図1は本発明の基本的な作用を説明する図である。
図1において、本発明にかかる光機能デバイスである合分波器20は、入力スラブ導波路4、この入力スラブ導波路4に光を入力する入力端としての入力導波路3、出力端を持つ出力スラブ導波路6、および入力スラブ導波路4から光が入力され、出力スラブ導波路6へ光が出力される、長さの異なる複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイ5から構成される。
図2は、図1において入力導波路3側から光を入射し、ミラー801で反射し、再び入力導波路まで戻す光学装置を構成した場合の、光の波長に対する損失を示す図であり、図2の(c)に例示するようにフラットトップで且つ低損失な特性となる。なお図2の(a)は図49に示したガウス型の透過特性である。
図2(c)のような透過特性が得られるのは、図1における合分波器20では、それぞれの波長の光を入力して出力端に導くためのチャネル導波路(図47における610に相当する)を設けていないためである。
先に説明したように、出力端側のチャネル導波路はスペクトルの一部を切り取り、特定の波長の光を導くものである。そのスペクトルを切り取る際、低損失にしようとすれば透過特性がガウス型になり、透過特性をフラットトップにしようとすれば挿入損失が増加するという問題があった。
これに対して、本発明を適用した合分波器には出力端側のチャネル導波路が存在しないため、合分波器から出力される光は極めて広い帯域を有する。
図1において帯域を決めるのは、ミラー801である。そして反射される光の帯域はミラー801の幅(図1においては紙面での上下の幅)に比例する。
なお、ミラーの場合には、集光された光のスポットがミラーの有効部に入っている限り低損失になる。そのため図2の(c)のようにフラットトップで且つ低損失な透過特性が得られることになる。
以上のように本発明にかかる光機能デバイスとしての合分波器を用いることにより、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られる効果を生ずる。また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイス、例えば波長選択スイッチ用の波長合分波フィルタが実現できる。
なお、図1において、ミラー801に替えて他の光学デバイス、たとえば光電変換素子等を配置した場合でも、出力端側のチャネル導波路が存在しないため、前記効果を奏することは明らかである。
また、本実施例において、出力スラブ導波路6を設けているのは、非隣接クロストークを低く抑えるように、各チャネル導波路の長さ誤差を低減するためである。
すなわち、製造過程において、出力スラブ導波路6を設けずにチャネル導波路アレイ5の部分で切断した場合、隣り合うチャネル導波路間で切断面の角度にずれがあると、これがそのままチャネル導波路の長さのばらつきとなる。
しかし、短い出力スラブ導波路6を設けることで、チャネル導波路アレイ5のところで切断する必要はなくなるため、コア加工時に用いるフォトマスクの精度でチャネル導波路の長さのばらつきを抑えることができる。
このような理由から図1の構成には出力スラブ導波路6を備えた構成としたが、出力スラブ導波路6がなく、チャネル導波路アレイ5の出力端をその端面とする合分波器であっても、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られる効果を生じ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイス、例えば波長選択スイッチ用の波長合分波フィルタが実現できることは明らかである。
(第1実施例)図3は本発明にかかる光機能デバイスの一例で、波長合分波フィルタの構成例であり、図3(a)は波長合分波フィルタの平面図、図3(b)は波長合分波フィルタを図3(a)の点線A−Aで切断した断面図、図3(c)は波長合分波フィルタを図3(a)の点線B−Bで切断した断面図、図3(d)は波長合分波フィルタを図3(a)の点線C−Cで切断した断面図である。
本発明にかかる波長合分波フィルタは、例えば図3(b)に示すように、平板状基板100と、その主平面上に形成した光導波路200により構成される。ここに平板状基板100の主平面とは、例えば図3(b)の平板状基板100において、光導波路200と接している面である。
光導波路200はクラッド201と、クラッド201で周囲が取り囲まれ、クラッドより屈折率が高いコア202とにより構成される。但し、導波路端面203及び導波路端面204に限ってはコア202が露出している。
そして、図3(a)において、波長合分波フィルタを構成する光導波路200は、そのコアの形状(以降コアパターンという)に入力スラブ導波路4、この入力スラブ導波路4に光を入力する入力端としての入力導波路3、出力端を持つ出力スラブ導波路6、および入力スラブ導波路4から光が入力され、出力スラブ導波路6へ光が出力される、長さの異なる複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイ5を含む。
なお、図3(a)の光導波路200におけるコアパターンはクラッド201中に埋め込まれているが、便宜上、点線ではなく実線で示している。以下平面図については同様に埋め込まれた層であっても実線で示すが、実際には図3(b)、図3(c)及び図3(d)のようにコア202はクラッド201に埋め込まれている。
また、図3(b)のコア202は入力導波路3に、図3(c)のコア202は入力スラブ導波路4にそれぞれ対応し、図3(d)のコア202は出力スラブ導波路6に対応する。
図3(a)に例示する波長合分波フィルタの入力スラブ導波路4とチャネル導波路アレイ5の境界をチャネル導波路アレイ5の入力開口501と定義すると、チャネル導波路アレイ5の入力開口501は入力導波路3と入力スラブ導波路4の接続点400を中心に描いた半径Rの円弧401上に位置している。
さらに入力導波路3と入力スラブ導波路4の接続点400は円弧401を構成する円のローランド円上にあり、入力スラブ導波路4の境界402は、このローランド円の一部である。ここにローランド円とはその円弧が半径Rの円の中心上を通る半径R/2の円のことである。
なおこのローランド円上であれば図示した位置400以外にも入力導波路3を配置可能である。
さらに、チャネル導波路アレイ5と出力スラブ導波路6の境界をチャネル導波路アレイ5の出力開口502と定義すると、チャネル導波路アレイ5の出力開口502は図示したように直線状に配列されており、出力スラブ導波路6を構成するコアと、チャネル導波路アレイ5を構成するコアおよびクラッド201との境界601は直線状に構成されている。
加えてチャネル導波路アレイ5は、隣り合うチャネル導波路のコアパターンの入力開口から出力開口までの光路長の差が一定になるようにその長さが調節されて形成されている。
この光路長の差は、波長分割多重光を、入力端としての入力導波路3から入力したときに、前記波長分割多重光を構成する各波長に応じて角分散を生ずるように設定されている。
図4は本発明にかかる波長合分波フィルタの端面の一例を示す。
図4(a)は入力導波路側の導波路端面203の構成例、図4(b)は出力スラブ導波路側の導波路端面204の構成例である。いずれも平板状基板100の端面と同一面になるように導波路端面を形成してある。一般に入力導波路側の導波路端面203には光ファイバを接続する。
なお、光ファイバや導波路に戻る導波路端面における反射光を減衰させる必要がある場合には、導波路端面を光ファイバや導波路に対して垂直な面から傾斜させても良い。
つぎに、本実施例の波長合分波フィルタの具体的な構成について記述する。
例えば厚さ1mmのシリコン基板(平板状基板100に相当する)上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法等を用い、厚さ20μmのクラッド用シリカガラスと厚さ6μmのコア用シリカガラスを堆積する。
その上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィープロセスによりほぼコアパターンと同様の形状のフォトレジストパターンを形成する。次いでフォトレジストパターンをマスクとして反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)を行い、コアパターンを形成する。
この工程を経ると、コア202は、入力導波路3、入力スラブ導波路4、チャネル導波路アレイ5及び出力スラブ導波路6の各コアパターンだけを残し除去される。
次いでCVD法等を用い、コアパターン上に厚さ20μmのクラッド用シリカガラスを堆積する。次いで半導体デバイスの切断等に用いる切断機(ダイシングマシーン)で切断すると同時に導波路端面203及び204を形成する。以上により本実施例の波長合分波フィルタが形成される。
具体的寸法は、入力導波路3の幅が6μm、長さが5mm、入力スラブ導波路4とチャネル導波路アレイ5との境界の半径Rが17mm、チャネル導波路アレイ5を構成するチャネル導波路の幅が6μm、隣り合うチャネル導波路の入力開口から出力開口までの実効的光路長の差が45μm、各チャネル導波路のコアパターンの入力開口及び出力開口の間隔が14μmである。コアの厚さは全て6μm、コアとクラッドの比屈折率差は0.8%である。
なお平板状基板100には石英ガラスや硼珪酸ガラス等の他の材料を用いても良い。
また、光導波路はCVD法以外の製法やシリカガラス以外の材料、例えばFHD(Flame Hydolysis Deposition)法で形成するシリカガラス材料や、コーティング法で形成するプラスチック材料であっても良い。
このように構成された波長合分波フィルタで図1に例示する光学系を構成し、ミラー801で反射したときの測定されたスペクトルが図2の(c)に例示したものである。
図1において、レンズ12の焦点距離を58mm、ミラー801の反射面の幅を100μmとしたとき、損失が最小から0.5dB増加するスペクトル幅が0.8nmであった。
また、ミラー801の反射面の幅を50μmとしたとき、損失が最小から0.5dB増加するスペクトル幅が0.4nmであった。このときの挿入損失は6dBであった。
これは、例えば図47に例示する従来のAWGを用いた場合にくらべ、損失(12dB)が2分の1に低減される効果が得られたことを示している。
このように、本実施例の合分波器によれば、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイス、例えば波長選択スイッチ用の波長合分波フィルタが実現できる。
なお、本実施例において、導波路の寸法、レンズ等光学部品の焦点距離等の具体的数値を記したが、これらの数値によらずに本実施例の構成を適用した場合でも本発明の効果が得られることは明白である。
(第2実施例)図5および図6は本発明にかかる光機能デバイスの一実施例であり、図5は周波数間隔100GHz、40チャネル(ch)多重の波長分割多重光に適用する波長選択スイッチの平面図を示し、図6はその側面図を示す。
図7は、図5の部分Aの拡大図であり、周波数間隔100GHz(1.5μm帯域において、波長間隔約0.8nmに相当する)で波長多重された光がチャネル導波路アレイ5から出射されたときの各波長の光の出射方向を模式的に示している。
図5および図6において、ヒータ22上に実装した熱伝導フィン10の上に、周波数間隔100GHz用の第1の合分波器20および第2の合分波器21を上下に2枚実装してある。
これらの合分波器20および21は同一の構成であり、入力スラブ導波路4、この入力スラブ導波路4に光を入力する入力端としての入力導波路3、および入力スラブ導波路4から光が入力される、長さの異なる複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイ5から構成される。
周波数間隔100GHz、40チャネル多重の波長分割多重光が第1の合分波器20の入力導波路3に入射すると、入力スラブ導波路4を自由伝搬し、チャネル導波路アレイ5に到達して光結合するため、入力光のパワーはチャネル導波路アレイ5を構成する各チャネル導波路に分配される。
そして、チャネル導波路アレイ5を構成する各チャネル導波路中の光はその波長に対応した位相のずれを生じてその出力端から出力され、干渉によって図7に示すように、各波長に応じた角分散方向に平行光として出射する。
このようにしてチャネル導波路アレイ5により各波長に分波された光は、シリンドリカルレンズ11に導かれて、垂直方向(図6における紙面の上下方向に相当する)に対して平行光となる。
このことは、第2の合分波器21に波長分割多重光を入射した場合も同様である。
そして、第1の合分波器20により角分散を生じた各波長の光を角分散方向に応じて異なる位置に集束させる光学手段、および第2合分波器21により角分散を生じた各波長の光を角分散方向に応じて異なる位置に集束させる光学手段としてのレンズ12を設ける。
さらに、このレンズ12は、第1の合分波器20により角分散を生じた或る波長の光と、第2の合分波器21により角分散を生じた同一波長の光とが集束する位置が一致するように配置する。
そして、前記角分散を生じた各波長の光がほぼ集束する位置の少なくとも1箇所に設ける光反射手段として、複数のミラーからなるミラーアレイ13を配置し、第1の合分波器により分波された各波長の光を入射させる。
ミラーアレイ13には、分波された各波長に対応した40個のミラーが配置されており、必要に応じて各ミラーの角度を調節し、第1の合分波器20からの光を第1の合分波器20へ戻すか、または第2の合分波器21へと反射させる。
すなわち、第1の合分波器20に入射させた波長分割多重光のうち、スイッチングを行わない波長の光については、その波長に対応する位置のミラーの反射角度を第1の合分波器20からの光が第1の合分波器20に戻るように調節する。
一方、スイッチングを行う波長の光については、その波長に対応する位置のミラーの反射角度を第1の合分波器20からの光が第2の合分波器21へ導かれるように調節する。このとき、第2の合分波器21からの同一波長の光はこのミラーで反射して第1の合分波器20へ導かれることとなる。
このようにして、第1の合分波器20に入射した波長分割多重光のうち、所望の波長の光を抜き取って(Drop)第2の合分波器21に導き、かつ、第2の合分波器21に入射した波長分割多重光のうち、前記抜き取った波長と同一波長の光を追加(Add)して、波長分割多重光として前記第1の合分波器20に戻すことができる光機能デバイスである波長選択スイッチの機能を果たす。
なお、合分波器20、合分波器21の入力導波路3では光の入力および出力が行われるが、入力光と出力光を分離するための光学手段、例えば第1のポートに入力した光を第2のポートに出力し、前記第2のポートに入力した光を第3のポートに出力する光学手段として、例えば光サーキュレータを各合分波器の入力導波路3の入力端に配置しても良い。このことは他の実施例についても同様である。
このように、本実施例によれば、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしての波長選択スイッチが実現できる。
ここで、各合分波器20、21はシリコン基板上に石英系導波路(比屈折率差0.8%)を用いて作製してある。
また、入力導波路3の入力端とチャネル導波路アレイ5の出力端とは90度の角度をなすように設計してあり、図7に示すように、この出力端で各チャネル導波路が平行に並ぶように作製してある。
図5において、チャネル導波路アレイ5を構成するチャネル導波路の数は約300であり、図7において、チャネル導波路アレイ5の出力端での各チャネル導波路間の間隔dは14μmである。このときチャネル導波路アレイ5側の出力端より出射される回折光のチャネル(ch)間の回折角度差は0.0017rad/chである。シリンドリカルレンズ11の直径は2mmであり、焦点距離は約10mmである。
レンズ12は、焦点距離fが約58.3mmであり、チャネル導波路アレイ5の出力端より焦点距離f離れた位置に実装してある。その有効直径は9mmである。
さらに、ミラーアレイ13はレンズ12からシリンドリカルレンズ11とは反対側で、焦点距離f離れたところに実装してある。
図8はミラーアレイ13の構成例である。
図8において、(a)は平面図、(b)は(a)の右側から見た側面図であり、ミラーはch1からchNまでほぼ一定のピッチPでN個並んでいる。本実施例において、Nは40である。また、各ミラーは図8(b)の側面図に例示するように電気的に制御して傾斜させることができる。ミラー801のピッチPは100μm、反射面811のサイズは50μm×50μmである。
図6において、熱伝導フィン10の合分波器搭載部の厚みd1、d2はそれぞれ1mmであり、合分波器搭載部間の距離d3は5mmである。このため2枚の合分波器20、21は垂直方向に6mm離れて実装されることとなる。
そして合分波器20からの光を合分波器20へ戻す場合と、合分波器21に導く場合とのミラー振れ角αは0.12radである。
なお、本実施例において波長分割多重光を合分波器20に入力し、各波長に分波された光がミラーアレイ13を構成する各波長に対応したミラーで反射して合分波器21に導かれるように構成し、合分波器21に導かれる光の量をミラーの反射角度を調節することによって、波長分割多重光を構成する各波長の光の強度を独立に変えることができる。
すなわち、本実施例の構成で周波数間隔100GHz、40チャネル多重の波長分割多重光に対応した、チャネル(波長)毎の光パワーレベルをダイナミックに制御する装置(以下このような装置をダイナミックゲインイコライザ、略してDGEQという)が実現できる。
また、この構成のDGEQでは波長分割多重光の入力は合分波器20、出力は合分波器21となるため、前記入力光と出力光を分離するための光学手段、例えば光サーキュレータは不要である。
なお、本発明に係る合分波器を用いて構成された波長選択スイッチの他の実施例においても、各波長に対応するミラーの角度を適切に調節することでDGEQとしての利用が可能であることは明白である。
(第3実施例)図9および図10は本発明にかかる光機能デバイスの一実施例であり、図9は周波数間隔100GHz、40チャネル(ch)多重の波長分割多重光に適用する波長選択スイッチの平面図を示し、図10はその側面図を示す。
図11は、図9の部分Aの拡大図であり、周波数間隔100GHz(1.5μm帯域において、波長間隔約0.8nmに相当する)で波長多重された光が出力スラブ導波路6から出射されたときの各波長の光の出射方向を模式的に示している。
本実施例は前記第2実施例と類似の構成であるが、合分波器を搭載する熱伝導フィンを設けずにヒータ22に合分波器を直接搭載したこと、およびチャネル導波路アレイ5の入力スラブ導波路4とは反対側の端に、出力端を有する短い出力スラブ導波路6を設けたことが異なる。
具体的には、図9および図10において、ヒータ22の両面に周波数間隔100GHz用の第1の合分波器20および第2の合分波器21をそれぞれ実装し、ヒータ22は支柱16により支えている。
そして、これらの合分波器20および21は同一の構成であり、入力スラブ導波路4、この入力スラブ導波路4に光を入力する入力端としての入力導波路3、出力端を持つ出力スラブ導波路6、および入力スラブ導波路4から光が入力され、出力スラブ導波路6へ光が出力される、長さの異なる複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイ5から構成される。
ここで、本実施例では出力スラブ導波路の長さは500μmである。
本実施例においても、前記第2実施例と同様に第1の合分波器20に入射した波長分割多重光のうち、所望の波長の光を抜き取って(Drop)第2の合分波器21に導き、かつ、第2の合分波器21に入射した波長分割多重光のうち、前記抜き取った波長と同一波長の光を追加(Add)して、波長分割多重光として前記第1の合分波器20に戻すことができる光機能デバイスである波長選択スイッチの機能を果たす。
このように、本実施例によれば、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしての波長選択スイッチが実現できる。
さらに本実施例では合分波器をヒータに直接実装することにより、前記第2実施例よりも構成部品数が少なく、より薄い波長合分波フィルタ部をもつ波長選択スイッチが実現できる。
また、出力スラブ導波路6を設けたことにより、コア加工時に用いるフォトマスクの精度でチャネル導波路の長さばらつきを抑えることができ、非隣接クロストークを低く抑えることができる。
(第4実施例)図12および図13は本発明にかかる光機能デバイスの一実施例であり、図12は周波数間隔100GHz、40チャネル(ch)多重の波長分割多重光に適用する波長選択スイッチの平面図を示し、図13はその側面図を示す。
本実施例は前記第3実施例と類似の構成であり、光信号の入力導波路3への入力端面と出力スラブ導波路6からの出力端面が平行であるように構成されている点が異なる。
本実施例においても、前記第2実施例と同様に、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしての波長選択スイッチが実現できる。
さらに本実施例では合分波器をヒータに直接実装することにより、前記第2実施例よりも構成部品数が少なく、より薄い波長合分波フィルタ部をもつ波長選択スイッチが実現できる。
また、出力スラブ導波路6を設けたことにより、コア加工時に用いるフォトマスクの精度でチャネル導波路の長さばらつきを抑えることができ、非隣接クロストークを低く抑えることができる。
(第5実施例)図14および図15は本発明にかかる光機能デバイスの一実施例であり、図14は周波数間隔100GHz、40チャネル(ch)多重の波長分割多重光に適用するDGEQの平面図を示し、図15はその側面図を示す。
本実施例のDGEQは、前記第4実施例の波長選択スイッチの構成のうち合分波器の一方のみを用い、各波長に対応したミラーの角度を変化させ、合分波器に戻す光の強度を調整するように構成したものである。
図14および図15において、ヒータ22上に周波数間隔100GHz、40チャネル用の合分波器20を実装してある。
この合分波器20は、入力スラブ導波路4、この入力スラブ導波路4に光を入力する入力端としての入力導波路3、出力端を持つ出力スラブ導波路6、および入力スラブ導波路4から光が入力され、出力スラブ導波路6へ光が出力される、長さの異なる複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイ5から構成される。
ここで、本実施例では出力スラブ導波路の長さは500μmである。
周波数間隔100GHz、40チャネル多重の波長分割多重光が合分波器20の入力導波路3に入射すると、入力スラブ導波路4を自由伝搬し、チャネル導波路アレイ5に到達して光結合するため、入力光のパワーはチャネル導波路アレイ5を構成する各チャネル導波路に分配される。
そして、チャネル導波路アレイ5を構成する各チャネル導波路中の光はその波長に対応した位相のずれを生じてその出力端から出力され、干渉によって各波長に応じた角分散方向に平行光として出射する。
このようにしてチャネル導波路アレイ5により各波長に分波された光は、シリンドリカルレンズ11に導かれて、垂直方向(図15における紙面の上下方向に相当する)に対して平行光となる。
そして、合分波器20により角分散を生じた各波長の光を、角分散方向に応じて異なる位置に集束させる光学手段としてのレンズ12を設ける。
さらに、前記角分散を生じた各波長の光がほぼ集束する位置の少なくとも一箇所に設ける光反射手段としての複数のミラーからなるミラーアレイ13を配置し、合分波器20により分波された各波長の光を入射させる。
ミラーアレイ13には、図8に示したように、分波された各波長に対応した40個のミラーが配置されている。このミラーで光を反射させ、必要に応じて各ミラーの角度を調節し、合分波器20の出力スラブ導波路6の出力端へ全ての光を同じ光路で戻すか、または出力スラブ導波路6の出力端に戻る光の量が少なくなるようにする。このように戻す光の量はミラーの角度により調節できる。
したがって、例えば反射面の角度を電気的に制御できるミラーを用いることにより、合分波器20に入射させた波長分割多重光について、各波長の光の強度を独立に、ダイナミックに減衰できるDGEQとして機能する。
このように、本実施例によれば、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしてのDGEQが実現できる。
(第6実施例)図16および図17は本発明にかかる光機能デバイスの一実施例であり、図16は周波数間隔100GHz、40チャネル多重の波長分割多重光に適用する波長選択スイッチの平面図を示し、図17はその側面図を示す。
本実施例は前記第2実施例と類似の構成であり、レンズ12とミラーアレイ13との間に、光路を90度変換する手段として45度ミラー15を挿入し、合分波器20および21の実装面とミラーアレイ13の実装面とが平行となるように構成したこと、および合分波器の射出端部分に短い出力スラブ導波路6を設けたことが異なる。
本実施例においても、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしての波長選択スイッチが実現できる。
さらに、本実施例によれば、レンズ12とミラーアレイ13との間の光路を45度ミラー15によって90度変えているため、長手方向の寸法を短くでき、また合分波器20および21の実装面とミラーアレイ13の実装面とが平行となるように構成しているため、例えば図17において、ヒータ22とミラーアレイ13とを同一の基板上に効率的に実装することもできる。
また、出力スラブ導波路6を設けたことにより、コア加工時に用いるフォトマスクの精度でチャネル導波路の長さばらつきを抑えることができ、非隣接クロストークを低く抑えることができる。
(第7実施例)図18および図19は本発明にかかる光機能デバイスの一実施例であり、図18は周波数間隔100GHz、40チャネル多重の波長分割多重光に適用する波長選択スイッチの平面図を示し、図19はその側面図を示す。
本実施例は前記第4実施例と類似の構成であり、レンズ12とミラーアレイ13との間に、光路を90度変換する素子として45度ミラー15を挿入し、合分波器20および21の実装面とミラーアレイ13の実装面とが平行となるように構成したことが異なる。
本実施例においても、前記第4実施例と同様に、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしての波長選択スイッチが実現できる。
さらに、本実施例によれば、レンズ12とミラーアレイ13との間の光路を90度変えているため、長手方向の寸法を短くでき、また合分波器20および21の実装面とミラーアレイ13の実装面とが平行となるように構成しているため、例えば図17において、ヒータ22とミラーアレイ13とを同一の基板上に効率的に実装することもできる。
また、出力スラブ導波路6を設けたことにより、コア加工時に用いるフォトマスクの精度でチャネル導波路の長さばらつきを抑えることができ、非隣接クロストークを低く抑えることができる。
(第8実施例)図20および図21は本発明にかかる光機能デバイスの一実施例であり、図20は周波数間隔100GHz、40チャネル多重の波長分割多重光に適用するDGEQの平面図を示し、図21はその側面図を示す。
本実施例は前記第5実施例と類似の構成であり、レンズ12とミラーアレイ13との間に、光路を90度変換する素子として45度ミラー15を挿入し、合分波器20の実装面とミラーアレイ13の実装面とが平行となるように構成したことが異なる。
本実施例においても、前記第5実施例と同様に、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしてのDGEQが実現できる。
さらに、本実施例によれば、レンズ12とミラーアレイ13との間の光路を45度ミラー15によって90度変えているため、長手方向の寸法を短くでき、また合分波器20の実装面とミラーアレイ13の実装面とが平行となるように構成しているため、例えば図21において、ヒータ22とミラーアレイ13とを同一の基板上に効率的に実装することもできる。
また、出力スラブ導波路6を設けたことにより、コア加工時に用いるフォトマスクの精度でチャネル導波路の長さばらつきを抑えることができ、非隣接クロストークを低く抑えることができる。
(第9実施例)図22および図23は本発明にかかる光機能デバイスの一実施例であり、図22は周波数間隔100GHz、40チャネル多重の波長分割多重光に適用する波長選択スイッチの平面図を示し、図23はその側面図を示す。なお、図22および図23において、光サーキュレータ30、31およびフィルタ32、33は模式的に表してある。
図22および図23において、光サーキュレータ30、31は、第1のポート(a)に入力した光を第2のポート(b)に出力し、前記第2のポート(b)に入力した光を第3のポート(c)に出力する光学手段の一例である。
図22において、周波数間隔100GHz、40チャネルの波長分割多重光を光サーキュレータ30のポートa(INポート)から入力すると、ポートbを経由してフィルタ32に到達する。
また、前記波長分割多重光に追加する波長の光から成る波長分割多重光を光サーキュレータ31のポートa(ADDポート)から入力すると、ポートbを経由してフィルタ33に到達する。
ここで、フィルタ32、33は、周波数間隔100GHz、40チャネルの波長分割多重光を入出力端dから入力すると、短波長側20チャネルの波長帯域の光が入出力端eから出力され、長波長側20チャネルの波長帯域の光は入出力端fから出力され、逆に短波長側20チャネルの波長帯域の光を入出力端eから、長波長側20チャネルの波長帯域の光を入出力端fからそれぞれ入力すると、これら波長帯域の光が合波されて入出力端dから出力するように構成されている。
そして、短波長側20チャネルの波長分割多重光は、波長選択スイッチ40に導かれてそれぞれ合分波器20と合分波器20の下方に実装されている合分波器21によって各チャネルに分波され、ミラーアレイ13を構成する各波長に対応したミラーの角度に従って合分波器20または合分波器21に導かれる。
合分波器20、合分波器21に導かれた各波長の光は合波され、それぞれフィルタ32とフィルタ33を経由して、それぞれ光サーキュレータ30のポートc(OUTポート)と光サーキュレータ31のポートc(DROPポート)に出力される。
一方、長波長側20チャネルの波長分割多重光は、波長選択スイッチ41に導かれて、それぞれ合分波器24と合分波器24の下方に実装されている合分波器25によって各チャネルに分波され、ミラーアレイ13を構成する各波長に対応したミラーの角度に従って合分波器24または合分波器25に導かれる。
合分波器24、合分波器25に導かれた各波長の光は合波され、それぞれフィルタ32とフィルタ33を経由して、前述のそれぞれ合分波器20、合分波器21により合波された光と合波され、それぞれ光サーキュレータ30のポートc(OUTポート)と光サーキュレータ31のポートc(DROPポート)に出力される。
ここで、波長選択スイッチ40は入力光の帯域である周波数間隔100GHz、40チャネルの帯域のうち、短波長側20チャネルの波長帯域の波長分割多重光に適用するように構成し、波長選択スイッチ41は長波長側20チャネルの波長帯域の波長分割多重光に適用するように構成したものであり、前記各波長選択スイッチのミラーアレイ13は分波された各波長に対応したそれぞれ20個のミラーが配置されている。
このように、本実施例によれば、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしての波長選択スイッチが実現できる。
さらに、本実施例によれば、100GHz、40チャネルに適用する波長選択スイッチを周波数間隔100GHz、20チャネルに適用する合分波器4個で構成できる。周波数間隔100GHz、20チャネルに適用する合分波器は、周波数間隔100GHz、40チャネルに適用する合分波器に比べて高い回折次数の合分波器を使用できるため、回折角度を拡大することができ、レンズ12の焦点距離fを短くすることが可能で、この焦点距離方向についての小型化が可能である。
ここで、波長選択スイッチ40、41を構成する各合分波器は、入力スラブ導波路4、この入力スラブ導波路4に光を入力する入力端としての入力導波路3、出力端を持つ出力スラブ導波路6、および入力スラブ導波路4から光が入力され、出力スラブ導波路6へ光が出力される、長さの異なる複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイ5から構成される。
なお、本実施例では出力スラブ導波路の長さは500μmである。
そして、出力端でのチャネル導波路間隔は14μmである。このときチャネル導波路側出力端より出射される回折光のch間(周波数間隔100GHz)の回折角度差は0.0034rad/ch(回折次数60)である。
シリンドリカルレンズ11の直径は2mmであり、焦点距離は約10mmである。凸レンズの焦点距離は約29.2mmであり、合分波器出力端より焦点距離だけ離れた位置に実装してある。レンズの有効直径は9mmである。
なお、図22において、各合分波器は出力スラブ導波路を持つ構成としているが、出力スラブ導波路がなく、チャネル導波路アレイが出力端となる構成においても同様の機能、効果を果たすのは明らかである。
(第10実施例)図24および図25は本発明にかかる光機能デバイスの一実施例であり、図24は周波数間隔100GHz、40チャネル多重の波長分割多重光に適用する波長選択スイッチの平面図を示し、図25はその側面図を示す。
図24において、ヒータ22の上面に2枚の周波数間隔100GHz、40チャネル多重用の合分波器20、21を並べて実装する。
実装した各合分波器は、入力スラブ導波路4、この入力スラブ導波路4に光を入力する入力端としての入力導波路3、出力端を持つ出力スラブ導波路6、および入力スラブ導波路4から光が入力され、出力スラブ導波路6へ光が出力される、長さの異なる複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイ5から構成される。
なお、本実施例では出力スラブ導波路の長さは500μmである。
波長多重信号光を合分波器20に入力し、各波長に分波された光をシリンドリカルレンズ11に入射させ、垂直方向を平行光にする。これをレンズ12で集光し、その集光位置に配置したミラーアレイ13に入射させる。
このとき、45度ミラー15を用いて光を90度曲げ、更に反射面を二つもつ2面45度ミラー17のうちの1面を用いて光を斜め下側に曲げて、下に実装したミラーアレイ13に入射させる。
ミラーアレイ13には、各波長に対応して40個のミラーが100μmピッチで配置されている。
必要に応じて、ミラーの入射光に対する反射面の角度を変えて、これを2面45度ミラー17の、前記合分波器20から光を入射させた面とは異なる反射面を用いて、45度ミラー18の方向に曲げ、この45度ミラー18で該当する波長の光を90度曲げて合分波器21へと入射させる。
あるいは、ミラーの入射光に対する反射面の角度を変えて、入射光路と同じ光路を用いて該当する波長の光を合分波器20へ戻す。
ここで、各合分波器は前記第3実施例と同様の方法で別々に作製するか、もしくは、2つの合分波器を同一の平板状基板上に、同時に作製しても良い。
本実施例においても、前記第4実施例と同様にフラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしての波長選択スイッチが実現できる。
さらに本実施例によれば、合分波器20と合分波器21とを同一平面上に効率的に実装することができ、レンズ12とミラーアレイ13との間の光路を90度変えているため、長手方向の寸法を短くできる。
(第11実施例)図26は本発明に係る光機能デバイスの一実施例で、WDM通信においてチャネル(波長)毎の光パワーレベルをダイナミックに制御できるDGEQである。
図26において、本実施例のDGEQは、第1のポート(a)に入力した光を第2のポート(b)に出力し、前記第2のポート(b)に入力した光を第3のポート(c)に出力する光学手段としての光サーキュレータ30を備えている。
そして、本実施例の合分波器20は、入力スラブ導波路4、この入力スラブ導波路4に光を入力する入力端としての入力導波路3、出力端を持つ出力スラブ導波路6、および入力スラブ導波路4から光が入力され、出力スラブ導波路6へ光が出力される、長さの異なる複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイ5から構成される。
光サーキュレータ30のINポート(ポート(a))から波長分割多重光を入力すると、入力光は合分波器20により角分散を生じて各波長に分波され、シリンドリカルレンズ803、前記角分散を生じた各波長の光を角分散方向に応じて異なる位置に集束させる光学手段としてのレンズ804、及び光路を変更する手段としてのミラー805、806で構成される光学系により、各波長に対応した複数のミラー801上に集束される(以下この光の経路を往路と言う)。
ここでミラー801の角度を、反射面が入射光に対してほぼ垂直になるよう調節すると、反射面が入射光に対して正確に垂直なときミラー801で反射された光は往路と同じ経路を逆送し、光サーキュレータ30のOUTポートから出力される(これを復路と言う)光の損失が最小となり、この角度からずれると、ずれが大きくなるほど復路を経由して光サーキュレータ30のOUTポートから出力される光の強度が小さくなる。
このように、入射させた波長分割多重光を構成する各波長の光の強度をミラー801の角度を調節することで制御できる装置、即ちDGEQが実現できる。
本実施例によれば、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしてのDGEQが実現できる。
つぎに本実施例のDGEQの具体的な構成を説明する。
図26において、合分波器20の先端に硼珪酸ガラス製のブロック(ヤトイ)を張り合わせた後、焦点距離10mmのシリンドリカルレンズ803を張り合わせ、出力光の上下方向を平行光とする。
レンズ804を、その焦点が合分波器20のチャネル導波路アレイ5用のコアパターンと出力スラブ導波路6用のコアパターンの境界に一致するよう配置する。ミラー805と806で光路を曲げ、レンズ804のもう一方の焦点に、図8に例示するミラー801を複数配置したミラーアレイ13を設ける。
入力導波路3側には、硼珪酸ガラス製のブロック(ヤトイ)と硼珪酸ガラス製のブロックで挟んだシングルモードファイバを介して光サーキュレータ30を接続する。
なお、図26においては便宜上、分波された3波長の光についてその光路を示し、ミラー801もこれに対応する3個のみ示したが、分波する波長の数、ミラー801の数はこれに限るものでないことは明白である。
(第12実施例)図27は本発明に係る光機能デバイスの一実施例で、WDM通信における波長分散補償器である。
図27に示す波長分散補償器の構成は、図26に示すDGEQの構成とほぼ等しく、異なるのはミラーアレイ13を構成する各ミラーが図8に示したものとは異なる点である。
すなわち、図27に示すミラーアレイ13は、合分波器20により角分散を生じた各波長の光がほぼ集束する位置の少なくとも一箇所に設けられ、その反射面の法線方向の位置が異なる光反射手段として配置されたものである。
図28は、図27におけるミラーアレイ13を構成するミラー821の構成例で、図28(a)は全体の構成図、図28(b)は図28(a)のミラーを反射面の中央で切断し、Aの方向から見た断面を模式的に示した図である。
図28において、ミラー821は複数のミラーエレメント822からなり、各ミラーエレメントはその反射面がその法線方向に移動可能である。例えばミラーエレメント822aではその反射面が平らな状態であり、ミラーエレメント822bでは反射面が凹となった状態であり、反射面が法線方向に移動したことになる。
この凹となったときの沈み込みの量、すなわち反射面の法線方向の移動量を制御し、例えば図28(b)に例示するように制御する。
図27において、本実施例の波長分散補償器は、第1のポート(a)に入力した光を第2のポート(b)に出力し、前記第2のポート(b)に入力した光を第3のポート(c)に出力する光学手段としての光サーキュレータ30を備えている。
そして、本実施例の合分波器20は、入力スラブ導波路4、この入力スラブ導波路4に光を入力する入力端としての入力導波路3、出力端を持つ出力スラブ導波路6、および入力スラブ導波路4から光が入力され、出力スラブ導波路6へ光が出力される、長さの異なる複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイ5から構成される。
光サーキュレータ30のINポート(ポート(a))から波長分割多重光を入力すると、入力光は合分波器20により角分散を生じて各波長に分波され、シリンドリカルレンズ803、前記角分散を生じた各波長の光を角分散方向に応じて異なる位置に集束させる光学手段としてのレンズ804、及び光路を変更する手段としてのミラー805、806で構成される光学系により、各波長に対応した複数のミラー821上に集束される(以下この光の経路を往路と言う)。
このとき集束された各波長の光は一定の波長帯域を有しており、その中心波長をλとすると、λよりわずかに波長の短い波長λ−Δλの光およびλよりわずかに長い波長λ+Δλの光も合分波器によって角分散を生じ、その波長に応じて波長λの光とは別の位置に集束される。
そして、複数のミラーエレメント822が合分波器によって角分散を生ずる方向(図28(b)におけるx軸方向)に並ぶように配置し、前記波長帯域内の各波長の光について、その光軸方向の距離が異なるように各ミラーエレメント822を制御することによって、前記波長帯域内の各波長での遅延時間を制御することができ、波長分散補償器としての機能が実現される。
本実施例によれば、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしての波長分散補償器が実現できる。
なお、本発明に係る合分波器を用いて構成されたDGEQの実施例において、分波された各波長に対応するミラーを図28に例示する構成のものとすることによって波長分散補償器としての利用が可能であることは明白である。
また、図27においては便宜上、分波された3波長の光についてその光路を示し、ミラー821もこれに対応する3個のみ示したが、分波する波長の数、ミラー821の数はこれに限るものでないことは明白である。
(第13実施例)図29は本発明に係る光機能デバイスの一実施例で、WDM通信におけるチャネル(波長)毎の光パワーレベルのモニタ装置(以下このような装置をオプティカルパフォーマンスモニタ、略してOPMという)である。
図29に示すOPMは、図26に示すDGEQのミラーアレイ13を光電変換手段としての光電変換素子50を複数備えた光電変換素子アレイ51に置き換え、光サーキュレータ30を除いた構成であり、この部分以外は図26に示す構成と同一ある。
図29において、合分波器20は、入力スラブ導波路4、この入力スラブ導波路4に光を入力する入力端としての入力導波路3、出力端を持つ出力スラブ導波路6、および入力スラブ導波路4から光が入力され、出力スラブ導波路6へ光が出力される、長さの異なる複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイ5から構成される。
さらに、合分波器20により角分散を生じた各波長の光がほぼ集束する位置の少なくとも一箇所に設けられる光電変換手段としての光電変換素子50を配置する。
入力導波路3から波長分割多重光を入力すると、入力光は合分波器20により角分散を生じて各波長に分波され、シリンドリカルレンズ803、前記角分散を生じた各波長の光を角分散方向に応じて異なる位置に集束させる光学手段としてのレンズ804、及び光路を変更する手段としてのミラー805、806で構成される光学系により、各波長に対応した複数の光電変換素子50上に集束され、波長毎の光パワーレベルをモニタでき、OPMとしての機能を果たす。
本実施例において光電変換素子アレイ51は、受光部のピッチが100μm、受光部の直径が50μmである。
本実施例によれば、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしてのOPMが実現できる。
さらに、第11実施例に示したDGEQの各構成要素のほとんどを共通に利用して作成できる。
なお、図29においては便宜上、分波された3波長の光についてその光路を示し、光電変換素子50もこれに対応する3個のみ示したが、分波する波長の数、光電変換素子50の数はこれに限るものでないことは明白である。
(第14実施例)図30は本発明に係る光機能デバイスの一実施例で、WDM通信における波長選択スイッチである。
図30において、本実施例の波長選択スイッチは、第1のポート(a)に入力した光を第2のポート(b)に出力し、前記第2のポート(b)に入力した光を第3のポート(c)に出力する光学手段としての光サーキュレータ30、31を備え、それぞれ合分波器20、21の入力端に接続されている。
そして、本実施例の合分波器20、21は、入力スラブ導波路4、この入力スラブ導波路4に光を入力する入力端としての入力導波路3、出力端を持つ出力スラブ導波路6、および入力スラブ導波路4から光が入力され、出力スラブ導波路6へ光が出力される、長さの異なる複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイ5から構成される。
図30において、光サーキュレータ30のINポートに波長分割多重光を入射すると、第1の合分波器20の入力導波路3に導かれ、入力スラブ導波路4を自由伝搬し、チャネル導波路アレイ5に到達して光結合するため、入力光のパワーはチャネル導波路アレイ5を構成する各チャネル導波路に分配される。
そして、チャネル導波路アレイ5を構成する各チャネル導波路中の光はその波長に対応した位相のずれを生じてその出力端から出力され、各波長に応じた角分散方向に平行光として出射する。
このようにしてチャネル導波路アレイ5により各波長に分波された光は、シリンドリカルレンズ803に導かれて、垂直方向に対して平行光となる。
このことは、光サーキュレータ31のADDポートに波長分割多重光を入射した場合も同様である。
そして、第1の合分波器20により角分散を生じた各波長の光と、第2合分波器21により角分散を生じた同一の波長の光とを、角分散方向に応じて異なる位置に集束させる光学手段としてのレンズ804をそれぞれ設ける。
さらに、このレンズ804およびミラー805、807を、第1の合分波器20により角分散を生じた波長の光と、第2の合分波器21により角分散を生じた同一波長の光とが集束する位置が一致するように配置する。
そして、前記角分散を生じた各波長の光がほぼ集束する位置の少なくとも一箇所に設けられる光反射手段として、複数のミラー801からなるミラーアレイ13を配置し、第1の合分波器により分波された各波長の光を入射させる。
ミラーアレイ13には、分波された各波長に対応したミラー801が配置されており、必要に応じて各ミラーの角度を調節し、第1の合分波器20からの光を第1の合分波器20へ戻すか、または第2の合分波器21へと反射させる。
すなわち、第1の合分波器20に入射させた波長分割多重光のうち、スイッチングを行わない波長の光については、その波長に対応する位置のミラーの反射角度を第1の合分波器20からの光が第1の合分波器20に戻るように調節する。
一方、スイッチングを行う波長の光については、その波長に対応する位置のミラーの反射角度を第1の合分波器20からの光が第2の合分波器21へ導かれるように調節する。このとき、第2の合分波器21からの同一波長の光はこのミラーで反射して第1の合分波器20へ導かれることとなる。
このようにして、光サーキュレータ30のINポートに入射した波長分割多重光のうち、所望の波長の光を抜き取って(Drop)光サーキュレータ31のDROPポートに導き、かつ、光サーキュレータ31のADDポートに入射した波長分割多重光のうち、前記抜き取った波長と同一波長の光を追加(Add)して、波長分割多重光として光サーキュレータ30のOUTポートから出力することができる光機能デバイスである波長選択スイッチの機能を果たす。
このように本実施例によれば、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしての波長選択スイッチが実現できる。
さらに、合分波器とシリンドリカルレンズ803、レンズ804及びミラー805、807で構成される光学系については、第10〜第13実施例と類似の構成を用いることができるため、この部分を波長選択スイッチ用に別途開発する必要がなく、共通部分の量産によるコスト削減の効果もある。
たとえば、本実施例に示す波長選択スイッチは、図26に示したDGEQを線対称に配置し、ミラー801のアレイ13とミラー806を共有するように構成したものである。
なお、図30においては便宜上、分波された3波長の光についてその光路を示し、ミラー801もこれに対応する3個のみ示したが、分波する波長の数、ミラー801の数はこれに限るものでないことは明白である。
(第15実施例)図31は本発明に係る光機能デバイスの一実施例で、WDM通信におけるOPMであり、図29に示したOPMと同様の機能を果たす。
図31の構成と図29の構成との相違点は、図29における空間光学系の構成要素の一部機能を出力スラブ導波路6の内部で実現していることである。
図31において、スラブ導波路内端面を平板状基板100の主平面に投影したとき、その端が描く線が直線であるスラブ導波路内端面603と604とは、出力スラブ導波路6のコアパターン内を自由伝搬する光を平板状基板100の主平面に平行な方向に反射するよう、およそ平板状基板100の主平面に垂直になるように形成されており、図29におけるミラー805の機能を果たす。
ここで、「スラブ導波路内端面を平板状基板の主平面に投影したときその端が描く線」とは、「平板状基板100の真上から見たときスラブ導波路内端面(例えば603)が描く線」のことである。
そして、平板状基板の主平面に投影したときその端が描く線が曲線であるスラブ導波路内端面605は、出力スラブ導波路6内に設けられ、合分波器20により角分散を生じた各波長の光を、角分散方向に応じて異なる位置に集束させる反射面であり、図29におけるレンズ804の機能を果たす。
また既に述べたように、出力スラブ導波路6は、相対的に屈折率が高いコアを相対的に屈折率が低いクラッドで挟み込んでいるので、光はコアの中に閉じ込められる。このことは図31の構成においては図29のシリンドリカルレンズ803の機能も実現されていることを示している。
そして、スラブ導波路内端面605を、平板状基板の主平面に投影したときその端が描く線が放物線となるように構成することにより、平行な光ビームを無収差で一点に集める、又はほぼ点光源とみなせる光源から出射された光ビームを無収差で平行光に変換する機能を実現することができる。
すなわち、チャネル導波路アレイ5から出力された光は、図3に示すように出力スラブ導波路6内を、各波長に応じて異なる方向に向かう平行光として伝搬する。この平行光を平板状基板の主平面に投影したときその端が描く線が放物線である端面605で反射させることにより集光させることができる。
そして、この各波長の光がほぼ集光する位置に対応して光電変換手段としての光電変換素子50が配置されるように、光電変換素子アレイ51を配置することにより、チャネル(波長)毎の光パワーレベルをモニタするOPMとして機能する。
なお、本実施例ではミラー806により光路を90度変えることにより、平板状基板100と光電変換素子アレイ51とを同一平面上に実装可能としている。
このように、本実施例においても、前記第14実施例と同様に、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしての波長選択スイッチが実現できる。
なお、このように出力スラブ導波路6にスラブ内導波路端面を持つ光学系をこれ以降スラブ光学系といい、図31のスラブ内導波路端面605に例示するような曲面によるスラブ内導波路端面を持つスラブ光学系を集束型スラブ光学系という。
ここで、入力導波路3、入力スラブ導波路4、チャネル導波路アレイ5を構成するコアと、集束型スラブ光学系としての出力スラブ導波路6を構成するコアとは、厚さ方向について同時に同じ材料で形成できるので自動的に位置合わせされる効果を奏する。
さらに、スラブ内導波路端面603、604及び605についても、半導体製造プロセスと同様にフォトマスクに形成したパターンを転写することで形成することができる。
例えば図29のシリンドリカルレンズ803、レンズ804及びミラー805で構成される空間光学系の実現には、これらの部品を精密に位置合わせし、固定することが求められるため、組立および調整に手間と時間がかかる。
これに対し、スラブ光学系を用いると、マスクパターンを設計するだけで同じ機能を有する光学系が実現でき、製造が容易になる効果を生ずる。
図32はスラブ光学系の例を示す図であり、図31の出力スラブ導波路6の部分と同一の構成である。
図32に示すように、出力スラブ導波路部分のみを別個に製造し、例えば図29に例示する合分波器部分を接着して光結合する方法を用いた場合でも、個別にシリンドリカルレンズ803、レンズ804やミラー805を用いて光学系を構成する場合に比べ、製造が容易になる効果を生ずる。
さらに、必要に応じてスラブ導波路端面で構成する反射面の数や形状、配置を変更可能なことは言うまでも無い。
図33はスラブ光学系の他の構成例で、スラブ導波路端面で構成する反射面をスラブ導波路端面603及び605の2個とし、且つこの反射面を平板状基板の端面または端面付近に配置する構成であり、反射面への高反射膜や低反射膜の形成等が容易になる効果を生ずる。
つぎに図31に示すOPMの具体的な構成を説明する。
図31における出力スラブ導波路6を構成するコアは波長合分波フィルタを構成するコアと同じ材料で同時に製造されるので、屈折率と厚さは波長合分波フィルタを構成するコアと同じであり、かつチャネル導波路アレイ用コアパターンと連続して形成されている。
スラブ導波路内端面603、604、605はクラッドでコアを埋め込んだ後、反応性イオンエッチングにより形成する。この製造工程にはフォトリソグラフィープロセスを用いるので、スラブ導波路内端面603、604、605の形状と相対的な位置はガラスマスクに形成したパターンにより決まる。
導波路のコアの厚さ、幅、長さ及びコアとクラッドの屈折率差は第1実施例の場合と同じである。
スラブ光学系の寸法は次ぎの通りである。チャネル導波路アレイ用コアパターンの出力開口からスラブ導波路内端面603までの距離は約45mm、チャネル導波路アレイ用コアパターンの出力開口からスラブ導波路内端面605までの光路に沿った距離は85mm、スラブ導波路内端面605の曲率半径は200mmである。
そして、スラブ導波路内端面605から集光位置701までの光路に沿った距離はおよそ100mmである。光電変換素子アレイ51は各光電変換素子50の受光部間のピッチが100μm、受光部の直径が50μmである。
なおスラブ光学系を伝搬した光が出力される部分には、平板状基板の主平面に垂直な方向に広がる光を集光位置701に集光させるためのシリンドリカルレンズを配置しても良い。
なお、図31においては便宜上、分波された3波長の光についてその光路を示し、光電変換素子50もこれに対応する3個のみ示したが、分波する波長の数、光電変換素子50の数はこれに限るものでないことは明白である。
(第16実施例)図34は本発明に係る光機能デバイスの一実施例で、WDM通信におけるOPMであり、図31に示したOPMと同様の機能を果たす。
図34の構成と図31の構成との相違点は、本実施例にかかる図34においては、図31における空間光学系の構成要素であるミラー806を設けず、角分散を生じた光が集光される位置701を集束型スラブ光学系の最終端面606に一致させ、その端面に光電変換素子アレイ51を貼り付ける構成にした点である。
本実施例においても、前記第15実施例と同様にフラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしてのOPMが実現できる。
さらに、本実施例によれば、前記第15実施例に比べ、さらに部品点数が低減されて部品コストが下がる、部品の位置合わせ必要箇所が減り光学系の構成が容易になる、部品の位置ずれが生じ難くなるため光学系の安定性が向上する、小型になる等の効果を生ずる。
なお、図34において、スラブ導波路内端面605の曲率半径は約180mmである。
また、図34においては便宜上、分波された3波長の光についてその光路を示し、光電変換素子50もこれに対応する3個のみ示したが、分波する波長の数、光電変換素子50の数はこれに限るものでないことは明白である。
(第17実施例)図35は本発明に係る光機能デバイスの一実施例で、WDM通信におけるDGEQであり、図26に示したDGEQと同様の機能を果たす。
そして、本実施例と前記第11実施例との関係は、前記第15実施例と前記第13実施例との関係と同様である。
すなわち、図35に示す本実施例の構成と図26に示す構成との相違点は、図26における空間光学系の構成要素の一部機能を出力スラブ導波路6内で実現していることである。
図35において、スラブ導波路内端面603と604とは、出力スラブ導波路6のコアパターン内を自由伝搬する光を平板状基板100の主平面に平行な方向に反射するよう、およそ平板状基板100の主平面に垂直になるよう形成されており、図26のミラー805の機能を果たす。
そして、平板状基板100の主平面に投影したときその端が描く線が曲線であるスラブ導波路内端面605は、出力スラブ導波路6内に設けられ、合分波器20により角分散を生じた各波長の光を、角分散方向に応じて異なる位置に集束させる反射面であり、図26におけるレンズ804の機能を果たす。
そして、前記第11実施例と同様に作用して、DGEQとしての機能を果たす。
本実施例においても、前記第14実施例と同様に、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしてのDGEQが実現できる。
さらに本実施例によれば、合分波器と集束型スラブ光学系が一体形成されているため、部品点数が低減され部品コストが下がる、部品の位置合わせ必要箇所が減り光学系の構成が容易になる、部品の位置ずれが生じ難くなるため光学系の安定性が向上する、小型になる等の効果を生ずる。
なお、図35においては便宜上、分波された3波長の光についてその光路を示し、ミラー801もこれに対応する3個のみ示したが、分波する波長の数、ミラー801の数はこれに限るものでないことは明白である。
(第18実施例)図36は本発明に係る光機能デバイスの一実施例で、WDM通信におけるDGEQであり、図35に示したDGEQと同様の機能を果たす。
図36に示す本実施例の構成と図35に示す構成との相違点は、図35における空間光学系を構成するミラー805の機能を出力スラブ導波路6内で実現していることであり、その他の構成要素は図35と同一である。
すなわち、図36において出力スラブ導波路6内に、平板状基板100の主平面に対して傾斜したスラブ導波路内端面607を形成してこの傾斜面で出力スラブ導波路内を伝搬する光を平板状基板100と垂直方向に導くことによって図35で必要であったミラー806を不要にしたものであり、図35に示した構成と同様にミラーアレイ13の主平面と平板状基板100の主平面を平行とすることにより実装を容易にできる。
そして、本実施例においても前記第11実施例と同様に作用して、DGEQとしての機能を果たすことは明らかである。
また、本実施例においても、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしてのDGEQが実現できる。
さらに本実施例によれば、合分波器と集束型スラブ光学系が一体形成されているため、部品点数が低減され部品コストが下がる、部品の位置合わせ必要箇所が減り光学系の構成が容易になる、部品の位置ずれが生じ難くなるため光学系の安定性が向上する、小型になる等の効果を生ずる。
なお、図36においては便宜上、分波された3波長の光についてその光路を示し、ミラー801もこれに対応する3個のみ示したが、分波する波長の数、ミラー801の数はこれに限るものでないことは明白である。
(第19実施例)図37は本発明に係る光機能デバイスの一実施例で、WDM通信における波長選択スイッチであり、図30に示した波長選択スイッチと同様の機能を果たす。
そして、本実施例と前記第14実施例との関係は、前記第15実施例と前記第13実施例との関係と同様である。
すなわち、図37に示す本実施例の構成と図30の構成との相違点は、図30における空間光学系の構成要素の一部機能を出力スラブ導波路6内で実現していることである。
図37において、スラブ導波路内端面603と604とは、出力スラブ導波路6のコアパターン内を自由伝搬する光を平板状基板100の主平面に平行な方向に反射するよう、およそ平板状基板100の主平面に垂直になるよう形成されており、図30のミラー805の機能を果たす。
そして、平板状基板100の主平面に投影したときその端が描く線が曲線であるスラブ導波路内端面605は、出力スラブ導波路6内に設けられ、合分波器20により各分散を生じた各波長の光を、角分散方向に応じて異なる位置に集束させる反射面であり、図30におけるレンズ804の機能を果たす。このことは合分波器21の出力スラブ導波路についても同様である。
そして、前記第15実施例と同様に作用して、波長選択スイッチとしての機能を果たす。
本実施例においても、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスとしての波長選択スイッチが実現できる。
さらに本実施例によれば、合分波器と集束型スラブ光学系が一体形成されているり光学系の構成が容易になる、部品の位置ずれが生じ難くなるため光学系の安定性が向上する、小型になる等の効果を生ずる。
また、本実施例を構成する導波路の一部、またはすべてを同一の平板状基板に同時に作製しても良い。
なお、図37においては便宜上、分波された3波長の光についてその光路を示し、ミラー801もこれに対応する3個のみ示したが、分波する波長の数、ミラー801の数はこれに限るものでないことは明白である。
(第20実施例)図38は本発明に係る光機能デバイスの一実施例で、WDM通信における波長選択スイッチ、DGEQ、OPMの複合デバイスであり、各機能を果たす、本発明に係る合分波器およびスラブ光学系を一体成形した構成となっている。
図38において、合分波器20、合分波器21、およびこれらのスラブ光学系、ミラーアレイ13およびミラーの制御等を行う付属回路401は、図37に示した構成とほぼ同様な波長選択スイッチを形成している。
ここで、スラブ光学系の出力端のスラブ導波路内端面607は、平板状基板100の主平面に対して傾斜しており、合分波器20により分波される各波長の光と、合分波器21により分波される各波長の光をそれぞれ平板状基板100の主平面と略平行な基板400上に実装されたミラーアレイ13の対応するミラーに導き、同一波長の光が同一ミラーに集光するよう配置されており、図37におけるミラー807の機能を果たす。
光サーキュレータ34のIN1ポートに入力した波長分割多重光のうち、所要の波長の光は多重されて光サーキュレータ35のDROPポートから出力され、その他の波長の光は、光サーキュレータ35のADDポートから入力された前記所要の波長と同一波長の光と合波されて光サーキュレータ34のOUT1ポートから出力され、波長選択スイッチの機能を果たす。
光サーキュレータ35のOUT1ポートから出力された波長分割多重光は、光サーキュレータ36のIN2ポートに入力される。
合分波器23、合分波器23のスラブ光学系、光電変換素子アレイ51、および各光電変換素子からの電気信号の処理、光電変換素子の制御等を行う付属回路402は、図31に示した構成とほぼ同様なOPMを形成している。
光サーキュレータ36のIN2ポートに入力された波長分割多重光は、その一部がモニタ用として合分波器23に導かれて角分散を生じて分波され、光電変換素子アレイ51の各波長に対応した光電変換素子に集光され、その強度がモニタされ、OPMの機能が実現される。
合分波器24、合分波器24のスラブ光学系、ミラーアレイ14、およびミラーアレイ14の制御等を行う付属回路403は、図31に示した構成とほぼ同様なDGEQを形成している。
ここで、合分波器24のスラブ光学系の出力端のスラブ導波路内端面608は、平板状基板100の主平面に対して傾斜しており、合分波器24により分波される各波長の光をそれぞれ平板状基板100の主平面と略平行な基板300上に実装されたミラーアレイ14の対応するミラーに導くよう配置されており、図31におけるミラー806の機能を果たす。
前記光サーキュレータ36のIN2ポートに入力された波長分割多重光のうち、前記モニタ用として分波された光以外の光は合分波器24に導かれて角分散を生じて各波長に分波され、ミラーアレイ14の対応するミラーに集光し、所要の減衰を生じて光サーキュレータ36のOUT2ポートから波長分割多重光として出力され、DGEQとしての機能が実現できる。
以上のように本実施例にかかる光機能デバイスを用いると、たとえばある端局から伝送されてきた波長分割多重光について、所定の波長について追加、抜き取りを行い、その結果としての波長分割多重光を波長毎にモニタし、各波長を所定の光レベルに調整することができる。
本実施例においても、フラットトップで且つ低損失な透過特性が得られ、また、小型であり、組立部分が少ないため組立の手間がかからず且つ低損失な光機能デバイスが実現できる。
さらに、本実施例によれば、光導波路で構成された部分とミラーや光電変換素子の位置合わせを一括して行え、位置合わせの手間が低減される効果が生ずる。更に光ファイバの接続も一括しておこなうことができ、ファイバ接続の手間が低減される効果がある。
なお、図38においては便宜上、分波された3波長の光についてその光路を示し、ミラーアレイ13を構成するミラー、光電変換素子アレイ51を構成する光電変換素子、ミラーアレイ14を構成するミラーのそれぞれも3波長に対応する3個のみ示したが、分波する波長の数、ミラー、光電変換素子の数はこれに限るものでないことは明白である。
また、本実施例では波長選択スイッチ、OPM、DGEQの機能をこの順に一つずつ実現するように構成したものであるが、これら機能の組合せ、実現する数やその順序は必要に応じて選択可能である。
(第21実施例)図39は本発明に係る光機能デバイスを用いたWDM伝送システムに適用した一実施例で、A地点(pointA)からの波長分割多重光の各チャネル(波長)をC地点(pointC)とD地点(pointD)とに向けて振り分ける機能を有するB地点(pointB)の構成を示している。
またこのB地点の構成において、C、D各地点に向けた波長分割多重光について、特定のチャネルを追加し(Add)、抜き取る(Drop)機能、波長分割多重光を構成する各チャネルの光強度をモニタするOPM機能、および各チャネルの光の減衰量を調節するDGEQ機能を有する。
図39において、A地点からの波長分割多重光は波長選択スイッチ61のIN1ポートに入力され、特定のチャネルの光をOUT1ポートから出力してC地点向けに振り分け、他のチャネルの光をDROP1ポートから出力してD地点向けに振り分ける。
このとき、ADD1ポートに波長分割多重光を入力し、D地点向けに振り分けたチャネルと同一のチャネル(波長)の光を、OUT1ポートから出力される波長分割多重光に追加してC地点向けに伝送することができる。
このC地点向けの波長分割多重光は、DGEQ63を経由してC地点に向かい、その一部はOPM65に入力する。OPM65により波長分割多重光を構成する各チャネルの光の強度を測定し、DGEQ63により、必要に応じて特定チャネルの光の強度を調節することができる。
例えば、C地点向けの波長分割多重光の各チャネルは、A地点を送信元とするチャネルとB地点を送信元とする追加されたチャネルから構成されており、この送信元の相違、伝送経路の相違等により、光の強度が著しく異なる場合が考えられるが、本実施例によれば、各チャネルの光の強度をモニタし、調整することができ、各チャネルの光の強度を略同一にしてからC地点向けに伝送することができる。
また、波長選択スイッチ61のDROP1ポートから出力されたD地点向けの波長分割多重光は、波長選択スイッチ62のIN2ポートに入力され、特定のチャネルの光をDROP2ポートから出力でき、B地点での利用、例えば電気信号に変換したり、他地点に転送したりできる。
そして、前記DROP2ポートから出力したチャネル以外のチャネルの光はOUT2ポートからD地点に向けて出力されるが、このときADD2ポートに波長分割多重光を入力し、DROP2ポートから出力されたチャネルと同一のチャネルの光を、OUT2ポートから出力される波長分割多重光に追加してD地点向けに伝送することができる。
なお、DGEQ64、OPM66は前記DGEQ63、OPM65と同様の作用、効果をD地点向けの波長分割多重光に対してもたらすことができる。
本実施例における波長選択スイッチ、DGEQ、OPMは、上述した各実施例に示す光機能デバイスが適用可能であり、それぞれ例えば図30、図26、図29に示す構成としても良いし、また、図38に示す構成としても良い。
本実施例を用いることにより、光のままで複数の経路に任意のチャンネル(波長)の光を分配することができるようになり、一旦電気信号に変換する場合に比べシステムのコストが低減される効果を生ずる。
以上、本明細書で開示した主な発明について以下にまとめる。
(付記1) 入力端を有するスラブ導波路と、
前記スラブ導波路から光が入力される、長さの異なる複数のチャネル導波路とを有することを特徴とする光機能デバイス。
(付記2) 入力端を有する第1のスラブ導波路と、
出力端を有する第2のスラブ導波路と、
前記第1のスラブ導波路から光が入力され、前記第2のスラブ導波路へ光が出力される、長さの異なる複数のチャネル導波路とを有することを特徴とする光機能デバイス。
(付記3) 前記複数のチャネル導波路は、波長分割多重光を前記入力端から入力したときに、前記波長分割多重光を構成する各波長に応じて角分散を生ずるように、それぞれの光路長の差が設定されていることを特徴とする付記1または2記載の光機能デバイス。
(付記4) 前記複数のチャネル導波路の出力端が直線状に並ぶように配置されていることを特徴とする付記1記載の光機能デバイス。
(付記5) 前記第2のスラブ導波路と前記複数のチャネル導波路との境界が直線状に形成されていることを特徴とする付記2記載の光機能デバイス。
(付記6) 前記角分散を生じた各波長の光を、角分散方向に応じて異なる位置に集束させる光学手段と、
前記角分散を生じた各波長の光がほぼ集束する位置の少なくとも一箇所に、光反射手段を有することを特徴とする付記1または3に記載の光機能デバイス。(請求項6)
(付記7) 前記角分散を生じた各波長の光を、角分散方向に応じて異なる位置に集束させる光学手段と、
前記角分散を生じた各波長の光がほぼ集束する位置の少なくとも一箇所に、その反射光の方向を変えることのできる光反射手段を有することを特徴とする付記1または3に記載の光機能デバイス。
(付記8) 前記角分散を生じた各波長の光を、角分散方向に応じて異なる位置に集束させる光学手段と、
前記角分散を生じた各波長の光がほぼ集束する位置の少なくとも一箇所に、反射面の法線方向の位置が異なる光反射手段を設けたことを特徴とする付記1または3に記載の光機能デバイス。
(付記9) 前記角分散を生じた各波長の光を、角分散方向に応じて異なる位置に集束させる光学手段と、
前記角分散を生じた各波長の光がほぼ集束する位置の少なくとも一箇所に、光電変換手段を設けたことを特徴とする付記1または3に記載の光機能デバイス。
(付記10) 入力端を有するスラブ導波路と、
前記スラブ導波路から光が入力される、長さの異なる複数のチャネル導波路とを有する第1の光機能デバイスおよび第2の光機能デバイスと、
前記第1の光機能デバイスにより角分散を生じた各波長の光を、角分散方向に応じて異なる位置に集束させる光学手段と、
前記第2の光機能デバイスにより角分散を生じた各波長の光を、角分散方向に応じて異なる位置に集束させる光学手段とを有し、
前記第1の光機能デバイスにより角分散を生じた或る波長の光が集束する位置と、前記第2の光機能デバイスにより角分散を生じた同一の波長の光が集束する位置が一致するように前記各光機能デバイスと前記光学手段を配置し、
前記各波長の光がほぼ集束する位置の少なくとも一箇所に、光反射手段を有することを特徴とする光機能デバイス。
(付記11) 入力端を有する第1のスラブ導波路と、
出力端を有する第2のスラブ導波路と、
前記第1のスラブ導波路から光が入力され、前記第2のスラブ導波路へ光が出力される、長さの異なる複数のチャネル導波路とを有する第1の光機能デバイスおよび第2の光機能デバイスと、
前記第1の光機能デバイスにより角分散を生じた各波長の光を、角分散方向に応じて異なる位置に集束させる光学手段と、
前記第2の光機能デバイスにより角分散を生じた各波長の光を、角分散方向に応じて異なる位置に集束させる光学手段とを有し、
前記第1の光機能デバイスにより角分散を生じた或る波長の光が集束する位置と、前記第2の光機能デバイスにより角分散を生じた同一の波長の光が集束する位置が一致するように前記各光機能デバイスと前記光学手段を配置し、
前記各波長の光がほぼ集束する位置の少なくとも一箇所に、光反射手段を有することを特徴とする光機能デバイス。
(付記12) 前記第1の光機能デバイスと前記第2の光機能デバイスを構成するそれぞれの導波路部分を同一の基板上に形成したことを特徴とする付記10または11に記載の光機能デバイス。
(付記13) 前記複数のチャネル導波路は、波長分割多重光を前記入力端から入力したときに、前記波長分割多重光を構成する各波長に応じて角分散を生ずるように、それぞれの光路長の差が設定され、
前記第2のスラブ導波路内に、前記角分散を生じた各波長の光を、角分散方向に応じて異なる位置に集束させる反射面を設けたことを特徴とする付記2記載の光機能デバイス。
(付記14) 前記角分散を生じた各波長の光がほぼ集束する位置の少なくとも一箇所に、光反射手段を設けたことを特徴とする付記13記載の光機能デバイス。
(付記15) 前記角分散を生じた各波長の光がほぼ集束する位置の少なくとも一箇所に、反射面の法線方向の位置が異なる光反射手段を設けたことを特徴とする付記13記載の光機能デバイス。
(付記16) 前記角分散を生じた各波長の光がほぼ集束する位置の少なくとも一箇所に、光電変換手段を設けたことを特徴とする付記13記載の光機能デバイス。
(付記17) 入力端を有する第1のスラブ導波路と、
出力端を有する第2のスラブ導波路と、
前記第1のスラブ導波路から光が入力され、前記第2のスラブ導波路へ光が出力される、長さの異なる複数のチャネル導波路とを有し、
前記複数のチャネル導波路は、波長分割多重光を前記入力端から入力したときに、前記波長分割多重光を構成する各波長に応じて角分散を生ずるように、それぞれの光路長の差が設定された第1の光機能デバイスおよび第2の光機能デバイスと、
前記第2のスラブ導波路内に、前記角分散を生じた各波長の光を、角分散方向に応じて異なる位置に集束させる反射面を設け、
前記第1の光機能デバイスにより角分散を生じた或る波長の光が集束する位置と、前記第2の光機能デバイスにより角分散を生じた同一の波長の光が集束する位置が一致するように前記各光機能デバイスを配置し、
前記各波長の光がほぼ集束する位置の少なくとも一箇所に、光反射手段を有することを特徴とする光機能デバイス。
(付記18) 前記第1の光機能デバイスを構成する導波路と前記第2の光機能デバイスを構成する導波路とを同一の基板上に形成したことを特徴とする付記17記載の光機能デバイス。
(付記19) 付記1から17に記載の光機能デバイスのうち、いずれか2つ以上から成る光機能デバイス群において、
各光機能デバイスを構成する導波路を同一の基板上に形成したことを特徴とする光機能デバイス群。
(付記20) 第1のポートに入力した光を第2のポートに出力し、前記第2のポートに入力した光を第3のポートに出力する光学手段を備え、
前記第2のポートが前記入力端に接続されていることを特徴とする付記1から18のいずれかに記載の光機能デバイス。
(付記21) 入力導波路と、スラブ導波路と、長さの異なる複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイとを含む第1の光合分波デバイスおよび第2の光合分波デバイスと、
前記第1および第2の光合分波デバイスにより分光された光を集光させる光学手段と、
前記分光された光の集光位置に配置され、その反射角度が可変である光反射手段とから構成され、
前記光反射手段の反射角度に応じて、前記第1の光合分波デバイスから放射された少なくとも1つの波長の光が、前記第2の光合分波デバイスに入射する光路と前記第1の光合分波デバイスに戻る光路とを選択できるように構成することを特徴とする光機能デバイス。
(付記22) 入力導波路と、スラブ導波路と、長さの異なる複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイとを含む光合分波デバイスと、
前記光合分波デバイスにより分光された光を集光させる光学手段と、
前記分光された光の集光位置に配置され、その反射角度が可変である光反射手段とを有することを特徴とする光機能デバイス。
(付記23) 入力導波路と、スラブ導波路と、長さの異なる複数のチャネル導波路からなるチャネル導波路アレイとを含む光合分波デバイスと、
前記光合分波デバイスにより分光された光を集光させる光学手段と、
前記分光された光の集光位置に配置され、反射位置を入射光の進行方向に移動できる光反射手段とから構成され、
前記光反射手段の反射位置を入射光の波長帯域内で変化させることにより、前記光合分波デバイスに戻る光の光路長を前記入射光の波長帯域内で調整できるように構成することを特徴とする光機能デバイス。
(付記24) 付記21乃至付記23のいずれかに記載の光機能デバイスであって、
前記光合分波デバイスと前記光反射手段との間に光路を90度変換する光軸変換手段を設け、
前記光合分波デバイスと前記光反射手段のそれぞれを搭載する基板主面が平行であることを特徴とする光機能デバイス。
(付記25) 波長分割多重光を構成する各波長の光を2以上の波長グループに分割し、前記各波長グループの波長分割多重光を多重する光合分波手段と、
前記光合分波手段の各分波側ポートに付記21乃至付記24に記載の光機能デバイスを接続することを特徴とする光機能デバイス。
(付記26) 主平面を有する平板状基板と、前記平板状基板の主平面上に形成されたクラッドと、クラッドより屈折率が高く且つクラッドで周囲を取り囲まれたコアと、前記平板状基板に垂直な面によりクラッドとコアの断面が露出された導波路端面よりなる平面型光導波路を含み、
前記光導波路が、前記コアの一方の端が前記導波路端面に達している入力導波路用コアパターンと、一方を入力開口、他方を出力開口とする複数の独立したコアパターンより成り、且つ隣り合うコアパターンの入力開口から出力開口までの光路長差が一定になるように構成されたチャネル導波路アレイ用コアパターンと、
前記入力導波路用コアパターンと前記チャネル導波路アレイ用コアパターンの入力開口に繋がって形成された入力スラブ用コアパターンとを含み、
前記チャネル導波路アレイ用コアパターンの入力開口が半径Rの第一の円の円弧上に配列され、前記入力導波路用コアパターンが前記第一の円のローランド円上に形成され、前記チャネル導波路アレイ用コアパターンの出力開口が一定の間隔で一直線上に配列され、
前記光導波路端面の前記入力導波路用コアパターンに入射した光が前記入力導波路用コアパターンを通過して入力スラブ用コアパターンに達した後、前記入力スラブ用コアパターン内で平板状基板の主平面方向に自由伝搬して複数の前記チャネル導波路アレイ用コアパターンに光結合し、
前記チャネル導波路アレイ用コアパターンを通過後、前記チャネル導波路アレイ用コアパターンの出力開口から前記平板状基板の主平面方向であって、且つ波長に対応した方向にほぼ平行光となって回折されるように、前記入力導波路用コアパターン、前記入力スラブ用コアパターン、前記チャネル導波路アレイ用コアパターンが配置されていることを特長とする光機能デバイス。
(付記27) 前記チャネル導波路アレイ用コアパターンの出力開口に繋がって形成された出力スラブ用コアパターンを設けたことを特徴とする付記26記載の光機能デバイス。
(付記28) 前記出力スラブ用コアパターン内に、平板状基板の主平面方向に伝搬する光を反射させるための導波路端面であるスラブ内導波路端面を有することを特徴とする付記27記載の光機能デバイス。
(付記29) 前記スラブ内導波路端面は、前記チャネル導波路アレイ用コアパターンの出力開口から角分散を生じて平行光として出力された光を前記平板状基板の主平面に平行な方向にほぼ集束させることを特長とする付記28に記載の光機能デバイス。
(付記30) 前記スラブ内導波路端面を平板状基板の主平面に投影したとき、その端が描く線が曲線であるスラブ内導波路端面を含んでいることを特長とする付記28記載の光機能デバイス。
(付記31) 前記スラブ内導波路端面を平板状基板の主平面に投影したとき、その端が描く曲線が円弧であることを特長とする付記28記載の光機能デバイス。
(付記32) 前記スラブ内導波路端面を平板状基板の主平面に投影したとき、その端が描く曲線が放物線であることを特長とする付記28記載の光機能デバイス。
(付記33) 前記スラブ内導波路端面を平板状基板の主平面に投影したときその端が描く線が直線であるスラブ内導波路端面と、前記スラブ内導波路端面を平板状基板の主平面に投影したときその端が描く線が曲線であるスラブ内導波路端面を設け、
前記チャネル導波路アレイ用コアパターンの出力開口から角分散を生じて平行光として出力された光を前記平板状基板の主平面に平行な方向にほぼ集束させるように配置することを特長とする付記28に記載の光機能デバイス。
(付記34) 前記出力スラブ用コアパターン内に、平板状基板の主平面に対し傾斜した傾斜導波路端面を設け、
前記傾斜導波路端面で光を反射し導波路外に光を出射させることを特徴とする付記26記載の光機能デバイス。
(付記35) 前記光がほぼ集束される位置に、入射光と反射面の相対角度を変化させることのできる光反射手段を設けたことを特徴とする付記29に記載の光機能デバイス。
(付記36) 前記光がほぼ集束される位置に、入射光と垂直で且つ反射面の位置を入射光の進行方向に変化させることのできる光反射手段を前記各波長に対応して設けたことを特徴とする付記29に記載の光機能デバイス。
(付記37) 前記光がほぼ集束される位置に、入射光と光結合するように光電変換手段を前記各波長に対応して設けたことを特徴とする付記29に記載の光機能デバイス。
(付記38) 主平面を有する平板状基板と、前記平板状基板の主平面上に形成されたクラッドと、クラッドより屈折率が高く且つクラッドで周囲を取り囲まれたコアと、前記平板状基板に垂直な面によりクラッドとコアの断面が露出された導波路端面よりなる平面型光導波路を含み、
前記光導波路が、前記コアの一方の端が前記導波路端面に達している入力導波路用コアパターンと、一方を入力開口、他方を出力開口とする複数の独立したコアパターンより成り、且つ隣り合うコアパターンの入力開口から出力開口までの光路長差が一定になるように構成されたチャネル導波路アレイ用コアパターンと、
前記入力導波路用コアパターンと前記チャネル導波路アレイ用コアパターンの入力開口に繋がって形成された入力スラブ用コアパターンとを含み、
前記チャネル導波路アレイ用コアパターンの入力開口が半径Rの第一の円の円弧上に配列され、前記入力導波路用コアパターンが前記第一の円のローランド円上に形成され、前記チャネル導波路アレイ用コアパターンの出力開口が一定の間隔で一直線上に配列され、
前記チャネル導波路アレイ用コアパターンの出力開口に繋がって形成された出力スラブ用コアパターンを有し、
前記出力スラブ用コアパターン内に、平板状基板の主平面方向に伝搬する光を反射させ、前記チャネル導波路アレイ用コアパターンの出力開口から角分散を生じて平行光として出力された光を前記平板状基板の主平面に平行な方向にほぼ集束させるるための導波路端面であるスラブ内導波路端面を有する第1の光機能デバイスと第2の光機能デバイスを備え、
前記各光機能デバイスを、前記ほぼ光が集束される位置が共通になるように配置し、前記ほぼ光が集束される位置に、入射光と反射面の相対角度を変化させることができる光反射手段を設けたことを特徴とする光機能デバイス。
(付記39) 付記28に記載の光機能デバイスを複数個、同一の平板状基板上に一体形成したことを特徴とする光機能デバイス。
(付記40) 前記平面型光導波路の外部に出力された光の伝搬経路上に、チャネル導波路アレイ用コアパターンの出力開口にその焦点が位置するように凸レンズを設け、
前記凸レンズの、前記平面型光導波路とは反対側の焦点位置に、光反射手段を設けたことを特徴とする付記26または付記27に記載の光機能デバイス。
(付記41) 前記平面型光導波路の外部に出力された光の伝搬経路上に、チャネル導波路アレイ用コアパターンの出力開口にその焦点が位置するように凸レンズを設け、
前記凸レンズの、前記平面型光導波路とは反対側の焦点位置に、入射光と垂直で且つ反射面の位置を入射光の進行方向に変化させることのできる光反射手段を設けたことを特徴とする付記26または付記27に記載の光機能デバイス。
(付記42) 前記平面型光導波路の外部に出力された光の伝搬経路上に、前記チャネルアレイ導波路用コアパターンの出力開口にその焦点が位置するように凸レンズを設け、
前記凸レンズの、前記平面型光導波路とは反対側の焦点位置に、入射光と光結合するように光電変換手段を設けたことを特徴とする付記26または付記27に記載の光機能デバイス。
(付記43) 付記27に記載の光機能デバイスを複数設け、
各光機能デバイスの前記平面型光導波路の外部に出力された光の伝搬経路上に、チャネル導波路アレイ用コアパターンの出力開口にその焦点が位置するように凸レンズを設け、
前記凸レンズの、前記平面型光導波路とは反対側の焦点位置が、前記各光機能デバイスの外部に出力された同一の波長の光が同一の焦点位置となるように、前記各光機能デバイスと前記凸レンズを配置し、
前記凸レンズの、前記平面型光導波路とは反対側の焦点位置に、入射光と反射面の相対角度を変化させることのできる光反射手段を設けたことを特徴とする光機能デバイス。
(付記44) 付記21〜43に記載の光機能デバイスのうち、いずれかを少なくとも1個含むことを特長とする光通信装置。