JP2001338750A - 電磁調理器 - Google Patents

電磁調理器

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JP2001338750A
JP2001338750A JP2000156394A JP2000156394A JP2001338750A JP 2001338750 A JP2001338750 A JP 2001338750A JP 2000156394 A JP2000156394 A JP 2000156394A JP 2000156394 A JP2000156394 A JP 2000156394A JP 2001338750 A JP2001338750 A JP 2001338750A
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coil
heating coil
peripheral side
side heating
inner peripheral
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JP2000156394A
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Inventor
Kikuo Komiyama
菊夫 小宮山
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度分布を良好にするためには、コイル部の
外径や重量の増大を招くという課題があった。 【解決手段】 内周側加熱コイル1bと外周側加熱コイ
ル1aとが所定距離離れて配設されると共に内周側加熱
コイル1bと複数段巻きになるよう2段目加熱コイル1
cが配設された加熱コイル1と、内周側加熱コイル1b
および2段目加熱コイル1cの内周寄りに段方向にわた
って配設された中心部磁性体6と、加熱コイル1の下方
に配設され、内周側端部が中心部磁性体6に接触または
近接した下面磁性体7とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電磁調理器の磁界
を平準化し、鍋等の被加熱容器の温度分布を改善する技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】図13(a)は従来の電磁調理器を示す
断面図である。図において、1は略平面渦巻状に巻かれ
た加熱コイル、2はコイルを配設するコイル台、3は耐
熱絶縁材からなる天板、4は天板3に載置され、加熱コ
イル1により発生する磁場により加熱される被加熱容器
である鍋、5は鍋4の発熱により加熱調理される被加熱
物、8は天板3から加熱コイル1への熱を遮る断熱材で
ある。図13(b)は鍋4の底面径方向の温度分布を示
す温度分布図である。
【0003】次に動作について説明する。加熱コイル1
への高周波交流電流の通電により形成される磁界の強さ
は、加熱コイル1の内外径の略中央で最大となり、内周
側および外周側に向けて低下する分布を示すことから、
この磁界の作用により発熱する鍋4の底面径方向の温度
分布も図13(b)のように略M字状になる。底面全体
の温度分布で見ると高温部がドーナツ状に分布し、中心
部が低温となるので、被加熱物5は鍋4底面に当たる部
分がドーナツ状に焼けるが中心部は生焼けというような
調理上の不具合が生じていた。
【0004】これに対する改善方法として、実公昭54
−39723号公報の提案がなされている。図14
(a)は同公報に記載された高周波誘導加熱装置を示す
断面図、(b)はその鍋底温度分布を示す温度分布図で
ある。図14(a)では加熱コイル1に外周多層巻部e
と内周多層巻部fを配設せしめることにより、図14
(b)のように鍋4の底の温度分布は加熱コイル1の外
周多層巻部eと内周多層巻部fに相対する部分の加熱が
強められ、多層巻部のない場合の温度分布が破線の分布
であるのに対し、実線のように略均一な温度分布が得ら
れるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加熱コ
イル1の内外径の略中央の最大磁界の部分は、加熱コイ
ルすべての合成磁界であって、この方法の加熱コイル1
の外周多層巻部eと内周多層巻部fもその内外径の略中
央の最大磁界の部分の磁界を少なからず強めているた
め、実際に加熱コイル内周部と外周部の磁界の強さを、
加熱コイル内外径の略中央部と略同等にするには、多層
巻部にかなり多くのターン数を巻き足す必要があった。
巻き足すターン数が大きく増加すると、コイルの線長が
長くなり、電気抵抗が大きく増加するので、コイルを線
径を大きくして電気抵抗を元に戻すことも必要になり、
コイル部の外径の増大、重量の増大を招くといった課題
があった。
【0006】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、コイル部の外径や重量の増大を抑
制しつつ、温度分布が良好な電磁調理器を得ることを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る電磁調理
器は、内周側加熱コイルと外周側加熱コイルとが所定距
離離れて配設されると共に前記内周側加熱コイルと複数
段巻きになるよう段コイルが配設され、各コイルには同
一の大きさの電流が同時に同方向に流れる加熱コイル
と、前記内周側加熱コイルおよび段コイルの内側に段方
向にわたって配設された中心部磁性体と、前記加熱コイ
ルの下方に前記内周側加熱コイルから外周側加熱コイル
にかけて配設され、内周側の端部が前記中心部磁性体に
接触または近接した下面磁性体とを備えたものである。
【0008】また、加熱コイルを配設するコイル台を備
え、内周側加熱コイルおよび外周側加熱コイルが前記コ
イル台の鍋載置側略同一面上に配設され、段コイルが前
記コイル台の鍋載置側と反対側に配設されたものであ
る。
【0009】また、段コイルの端末を裏面へ貫通する穴
を形成したコイル台を備え、前記段コイルが前記コイル
台と内周側加熱コイルとの間に位置し、前記内周側加熱
コイルおよび外周側加熱コイルが略同一面上に配設され
たものである。
【0010】また、段コイルの端末を径方向に案内する
溝を形成したコイル台を備え、前記段コイルが前記コイ
ル台と内周側加熱コイルとの間に位置し、前記内周側加
熱コイルおよび外周側加熱コイルが略同一面上に配設さ
れたものである。
【0011】また、内周側加熱コイルと外周側加熱コイ
ルとの間にスペーサを備えたものである。
【0012】また、段コイルと同一平面上に下面磁性体
を配置したものである。
【0013】また、下面磁性体の内側端部形状を対向す
る中心部磁性体の外側形状に合わせたものである。
【0014】また、加熱コイルを配設するコイル台を備
え、前記コイル台に中心部磁性体の段方向の動きを規制
する中心部磁性体搭載部を設けたものである。
【0015】また、中心部磁性体を載置可能に下面磁性
体の内側端部を延設したものである。
【0016】また、内周側加熱コイルおよび外周側加熱
コイルが配設されると共に内周側加熱コイルを挟むよう
に段コイルが配設されたコイル台を備え、段コイルの端
末を外周側加熱コイルの反コイル台側を通してコイル台
外に引き出したものである。
【0017】また、内周側加熱コイルおよび外周側加熱
コイルが配設されると共に内周側加熱コイルを挟むよう
に段コイルが配設され、段コイルの端末を内周側加熱コ
イルと外周側加熱コイルとの間からコイル台外に引き出
す穴を形成したコイル台を備えたものである。
【0018】また、内周側加熱コイルと外周側加熱コイ
ルとの間の所定距離を、内周側加熱コイルと外周側加熱
コイルとの間隙に対応する鍋底の磁界分布が内周側加熱
コイルおよび外周側加熱コイルの各々に対応する鍋底の
磁界分布と略均一となるよう設定したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態を図について説明する。図1(a)は本発明
の実施の形態1における電磁調理器を示す断面図、図1
(b)は図1(a)における鍋底の径方向の温度分布を
示す温度分布図である。図2(a)は図1(a)の電磁
調理器のうち天板および断熱材を除いた部分の上面図、
図2(b)は同下面図である。尚、図2では図面を見や
すくするために各加熱コイルの巻線を省略してある。
【0020】図において、1aは渦巻状に巻線された外
周側加熱コイル、1bは渦巻状に巻線された内周側加熱
コイルで、これら外周側加熱コイル1aおよび内周側加
熱コイル1bは同一平面上に同心円状に配置されてい
る。1cは内周側加熱コイル1bの内周寄り下方に設け
られた段コイルである2段目加熱コイルで、内周側加熱
コイル1bと同心円状であり、内周側加熱コイル1bの
内周端と2段目加熱コイル1cの内周端とは段方向に略
面一となるよう配置され、2段目加熱コイル1cの巻数
は内周側加熱コイル1bの巻数よりも少なく設定されて
いる。そして、外周側加熱コイル1a、内周側加熱コイ
ル1bおよび2段目加熱コイル1cで加熱コイル1を構
成している。
【0021】2は外周側加熱コイル1a、内周側加熱コ
イル1bおよび2段目加熱コイル1cをそれぞれ所定の
位置に配設するコイル台で、外周側加熱コイル1aおよ
び内周側加熱コイル1bはコイル台2の上面側に、2段
目加熱コイル1cはコイル台2の下面側に配設される。
3は外周側加熱コイル1aおよび内周側加熱コイル1b
の上方に配設され、耐熱絶縁材からなる天板、4は天板
3に載置され、加熱コイル1により発生する磁界により
加熱される被加熱容器である鍋、5は鍋4の発熱により
加熱調理される被加熱物、8は外周側加熱コイル1aお
よび内周側加熱コイル1bと天板3との間に設けられ、
天板3から加熱コイル1への熱を遮る断熱材である。
【0022】9は外周側加熱コイル1aと内周側加熱コ
イル1bとの間に所定距離の間隙部として確保されるコ
イル無し部、10は外周側加熱コイル1aの内周寄り巻
線と内周側加熱コイル1bの外周寄り巻線とを結ぶ渡り
線、11は内周側加熱コイル1bの内周寄り巻線と2段
目加熱コイル1cの内周寄り巻線とを結ぶ渡り線で、図
示されないコイル台2の穴を通り結ばれている。外周側
加熱コイル1a、内周側加熱コイル1bおよび2段目加
熱コイル1cは電気的に直列接続され、コイル中心軸に
対し同一周方向に同じ大きさの電流が流れるように巻線
が巻かれている。
【0023】加熱コイル1の巻き方向は、例えば図2
(a)において、外周側加熱コイル1aが外側から内側
に向かって反時計方向に巻かれ、渡り線10で内周側加
熱コイル1bの外側に渡り、内側に向かって反時計方向
に巻かれ、渡り線11でコイル台2下面側の2段目加熱
コイル1cの内側に渡り、図2(b)で2段目加熱コイ
ル1cが内側から外側に向かって時計方向に巻かれる。
2cはコイル台2の材料の量を減らし、外周側加熱コイ
ル1a、内周側加熱コイル1bの熱を逃がすための穴で
ある。
【0024】6はコイル台2上面側に配設された内周側
加熱コイル1b内周端および同下面側に配設された2段
目加熱コイル1c内周端と対向する位置に段方向にわた
って設けられた筒状フェライト製の中心部磁性体で、上
部が断熱材8と当接し、内周側加熱コイル1bおよび2
段目加熱コイル1cと同心円状に配置される。7はコイ
ル台2下方に、内周側加熱コイル1b内周側から外周側
加熱コイル1a外周側に向かい放射状に複数設けられた
フェライト製のコイル台下面磁性体で、内側端部が中心
部磁性体6と当接または近接するよう略長方形板状部材
を90度毎に合計4個配置している。
【0025】次に動作について説明する。図示されない
インバータ電源により各加熱コイル1a、1b、1cに
高周波交流電流で通電すると交番磁界が発生し、磁力線
は鍋4の底面に入り、底面中心部から中心部磁性体6、
コイル台下面磁性体7を通り、外周側加熱コイル1aの
外側を回って再び鍋4の底面の外側に入り完結する磁路
を形成する。
【0026】ここで、 (1)内周側加熱コイル1bと重ねて2段目加熱コイル
1cを巻いたことで、従来のドーナツ状の温度分布にお
ける中心低温部の磁界を強め、中心部の温度を上昇させ
る。 (2)外周側加熱コイル1aと内周側加熱コイル1bと
の間を適宜に間隙を設けたコイル無し部9とすること
で、従来のドーナツ状の温度分布における高温部の温度
を低下させる。
【0027】(3)中心部磁性体6を設けることで、従
来は鍋4の底面の中心部で両側の内周側加熱コイル1b
から受ける磁界の方向が互いに逆方向で打ち消し合って
いたのが、中心の手前で磁力線が曲がって中心部磁性体
6を通りコイル台2の下面方向に行くので、鍋4の底面
の中心部における磁力線が発熱に有効に作用して、中心
部温度を上昇させる。
【0028】(4)コイル台2下面に、内周側加熱コイ
ル1b内側から外周側加熱コイル1a外側に向かいコイ
ル台下面磁性体7を設けることで、磁界を外周側へ導く
ので、鍋4の底面の中心部における磁力線が発熱に有効
に作用して、中心部温度を上昇させる。尚、コイル台下
面磁性体7を放射状に複数設けることで、円盤状にする
場合に比べて等価的に必要な磁路が確保でき、軽量、安
価、磁性体の割れ欠け防止が図れる。
【0029】(5)中心部磁性体6とコイル台下面磁性
体7を接触または近接させることで、中心部磁性体6を
通る磁力線を有効にコイル台下面磁性体7を通して鍋4
の底面の外側に導くことができ、鍋4の底面の中心部に
おける磁力線の打ち消し合いを防止して、中心部温度を
上昇させる。
【0030】その結果、図1(b)の鍋温度分布のよう
に略均一な温度分布が実現できた。このような温度分布
の平準化は上記5項目の構成要件の相乗効果により得ら
れたものである。以下この点について説明する。まず、
2段目加熱コイル1cが無い場合は、鍋4底中心部の磁
界は、内周側加熱コイル1bによる磁界だけになり、こ
れは従来からのドーナツ状の温度分布の中心部が低温で
不都合があった状態と近い。
【0031】外周側加熱コイル1aと内周側加熱コイル
1bとの間のコイル無し部9が確保されていない場合、
内外加熱コイルは連続して配設され、前述した図14の
従来例の構造となり、ドーナツ状温度分布の高温部の磁
界に対抗するだけ、中心部の磁界を強めるためには、2
段目加熱コイル1cを多段に多数巻く必要がある。巻き
足すターン数が大きく増加すると、コイルの線長が長く
なり、電気抵抗が大きく増加するので、コイルの線径を
大きくして電気抵抗を元に戻すことも必要になり、コイ
ル部の外径の増大、重量の増大を招く。コイル無し部9
を設けることによって、コイルのターン数を増やすこと
なく加熱範囲を拡大し、かつ加熱効率を低減させること
なく、ドーナツ状の高温部の温度を低減することが可能
になる。
【0032】中心部磁性体6が無い場合は、前述したよ
うに鍋4底中心部の磁界が打ち消し合って弱まるため、
内周側に2段目加熱コイル1cを設けても、鍋4底中心
部の磁界は増加しない。コイル台下面磁性体7が無い場
合も、中心部磁性体6を通る磁界を有効に外周側に導く
ことができず、鍋4底中心部の磁界が打ち消し合って弱
まるため、内周側に2段目加熱コイル1cを設けても、
鍋4底中心部の磁界は増加しない。
【0033】中心部磁性体6とコイル台下面磁性体7の
間が離れすぎている場合も、そこで磁気抵抗が大きくな
り、中心部磁性体6を通る磁界を有効に外周側に導くこ
とができず、鍋4底中心部の磁界が打ち消し合って弱ま
るため、内周側に2段目加熱コイル1cを設けても、鍋
4底中心部の磁界は増加しない。
【0034】このように、上記5項目の構成要件の相乗
効果によりコイル部の外径や重量の増大を抑制しつつ、
略均一な温度分布が実現できる。ここで、コイル無し部
9による外周側加熱コイル1aと内周側加熱コイル1b
との間の所定距離は、底の厚さが略同一で底の組成材料
が同一であり、且つ鍋底が外周側加熱コイル1aの外周
側まで達する鍋4を載置したとき、コイル無し部9に対
応する鍋4底の磁界分布が外周側加熱コイル1aおよび
内周側加熱コイル1bの各々に対応する鍋4底の磁界分
布と略均一になるよう設定されている。
【0035】このように、外周側加熱コイル1aと内周
側加熱コイル1bとの間に確保されるコイル無し部分9
の所定距離は、上記5項目の構成要件の兼ね合いで相乗
効果が顕著に得られる値に設定され、中心部の磁界を効
率的に強め、外周側の合成磁界への影響を小さくしてい
る。そしてこのような構成によって、コイル線径の増大
や、コイル線長の増大を抑えつつ、温度分布を平準化す
ることが可能になる。
【0036】図3は図1および図2のコイル台2の中心
部寄りの部分を示す拡大図で、図において12は2段目
加熱コイル1cとコイル台下面磁性体7とを絶縁する絶
縁シートである。内周側加熱コイル1bと2段目加熱コ
イル1cとの絶縁は、コイル台2によってなされてい
る。図3の構造の場合、図2で渡り線11の通るコイル
台2の穴から2段目加熱コイル1cの必要長さだけ先に
通し、2段目加熱コイル1cは渡り線11の所から必要
な巻数だけ外側に向かって渦巻状に巻く。内周側加熱コ
イル1bは渡り線11の所から必要な巻数だけ外側に向
かって渦巻状に巻き、渡り線10で外周側加熱コイル1
aに渡り、必要な巻数だけ外側に向かって渦巻状に巻く
と加熱コイル1a、1b、1cの直列巻きができる。
【0037】この構造の場合、2段目加熱コイル1cが
内周側加熱コイル1bの裏側に配設されるので、コイル
台2の両面に各々1段のコイルを巻けばよい。また、2
段目加熱コイル1cがコイル台2の下面になるので、2
段目加熱コイル1cの放熱が良い、という効果がある。
【0038】実施の形態2.図4は、図3の他の実施の
形態を示す拡大断面図である。図において、内周側加熱
コイル1bおよび2段目加熱コイル1cはコイル台2の
上面側(鍋4側)に配設されている。2aはコイル台2
の上面側に形成され、2段目加熱コイル1cを収納する
凹部、13は内周側加熱コイル1bと2段目加熱コイル
1cとを絶縁する絶縁シートである。凹部2aに収納さ
れた2段目加熱コイル1cの上端面とコイル台2の上端
面とは略同じ高さであり、絶縁シート13によって略平
らな面が形成され、内周側加熱コイル1bは絶縁シート
13上の同一平面上に位置することができる。その他の
構成は実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
【0039】図4の構造の場合、2段目加熱コイル1c
とコイル台下面磁性体7との絶縁は、間に介在するコイ
ル台2によってなされる。また、巻線工程としては、2
段目加熱コイル1cを最初に内側から必要な巻数だけ外
側に向かって渦巻状に巻き、図示されないコイル台2の
穴を通してコイル台2下面側にコイル端末を引き出す。
2段目加熱コイル1cの上に絶縁シート13を載せ、2
段目加熱コイル1cの最内周から絶縁シート13の図示
されない穴を通り絶縁シート13の上に渡り、図2で内
周側加熱コイル1bを内側から必要な巻数だけ外側に向
かって渦巻状に巻き、渡り線10で外周側加熱コイル1
aに渡り、必要な巻数だけ外側に向かって渦巻状に巻く
と、各加熱コイル1a、1b、1cの直列巻きができ
る。
【0040】本実施の形態の構造の場合、2段目加熱コ
イル1cのコイル端末をコイル台2下面側に引き出す作
業を除き、巻線作業はコイル台2の片面(上面側)で実
施できるから、巻線作業の作業性が良いという効果があ
る。
【0041】実施の形態3.図5(a)は図4の他の実
施の形態の構造を示す平面図、図5(b)は図5(a)
のA−A’部断面拡大図である。図において、2eはコ
イル台2の上面側に凹部2a外周から接線方向に延びて
外端まで形成された溝部で、溝の深さは凹部2と同じ略
コイル線径である。1caは溝部2eに引き回される2
段目加熱コイル1cの端末である。その他の構成は実施
の形態2と同様であり、その説明を省略する。
【0042】本実施の形態の巻線工程においては、2段
目加熱コイル1cの配設される凹部2aからコイル台2
外周まで、2段目加熱コイル1cの端末1caをコイル
台2の上面側に形成された溝部2eに入れて引き出すよ
うにした。図5(b)に示すように、溝部2eを引き回
すコイルの端末1caのうち、外周側加熱コイル1aの
下を通る部分は、端末1ca上に絶縁シート14を載せ
て絶縁する。または、図示しないが、端末1caに絶縁
チューブを被せて溝2eに入れても良い。
【0043】本実施の形態の構造の場合、コイル台2下
面への2段目加熱コイル1cの端末引き出し作業が不要
になり、巻線作業は全てコイル台2の片面(上面側)で
実施できるとともに、端末1caが溝部2e内に位置決
めされるから、さらに巻線作業の作業性が良いという効
果がある。
【0044】実施の形態4.図6(a)は図3の他の実
施の形態の構造を示す断面図、図6(b)は図6(a)
の平面図である。図において、2bは外周側加熱コイル
1aと内周側加熱コイル1bとの間のコイル無し部9の
間隙を埋めるようにコイル台2上面側に形成された凸部
で、スペーサの役割をし、外周側加熱コイル1aと内周
側加熱コイル1bとを結ぶ渡り線10を収納する溝部が
形成されている。その他の構成は実施の形態2と同様で
あり、その説明を省略する。
【0045】本実施の形態の巻線工程は、実施の形態1
と同様であるが、凸部2bにより、外周側加熱コイル1
a、内周側加熱コイル1bおよび渡り線10が位置決め
され、精度良く巻線できることから、巻線作業時の作業
性や巻線精度の向上が図れる効果がある。凸部2bは図
4、図5の構造においても実施可能である。また、凸部
2bはコイル台2と別部材であっても良い。さらに凸部
2b内を中空にすれば、材料を節約できる。
【0046】実施の形態5.図7は、図3の他の実施の
形態を示す拡大断面図である。図において、2fはコイ
ル台2の下面側に設けられ、2段目加熱コイル1cの外
周側の広がりを規制する凸部で、凸部2fより外周側の
コイル台2下面側は切り欠かれている。7aは2段目加
熱コイル1cおよび凸部2fの下方に設けられたフェラ
イト製のコイル台下面磁性体、7bは凸部2fの外周側
で、コイル無し部9および外周側加熱コイル1aの下方
となるコイル台2下面側の切欠き部に設けられたコイル
台下面磁性体であり、これらコイル台下面磁性体7a、
7bは径方向に若干の重なりをもって配設されている。
その他の構成は実施の形態1と同様であり、その説明を
省略する。
【0047】このような構成とすることにより、コイル
台下面磁性体7aは2段目加熱コイル1cの下側にて中
心部磁性体6と、外周寄りにてコイル台下面磁性体7b
と磁路を有効に接続する。そして、内周側加熱コイル1
b外周寄りから外周側加熱コイル1aまでの裏側に近接
してコイル台下面磁性体7bを配設したので、磁気結合
が強まり、加熱効率が向上するという効果がある。コイ
ル台下面磁性体7a、7bは図4、図5の構造において
も実施可能である。
【0048】実施の形態6.図8は図2(b)の他の実
施の形態を示す拡大平面図である。図において、6aは
コイル台下面磁性体7と対面する中心部磁性体6の対向
面、7cは中心部磁性体6の対向面6aと対面するコイ
ル台下面磁性体7の中心磁性体6側の端部である。対向
面6aおよび端部7cは筒状の中心部磁性体6の外側形
状に合わせ、互いに略合致する曲面形状に形成されてい
る。その他の構成は実施の形態1と同様であり、その説
明を省略する。
【0049】このような構成とすることにより、コイル
台下面磁性体7と中心部磁性体6との間の磁気抵抗が減
少し、中心部の磁界が通り易くなり、鍋4底中心部の温
度上昇が良くなる。また、加熱効率が向上するという効
果がある。対向面6aおよび端部7cは、図4、図5の
構造においても実施可能である。
【0050】実施の形態7.図9は図3の他の実施の形
態を示す部分断面図である。図において、2dはコイル
台2の内周端下部から中心部へ延設され、中心部磁性体
6が載置される搭載部である。その他の構成は実施の形
態1と同様であり、その説明を省略する。このような構
成とすることにより、中心部磁性体6の組立性が向上
し、中心部磁性体6と加熱コイル1との上下方向の位置
精度が向上するという効果がある。搭載部2bは、図
4、図5の構造においても実施可能である。
【0051】実施の形態8.図10は図3の他の実施の
形態を示す部分断面図である。図において、コイル台下
面磁性体7の中心側端部はコイル台2の内周側下部より
もさらに中心部へ延設され、実施の形態1よりもコイル
台下面磁性体7の厚み相当分の上下長さが縮められた中
心部磁性体6が載置可能になっている。その他の構成は
実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。この
ような構成とすることにより、中心部磁性体6の組立性
が向上し、中心部磁性体6とコイル台下面磁性体7との
上下方向の位置精度が向上するという効果がある。この
コイル台下面磁性体7の構造は、図4、図5の構造にお
いても実施可能である。
【0052】実施の形態9.図11は他の実施の形態を
示す断面図である。図において、2段目加熱コイル1c
は内周側加熱コイル1bの上側に配設されている。15
は2断面コイル1cから外周側へ引き出されるコイル端
末のうち、外周側加熱コイル1a上を通過する部分を被
覆する絶縁チューブ、16は内周側加熱コイル1bおよ
び2段目加熱コイル1cと中心部磁性体6とを絶縁する
絶縁材である。
【0053】このような構成とすることにより、コイル
台2は2段目加熱コイル1cを収納する凹部が不要とな
るため、略平板の材料を四角形等適宜な形に切り出し、
中心に中心部磁性体6の穴加工をするだけの簡単な加工
で作れる。従って、製作性が向上する効果がある。ま
た、外周側加熱コイル1aとコイル台下面磁性体7とを
近接させることができる。その他の構成は実施の形態1
と同様であり、その説明を省略する。本実施の形態の構
成は実施の形態2〜8についても組み合わせ可能であ
る。
【0054】実施の形態10.図12は図11に他の実
施の形態を示す断面図である。図において、コイル台2
のコイル無し部9が該当する部分に図示されない穴を開
け、2段目加熱コイル1cのコイル端末をこの穴に通し
てコイル台2の上面側から下面側へ引き出す構造として
いる。このような構造とすることにより、図11で外周
側加熱コイル1aの上を通すために設けた絶縁チューブ
15が不要になり、外周側加熱コイル1aの上をコイル
線が通らないので、外周側加熱コイル1aの上の通風が
良くなり、加熱コイル1の放熱性が向上する効果があ
る。
【0055】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、内周
側加熱コイルと外周側加熱コイルとが所定距離離れて配
設されると共に前記内周側加熱コイルと複数段巻きにな
るよう段コイルが配設され、各コイルには同一の大きさ
の電流が同時に同方向に流れる加熱コイルと、前記内周
側加熱コイルおよび段コイルの内側に段方向にわたって
配設された中心部磁性体と、前記加熱コイルの下方に前
記内周側加熱コイルから外周側加熱コイルにかけて配設
され、内周側の端部が前記中心部磁性体に接触または近
接した下面磁性体とを備えたので、コイル部の外径や重
量の増大を抑制しつつ、温度分布の良好な電磁調理器に
できる効果が得られる。
【0056】また、加熱コイルを配設するコイル台を備
え、内周側加熱コイルおよび外周側加熱コイルが前記コ
イル台の鍋載置側略同一面上に配設され、段コイルが前
記コイル台の鍋載置側と反対側に配設されたので、コイ
ル台により内周側加熱コイルと段コイルとの絶縁が容易
に行える効果が得られる。
【0057】また、段コイルの端末を裏面へ貫通する穴
を形成したコイル台を備え、前記段コイルが前記コイル
台と内周側加熱コイルとの間に位置し、前記内周側加熱
コイルおよび外周側加熱コイルが略同一面上に配設され
たので、巻線の作業性が向上する効果が得られる。
【0058】また、段コイルの端末を径方向に案内する
溝を形成したコイル台を備え、前記段コイルが前記コイ
ル台と内周側加熱コイルとの間に位置し、前記内周側加
熱コイルおよび外周側加熱コイルが略同一面上に配設さ
れたので、巻線の位置決めができ、作業性が向上する効
果が得られる。
【0059】また、内周側加熱コイルと外周側加熱コイ
ルとの間にスペーサを備えたので、加熱コイルが精度良
く位置決めできる効果が得られる。
【0060】また、段コイルと同一平面上に下面磁性体
を配置したので、磁気結合が強まり、加熱効率が向上す
る効果が得られる。
【0061】また、下面磁性体の内側端部形状を対向す
る中心部磁性体の外側形状に合わせたので、中心部の磁
界が通り易くなり、加熱効率が向上する効果が得られ
る。
【0062】また、加熱コイルを配設するコイル台を備
え、前記コイル台に中心部磁性体の段方向の動きを規制
する中心部磁性体搭載部を設けたので、中心部磁性体と
加熱コイルとの位置精度が向上する効果が得られる。
【0063】また、中心部磁性体を載置可能に下面磁性
体の内側端部を延設したので、中心部磁性体と下面磁性
体との位置精度が向上する効果が得られる。
【0064】また、内周側加熱コイルおよび外周側加熱
コイルが配設されると共に内周側加熱コイルを挟むよう
に段コイルが配設されたコイル台を備え、段コイルの端
末を外周側加熱コイルの反コイル台側を通してコイル台
外に引き出したので、コイル台の製作性が向上する効果
が得られる。
【0065】また、内周側加熱コイルおよび外周側加熱
コイルが配設されると共に内周側加熱コイルを挟むよう
に段コイルが配設され、段コイルの端末を内周側加熱コ
イルと外周側加熱コイルとの間からコイル台外に引き出
す穴を形成したコイル台を備えたので、加熱コイルの放
熱性が向上する効果が得られる。
【0066】また、内周側加熱コイルと外周側加熱コイ
ルとの間の所定距離を、内周側加熱コイルと外周側加熱
コイルとの間隙に対応する鍋底の磁界分布が内周側加熱
コイルおよび外周側加熱コイルの各々に対応する鍋底の
磁界分布と略均一となるよう設定したので、コイル部の
外径や重量の増大を抑制しつつ、温度分布の良好な電磁
調理器にできる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)この発明の実施の形態1における電磁
調理器を示す断面図である。(b)図1(a)における
鍋底の径方向の温度分布を示す温度分布図である。
【図2】 (a)図1(a)の電磁調理器のうち天板お
よび断熱材を除いた部分の上面図である。(b)図1
(a)の電磁調理器の下面図である。
【図3】 図1および図2におけるコイル台中心部寄り
の部分を示す拡大断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態2における電磁調理器
を示す拡大断面図である。
【図5】 (a)この発明の実施の形態3における電磁
調理器を示す平面図である。(b)図5(a)のA−
A’部断面拡大図である。
【図6】 (a)この発明の実施の形態4における電磁
調理器を示す断面図である。(b)図6(a)の平面図
である。
【図7】 この発明の実施の形態5における電磁調理器
を示す拡大断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態6における電磁調理器
を示す部分平面図である。
【図9】 この発明の実施の形態7における電磁調理器
を示す拡大断面図である。
【図10】 この発明の実施の形態8における電磁調理
器を示す拡大断面図である。
【図11】 この発明の実施の形態9における電磁調理
器を示す断面図である。
【図12】 この発明の実施の形態10における電磁調
理器を示す部分断面図である。
【図13】 (a)従来の電磁調理器を示す断面図であ
る。(b)図13(a)における鍋底の径方向の温度分
布を示す温度分布図である。
【図14】 (a)他の従来の電磁調理器を示す断面図
である。(b)図14(a)における鍋底の径方向の温
度分布を示す温度分布図である。
【符号の説明】
1 加熱コイル、 1a 外周側加熱コイル、 1b
内周側加熱コイル、1c 2段目加熱コイル、 2 コ
イル台、 2a 凹部、 2b 凸部、 2d 搭載
部、 2e 溝部、 3 天板、 4 鍋、 5 被加
熱物、 6 中心部磁性体、 7 コイル台下面磁性
体、 8 断熱材、 9 コイル無し部、10、11
渡り線、 12、13、14 絶縁シート、 15 絶
縁チューブ、 16 絶縁材。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周側加熱コイルと外周側加熱コイルと
    が所定距離離れて配設されると共に前記内周側加熱コイ
    ルと複数段巻きになるよう段コイルが配設され、各コイ
    ルには同一の大きさの電流が同時に同方向に流れる加熱
    コイルと、前記内周側加熱コイルおよび段コイルの内側
    に段方向にわたって配設された中心部磁性体と、前記加
    熱コイルの下方に前記内周側加熱コイルから外周側加熱
    コイルにかけて配設され、内周側の端部が前記中心部磁
    性体に接触または近接した下面磁性体とを備えたことを
    特徴とする電磁調理器。
  2. 【請求項2】 加熱コイルを配設するコイル台を備え、
    内周側加熱コイルおよび外周側加熱コイルが前記コイル
    台の鍋載置側略同一面上に配設され、段コイルが前記コ
    イル台の鍋載置側と反対側に配設されたことを特徴とす
    る請求項1記載の電磁調理器。
  3. 【請求項3】 段コイルの端末を裏面へ貫通する穴を形
    成したコイル台を備え、前記段コイルが前記コイル台と
    内周側加熱コイルとの間に位置し、前記内周側加熱コイ
    ルおよび外周側加熱コイルが略同一面上に配設されたこ
    とを特徴とする請求項1記載の電磁調理器。
  4. 【請求項4】 段コイルの端末を径方向に案内する溝を
    形成したコイル台を備え、前記段コイルが前記コイル台
    と内周側加熱コイルとの間に位置し、前記内周側加熱コ
    イルおよび外周側加熱コイルが略同一面上に配設された
    ことを特徴とする請求項1記載の電磁調理器。
  5. 【請求項5】 内周側加熱コイルと外周側加熱コイルと
    の間にスペーサを備えたことを特徴とする請求項1乃至
    4の何れかに記載の電磁調理器。
  6. 【請求項6】 段コイルと同一平面上に下面磁性体を配
    置したことを特徴とする請求項1または2または3記載
    の電磁調理器。
  7. 【請求項7】 下面磁性体の内側端部形状を対向する中
    心部磁性体の外側形状に合わせたことを特徴とする請求
    項1記載の電磁調理器。
  8. 【請求項8】 加熱コイルを配設するコイル台を備え、
    前記コイル台に中心部磁性体の段方向の動きを規制する
    中心部磁性体搭載部を設けたことを特徴とする請求項1
    又は2又は3記載の電磁調理器。
  9. 【請求項9】 中心部磁性体を載置可能に下面磁性体の
    内側端部を延設したことを特徴とする請求項1または2
    または3記載の電磁調理器。
  10. 【請求項10】 内周側加熱コイルおよび外周側加熱コ
    イルが配設されると共に内周側加熱コイルを挟むように
    段コイルが配設されたコイル台を備え、段コイルの端末
    を外周側加熱コイルの反コイル台側を通してコイル台外
    に引き出したことを特徴とする請求項1記載の電磁調理
    器。
  11. 【請求項11】 内周側加熱コイルおよび外周側加熱コ
    イルが配設されると共に内周側加熱コイルを挟むように
    段コイルが配設され、段コイルの端末を内周側加熱コイ
    ルと外周側加熱コイルとの間からコイル台外に引き出す
    穴を形成したコイル台を備えたことを特徴とする請求項
    1記載の電磁調理器。
  12. 【請求項12】 内周側加熱コイルと外周側加熱コイル
    との間の所定距離を、内周側加熱コイルと外周側加熱コ
    イルとの間隙に対応する鍋底の磁界分布が内周側加熱コ
    イルおよび外周側加熱コイルの各々に対応する鍋底の磁
    界分布と略均一となるよう設定したことを特徴とする請
    求項1記載の電磁調理器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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