JP2001339455A - 受信装置及び無線通信装置 - Google Patents

受信装置及び無線通信装置

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JP2001339455A
JP2001339455A JP2000294436A JP2000294436A JP2001339455A JP 2001339455 A JP2001339455 A JP 2001339455A JP 2000294436 A JP2000294436 A JP 2000294436A JP 2000294436 A JP2000294436 A JP 2000294436A JP 2001339455 A JP2001339455 A JP 2001339455A
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bit
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JP2000294436A
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Kazuhiko Ikeda
和彦 池田
Naoki Matsubara
直樹 松原
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受信手段から復調手段への信号の転送ビット
数を小さくし、装置の小型化や低消費電力化を図るとと
もに、位相変動や利得制御誤差をなくして高い品質の復
調信号を得る。 【解決手段】 変調波の受信信号100は、受信部2に
おいてアナログべースバンド信号101に変換され、A
/D変換部3によってディジタルベースバンド信号10
2に変換される。ビット選択部4は、Nビットのディジ
タルベースバンド信号102から有効ビット範囲を所定
の範囲(Mビット、N>M)に限定して選択する。この
Mビットにビット選択されたディジタルベースバンド信
号103は、復調部5に転送されてディジタル信号処理
により復調が行われる。この場合、復調部5に入力する
受信信号データのビット数を復調に必要な程度に小さく
して転送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変調波である受信
信号をベースバンド周波数や中間周波数においてアナロ
グ/ディジタル変換して復調処理を行う受信装置及び無
線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通信の秘匿性や周波数の有効利用
の観点から無線通信や放送システムのディジタル化が進
んでいる。ディジタル方式の受信装置では、アナログ/
ディジタル変換器(以下、A/D変換器という)によ
り、変調された信号波(以下、変調波という)の受信信
号をディジタル信号に変換して復調処理を行う場合が多
い。一般に、これらの受信装置は、入力の受信信号レベ
ルが変動した場合においてもその信号の復調が可能であ
ることが求められ、信号処理系において60dBから8
0dB程度以上のダイナミックレンジが要求される。デ
ィジタル方式の通信システムでは、QPSKやQAMと
いった振幅と位相の情報を含む変調信号を伝送するディ
ジタル変調方式が多く用いられる。
【0003】このようなディジタル方式の受信装置で
は、受信した変調信号を復調する際に、A/D変換器の
入力が飽和して信号入力レベルが許容量を越えると、振
幅や位相の誤差が大きくなり、正確な復調データを得る
ことができなくなる。そこで、従来では、利得可変回路
を設けて増幅利得を調整することにより、受信装置の受
信信号レベルが変動した場合においても、A/D変換器
が飽和することのないようにしている。
【0004】また、アナログ受信処理によって発生する
受信信号の振幅や位相の誤差をより低減するために、中
間周波数(以下、IFともいう)においてアナログ/デ
ィジタル変換を行い、中間周波数帯からディジタル信号
処理による受信動作を行う方式が一般的に用いられるよ
うになってきた。特開平8−162990号公報には、
アナログのIF信号をアンダーサンプリングにより低速
でA/D変換を行いながら、折り返し雑音を抑圧するこ
とで、小型化、省電力化を実現するディジタル受信機が
開示されている。このような構成においても、A/D変
換器の飽和を防止するために、利得可変回路を設けて増
幅利得を調整することが必要となる。
【0005】また、特開平8−181554号公報にお
いては、利得可変回路と演算回路をと設けることによ
り、A/D変換器の飽和を防止するとともに、その分解
能を低く抑えるようにした「自動利得制御回路を備えた
ディジタル無線通信装置」が開示されている。
【0006】図14は従来の受信装置の構成例を示すブ
ロック図である。受信装置50の受信部51において、
受信入力信号200が増幅器52で増幅され、利得可変
手段53で利得制御された後、ベースバンド信号変換手
段54に入力されてアナログのベースバンド信号201
に変換される。アナログのベースバンド信号201は、
A/D変換器55によってディジタルのベースバンド信
号202に変換された後、復調手段56でディジタル信
号処理により復調され、通信情報に対応する復調データ
が得られる。
【0007】このとき、ベースバンド信号変換手段54
の入力レベルは、レベル検出手段57によって検出され
る。制御部58は、検出されたレベル検出信号203に
基づいて、ベースバンド信号変換手段54の入力レベル
が所定の範囲の値となるように利得可変手段53の利得
を制御する利得制御信号204を出力する。これによ
り、A/D変換器55に入力されるアナログのベースバ
ンド信号201は、所定の範囲のレベルになるように制
御されるので、A/D変換器55が飽和することを防止
できる。なお、上記のようなベースバンド帯で信号をデ
ィジタル化して復調処理等を行う構成だけでなく、中間
周波数帯においてディジタル信号処理を行う構成の場合
でも同様である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
受信装置では、図14に示したような利得可変手段53
を設けた構成の場合、利得可変手段は一般的にその利得
量によって位相特性が変動するため、位相情報を用いた
高い精度の復調処理ができなくなる問題点を有してい
た。図15は一般に用いられる利得可変手段である可変
利得増幅器の利得対位相特性を示す特性図であり、この
図から利得量によって通過位相特性が大きく変動するこ
とがわかる。
【0009】また、利得可変手段は同じ利得制御信号を
与えた場合においても温度等の周囲の環境変動によつて
利得量が異なるため、環境変動により利得の制御誤差が
発生する問題点もある。図16は一般に用いられる利得
可変手段である可変利得増幅器の制御電圧対利得特性の
温度による変動を示す特性図であり、この図から周囲温
度によって同じ制御電圧においても利得量が大きく変動
することがわかる。
【0010】特に、複数のアンテナと受信系統を設けて
それぞれで受信した信号の位相情報や振幅情報を用い
て、希望受信波や妨害波の到来方向推定及びアンテナの
指向性制御等を行うアレイアンテナ方式においては、各
受信系統間の位相誤差や利得誤差が大きいと方向推定の
誤差も大きくなるので、図14のような受信装置の構成
をとると高い精度の復調処理ができないという問題点が
あった。
【0011】また、近年のA/D変換器は高速・高分解
能化が進んでいるため、多ビットのA/D変換器を用い
ることによって利得可変回路を設けずに入力信号レベル
の飽和を防止できる受信装置を構成することも可能とな
っている。例えば、図14のA/D変換器55に14ビ
ットのA/Dコンバータを用いた場合、利得可変手段5
3を設けることなく、84dBのダイナミックレンジを
得ることができる。
【0012】しかし、受信装置において高い分解能のA
/Dコンバータを用いる場合には、後段の復調手段への
ディジタル信号出力のビット数が大きくなる。このた
め、パラレルのインターフェースによって出力する場合
には転送バスのビット数が増大し、受信装置の構成が大
きくなるといった問題点が生じる。一方、シリアルのイ
ンターフェースによって出力する場合は、より高速転送
が求められるので、転送品質の劣化や消費電流が増大す
るといった問題点が生じる。さらに、復調手段における
ディジタル信号処理部のビット数も大きくなるので、回
路規模や演算量の増大、及び消費電流の増大を招いてし
まう問題点がある。
【0013】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、受信手段から復調手段への信号の転送ビット数を小
さくすることができ、装置の小型化や低消費電力化が可
能であり、かつ位相変動や利得制御誤差の発生を防止し
て高い品質の復調信号を得ることができる受信装置及び
無線通信装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の受信装置は、第
1に、受信信号を周波数変換する受信手段と、前記周波
数変換して得られるベースバンド信号をディジタル信号
に変換するアナログ/ディジタル変換手段と、前記ディ
ジタルのベースバンド信号の有効ビット範囲を所定の範
囲に限定して選択するビット選択手段と、前記ビット選
択されたディジタル信号をディジタル信号処理により復
調する復調手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】また、第2に、受信信号を周波数変換する
受信手段と、前記周波数変換して得られる中間周波数信
号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変
換手段と、前記ディジタルの中間周波数信号の有効ビッ
ト範囲を所定の範囲に限定して選択するビット選択手段
と、前記ビット選択されたディジタル信号をディジタル
信号処理により復調する復調手段と、を備えたことを特
徴とする。
【0016】また、好ましくは、前記受信信号のレベル
を検出する信号レベル検出手段と、前記信号レベル検出
手段の出力に基づいて前記ビット選択手段におけるビッ
ト選択範囲の変更制御を行うビット制御手段と、を備え
るものとする。
【0017】前記信号レベル検出手段は、前記受信手段
における受信電界強度を検出する受信電界強度検出手段
を有してなるものとする。又は、前記信号レベル検出手
段は、前記アナログ/ディジタル変換手段の出力を演算
して受信信号レベルを算出するレベル演算手段を有して
なるものとする。或いは、前記信号レベル検出手段は、
前記ビット選択手段の出力を演算してビット選択後の受
信信号レベルを算出するレベル演算手段を有してなるも
のとする。
【0018】また、好ましくは、前記ビット選択手段の
出力のレベルを可変して前記復調手段に送出するレベル
可変手段と、前記信号レベル検出手段の出力に基づいて
前記復調手段の入力レベルが所定の値となるように前記
レベル可変手段を制御する入力レベル制御手段と、を備
えるものとする。
【0019】また、好ましくは、前記受信手段において
前記受信信号の処理経路の利得を複数に切り換える利得
切換手段と、前記信号レベル検出手段の出力に基づいて
前記利得切換手段の切り換え制御を行う利得制御手段
と、を備えるものとする。
【0020】例えば、前記復調手段は、符号分割多重さ
れた受信信号の復調処理を行うものとする。また、例え
ば、アンテナダイバーシチ受信を行うための複数のアン
テナを有し、前記受信手段及び前記復調手段はダイバー
シチ受信の信号処理を行うものとする。
【0021】本発明の無線通信装置は、上記のいずれか
に記載の受信装置を備えてなることを特徴とする。無線
通信装置としては、移動体通信システムにおける携帯通
信端末(移動局装置)、基地局装置などに適用する。
【0022】本発明では、ビット選択手段によって復調
において有効な範囲に受信信号のビット数を限定するこ
とで、少ないビット数で復調手段に受信信号を転送して
復調することが可能となる。これにより、受信装置の小
型化、低消費電力化が図れるようになる。
【0023】このとき、例えば、受信手段において検出
した受信電界強度を基準として有効な受信信号の範囲を
選択する。又は、アナログ/ディジタル変換手段の出力
を演算して求めた受信信号レベル(受信電界強度)を基
準として有効な受信信号の範囲を選択する。或いは、ビ
ット選択手段の出力を演算して求めたビット選択後の受
信信号レベル(ビット選択後電界強度)を基準として有
効な受信信号の範囲を選択する。
【0024】また、受信信号レベルに基づいてビット選
択手段の出力のレベルを可変し、復調手段の入力レベル
が所定の値となるようにレベル制御を行うことにより、
所定値に調整された受信信号を復調手段に転送すること
が可能となる。
【0025】また、受信信号レベルに基づいて受信手段
の処理経路の利得を2段階以上に切り換えることによ
り、受信装置の入力ダイナミックレンジを大きくするこ
とが可能となる。
【0026】本発明は、符号分割多重された受信信号の
処理を行う構成や、アンテナダイバーシチ受信を行うた
めの複数のアンテナを有する構成などにおいても、精度
良く受信や復調に関する処理を実行可能である。また、
携帯通信端末や基地局装置に本発明の受信装置を用いる
ことにより、高い品質の復調信号を取得可能としつつ装
置の小型化と低消費電力化が図れるようになる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0028】[第1実施形態]図1は本発明の第1実施
形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。第
1実施形態の受信装置1aは、図示しないアンテナで受
信した変調波の受信信号100を復調してアナログベー
スバンド信号101を出力する受信部2と、アナログベ
ースバンド信号101をディジタルベースバンド信号1
02に変換するアナログ/ディジタル変換部(以下、A
/D変換部という)3と、ディジタルベースバンド信号
102の有効ビット範囲を任意の範囲に限定して選択す
るビット選択部4と、ビット選択されたディジタルベー
スバンド信号103から復調信号を得る復調部5とを有
して構成される。
【0029】受信信号100としては、例えば、QPS
KやQAMなどの直交変調された信号、CDMA方式に
おける符号分割多重された信号など、各種の信号方式に
従った変調波の信号が用いられる。この第1実施形態で
は、直交変調信号を復調処理する場合の構成を示す。
【0030】受信手段として設けられる受信部2は、受
信信号100の信号方式に従って構成されるものであ
り、例えば、増幅器、周波数混合器、局部発振器、帯域
制限フィルタ等を有して構成される受信回路に相当す
る。アナログ/ディジタル変換手段として設けられるA
/D変換部3は、例えば、A/Dコンバータ等のA/D
変換器に相当する。ビット選択手段として設けられるビ
ット選択部4は、例えば、Nビットの情報の中から、N
>Mとなる連続したMビットを選択して出力するデータ
セレクタ回路に相当し、マルチプレクサ等で構成され
る。復調手段として設けられる復調部5は、例えば、デ
ィジタルシグナルプロセッサ(DSP)や論理集積回路
等により構成されるディジタル信号処理回路に相当す
る。
【0031】図2はビット選択部の機能を説明するブロ
ック図であり、図1のA/D変換部3、ビット選択部
4、復調部5の各部の間において転送されるデータのビ
ット数の具体例を示したものである。図2においては、
A/D変換部3をA/Dコンバータ(ADC)30、ビ
ット選択部4をデータセレクタ40としてそれぞれ表し
ている。
【0032】受信信号100が例えば直交変調された信
号である場合、A/Dコンバータ30の入力信号105
は、直交復調されたアナログベースバンド信号101に
おけるI信号又はQ信号である。ここではI信号である
場合を説明する。A/Dコンバータ30は、符号ビット
付きでN+1ビットの分解能とする。
【0033】A/Dコンバータ30は、アナログベース
バンドのI信号105を符号ビット106とNビットの
ディジタルI信号107とに変換する。ここで、符号ビ
ット106は復調部5に出力され、残りのディジタルI
信号107はデータセレクタ40に出力される。データ
セレクタ40は、NビットのディジタルI信号107の
中からN>Mとなる連続したMビットを選択し、このM
ビットのディジタルI信号108が復調部5に出力され
る。
【0034】次に、第1実施形態の受信装置の動作を説
明する。受信装置1aに入力された受信信号100は、
受信部2によりアナログベースバンド信号101に変換
される。例えば、受信信号100が直交変調された1M
Hzの帯域を持った信号の場合、受信部2に設けられる
直交復調器によって500kHz帯域のI信号とQ信号
とに変換され、アナログベースバンド信号101として
出力される。
【0035】A/D変換部3では、アナログベースバン
ド信号101がディジタルベースバンド信号102に変
換される。このとき、例えば、Nビット4倍オーバーサ
ンプリングのA/Dコンバータを用いてアナログ/ディ
ジタル変換を行うと、500kHz帯域のI信号及びQ
信号はそれぞれ2MHz帯域でNビットのディジタルI
信号及びQ信号となる。ビット選択部4では、入力され
たNビットのディジタル信号から、N>Mとなる連続す
るMビットに有効ビット範囲を限定して選択され、Mビ
ットのディジタルベースバンド信号103が復調部5に
出力される。
【0036】ここで、アナログ/ディジタル変換とビッ
ト選択の動作を図2を用いて詳細に説明する。前述と同
様にI信号を例に挙げる。直交復調されたアナログI信
号105は、符号ビット付きN+1ビットのA/Dコン
バータ30により、符号ビット106とNビットのディ
ジタルI信号107のディジタル信号に変換される。こ
のディジタルI信号107は、データセレクタ40によ
り、Nビット中の連続したMビットが選択され、このM
ビットのディジタルI信号108が符号ビット106と
ともに復調部5に転送される。
【0037】今、N=14とすると、A/Dコンバータ
30の入力のダイナミックレンジDinは、量子化雑音の
みを考慮すれば、Din=20×log(214−1)=8
4dB程度得ることができる。しかしながら、一般的な
ディジタル変調方式の受信においては、ある一定の短時
間内であれば受信信号の大きなレベル変動はなく、復調
に要するダイナミックレンジは小さくて良い。つまり、
NビットのディジタルI信号107において有効なビッ
ト範囲を例えば20dB程度に限定して復調部5に入力
しても正確に復調処理を行うことができる。
【0038】受信装置1aへ入力される受信信号100
の入力レベルが、A/Dコンバータ30のダイナミック
レンジ(デシベル値)の中央付近にある場合、データセ
レクタ40によってA/Dコンバータ30のダイナミッ
クレンジにおける上位側及び下位側それぞれの5ビット
を出力側で切り捨て、その結果M=4として有効ビット
範囲を4ビットに限定して選択すれば、Mビットのディ
ジタルI信号108として20dB以上のダイナミック
レンジを持った信号を復調部5に供給することができ
る。
【0039】また、ビット選択の有効範囲を変更するこ
と、すなわちダイナミックレンジの上位側及び下位側そ
れぞれの切り捨てるビットをシフトすることにより、一
定時間を超えた長い期間において大きな受信信号の入力
レベル変動があった場合にも、復調に必要なビット範囲
の信号を復調部5に供給することができる。
【0040】つまり、A/D変換部3で変換されたI信
号及びQ信号とそれぞれの符号ビットとを合わせて30
ビットのディジタルベースバンド信号102に対して、
ビット選択部4により必要な有効ビット範囲の選択を行
い、10ビットのディジタルベースバンド信号103と
して復調部5に出力する。
【0041】このように、第1実施形態の受信装置によ
れば、受信部2で生成したアナログベースバンド信号1
01をA/D変換部3によりディジタルベースバンド信
号102に変換した後、ビット選択部4によりビット範
囲を限定して選択したディジタルベースバンド信号10
3を復調部5に出力する構成としたので、復調部5へ転
送する信号のビット数と復調部5における演算のビット
数を少なくでき、受信装置の小型化と低消費電力化が図
れるようになる。また、利得可変回路を設けないでアナ
ログ信号の利得制御を行わないように構成できるため、
利得制御による位相変動や利得制御誤差をなくすことが
でき、高い品質の復調信号を得ることができるようにな
る。
【0042】なお、図2の例では、信号転送する場合に
ディジタルベースバンド信号をパラレル転送とするイン
ターフェース構成を示したが、シリアル転送の構成にお
いても、同様のビット選択を行うことによって、同様の
作用効果が得られる。
【0043】[第2実施形態]図3は本発明の第2実施
形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。な
お、図3において、図1に示した構成と同一部分には同
一の符号及び名称を付してある。本実施形態では、第1
実施形態と異なる特徴部分を中心に説明する。この点
は、以下の各実施形態において同様である。
【0044】第2実施形態の受信装置1bは、受信部2
において、変調された受信信号100を増幅する増幅器
7と、増幅器7の出力信号をアナログベースバンド信号
に変換するベースバンド信号変換部8と、増幅器7の出
力信号のレベルを検出して受信電界強度信号110を生
成出力するレベル検出部9とを有して構成される。ま
た、受信電界強度信号110の値に基づきビット選択範
囲切換信号111を出力する制御部10aを備えてい
る。
【0045】つまり、第2実施形態では、ビット選択部
4は、受信部2において検出された受信電界強度信号1
10に基づくビット選択範囲切換信号111に従って、
ディジタルベースバンド信号102の有効ビット範囲を
所定の範囲に限定して選択する動作を行うようにしてい
る。
【0046】増幅器7は、例えば、トランジスタ等で構
成される増幅回路に相当する。ベースバンド信号変換部
8は、例えば、直交変調された信号を復調する直交復調
器等に相当する。信号レベル検出手段として設けられる
レベル検出部9は、例えば、トランジスタやダイオード
等で構成されるレベル検出器に相当する。ビット制御手
段として設けられる制御部10aは、例えば、CPUや
メモリ等で構成される制御回路に相当する。このメモリ
には、受信電界強度信号110に対応するビット選択範
囲切換信号111の変換を行うビット選択変換テーブル
が含まれる。
【0047】次に、第2実施形態の受信装置の動作を説
明する。受信信号100のレベルに基づきレベル検出部
9において検出された受信電界強度信号110は、制御
部10aに入力される。制御部10aでは、受信電界強
度信号110に対応するビット選択範囲切換信号111
をビット選択変換テーブルから取り出し、ビット選択部
4に出力する。このビット選択範囲切換信号111は、
ビット選択部4がNビットのディジタルベースバンド信
号102からビット数の有効範囲を限定して選択して連
続するMビットのディジタルベースバンド信号103と
する際の有効範囲の位置を指定する制御信号である。し
たがって、制御部10aのビット選択変換テーブルに
は、受信電界強度信号110に対し最適なビット選択範
囲切換信号111の値が記憶されている。
【0048】例えば、装置に入力される受信信号100
の信号レベル、すなわち受信電界強度がA/D変換部3
のダイナミックレンジ(デシベル値)の中央付近にある
場合、制御部10aから出力されるビット選択範囲切換
信号111によって、ビット選択部4においてNビット
中の中央付近の連続するMビットが有効ビット範囲とし
て選択される。また、制御部10aからのビット選択範
囲切換信号111によって、受信電界強度が大きくなる
又は小さくなるに従い、Mビットの選択範囲がA/D変
換部3のダイナミックレンジにおいて上位側又は下位側
にシフトするようにする。
【0049】このように、第2実施形態の受信装置によ
れば、受信部2に受信電界強度を検出するレベル検出部
9を備え、レベル検出部9の出力する受信電界強度信号
110に基づきビット選択部4におけるビット選択範囲
を決定する構成としたので、受信電界強度を基準として
適切に有効な受信信号の範囲を選択することができ、少
ないビット数の信号を復調部5に転送して復調処理を行
うことが可能となる。したがって、簡単な構成で受信装
置の小型化が可能となり、低消費電力化が図れるように
なる。
【0050】また、第1実施形態と同様、アナログ信号
の利得制御を行わない構成であるため、利得制御による
位相変動や利得制御誤差をなくすことができ、高い品質
の復調信号を得ることができる。
【0051】[第3実施形態]図4は本発明の第3実施
形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。第
3実施形態の受信装置1cは、A/D変換部3からビッ
ト選択部4に送出するディジタルベースバンド信号10
2のレベルを演算して受信電界強度信号113を生成出
力するレベル演算部13aと、受信電界強度信号113
の値に基づきビット選択制御信号であるビット選択範囲
切換信号114を出力する制御部10bとを備えてい
る。
【0052】第3実施形態では、ビット選択部4は、A
/D変換部3の出力から演算して得た受信電界強度信号
113に基づくビット選択範囲切換信号114に従っ
て、ディジタルベースバンド信号102の有効ビット範
囲を所定の範囲に限定して選択する動作を行うようにし
ている。
【0053】信号レベル検出手段として設けられるレベ
ル演算部13aは、例えば論理集積回路等で構成される
演算回路に相当する。制御部10bは、例えば、CPU
やメモリ等で構成される制御回路に相当し、このメモリ
には、受信電界強度信号113とビット選択範囲切換信
号114の変換を行うビット選択変換テーブルが含まれ
る。
【0054】次に、第3実施形態の受信装置の動作を説
明する。例えば、受信部2より出力されるアナログベー
スバンド信号101が直交復調されたI信号とQ信号で
あった場合、ディジタルベースバンド信号102のサン
プリング数K区間の信号レベルPkは、例えば次のよう
に簡単な式で表される。
【0055】
【数1】
【0056】つまり、論理集積回路等で構成されるレベ
ル演算部13aにおいて、受信信号のレベル(受信電界
強度)は容易に演算可能である。しかも、アナログ検波
回路等のアナログ検出手段を用いないため高い精度で検
出できる。演算により得られた受信電界強度信号113
は、制御部10bに入力される。
【0057】制御部10bでは、受信電界強度信号11
3に対応するビット選択範囲切換信号114をビット選
択変換テーブルから取り出し、ビット選択部4に出力す
る。このビット選択範囲切換信号114は、ビット選択
部4がNビットのディジタルベースバンド信号102か
らビット数の有効範囲を限定して選択して連続するMビ
ットのディジタルベースバンド信号103とする際の有
効範囲の位置を指定する制御信号である。したがって、
制御部10bのビット選択変換テーブルには、受信電界
強度信号113に対し最適なビット選択範囲切換信号1
14の値が記憶されている。
【0058】第3実施形態においても第2実施形態と同
様に、例えば、装置に入力される受信信号100の信号
レベルがA/D変換部3のダイナミックレンジの中央付
近にある場合、制御部10bから出力されるビット選択
範囲切換信号114によって、ビット選択部4において
Nビット中の中央付近の連続するMビットが有効ビット
範囲として選択される。また、制御部10bからのビッ
ト選択範囲切換信号114によって、受信電界強度が大
きくなる又は小さくなるに従い、Mビットの選択範囲が
A/D変換部3のダイナミックレンジにおいて上位側又
は下位側にシフトするようにする。
【0059】このように、第3実施形態の受信装置によ
れば、A/D変換部3の出力を演算して受信電界強度信
号113を生成出力するレベル演算部13aを備え、受
信電界強度信号113に基づきビット選択部4における
ビット選択範囲を決定する構成としたので、第2実施形
態と同様に、受信電界強度を基準として適切に有効な受
信信号の範囲を選択することができ、少ないビット数の
信号を復調部5に転送して復調処理を行うことができる
ため、簡単な構成で受信装置の小型化が可能となり、低
消費電力化を図ることができる。また、アナログ信号の
利得制御を行わない構成であるため、利得制御による位
相変動や利得制御誤差をなくすことができ、高い品質の
復調信号を得ることができる。
【0060】[第4実施形態]図5は本発明の第4実施
形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。第
4実施形態の受信装置1dは、ビット選択部4から復調
部5に送出するビット選択されたディジタルベースバン
ド信号103のレベルを演算してレベル検出信号115
を生成出力するレベル演算部13bと、レベル検出信号
115の値に基づきビット選択制御信号であるビット選
択範囲切換信号116を出力する制御部10cとを備え
ている。
【0061】第4実施形態では、ビット選択部4は、ビ
ット選択されたディジタルベースバンド信号103に基
づくビット選択範囲切換信号116に従って、ディジタ
ルベースバンド信号102の有効ビット範囲を所定の範
囲に限定して選択する動作を行うようにしている。
【0062】信号レベル検出手段として設けられるレベ
ル演算部13bは、例えば論理集積回路等で構成される
演算回路に相当する。制御部10cは、例えば、CPU
やメモリ等で構成される制御回路に相当し、このメモリ
には、レベル検出信号115とビット選択範囲切換信号
116の変換を行うビット選択変換テーブルが含まれ
る。
【0063】次に、第4実施形態の受信装置の動作を説
明する。レベル演算部13bでは、ビット選択部4によ
り出力されるディジタルベースバンド信号103の所定
の時間区間内のレベルを演算することによってレベル検
出信号115が生成され、このレベル検出信号115が
制御部10cに出力される。制御部10cでは、レベル
検出信号115に対応するビット選択範囲切換信号11
6をビット選択変換テーブルから取り出し、ビット選択
部4に出力する。
【0064】制御部10cのビット選択変換テーブルに
は、復調に最適なレベル検出信号115の値の範囲と、
レベル検出信号115がその最適な値の範囲となるよう
なビット選択範囲切換信号116とが対応して設定され
ている。すなわち、受信装置1dの受信信号入力レベル
が変動した場合においても、ビット選択部4は、最適な
レベルのディジタルベースバンド信号103を復調部5
に出力できるようになっている。このとき、レベル演算
部13bの演算は、ビット選択後に行われるので、第3
実施形態に比して演算のビット数を小さくしてレベル検
出の演算を行うことができる。
【0065】このように、第4実施形態の受信装置によ
れば、ビット選択部4の出力を演算してレベル検出信号
115を生成出力するレベル演算部13bを備え、レベ
ル検出信号115に基づきビット選択部4におけるビッ
ト選択範囲を決定する構成としたので、復調部5の入力
信号レベルを基準として適切に有効な受信信号の範囲を
選択することができ、少ないビット数の信号を復調部5
に転送して復調処理を行うことができるため、簡単な構
成で受信装置の小型化が可能となり、低消費電力化を図
ることができる。また、アナログ信号の利得制御を行わ
ない構成であるため、利得制御による位相変動や利得制
御誤差をなくすことができるとともに、レベル検出誤差
も小さくすることができるので、高い品質の復調信号を
得ることができる。
【0066】[第5実施形態]図6は本発明の第5実施
形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。第
5実施形態の受信装置1eは、受信部2として図3に示
した第2実施形態と同様の構成を有し、また図5に示し
た第4実施形態と同様にビット選択部4の出力段にレベ
ル演算部13bが設けられている。ビット選択部4と復
調部5との間には、ビット選択部4の出力レベルを可変
して復調部5に送出する利得可変部14が設けられ、さ
らにビット選択部4と利得可変部14を制御する制御部
10dが設けられている。制御部10dは、レベル検出
部9より出力される受信電界強度信号110に基づきビ
ット選択部4に対しビット選択範囲切換信号111を出
力するとともに、レベル演算部13bより出力されるレ
ベル検出信号115の値に基づき利得可変部14に対し
利得制御信号118を出力するようになっている。
【0067】レベル可変手段として設けられる利得可変
部14は、例えば、ディジタル信号の入力に対して、除
算・乗算等の演算を行い、出力のレベルを制御できる演
算回路に相当する。制御部10dは、例えば、CPUや
メモリ等で構成される制御回路に相当し、このメモリに
は、ビット制御手段として受信電界強度信号110とビ
ット選択範囲切換信号111の変換を行うビット選択変
換テーブルと、入力レベル制御手段としてレベル検出信
号115と利得制御信号118の変換を行う利得制御変
換テーブルとが含まれる。ここでのビット選択変換テー
ブルは、第2実施形態で説明したものと同内容である。
【0068】次に、第5実施形態の受信装置の動作を説
明する。レベル検出部9において検出された受信電界強
度信号110及びレベル演算部13bにおいて演算され
生成されたレベル検出信号115は、制御部10dに入
力される。制御部10dでは、受信電界強度信号110
に対応するビット選択範囲切換信号111をビット選択
変換テーブルから取り出し、ビット選択部4に出力す
る。これにより、ビット選択部4では、Nビットのディ
ジタルベースバンド信号102から有効範囲を限定して
連続するMビットが選択され、このMビットのディジタ
ルベースバンド信号103が出力される。
【0069】また、制御部10dでは、レベル検出信号
115に対応する利得制御信号118を利得制御変換テ
ーブルから取り出し、利得可変部14に出力する。制御
部10dの利得制御変換テーブルには、復調に最適なレ
ベル検出信号115の値の範囲と、レベル検出信号11
5がその最適な値の範囲となるような利得制御信号11
8とが対応して設定されている。
【0070】つまり、ビット選択部4におけるビット選
択によって、受信装置の総合利得は、1ビットあたり6
dBステップで切り換え可能であるが、利得制御部14
を設けることによって更に細かなステップの利得制御を
行うことができ、復調部5の入力レベルをより最適な値
とすることが可能となる。したがって、復調部5におけ
る演算処理によって生ずる誤差と受信信号レベルとの比
がより大きくとれるので、正確な復調処理が行えるよう
になる。
【0071】このように、第5実施形態の受信装置によ
れば、ビット選択部4の出力のレベルを可変する利得可
変部14と、ビット選択部4より出力されるビット選択
されたディジタルベースバンド信号103のレベルを演
算してレベル検出信号115を生成出力するレベル演算
部13bとを備え、受信電界強度信号110に基づきビ
ット選択部4のビット選択範囲を決定するとともに、レ
ベル検出信号115に基づき利得可変部14の利得を制
御する構成としたので、少ないビット数の信号を復調部
5に転送して復調処理を行うことができるとともに、復
調部5の入力レベルをより最適にすることができる。し
たがって、正確な復調処理により高品質の復調信号を得
ることができるようになり、また簡単な構成で受信装置
の小型化と低消費電力化が図れるようになる。さらに、
第1実施形態と同様、アナログ信号の利得制御を行わな
い構成であるため、利得制御による位相変動や利得制御
誤差をなくすことができる。
【0072】なお、本実施形態では、ビット選択部4に
おけるビット選択の有効範囲を受信部2において検出し
た受信電界強度信号110に基づき決定するようにした
が、第3実施形態のようにA/D変換部3の出力に基づ
き生成した受信電界強度信号113に基づいて決定する
ようにしてもよいし、また第4実施形態のようにビット
選択後の信号から生成したレベル検出信号115に基づ
いて決定するようにしてもよい。
【0073】[第6実施形態]図7は本発明の第6実施
形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。第
6実施形態の受信装置1fは、図3に示した第2実施形
態の受信部2において、入力した受信信号100を切り
換えるアナログ信号切換部15と、アナログ信号切換部
15の後段に増幅器7と並置される減衰器16とが追加
して設けられてる。また、制御部10eは、レベル検出
部9から出力される受信電界強度信号110に基づきビ
ット選択範囲切換信号111と利得切換制御信号120
とをそれぞれ出力するようになっている。
【0074】アナログ信号切換部15は、利得切換制御
信号120に従って受信信号100を増幅器7と減衰器
16とに切り換えて出力する。増幅器7と減衰器16の
出力端は、共にベースバンド信号変換部8とレベル検出
部9とに接続されている。つまり、アナログ信号切換部
15と増幅器7と減衰器16により、利得の異なる複数
の信号経路を選択できる利得切換手段が構成されてい
る。このアナログ信号切換部15は、例えば、トランジ
スタやダイオード等を用いた高周波信号の経路を切り換
える高周波スイッチ等で構成される切換回路に相当す
る。減衰器16は、例えば、抵抗器等を用いて高周波信
号を減衰させる減衰回路に相当する。
【0075】制御部10eは、例えば、CPUやメモリ
等で構成される制御部に相当し、このメモリには、ビッ
ト制御手段として受信電界強度信号110とビット選択
範囲切換信号111の変換を行うビット選択変換テーブ
ルと、利得制御手段として受信電界強度信号110と利
得切換制御信号120の変換を行う利得切換制御変換テ
ーブルとが含まれる。
【0076】次に、第6実施形態の受信装置の動作を説
明する。アナログ信号切換部15により、利得切換制御
信号120に従って増幅器7で増幅される経路と減衰器
16で減衰される経路との経路選択を行う。受信装置1
に入力された受信信号100は、アナログ信号切換部1
5を介して増幅器7で増幅される経路で増幅されるか、
又は減衰器16で減衰される経路で減衰を受けて、ベー
スバンド信号変換部8及びレベル検出部9に入力され
る。
【0077】レベル検出部9において検出された受信電
界強度信号110は制御部10eに入力される。制御部
10eでは、入力される受信電界強度信号110に対応
する利得切換制御信号120を利得切換変換テーブルか
ら取り出し、アナログ信号切換部15に出力する。制御
部10eの利得切換変換テーブルには、利得切換制御信
号120の初期値が設定されるとともに、その初期値と
検出された受信電界強度信号110とで決定される最適
な利得切換制御信号120の値が設定されている。これ
により、アナログ信号切換部15は、所望の経路選択が
行えることとなる。
【0078】また、制御部10eでは、入力される受信
電界強度信号110に対応するビット選択範囲切換信号
111をビット選択変換テーブルから取り出し、ビット
選択部4に出力する。制御部10eのビット選択変換テ
ーブルには、受信装置1fの利得と検出された受信電界
強度信号110とで決定される最適なビット選択範囲切
換信号111の値が設定されている。すなわち、このビ
ット選択変換テーブルには、利得切換制御信号120と
受信電界強度信号110に対し最適なビット選択範囲切
換信号111の値が設定されている。これにより、ビッ
ト選択部4では、Nビットのディジタルベースバンド信
号102からN>Mとなる連続するMビットに有効範囲
を限定して選択され、このMビットのディジタルベース
バンド信号103が出力される。
【0079】ここで、利得切換制御信号120は、受信
電界強度が小さい場合には、受信信号100が増幅器7
で増幅される経路を通過するようにアナログ信号切換部
15を制御する。また、受信電界強度が大きい場合には
受信信号100が減衰器16で減衰される経路を通過す
るように制御する。
【0080】このとき、アナログ信号切換部15で選択
される2つの経路の位相特性を同一にするには、例えば
伝送線路長の最適化等によって比較的容易に行うことが
できる。したがって、位相特性が変動することなく、A
/D変換部3、増幅器7、及びベースバンド信号変換部
8の飽和や歪み発生を防止し、受信装置1fのダイナミ
ックレンジを大きくすることができる。
【0081】このように、第6実施形態の受信装置によ
れば、利得切換手段により受信装置の利得を位相特性が
変動することなく切り換える構成としたので、少ないビ
ット数の信号を復調部5に転送して復調処理を行うこと
ができるのに加えて、簡単な構成で受信装置のダイナミ
ックレンジ大きくすることができるようになり、受信装
置の小型化と低消費電力化を図ることができる。
【0082】なお、本実施形態では、利得切換手段の制
御を受信部2において検出した受信電界強度信号110
に基づき行うようにしたが、第3実施形態のようにA/
D変換部3の出力に基づき生成した受信電界強度信号1
13に基づいて行うようにしてもよいし、また第4実施
形態のようにビット選択後の信号から生成したレベル検
出信号115に基づいて行うようにしてもよい。
【0083】[第7実施形態]図8は本発明の第7実施
形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。第
7実施形態の受信装置1gは、復調部5において、ビッ
ト選択されたベースバンド信号103の逆拡散を行う逆
拡散部19と、逆拡散部19の出力信号の復調処理を行
う復調処理部20とを有して構成される。その他の構成
は図4に示した第3実施形態と同様である。この第7実
施形態は、CDMA方式の符号分割多重された信号を受
信処理する構成例を示す。
【0084】逆拡散手段として設けられる逆拡散部19
は、例えば、CDMA方式においてスペクトラム拡散に
より符号分割多重された受信信号から希望の受信成分を
逆拡散により取り出すことのできるレイク受信部等を含
む逆拡散回路に相当する。復調処理部20は、例えば、
逆拡散された信号の誤り訂正やデフレーミング等の復調
処理を行う復調処理回路に相当する。
【0085】次に、第7実施形態の受信装置の動作を説
明する。符号分割多重された受信信号100は、ビット
選択部4により復調に最適なレベルとなるようビット数
変換されて復調部5に入力される。復調部5では、逆拡
散部19において希望の受信成分が逆拡散により取り出
され、復調処理部20により復調処理されて復調信号が
出力される。
【0086】このとき、受信信号100のアナログの利
得制御による位相変動や利得制御誤差が発生しないの
で、位相や振幅の誤差による干渉成分に対する相互相関
の劣化が生じないため、正確な復調処理を行うことがで
きる。
【0087】このように、第7実施形態の受信装置によ
れば、復調部5により符号分割多重された受信信号を復
調する構成において、少ないビット数で復調部5に受信
信号を転送して復調処理を行うことができるのに加え
て、誤差要因を無くして正確に符号分割多重信号の復調
処理が行えるようになり、受信装置の小型化と低消費電
力化が図れるようになる。
【0088】なお、本実施形態では、第3実施形態の復
調部5において符号分割多重された受信信号を復調する
場合を示したが、上述した他の実施形態においても同様
に適用して構成できることは言うまでもない。
【0089】[第8実施形態]図9は本発明の第8実施
形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。こ
の第8実施形態は、アンテナダイバーシチ受信を行う受
信装置への適用例である。
【0090】受信装置1hは、ダイバーシチ受信用の第
1アンテナ21a及び第2アンテナ21bと、第1アン
テナ21aで受信した受信信号を復調してアナログベー
スバンド信号を出力する第1受信部2aと、第1受信部
2aが出力するアナログベースバンド信号をディジタル
ベースバンド信号に変換する第1A/D変換部3aと、
A/D変換部3aが出力するディジタルベースバンド信
号の有効ビット範囲を任意の範囲に限定して選択する第
1ビット選択部4aとを備える。また、第2アンテナ2
2bで受信した受信信号を復調してアナログベースバン
ド信号を出力する第2受信部2bと、第2受信部2bが
出力するアナログベースバンド信号をディジタルベース
バンド信号に変換する第2A/D変換部3bと、A/D
変換部3bが出力するディジタルベースバンド信号の有
効ビット範囲を任意の範囲に限定して選択する第2ビッ
ト選択部4bと、第1ビット選択部4a及び第2ビット
選択部4bでそれぞれビット選択されたディジタルベー
スバンド信号から復調信号を得る復調部5とを備えてい
る。
【0091】復調手段としての復調部5は、第1アンテ
ナ21a及び第2アンテナ21bで受信された複数の信
号からアンテナダイバーシチ受信により高い品質の受信
信号を得るダイバーシチ処理機能を備えた復調回路に相
当する。
【0092】次に、第8実施形態の受信装置の動作を説
明する。アンテナダイバーシチ用に設けた第1アンテナ
21a及び第2アンテナ21bで受信された複数の受信
信号のレベルは、一般にそれぞれ異なる値となってい
る。第1A/D変換部3a及び第2A/D変換部3bよ
りそれぞれ出力されるディジタルベースバンド信号は、
第1ビット選択部4a及び第2ビット選択部4bによ
り、それぞれ復調に最適な値となるようにビット選択さ
れて復調部5に入力される。
【0093】この場合、第1実施形態と同様に、アナロ
グ信号の利得制御を行わないので、それぞれのアンテナ
で受信された受信信号を利得制御による位相誤差を生ず
ることなく最適なレベルで復調部5に入力することがで
きる。したがって、復調部5は、受信信号の位相情報を
用いた高い精度のダイバーシチ信号処理を行うことが可
能となる。
【0094】さらに、3以上のアンテナを用いて、復調
部5において3以上のアンテナで受信した信号から受信
電波の到来方向を推定し、受信装置1hのアンテナの指
向性を制御するアレイアンテナ方式でダイバーシチ受信
を行うような構成も可能である。この場合、ダイバーシ
チ受信の際に利得制御による位相誤差が生じないので、
高い精度で到来方向を推定することができ、より品質の
高い復調信号を得ることができる。
【0095】このように、第8実施形態の受信装置によ
れば、アンテナダイバーシチ受信を行うための複数のア
ンテナを有し、復調部5でダイバーシチ受信の信号処理
を行う構成において、少ないビット数で復調部5に受信
信号を転送して復調処理を行うことができるのに加え
て、高い精度でダイバーシチ受信処理が行えるようにな
り、受信装置の小型化と低消費電力化が図れるようにな
る。
【0096】なお、本実施形態では、第1実施形態にお
ける構成をダイバーシチ受信方式に適用した例を示した
が、上述した他の実施形態においても同様に適用して構
成できることは言うまでもない。
【0097】[第9実施形態]図10は本発明の第9実
施形態に係る無線通信装置の構成を示すブロック図であ
る。この第9実施形態は、移動体通信システムにおける
携帯通信端末などの無線通信装置(移動局装置)への適
用例である。
【0098】無線通信装置22は、受信装置として、受
信部2から復調部5の入力までが図3に示した第2実施
形態と同様に構成され、復調部5において図8に示した
第7実施形態のように逆拡散部19及び復調処理部20
を備えるとともに、逆拡散部19の出力と受信電界強度
信号110とから希望波対干渉波比(SIR)を算出す
る希望波対干渉波比演算部25が追加配設された構成と
なっている。また、送受信兼用のアンテナ21と、送信
と受信でアンテナ21を共用するアンテナ共用部23
と、送信信号に希望波対干渉波比演算部25の出力(S
IR情報)を取り込んで出力する送信装置を構成する送
信部24とを備えている。すなわち、本実施形態は、符
号分割多重信号を送受信する無線通信装置の構成例であ
る。
【0099】アンテナ共用部23は、例えば送信と受信
で一つのアンテナを共用する誘電体フィルタ等で構成さ
れるアンテナ共用器とか、アンテナ切換スイッチやサー
キュレータ等のアンテナ共用手段に相当する。送信手段
である送信部24は、例えば、増幅器や変調器等を備え
て構成され、所定の周波数やレベルで送信信号を出力す
る送信回路に相当する。希望波対干渉波比演算部25
は、同一受信周波数帯域内で符号分割多重された受信信
号の受信希望波と干渉波成分の比を算出する演算回路に
相当する。
【0100】次に、第9実施形態の無線通信装置の動作
を説明する。アンテナ21で受信された符号分割多重さ
れた受信信号は、アンテナ共用部23を介して受信部2
に入力され、復調部5へ転送される。復調部5では、復
調処理部20において符号分割多重信号の復調処理が行
われる。このとき、第7実施形態で説明したように、位
相や振幅の誤差による干渉成分に対する相互相関の劣化
を防止でき、正確な復調処理を行うことができる。
【0101】符号分割多重の無線通信においては、通信
の品質を安定させ、通信の容量を大きくするために、閉
ループの電力制御が一般に用いられている。この電力制
御方式の一つに、所定時間内の受信における希望波対干
渉波比(SIR)を測定し、その結果に基づき次の所定
時間内の希望波成分の電力を増減させるものがある。こ
こでは前記のような電力制御を行う場合の適用例を示
す。
【0102】希望波対干渉波比演算部25では、逆拡散
部19の出力(受信信号)と受信電界強度信号110と
を用いてSIRを求める。この算出されたSIRが所定
値を満たしているかどうかといったSIR過不足情報が
送信部24において送信信号の一部に埋め込まれ、送信
される。通信相手局(この場合は基地局)側では、受け
取ったSIR過不足情報に基づき、無線通信装置22に
対する送信出力を決定し、送信アンプのゲインや送信電
力ビット等を設定して送信を行う。
【0103】第9実施形態では、アナログ信号の利得制
御を行わずに逆拡散信号及び電界強度信号を得ることが
できるので、SIRの利得制御誤差や位相変動による演
算誤差がなくなり、閉ループの電力制御を精度良く行う
ことが可能となり、無線通信装置の復調処理をより正確
に行うことができるようになる。
【0104】したがって、第9実施形態によれば、受信
系が上述した実施形態の受信装置で構成されるので、常
に高い品質の復調信号を得ることができるようになり、
また無線通信装置の小型化と低消費電力化を図ることが
できる。また、本実施形態の無線通信装置を用いた無線
通信システムにおいては、高精度の電力制御による通信
の容量増加の効果を高めることができる。
【0105】なお、本実施形態では、符号分割多重信号
の送受信を行う無線通信装置について説明したが、他の
無線通信方式においても上述した実施形態の受信装置を
用いるようにすれば、同様の効果が得られる。また、ビ
ット選択部4の制御についても、第3実施形態や第4実
施形態で示した構成を適用できることは言うまでもな
い。
【0106】[第10実施形態]図11は本発明の第1
0実施形態に係る無線通信装置の構成を示すブロック図
である。この第10実施形態は、移動体通信システムに
おける基地局装置等の無線通信装置への適用例である。
【0107】無線通信装置26は、例えば、無線セルを
複数のセクタに分割して通信を行うセルラーシステムに
用いる基地局である。この無線通信装置26は、第1セ
クタのダイバーシチ受信を行う第1セクタ0系アンテナ
21c及び第1セクタ1系アンテナ21dと、第2セク
タのダイバーシチ受信を行う第2セクタ0系アンテナ2
1e及び第2セクタ1系アンテナ21fと、第1セクタ
の受信を行う第1受信ユニット27aと、第1受信ユニ
ット27aと同様の構成で第2セクタの受信を行う第2
受信ユニット27bと、復調部5を備えた第1復調ユニ
ット28aと、第1復調ユニット28aと同様の構成で
第1復調ユニット28aとは異なるチャネルの受信信号
を復調する第2復調ユニット28bと、第1受信ユニッ
ト27a及び第2受信ユニット27bでそれぞれビット
選択された信号を第1復調ユニット28a及び第2復調
ユニット28bに転送する転送バス29とを備えて構成
される。
【0108】第1受信ユニット27aは、第1セクタ0
系アンテナ21cで受信した受信信号をアナログベース
バンド信号に変換する第1受信部2aと、このアナログ
ベースバンド信号をディジタルベースバンド信号に変換
する第1A/D変換部3aと、このディジタルベースバ
ンド信号の有効ビット範囲を任意の範囲に限定して選択
する第1ビット選択部4aと、第1セクタ1系アンテナ
21dで受信した受信信号をアナログベースバンド信号
に変換する第2受信部2bと、このアナログベースバン
ド信号をディジタルベースバンド信号に変換する第2A
/D変換部3bと、このディジタルベースバンド信号の
有効ビット範囲を任意の範囲に限定して選択する第2ビ
ット選択部4bとを有している。
【0109】次に、第10実施形態の無線通信装置の動
作を説明する。基地局装置には、一般に高い信頼性や保
守性が要求されている。本実施形態では、受信部や復調
部は装置本体から着脱可能なユニット構成としているの
で、ユニットに障害が発生した場合に速やかに交換でき
るようになっている。
【0110】無線通信装置26において異なるチャネル
である受信チャネルA及び受信チャネルBを受信すると
き、それぞれの受信信号は、複数のアンテナ21a〜2
1dで受信される。次いで、受信信号は第1受信ユニッ
ト27a及び第2受信ユニット27bでビット選択され
たディジタルベースバンド信号に変換され、転送バス2
9を通して第1復調ユニット28a及び第2復調ユニッ
ト28bに出力される。そして、第1復調ユニット28
aでは受信チャネルAを復調し、第2復調ユニット28
bでは受信チャネルBを復調する。
【0111】第10実施形態では、それぞれの受信ユニ
ットで受信信号のビット選択を行った後に、転送バスに
出力するようになっているため、転送バスのビット数を
削減できる。また、これに伴って着脱可能な各ユニット
のコネクタピン数も削減することができるので、ユニッ
トの小型化や高集積化を容易に実現できる。
【0112】このように、第10実施形態によれば、受
信系が上述した実施形態の受信装置で構成されるので、
常に高い品質の復調信号を得ることができるようにな
り、また無線通信装置の小型化と低消費電力化を図るこ
とができる。
【0113】なお、本実施形態の無線通信装置において
も符号分割多重信号の受信やダイバーシチ受信を行うよ
うにした場合には、上記各実施形態の受信装置を用いる
ことによって同様の効果を得ることができる。
【0114】上述した各実施形態では、受信信号を直交
復調等によりベースバンド周波数帯に周波数変換して得
られたベースバンド信号に関して、ディジタル化してビ
ット選択を行った後に復調処理等を行う種々の構成を示
した。ベースバンド周波数帯と同様に、中間周波数帯に
おいて、ディジタル化した中間周波数信号(IF信号)
に対してビット選択を行って復調処理等を行うような構
成についても、同様の作用効果が得られる。図1に示し
た第1実施形態の構成を中間周波数帯に適用した場合の
構成例を第11実施形態として以下に示す。
【0115】[第11実施形態]図12は本発明の第1
1実施形態に係る受信装置の構成を示すブロック図であ
る。第11実施形態の受信装置31aは、図示しないア
ンテナで受信した変調波の受信信号300を復調してア
ナログIF信号301を出力する受信部32と、アナロ
グIF信号301をディジタルIF信号302に変換す
るA/D変換部33と、ディジタルIF信号302の有
効ビット範囲を任意の範囲に限定して選択するビット選
択部34と、ビット選択されたディジタルIF信号30
3から復調信号を得る復調部35とを有して構成され
る。
【0116】受信信号300としては、例えば、QPS
KやQAMなどの直交変調された信号、CDMA方式に
おける符号分割多重された信号など、各種の信号方式に
従った変調波の信号が用いられる。受信部32は、受信
信号300の信号方式に従って構成されるものであり、
例えば、増幅器、周波数混合器、局部発振器、帯域制限
フィルタ等を有して構成される受信回路に相当する。A
/D変換部33は、例えば、A/Dコンバータ等のA/
D変換器に相当する。ビット選択部34は、例えば、N
ビットの情報の中から、N>Mとなる連続したMビット
を選択して出力するデータセレクタ回路に相当し、マル
チプレクサ等で構成される。復調部35は、例えば、デ
ィジタルシグナルプロセッサ(DSP)や論理集積回路
等により構成されるディジタル信号処理回路に相当す
る。
【0117】次に、第11実施形態の受信装置の動作を
説明する。受信装置31aに入力された受信信号300
は、受信部32によりアナログIF信号301に変換さ
れる。例えば、受信信号300が直交変調された1MH
zの帯域を持った信号の場合、受信部32に設けられる
周波数変換器によって例えば中心周波数が5MHz帯域
のアナログIF信号301が出力される。A/D変換部
33では、アナログIF信号301のI信号,Q信号が
それぞれディジタル化されてディジタルIF信号302
に変換される。このとき、例えば、Nビット4倍オーバ
ーサンプリングのA/Dコンバータを用いてアナログ/
ディジタル変換を行うと、5MHz帯域のI信号及びQ
信号はそれぞれ20MHz帯域でNビットのディジタル
I信号及びQ信号となる。ビット選択部34では、入力
されたNビットのディジタル信号から、N>Mとなる連
続するMビットに有効ビット範囲を限定して選択され、
MビットのディジタルIF信号303が復調部35に出
力される。
【0118】このときのアナログ/ディジタル変換とビ
ット選択の動作を図13を用いて詳細に説明する。A/
D変換部33とビット選択部34の構成は図2に示した
第1実施形態のものと同様である。周波数変換されたア
ナログIF信号305は、第1実施形態と同様、符号ビ
ット付きN+1ビットのA/Dコンバータ30により、
符号ビット306とNビットのディジタルIF信号30
7のディジタル信号に変換される。このディジタルIF
信号307は、データセレクタ40により、Nビット中
の連続したMビットが選択され、このMビットのディジ
タルIF信号308が符号ビット306とともに復調部
35に転送される。
【0119】ここで、N=14とすると、A/Dコンバ
ータ30の入力のダイナミックレンジDinは、量子化雑
音のみを考慮すれば、Din=20×log(214−1)
=84dB程度得ることができる。しかしながら、一般
的なディジタル変調方式の受信においては、ある一定の
短時間内であれば受信信号の大きなレベル変動はなく、
復調に要するダイナミックレンジは小さくて良い。つま
り、NビットのディジタルIF信号307において有効
なビット範囲を例えば20dB程度に限定して復調部3
5に入力しても正確に復調処理を行うことができる。
【0120】受信装置31aへ入力される受信信号30
0の入力レベルが、A/Dコンバータ30のダイナミッ
クレンジ(デシベル値)の中央付近にある場合、データ
セレクタ40によってA/Dコンバータ30のダイナミ
ックレンジにおける上位側及び下位側それぞれの5ビッ
トを出力側で切り捨て、その結果M=4として有効ビッ
ト範囲を4ビットに限定して選択すれば、Mビットのデ
ィジタルIF信号308として20dB以上のダイナミ
ックレンジを持った信号を復調部35に供給することが
できる。また、ビット選択の有効範囲を変更すること、
すなわちダイナミックレンジの上位側及び下位側それぞ
れの切り捨てるビットをシフトすることにより、一定時
間を超えた長い期間において大きな受信信号の入力レベ
ル変動があった場合にも、復調に必要なビット範囲の信
号を復調部35に供給することができる。
【0121】つまり、A/D変換部33で変換されたデ
ジタル信号とそれぞれの符号ビットとを合わせて30ビ
ットのディジタルIF信号302に対して、ビット選択
部34により必要な有効ビット範囲の選択を行い、10
ビットのディジタルIF信号303として復調部35に
出力する。
【0122】このように、第11実施形態の受信装置に
よれば、受信部32で生成したアナログIF信号301
をA/D変換部33によりディジタルIF信号302に
変換した後、ビット選択部34によりビット範囲を限定
して選択したディジタルベースバンド信号303を復調
部35に出力する構成としたので、復調部35へ転送す
る信号のビット数と復調部35における演算のビット数
を少なくでき、受信装置の小型化と低消費電力化が図れ
るようになる。また、利得可変回路を設けないでアナロ
グ信号の利得制御を行わないように構成できるため、利
得制御による位相変動や利得制御誤差をなくすことがで
き、高い品質の復調信号を得ることができるようにな
る。
【0123】なお、図13の例では、信号転送する場合
にディジタルIF信号をパラレル転送とするインターフ
ェース構成を示したが、シリアル転送の構成において
も、同様のビット選択を行うことによって、同様の作用
効果が得られる。また、上記ではアナログ/ディジタル
変換において中間周波数をオーバーサンプリングする方
法を述べたが、アンダーサンプリングする場合において
も、上記と同様の構成をとることによって同様の作用効
果が得られる。
【0124】また、図3〜図11に示した第2〜第10
実施形態の構成を第11実施形態と同じように中間周波
数帯に置き換えて適用した場合においても、同様の作用
効果を得ることができる。
【0125】以上述べたように、上記実施形態では、高
分解能のA/Dコンバータを用いて入力される受信信号
のダイナミックレンジを大きく確保しながら、受信手段
から後段の復調手段へのデータ転送ビット数を小さく保
つ手段を備えることにより、装置の小型化や低消費電力
化が可能となる。また、アナログ信号の利得制御による
位相変動や利得制御誤差の発生を防止でき、高い品質の
復調信号を得ることができる。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、受
信手段から復調手段への信号の転送ビット数を小さくす
ることができ、装置の小型化や低消費電力化が可能であ
り、かつ位相変動や利得制御誤差の発生を防止して高い
品質の復調信号を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る受信装置の構成を
示すブロック図である。
【図2】ビット選択部の機能を説明するブロック図であ
る。
【図3】本発明の第2実施形態に係る受信装置の構成を
示すブロック図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る受信装置の構成を
示すブロック図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る受信装置の構成を
示すブロック図である。
【図6】本発明の第5実施形態に係る受信装置の構成を
示すブロック図である。
【図7】本発明の第6実施形態に係る受信装置の構成を
示すブロック図である。
【図8】本発明の第7実施形態に係る受信装置の構成を
示すブロック図である。
【図9】本発明の第8実施形態に係る受信装置の構成を
示すブロック図である。
【図10】本発明の第9実施形態に係る無線通信装置の
構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第10実施形態に係る無線通信装置
の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第11実施形態に係る受信装置の構
成を示すブロック図である。
【図13】ビット選択部の機能を説明するブロック図で
ある。
【図14】従来の受信装置の構成例を示すブロック図で
ある。
【図15】一般に用いられる可変利得増幅器の利得対位
相特性を示す特性図である。
【図16】一般に用いられる可変利得増幅器の制御電圧
対利得特性の温度による変動を示す特性図である。
【符号の説明】
1a〜1h,31a 受信装置 2,32 受信部 3,33 アナログ/ディジタル変換部(A/D変換
部) 4,34 ビット選択部 5,35 復調部 7 増幅器 8 ベースバンド信号変換部 9 レベル検出部 10a〜10e 制御部 13a,13b レベル演算部 14 利得可変部 15 アナログ信号切換部 16 減衰器 19 逆拡散部 20 復調処理部 30 A/Dコンバータ 40 データセレクタ 101 アナログベースバンド信号 102 ディジタルベースバンド信号 103 ビット選択されたディジタルベースバンド信号 105 アナログI信号 106 符号ビット 107 NビットディジタルI信号 108 MビットディジタルI信号 110,113 受信電界強度信号 111,114,116 ビット選択範囲切換信号 115 レベル検出信号 118 利得制御信号 120 利得切換制御信号 301,305 アナログIF信号 302 ディジタルIF信号 303 ビット選択されたディジタルIF信号 306 符号ビット 307 NビットディジタルIF信号 308 MビットディジタルIF信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5K004 AA05 AA08 FA05 FG02 JE03 5K020 AA08 DD11 DD13 DD21 EE01 EE05 5K059 AA08 BB08 CC03 EE02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信信号を周波数変換する受信手段と、 前記周波数変換して得られるベースバンド信号をディジ
    タル信号に変換するアナログ/ディジタル変換手段と、 前記ディジタルのベースバンド信号の有効ビット範囲を
    所定の範囲に限定して選択するビット選択手段と、 前記ビット選択されたディジタル信号をディジタル信号
    処理により復調する復調手段と、 を備えたことを特徴とする受信装置。
  2. 【請求項2】 受信信号を周波数変換する受信手段と、 前記周波数変換して得られる中間周波数信号をディジタ
    ル信号に変換するアナログ/ディジタル変換手段と、 前記ディジタルの中間周波数信号の有効ビット範囲を所
    定の範囲に限定して選択するビット選択手段と、 前記ビット選択されたディジタル信号をディジタル信号
    処理により復調する復調手段と、 を備えたことを特徴とする受信装置。
  3. 【請求項3】 前記受信信号のレベルを検出する信号レ
    ベル検出手段と、 前記信号レベル検出手段の出力に基づいて前記ビット選
    択手段におけるビット選択範囲の変更制御を行うビット
    制御手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の受信
    装置。
  4. 【請求項4】 前記信号レベル検出手段は、前記受信手
    段における受信電界強度を検出する受信電界強度検出手
    段を有してなることを特徴とする請求項3記載の受信装
    置。
  5. 【請求項5】 前記信号レベル検出手段は、前記アナロ
    グ/ディジタル変換手段の出力を演算して受信信号レベ
    ルを算出するレベル演算手段を有してなることを特徴と
    する請求項3記載の受信装置。
  6. 【請求項6】 前記信号レベル検出手段は、前記ビット
    選択手段の出力を演算してビット選択後の受信信号レベ
    ルを算出するレベル演算手段を有してなることを特徴と
    する請求項3記載の受信装置。
  7. 【請求項7】 前記ビット選択手段の出力のレベルを可
    変して前記復調手段に送出するレベル可変手段と、 前記信号レベル検出手段の出力に基づいて前記復調手段
    の入力レベルが所定の値となるように前記レベル可変手
    段を制御する入力レベル制御手段と、 を備えたことを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記
    載の受信装置。
  8. 【請求項8】 前記受信手段において前記受信信号の処
    理経路の利得を複数に切り換える利得切換手段と、 前記信号レベル検出手段の出力に基づいて前記利得切換
    手段の切り換え制御を行う利得制御手段と、 を備えたことを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記
    載の受信装置。
  9. 【請求項9】 前記復調手段は、符号分割多重された受
    信信号の復調処理を行うことを特徴とする請求項1〜8
    のいずれかに記載の受信装置。
  10. 【請求項10】 アンテナダイバーシチ受信を行うため
    の複数のアンテナを有し、前記受信手段及び前記復調手
    段はダイバーシチ受信の信号処理を行うことを特徴とす
    る請求項1〜9のいずれかに記載の受信装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の受
    信装置を備えてなることを特徴とする無線通信装置。
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