JP2001337120A - ジッター測定装置 - Google Patents

ジッター測定装置

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JP2001337120A
JP2001337120A JP2000161167A JP2000161167A JP2001337120A JP 2001337120 A JP2001337120 A JP 2001337120A JP 2000161167 A JP2000161167 A JP 2000161167A JP 2000161167 A JP2000161167 A JP 2000161167A JP 2001337120 A JP2001337120 A JP 2001337120A
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Yoshio Hayashi
美志夫 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定周波数帯域が広く、測定分解能が高く、
構成はシンプルで安価であり、リアルタイムに観測する
ことができるジッター測定装置。 【解決手段】 ジッターを含んだ繰り返し基本波の被
測定信号を入力する入力端子と、入力端子から入力す
る繰り返し基本波の被測定信号系とジッターを測定する
測定系とを分離するためのバッファアンプと、被測定
信号の基本波とその基本波の全ての高調波を除去する低
域通過フィルタと、低域通過フィルタを通過してきた
AM変調波の原因波及び原因波と基本波を元にした各種
差値波を増幅し観測できる振幅にする増幅器とから成
り、増幅器からのAM変調波の原因波及び原因波と基
本波を元にした各種差値波をオシロスコープもしくはス
ペクトラムアナライザで観測するジッター測定装置であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ロジック信号に
おけるジッター波形のリアルタイム観測及び定性的に定
量的に測定できるジッター測定装置に関する。ここで、
ジッター(jitter)とは信号の時間的ふらつきを言う。
信号の振幅や位相の迅速でしかも断続的な変化により信
号の時間的ふらつきが生じる。特にオシロスコープ上で
観測される信号波形の左右の振れをいう。
【0002】
【従来の技術】先ず、ジッターについて若干説明する。
ロジック信号におけるジッターの原因は、大別してク
ロック源のゆらぎ、電源やGND(グランド)レベル
の変動、各種ノイズによる影響の3つとされている。
ここでは、のクロック源のゆらぎは無視できるほど小
さいとして、電源やGNDレベルの変動と、各種ノ
イズによる影響による原因について説明する。
【0003】の電源やGNDレベルの変動によるジッ
ターは、電源やGNDレベルが変動するとロジック信号
が振幅方向に変化することによって発生する。つまり、
AM変調(振幅変調)を受ける。また、ロジック信号の
立上り/立下り時間は電源電圧の関数なので、電圧が高
くなると速くなり、電圧が低くなると遅くなる。つま
り、電源やGNDレベルの変動により、ロジック素子に
加わる電源電圧が変化して、時間軸上のゆらぎであるジ
ッターが発生する。このとき、変動の元となった変動波
すなわちAM変調波も存在する。
【0004】の各種ノイズには、熱雑音、静電結合ノ
イズ(クロストーク)、電磁結合ノイズ(ラジエーショ
ン)がある。これらのノイズは何れもロジック素子特有
のトリガ誤差として、ジッターの原因になる。
【0005】次に、トリガ誤差について説明する。トリ
ガ誤差はロジック素子が信号を伝達する際、特定のスレ
ッショルド電圧を入力信号が通過する時点を契機として
いることにより起きる誤差であって、出力信号には時間
軸上のゆらぎを発生する。図9及び図10を用いて、コ
ンパレータなどの整形回路にノイズEN [V]を含んだ
正弦波信号が入力された場合のトリガ誤差の発生メカニ
ズムを説明する。ここでのトリガレベル電圧とは、ロジ
ックゲート等におけるスレッショルド電圧と同じと考え
る。Es [V]は信号の0−ピーク値を表わし、T
[S]は信号周期である。
【0006】図9は、入力信号 Vs=Es sinωt に
ノイズが重畳している波形である。その0Vレベルとト
リガレベル電圧とが一致している状態とする。このと
き、トリガレベル付近の信号傾斜は、図10に示すよう
に、 となる。一方トリガ誤差を、±ΔT とすると、これが
最大となるのは、図10に示すように、ノイズのピーク
点でトリガされたときである。ここで、●点はこの系の
トリガ点であり、×点はノイズによりトリガした点であ
る。このときは図10から明らかなように、 EN /ΔT=2πEs /T が成り立つ。よって、 ΔT= (1/2π)・(EN /Es )・T となり、トリガ誤差ΔTがS/N比と周期の関数として
表される。
【0007】ここで、2πEs /T はスレッショルド
(トリガレベル)付近の信号傾斜、つまり、スルーレー
ト[V/S]を示すから、 のように表現できる。この式から、トリガ誤差に帰因す
るジッターは、ノイズ電圧EN が一定であれば、ロジッ
ク素子の立上り/立下り時間が小さいほど、つまりスル
ーレートが大きいほど小さくなることが理解できる。
【0008】ロジック信号にノイズが含まれるというこ
とは、信号とノイズが重畳していること、つまり電圧軸
で加算されていることになり、別言すると、変調波であ
るノイズによってロジック信号が振幅変調(AM変調)
を受けていると言える。ここで注意すべき点は、中波ラ
ジオ放送等に使われているAM変調波は、 (変調周波数)《(キャリア周波数) であるが、ノイズによるAM変調では変調周波数と信号
周波数の大小関係は特定の関係が無く、未定である。つ
まり、大きかったり、等しかったり、小さかったりす
る。ただここで重要なことは、ジッターの原因となるノ
イズがAM変調波として信号波と共存しているという事
実である。従って、信号波のみを効率良く除去すれば、
ジッターの原因となっているノイズを直接観測できるこ
とになる。
【0009】ジッターの測定装置の従来技術としては、
本出願人が先に出願した特開平5−107287(特願
平3−270726)「ジッタ解析装置」がある。図1
1に先願発明の図面を示す。詳細は公開特許公報に記載
されているので省略し、概要を説明する。目的はパルス
幅ジッターの周波数解析と、パルス幅の測定を比較的簡
単に行う構成である。解決手段は、入力端子61からの
入力パルスの一方のエッジの周期Pkを連続周期測定回
路64で測定し、入力パルスの一方のエッジから他方の
エッジまでの時間間隔(パルス幅)Wkを時間間隔測定
回路65で測定し、順次得られた周期データP1,P2,P
3 …、パルス幅W1,W2,W3,W4 …とから、測定開始時
刻0にW1 が、時刻t1 =P1 にW2 が、時刻t2 =P
1 +P2 にW3 が、時刻t3 =P1 +P2 +P3 にW4
が…それぞれ得られたとして、これらWk の時間変化状
況から、等時間間隔で得られたと見なせるパルス幅Ws
1、Ws2、Ws3…を直線補間法により算出し、そのデー
タWs1、Ws2、Ws3…をFFT変換してパルス幅ジッタ
ーの周波数成分を得るようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】先願発明も、ロジック
回路のパルス幅ジッターとパルス幅の測定を以前の技術
と比較して比較的簡単なハードの構成でもって解析で
き、測定周波数帯域は5MHz程度ではあるが、例えば
回転体の回転ムラ解析などで有効であった。しかしなが
ら、この分野の技術的要求は厳しくなっている。ロジッ
ク回路上のジッターは、招かざる客であり、通常は所定
値まで除去することが命題である。その際に、ジッター
の素性の正確な把握が必要であり、そのためにはジッタ
ー波形の正確な観測手段、できればリアルタイムでの観
測手段が望まれている。
【0011】この発明の目的は、より測定周波数帯域を
広くし、分解能を高くし、構成を簡素化し、コスト低減
を求め、リアルタイム観測ができるジッター測定装置を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明はロジック素子で発生するジッターの源は
AM変調であり、AM変調波としての原因波fjが存在す
ることに注目し、この原因波fjと、被測定信号の基本波
foと原因波fjとを元にした各種差値波をリアルタイムに
高精度に観測するものである。発明の構成について述べ
る。
【0013】第1発明は基本的な発明である。つまり、
ジッターを含んだ繰り返し基本波周波数(fo)の被測
定信号を入力する入力端子と、入力端子から入力する
繰り返し基本波の被測定信号系とジッターを測定する測
定系とを分離するためのバッファアンプと、被測定信
号の基本波(fo)とその基本波周波数(fo)の全ての高
調波を除去する低域通過フィルタと、低域通過フィル
タを通過してきたAM変調波の原因波(fj)及び原因波
(fj)と基本波(fo)を元にした各種差値波を増幅し観
測できる振幅にする増幅器とから成り、増幅器からの
AM変調波の原因波(fj)及び原因波(fj)と基本波
(fo)を元にした各種差値波を、オシロスコープもしく
はスペクトラムアナライザで観測するジッター測定装置
である。
【0014】第2発明は、第1発明の低域通過フィルタ
の適切な遮断周波数(fc)値を明記したものである。つ
まり、第1発明において、低域通過フィルタの遮断周波
数(fc)の値は、下限が繰り返し周波数の1/2(fo/
2)であり、上限が繰り返し周波数(fo)の範囲であっ
て、所定の遮断周波数(fc)としたジッター測定装置で
ある。第3発明は、 第1発明の低域通過フィルタに換
えてノッチフィルタを用いたものである。つまり、第1
発明において、低域通過フィルタに換え、繰り返し基本
波周波数(fo)の基本周波数(fo)、2次高調波(2f
o)、3次高調波(3fo)、4次高調波(4fo)及び5
次高調波(5fo)のそれぞれのバンドストップフィルタ
であるノッチフィルタを並列に接続したジッター測定装
置である。
【0015】第4発明は、複数種類のロジック電圧に対
応させるために、汎用性を持たした発明である。そこ
で、入力部に所定のトリガレベル電圧で動作するコンパ
レータを用い、低域通過フィルターに遮断周波数可変の
低域通過フィルターを用いる。つまり、ジッターを含
んだ繰り返し基本波周波数(fo)の被測定信号を入力す
る入力端子と、入力端子からの繰り返し基本波をトリ
ガレベル電圧で電圧比較するコンパレータと、コンパ
レータの出力信号をフリップフロップで1/2分周した
後にワンショット回路を通しその出力を平均化回路で平
均化し遮断周波数可変の低域通過フィルタに帰還して遮
断周波数(fc)を可変し、一方、コンパレータの出力信
号をゲート回路を通して上記遮断周波数可変の低域通過
フィルタに与えてその出力信号を増幅器に出力する遮断
周波数可変の低域通過フィルタと、遮断周波数可変の
低域通過フィルタの出力信号を観測できる振幅に増幅す
る増幅器とから成り、増幅器からのAM変調波の原因
波(fj)及び原因波(fj)と基本波(fo)を元にした各
種差値波を、オシロスコープもしくはスペクトラムアナ
ライザで観測するジッター測定装置である。
【0016】第5発明は、第4発明を具体化した発明で
ある。つまり、第4発明において、コンパレータの出力
信号を差動出力のゲート回路を通してそれぞれの信号を
2つの遮断周波数可変の低域通過フィルタに与えてその
出力信号を差動増幅器に出力する2つの遮断周波数可変
の低域通過フィルタと、上記2つの遮断周波数可変の低
域通過フィルタの出力信号を観測できる振幅に増幅する
差動アンプとを有するジッター測定装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基づ
き図面を参照して説明する。図1に本発明の一実施例の
基本的な構成図を、図2に本発明の具体的な回路構成図
の一例を、図3に本発明の他の実施例の構成図を、図4
にT型低域通過フィルタ31の周波数特性図の例を、図
5に本発明品の実験に供したジッター発生回路の構成図
を、図6に本発明品の実験結果の周波数特性図とジッタ
ー値の傾向図を、図7に入力端子と出力端子でのスペク
トラムの図を、図8にAM変調波の原因波fjのスペクト
ラムの図を示す。
【0018】先ず、図1から説明する。入力端子11に
入力される被測定信号はジッターを含んだ繰り返し基本
波周波数foである。波形の形は、正弦波や矩形波や三角
波など何れでも良い。ジッター測定回路10の入力端子
11に入力された被測定信号は、バッファアンプ20に
伝送される。バッファアンプ20は、被測定信号系と測
定系を分離するためのもので、アナログ信号であればボ
ルテージフォロアなどを使い、ロジック信号であれば直
接ロジック素子で受けても良い。
【0019】バッファアンプ20からの被測定信号は低
域通過フィルタ30に入力される。低域通過フィルタ3
0は、被測定信号の基本波foとその全ての高調波を著し
く減衰させるもので、例えば、被測定信号が振幅800
mVのECLロジック信号の場合には、60dB以上、
つまり1/1000以下の減衰が必要である。減衰特性
は鋭いほど良い。当然ながら、遮断周波数fcの上限は被
測定信号の基本波foであり、下限はfo/2である。理由
は後述する。
【0020】低域通過フィルタ30からのAM変調波
は、増幅器40で増幅される。増幅器40は低域通過フ
ィルタ30を通過したAM変調波を増幅するのが目的で
あり、入力信号が通常数mV前後であるので、これをオ
シロスコープ51やスペクトラムアナライザ52で観測
し易い振幅、およそ100mV以上まで増幅する。つま
り、30dB以上の利得が必要になる。増幅器40から
のAM変調波はジッター測定回路10の出力端子12か
ら切替スイッチ50に出力される。切替スイッチ50
は、出力信号をオシロスコープ51側もしくはスペクト
ラムアナライザ52側に切り換えるものであり、いずれ
かの測定器を直接接続するときには不要である。
【0021】オシロスコープ51は、AM変調波の時間
変化波形を観測するときに用い、AM変調波の原因波fj
が1つのときに有効である。スペクトラムアナライザ5
2は、AM変調波の周波数成分を観測するときに用い、
AM変調波の原因波fjが複数存在するときに有効であ
る。
【0022】図2に具体的な一例の回路構成図を示す。
この発明品の実験に供したジッター発生回路の構成図を
図5に示す。図5のジッター発生回路は、被測定信号を
擬似的に発生している。このジッター発生回路は、EC
LゲートG1 と約40cmの同軸ケーブルを用いて、約
200MHzの信号を発振する遅延発振器を構成し、そ
の発振周波数に信号発生器からの信号を重畳する形で実
現している。ECLゲートG1 を通るときにトリガ誤差
によるジッターが発生する。つまり、信号発生器がノイ
ズ源に相当する。
【0023】ジッター発生回路からの被測定信号は図2
のECLゲート21に入力される。このECLゲート2
1の出力は反転及び非反転の出力端子があり、その両出
力を利用する。その理由の1つは、ECLゲートの出力
レベルが温度により変動するので、差動動作させてその
影響を緩和させることにある。他の理由は、両出力を差
動アンプA1 に入力して減算を実施するので、結果的に
2倍の利得が得られ、差動アンプA1 の利得負担が軽く
なることである。
【0024】低域通過フィルタ30には、4ケ所にT型
低域通過フィルタ31が使用されている。このT型低域
通過フィルタ31の周波数特性を図4に示す。−3dB
点は約90MHzとした。ボルテージフォロアB1 とB
2 とは広帯域バッファアンプであるが、インピーダンス
整合に問題なければ省略できる。増幅器40のアンプA
3 は最終出力用アンプであり、観測上の便宜を図るため
にオフセットの調整ができるようにした。
【0025】総合的に、アンプの利得は全体で36倍、
低域通過フィルタの減衰量は全体で1/1000であ
る。ECL信号の振幅は800mVであるから、いま図
5のジッター発生回路のQ点に、100KHz、2mV
のノイズを印加したとすると、 基本波(200MHz):800mV÷1000=0.
8mV ノイズ(100KHz):2mV×36=72mV となり、ノイズが優勢となる。
【0026】図7(a)に入力端子11のスペクトラム
を、図7(b)に出力端子12のスペクトラムを示す。
ここで、入力端子11でのスペクトラムは理想的なスペ
クトラムアナライザ52を使用した場合であり、通常2
00MHzの信号に対して100KHz、2mVのノイ
ズは同一表示面では観測できない。また、ノイズフロア
に埋もれて見えないこともある。200MHzの基本波
によって、400MHzの2次高調波、600MHzの
3次高調波が発生している。図7(b)の出力波形は、
基本波200MHzが減衰され、ノイズが強く表示され
る。
【0027】次に、低域通過フィルタの遮断周波数fcの
選び方について説明する。単純に考えると、遮断周波数
fcは被測定周波数の基本波周波数foに近づけるほど帯域
が広がるので良いように見える。しかしながら、実際に
は基本周波数foまでの主なものだけでも以下の周波数成
分が発生している。ここで、fjはAM変調波の原因波fj
であり、ジッター周波数あるいはノイズ周波数ともいわ
れている。
【0028】図8にAM変調波の原因波fjのスペクトラ
ムの図を示す。図8(a)は fj が、0<fj≦fo/2、
のときのスペクトラムであり、は(fj)を、は(fo
−fj)を、は fo-{(fo-fj)-fj}=(2fj)を示してい
る。なお、矢印の方向は、fjの周波数を上げたときに移
動する方向である。図8(b)は fj が、fo/2<fj≦
fo、のときのスペクトラムであり、は(fj)を、は
(fo−fj)を、は fo-{fj-(fo-fj)}=2(fo-fj) を示
している。
【0029】図8(c)は fj が、fo<fj≦3fo/2、
のときのスペクトラムであり、は(fj−fo)を示して
いる。他はレベルが下がって無視できる。図8(d)は
fj が、3fo/2<fj≦2fo、のときのスペクトラムで
あり、はfo-(fj-fo)=(2fo−fj)を示している。他
はレベルが下がって無視できる。
【0030】以上、図8を用いてAM変調波の原因波fj
のスペクトラムの図を説明したが、図8(a)及び図8
(b)の場合には、ひとつの原因に対して主なものだけ
で3本のスペクトラムが生じる。このことは原因を特定
するときに、レベルの最も大きいものがfjという見当は
つけられるが、多少の障害となる。改善したいときは低
域通過フィルタ30の遮断周波数fcを、fo/2 に設定
すれば、何れの場合もひとつの原因につきスペクトラム
は1本となる。
【0031】次に、原因波fjの特定について説明する。
低域通過フィルタの遮断周波数fcを、fo/2にして測定
するものとし、fj が、0<fj<2fo の範囲で存在す
る可能性があるとする。図8で検討したように、現れた
1本のスペクトラムに対しては以下の4通りの可能性が
ある。 (a)fjそのもの、(b)fo−fj、(c)fj−fo、
(d)2fo−fj、foは既知であるので、上記4つのうち
のどのケースなのかが特定できれば、fjは特定できるこ
とになる。その方法は以下の2つである。
【0032】(1)4通りの各場合のfjを先ず求める。
例えば、観測されたスペクトラムの周波数が45MHz
で、fo=200MHzとすると、(a)45MHz、
(b)155MHz、(c)245MHz、(d)355MH
z、と求まる。設計者であれば、測定点の周囲にどんな
信号源があるか承知しているので、上記4つの候補から
ひとつを絞り込むのは難しいことではない。
【0033】(2)特定を補助する方法になるが、通
常、クロック用発振器などは調整の必要性から発振周波
数を可変できるように設計されているので、foもしくは
fjの候補と思われるものの周波数を可変してみることで
ある。その結果、 fjの周波数を上げたときにスペクトラムが右に移動すれ
ば、a、cのケース fjの周波数を上げたときにスペクトラムが左に移動すれ
ば、b、dのケース foの周波数を上げたときにスペクトラムが右に移動すれ
ば、b、dのケース foの周波数を上げたときにスペクトラムが左に移動すれ
ば、cのケース foの周波数を上げたときにスペクトラムが移動しなけれ
ば、aのケースとなる。
【0034】図6にスペクトラムアナライザで出力レベ
ルを観測した結果の周波数特性図とジッター値の傾向図
の例を示す。ジッター値としての定量化は下記の考え方
で行った。ノイズ電圧EN は、 EN =(出力電圧)/(アンプの利得) であることから、前述の数式を用いて、 ΔT[S]=EN [V]/スルーレート[V/S] =出力電圧[V]/{スルーレート[V/S]・アンプの利得} として観測した。
【0035】図3に他の実施例の構成図を示す。これ
は、複数種類のロジック電圧に対応できるように汎用性
を持たせたものである。そこで入力部23にトリガレベ
ル電圧25で動作するコンパレータ24を用い、低域通
過フィルタ33に遮断周波数可変の低域通過フィルタ3
4i(i=1〜2)を用いた。遮断周波数可変の低域通
過フィルタ34iは、例えばバリアブル・キャパシタを
用いることにより構成できる。バリアブル・キャパシタ
に適切な印加電圧を供給するために次の構成とした。
【0036】コンパレータ24の出力をフリップフロッ
プ36で1/2分周した後に、ワンショット回路37を
通し、その出力電圧を平均化回路38で平均化する。こ
れにより、被測定信号の周波数に応じた直流電圧が得ら
れるので、この直流電圧をバリアブル・キャパシタの印
加電圧として遮断周波数可変の低域通過フィルタ34i
の遮断周波数fcを変化させる。例えば常に、被測定信号
の基本周波数foの1/2になるように制御する。遮断周
波数可変の低域通過フィルタ34iは1つでも良いし、
図3に示すようにECLゲート35を用いて2つにして
も良い。増幅器43には、作動アンプ44を用いても良
い。
【0037】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、従来の観測
帯域は5MHz程度であったが、この発明ではジッター
を含んだ繰り返し周波数foの2倍程度まで測定領域を広
げることができ、広帯域の観測が可能になった。特に、
今後詳細なジッター解析が要求される100MHz〜1
GHz帯の使用に向いている。
【0038】従来のジッター値測定はたかだか2ps程度
であったが、この発明の測定限界、つまり何psのジッタ
ー値まで見られるかは原理的には無く、半導体素子の持
つ熱雑音が拒むレベルが限界と言える。そのレベルはお
よそ0.1ps rmsであろう。つまり、測定分解能が非常
に高くなる。
【0039】この発明は、ジッターのAM変調的性格に
焦点を合わせた測定手段であり、構成は非常にシンプル
であり、かつ従来比のコストは1/4程度で実現するこ
とができる。しかも、リアルタイム観測が可能である。
このように、この発明は、実用に際して、その効果は非
常に大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の基本的な構成図である。
【図2】本発明の具体的な一例の回路構成図である。
【図3】本発明の他の実施例の構成図である。
【図4】本発明に用いたT型低域通過フィルターの周波
数特性図である。
【図5】本発明品の実験に供したジッター発生回路の構
成図である。
【図6】本発明品の実験結果の周波数特性図とジッター
値の傾向図である。
【図7】本発明品の入力端子及び出力端子でのスペクト
ラムの図である。
【図8】AM変調波の原因波fjのスペクトラムの図であ
る。
【図9】入力信号 Es sinωt にノイズが重畳してい
る波形図である。
【図10】トリガ誤差の発生メカニズムの説明図であ
る。
【図11】従来技術の一例の構成図である。
【符号の説明】
10 ジッター測定回路 11 入力端子 12 出力端子 20 バッファアンプ 21 ECLゲート 23 入力部 24 コンパレータ 25 トリガレベル電圧 30、33 低域通過フィルタ 31 T型低域通過フィルタ 341 、342 遮断周波数可変の低域通過フィルタ 35 ECLゲート 36 フリップフロップ 37 ワンショット回路 38 平均化回路 40、43 増幅器 44 差動アンプ 50 切替スイッチ 51 オシロスコープ 52 スペクトラムアナライザ 61 入力端子 64 連続周期測定回路 65 時間間隔測定回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジッターを含んだ繰り返し基本波周波数
    (fo)の被測定信号を入力する入力端子と、 入力端子から入力する繰り返し基本波の被測定信号系と
    ジッターを測定する測定系とを分離するためのバッファ
    アンプと、 被測定信号の基本波周波数(fo)とその基本波周波数
    (fo)の全ての高調波を除去する低域通過フィルタと、 上記低域通過フィルタを通過してきたAM変調波の原因
    波(fj)及び原因波(fj)と基本波周波数(fo)を元に
    した各種差値波を増幅し観測できる振幅にする増幅器
    と、 から成り、上記増幅器からのAM変調波の原因波(fj)
    及び原因波(fj)と基本波周波数(fo)を元にした各種
    差値波を、オシロスコープもしくはスペクトラムアナラ
    イザで観測することを特徴とするジッター測定装置。
  2. 【請求項2】 低域通過フィルタの遮断周波数(fc)の
    値は、下限が繰り返し基本波周波数(fo)の1/2であ
    り、上限が繰り返し基本波周波数(fo)の範囲内であっ
    て、所定の遮断周波数(fc)としたことを特徴とする請
    求項1記載のジッター測定装置。
  3. 【請求項3】 低域通過フィルタに換え、繰り返し基本
    波周波数(fo)の基本周波数(fo)、2次高調波(2f
    o)、3次高調波(3fo)、4次高調波(4fo)及び5
    次高調波(5fo)のそれぞれのバンドストップフィルタ
    であるノッチフィルタを並列に接続したことを特徴とす
    る請求項1記載のジッター測定装置。
  4. 【請求項4】 ジッターを含んだ繰り返し基本波周波数
    (fo)の被測定信号を入力する入力端子と、 上記入力端子からの繰り返し基本波をトリガレベル電圧
    で電圧比較するコンパレータと、 コンパレータの出力信号をフリップフロップで1/2分
    周した後にワンショット回路を通しその出力を平均化回
    路で平均化し遮断周波数可変の低域通過フィルタに帰還
    して遮断周波数(fc)を可変し、一方、コンパレータの
    出力信号をゲート回路を通して上記遮断周波数可変の低
    域通過フィルタに与えてその出力信号を増幅器に出力す
    る遮断周波数可変の低域通過フィルタと、 上記遮断周波数可変の低域通過フィルタの出力信号を観
    測できる振幅に増幅する増幅器と、 から成り、上記増幅器からのAM変調波の原因波(fj)
    及び原因波(fj)と基本波周波数(fo)を元にした各種
    差値波を、オシロスコープもしくはスペクトラムアナラ
    イザで観測することを特徴とするジッター測定装置。
  5. 【請求項5】 コンパレータの出力信号をECLゲート
    回路を通してそれぞれの信号を2つの遮断周波数可変の
    低域通過フィルタに与えその出力信号を差動増幅器に出
    力する2つの遮断周波数可変の低域通過フィルタと、上
    記2つの遮断周波数可変の低域通過フィルタの出力信号
    を観測できる振幅に増幅する差動アンプと、を具備する
    ことを特徴とする請求項4記載のジッター測定装置。
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