JP2001338532A - 高耐熱エナメル線 - Google Patents

高耐熱エナメル線

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JP2001338532A
JP2001338532A JP2000161106A JP2000161106A JP2001338532A JP 2001338532 A JP2001338532 A JP 2001338532A JP 2000161106 A JP2000161106 A JP 2000161106A JP 2000161106 A JP2000161106 A JP 2000161106A JP 2001338532 A JP2001338532 A JP 2001338532A
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JP
Japan
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enameled wire
polyimide resin
wire
polyimide
resin coating
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JP2000161106A
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English (en)
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Sadami Itonaga
貞美 糸長
Kazunori Suzuki
和則 鈴木
Hideyuki Kikuchi
英行 菊池
Kengo Murouchi
謙吾 室内
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】密着性、可撓性、耐熱劣化性等がいずれも優れ
ており、しかもその耐熱区分が260℃クラスの耐熱性
を発揮する高耐熱エナメル線を提供すること。 【解決手段】導体上にポリイミド樹脂塗膜層が設けてあ
り、且つ該ポリイミド樹脂塗膜層上にゾルゲル微粒子シ
リカ分散ポリイミド樹脂塗膜層を設けて成ることを特徴
とする高耐熱エナメル線にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高耐熱エナメル線に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電気機器では各種性能、例えば耐
熱性、機械的特性、化学的特性、電気的特性、信頼性等
を従来のものより一段と高度に上げることが要求される
ようになってきている。このような中で宇宙用電気機
器、航空機用電気機器、原子力用電気機器、エネルギー
用電気機器、自動車用電気機器では優れた耐熱性が要求
されるようになってきている。
【0003】これに伴い、これらの電気機器のマグネッ
トワイヤとして用いられるエナメル線においては、優れ
た耐熱性を有することが要求されるようになってきてい
る。
【0004】従来、耐熱エナメル線としてはポリエステ
ルイミドエナメル線、ポリアミドイミドエナメル線、ポ
リイミドエナメル線等が用いられている。
【0005】これら3者のうち最も耐熱性が優れている
のはポリイミドエナメル線であって、その連続20,0
00時間使用時の耐熱温度区分が240℃である。
【0006】ところでポリイミドエナメル線用塗料はポ
リイミド樹脂前駆体のポリアミド酸の溶液である。従っ
てポリイミドエナメル線は導体、例えば銅線の上にポリ
イミド樹脂前駆体溶液のポリイミドエナメル線用塗料を
塗布、焼き付けることにより製造されている。
【0007】一方、最近の電気機器の中には連続20,
000時間使用時の耐熱温度区分が250℃以上である
こと等が要求されるようになってきている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のエ
ナメル線では連続20,000時間使用時の耐熱温度区
分が250℃以上のものが実用化されていない。
【0009】他方、ポリイミドエナメル線用塗料の中に
耐熱性無機粉末、例えばシリカ粉末、アルミナ粉末、マ
グネシア粉末、チタン白粉末、マイカ粉等を分散して成
る無機粉末分散ポリイミドエナメル線用塗料を導体、例
えば銅線の上に塗布、焼き付けることにより無機粉末分
散ポリイミドエナメル線を得ることが知られている。
【0010】しかし、この無機粉末分散ポリイミドエナ
メル線用塗料は分散した無機粉末の沈降性が大きく、そ
れによってこの無機粉末分散ポリイミドエナメル線用塗
料は塗料安定性とエナメル線塗装作業性とが悪い。ま
た、この塗料を用いて得られる無機粉末分散ポリイミド
エナメル線は分散した無機粉末により導体との密着性、
可撓性等が悪くなるという難点がある。
【0011】これに対してポリイミドエナメル線用塗料
の中にテトラアルコキシシランと純水とを混合して成る
テトラアルコキシシラン混合ポリイミドエナメル線用塗
料は塗料安定性が高く、エナメル線塗装作業性も優れて
いる。このテトラアルコキシシラン混合ポリイミドエナ
メル線用塗料を導体上に塗布、焼き付けることにより耐
熱性、密着性、可撓性等が優れた耐熱性エナメル線を得
ることができる。
【0012】しかし、この耐熱性エナメル線であって
も、その耐熱性を更に上げるためテトラアルコキシシラ
ンの混合量を増加させるとエナメル線の密着性、可撓性
等が悪化してしまうという難点があった。
【0013】本発明はかかる点に立って為されたもので
あって、その目的とするところは前記した従来技術の欠
点を解消し、密着性、可撓性、耐熱劣化性等がいずれも
優れており、しかもその耐熱区分が260℃クラスの耐
熱性を発揮する高耐熱エナメル線を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、導体上にポリイミド樹脂塗膜層が設けてあり、且
つ該ポリイミド樹脂塗膜層上にゾルゲル微粒子シリカ分
散ポリイミド樹脂塗膜層を設けて成ることを特徴とする
高耐熱エナメル線にある。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の高耐熱エナメル線
の実施の形態について説明する。
【0016】本発明においてポリイミドエナメル線用塗
料としては工業的に実用されているものならよく、例え
ばデュポン社のPyre−ML塗料、東レ社のトレニー
ス#3000等がある。これらの塗料は極性有機溶剤中
でテトラカルボン酸ジ無水物と芳香族ジアミン等とを反
応して得られるものである。ここにおいてテトラカルボ
ン酸ジ無水物としてはピロメリット酸ジ無水物等があ
る。また、芳香族ジアミンとしては4,4−ジアミノジ
フェニルエーテル等がある。
【0017】本発明においてテトラアルコキシシランと
してはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等
がある。
【0018】本発明においてポリイミドエナメル線用塗
料の有機溶剤としてはポリイミド樹脂前駆体、テトラア
ルコキシシラン及び純水を溶解するものならよく、例え
ばN−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメ
チルホルムアミド等がある。
【0019】本発明の耐熱性エナメル線の製造は、まず
導体上にポリイミドエナメル線用塗料を塗布、焼き付け
することによりポリイミド樹脂層を設ける。次に、その
ポリイミド樹脂層の上にテトラアルコキシシラン混合ポ
リイミドエナメル線用塗料を塗布、焼き付けすることに
より本発明の高耐熱エナメル線とする。
【0020】ここにおいてテトラアルコキシシラン混合
ポリイミドエナメル線用塗料を塗布、焼き付けして得ら
れるゾルゲル微粒子シリカ分散ポリイミド樹脂塗膜内に
は、ゾルゲル微粒子シリカが均一に分散しており、それ
によって優れた耐熱性、密着性、可撓性等を発揮するこ
とができる。
【0021】
【実施例】次に、本発明の高耐熱エナメル線の実施例を
比較例と共に説明する。
【0022】(比較例1)まず、Pyre−ML塗料
1,000gを攪拌しておき、その中にテトラエトキシ
シラン250gと純水200gとを攪拌、混合させるこ
とにより、テトラエトキシシラン混合Pyre−ML塗
料を得た。
【0023】次に、導体径φ1.0mmの銅線の上にテト
ラエトキシシラン溶解Pyre−ML塗料をゾルゲル微
粒子シリカ分散ポリイミド樹脂塗膜層が36μmとなる
ように塗布、焼き付けることにより、比較例1のエナメ
ル線を得た。
【0024】(比較例2)導体径φ1.0mmの銅線の上
にPyre−ML塗料をポリイミド樹脂塗膜層が36μ
mとなるように塗布、焼き付けることにより、ポリイミ
ドエナメル線を得た。
【0025】(実施例1)まず、導体径φ1.0mmの銅
線の上にPyre−ML塗料をポリイミド樹脂塗膜層が
3μmとなるように塗布、焼き付けることにより、ポリ
イミド樹脂塗膜アンダーコートエナメル線を得た。
【0026】次に、Pyre−ML塗料1,000gを
攪拌しておき、その中にテトラエトキシシラン250g
と純水200gとを攪拌、混合させることにより、テト
ラエトキシシラン混合Pyre−ML塗料を得た。
【0027】次に、上記で得られたポリイミド樹脂塗膜
アンダーコートエナメル線の上に、上記で作成したテト
ラエトキシシラン混合Pyre−ML塗料をゾルゲル微
粒子シリカ分散ポリイミド樹脂塗膜層が33μmとなる
ように塗布、焼き付けることにより、実施例1の高耐熱
エナメル線を得た。
【0028】図1はかくして得られた実施例1の高耐熱
エナメル線の断面図を示したものである。
【0029】図1において1は導体、2はポリイミド樹
脂塗膜層、3はゾルゲル微粒子シリカ分散ポリイミド樹
脂塗膜層である。
【0030】(エナメル線の試験方法)実施例及び比較
例のエナメル線についてJIS−C3003に準じて次
の試験を行った。
【0031】 ピンホール試験 5mのエナメル線をピンホール試験液に浸漬し、ピンホ
ール試験したときにおけるピンホール数で示した。
【0032】 密着性試験 密着性試験は次の2方法で行った。
【0033】a 急激伸張密着性試験 エナメル線を急激に伸張したときにおける皮膜の剥がれ
状況を観察した。
【0034】b 捩り密着性試験 長さ25cmのエナメル線を連続的に同じ方向に捩り、皮
膜が剥がれるまでの捩り回数をみた。
【0035】 可撓性試験 可撓性試験は次の2方法で行った。
【0036】a 無伸張状態巻付試験 エナメル線を導体径の1倍、2倍、3倍、4倍、……n
倍の巻き付け棒に巻き付け、皮膜に亀裂が発生しない最
小巻付棒径をみた。
【0037】b 20%伸張後巻付試験… まず、エナメル線を20%伸張した。
【0038】次に、導体径の1倍、2倍、3倍、4倍、
……n倍の巻き付け棒に巻き付け、皮膜に亀裂が発生し
ない最小巻付棒径をみた。
【0039】 対摩耗性試験 一方向摩耗試験を行った。
【0040】 耐熱衝撃性試験 エナメル線を導体径の1倍、2倍、3倍、4倍、……n
倍の巻き付け棒に巻き付け、それから300℃、1時間
の熱衝撃を与え、皮膜に亀裂が発生しない最小巻付棒径
をみた。
【0041】 耐熱劣化性試験 まず、エナメル線を2本を撚合わせすることにより電気
絶縁破壊試験用撚合わせ試料片を多数作成した。
【0042】次に、これらの電気絶縁破壊試験用撚合わ
せ試料片を400℃で24時間熱劣化させた。
【0043】最後に、それら電気絶縁破壊試験用撚合わ
せ試料片をそれぞれ電気絶縁破壊試験した。
【0044】 耐熱寿命試験(耐熱区分試験) まず、エナメル線を2本を撚合わせすることにより電気
絶縁破壊試験用撚合わせ試料片を多数作成した。
【0045】次に、これらの電気絶縁破壊試験用撚合わ
せ試料片を複数の高温でそれぞれ促進劣化させた。
【0046】次に、それら電気絶縁破壊試験用撚合わせ
試料片をそれぞれ電気絶縁破壊試験した。
【0047】最後に、これらの試験結果を統計解析し、
20,000時間における耐熱温度を推定した。
【0048】(エナメル線の試験結果)表1はこれらの
試験結果を示したものである。
【0049】
【表1】
【0050】表1から分かるように比較例1のエナメル
線は急激伸張密着性、捩り密着性、20%伸張後巻付性
の3特性が劣っている。
【0051】比較例2のポリイミドエナメル線は耐熱劣
化性試験が劣り、また耐熱区分も240℃である。
【0052】これらに対して本発明の実施例1の高耐熱
エナメル線は密着性、可撓性、耐熱劣化性等がいずれも
優れており、しかもその耐熱区分が260℃と優れてい
る。
【0053】
【発明の効果】本発明の高耐熱エナメル線は密着性、可
撓性、耐熱劣化性等がいずれも優れており、しかもその
耐熱区分が260℃と高耐熱性を発揮するものであり、
工業上有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の高耐熱エナメル線の断面図
を示したものである。
【符号の説明】
1 導体 2 ポリイミド樹脂塗膜層 3 ゾルゲル微粒子シリカ分散ポリイミド樹脂塗膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 7/00 303 H01B 7/00 303 7/29 7/34 A (72)発明者 菊池 英行 茨城県日立市川尻町4丁目10番1号 日立 電線株式会社豊浦工場内 (72)発明者 室内 謙吾 茨城県日立市川尻町4丁目10番1号 日立 電線株式会社豊浦工場内 Fターム(参考) 5G303 AA06 AA08 AB20 BA12 CA01 CA09 CB30 DA02 5G305 AA02 AA11 AB17 AB24 AB34 BA09 BA15 BA25 CA21 CC02 CD04 5G309 CA10 LA13 MA02 5G315 CA02 CB02 CC05 CC09 CD09 CD16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体上にポリイミド樹脂塗膜層が設けてあ
    り、且つ該ポリイミド樹脂塗膜層上にゾルゲル微粒子シ
    リカ分散ポリイミド樹脂塗膜層を設けて成ることを特徴
    とする高耐熱エナメル線。
  2. 【請求項2】ゾルゲル微粒子シリカ分散ポリイミド樹脂
    塗膜層が、ポリイミドエナメル線用塗料の中にテトラア
    ルコキシシランと純水とを混合して成るテトラアルコキ
    シシラン混合ポリイミドエナメル線用塗料を塗布、焼き
    付けして得られるものであることを特徴とする請求項1
    記載の高耐熱エナメル線。
  3. 【請求項3】テトラアルコキシシランが、テトラメトキ
    シシラン若しくはテトラエトキシシランであることを特
    徴とする請求項1記載の高耐熱エナメル線。
JP2000161106A 2000-05-26 2000-05-26 高耐熱エナメル線 Withdrawn JP2001338532A (ja)

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Effective date: 20070807