う
(ステップ621)。そして、次のタイルを符号化したな
ら、符号の増分がどれくらいになるか(図7や図8の直
線の傾きがどれくらいになるか)を推定する処理を開始
する。
【0108】すなわち、まず、最近の実績値からみて、
タイル毎の符号量が増加傾向にあるか、あるいは、減少
傾向にあるかを推定する(ステップ622,623)。
【0109】増加傾向および減少傾向も認められない場
合(つまり、最近、タイルの符号量にあまり変化がない
場合)には、次のタイルの符号量も現在のタイルの符号
量と同じであろうと推定する(ステップ624)。一方、
最近のタイルの符号量に増加あるいは減少傾向がみられ
るときは、その傾向を加味して調整値を求め、この調整
値を、現在のタイルの符号量に加算(あるいは減算)し
て、次のタイルの符号量の推定値とする(ステップ62
5)。
【0110】次に、ステップ624,625で求めた「符号量
の推定値」を用いて推定符号化レートを求める(ステッ
プ626)。推定符号化レートは、下記のように求められ
る。(スケールダウン後の累積符号量+符号量の推定
値)/(スケールダウン後の累積画像サイズ+1つのタ
イルの画像サイズ)。
【0111】このようにして求められた符号化レート
が、式(6)つまり、^Ri=8*(scale{C(i-1)}+^Ci)/(scal
e{I(i-1)}+It)で示される符号化レートである。上述の
とおり、この符号化レートは、図4の領域B1,B2(現在
の実際の符号化レートが所定の制御域にある場合)にお
いて使用される。
【0112】一方、図4の領域A,C(現在の実際の符号
化レートが極端に高いか低い領域)にあるときは、調整
値を用いた穏やかな符号化レートの推定はあまり意味を
もたないので、この場合には、現在の符号化レートが、
次回もそのまま継続されるものと推定する。つまり、上
述の式(7)で示される、^Ri=8*C(i-1)/I(i-1)なる「現在
の符号化レート」が推定値として用いられる。よって、
最後のステップ627では、「現在の符号化レート」も算
出しておく。つまり、この現在の符号化レートが図4の
領域A,Cにある場合、次のタイルを符号化した後の推定
符号化レートとしては、現在の符号化レートがそのまま
使用される。
【0113】以上が符号化レートの推定方法の概要であ
る。次に、図11を用いて、より具体的に符号化レートの
推定について説明する。
【0114】図11は符号化レート推定の詳細フローであ
る。処理700はタイル間の符号変化量を更新する。d(Ci-
2)はタイルi-3とタイルi-2の符号変化量である。これを
d(Ci-1)で置き換える。処理701ではd(Ci-1)を計算す
る。
【0115】処理702と処理703では画像量の積算値と符
号量の積算値を変数Isize,Csizeに置き換える。処理70
4から処理709までが、既に説明したように、I(i-1)とC
(i-1)のスケールダウン処理である。
【0116】スケールダウン処理は、図8(b)を用いて説
明したように、符号量の推定値を加算する座標点の累積
画像サイズが、Itと2It(Itは1タイルの画素数)の間
に収まるようにする処理である。この処理では、現在の
座標点P11の累積画像サイズおよび累積符号長を1/2
する処理を繰り返し、累積画像サイズを、一旦、It以下
とし(座標点P14)、次に、2倍して座標点P15を求め
る。この処理を具体的にフロー化すると以下のようにな
る。
【0117】図11の処理704で、画像量の積算値Isizeと
タイル画像量Itを比較し、IsizeがItより大きければ、
処理705と処理706でそれぞれの値を右に1ビットシフト
する。これにより、その値が1/2となる。
【0118】これを処理707の判定条件が満たされるま
で繰り返す。処理707の条件が満たされると処理708と処
理709で、今度は左に1ビットシフトする。これにより、
その値が2倍される。その結果、式(8)を満足するこ
とになる。式(8)のscale{I(i-1)}はここではIsizeの
ことである。処理704の判定では、2個目のタイル以降な
らば、"yes"に分岐する。
【0119】また、処理710から処理714までは符号量推
定値^Ciの計算を示す。処理714に示すように^Ciは、下
記(10)式のように求めることにした。 ^Ci=Ci-1+k*d(Ci-1)/2……(10) ここで、kは”0”または”1”である。kが”0”であ
れば^Ciは直前のタイルの符号量Ci-1である。kが1の
ときには、直前の符号量変動値(符号量の変化分)の1/
2を加えた。処理710は符号量変化が増加傾向にあること
を検出している。
【0120】同様に処理711は、符号量変化が減少傾向
にあることを検出している。この2つの場合にk=1と
した。一般的には推定値^Ciは、時系列解析の手法など
を応用して、符号化済みのタイルの符号量から式(10)
とは異なる推定方法を採用することができる。^Ciの推
定が適切であるほど、式(6)の^Riの推定値も正確なも
のになる。本実施例では簡単のため式(10)のようにし
た。
【0121】処理715と処理716は、それそれ式(6)と式
(7)に相当する符号化レート推定値である。
【0122】以上が符号化レート予測の処理フローであ
る。次に、予測された符号化レートに基づき、スケーリ
ングファクタを計算する処理(図1のスケーリングファ
クタ計算手段の動作)について、図12および図13を用い
て説明する。
【0123】図12はスケーリングファクタの計算手順の
概要を示すフロー図である。
【0124】図示されるように、まず、現在の符号化レ
ート(図10のステップ627,あるいは図11のステップ716
で求められる)は、上限値(図4のしきい値403)を越
えているか否かを判定する(ステップ820)。越えてい
れば、スケーリングファクタαiを大幅に減少させる
(ステップ821)。
【0125】同様に、現在の符号化レートが下限値(図
4のしきい値404)を下回っているか否かを判定し(ス
テップ822)、下回っていれば、スケーリングファクタ
αiを大幅に増加させる(ステップ823)。
【0126】ステップ820,821の双方が”No”の場合、
現在の符号化レートは、図4の領域B1(上側の制御域)
またはB2(下側の制御域)のいずれかにあるはずであ
る。そこで、B1,B2のどちらの制御域にあるかを判定し
(ステップ824,826)、スケーリングファクタαiを少
し減少させたり(ステップ825)、あるいは少し増加さ
せたりする(ステップ827)。
【0127】そして最後に、スケーリングファクタαi
が必ず所定の値に収まっていることを保証するために、
クランプ(リミッタ)処理を施す(ステップ828)。
【0128】以上が、スケーリングファクタの計算処理
の概要である。次に、図13を用いて、より具体的に説明
する。
【0129】図13は、符号化レートの推定結果に基づく
スケーリングファクタの計算のより具体的なフローを示
す。
【0130】図4の領域Aと領域Cでは、処理800では^Ri
として図7の処理716で求めた符号化レートRi-1を使
う。
【0131】最終的に制御したい値は予測値ではなく符
号化レートそのものなので、それが目標値より大きく外
れている時は、直前の符号化レートRi-1によってスケー
リングファクタを増減し、速やかに所定の範囲内に収ま
るようにするものである。
【0132】処理800は符号化レートが図4の領域Aにあ
るかどうかを判定する。そうであれば、処理801によっ
て直前のスケーリングファクタから”4”を減算する。
【0133】処理802は符号化レートが図4の領域Cにあ
るかどうかを判定する。そうであれば、処理803によっ
て直前のスケーリングファクタから”4”を加算する。
一般的には加算、減算値は”4”である必要はない。処
理801または処理803でスケーリングファクタの計算が済
んでいれば、処理804の判定で分岐する。
【0134】Ri-1が図4の領域Bにあるときは、処理805
〜処理808でスケーリングファクタが計算される。この
領域では符号化レートの推定値は図11の処理715で求め
た値を使い、スケーリングファクタを+1、−1増減さ
せる。
【0135】一般的には増減値は+1、−1である必要
はない。特徴的なことは、符号化レートの目標値と推定
値の距離によってスケーリングファクタを増減させる値
が異なっていることである。つまり、の符号化レートが
図4における、どの領域にあるかによってスケーリグフ
ァクタの変化幅を変え、帰還のゲインを変える。
【0136】つまり、所定の制御域の外にあるときは、
変化幅を大きくして目標値(制御域)への収束を早め、
一方、所定の制御域にある場合には、ゆるやかに目標値
に収束させるようにしてタイル毎の圧縮率が大幅に異な
ることを防止する。
【0137】そして、最後に、処理809〜処理812で、ス
ケーリングファクタを予め定めた最大値と最小値でクラ
ンプする。本実施の形態では、maxαi=64、minαi=-64
とした。量子化テーブルをスケーリングする値は図5の
対応関係から定まるβiである。本実施の形態では、図
5のmaxβi=8.0、minβi=0.3とした。
【0138】なお、図5から分かるように、αi=0のと
き、βi=1.0となるようにした。この場合、量子化テー
ブルはスケーリングされない。また、図5から分かるよ
うに、整数値のスケーリングファクタαiが負の領域と
正の領域をともに64分割しているので、実数値のスケー
リングファクタβiに対する変化量がαiが負の領域と正
の領域で異なる。
【0139】すなわち、スケーリングファクタβiと圧
縮率の関係は、βiが小さくなるほど圧縮率は低下し、
βiの変動に対する圧縮率変動も大きくなるのでβiの小
さい領域を細かく設定できるようにした。本実施の形態
では、簡単のためαiとβiは区間線形にしたが、一般に
は対応関係をテーブルにすることによってより非線型な
変換を容易に実現することができる。
【0140】以上の説明から分かるように符号化レート
の推定やスケーリングファクタの計算は1つのタイルで
1回行えばよいので計算負荷は軽い。また符号化は図9
のフローで説明したようにタイル毎に独立しているの
で、タイルの復元順序は符号化順に行う必要はない。復
元の単位(タイル)と符号化レート制御の単位が同じこ
とに特徴がある。以上が本発明による符号化の手順であ
る。
【0141】次に、この符号化方式を実現する符号化装
置の具体例について説明する。図14は符号化装置の構成
を示すブロック図である。
【0142】符号化の対象となる画像データは、この装
置の外部からメモリ900に符号器全体制御部904の制御を
介して書き込まれる。タイル2個分のメモリ容量からな
る。メモリ900から8x8ブロック毎に離散コサイン変
換回路901に読み込まれ、周波数成分に変換される。変
換係数は量子化器902によって量子化される。
【0143】量子化係数は、順次エントロピ符号化器90
3によってシリアルデータに変換される。統計量演算器9
05は、符号データを一時的に蓄積するためのメモリ912
を有する。この統計量演算器905は、符号量、画像量の
積算値やタイル毎の符号量の計算を行う。
【0144】これらの統計量をもとに、符号化レート推
定器906では図11の処理を実行する。スケーリングファ
クタ計算器907は図13の処理を実行する。
【0145】マッピングテーブル908は、整数値から実
数値への変換をROMで実現している。量子化テーブル909
はRAMである。乗算器910は、量子化器をスケーリングす
る。符号器全体制御部904は、各ブロックに制御信号を
送り動作タイミングを制御する。
【0146】次に、応用装置の実施例について説明す
る。
【0147】図15は、図14に示した符号化装置を応用し
たデジタル複合機(スキャナとプリンタ機能,およびFA
X通信機能とを具備する)の構成を示すブロック図であ
る。
【0148】原稿は、画像入力装置1000によって読み取
られ、その画像データは入力画像処理部1001で、エッジ
強調などの画像処理が行われる。処理データは本発明に
よる符号復号化装置1002に入力され、予め定めた所定の
符号化レートで圧縮される。
【0149】符号データは符号メモリ1007に格納され
る。この際に、各タイルの第1符号データが符号メモリ1
007のどのアドレスに格納されるかを記憶する。
【0150】この処理は制御部1005とメモリ管理テーブ
ル1006で行われる。各タイルの先頭符号データのアドレ
スは、メモリ管理テーブル1006に順次書き込まれる。画
像を復元する場合は、出力画像処理部1003が必要とする
順序でメモリ管理テーブルを参照してタイル毎に復号化
が実行される。
【0151】例えば、入力画像を90度回転して画像出力
装置1004に出力するには、図2(b)に示される画像200
の、向かって左下のタイルから上に向かって順次復元
し、タイル毎の回転処理を行えばよい。このように部分
的に復元することができるので、画像を1ページ分全部
を展開する必要がない。よってメモリ容量を削減するこ
とができる。
【0152】装置全体は、制御部1008によって制御され
る。符号復号化装置1010は、符号復号化装置1002と異な
り、通信装置1011を経由して装置外部から入出力する符
号データを処理する。
【0153】符号復号化装置1010は、本発明の符号化方
式も実行できるように構成され、符号メモリ1007には外
部から受信した符号を符号復号化装置1002が扱えるよう
に符号変換して格納する。
【0154】このように装置を構成すると、符号メモリ
の容量に対して最適な状態で符号化が実行できる。従来
であれば、比較的簡単な画像データは圧縮されて符号メ
モリ1007のごく一部に格納されるが、本発明による符号
復号化装置1002では、符号メモリ1007に画質を上げて符
号メモリ1007をオーバフローしない範囲で符号化するこ
ともできる。つまり、符号メモリの有効な利用を図るこ
とができる。
【0155】以下、本発明による符号化方式の動作をシ
ミュレーションデータをもとに説明する。
【0156】図16は、テスト画像を従来方式により符号
化した場合における、タイル毎の符号化レートをプロッ
トした図である。図示されるように、符号化レート
は、”0.9”から”1.5”の範囲で変動する。つまり、時
間の経過と共に、符号化レートは増大していく傾向が見
られる。
【0157】図17(a),(b)は、この画像を2.0ヒ゛ット
/画素の符号化レートを目標に本発明による符号化方式
で符号化した時の、符号化レートおよびスケーリングフ
ァクタの変化を示した図である。
【0158】図17(a)はタイル毎の符号化レートの変化
を示す。2.0ヒ゛ット/画素に収束する様子が分かる。
【0159】図17(b)は、図17(a)に対応したスケーリン
グファクタαiの変化の様子を示す。スケーリングファ
クタが、適応的に変動しているのがわかる。目標値を
1.0ヒ゛ット/画素にした時も同様に収束するが、当然スケ
ーリングファクタは2.0ヒ゛ット/画素の時より下方に分布
するようになる。
【0160】以上説明した動作やシミュレーションデー
タから理解されるように本発明による符号化方式では、
予め定めた範囲内の符号化レートで符号化することがで
きる。従来例で説明したような、固定長量子化やブロッ
ク符号化と異なりエントロピ符号器によって量子化デー
タを更に圧縮できるので、従来の方法と同一レートで比
べると高い画質が得られる。
【0161】応用装置に関連して説明したように、予め
定めた容量の符号メモリを最大限有効に活用できるので
画質を高めることもできる。更にタイル毎に符号が独立
しているので、編集画像処理と併用して用いると、装置
内のメモリ容量削減効果や高速処理効果も生まれる。
【0162】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、1ペー
ジの画像をタイルに分割してタイル毎に符号化する場合
に、今までの統計値によって次のタイルの符号量を予測
できることに着目し、タイルを単位として符号化レート
の予測値を求め、目標値との距離に応じてスケーリング
ファクタの変化幅をコントロールしながら、タイル毎の
符号化レートを適応的に制御する。
【0163】これにより、符号化メモリはオーバーフロ
ーすることがなく、メモリ容量を抑制でき、装置の小型
化,低コスト化を図れる。
【0164】また、逆に符号量自体が少ない場合には、
量子化幅を細かくしてデータ量を増やす(解像度を向上
させる)こともできる。よって、符号化メモリの有効な
利用が図れ、また、復元画像の画質も向上する。
【0165】また、符号化レートの予測は、累積画像サ
イズに対する累積符号長の傾きを基に算出すると共に、
累積画素の増大と共に符号長の変化に対する感度が低下
するのを防止するべく、スケールダウン処理を導入す
る。これにより、常に、適正な予測を行うことを担保す
ることができる。
【0166】また、次のタイルの符号量の予測に際して
は、直近の統計量の変化を加味して繊細に判断するた
め、予測の信頼性が高い。
【0167】さらに、符号化レートが上限値や下限値を
越える場合には、収束力を高めて、符号化レートを所望
の範囲に急速に収束させ、所定の制御域にある場合に
は、緩やかな帰還制御を行うことにより、タイル間の符
号量が大きく変動しないようにしている。これにより、
タイル間で画質の格差が生じて、画質が劣化するような
ことが確実に防止される。したがって、例えば、1200dp
i以上のきわめて高精細な静止画像のコピー用途にも十
分に使用可能である。
【0168】また、本発明の符号化方式では、予測は1
回だけであり、何回もループを回すような制御(例え
ば、圧縮率を何回も実測するような制御)をしないた
め、高速な処理が実現する。また、統計量による予測は
所定の関数を用いて1回だけ行うものであるため、計算
の負荷も軽く、処理が容易であるこのように、本発明
は、デジタルコピー機等において、「高精細な静止画
像」を「高速」に符号化し、「画質とスピードを両立」
させ、しかも、「装置の小型化」や「低コスト」の追求
のニーズにもこたえるものである。本発明により、高精
細な静止画等の多値画像をほぼ固定レートで符号化でき
る、新規な符号化方式が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の符号化を行う装置の概要を示すブロッ
ク図
【図2】(a) タイル(マクロブロック)とブロック
との関係を説明するための図 (b) タイル分割による符号化を説明するための図
【図3】本発明における符号量(符号化レート)の予測
に用いられる統計量を説明するための図
【図4】本発明におけるスケーリングファクタの制御方
法を説明するための図
【図5】スケーリングファクタの整数値から実数値への
変換(マッピング)の一例を示す図
【図6】量子化テーブルの構成例を示す図
【図7】符号化レートを推定する原理を説明するための
【図8】(a) 累積画像サイズの増大と共に、符号化
レートの検出感度が低下する現象を説明するための図 (b) スケールダウン処理を説明するための図
【図9】本発明の符号化処理の概要を示すフロー図
【図10】本発明における、符号化レートを推定する処
理の概要を示すフロー図
【図11】本発明における、符号化レートを推定する処
理の具体例を示すフロー図
【図12】本発明における、スケーリングファクタ計算
処理の概要を示すフロー図
【図13】本発明における、スケーリングファクタ計算
処理の具体例を示すフロー図
【図14】本発明による符号化装置の具体的な構成例を
示すブロック図
【図15】本発明による符号化装置を応用したコピー複
合機のブロック構成図
【図16】テスト画像を従来方式により符号化した場合
における、タイル毎の符号化レートをプロットしたシミ
ュレーション結果を示す図
【図17】(a) テスト画像を本発明の方式により符
号化した場合における、タイル毎の符号化レートをプロ
ットしたシミュレーション結果を示す図 (b) テスト画像を本発明の方式により符号化した場
合における、スケーリングファクタαiの変化プロット
したシミュレーション結果を示す図
【符号の説明】
100 2次元離散コサイン変換手段 101 量子化器 102 エントロピ符号化器 103 符号化レート推定器 104 スケーリングファクタ計算手段 105 マッピングテーブル 106 量子化テーブル 107 乗算器 108 符号メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/92 H04N 5/92 H 9A001 Fターム(参考) 5C052 AA11 FA03 FA07 FC00 FD00 5C053 FA04 FA07 GB23 GB26 GB29 GB33 5C059 KK22 KK29 MA23 MC11 ME02 PP01 SS28 TA46 TA60 TB08 TC18 TC42 TC43 TD07 TD14 UA02 UA38 5C078 AA04 BA21 BA32 BA42 CA27 DA01 DA02 DA06 DA11 5J064 AA01 BA09 BB03 BC01 BC16 BD01 9A001 BB02 BB03 EE02 EE04 FF05 GG05 HH27 JJ35 KK42 LL09

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データを量子化した後、符号化する
    画像符号化方法であって、符号化対象の画像を複数のタ
    イルに分割し、このタイルを画像復元の単位および符号
    化レート推定の単位とし、既に符号化済みのタイルに関
    する統計量から次のタイルを符号化した後の符号化レー
    トを推定し、その符号化レートの推定値を所定の範囲内
    に収める方向に、前記量子化におけるステップ幅を適応
    的に変化させることを特徴とする画像符号化方法。
  2. 【請求項2】 符号化レートの推定値が所定の制御範囲
    の外側にある場合における前記量子化におけるステップ
    幅の変化は、前記所定の制御範囲の内側にある場合にお
    ける前記量子化におけるステップ幅の変化よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1記載の画像符号化方法。
  3. 【請求項3】 符号化レートは、符号量の積算値を画像
    量の積算値で割り算することにより算出され、符号化レ
    ートの推定値は、下記第(1)式に従って算出されると
    共に、第(1)式においては、符号量の積算値を画像量
    の積算値で割った値と、符号量の積算値に比例する値を
    画像量の積算値に比例する値で割った値とは等しく、か
    つ、符号量の積算値は符号量の積算値に比例する値より
    も大きく、および、画像量の積算値は画像量の積算値に
    比例する値よりも大きく、かつ、符号量の積算値に比例
    する値は、常に所定の範囲内にあり、画像量の積算値に
    比例する値も常に所定の範囲内にあることを特徴とする
    請求項1記載の画像符号化方法。 第(1)式 (符号量の積算値に比例する値+次のタイルの符号量予
    測値)/(画像量の積算値に比例する値+タイルの画像
    量)
  4. 【請求項4】 次のタイルの符号量予測値は、現在およ
    び近い過去のデータからみて、タイル毎の符号量が増加
    傾向にある、あるいは減少傾向にある場合には、現在の
    タイルの符号量に、その増加・減少の傾向を加味して決
    定される調整値を演算して求められ、一方、現在および
    近い過去のデータからみて、タイル毎の符号量がほぼ一
    定している場合には、次のタイルの符号量予測値とし
    て、現在のタイルの符号量をそのまま使用することを特
    徴とする請求項3記載の画像符号化方法。
  5. 【請求項5】 前記量子化におけるステップ幅は、予め
    定めた量子化テーブルをスケーリングファクタを用いて
    スケーリングすることによって決定され、前記量子化に
    おけるステップ幅の適応的な変化は、前記スケーリング
    ファクタを変更することにより実現されることを特徴と
    する請求項1〜請求項4のいずれか記載の画像符号化方
    法。
  6. 【請求項6】 多値画像を予め定めた大きさのブロック
    に分割し、ブロック毎に画像データの変換,変換データ
    の量子化,エントロピ符号化を行う符号化方法であっ
    て、 1つ以上の前記ブロックからなるタイル毎に符号化レー
    トを推定し、符号化レートの推定値をもとに量子化ステ
    ップ幅を変化させ、符号化レートが予め定めた範囲内に
    収まるように制御しつつ符号化することを特徴とする画
    像符号化方法。
  7. 【請求項7】 タイル毎にエントロピ符号化の初期化と
    終端処理を実行して、タイル毎に符号データを独立さ
    せ、これにより符号化と異なる順序で復元可能としたこ
    とを特徴とする請求項6記載の画像符号化方法。
  8. 【請求項8】 画像を予め定めた大きさのブロックに分
    割し、ブロック毎に画像データの変換,変換データの量
    子化,エントロピ符号化を行う画像符号化方法におい
    て、 1つ以上のブロックからなるタイルを定め、符号量の積
    算値に比例する値,画像量の積算値に比例する値,既に
    符号化済みのタイルの符号量,次のタイルの符号量の推
    定値を参照して、次のタイルを符号化した後における符
    号化レートを推定し、その推定結果に応じて、量子化ス
    テップ幅を可変とすることを特徴とする請求項6または
    請求項7記載の画像符号化方法。
  9. 【請求項9】 符号化レートの推定値は、下記第(2)
    式に従って算出されると共に、第(2)式においては、
    符号量の積算値を画像量の積算値で割った値と、符号量
    の積算値に比例する値を画像量の積算値に比例する値で
    割った値とは等しく、かつ、符号量の積算値は符号量の
    積算値に比例する値よりも大きく、および、画像量の積
    算値は画像量の積算値に比例する値よりも大きく、か
    つ、符号量の積算値に比例する値は常に所定の範囲にあ
    り、画像量の積算値に比例する値も常に所定の範囲内に
    あることを特徴とする請求項6記載の画像符号化方法。 第(2)式 (符号量の積算値に比例する値+次のタイルの符号量予
    測値)/(画像量の積算値に比例する値+タイルの画像
    量)
  10. 【請求項10】 多値画像を予め定めた大きさのブロッ
    クに分割し、ブロック毎に画像データの変換,変換デー
    タの量子化,エントロピ符号化を行う画像符号化方法に
    おいて、 1つ以上のブロックからなるタイルを定め、符号量の積
    算値に比例する値,画像量の積算値に比例する値,およ
    び既に符号化済みのタイルの符号量検出手段,次のタイ
    ルの符号量の推定値を参照して、次のタイルを符号化し
    た後の符号化レートの推定値を複数個求め、予め定めた
    符号化レートの目標値と現在の符号化レートとの差に応
    じて、前記複数個の符号化レートの推定値の中から1つ
    を選択し、その選択された符号化レートの推定値に応じ
    て量子化ステップ幅を可変とすることを特徴とする画像
    符号化方法。
  11. 【請求項11】 前記量子化におけるステップ幅は、予
    め定めた量子化テーブルをスケーリングファクタを用い
    てスケーリングすることによって決定され、前記量子化
    におけるステップ幅の適応的な変化は、前記スケーリン
    グファクタを変更することにより実現されることを特徴
    とする請求項6〜請求項10のいずれか記載の画像符号
    化方法。
  12. 【請求項12】 前記スケーリングファクタは、前記符
    号化レート推定値にに基づき予め定めた範囲の整数値を
    まず決定し、次に、その整数値から実数値に変換するこ
    とによって決定されることを特徴とする請求項11記載
    の画像符号化方法。
  13. 【請求項13】 予め定めた符号化レートの目標値と符
    号化レートの推定値の差に応じて、スケーリングファク
    タの増減値を変えて符号化レートの変動速度を調整する
    ことを特徴とする請求項12記載の画像符号化方法。
  14. 【請求項14】 タイルの画像を符号化するに先立っ
    て、前記スケーリングファクタの前記整数値を符号化す
    ることを特徴とする請求項13記載の画像符号化方法。
  15. 【請求項15】 多値画像を予め定めた大きさのブロッ
    クに分割し、ブロック毎に画像データの変換,変換デー
    タの量子化,エントロピ符号化を行うと共に、1つ以上
    の前記ブロックからなるタイル毎に符号化レートを推定
    し、符号化レートの推定値をもとに量子化ステップ幅を
    変化させ、符号化レートが予め定めた範囲内に収まるよ
    うに制御しつつ符号化する画像符号化装置であって、 累積符号量と累積画像量を算出する統計量演算器と、 この統計量演算器によって算出された統計量に基づい
    て、一つのタイル毎に符号化レートを推定する符号化レ
    ート推定器と、 符号化レートの推定値に基づいて量子化ステップ幅を適
    応的に変化させる量子化ステップ幅の変更手段と、 この量子化ステップ幅変更手段によって変更された後の
    量子化ステップ幅で、画像データの量子化を行う量子化
    器と、を有することを特徴とする画像符号化装置。
  16. 【請求項16】 前記符号化レート推定器は、下記第
    (3)式に従って、次のタイルを符号化した後の符号化
    レートを算出すると共に、第(3)式においては、符号
    量の積算値を画像量の積算値で割った値と、符号量の積
    算値に比例する値を画像量の積算値に比例する値で割っ
    た値とは等しく、かつ、符号量の積算値は符号量の積算
    値に比例する値よりも大きく、および、画像量の積算値
    は画像量の積算値に比例する値よりも大きく、かつ、符
    号量の積算値に比例する値は常に所定の範囲内にあり、
    画像量の積算値に比例する値も常に所定の範囲内にある
    ことを特徴とする請求項15記載の画像符号化装置。 第(3)式 (符号量の積算値に比例する値+次のタイルの符号量予
    測値)/(画像量の積算値に比例する値+タイルの画像
    量)
  17. 【請求項17】 前記量子化ステップ幅変更手段は、量
    子化テーブルと、量子化テーブルをスケーリングするた
    めのスケーリングファクタを演算するスケーリングファ
    クタ演算手段と、を有することを特徴とする請求項15
    または請求項16のいずれか記載の画像符号化装置。
  18. 【請求項18】 前記スケーリングファクタ演算手段
    は、前記符号化レート推定値にに基づき予め定めた範囲
    の整数値をまず決定し、次に、その整数値から実数値へ
    の所定の変換を実施して実数値のスケーリングファクタ
    を求めると共に、前記量子化器では、前記整数値のみを
    符号化することを特徴とする請求項17記載の画像符号
    化装置。
  19. 【請求項19】 スケーリングファクタの演算過程にお
    ける、前記整数値から実数値への変換を、マッピングテ
    ーブルを用いて行うことを特徴とする請求項18記載の
    画像符号化装置。
  20. 【請求項20】 画像入力手段と、画像出力手段と、前
    記画像入力手段によって入力した画像を予め定めた大き
    さのブロック単位に符号化または復号化する符号・復号
    化手段と、符号データを記憶する記憶手段と、この記憶
    手段に格納される符号データに関して、復元の単位毎に
    先頭アドレスを記憶するメモリ管理手段と、を有し、前
    記符号・復号化手段は、請求項15〜請求項19のいず
    れかに記載の画像符号化装置を含み、画像の復元の際に
    は、前記メモリ管理手段によって前記復元の単位の先頭
    アドレスを参照しながら、符号化の際の順序とは無関係
    に、画像の復号を行うことを特徴とする画像処理装置。
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