JP2001339266A - 積層フィルタ - Google Patents

積層フィルタ

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JP2001339266A
JP2001339266A JP2000159630A JP2000159630A JP2001339266A JP 2001339266 A JP2001339266 A JP 2001339266A JP 2000159630 A JP2000159630 A JP 2000159630A JP 2000159630 A JP2000159630 A JP 2000159630A JP 2001339266 A JP2001339266 A JP 2001339266A
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electrode
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Toshiyuki Abe
敏之 阿部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高周波領域で使用される積層フィルタにおい
て、減衰量の低下を防止することができる構成のものを
提供する。 【解決手段】対をなす入出力端子電極4、5を積層体1
の互いに対向するコーナー部に配置する。これにより、
入出力端子電極4、5間の距離を遠くすることができ、
入出力端子電極間の容量結合による高周波における減衰
量の低下を防止することができる。また、積層体1の表
裏面またはその近傍に、それぞれシールド電極13a、
13bを設けて、入出力端子電極4、5間の高周波の伝
播を低減する。また、共振回路の外の外部誘電体層1
c、1dに誘電率の低い誘電体を用いることにより、入
出力端子電極4、5間の容量結合を弱め、高周波におけ
る減衰量の低下を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体と導体との
積層構造により内部にインダクタ電極とコンデンサ電極
とを設けて構成される積層フィルタに係わり、例えば携
帯電話や無線LAN等の無線機器に用いる帯域通過フィ
ルタ特性を有する積層誘電体フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】無線機器等に使用される高周波用積層フ
ィルタは、1つの基体に複数の共振回路を形成した構造
を有する。そして共振回路はそれぞれ電気的に互いに結
合されてフィルタ特性を実現している。図4(A)は従
来の積層フィルタの外観図、図4(B)はその断面図、
図4(C)はその等価回路図、図5はその層構造図であ
る。図4(A)に示すように、この積層フィルタは、誘
電体でなるほぼ直方体状の基体15の長手方向の両端に
入出力端子電極16、17を有する。また、側面にグラ
ンド端子電極18、19を有する。図4(B)、図5に
示すように、基体15の内部には、図4(C)に示すイ
ンダクタ成分L1、L2を構成するインダクタ電極21
a、21bが、それぞれ一端を入出力端子電極16、1
7に接続し、他端をグランド端子電極19に接続して設
けられる。
【0003】これらのインダクタ電極21a、21bに
は、それぞれコンデンサ電極21c、21dを一体に有
する。これらのコンデンサ電極21c(21d)は、グ
ランド端子電極18に接続されるコンデンサ電極22
a、23a(22b、23b)にそれぞれ誘電体層15
a、15bを介して対向して図4(C)に示す装荷容量
成分Cr1(Cr2)を形成する。また、前記コンデン
サ電極21c、21dは、内部誘電体層15a、15b
を介してコンデンサ電極25、26に共通に対向するこ
とにより、図4(C)に示す共振回路間の結合容量成分
Cpを形成する。
【0004】15c、15dは前記内部誘電体層15
a、15bや電極21a〜21d、22a、22b、2
3a、23b、25、26からなる共振回路を挟むよう
に積層方向の上下に設けられた基体15の表裏面に形成
した外部誘電体層である。29、30は基体15の表裏
面に設けたシールド電極、31、32はさらにシールド
電極29、30上の端子電極接続部以外の部分を覆った
シールド電極保護用の絶縁層である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】例えば高速道路の料金
加算システムの送受信回路には、5.8GHz程度の高
周波信号が用いられ、その基本周波数の2倍、3倍の高
調波におけるスプリアスの抑制が求められる。しかし、
従来の積層フィルタにおいては、3倍の高調波における
スプリアスの抑制が十分ではなく、このため、このスプ
リアスの抑制のためにトラップ回路の付設が必要であっ
た。従来の積層フィルタにおいて、スプリアスの抑制が
不十分となる理由は、小型化および高周波数化に伴う入
出力端子電極16、17間の電界の結合があるためであ
り、この入出力端子電極16、17間が容量的に結合す
るため、電磁波を通過させてしまい、減衰量が悪化す
る。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
高周波領域で使用される積層フィルタにおいて、減衰量
の低下を防止することができる構成のものを提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の積層フィルタ
は、平面視がほぼ長方形をなす積層体の前記長方形の一
方の対角線上にある2つのコーナー部に、それぞれ第
1、第2のグランド端子電極を設け、他方の対角線上に
ある2つのコーナー部の一方に、第1の入出力端子電極
を、他方に第2の入出力端子電極を、前記第1の入出力
端子電極が前記長方形の長辺を介して前記第1のグラン
ド端子電極に隣り合い、かつ短辺を介して第2のグラン
ド端子電極に隣り合うように設け、前記積層体内に、そ
れぞれ一端が前記第1、第2のグランド端子電極に接続
された第1、第2のインダクタ電極を、積層体の長手方
向に沿って設け、前記第1、第2の入出力端子電極にそ
れぞれ接続された整合用コンデンサ電極を前記第1、第
2のインダクタ電極に誘電体層を介して対向させてイン
ピーダンス整合容量成分を形成し、前記第2、第1のグ
ランド端子電極にそれぞれ接続された装荷用コンデンサ
電極を前記第1、第2のインダクタ電極に誘電体層を介
して対向させて装荷用容量成分を形成したことを特徴と
する。
【0008】このように、対をなす入出力端子電極を互
いに対向するコーナー部に配置することにより、入出力
端子電極間の距離を遠くすることができ、入出力端子電
極間の容量結合が弱くなり、高周波における減衰量の低
下を防止することができる。また、グランド端子電極、
入出力端子電極をすべてコーナー部に設けため、スペー
ス効率が上がり小型化が容易となる。また、これらコー
ナー部の端子電極はスルーホールへのメッキ後の切断に
より形成する場合、側面と端面にそれぞれスルーホール
によって形成する場合に比較してスルーホールの数が半
分ですむ。
【0009】請求項2の積層フィルタは、請求項1にお
いて、前記積層体の表裏面またはその近傍に、それぞれ
シールド電極を設けたことを特徴とする。
【0010】このように、シールド電極を設けることに
より、入出力端子電極間の高周波の伝播を低減すること
ができる。また、シールド電極によって電磁波の外部へ
の放射や外部からの入射を防ぐことにより、ノイズによ
る悪影響を低減することができる。
【0011】請求項3の積層フィルタは、請求項1また
は2において、前記積層体の整合用コンデンサ電極およ
び装荷用コンデンサ電極とインダクタ電極との間の内部
誘電体層の誘電率より、該内部誘電体層と積層体の表裏
面との間に設けられた外部誘電体層の誘電率を低く設定
したことを特徴とする。
【0012】このように、外部誘電体層に誘電率の低い
誘電体を用いることにより、入出力端子電極間の容量結
合を弱めることができ、高周波における減衰量の低下を
よりよく防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1(A)は本発明による積層フ
ィルタの一実施の形態を示す外観図、図1(B)はその
F-F断面図、図1(C)はその電極の対向関係を説明
する平面図、図1(D)は該積層フィルタの等価回路図
である。また、図2は該積層フィルタの層構造図であ
る。
【0014】図1(A)、図1(C)に示すように、該
積層フィルタは、平面視がほぼ長方形をなす直方体状を
なす積層体(基体)でなる。そして、平面視における長
方形の基体1の一方の対角線上にある2つのコーナー部
の一方に、第1のグランド端子電極2を設け、他方のコ
ーナー部に第2のグランド端子電極3を設ける。
【0015】また、平面視における長方形の他方の対角
線上にある2つのコーナー部の一方に、第1の入出力端
子電極4を、他方に第2の入出力端子電極5を設ける。
ここで、前記第1の入出力端子電極4は、前記長方形の
長辺を介して前記第1のグランド端子電極2に隣り合
い、かつ短辺を介して第2のグランド端子電極3に隣り
合うように設ける。
【0016】また、図1(C)、図2に示すように、前
記基体1内に、一端が前記第1のグランド端子電極2に
接続された第1のインダクタ電極6を、積層体の長手方
向に沿って設ける。また、前記基体1内に、一端が前記
第2のグランド端子電極3に接続された第2のインダク
タ電極7を、前記第1のインダクタ電極6と逆方向に向
けて積層体の長手方向に沿って設ける。これら第1、第
2のインダクタ電極6、7は図1(D)に示すインダク
タ成分L1、L2を構成し、これらは誘導結合(M)さ
れる。
【0017】8a、9aは前記第1の入出力端子電極4
に接続された整合用コンデンサ電極である。該各整合用
コンデンサ電極8a、9aは図1(C)、図2に示すよ
うに、前記第1のインダクタ電極6に内部誘電体層1
a、1bを介して対向させることにより、図1(D)に
示すインピーダンス整合容量成分Ci1を構成する。
【0018】8b、9bは前記第2の入出力端子電極5
に接続された整合用コンデンサ電極である。該各整合用
コンデンサ電極8b、9bは図1(C)、図2に示すよ
うに、前記第2のインダクタ電極7に内部誘電体層1
a、1bを介して対向させることにより、図1(D)に
示すインピーダンス整合容量成分Ci2を構成する。
【0019】10a、11aは前記第2のグランド端子
電極3に接続された装荷用コンデンサ電極である。該各
装荷用コンデンサ電極10a、11aは、前記第1のイ
ンダクタ電極6に内部誘電体層1a、1bを介して対向
させることにより、図1(D)に示す装荷用容量成分C
r1を構成する。
【0020】10b、11bは前記第1のグランド端子
電極2に接続された装荷用コンデンサ電極である。該各
装荷用コンデンサ電極10b、11bは、前記第2のイ
ンダクタ電極7に内部誘電体層1a、1bを介して対向
させることにより、図1(D)に示す装荷用容量成分C
r2を構成する。
【0021】1c、1dは内部誘電体層1a、1bの上
下に設けられた外部誘電体層である。該外部誘電体層1
c、1dの誘電率は、内部誘電体層1a、1bの誘電率
より低くなるように材料が選択される。これらの誘電体
層1a〜1dの材料としては、樹脂基板材料、低温焼成
セラミック等を用いることができる。なお、実施例にお
いては、内部誘電体層1a、1bに誘電率が11のもの
を用い、外部誘電体層1c、1dに誘電率が3のものを
用いた。なお、外部誘電体層1c、1dは内部誘電体層
1a、1bの周囲も囲むように設けてもよい。
【0022】12a、12bは前記基体1の表裏面(表
裏面の近傍の内部でもよい)に設けたシールド電極であ
る。13a、13bはこれらのシールド電極12a、1
2bの端子電極との接続部以外を覆う絶縁層であり、シ
ールド電極12a、12bを保護するものである。
【0023】本発明の積層フィルタは、上述の構造を有
するものであり、対をなす入出力端子電極4、5を互い
に対向するコーナー部に配置しているので、入出力端子
電極4、5間の距離を遠くすることができる。従って、
入出力端子電極4、5間の容量結合が弱くなり、高周波
における減衰量の低下を防止することができる。図3は
図4、図5に示した従来例の積層フィルタと本発明によ
る積層フィルタを同サイズに形成して周波数特性を比較
して結果である。この積層フィルタは使用する信号の周
波数帯域が5.8GHzないしその前後であることを想
定したもので、その3倍の周波数である17〜18GH
z前後において、従来例より減衰量が遥かに大となって
いる。
【0024】また、本発明のように、グランド端子電極
2、3、入出力端子電極4、5をすべてコーナー部に設
ければ、スペース効率が上がり小型化が容易となる。ま
た、これらの積層フィルタは、コンデンサ電極、インダ
クタ電極あるいはシールド電極等を印刷した誘電体グリ
ーンシートを積層し、これらを圧着してスルーホールを
設け、スルーホールにメッキや導体充填し、スルーホー
ルの部分で切断して焼成し、焼成後に端子電極2〜5を
設けて製品とすることができる。この場合、図4、図5
に示したように基体の側面と端面にそれぞれスルーホー
ルによって形成する場合に比較してスルーホールの数が
半分ですみ導体充填やメッキも容易となる。
【0025】また、さらにシールド電極12a、12b
を設けたことによって、入出力端子電極4、5間の高周
波の伝播を低減できる。
【0026】
【発明の効果】請求項1によれば、対をなす入出力端子
電極を互いに対向するコーナー部に配置したので、入出
力端子電極間の距離を遠くすることができ、入出力端子
電極間の容量結合が弱くなり、高周波における減衰量の
低下を防止することができる。また、グランド端子電
極、入出力端子電極をすべてコーナー部に設けため、ス
ペース効率が上がり小型化が容易となる。また、これら
コーナー部の端子電極はスルーホールへのメッキ後の切
断により形成する場合には、側面と端面にそれぞれスル
ーホールによって形成する場合に比較してスルーホール
の数が半分ですむ。
【0027】請求項2によれば、前記積層体の表裏面ま
たはその近傍に、それぞれシールド電極を設けたので、
入出力端子電極間の高周波の伝播を低減することができ
る。また、シールド電極によって電磁波の外部への放射
や外部からの入射を防ぐことにより、ノイズによる悪影
響を低減することができる。
【0028】請求項3によれば、共振回路を構成する内
部誘電体層より、外部誘電体層に誘電率の低い誘電体を
用いたので、入出力端子電極間の容量結合を弱めること
ができ、高周波における減衰量の低下をよりよく防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明による積層フィルタの一実施の
形態を示す外観図、(B)はそのF−F断面図、(C)
は該積層フィルタの電極層の対向構造を説明する平面
図、(D)は本実施の形態の等価回路図である。
【図2】本実施の形態の層構造図である。
【図3】本発明と従来例の積層フィルタの周波数特性を
比較して示す図である。
【図4】(A)は従来の積層フィルタの一例を示す外観
図、(B)はそのF−F断面図、(C)はその等価回路
図である。
【図5】図4の積層フィルタの層構造図である。
【符号の説明】
1:積層体(基体)、1a、1b:内部誘電体層、1
c、1d:外部誘電体層、2:第1のグランド端子電
極、3:第2のグランド端子電極、4:第1の入出力端
子電極、5:第2の入出力端子電極、6:第1のインダ
クタ電極、7:第2のインダクタ電極、8a、8b、9
a、9b:整合用コンデンサ電極、10a、10b、1
1a、11b:装荷用コンデンサ電極、12a、12
b:シールド電極、13a、13b:絶縁層、Ci1、
Ci2:インピーダンス整合容量成分、Cr1、Cr
2:装荷容量成分、L1、L2:インダクタ成分

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平面視がほぼ長方形をなす積層体の前記長
    方形の一方の対角線上にある2つのコーナー部に、それ
    ぞれ第1、第2のグランド端子電極を設け、 他方の対角線上にある2つのコーナー部の一方に、第1
    の入出力端子電極を、他方に第2の入出力端子電極を、
    前記第1の入出力端子電極が前記長方形の長辺を介して
    前記第1のグランド端子電極に隣り合い、かつ短辺を介
    して第2のグランド端子電極に隣り合うように設け、 前記積層体内に、それぞれ一端が前記第1、第2のグラ
    ンド端子電極に接続された第1、第2のインダクタ電極
    を、積層体の長手方向に沿って設け、 前記第1、第2の入出力端子電極にそれぞれ接続された
    整合用コンデンサ電極を前記第1、第2のインダクタ電
    極に誘電体層を介して対向させてインピーダンス整合容
    量成分を形成し、 前記第2、第1のグランド端子電極にそれぞれ接続され
    た装荷用コンデンサ電極を前記第1、第2のインダクタ
    電極に誘電体層を介して対向させて装荷用容量成分を形
    成したことを特徴とする積層フィルタ。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記積層体の表裏面またはその近傍に、それぞれシール
    ド電極を設けたことを特徴とする積層フィルタ。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、 前記積層体の整合用コンデンサ電極および装荷用コンデ
    ンサ電極とインダクタ電極との間の内部誘電体層の誘電
    率より、該内部誘電体層と積層体の表裏面との間に設け
    られた外部誘電体層の誘電率を低く設定したことを特徴
    とする積層フィルタ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003133821A (ja) * 2001-08-13 2003-05-09 Soshin Electric Co Ltd ディレイライン
US6906600B2 (en) 2002-01-08 2005-06-14 Murata Manufacturing Co., Ltd. Surface acoustic wave device and branching filter with specified signal terminal locations
US9287910B2 (en) 2014-04-15 2016-03-15 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Electromagnetic resonance coupler and transmission apparatus

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JP2003133821A (ja) * 2001-08-13 2003-05-09 Soshin Electric Co Ltd ディレイライン
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