JP2001337234A - 光モジュールとその光モジュールを用いた光システム - Google Patents
光モジュールとその光モジュールを用いた光システムInfo
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Abstract
を長波長側と短波長側のいずれか一方に予め定められた
設定シフト量だけ同時にシフトさせる光モジュールとす
る。 【解決手段】 光入力導波路2と、第1のスラブ導波路
3と、互いに異なる長さの複数の並設したアレイ導波路
4と、第2のスラブ導波路5と、複数の並設した光出力
導波路6とを順に接続してなる導波路形成部10を基板
1上に形成する。第1のスラブ導波路3を通る光の経路
と交わる切断面8で第1のスラブ導波路3を切断分離
し、分離スラブ導波路3b側の導波路形成部10bはベ
ース9に固定し、分離スラブ導波路3a側をステッピン
グモータ15によって前記切断面8に沿って矢印A,B
方向にスライド移動させ、各光出力導波路6からの出力
波長を全て設定波長だけ同時にシフトさせる。
Description
られる光モジュールおよびその光モジュールを用いた光
システムに関するものである。
を飛躍的に増加させる方法として、光波長多重通信の研
究開発が盛んに行なわれ、実用化が進みつつある。光波
長多重通信は、例えば互いに異なる波長を有する複数の
光を多重して伝送させるものであり、このような光波長
多重通信のシステムにおいては、伝送される多重光か
ら、光受信側で波長ごとの光を取り出すために、予め定
められた波長の光のみを透過する光透過デバイス等を、
システム内に設けることが不可欠である。
すような平板光導波路回路(PLC;Planar L
ightwave Circuit)のアレイ導波路型
回折格子(AWG;Arrayed Waveguid
e Grating)がある。アレイ導波路型回折格子
は、シリコンなどの基板1上に、同図に示すような導波
路構成の導波路形成領域10を石英系ガラス等のコア、
クラッドにより形成したものである。
1本以上の並設された光入力導波路2の出射側に、第1
のスラブ導波路3が接続され、第1のスラブ導波路3の
出射側には複数の並設されたアレイ導波路4が接続さ
れ、アレイ導波路4の出射側には第2のスラブ導波路5
が接続され、第2のスラブ導波路5の出射側には複数の
並設された光出力導波路6が接続されて形成されてい
る。
路3から導出された光を伝搬するものであり、互いに異
なる長さに形成され、隣り合うアレイ導波路4の長さは
互いにΔL異なっている。なお、光入力導波路2や光出
力導波路6は、例えばアレイ導波路型回折格子によって
分波あるいは合波される互いに異なる波長の信号光の数
に対応させて設けられるものであり、アレイ導波路4
は、通常、例えば100本といったように多数設けられ
るが、同図においては、図の簡略化のために、これらの
光入力導波路2、アレイ導波路4、光出力導波路6の各
々の本数を簡略的に示してある。
ァイバ(図示せず)が接続されて、波長多重光が導入さ
れるようになっており、光入力導波路2を通って第1の
スラブ導波路3に導入された光は、その回折効果によっ
て広がって各アレイ導波路4に入射し、アレイ導波路4
を伝搬する。
のスラブ導波路5に達し、さらに、光出力導波路6に集
光されて出力されるが、全てのアレイ導波路4の長さが
互いに異なることから、アレイ導波路4を伝搬した後に
個々の光の位相にずれが生じ、このずれ量に応じて集束
光の波面が傾き、この傾き角度により集光する位置が決
まる。
互いに異なることになり、その位置に光出力導波路6を
形成することによって、波長の異なった光(分波光)を
各波長ごとに異なる光出力導波路6から出力できる。
入力導波路2から入力される互いに異なる複数の波長を
もった多重光から1つ以上の波長の光を分波して各光出
力導波路6から出力する光分波機能を有しており、分波
される光の中心波長は、アレイ導波路4の長さの差(Δ
L)及び光導波路4の実効屈折率ncに比例する。
特性を有するために、アレイ導波路型回折格子を波長多
重伝送用の波長多重分波器として用いることができ、例
えば図11の(a)に示すように、1本の光入力導波路
2から中心波長λ1,λ2,λ3,・・・λn(nは2
以上の整数)の波長多重光を入力させると、これらの各
波長の光は、第1のスラブ導波路3で広げられ、アレイ
導波路4に到達し、第2のスラブ導波路5を通って、前
記の如く、波長によって異なる位置に集光され、互いに
異なる光出力導波路6に入射し、それぞれの光出力導波
路6を通って、光出力導波路6の出射端から出力され
る。
力用の光ファイバ(図示せず)を接続することにより、
この光ファイバを介して、前記各波長の光が取り出され
る。なお、各光出力導波路6や前述の光入力導波路2に
光ファイバを接続するときには、例えば光ファイバを1
次元アレイ状に配列固定した光ファイバアレイを用意
し、この光ファイバアレイを光出力導波路6や光入力導
波路2の接続端面側に固定して光ファイバと光出力導波
路6及び光入力導波路2を接続する。
光出力導波路6から出力される光の光透過特性(アレイ
導波路型回折格子の透過光強度の波長特性)は、例えば
図12に示すようになり、各光透過中心波長(例えばλ
1,λ2,λ3,・・・λn)を中心とし、それぞれの
対応する光透過中心波長から波長がずれるにしたがって
光透過率が小さくなる光透過特性を示す。
反性(可逆性)の原理を利用しているため、光分波器と
しての機能と共に、光合波器としての機能も有してい
る。すなわち、図11の(b)に示すように、互いに異
なる複数の波長の光をそれぞれの波長ごとにそれぞれの
光出力導波路6から入射させると、これらの光は、上記
と逆の伝搬経路を通り、アレイ導波路4によって合波さ
れ、1本の光入力導波路2から出射される。
ては、前記の如く、回折格子の波長分解能が回折格子を
構成するアレイ導波路4の長さの差(ΔL)に比例する
ために、ΔLを大きく設計することにより、従来の回折
格子では実現できなかった波長間隔の狭い波長多重光の
光合分波が可能となり、高密度の光波長多重通信の実現
に必要とされている、複数の信号光の光合分波機能、す
なわち、波長間隔が1nm以下の複数の光信号を分波ま
たは合波する機能を果たすことができる。
イ導波路回折格子は、元来、石英系ガラス材料を主とす
るために、この石英系ガラス材料の温度依存性に起因し
てアレイ導波路回折格子の前記光透過中心波長が温度に
依存してシフトする。このシフト量は、各光出力導波路
6から出力されるそれぞれの光透過中心波長に対して一
律である(すなわち、例えば1つの光出力導波路6から
出力される出力波長が長波長側にΔλシフトする場合
は、他の光出力導波路6から出力される出力波長もΔλ
だけ長波長側にシフトするものである)。
からそれぞれ出力される光の透過中心波長をλ、前記ア
レイ導波路4を形成するコアの等価屈折率をnc、基板
(例えばシリコン基板)1の熱膨張係数をαs、アレイ
導波路型回折格子の温度変化量をTとしたときに、(数
1)により示されるものである。
折格子において、(数1)から前記光透過中心波長の温
度依存性を求めてみる。従来の一般的なアレイ導波路型
回折格子においては、dnc/dT=1×10−5(℃
−1)、αs=3.0×10 −6(℃−1)、nc=
1.451(波長1.55μmにおける値)であるか
ら、これらの値を(数1)に代入する。
てそれぞれ異なるが、各波長λの温度依存性は等しい。
そして、現在用いられているアレイ導波路型回折格子
は、波長1550nmを中心とする波長帯の波長多重光
を分波したり合波したりするために用いられることが多
いので、ここでは、λ=1550nmを(数1)に代入
する。そうすると、従来の一般的なアレイ導波路型回折
格子の前記光透過中心波長の温度依存性は、(数2)に
示す値となる。
る。したがって、上記アレイ導波路型回折格子の使用環
境温度が例えば20℃変化したとすると、各光出力導波
路6から出力される光透過中心波長は0.30nmシフ
トすることになる。
うに、アレイ導波路型回折格子を収容するパッケージ内
にペルチェ素子30やヒータ等の温度調整機構を設け、
アレイ導波路型回折格子の温度を一定に保つことによ
り、前記光透過中心波長の温度によるシフトを抑制して
いたが、本発明者は、視点を変え、アレイ導波路型回折
格子の光透過中心波長シフト特性を積極的に利用するこ
とを考えた。
折格子において、各光出力導波路6から出力されるそれ
ぞれの光透過中心波長のシフト量は一律であることを利
用し、アレイ導波路型回折格子を用いて例えば光スイッ
チやアドドロップモジュール等のような光モジュールを
構成すれば、出力光波長の切り換えを的確に行なえる光
モジュールや、この光モジュールを用いた様々な光シス
テムを構成できるのではないかと考えた。
のであり、その目的は、複数の出力ポートから出力され
る互いに異なる出力光波長の切り換えを一括して的確に
行なえる光モジュールとその光モジュールを用いた光ス
イッチやアドドロップシステム等の光システムを提供す
ることにある。
に、本発明は次のような構成をもって課題を解決するた
めの手段としている。すなわち、光モジュールの第1の
発明は、光入力部と、該光入力部から入力される波長多
重光を互いに異なる波長の光に分波する光分波部と、該
光分波部で分波した互いに異なる波長の光を異なる出力
ポートから出力する複数の出力ポートを有し、これらの
全出力ポートから出力する出力光波長を長波長側と短波
長側のいずれか一方に予め定められた設定シフト量だけ
同時にシフトさせる波長シフト手段を備えている構成を
もって課題を解決する手段としている。
第1の発明の構成に加え、前記複数の出力ポートから出
力する出力波長は等波長間隔ごとに異なる波長と成し、
設定シフト量を前記波長間隔のほぼ整数倍とした構成を
もって課題を解決する手段としている。
記第1の発明の構成に加え、前記複数の出力ポートから
出力する出力波長は等波長間隔ごとに異なる波長と成
し、全出力ポートからの出力を一括して前記等波長間隔
でない波長分のみシフトさせオフする出力オフモードの
機能を付加した構成をもって課題を解決する手段として
いる。
記第1又は第2又は第3の発明の構成に加え、1本以上
の並設された光入力導波路の出射側に第1のスラブ導波
路が接続され、該第1のスラブ導波路の出射側には該第
1のスラブ導波路から導出された光を伝搬する互いに異
なる長さの複数の並設されたアレイ導波路が接続され、
該複数のアレイ導波路の出射側には第2のスラブ導波路
が接続され、該第2のスラブ導波路の出射側には複数の
並設された光出力導波路が接続されているアレイ導波路
型回折格子を有し、前記光入力導波路の入力端部が光入
力部と成し、前記第1と第2のスラブ導波路と前記並設
アレイ導波路が光分波部と成し、前記光出力導波路の出
力端部が出力ポートと成している構成をもって課題を解
決する手段としている。
記第4の発明の構成に加え、前記第1のスラブ導波路と
第2のスラブ導波路の少なくとも一方がスラブ導波路を
通る光の経路と交わる切断面で切断分離されて分離スラ
ブ導波路と成し、前記第1と第2のスラブ導波路と光入
力導波路とアレイ導波路と光出力導波路を有する導波路
形成領域が一方側の分離スラブ導波路を含む第1の導波
路形成領域と他方側の分離スラブ導波路を含む第2の導
波路形成領域とに分離されており、該第2の導波路形成
領域と前記第1の導波路形成領域の少なくとも一方側を
前記切断面に沿ってスライド移動させることにより前記
出力導波路から出力する出力波長をシフトさせるスライ
ド移動機構を設け、該スライド移動機構を波長シフト手
段とした構成をもって課題を解決する手段としている。
記第5の発明の構成に加え、前記スライド移動機構は導
波路形成領域の線膨張係数と異なる線膨張係数のスライ
ド部材を有している構成をもって課題を解決する手段と
している。
記第6の発明の構成に加え、前記スライド移動機構は温
度調整機構を有している構成をもって課題を解決する手
段としている。
記第7の発明の構成に加え、前記温度調整機構はペルチ
ェ素子又はヒータ素子である構成をもって課題を解決す
る手段としている。
記第5の発明の構成に加え、前記スライド移動機構は電
力によるスライド駆動手段を有している構成をもって課
題を解決する手段としている。
上記第1乃至第9のいずれか一つの発明の構成に加え、
前記互いに対向する第1の導波路形成領域の端面と第2
の導波路形成領域の端面との間に空隙を設けた構成をも
って課題を解決する手段としている。
上記第10の発明の構成に加え、前記空隙を1μm以上
30μm以下とした構成をもって課題を解決する手段と
している。
第1乃至第11のいずれか一つの発明の光モジュール
と、該光モジュールからの出力光を合波して出力する光
合波器とを有し、前記光モジュールの複数の出力ポート
のうち少なくとも1つのポートにドロップポートを接続
し、前記光モジュールの残りの出力ポートのうち少なく
とも1つのポートとアドポートを前記光合波器の光入力
側に接続した構成をもって課題を解決する手段としてい
る。
第1の発明の構成に加え、前記波長シフト手段による出
力波長シフトが行なわれない波長シフトの定位置では光
出力を行なわず、かつ、前記波長シフト手段により前記
波長シフトの定位置からの出力波長シフトが行なわれた
ときに光出力を行なう予備出力ポートを光モジュールに
設け、該予備出力ポートを光合波器の光入力側に接続し
た構成をもって課題を解決する手段としている。
第1乃至第11のいずれか一つの発明の光モジュールを
有し、該光モジュールの複数の出力ポートのうち少なく
とも1ポートに監視光のモニタポートを接続した構成を
もって課題を解決する手段としている。
第1乃至第11のいずれか一つの発明の光モジュールを
有し、該光モジュールの出力ポートに第1から第N(N
は2以上の整数)のパスポートを、(N−1)ポートお
きに接続し、波長シフト手段による波長シフトによって
予め設定した設定波長光の出力パスポートを可変する構
成をもって課題を解決する手段としている。
第3の発明の光モジュールを有し、該光モジュールの出
力オフモードの動作の有無によって出力光波長を一括し
てオンオフする光スイッチとした構成をもって課題を解
決する手段としている。
て、複数の出力ポートからは、それぞれ互いに異なる波
長の光が出力されるが、これらの全出力ポートから出力
する出力光波長は、波長シフト手段によって、長波長側
と短波長側のいずれか一方に予め定められた設定シフト
量だけ同時にシフトさせられる。したがって、この設定
シフト量を適宜設定することにより、光モジュールを光
スイッチやアドドロップモジュール等の光システムに好
適な光モジュールとすることができる。
に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明におい
て、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重
複説明は省略する。図1には、本発明に係る光モジュー
ルの第1実施形態例が、接続相手側の光ファイバ配列具
との接続状態で平面図により模式的に示されている。
ュール40はアレイ導波路型回折格子を有しており、光
入力導波路2の入力端部が光モジュール40の光入力部
17と成している。また、該光入力部17から入力され
た波長多重光を互いに異なる波長の光に分波する光分波
部として、第1と第2のスラブ導波路3,5と複数の並
設アレイ導波路4が機能し、複数の光出力導波路6の出
力端部が、アレイ導波路4で分波した互いに異なる波長
の光をそれぞれ出力する複数の出力ポートa〜pと成し
ている。
波路6から出力する出力光波長(全出力ポートa〜pか
ら出力する出力光波長)を、長波長側と短波長側のいず
れか一方に予め定められた設定シフト量だけ同時にシフ
トさせる波長シフト手段を設けたことである。
導波路型回折格子は、第1のスラブ導波路3がスラブ導
波路を通る光の経路と交わる切断面8で切断分離されて
おり、この切断面8に沿って分離スラブ導波路3a側を
含む第1の導波路形成領域10a側を他方側の分離スラ
ブ導波路3bを含む第2の導波路形成領域10bに対し
て前記切断面8に沿ってスライド移動させるスライド移
動機構を有しており、このスライド移動機構が前記波長
シフト手段と成している。
切断面8での切断に伴い、導波路形成領域10およびそ
の下側の基板1が第1のスラブ導波路3の切断に対応さ
せて2つに切断分離されており、分離スラブ導波路3b
とアレイ導波路4と第2のスラブ導波路5と光出力導波
路6が形成されている導波路形成領域10bおよびその
下の基板1は、コバール等の、シリコン基板と線膨張係
数がほぼ等しい材料により形成されたベース9に固定さ
れている。
いる側の導波路形成領域10aおよびその下の基板1
は、ベース9の表面に沿って図の矢印A方向および矢印
B方向にスライド移動自在に配置されている。なお、導
波路形成部10aには、導波路形成部10a側をベース
9側に押し付けることにより、導波路形成領域10aが
XY平面に直交するZ方向に移動することを防ぐ押し付
けばね(図示せず)が設けられている。
ピングモータ15が設けられており、ステッピングモー
タ15の駆動シャフト16の先端が導波路形成領域10
aの端面32に当接している。そして、本実施形態例に
おいて、ステッピングモータ15は、電力によるスライ
ド駆動手段であり、ステッピングモータ15とステッピ
ングモータ15に接続された制御装置(図示せず)とを
有して上記スライド移動機構が構成されている。なお、
ステッピングモータ15は、電力を第1の導波路形成領
域10aの切断面8に沿ったスライド移動力に変換して
第1の導波路形成領域10aをスライド移動させる。
域10aの端面と第2の導波路形成領域10bの端面と
の間(図のCの部分)に空隙が設けられており、この空
隙は5μmと成している。上記対向する第1と第2の導
波路形成部10a、10bの端面には、石英系ガラスと
屈折率の整合したマッチンググリースが塗布されてい
る。なお、前記空隙を1μm以上30μm以下にする
と、導波路形成領域10aの切断面8に沿っての移動が
行ないやすい。
構成における各パラメータは、以下のように構成されて
いる。すなわち、第1のスラブ導波路3の焦点距離と第
2のスラブ導波路5の焦点距離は等しく、その値は9m
mであり、アレイ導波路4の光路長差ΔLは65.2μ
m、隣り合うアレイ導波路4同士の間隔は15μm、回
折次数mは61である。第1のスラブ導波路3の等価屈
折率および第2のスラブ導波路5の等価屈折率は共にn
sで、25℃において、その値は、1.453、アレイ
導波路4の等価屈折率ncは1.451、アレイ導波路
の群屈折率ngは1.475である。なお、これらの屈
折率の値は、波長1.55μmの光に対しての値であ
る。
約0.8nmで16波長の波長合分波を行なうものであ
り、例えば波長約1535nm〜約1546.9nmの
範囲で波長間隔約0.8nmの中心波長を有する波長多
重光を光入力導波路2から入力したときに、互いに異な
る波長に分波して、それぞれの波長の光をそれぞれの光
出力導波路6の出力端部(各出力ポートa〜p)から出
力する機能を有している。
ない状態で、各光出力導波路6の出力端部から出力され
る出力波長の中心波長をλ1、λ2、λ3、・・・、λ
16とすると、λ1=1535nm、λ2=1535.
793nm、・・・・・、λ16=1546.9nmと
なる。
が接続されており、光ファイバ配列具21に配列された
光ファイバ23と光入力導波路2とが位置合わせされて
いる。光出力導波路6の出力端には、光ファイバ配列具
22が接続されており、光ファイバ配列具22に配列さ
れた複数の光ファイバ24がそれぞれ各光出力導波路6
に位置合わせされている。
施形態例の光モジュールは、図1に示す構成を筐体内に
収容しており、この筐体内にはペルチェ素子30および
サーミスタ31が設けられている。そして、ペルチェ素
子30によって筐体内の温度を一定に保ち、アレイ導波
路型回折格子の温度を約45℃に保つ構成と成してい
る。
成を決定するにあたり、まず、アレイ導波路型回折格子
の線分散特性に着目して、アレイ導波路型回折格子の光
出力導波路6から出力される出力波長のシフト特性を以
下のように考察した。
波路から入射された光は、第1のスラブ導波路(入力側
スラブ導波路)で回折し、アレイ導波路を励振する。な
お、前記の如く、隣接するアレイ導波路の長さは互いに
ΔLずつ異なっている。そこで、アレイ導波路を伝搬し
た光は、(数3)を満たし、第2のスラブ導波路(出力
側スラブ導波路)の出力端に集光される。
波路および第2のスラブ導波路の等価屈折率、ncはア
レイ導波路の等価屈折率、φは回折角、mは回折次数、
dは隣り合うアレイ導波路同士の間隔であり、λは、前
記の如く、各光出力導波路から出力される光の透過中心
波長である。
過中心波長をλ0とすると、λ0は(数4)で表され
る。なお、波長λ0は、一般に、アレイ導波路型回折格
子の中心波長と呼ばれる。上記パラメータにおいては、
λ0は1550.9nmとなる。
なるアレイ導波路型回折格子の集光位置を点Oとする
と、回折角φ=φpを有する光の集光位置(第2のスラ
ブ導波路の出力端における位置)は、例えば点Pの位置
(点OからX方向にずれた位置)となる。ここで、O−
P間のX方向の距離をxとすると波長λとの間に(数
5)が成立する。
波路の焦点距離であり、ngはアレイ導波路の群屈折率
である。なお、アレイ導波路の群屈折率ngは、アレイ
導波路の等価屈折率ncにより、(数6)で与えられ
る。
点OからX方向の距離dx離れた位置に光出力導波路の
入力端を配置形成することにより、dλだけ波長の異な
った光を取り出すことが可能であることを意味する。
波路3に関しても同様に成立する。すなわち、例えば第
1のスラブ導波路3の焦点中心を点O’とし、この点
O’からX方向に距離dx’ずれた位置にある点を点
P’とすると、この点P’に光を入射した場合に、出力
の波長がdλ’ずれることになる。この関係を式により
表わすと、(数7)のようになる。
スラブ導波路3の焦点距離である。この(数7)は、第
1のスラブ導波路3の焦点O’とX方向の距離dx’離
れた位置に光入力導波路2の出力端20を配置形成する
ことにより、前記焦点Oに形成した光出力導波路6にお
いてdλ’だけ波長の異なった光を取り出すことが可能
であることを意味する。また、上記作用は、他の光出力
導波路6に関しても同様に生じ、各光出力導波路6から
出力される出力波長は、それぞれ、各設計出力波長より
dλ’だけ波長の異なった光となる。
スラブ導波路3を、該第1のスラブ導波路3を通る光の
経路で切断分離し、分離した第1のスラブ導波路3のう
ち、光入力導波路2に接続されている分離スラブ導波路
3a側(光入力導波路2も含む)を前記切断面8に沿っ
てスライド移動させることにより、光入力導波路2の出
力端20をX方向に移動させ、それにより、前記各光透
過中心波長(各出力光波長)をシフトさせる構成とし
た。
動は、前記の如くステッピングモータ15によって行な
うものであるため、本実施形態例においては、予め上記
(数7)から、光入力導波路2の出力端20の移動量
と、各光出力導波路6から出力される各光透過中心波長
のシフト量との関係を求めておき、そのデータをステッ
ピングモータ15に接続した前記制御装置に入力してあ
る。上記パラメータにおいては、Δλ=0.04Xとな
る(すなわち、光入力導波路2の出力端20の移動量X
を10μmとしたとき、上記各光透過中心波長が0.4
nmシフトする)。
波長側にシフトさせるときの符号を+、長波長側にシフ
トさせるときの符号を−として、前記設定シフト量を+
0.8nmといった値に設定し、ステッピングモータ1
5の駆動によって、前記設定シフト量に対応する移動量
Xだけ(設定波長が0.8nmのときにはX=20μ
m)導波路形成部10aを切断面8に沿ってX方向にス
ライド移動させる。そうすると、各光出力導波路6から
出力する出力波長(光透過中心波長)は、全て0.8n
mだけ長波長側にシフトする。
シフトが行われない(ステッピングモータ15による導
波路形成領域10aの移動が行なわれない)波長シフト
の定位置において、各光出力導波路6の出力端部から出
力される出力波長の中心波長λ1、λ2、λ3、・・
・、λ15、λ16に対し、前記波長シフト手段により
前記波長シフトの定位置からの出力波長シフトを行なっ
たときに各光出力導波路6の出力端部から出力される出
力波長の中心波長は、(λ1+0.8)nm、(λ2+
0.8)nm、(λ3+0.8)nm、・・・、(λ1
5+0.8)nm、(λ16+0.8)nmとなる。
は、各出力ポートa〜pから出力する出力波長間隔とほ
ぼ等しい値(出力波長間隔の1倍)であり、上記の前記
波長シフトの定位置からの出力波長シフトを行なったと
きに各光出力導波路6の出力端部から出力される出力波
長の中心波長を書き直すと、λ2、λ3、・・・λ1
6、(λ16+0.8nm)となる。なお、波長(λ1
6+0.8)nmの光は入射されないので、上記のよう
に波長シフトの定位置からの出力波長シフトを行なった
ときの各光出力導波路6からの出力波長の中心波長は、
λ2、λ3、・・・λ16となる。
力端20の位置を変えることによって、光入力導波路2
の出力端20からアレイ導波路4の入力端まで、第1の
スラブ導波路3内を伝搬する光の焦点距離Lf’が若干
変化する。
導波路型回折格子における第1のスラブ導波路3の焦点
距離は数mmのオーダーであり、一方、本実施形態例に
おいて、アレイ導波路型回折格子の光透過中心波長シフ
トのために移動する光入力導波路2の出力端20の位置
移動量は、数μm〜数10μmのオーダーであり、第1
のスラブ導波路3の焦点距離に比べて非常に小さい。そ
のため、実質的には上記焦点距離の変化は無視してしま
っても何も差し支えないと考えられ、本実施形態例にお
いて、上記のような波長シフト動作が行なわれる。
ピングモータ15の駆動によって導波路形成部10aを
切断面8に沿って、X方向にスライド移動させることに
よって、上記のように、全出力導波路6から出力する出
力光波長を予め定められた設定シフト量だけ同時にシフ
トさせることができる。
数でもよい。すなわち、例えば前記ステッピングモータ
15の制御装置に複数の設定シフト量を与えておき、必
要に応じて設定シフト量を可変すれば、全光出力導波路
6から出力する出力波長を複数のパターンに切り換える
ことができる。
設定シフト量を適宜設定することにより、光モジュール
40を光スイッチやアドドロップモジュール等の光シス
テムに適用可能な光モジュールとすることができる。
下に示す作製方法により上記光モジュール40を作製
し、上記効果を確認することができた。以下、その作製
方法を説明する。まず、従来の一般的な作製方法によっ
てアレイ導波路型回折格子を作製し、その後、第1のス
ラブ導波路3を通る光の経路を横切るように、ダイシン
グソーを用いて切断面8を形成した(切断面8で第1の
スラブ導波路3を含む導波路形成部10aとその下の基
板1を切断した)。
形成部10bの端面には、これらの端面における反射を
防ぐために前記マッチンググリースを塗布した。なお、
切断面8を、切断や研磨によって、基板1の面に垂直な
面に対して約8度斜めに傾いた角度とすると、導波路形
成部10aの端面と導波路形成部10bの端面における
反射を防ぎやすい。
ポキシ樹脂等の接着剤を介してベース9に固定した。ま
た、導波路形成部10a側はベース9の上に配置した。
なお、基板1の裏面側に、切断面8と直交する方向のV
字形溝を形成し、このV溝の形成位置に対応させてベー
ス9の表面側にもV字形溝を形成した。そして、これら
のV字形溝同士を対向させることにより形成される菱形
形状の溝に例えば光ファイバ等の位置決め部材を嵌合す
ることにより、導波路形成部10bのステッピングモー
タ15によるスライド移動時に、導波路形成部10bが
切断面8に対して斜めに移動したりせず、導波路形成部
10aと10bの端面間隔を約5μmに維持できるよう
にした。
スライド移動量は、数μm〜数十μmであるため、上記
V字形溝に位置決め部材を嵌合した状態で、スライド移
動が支障なく行なわれる。
子を光ファイバ配列具21,23と共に、筐体内に収容
し、かつ、筐体内にはペルチェ素子30とサーミスタ3
1も収容した。
2実施形態例が平面図により示されている。本第2実施
形態例は上記第1実施形態例とほぼ同様に構成されてお
り、本第2実施形態例が上記第1実施形態例と異なる特
徴的なことは、スライド移動機構を、導波路形成領域1
0と線膨張係数が異なる(ここでは導波路形成領域10
よりも線膨張係数が大きい)スライド部材と、ペルチェ
素子30を備えた温度調整機構とを有する構成としたこ
とである。
数部材7により形成されており、導波路形成領域10a
の一端側が接着剤13を介して高熱膨張係数部材7に固
定されている。導波路形成領域10aの他端側は係止部
材14に係止されており、この係止部材14を設けるこ
とにより、本第2実施形態例では、上記第1実施形態例
に設けた導波路形成部10a側をベース9側に押し付け
る押し付けばねは省略している。
の上面に沿って設けられた上板部14aと導波路形成領
域10aの側面に沿って設けられた側板部(図示されて
いない)とを有するL字形状の部材であり、側板部が固
定部12でベース9に固定されている。係止部材14の
上板部の内壁と導波路形成領域10aの上面とは当接し
ており、導波路形成領域10aのスライド移動時に、導
波路形成領域10aがベース9に対して上方側(XY平
面に垂直なZ軸方向)に変位しないようになっている。
また、側板部の内壁と導波路形成領域10aの側面とは
間隔を介しており、導波路形成領域10aのスライド移
動が支障なく行なえるようになっている。
子30によって、筐体内の温度を積極的に可変し、それ
に伴って高熱膨張係数部材7を導波路形成領域10より
も大きく伸縮させることにより、導波路形成領域10a
を切断面8に沿って、導波路形成領域10bに対してス
ライド移動させる。
上記第1実施形態例と同様に、全出力導波路6から出力
する出力光波長を予め定められた設定シフト量だけ同時
にシフトさせることができ、同様の効果を奏することが
できる。
いた光システムの第1実施形態例の要部構成図が示され
ている。本実施形態例の光システムは、光モジュール5
0と光モジュールからの出力光を合波して出力する光合
波器60とを有している。
レイ導波路型回折格子を有しており、このアレイ導波路
型回折格子は、上記第1実施形態例の光モジュール40
に適用されたアレイ導波路型回折格子とほぼ同様に構成
されているが、光モジュール50を構成するアレイ導波
路型回折格子は、5本の光入力導波路2と17本の光出
力導波路6を有しており、切断面8は第1のスラブ導波
路3を通る光の経路を斜めに横切る面と成している。
ジュール50も、上記第1実施形態例の光モジュール4
0と同様の機能を有する波長シフト手段や筐体を有して
おり、光モジュール50の要部構成および機能は上記第
1実施形態例の光モジュール40の要部構成および機能
と同様である。
合波器60としても、図7と同様の構成を有するアレイ
導波路型回折格子と、上記波長シフト手段を備えた光モ
ジュールを適用して形成している。アレイ導波路型回折
格子は、前記の如く、光の相反性を利用した回路であ
り、例えば図11の(b)に示したように、光出力導波
路6側から互いに異なる波長の光を入射させた場合、こ
れらの波長の光を合波して光入力導波路2から出力する
機能を有しているため、光出力導波路6側を光入力側と
する光合波器として適用することができる。
ト手段を設けると、アレイ導波路型回折格子によって合
波する光の波長を設定シフト量ずつ同時にシフトさせる
ことができる。
本の光入力導波路2のうち、図の最上部の光入力導波路
2の入力端部は、信号伝送される波長多重光とは異なる
波長の監視光を入力するための監視光入力部19と成し
ている。
の出力ポートa〜qのうち、出力ポートqは、前記波長
シフト手段による出力波長シフトが行なわれない波長シ
フトの定位置では光出力を行なわず、かつ、前記波長シ
フト手段により前記波長シフトの定位置からの出力波長
シフトが行なわれたときに光出力を行なう予備出力ポー
トと成している。また、出力ポートpは、前記監視光の
出力ポートと成している。
ように、光モジュール50の複数(17個)の出力ポー
トa〜qのうち、出力ポートa(図の下から2番目の出
力ポート)にドロップポート26を接続し、出力ポート
pを監視光のモニタポート29に接続し、残りの出力ポ
ートb〜oを光合波器60の光入力側(ポートb’〜
o’)に接続して形成されている。また、光合波器60
の光入力側(ポートa’)には1つのアドポート27が
接続されており、光モジュール50の出力ポートqと光
合波器60のポートq’とが接続されている。
構成されており、このシステムにおいて、図4の(a)
に示すように、波長間隔約0.8nmで中心波長λ1
(1535nm)〜λ15(1546.2nm)の15
波長の多重光を光モジュール50の光入力部17に入力
し、監視光入力部19に波長λ17(1547.8n
m)の監視光を入力すると、波長多重光は波長ごとに分
波されて、各出力ポートa〜oから出力され、監視光は
出力ポートpから出力される。
長λ1の光は、ドロップポート26からドロップされ、
出力ポートpから出力する波長λ17の光はモニタポー
ト29から出力され、モニタされる。また、各出力ポー
トb〜oから出力する波長λ2〜λ15の光は、光合波
器60により合波されて出力される。なお、光合波器6
0には、アドポート27から波長λ1の光が入射される
ため、この光も光合波器60により合波され、光合波器
60の出力側からは、波長λ1〜波長λ15の多重光が
出力される。
ュール50からの出力光のうち、波長λ1、λ2、λ1
5の各光の出力強度と出力ポートq,a,b,n,oの
関係を模式的に示した。
段(具体的にはステッピングモータ15)を作動させ
て、光モジュール50を形成するアレイ導波路型回折格
子の導波路形成部10aをスライド移動していくと、上
記出力光波長がシフトしていくので、各出力ポートa〜
pから出力される光の強度が弱まっていく。この状態
は、モニタポート29からのモニタ出力により検出され
る。
ト手段によるシフトが行われない定位置から図1のX方
向に10μmスライド移動させると、各出力ポートa〜
pから出力される波長が+0.4nmずつ長波長側に移
動した状態となり、図6の(b)に示すように、この各
波長においては、光入力部17から入力された光の強度
はノイズレベルとなるので、図4の(b)に示すよう
に、各出力ポートa〜pからの光出力がオフする。
定波長を0.4nmとすると、全出力ポートa〜qから
の出力を一括してオフする出力オフモードの機能を果た
すことができる。
0は光モジュール50と同様に構成されているため、光
合波器60も光モジュール50と同様に動作させる(す
なわち、波長シフト手段による動作を光モジュール50
と同様に行なうと)、合波する光の波長を設定シフト量
(この場合+0.4nm)ずつ長波長側にシフトさせる
ことになるため、アドポート27から入射される波長λ
1の光は光合波器60の出力側から出力されない。
モータ15をさらに作動させて、光モジュール50を形
成するアレイ導波路型回折格子の導波路形成部10aを
スライド移動していき、導波路形成部10aを前記定位
置から図1のX方向に20μmスライド移動させると、
各出力ポートa〜pから出力される波長が+0.8nm
ずつ長波長側に移動した状態となる。なお、この状態を
模式的に示すと、図6の(c)に示す状態となる。
ール50の各出力ポートa〜nから出力する出力波長の
中心波長は、λ2、λ3、・・・λ15となり(前記波
長多重光の中に中心波長が(λ15+0.8)nmの波
長の光はないため、出力ポートoからの出力は行われな
い)、予備出力ポートqからは、波長λ1の光が出力さ
れる。
出力光のうち、波長λ2の光がドロップポート26から
ドロップされ、その他の波長λ1、λ3〜λ15の光は
光合波器60に入射する。
ール50と同様に動作させて導波路形成部10aを図の
X方向に20μmスライド移動させると、光合波器60
によって合波する光波長も一括して0.8nm長波長側
の波長となるため、アドポート27から入力される波長
λ2の光を含む波長λ1〜波長λ15の光が光合波器6
0によって合波されて波長多重出力される。
ば波長λ1の信号光に事故などでエラーが生じた場合
に、λ2をドロップポート26から出力して用いること
ができる。また、光モジュール50に予備出力ポートa
を形成し、それに対応するポートa’を光合波器60に
形成し、これらのポートq、q’を接続しているので、
光モジュール50および光合波器を波長シフトの定位置
からシフトさせたときにも波長λ1の光の伝送も行なえ
る。
ることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、
上記光モジュールの第1実施形態例では、スライド移動
機構としてステッピングモータ15を設けたが、ステッ
ピングモータ15の代わりに、圧電素子を設けてスライ
ド移動機構を形成することもできる。この場合は、圧電
素子が、電力により前記導波路形成領域10aをスライ
ド移動させるスライド駆動手段として機能する。
において、アレイ導波路型回折格子の温度を調整する温
度調整機構としてペルチェ素子30を設けたが、ペルチ
ェ素子30の代わりにヒータ素子を設けてもよいし、ペ
ルチェ素子30とヒータ素子の両方を設けてもよい。
光入力部の個数や出力ポートの個数や分波波長間隔等の
詳細な構成は特に限定されるものでなく、適宜設定され
るものである。
波長λ1またはλ2の、1つの波長の光をアド/ドロッ
プするシステムとしたが、アド/ドロップする光の波長
数を複数にしてもよい。また、予備のポートや監視光の
モニタポートは省略することもできる。
光合波器60として光モジュール50と同様の構成の光
モジュールを適用したが、光合波器60として例えばス
ターカプラなどを適用することもできる。
1または第2実施形態例の光モジュールと同様の要部構
成を有する光モジュール55の出力ポートに、第1のパ
スポートAと第2のパスポートBを1ポートおきに接続
し、波長シフト手段による波長シフトによって予め設定
した設定波長光の出力パスポートを可変する(同図の
(a)に示すようにパスポートAから出力したり、同図
の(b)に示すようにパスポートBから出力したりす
る)こともできる。
ポートとを接続したが、光モジュール55に3以上のパ
スポートを接続して光システムを構成してもよい。この
場合は、第1から第N(Nは3以上の整数)のパスポー
トを、(N−1)ポートおきに接続し、波長シフト手段
による波長シフトによって予め設定した設定波長光の出
力パスポートを可変する光システムを構成することがで
きる。
て、全出力ポートからの出力を一括してオフする出力オ
フモードの機能が付加されている光モジュールを用い、
該光モジュールの出力オフモードの動作の有無によって
出力光波長を一括してオンオフする光スイッチを構成す
ることもできる。
モジュール50や光モジュール40において、設定シフ
ト波長を0.4nmにすることによって、光モジュール
40,50に付加することができ、同様に、複数の出力
ポートから出力する出力波長が等波長間隔ごとに異なる
波長の光モジュールにおいて、全出力ポートからの出力
を一括して前記等波長間隔でない波長分のみシフトさせ
ることにより付加することができる。
例として、図9に示すように、光モジュール55の1つ
の出力ポートにのみ出力用光ファイバを接続し、光入力
部17から1つの波長λ1を入力し、波長シフト手段に
よる出力波長シフトが行なわれない波長シフトの定位置
で、波長λ1の光出力を行い、かつ、前記波長シフト手
段により前記波長シフトの定位置からの出力波長シフト
が行なわれたときに光出力を停止する光スイッチを構成
することもできる。
波長モニタを構成することもできる。この場合、例えば
図10に示すように、光モジュール50の出力ポート数
に対応したフォトダイオードを1次元アレイ状に配設し
たPDアレイ36を設けて各出力ポートa〜pにフォト
ダイオードを接続する。
段によってシフトさせる設定シフト量を、各出力ポート
a〜pから出力される出力波長の間隔よりも小さい値
(例えば波長間隔の10分の1程度の値)に設定し、波
長シフト手段による波長シフトを複数回行ないながら、
その都度、各出力ポートa〜pに接続されているフォト
ダイオードにより対応する出力ポートa〜pから出力さ
れる光の強度を測定していくと、全出力ポートa〜pか
らの出力光強度が波長シフトに対応して段階的に変化し
ていくので、この強度検出によって、各出力ポートa〜
pから出力する光の波形を一括して検出することができ
る。
出力ポートからは、それぞれ互いに異なる波長の光が出
力されるが、これらの全出力ポートから出力する出力光
波長を、波長シフト手段によって、長波長側と短波長側
のいずれか一方に予め定められた設定シフト量だけ同時
にシフトさせることができる。したがって、この設定シ
フト量を適宜設定することにより、光モジュールを光ス
イッチやアドドロップモジュール等の光システムに好適
な光モジュールとすることができる。
て、例えば、複数の出力ポートから出力する出力波長は
等波長間隔ごとに異なる波長と成し、設定シフト量を前
記波長間隔のほぼ整数倍とした構成とすれば、例えば波
長シフト手段による出力波長が行われない波長シフトの
定位置において各出力ポートから出力する出力波長の光
を、1つ以上ずつずらした出力ポートから出力させるこ
とができる。したがって、この機能を利用して、例えば
必要に応じてドロップ波長を可変できるアド/ドロップ
モジュールを構成することができる。
する出力波長は等波長間隔ごとに異なる波長と成し、全
出力ポートからの出力を一括して前記等波長間隔でない
波長分のみシフトさせオフする出力オフモードの機能を
付加した光モジュールによれば、例えばこの出力オフモ
ードの動作の有無によって光出力動作をオンオフする光
スイッチ等を構成することができる。
構成される光モジュールによれば、アレイ導波路型回折
格子の光分波特性を用いて、上記効果を奏する正確な光
モジュールを構成することができる。
スラブ導波路と第2のスラブ導波路の少なくとも一方を
スラブ導波路を通る光の経路と交わる切断面で切断分離
し、切断面に沿って導波路形成領域をスライド移動させ
るスライド移動機構を設け、該スライド移動機構を波長
シフト手段とした光モジュールによれば、スライド移動
機構によって、アレイ導波路型回折格子の出力波長をシ
フトさせて上記効果を奏する優れた光モジュールを構成
することができる。
域の線膨張係数と異なる線膨張係数のスライド部材を有
している光モジュールによれば、スライド部材によっ
て、スライド移動機構の動作を的確に行なえるようにす
ることができる。
を有している光モジュールによれば、温度調整機構によ
ってスライド部材の伸縮を自在に制御して、上記スライ
ド移動を的確に行なうことができる。
度調整機構をペルチェ素子又はヒータ素子とした光モジ
ュールによれば、これらの素子を用いて温度調整機構を
簡単に形成することができる。
ライド駆動手段を有している光モジュールによれば、ス
ライド駆動手段によって、スライド移動機構の動作を的
確に行なえるようにすることができる。
領域の端面と第2の導波路形成領域の端面との間に空隙
を設けた光モジュールによれば、第1と第2の導波路形
成領域の相対移動をスムーズに行なうことができ、特
に、前記空隙を1μm以上30μm以下とした光モジュ
ールによれば、その効果を非常に的確に発揮できる。
とを設け、ドロップポートとアドポートを設けて構成し
た光システムによれば、アド/ドロップする光の波長を
適宜可変することができ、事故などに対する対処がしや
すい光システムとすることができる。
ールに予備出力ポートを設けて光合波器の光入力側に接
続した構成のものにおいては、予備出力ポートを利用し
て光モジュール側から光合波器側に光伝送を行なうこと
ができ、例えばアド/ドロップする波長以外の波長光を
常に光システムの光入力側から出力側に伝送することが
できる。
力ポートのうち少なくとも1ポートに監視光のモニタポ
ートを接続して上記光システムを構成すると、監視光を
モニタすることにより、光モジュールの動作状態等を把
握することができる。
トに第1から第N(Nは2以上の整数)のパスポート
を、(N−1)ポートおきに接続し、波長シフト手段に
よる波長シフトによって予め設定した設定波長光の出力
パスポートを可変する光システムによれば、非常に正確
に設定波長光の出力パスポートの切り換えを行なうこと
ができる。
ールを有し、該光モジュールの出力オフモードの動作の
有無によって出力光波長を一括してオンオフする光スイ
ッチとした光システムによれば、光スイッチの動作切り
換えを非常に的確に行なうことができる。
示す要部構成図である。
長シフトと光入力導波路および光出力導波路の位置との
関係を示す説明図である。
示す要部構成図である。
の一実施形態例をその動作と共に模式的に示す要部構成
図である。
後の動作状態を示す説明図である。
ジュールの出力波長と出力ポートとの関係を模式的に示
す説明図である。
ジュールを示す要部構成図である。
す説明図である。
例を示す説明図である。
施形態例を示す説明図である。
と共に示す説明図である。
路から出力される光の光透過特性を示すグラフである。
Claims (16)
- 【請求項1】 光入力部と、該光入力部から入力される
波長多重光を互いに異なる波長の光に分波する光分波部
と、該光分波部で分波した互いに異なる波長の光を異な
る出力ポートから出力する複数の出力ポートを有し、こ
れらの全出力ポートから出力する出力光波長を長波長側
と短波長側のいずれか一方に予め定められた設定シフト
量だけ同時にシフトさせる波長シフト手段を備えている
ことを特徴とする光モジュール。 - 【請求項2】 複数の出力ポートから出力する出力波長
は等波長間隔ごとに異なる波長と成し、設定シフト量を
前記波長間隔のほぼ整数倍としたことを特徴とする請求
項1記載の光モジュール。 - 【請求項3】 複数の出力ポートから出力する出力波長
は等波長間隔ごとに異なる波長と成し、全出力ポートか
らの出力を一括して前記等波長間隔でない波長分のみシ
フトさせオフする出力オフモードの機能を付加したこと
を特徴とする請求項1記載の光モジュール。 - 【請求項4】 1本以上の並設された光入力導波路の出
射側に第1のスラブ導波路が接続され、該第1のスラブ
導波路の出射側には該第1のスラブ導波路から導出され
た光を伝搬する互いに異なる長さの複数の並設されたア
レイ導波路が接続され、該複数のアレイ導波路の出射側
には第2のスラブ導波路が接続され、該第2のスラブ導
波路の出射側には複数の並設された光出力導波路が接続
されているアレイ導波路型回折格子を有し、前記光入力
導波路の入力端部が光入力部と成し、前記第1と第2の
スラブ導波路と前記並設アレイ導波路が光分波部と成
し、前記光出力導波路の出力端部が出力ポートと成して
いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか
一つに記載の光モジュール。 - 【請求項5】 第1のスラブ導波路と第2のスラブ導波
路の少なくとも一方がスラブ導波路を通る光の経路と交
わる切断面で切断分離されて分離スラブ導波路と成し、
前記第1と第2のスラブ導波路と光入力導波路とアレイ
導波路と光出力導波路を有する導波路形成領域が一方側
の分離スラブ導波路を含む第1の導波路形成領域と他方
側の分離スラブ導波路を含む第2の導波路形成領域とに
分離されており、該第2の導波路形成領域と前記第1の
導波路形成領域の少なくとも一方側を前記切断面に沿っ
てスライド移動させることにより前記出力導波路から出
力する出力波長をシフトさせるスライド移動機構を設
け、該スライド移動機構を波長シフト手段としたことを
特徴とする請求項4記載の光モジュール。 - 【請求項6】 スライド移動機構は導波路形成領域の線
膨張係数と異なる線膨張係数のスライド部材を有してい
ることを特徴とする請求項5記載の光モジュール。 - 【請求項7】 スライド移動機構は温度調整機構を有し
ていることを特徴とするする請求項6記載の光モジュー
ル。 - 【請求項8】 温度調整機構はペルチェ素子又はヒータ
素子であることを特徴とする請求項7記載の光モジュー
ル。 - 【請求項9】 スライド移動機構は電力によるスライド
駆動手段を有していることを特徴とする請求項5記載の
光モジュール。 - 【請求項10】 互いに対向する第1の導波路形成領域
の端面と第2の導波路形成領域の端面との間に空隙を設
けたことを特徴とする請求項5乃至請求項9のいずれか
一つに記載の光モジュール。 - 【請求項11】 空隙を1μm以上30μm以下とした
ことを特徴とする請求項10記載の光モジュール。 - 【請求項12】 請求項1乃至請求項11のいずれか一
つに記載の光モジュールと、該光モジュールからの出力
光を合波して出力する光合波器とを有し、前記光モジュ
ールの複数の出力ポートのうち少なくとも1つのポート
にドロップポートを接続し、前記光モジュールの残りの
出力ポートのうち少なくとも1つのポートとアドポート
を前記光合波器の光入力側に接続したことを特徴とする
光モジュールを用いた光システム。 - 【請求項13】 波長シフト手段による出力波長シフト
が行なわれない波長シフトの定位置では光出力を行なわ
ず、かつ、前記波長シフト手段により前記波長シフトの
定位置からの出力波長シフトが行なわれたときに光出力
を行なう予備出力ポートを光モジュールに設け、該予備
出力ポートを光合波器の光入力側に接続したことを特徴
とする請求項12記載の光モジュールを用いた光システ
ム。 - 【請求項14】 請求項1乃至請求項11のいずれか一
つに記載の光モジュールを有し、該光モジュールの複数
の出力ポートのうち少なくとも1ポートに監視光のモニ
タポートを接続したことを特徴とする光モジュールを用
いた光システム。 - 【請求項15】 請求項1乃至請求項11のいずれか一
つに記載の光モジュールを有し、該光モジュールの出力
ポートに第1から第N(Nは2以上の整数)のパスポー
トを、(N−1)ポートおきに接続し、波長シフト手段
による波長シフトによって予め設定した設定波長光の出
力パスポートを可変することを特徴とする光システム。 - 【請求項16】 請求項3記載の光モジュールを有し、
該光モジュールの出力オフモードの動作の有無によって
出力光波長を一括してオンオフする光スイッチとしたこ
とを特徴とする光モジュールを用いた光システム。
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