JP2001335343A - 光触媒膜付きガラスおよびその製造方法 - Google Patents

光触媒膜付きガラスおよびその製造方法

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JP2001335343A JP2000151203A JP2000151203A JP2001335343A JP 2001335343 A JP2001335343 A JP 2001335343A JP 2000151203 A JP2000151203 A JP 2000151203A JP 2000151203 A JP2000151203 A JP 2000151203A JP 2001335343 A JP2001335343 A JP 2001335343A
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glass
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photocatalytic
anatase
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Yoshikazu Yamaguchi
慶和 山口
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アナターゼ型酸化チタン膜の光触媒活性を充
分に発揮させる。 【解決手段】 平滑表面を有するガラス基体上にアナタ
ーゼ型酸化チタンよりなる光触媒膜を形成してなり、膜
表面の中心線平均粗さRaが5〜40nm、アナターゼ型酸化
チタンの平均粒径Davが20〜200nmであること、およびそ
の光触媒膜付きガラスの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平滑表面を有するガ
ラス基体上に、アナターゼ型酸化チタンよりなる膜、す
なわちアナターゼ型酸化チタンの光触媒活性による親水
・防曇性、付着有機物の分解・防汚性を付与する膜(光
触媒膜という)を施してなり、特にアナターゼ型酸化チ
タンの光触媒機能を充分に活かした光触媒膜付きガラス
に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平9−328336号公報には、平均粒子
径が100nm未満のTiO2微粒子を有し、膜の耐久性を増大
する成分を含む特定成分組成物を基材に塗布し、熱処理
した光触媒活性を有する被膜が、また、特開平11−2626
69号公報には、Tiアルコキシドの加水分解物および平均
粒径100nm以下のアナタ−ゼ型Ti02微粒子を含有させた
光触媒コ−テイング液、およびこの光触媒コ−テイング
液を用いて、耐熱性基板上に塗布、焼成させて形成した
光触媒膜を有するコ−テイング基材が開示されている。
【0003】あるいは、特開平10−259320号公報には、
一次粒子の平均粒径0.01μm〜0.1μmの超微粒子酸化
チタン系複合酸化物と、有機溶媒と、β−ジケトン、カ
ツプリング剤およびシリカゾルからなる光触媒塗料が、
また、特開平11−323195号公報には、平均粒子径1〜10
0nm、好ましくは1〜50nmの光触媒性金属酸化物粒子
と、香料、難分解性結着剤、水溶性溶媒および水とから
なる混合溶媒とを適宜割合で含む光触媒性コ−テイング
組成物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】概してアナターゼ型酸
化チタンよりなる光触媒粒子がある粒径範囲にある場合
に、光触媒活性を良好に発揮でき、より粗大であると面
平滑性を損ない、透明度が低下し、また、膜強度が低下
する。他方光触媒粒子が微細に過ぎると光触媒活性が低
下し、粒子の均一分散性が損なわれ、却って膜強度が低
下し易いことがいえる。
【0005】本発明者らが鋭意試験、検討した結果によ
れば、きわめて重要なことは、前記光触媒粒子が光(励
起光)を受けるべく、膜表面に充分に露呈しているこ
と、前記膜表面は、光(励起光)との接触面積(受光面
積)を可及的に増大すべく、表面積をある程度大きくす
ることが肝要であることが分かった。
【0006】先に挙げた先行技術は、いずれも光触媒粒
子とそれを囲包するバインダー成分からなる塗布膜から
なるものであって、光触媒粒子を膜表面に充分に露呈さ
せること、表面粗さを所定の粗さに調整するのが困難で
ある。
【0007】また、先の特開平9−328336号公報には、
光触媒粒子が微粒子であるほど微粒子間の隙間が細孔形
成され、膜の表面積が増大し、触媒活性が高くなること
が記載されているが、実際には光触媒粒子が微細に過ぎ
ると光触媒活性が低下し、また介在成分が存在すること
から、単に微細粒子を採用することは、膜の表面積を増
大することとは密接な関係があるとはいい難い。
【0008】本発明は、光触媒膜を構成するアナターゼ
型酸化チタンを適度な粒径範囲としたこと、それに伴い
光触媒膜の表面積を増大したことにより、光触媒膜の光
触媒活性を充分に発揮させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、平滑なガラス
基体上にアナターゼ型酸化チタンよりなる膜を形成して
なり、膜表面の中心線平均粗さRaが5〜40nm、アナター
ゼ型酸化チタンの平均粒径Davが20〜200nmである光触
媒膜付きガラスである。
【0010】本発明はまた、前記光触媒膜付きガラスを
製造する方法であり、PVD法におけるチタンターゲッ
トからのスパッタリングにより、または熱スプレー法に
おけるチタン化合物を含む液のスプレーにより、夫々ガ
ラス基体上に酸化チタン膜を形成し、それら酸化チタン
膜付きガラスを更に450〜650℃、20〜60分加熱すること
により前記酸化チタン膜をアナターゼ型酸化チタン膜と
為す光触媒膜付きガラスの製造方法である。
【0011】更に本発明は、常圧CVD法によるCVD
ガスをガラス基体上に吐出することにより前記光触媒膜
付きガラスを製造する方法であり、チタン源を含む成膜
原料ガスの濃度を10-4mol以下/キャリアーガス1Lに
調製したCVDガスを、450〜650℃に加熱したガラス基
体の走行方向に配した2段ないしそれ以上の複数段ノズ
ルより吐出することによる光触媒膜付きガラスの製造方
法である。
【0012】なお、前記中心線平均粗さは、JIS B 0601
に規定されるもので、主として電界放出型走査電子顕微
鏡(FE−SEM)により測定し、規定に則って表した
ものである。
【0013】
【発明の実施の形態】アナターゼ型酸化チタンは各種光
触媒物質のなかでも光触媒活性が高いことは知られてい
るが、本発明においては、更にその機能を充分発揮せし
めるために設計工夫したものである。
【0014】基体としては中心線平均粗さRaが2nm以下
程度の平滑表面を有するものであって、500〜600℃の加
熱に耐え得るもの、すなわちガラス基体、特にフロート
ガラスを適用するものである。
【0015】本発明において、アナターゼ型酸化チタン
膜の表面における中心線平均粗さRaを5〜50nmの範囲と
する。アナターゼ型酸化チタンの光触媒活性を充分に発
揮させるためには膜の表面積を増大させ、光(励起光)
をより多く受け易くする必要があり、そのためには表面
粗さRaを5nm以上とするものである。但し表面粗さを過
大とすると、光の照射角度にも起因すると思われる光触
媒活性にむらが生じ、例えば有機物による汚れに対して
は斑状の汚染むらが残る。勿論表面凹凸が過大であるこ
とにより汚れが沈積し易いという不具合もある。また、
膜の耐摩耗性が劣る傾向が生ずる。特にガラス基体にお
いては凹凸粗面によるヘーズが増大し、透視性が損なわ
れる。従って表面粗さRaは最大40nm以下とするものであ
る。より好適には表面粗さRaを10〜20nmの範囲とするの
が望ましい。
【0016】アナターゼ型酸化チタンの平均粒径は、前
記膜表面の中心線平均粗さにも関係するもので、平均粒
径Davを20〜200nmの範囲とするのがよい。20nm未満で
あると光触媒活性が不充分であり、他方200nmを越える
と、結果として膜の表面粗さを過大とし、先述同様の不
具合が生ずる。好適には平均粒径Davを20〜100nmの粒
径範囲とするのが望ましい。
【0017】アナターゼ型酸化チタン膜の厚みは特定す
るものではないが、前記膜表面の粗さ、光触媒物質の粒
径とも関連し、光触媒活性を充分に発揮するうえで50nm
以上の厚みとするのが好ましく、他方500nmを越える高
膜厚としても光触媒活性の更なる増大は見込めない。
【0018】前記光触媒膜における所要の膜表面粗さ、
粒子径を得る好適な手段としては以下の手段がある。
【0019】ケースI−−PVD法、熱スプレー法のケ
ース スパッタリング法で代表されるような、酸素を含有する
減圧雰囲気下でチタンターゲットからのスパッタリング
によりガラス基板に酸化チタン膜を形成するPVD法の
場合、またはチタン化合物を含む液を単に約400〜600℃
の加熱ガラス基板にスプレーし、前記チタン化合物の熱
分解により酸化チタン膜を形成する熱スプレー法の場
合、それらいずれにおいても生成した酸化チタンはアモ
ルファス形態、または微細なアナターゼ型酸化チタンが
散在するアモルファスに近い形態であり、表面粗さRaは
数nm以下、酸化チタン結晶が生成した場合においても平
均粒径Davは高々10nm以下である。
【0020】これを更に450〜650℃程度、20〜60分程度
に加熱、または再加熱することにより、容易に所望の膜
表面粗さ、所望粒径のアナターゼ型酸化チタンを得るこ
とができる。なお、熱スプレー法の場合は板ガラス連続
製造ラインをそのまま適用でき、例えばフロートガラス
製造ラインにおいては、フロート槽から連続して引出さ
れた加熱フロートガラス帯に熱スプレー法によりチタン
化合物溶液を吹付けて殆どアモルファスの酸化チタン膜
を形成し、引き続き徐冷窯上流域にかけて500℃以上に
前記所要時間加熱維持するようにすれば、酸化チタンが
アナターゼ型酸化チタンに転移し、所望の膜を得ること
ができる。
【0021】ケースII−−常圧CVD法のケース 常圧CVD法においては、所望の膜表面粗さ、および所
望のアナターゼ型酸化チタン結晶粒径を得るうえの必須
要件として、第一にキャリアーガス流量に対する成膜原
料ガス濃度を低くしてガス吐出すること、第二にガラス
基板走行方向に複数段の吐出ノズルを配置し、基板の走
行に従い漸次複数段のノズルよりガス吐出することが重
要なファクターであり、成膜原料ガスの濃度を10-4mol
以下/キャリアーガス1Lとし、450〜650℃に加熱した
ガラス基板の走行方向に配した2段ないしそれ以上の複
数段ノズルよりガス吐出することにより、容易に所望表
面粗さ、所望粒径のアナターゼ型酸化チタンを得ること
ができる。なお、キャリアーガスとしては窒素ガス、空
気等が採用できる。
【0022】勿論これら製法手段にかかわらず、上記ア
ナターゼ型酸化チタンからなる膜の表面における中心線
平均粗さRaを5〜50nmの範囲とし、かつアナターゼ型酸
化チタンの平均粒径Davを20〜200nmの範囲としたもの
は、本発明の光触媒膜付きガラスの範疇にある。
【0023】なお、本発明においては基体上に直接光触
媒膜を形成する以外にも、酸化珪素膜、酸化アルミニウ
ム膜、酸化錫膜その他の下地膜、前記二層以上の下地膜
を介して最上層に光触媒物質よりなる膜を形成する場合
も含まれる。概してこれらの下地膜は光触媒物質よりな
る膜における中心線平均粗さを増大する傾向にあり、所
望の粗さを得易くすることができる。以下実施例により
本発明を説明する。
【0024】
〔実施例A−1〕
(膜付きガラスの作製)屈折率1.51、板厚5mm、JIS B
0601に規定される板表面の中心線平均粗さRaが1nm以下
のクリアーなソーダ石灰シリカ系フロート板ガラスを準
備し、温度約550℃に加熱した該板ガラス上に、有機チ
タン化合物からなるガスを吐出して常圧CVD法により
酸化チタン膜を形成した。すなわち、チタンテトライソ
プロポキシドを主原料として、バブリングにより原料ガ
ス吐出量6×10-4mol/分、キャリアガス(空気)量 10L
/分からなるCVDガス(原料ガス濃度6×10-5mol/キ
ャリアガス1L)を調製し、板ガラス搬送速度1m/
分、板ガラス走行方向の成膜領域、すなわち吐出ノズル
(スリット)を中心とし、その前後の吸引ノズル(スリ
ット)間の間隔を60cmとし、これを1段として、更に板
ガラス走行方向に沿って前記同様のガス吐出ノズル(ス
リット)−吸引ノズル(スリット)の配置を2段、計3
段並設し、板ガラスの走行とともに、板ガラス上に夫々
のノズル(スリット)からCVDガスを吐出した。な
お、特にノズル(スリット)3段による成膜は、所望の
高膜厚を得るのは勿論、膜構成粒子径および膜表面粗さ
を所定の範囲に収めるうえで有効である。
【0025】(膜、および膜付きガラスの各種測定)電
界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)による表面観
察、測定、および分光光度計による分光透過率、反射率
測定、それに基づく計算によると、平均膜厚は150nmで
あり、膜構成粒子(結晶)は殆ど径20〜100nmに分布
し、平均粒径Davは約60nmであった。また、JIS規格に基
づく膜表面の中心線平均粗さRaは15nmであった。なお、
X線回折によると膜はアナターゼ型酸化チタンよりなる
ものである。分光透過率測定よる膜付き板ガラスの可視
域の透過率は83%と、高い透視性を示す。
【0026】(光触媒機能性<防汚性>試験)前記膜付き
板ガラスに浸漬法により、引上げ速度1.2mm/秒で1wt
%オレイン酸/アセトン溶液を塗布した。塗布乾燥後、
光照射前に水を滴下したところ、水滴の接触角は約60〜
70°である。40Wの昼白色蛍光灯で50cmの距離から光照
射し、時間経過とともに水滴の接触角を測定したとこ
ろ、2.5時間で5°以下と、付着有機物は殆ど分解し、
膜表面は親水・防汚性を呈することが判った。
【0027】〔比較例A−1〕 (膜付きガラスの作製)実施例A−1と同様の板ガラス
上に、実施例A−1とほぼ同じ条件で、ただしキャリア
ガス(空気)量 10L/分に対し原料ガスの吐出量は実施
例A−1の3倍の1.8×10-3mol/分(原料ガス1.8×10
-4mol/キャリアガス1L)と高濃度のCVDガスと
し、かつノズルを1段のみとして、CVD法における通
常の1搬送1回成膜により酸化チタン膜を成膜した。
【0028】(膜、および膜付きガラスの各種測定)実
施例A−1同様の表面観察、測定、および分光測定、計
算によるところの平均膜厚は150nmであり、膜構成粒子
(結晶)は殆ど径10〜30nmに分布し、平均粒径Davは約2
0nmであり、膜表面の中心線平均粗さRaは4nmであっ
た。X線回折によると膜はアナターゼ型酸化チタンより
なる。また、分光透過率に基づく膜付き板ガラスの可視
光透過率は実施例1とほぼ同じで84%であった。
【0029】(光触媒機能性<防汚性>試験)実施例A−
1同様にオレイン酸溶液を塗布し、その後昼白色蛍光灯
で光照射し、時間経過とともに水滴の接触角を測定した
ところ、当初60〜70°の接触角が5°以下になるまでに
24時間必要とし、光触媒活性は実施例A−1に比べかな
り劣っていた。
【0030】比較例A−1のごとく、原料ガス濃度を高
濃度として1段で成膜したものは、所定の膜表面粗さ、
所定の膜構成粒子径を得ることはできず、光触媒活性は
劣る。
【0031】〔比較例A−2〕 (膜付きガラスの作製)実施例A−1と同様の板ガラス
上に、実施例A−1とほぼ同じ条件で、ただし1段ノズ
ルのみによる通常の1搬送1回成膜とし、これを繰り返
し3回搬送して計3回成膜、積層することにより酸化チ
タン膜を成膜した。
【0032】(膜、および付きガラスの各種測定)実施
例A−1同様の表面観察、測定、および分光測定、計算
によるところの平均膜厚は 150nmであり、膜構成粒子
(結晶)は殆ど径20〜50nmに分布し、平均粒径Davは約4
0nmであり、膜表面の中心線平均粗さRaは3.3nmであっ
た。X線回折によると膜はアナターゼ型酸化チタンより
なる。また、分光透過率に基づく膜付き板ガラスの可視
域の透過率は実施例A−11とほぼ同様の83%であっ
た。
【0033】(光触媒機能性<防汚性>試験)実施例A−
1同様にオレイン酸溶液を塗布し、その後昼白色蛍光灯
で光照射し、時間経過とともに水滴の接触角を測定した
ところ、当初60〜70°の接触角が12時間後でも5°以下
にならず、光触媒活性は実施例に比べかなり劣ってい
た。
【0034】本比較例A−2においては、実施例A−1
同様の効果を狙ったものであるが、所望の膜表面粗さ、
所望の膜構成粒子径範囲のアナターゼ型酸化チタンを得
ることはできず、所望の効果も得られなかった。
【0035】
〔実施例B−1〕
(膜付きガラスの作製)実施例A−1と同様の板ガラス
を準備し、DCマグネトロンスパッタリング法により酸
化チタン膜を成膜した。すなわち、板ガラス上に、チタ
ンをターゲットとし、1×10-53/minの酸素5%混入
アルゴン雰囲気下で、印加電圧50KW、板ガラス搬送速度
1m/min、成膜領域(長さ)2.54mの条件で、DCマ
グネトロンスパッタリング法により酸化チタン膜を成膜
した。なお、前記酸化チタン膜はアモルファス酸化チタ
ンであった。更にこの膜付きガラスを電気炉内にセット
し、ガラス温度550℃で30分加熱保持し、その後100℃/
Hrの条件でゆっくりと冷却して膜形成を完成した。
【0036】(膜、および膜付きガラスの各種測定)実
施例A−1同様の表面観察、測定、および分光測定、計
算によるところの平均膜厚は200nm、膜構成粒子(結
晶)の平均子径Davは約100nm(殆ど径50〜150nmに分
布)、膜表面の中心線平均粗さRaは20nmであった。X線
回折によると膜はアナターゼ型酸化チタンよりなる。分
光透過率に基づく膜付き板ガラスの可視域の透過率は83
%であった。
【0037】(光触媒機能性<防汚性>試験)実施例A−
1同様にオレイン酸溶液を塗布し、その後昼白色蛍光灯
で光照射し、時間経過とともに水滴の接触角を測定した
ところ、当初60〜70°の接触角が2時間で5°以下と、
有機物は殆ど分解し、表面は親水・防汚性を呈すること
が判った。
【0038】〔実施例B−2〕 (膜付きガラスの作製)実施例A−1と同様の板ガラス
を準備し、熱スプレー法により酸化チタン膜を成膜し
た。すなわち、スプレー用薬液としてチタン化合物とし
てのジ・プロポキシ・ビス・アセチルアセトナートおよ
び溶剤としてのジクロルメタンからなるチタン化合物濃
度33重量%の溶液を準備した。板ガラスを設定温度600
℃の電気炉にセットし、約10分保持したうえで前記板ガ
ラスを取出し、直ちにスプレーガンより前記スプレー用
薬液を83g/50cm□(ガラスサイズ)の割合で吹付け、
一旦冷却して酸化チタン膜を成膜した。膜は殆どアモル
ファスの酸化チタン膜であった。更にこの膜付きガラス
を550℃で30分加熱し、その後100℃/Hrの条件でゆっく
りと冷却して膜形成を完成した。
【0039】(膜、および膜付きガラスの各種測定)実
施例A−1同様の表面観察、測定、および分光測定、計
算によるところの平均膜厚は70nm、膜構成粒子(結晶)
の平均粒径Davは約20nm(殆ど径10〜40nmに分布)、膜
表面の中心線平均粗さRaは7nmであった。X線回折によ
ると膜はアナターゼ型酸化チタンよりなる。分光透過率
に基づく膜付き板ガラスの可視域の透過率は83%であっ
た。
【0040】(光触媒機能性<防汚性>試験)実施例A−
1同様にオレイン酸溶液を塗布し、その後昼白色蛍光灯
で光照射し、時間経過とともに水滴の接触角を測定した
ところ、当初60〜70°の接触角が4時間で5°以下と、
有機物は殆ど分解し、表面は親水・防汚性を呈すること
が判った。
【0041】〔比較例B−1〕(膜付きガラスの作製)
実施例A−1と同様の板ガラスを準備し、該板ガラス上
に実施例B−1と全く同じ条件で酸化チタン膜をスパッ
タリング成膜したが、成膜後に再加熱処理を行わなかっ
た。
【0042】(膜、および付きガラスの各種測定)実施
例A−1同様の表面観察、測定、および分光測定、計算
によるところの平均膜厚は200nm、膜構成粒子(結晶)
の平均粒径Davは約20nm(殆ど径10〜30nmに分布)、膜
表面の中心線平均粗さRaは2nmであった。膜は殆どアモ
ルファスであり、膜付き板ガラスの可視域の透過率は83
%であった。
【0043】(光触媒機能性<防汚性>試験)実施例A−
1同様にオレイン酸溶液を塗布し、その後昼白色蛍光灯
で光照射し、時間経過とともに水滴の接触角を測定した
ところ、当初60〜70°の接触角は殆ど変化せず、光触媒
活性は認められなかった。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、アナターゼ型酸化チタ
ンよりなる光触媒膜の表面粗さ、結晶粒径を調整するこ
とにより、膜の光触媒活性を増大できるという効果を奏
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 14/08 C23C 16/40 16/40 B01D 53/36 J G Fターム(参考) 4D048 AA17 AA21 AB03 BA07X BA07Y BB03 CA06 CC04 EA01 4G059 AC22 EA04 EB01 EB04 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA14A BA14B BA48A BC50A BC50B BC50C BE06B CA01 CA10 CA11 DA06 EA08 FB02 FB03 4K029 AA09 BA48 BB10 CA06 DC03 DC39 GA01 4K030 AA11 BA46 CA06 CA17 EA06 FA10 JA06 JA10 LA11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平滑なガラス基体上にアナターゼ型酸化チ
    タンよりなる膜を形成してなり、膜表面の中心線平均粗
    さRaが5〜40nm、アナターゼ型酸化チタンの平均粒径D
    avが20〜200nmであることを特徴とする光触媒膜付きガ
    ラス。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光触媒膜付きガラスを製造
    する方法であり、PVD法におけるチタンターゲットか
    らのスパッタリングにより、または熱スプレー法におけ
    るチタン化合物を含む液のスプレーにより、夫々ガラス
    基体上に酸化チタン膜を形成し、それら酸化チタン膜付
    きガラスを更に450〜650℃、20〜60分加熱することによ
    り前記酸化チタン膜をアナターゼ型酸化チタン膜と為す
    ことを特徴とする光触媒膜付きガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】常圧CVD法によるCVDガスをガラス基
    体上に吐出することにより請求項1記載の光触媒膜付き
    ガラスを製造する方法であり、チタン源を含む成膜原料
    ガスの濃度を10-4mol以下/キャリアーガス1Lに調製し
    たCVDガスを、450〜650℃に加熱したガラス基体の走
    行方向に配した2段ないしそれ以上の複数段ノズルより
    吐出することを特徴とする光触媒膜付きガラスの製造方
    法。
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