JP2001338823A - 磁性コアとその製造方法、およびそれを用いた磁性部品 - Google Patents
磁性コアとその製造方法、およびそれを用いた磁性部品Info
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Abstract
ギャップ部を有する磁性コアにおいて、薄型でかつ断面
積が小さい巻回体を用いた場合においても、巻回体形状
やギャップ間隔などを再現性よく維持することを可能に
する。 【解決手段】 軟磁性合金薄帯2の巻回体からなり、か
つ間隔が1mm以下のギャップ部3を有するコア本体1
と、このコア本体1の外周面に被覆形成された樹脂コー
ティング層5とを具備する磁性コアである。ギャップ部
3には、液体樹脂の注入により形成された樹脂ブリッジ
4が設けられている。このような磁性コアでは例えば幅
が5mm以下というような軟磁性合金薄帯が用いられ、薄
型の磁性コアが構成される。
Description
する小型・薄型の磁性コアとその製造方法、およびそれ
を用いた磁性部品に関する。
とする各種の電気・電子部品に用いられるチョークコイ
ル用コアやトランス用コアなどの構成材料として、透磁
率が高く、高周波域での損失が小さく、飽和磁束密度が
大きいなどの特性を有することから、アモルファス磁性
合金が多用されるようになってきている。
金のようなFe基アモルファス磁性合金は、高透磁率、
低保磁力などの優れた軟磁気特性を示すことから注目を
集め、コア材料として実用化されている。ただし、Fe
基アモルファス磁性合金を用いた磁性コアは、優れた直
流重畳特性が要求されるような用途、例えばチョークコ
イルや発信トランスなどとして使用する場合には、低磁
場で容易に飽和状態に達してしまうことから、磁性コア
の一部をカットして磁気的なギャップ部を形成し、これ
によりB−Hカーブの傾きを緩やかにすることが一般的
である。
ア(カットコア)は、通常、以下のようにして作製され
ている。すなわち、まずアモルファス磁性合金薄帯など
を所望のコア形状に巻回して巻回体を作製する。次い
で、巻回体に樹脂を含浸、固化した後、巻回体の一部を
カットしてギャップ部を形成する。ギャップ部には、ギ
ャップ形状(間隔)が変化しないように、一般的には絶
縁シートを挟み込んでいる。この後、巻回体の外表面を
外装用樹脂でコーティングする。
品に対しては、高密度実装などを可能にするために、よ
り一層小型・薄型化を図ることが求められている。例え
ば、パソコン用のPCカードや携帯型情報端末(PD
A)、また移動体通信機器などに用いられる磁性部品に
対しては薄型化を図ることが強く求められており、例え
ば高さ(磁性合金薄帯の幅)が5mm以下で、かつ高さに
対する外径の比が2を超えるような薄型の磁性コア(巻
回体)が、チョークコイルや発信トランスなどとして用
いられるようになってきている。
かつ断面積が小さい磁性コア(巻回体)では、ギャップ
部に絶縁シートを挟み込む際の手間が大きいことから、
例えばカットしたままの状態で外装コーティングを施し
ている。この際に、外装用の樹脂コーティングに粉末樹
脂を使用すると、ギャップ部には樹脂が入らないことが
多く、ギャップ部はカットされたままの状態となるた
め、巻線などの取扱い時にコアが変形したり、またギャ
ップ間隔が変化して特性が劣化するというような問題を
招いている。
液の濃度を上げて、含浸樹脂による強度(巻回体強度)
を高めることなどが検討されている。しかし、当初から
高濃度の樹脂含浸液を用いると、樹脂含浸工程時に磁性
合金薄帯間が固着してしまい、特性や歩留りの低下を招
いてしまう。
トを挟み込んだ場合には、当然ながら製造コストの上昇
を招くことになる。薄型でかつ断面積が小さい磁性コア
(巻回体)に絶縁シートを挿入した場合、製造コストの
増大のみならず、絶縁シートのずれなどにより高さ不良
が生じたり、また外装コーティング時にコーティング不
良が生じるというような問題を招いてしまう。
たもので、薄型でかつ断面積が小さい巻回体を用いた場
合においても、巻回体形状やギャップ間隔などを再現性
よく維持することを可能にした磁性コアとその製造方
法、さらにはそのような磁性コアを用いることによっ
て、小型・薄型化に対応させた上で、特性の向上を図っ
た磁性部品を提供することを目的としている。
求項1に記載したように、軟磁性合金薄帯の巻回体から
なり、かつ間隔が1mm以下のギャップ部を有するコア本
体と、前記コア本体の外周面に被覆形成された樹脂コー
ティング層とを具備する磁性コアにおいて、前記ギャッ
プ部には液体樹脂の注入により形成された樹脂ブリッジ
が設けられていることを特徴としている。
載したように、軟磁性合金薄帯の幅が5mm以下というよ
うな薄型の磁性コアに対して好適である。さらに、請求
項3に記載したように、軟磁性合金薄帯の幅tに対する
巻回体の外径Dの比(D/t)が3以上である磁性コ
ア、また請求項4に記載したように、巻回体の外径Dと
内径dとの差と軟磁性合金薄帯の幅tの積が10mm2以下
である磁性コアに対して特に有効である。
に記載したように、軟磁性合金薄帯を所望のコア形状に
巻回して巻回体を作製する工程と、前記巻回体の形状が
維持されるように、前記巻回体に対して低粘度の樹脂含
浸液を含浸、固化させた後、前記巻回体をカットしてギ
ャップ部を形成する工程と、前記ギャップ部に高粘度の
樹脂含浸液を注入して樹脂ブリッジを形成しつつ、前記
巻回体の外周面を樹脂コーティングする工程とを有する
ことを特徴としている。
求項7に記載したように、ギャップ部に高粘度の樹脂含
浸液をスポット的に注入し、この注入した樹脂を固化さ
せて樹脂ブリッジを形成する工程を有することを特徴と
している。
に液体樹脂の注入により樹脂ブリッジを設けている。こ
のように、ギャップ部に液体樹脂を用いて樹脂ブリッジ
を形成することによって、薄型でかつ断面積が小さい巻
回体を用いた場合においても、巻回体形状やギャップ間
隔などを再現性よく維持することが可能となる。樹脂ブ
リッジは一連の工程内で形成することができるため、従
来の絶縁シートの挿入のように、製造コストの上昇を招
くようなこともない。
液を含浸、固化させ、この状態で巻回体をカットした後
に、ギャップ部の樹脂ブリッジを形成しているため、高
粘度の樹脂含浸液を用いても、軟磁性合金薄帯間が固着
して特性や歩留りが低下するようなこともない。さら
に、ギャップ部に高粘度の樹脂含浸液をスポット的に注
入して樹脂ブリッジを形成することによって、形状精度
や磁気特性をさらに高めることができる。
ように、上記した本発明の磁性コアと、前記磁性コアに
設けられた巻線とを具備することを特徴としている。本
発明の磁性部品の具体例としては、請求項9に記載した
ように、直流重畳特性が要求されるチョークコイルやト
ランスなどを挙げることができる。
態について説明する。
の要部(コア本体)を示す斜視図、図2はその磁性コア
の全体構造を一部断面で示す図である。これら図におい
て、1は軟磁性合金薄帯2の巻回体からなるコア本体で
ある。このコア本体1を構成する軟磁性合金薄帯2とし
ては、例えばFe基やCo基のアモルファス磁性合金薄
帯、微細結晶粒を有するFe基軟磁性合金(以下、Fe
基微結晶合金と記す)薄帯などが用いられる。
は、例えば 一般式:(M1-aM′a)100-bXb (式中、MはFeおよびCoから選ばれる少なくとも1
種の元素を、M′はTi、V、Cr、Mn、Ni、C
u、Zr、Nb、Mo、Ta、Wなどから選ばれる少な
くとも1種の元素を、XはB、Si、C、Pなどから選
ばれる少なくとも1種の元素を示し、aおよびbはそれぞ
れ0≦a≦0.15、10≦b≦35原子%を満足する数である)で
組成が実質的に表されるものなどが例示される。
種の元素を、Dは4A族元素、5A族元素、6A族元素
および希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素
を、EはMn、Al、Ga、Ge、In、Snおよび白
金族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を、Zは
C、NおよびPから選ばれる少なくとも1種の元素を表
し、c、d、e、f、gおよびhは、0≦c≦8、0.1≦d≦15、0
≦e≦10、0≦f≦25、1≦g≦12、0≦h≦10、1≦f+g+h≦3
0の各式を満足する数である。ただし、上記式中の全て
の数字は原子%を示す)で組成が実質的に表され、平均
粒径が例えば50nm以下の微細結晶粒を有するものが挙げ
られる。
やFe基微細結晶合金薄帯の組成は、本発明の磁性コア
を用いて構成する磁性部品の使用用途に応じて適宜選択
するものとする。本発明の磁性コアは後に詳述するよう
に、ギャップ部を有するカットコアであり、その用途と
してはチョークコイルやトランスなどが挙げられる。こ
れらの構成部品として用いることを考慮して、軟磁性合
金薄帯2には直流重畳特性に優れるFe基アモルファス
磁性合金やFe基微細結晶合金を用いることが好まし
い。
2として必ずしもパーマロイやセンダストなどの結晶質
磁性合金薄帯の使用を除くものではないが、磁性部品の
小型・薄型化を達成する上で、上記したようなアモルフ
ァス磁性合金薄帯やFe基微結晶合金薄帯(特にアモル
ファス磁性合金薄帯)を使用することが好ましい。
ており、このカットされた部分が磁気的なギャップ部3
とされている。ギャップ間隔などのギャップ部3の形状
は、使用用途に応じて適宜設定されるものであるが、本
発明は特に間隔が1mm以下のギャップ部3を有する磁性
コア、すなわち絶縁シートを挟み込むことが困難で、こ
れにより製造コストの上昇や形状精度の低下が見込まれ
る磁性コアに対して有効に適用されるものである。
は、液体樹脂の注入、硬化により形成された樹脂ブリッ
ジ4が設けられている。この樹脂ブリッジ4は後に詳述
するように、コア本体(巻回体)1の一部をカットして
形成したギャップ部3に対して、外装コーティング時に
樹脂含浸液を注入したり、あるいは別途スポット的に樹
脂含浸液を注入した後に、この樹脂含浸液を熱硬化させ
ることにより形成されるものである。樹脂ブリッジ4を
構成する樹脂には、後述する樹脂コーティング層5と同
様に、種々の熱硬化性樹脂を適用することができる。
4を設けておくことによって、薄型でかつ断面積が小さ
いコア本体(巻回体)1を用いた場合においても、巻回
体形状やギャップ間隔などを再現性よく維持することが
可能となる。このような効果は、幅が5mm以下というよ
うな軟磁性合金薄帯2を用いた薄型の磁性コアに対して
顕著となる。軟磁性合金薄帯2の幅がさらに2mm以下の
場合に、本発明はより一層効果的である。
巻回体1の外径Dの比(D/t)が3以上である磁性コ
ア、また巻回体1の外径Dと内径dの差と軟磁性合金薄
帯2の幅tとの積(磁路断面積)が10mm2以下である磁
性コアに対して、本発明は特に効果を発揮する。D/t
比が3以上というような薄型磁性コアや磁路断面積が10m
m2以下というような断面積が小さい磁性コアでは、絶縁
シートを挟み込むことが特に困難となる。
樹脂ブリッジ4で維持することによって、低コストで高
性能の磁性コアを提供することが可能となる。薄型の磁
性コアや磁路断面積が小さい磁性コアに絶縁シートを挟
み込み、その外表面を樹脂コーティングで外装した場
合、絶縁シートの僅かなずれが完成時に出っ張りとなっ
て残り、外観不良や取扱い時の破損の原因となるが、本
発明の磁性コアによれば、このような問題を解消するこ
とができる。
体1の外周面は、図2に示すように、フッ素系樹脂やエ
ポキシ樹脂などの熱硬化性絶縁樹脂からなる樹脂コーテ
ィング層(外装)5で覆われており、これらにより磁性
コア6が構成されている。樹脂コーティング層5はギャ
ップ部3の樹脂ブリッジ4を含めて、コア本体1の外周
面に被覆形成されている。
ラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるフッ素系
樹脂を用いることが好ましい。フッ素系樹脂によれば、
コーティング層5の厚さを薄くした場合においても、コ
ア本体1の外周面全体を均一に被覆することができる。
また、樹脂コーティングには液体スプレー法、粉体被覆
法などの各種の方法が適用可能である。
たギャップ部3を有する磁性コア6によれば、ギャップ
部3の形状(間隔など)が変化することによる、形状不
良や特性劣化などの発生を大幅に低減することができ
る。従って、小型・薄型で高性能の磁性コア6を安価に
提供することが可能となる。さらに、樹脂ブリッジ4は
樹脂の収縮によって、コア本体(巻回体)1の外表面よ
りへこんだ状態で形成されているため、マーキングなど
を施すことなくギャップ部3の位置を確認することがで
きる。これは巻線などを施す際に有利である。
のようにして作製される。
コア形状に巻回して巻回体1を作製する。次いで、この
巻回体1に対して低粘度の樹脂含浸液を含浸、固化させ
る。この低粘度の樹脂液による樹脂含浸は、ギャップ部
3の形成時(カット時)に、巻回体1の形状を維持し得
る程度に実施すればよい。具体的には、粘度が300Pa・S
以下、さらには1〜200Pa・Sというような低粘度の樹脂
含浸液を使用することが好ましい。
巻回体1の一部を切断してギャップ部3を形成する。そ
して、このギャップ部3に樹脂ブリッジを形成し得るよ
うな高粘度の樹脂含浸液を用いて、巻回体1の外周面を
樹脂コーティング層5で被覆する。この樹脂コーティン
グ層5は外装として使用されるものである。ギャップ部
3への樹脂液の注入は外装コーティングと別途実施して
もよい。
浸液をスポット的に注入し、この注入した樹脂液を固化
させて、予めギャップ部3に樹脂ブリッジ4を形成す
る。この後、外装用の樹脂含浸液を被覆し、これを熱硬
化させることによって、巻回体1の外周面に樹脂コーテ
ィング層5を被覆形成する。このような工程を経ること
によって、樹脂ブリッジ4の形状をより一層安定化させ
ることができ、形状精度や特性を高めることが可能とな
る。
でギャップ部3に樹脂液のブリッジが形成されるよう
に、粘度が1Pa・S以上、さらには30〜5000Pa・Sという
ような高粘度の樹脂含浸液を使用することが好ましい。
この高粘度の樹脂含浸液は、必ずしも上記した低粘度の
樹脂含浸液より高粘度である必要はなく、同じ粘度のも
のを使用しても問題はない。
浸液には、エポキシ樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系
樹脂などの様々な樹脂が使用可能であり、組成(分子
量)またはアセトンなどの溶媒との混合量を適宜に選択
することによって、粘度を調整することができる。本発
明では、このような高粘度の樹脂含浸液を用いても、予
め低粘度の樹脂含浸液で巻回体1の表面を覆って軟磁性
合金薄帯2を固定しているため、ギャップ部3に必要以
上の応力が加わることがない。
したが、上記したような技術は積層型のコアに対して適
用してもよいことは言うまでもない。
性コア6は、樹脂コーティング層(外装用絶縁被覆層)
5上に巻線を施すなどして、コア本体1による磁気路と
略直交するように電流路を設けることによって、チョー
クコイルやトランスなどのの磁性部品として使用され
る。このような本発明の磁性部品は、例えばチョークコ
イル、電源用や発振用のトランス、通信回路用のパルス
トランスなどとして使用される。そして、本発明の磁性
部品によれば、上述した磁性コア6の小型・薄型化に基
づいて、チョークコイル、トランスなどの小型・薄型化
を達成することが可能となる。
価結果について説明する。
合金薄帯を巻回して、外径10mm×内径5mmのコア本体を
作製した。Fe基アモルファス磁性合金薄帯には、合金
組成がFe75Si15B10のFe−Si−B系アモルファ
ス合金を使用した。このようなコア本体を100個作製
し、これらに対して430℃×1時間の条件で歪取り熱処理
を施した。
の樹脂含浸液(エポキシ樹脂使用)に含浸し、200℃で
硬化処理を施すことによって、それぞれ巻回体の形状維
持を行った。これら各巻回体に間隔0.3mmのギャップを
形成した後、粘度が10Pa・Sの樹脂含浸液(エポキシ樹
脂使用)に含浸した。この際、各ギャップ部にブリッジ
部となる樹脂が入り込んでいることを確認した。この
後、再度200℃で硬化処理を施して、厚さ0.1mmのフッ素
樹脂コーティング層を形成した。
(100個)の平均コア高さとそのばらつき(最大値−最
小値)、10kHzでの平均透磁率とそのばらつき(最大値
−最小値)、破壊強度を測定した。それらの結果を表1
に示す。なお、破壊強度は以下のようにして測定した。
まず、磁性コアのギャップ部を上に向けて縦置きし、当
該ギャップ部に加圧治具(平板)を押し当てて圧縮応力
をかけた際に、ギャップ部が破壊したときの圧縮応力の
強さを測定する。次いで、この圧縮応力値を磁性コアの
断面積(厚さ×幅)で割ることによりノーマライズし
た。この値を表1に示した。
ギャップ部にブリッジ部を形成せずに樹脂コーティング
を実施する以外は、実施例1と同様にして100個の磁性
コアを作製した。これらの磁性コアについても、実施例
1と同様にして形状および特性を評価した。その結果を
表1に併せて示す。
たギャップ部に絶縁シートを入れることによって、ギャ
ップ部をふさいだ。この後、比較例1と同様な方法によ
って、樹脂コーティングを施すことによって、100個の
磁性コアを作製した。これらの磁性コアについても、実
施例1と同様にして形状および特性を評価した。その結
果を表1に併せて示す。
たギャップ部に、粘度が300Pa・Sの樹脂含浸液(エポキ
シ樹脂使用)をディスペンサにて注入し、200℃に保持
された連続熱処理炉を1時間かけて通過させ、樹脂を硬
化させた。これによって、ギャップ部に樹脂ブリッジを
形成した。この後、比較例1と同様な方法によって、樹
脂コーティングを施すことによって、100個の磁性コア
を作製した。これらの磁性コアについても、実施例1と
同様にして形状および特性を評価した。その結果を表1
に併せて示す。
は、形状精度および磁気特性が共に優れることが分か
る。特に、実施例2によれば、より一層の特性向上が図
れる。
=2mm)を用い、磁性コアの外径D、ギャップ部の間
隔、1回目の樹脂含浸液の粘度、ギャップ部にブリッジ
部を形成するための樹脂含浸液の粘度を、それぞれ表2
に示した値に変更する以外は、実施例1と同様にしてそ
れぞれ100個の磁性コアを作製した。なお、内径dはい
ずれも3mmで統一した。これら各磁性コアの破壊強度を
実施例1と同様にして測定した。その値を表2に併せて
示す。
い磁性コアであっても、本発明を適用することで優れた
破壊強度が得られることが分かる。この結果から、本発
明はD/tが3以上、さらには5以上と磁性薄帯の幅tに
対して外径Dが大きく、かつギャップ部を有しているこ
とから強度が低下しやすい磁性コアに対して好適であ
り、このような磁性コアの強度を向上させることができ
る。
によれば、薄型でかつ断面積が小さい巻回体を用いた場
合においても、巻回体形状やギャップ間隔などを再現性
よく維持することができる。そして、そのような磁性コ
アを安価に提供することが可能となる。また、本発明の
磁性部品によれば、小型・薄型化に対応させた上で特性
の向上を図ることができる。
示す斜視図である。
示す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 軟磁性合金薄帯の巻回体からなり、かつ
間隔が1mm以下のギャップ部を有するコア本体と、前記
コア本体の外周面に被覆形成された樹脂コーティング層
とを具備する磁性コアにおいて、 前記ギャップ部には、液体樹脂の注入により形成された
樹脂ブリッジが設けられていることを特徴とする磁性コ
ア。 - 【請求項2】 請求項1記載の磁性コアにおいて、 前記軟磁性合金薄帯は5mm以下の幅を有することを特徴
とする磁性コア。 - 【請求項3】 請求項1記載の磁性コアにおいて、 前記コア本体は、前記軟磁性合金薄帯の幅tに対する前
記巻回体の外径Dの比(D/t)が3以上であることを
特徴とする磁性コア。 - 【請求項4】 請求項1記載の磁性コアにおいて、 前記コア本体は、前記巻回体の外径Dと内径dの差と前
記軟磁性合金薄帯の幅tとの積が10mm2以下であること
を特徴とする磁性コア。 - 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
記載の磁性コアにおいて、 前記軟磁性合金薄帯は、アモルファス磁性合金薄帯また
はFe基微結晶合金薄帯からなることを特徴とする磁性
コア。 - 【請求項6】 軟磁性合金薄帯を所望のコア形状に巻回
して巻回体を作製する工程と、 前記巻回体の形状が維持されるように、前記巻回体に対
して低粘度の樹脂含浸液を含浸、固化させた後、前記巻
回体をカットしてギャップ部を形成する工程と、 前記ギャップ部に高粘度の樹脂含浸液を注入して樹脂ブ
リッジを形成しつつ、前記巻回体の外周面を樹脂コーテ
ィングする工程とを有することを特徴する磁性コアの製
造方法。 - 【請求項7】 請求項6記載の磁性コアの製造方法にお
いて、 さらに、前記ギャップ部に高粘度の樹脂含浸液をスポッ
ト的に注入し、この注入した樹脂を固化させて前記樹脂
ブリッジを形成する工程を有することを特徴とする磁性
コアの製造方法。 - 【請求項8】 請求項1ないし請求項5のいずれか1項
記載の磁性コアと、 前記磁性コアに設けられた巻線とを具備することを特徴
とする磁性部品。 - 【請求項9】 請求項8記載の磁性部品において、 チョークコイルまたはトランスであることを特徴とする
磁性部品。
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