JP2001334154A - コージェライト質セラミックハニカム構造触媒用担体及びその製造方法 - Google Patents

コージェライト質セラミックハニカム構造触媒用担体及びその製造方法

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JP2001334154A JP2000159824A JP2000159824A JP2001334154A JP 2001334154 A JP2001334154 A JP 2001334154A JP 2000159824 A JP2000159824 A JP 2000159824A JP 2000159824 A JP2000159824 A JP 2000159824A JP 2001334154 A JP2001334154 A JP 2001334154A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同じセル壁厚であっても、セル壁の気孔率を
上げることで、より軽量なハニカム構造体を得ることに
より、速熱性が向上し、十分な機械的強度を有するセラ
ミックハニカム構造触媒用担体を得る。 【解決手段】 直径0.5〜2μmの細孔の総細孔容積
が全細孔容積の30%以上、直径5〜10μmの細孔の
総細孔容積が全細孔容積の20%以下、直径10μm以
上の細孔の総細孔容積が全細孔容積の30%以下であ
り、気孔率が35%以上、A軸圧縮強度が18MPa以
上、かつセル空間を含む担体容積あたりの質量が400
g/リットル以下のコージェライト質セラミックハニカ
ム構造触媒用担体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス浄化装置に
用いられるコージェライト質セラミックハニカム構造触
媒用担体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の排ガス規制強化による排出総量低
減の要請に伴い、図3に示すようなコージェライト質の
セラミックハニカム構造触媒用担体1を用いた排ガス浄
化装置には、従来以上に卓越した排ガス浄化性能の実現
が期待されている。コージェライト質を主成分とするセ
ラミックハニカム構造触媒用担体1の組成は、主にSi
、Al、MgOから構成されている。このよ
うなセラミックハニカム構造触媒用担体1を用いた排ガ
ス浄化装置においては、冷間からエンジンをスタートし
た状態であるコールドスタート時は触媒がまだ暖まって
いないために活性化しておらず、排ガスの浄化効率が著
しく低い。このため、コールドスタート時における触媒
の早期活性化が排ガス規制をクリアーするための最重要
課題とされている。このような課題を解決するために、
最近では、セラミックハニカム構造触媒用担体1のセル
空間2を形成するためのセル壁3の厚みを薄くするこ
と、または、セル空間を含む担体容積あたりの質量即ち
嵩密度を小さくすることにより、このセラミックハニカ
ム構造触媒用担体1の熱容量を低下させて、触媒の速熱
性を高める技術が採用されている。
【0003】また、触媒コンバーターの速熱性を高める
には高気孔率化による嵩密度の低下も有効であり、さら
に活性アルミナや白金等の触媒物質を多量に担持するた
めにも、セラミックハニカム構造触媒用担体1を多孔性
即ち、高気孔率にすることは重要な特性の一つになって
いる。
【0004】特公平4−70053号公報には、薄壁で
しかも強度特性を満足できる低気孔率レベルを有する低
熱膨張のハニカム構造触媒用担体の提供を目的として、
気孔率が30%以下でありハニカム構造体の流路方向の
圧縮強度(A軸圧縮強度)が200kg/cm(1
9.6MPa)以上のコージェライトハニカム構造触媒
用担体が開示されている。同公報の実施例中試験No.
6には、セル壁厚102μm、セル密度93セル/cm
のセル構造の場合、気孔率25.4%、A軸圧縮強度
が263kg/cm(25.8MPa)と記載され、
セル空間を含む担体容積あたりの質量は記載がないが、
セル密度とセル壁厚、コージェライト真比重2.52か
ら計算により、セル空間を含む担体容積あたりの質量が
350g/リットルとなるコージェライトハニカム構造
触媒用担体が記載されている。そして、ハニカム構造触
媒用担体の実使用において、過酷な使用条件でも耐える
ことができるA軸圧縮強度が19.6MPa以上のレベ
ルを示す触媒担体のセル構造を設計することが可能にな
ったと記載されている。
【0005】また、特公平6−69534号公報には、
コージェライト担体よりも熱膨張係数の大きい活性アル
ミナ及び他の触媒成分の担持により耐熱衝撃性劣化の少
ないハニカム構造触媒担体として使用するのに好適なコ
ージェライト構造体の提供を目的として、ハニカム構造
体の気孔率が30%を超え42%以下であって、直径
0.5〜5μmの細孔の総細孔容積が全細孔容積の70
%以上で、直径10μm以上の細孔容積が全細孔容積の
10%以下であるコージェライトハニカム構造体が開示
されている。同公報の実施例中試験No.3には、セル
壁厚150μm、セル密度62セル/cmで直径10
2mm、長さ152mmの円筒形コージェライトハニカ
ム構造触媒担体において、気孔率35.7%、A軸圧縮
強度が210kg/cm(20.6MPa)と記載さ
れ、セル空間を含む担体容積あたりの質量は記載がない
が、セル密度とセル壁厚、コージェライト真比重2.5
2から計算により、セル空間を含む担体容積あたりの質
量が360g/リットルとなるハニカム構造体が得られ
たことが記載されている。
【0006】一方、SAE Technical Paper Series 90
0614には、ハニカム構造体のセル構造、嵩密度、気
孔率について望ましい値が記載されている。例えば、セ
ル密度が400セル/in2(62セル/cm)、リブ
厚が6mil(152μm)の場合、嵩密度は0.43g
/cm(430g/リットル)、気孔率は35%、また
セル密度が400セル/in2(62セル/cm)、リ
ブ厚が5mil(127μm)の場合、嵩密度は0.36
g/cm(360g/リットル)、気孔率は28%と記
載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】触媒コンバーターの速
熱性を高める為、セラミックハニカム構造触媒用担体の
セル空間を形成するためのセル壁の厚みを薄くすること
で、セラミックハニカム構造触媒用担体の熱容量を低下
させることができ、一方で触媒物質の担持性の為には多
孔性即ち高気孔率化が有効である。しかし、セル壁の気
孔率を高くした場合、セル壁の機械的強度が低下するの
でセル壁を薄くすると気孔率を高くできないという問題
がある。
【0008】前記の特公平4−70053号公報に開示
されている発明は、薄壁でかつ200kg/cm(1
9.6MPa)以上のA軸圧縮強度があり、機械的強度
は有しているが、薄壁である為、前記機械的強度を満足
させる為に気孔率を30%以下としており、熱容量が大
きく速熱性が低い問題がある。
【0009】また特公平6−69534号公報に記載の
発明は、210kg/cm(20.6MPa)以上の
A軸圧縮強度があり、機械的強度を有しており、30%
を超え42%以下の気孔率を有しているが、セル壁厚は
150μm程度であり熱容量が大きく速熱性は十分では
ない問題がある。
【0010】SAE Technical Paper Series 90061
4には、ハニカム構造体のセル密度、壁厚、嵩密度、気
孔率との関係について記載されているが、セル壁厚を薄
くすると、気孔率は減少しており、熱容量は大きく速熱
性は十分でない問題がある。
【0011】このように、従来のハニカム構造体は、触
媒コンバータの速熱性を高めるすなわち、ハニカム構造
体の熱容量を低下させるためには、セル壁を薄壁化させ
たり、気孔率を高くしたりしていたが、そのようにする
と十分な強度が得られなかった。つまり、セル壁の薄壁
化や高気孔率化と、十分な強度を持つセラミックハニカ
ム構造触媒用担体の実現とは、互いに二率背反的な問題
として認識されている。特に、触媒の担持性向上と熱容
量低下のためにセル壁の気孔率を高くした場合、セラミ
ックハニカム構造触媒用担体の機械的強度は低下する。
【0012】本発明の目的は、セル壁の気孔率を上げる
ことで、同じセル壁厚であってもより軽量なハニカム構
造体を得ることにより、熱容量が低下し、速熱性が向上
するとともに、十分な機械的強度を有するセラミックハ
ニカム構造触媒用担体を提供することにある。つまり、
十分なハニカム構造体の強度を与えることができるA軸
圧縮強度を維持することから、セル壁が薄壁化されても
高い気孔率を有し、セル空間を含むセラミックハニカム
構造触媒用担体の容積あたりの質量である嵩密度が低い
ハニカム構造体であっても、速熱性の高い低熱容量のコ
ージェライト質セラミックハニカム構造触媒用担体及び
その製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、セル壁の
気孔率を上げることにより、同じセル壁厚であってもよ
り軽量なハニカム構造体を得ることで熱容量が低下し、
速熱性が向上するとともに、十分な機械的強度を有する
セラミックハニカム構造触媒用担体を提供するために
は、セラミックハニカムの細孔に着目した。そして、セ
ラミックハニカムに形成される細孔の直径、及び細孔容
積を特定範囲に限定させれば、高気孔率かつ高強度を達
成できることを見出した。そして、その製造方法におい
て、焼成時の固相反応が進む温度領域の昇温速度を適切
に調整することでセラミックハニカムに形成される細孔
の直径、及び細孔容積を特定範囲に限定させられること
を見出した。これにより、ハニカム構造触媒用担体の気
孔率を35%以上と高く、かつセル空間を含む担体容積
あたりの質量を400g/リットル以下と軽量化するこ
とも可能になり、さらに一定以上のA軸圧縮強度が得ら
れることが判明し、本発明に到達したのである。
【0014】具体的に本発明は、結晶相の主成分がコー
ジェライト質セラミックからなるハニカム構造体で、直
径0.5〜2μmの細孔の総細孔容積が全細孔容積の3
0%以上、直径5〜10μmの細孔の総細孔容積が全細
孔容積の20%以下、直径10μm以上の細孔の総細孔
容積が全細孔容積の30%以下であり、気孔率が35%
以上、A軸圧縮強度が18MPa以上、かつセル空間を
含む担体容積あたりの質量が400g/リットル以下で
あるコージェライト質セラミックハニカム構造触媒用担
体である。そして、前記担体を得るための製造方法は、
コージェライト化原料を混合混練してハニカム構造体に
押し出し成形後焼成する際に、ハニカム構造体の固相反
応が進む温度領域内の昇温途中で、昇温速度を同域内の
それまでの昇温速度より50℃/Hr以上遅くすること
を特徴とする。さらに、より好ましくは、この固相反応
が進む温度領域である約1200〜1300℃におい
て、約1250〜1300間の昇温速度を約1200〜
1250℃間の昇温速度より50℃/Hr以上遅くする
ことを特徴とする。
【0015】本発明において、気孔率が35%以上と高
いレベルを維持しているにもかかわらず、18MPa以
上の高いA軸圧縮強度を有し、かつセル空間を含む担体
容積あたりの質量が400g/リットル以下である低熱
容量のセラミックハニカム構造触媒用担体が得られるの
は、このハニカム構造触媒用担体の製造方法、特に上記
の通り、焼成時に固相反応が進む温度領域内において、
最適な昇温速度を見出したことによる。
【0016】本発明のコージェライト質セラミックハニ
カム構造触媒用担体において、セル空間を含む担体容積
あたりの質量を400g/リットル以下とした理由は次
の通りである。400g/リットルを超えると、セラミ
ックハニカム構造触媒用担体の熱容量の増加を招き、こ
のハニカム構造触媒用担体が排ガスにより加熱された時
にその温度上昇が遅くなり、速熱性が劣るからである。
【0017】また、本発明において、A軸圧縮強度(ハ
ニカム構造触媒用担体の流路方向の圧縮強度)を18M
Pa以上としたのは、ハニカム構造触媒用担体の使用時
においては、過酷な使用条件に耐えることのできるA軸
圧縮強度は18MPa以上を必要とするからである。A
軸圧縮強度が18MPa未満では、ハニカム構造触媒用
担体として十分な担体強度が得られず、ハニカム構造触
媒用担体をケースに収容させるキャニング時、或いはキ
ャニング後の使用時に発生する応力には耐えきれず、破
損する場合があるからである。またA軸圧縮強度は、ハ
ニカム構造触媒用担体の耐熱衝撃性とも関係があり、A
軸圧縮強度が高くなると熱衝撃に対する抵抗も大きくな
り耐熱衝撃性も向上する。このため、A軸圧縮強度が1
8MPa以上であると、排ガスによる急昇温によっても
破損しない耐熱衝撃性も有するハニカム構造触媒用担体
を得ることができる。
【0018】本発明において、ハニカム構造触媒用担体
の気孔率を35%以上とするのは、気孔率35%未満で
は、触媒担持性が低下するとともに、ハニカム構造触媒
用担体の熱容量の増加を招き速熱性が低下するからであ
る。なお本発明において、望ましい気孔率は38%以上
であり、その上限値はA軸圧縮強度の低下を考慮すると
気孔率は50%以下にすることが好ましい。
【0019】本発明において、直径0.5〜2μmの細
孔の総細孔容積を全細孔容積の30%以上と限定した理
由は、気孔率35%以上で直径0.5〜2μmの細孔の
総細孔容積が全細孔容積の30%未満であると実質的に
直径2μm以上の細孔の総細孔容積が大きくなるため、
コージェライト質セラミックハニカム構造触媒用担体の
A軸圧縮強度が低下するからである。本発明のセラミッ
クハニカム構造触媒用担体は、直径0.5〜2μmの微
細な細孔の総細孔容積を全細孔容積の30%以上になる
ようにしたことにより、気孔率が35%以上と高いにも
かかわらずA軸圧縮強度が18MPa以上に向上し、し
かもセル空間を含む担体容積あたりの質量を400g/
リットル以下と軽量化することも可能になったのであ
る。
【0020】そして、直径5〜10μmの細孔の総細孔
容積を全細孔容積の20%以下と限定した理由は、直径
5〜10μmの細孔の総細孔容積が全細孔容積の20%
より大きくなると、ハニカム構造触媒用担体の破壊の起
点となりうる直径5〜10μmの細孔の存在確率が高く
なり、最大応力発生部に直径5μm以上の細孔の存在確
率も高くなり、結果として、コージェライト質セラミッ
クハニカム構造触媒用担体の機械的強度が低下するから
である。
【0021】さらに、直径10μm以上の細孔の総細孔
容積を全細孔容積の30%以下と限定した理由は、直径
10μmの細孔の総細孔容積が全細孔容積の30%より
大きくなると担体の破壊の起点となりうる直径10μm
以上の細孔の存在確率が高くなり、コージェライト質セ
ラミックハニカム構造触媒用担体の機械的強度が低下す
るのと同時に、担持物質がセル壁内部まで進入して担体
の耐熱衝撃性が低下するからである。
【0022】本発明のコージェライト質セラミックハニ
カム構造触媒用担体の製造方法において、このセラミッ
クハニカム構造触媒用担体の押し出し成形後の焼成工程
で、固相反応が進む温度領域内の昇温途中で昇温速度を
50℃/Hr以上遅くする理由は、固相反応が進む温度
領域での昇温速度がコージェライト質セラミックスハニ
カム構造触媒用担体の熱膨張係数、気孔率ならびに細孔
分布に寄与することを見出したことによる。すなわち、
固相反応が進む温度領域内において、この温度領域の後
期の昇温速度を、同温度領域の初期での昇温速度より5
0℃/Hr以上遅くすることにより、固相反応が進む温
度領域以前の焼成により、熱収縮して緻密化が急激に進
んで原料粒子間隔が小さくなったハニカム構造焼成体
は、主反応である液相反応温度領域で、コージェライト
化を促進する過程で低熱膨張と高気孔率が得られるから
である。すなわち、固相反応が進む温度領域において、
膨張が始まる温度前後から昇温速度を同領域初期の速度
よりも50℃/Hr以上遅くすることにより、急激な速
度低下により低熱膨張と高気孔率となる状態を維持した
ままゆっくりと緻密化が進むため、その後の主反応であ
る液相反応過程で、直径5μm以上の細孔が分割され
て、直径0.5〜2μmの微細な細孔が増加し、この直
径0.5〜2μmの細孔の総細孔容積は全細孔容積の3
0%以上を占めるようにすることができたものである。
【0023】ここで、好ましくは固相反応が進む温度領
域が1200〜1300℃であれば良く、この温度領域
後期1250〜1300℃間の昇温速度を、初期120
0〜1250℃間の昇温速度より50℃/Hr以上遅く
すると良い。温度領域の初期と後期の境目は1250℃
と記載したが、この境目の温度1250℃は厳密な値で
はなく、若干の差が生じてもよいし、この温度範囲内で
昇温速度を下げることを行えば、効果の差はあるが、同
様な効果を得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。 (実施例1)原料粉末としてカオリン、仮焼カオリン、
タルク、アルミナ、水酸化アルミニウム、及びシリカを
用い、これらがコージェライト組成となるよう表1に示
すような割合で配合した。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示す割合に配合した原料粉末にバイ
ンダーとしてメチルセルロース、潤滑剤を添加し、水を
加えて混練し、押し出し成形した後に乾燥させて、図3
に示すような形状のハニカム構造乾燥体を製作した。こ
のハニカム構造乾燥体の形状は、セル壁の厚みは150
μm、1平方センチ当りのセル数62個の四角セル形状
を有し、直径105mm、長さ118mmの円柱状とし
た。このハニカム構造乾燥体をバッチ式焼成炉の棚板上
に積載して焼成し、コージェライト質セラミックハニカ
ム構造触媒用担体を得た。この焼成時において、固相反
応が進む温度領域である1200〜1300℃の昇温速
度が、ハニカム構造体の細孔及び強度に対して如何なる
影響を与えるかを実験した。この実験結果を表2に示し
ている。表2は、1200〜1250℃の温度域、及び
1250〜1300℃の温度域における昇温速度を変化
させて焼成したときに、全細孔容積、気孔率、直径が
0.5〜2μmである細孔の総細孔容積及びその全細孔
容積に占める割合、直径が5〜10μmであるの細孔の
総細孔容積及びその全細孔容積に占める割合、直径が1
0μm以上である細孔の総細孔容積及びその全細孔容積
に占める割合、A軸圧縮強度及びセル空間を含む担体容
積当りの質量(g/l、lはリットル)を測定した結果
を示している。また、本実験ではA軸圧縮強度の目標値
は18MPa以上と設定し、18MPa以上を良(○印
で表示)、18MPa未満を不可(×印で表示)とし、
この評価結果を表2の強度評価欄に示している。なお、
気孔率及び細孔分布の測定は水銀圧入法により測定し
た。
【0027】
【表2】
【0028】表2から明らかなように、1200〜13
00℃の温度領域での昇温速度を、同領域初期(120
0〜1250℃)に対して同領域後期(1250〜13
00℃)を50℃/Hr以上遅くした本発明例である試
験No.1〜7においては、気孔率は35%以上(全て
が37.8%以上)、セル空間を含む担体容積当りの質
量が400g/リットル以下、A軸圧縮強度が18MP
a以上、を満足するコージェライト質セラミックハニカ
ム構造触媒用担体が得られた。また、細孔容積は、直径
0.5〜2μmの細孔が全細孔容積の30%以上、直径
5〜10μmの細孔が全細孔容積の20%以下、直径1
0μm以上の細孔が全細孔容積の30%以下のコージェ
ライト質セラミックハニカム構造触媒用担体が得られ
た。
【0029】これに対して、焼成時の1200〜125
0℃の昇温速度を50℃/Hrにし、1250〜130
0℃の昇温速度を7.5℃/Hrとした比較例である試
験No.8〜12、及び1200〜1300℃の温度領
域で、昇温速度を120℃/Hrとした従来例である試
験No.13〜17においては、気孔率が35%以上、
担体容積当りの質量が400g/リットル以下、A軸圧
縮強度が18MPa以上、の全てを満足するコージェラ
イト質セラミックハニカム構造触媒用担体は得られなか
った。特に、これら比較例、及び従来例においては、直
径0.5〜2μmの細孔の総細孔容積が全細孔容積に占
める割合が7.5〜13.2%と低くなり、また直径5
〜10μmの細孔の総細孔容積が全細孔容積に占める割
合が33.5〜43.9%と高くなり、これが上記の通
り気孔率が35%以上、セル空間を含む担体容積当りの
質量が400g/リットル以下、A軸圧縮強度が18M
Pa以上の全てを満足するコージェライト質セラミック
ハニカム構造触媒用担体が得られなかった理由と推測さ
れる。試験No.4(本発明例)と試験No.14(従
来例)の昇温速度で得たコージェライト質セラミックハ
ニカム構造触媒用担体の細孔の直径と累積細孔容積との
関係を図1に示す。図1は細孔の直径(対数目盛)と累
積細孔容積との関係を示すグラフであり、曲線Aは試験
No.4(本発明例)、曲線Bは試験No.14(従来
例)を示している。
【0030】上記の実施例1より、セル壁の厚みが15
0μmの薄壁を有するコージェライト質セラミックハニ
カム構造触媒用担体において、1200〜1300℃の
焼成温度領域で昇温速度を変化させてコージェライト質
セラミックハニカム構造触媒用担体の細孔を微細化する
こと、すなわち、コージェライト質セラミックハニカム
構造触媒用担体の固相反応が進む温度領域内である約1
200〜1300℃の温度領域内で、昇温途中である1
250〜1300℃の昇温速度を、1200〜1250
℃の領域より50℃/Hr以上遅くすることにより、気
孔率が35%以上と高く、さらにセル空間を含む担体容
積あたりの質量が400g/リットル以下の従来にない
軽量でありながら、A軸圧縮強度を低下させることがな
いコージェライト質セラミックハニカム構造触媒用担体
が得られることが明らかになった。
【0031】(実施例2)表2の試験No.2(本発明
例)、試験No.4(本発明例)、試験No.14(従
来例)、に示す昇温速度で焼成して得たコージェライト
質セラミックハニカム構造触媒用担体を、実際にキャタ
リストとして組立て、このハニカム担体内に排ガスを流
して速熱性について測定した。図2は、この測定結果で
あるキャタリストの入口と出口の排ガス温度と経過時間
との関係を示すグラフである。図2において、キャタリ
ストの出口の排ガスの出口温度の変化を示す曲線から明
らかなように、約30秒経過後に、従来例である試験N
o.14と、本発明例である試験No.2、4とは、速
熱性に差が生じ始め、触媒が活性化し始める温度である
約200〜250℃に到達する時間は、本発明の焼成方
法で得たコージェライト質セラミックハニカム構造触媒
用担体は、従来の焼成方法で得た担体と比較して、約8
秒短縮されることが明らかになった。このように本発明
例において速熱性が向上する理由は、直径0.5〜2μ
mの細孔が全細孔容積の30%以上と微細な細孔の割合
が高いこと、及びセル空間を含む担体容積あたりの質量
が400g/リットル以下と軽量化されたために熱容量
が低下したことによるものと推測される。
【0032】以上に説明した上記本発明の実施の形態の
説明において、セラミックハニカム構造触媒用担体のセ
ル空間は四角セル形状について説明したが、本発明は四
角セル形状の他、六角形、その他任意の形状にも適用で
きる。また、本発明のコージェライト質セラミックハニ
カム構造触媒用担体の断面形状は円形のみならず、楕円
形状にも適用できる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、気孔率が35%以上と
高いために触媒担持性が良く、かつセル空間を含む担体
容積あたりの質量が400g/リットルと軽量化されて
いるために、熱容量が小さく速熱性が良好であり、しか
も高いA軸圧縮強度を有しているために高い担体強度を
有するコージェライト質セラミックハニカム構造触媒用
担体を得ることができる。このため、コールドスタート
時の触媒活性化までの時間を短縮でき、しかもキャニン
グによる圧力、及び熱衝撃による熱応力に対しても強
く、極めて信頼性の高い、コージェライト質セラミック
ハニカム構造触媒用担体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法及び従来例の製造方法で製
造したコージェライト質セラミックハニカム構造触媒担
体の細孔直径と累計細孔容積との関係を示すグラフであ
る。
【図2】 本発明及び従来例のコージェライト質セラミ
ックハニカム構造触媒担体において、コールドスタート
時の排気ガスの出口温度と経過時間との関係を示すグラ
フである。
【図3】 (a)はコージェライト質セラミックハニカ
ム構造触媒担体の外観を示す図であり、(b)は図3
(a)のセル空間部の要部拡大図である。
【符号の説明】
1:コージェライト質セラミックハニカム構造触媒用担
体 2:セル空間 3:セル壁 4:周壁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶相の主成分がコージェライト質セラ
    ミックからなるハニカム構造体で、直径0.5〜2μm
    の細孔の総細孔容積が全細孔容積の30%以上、直径5
    〜10μmの細孔の総細孔容積が全細孔容積の20%以
    下、直径10μm以上の細孔の総細孔容積が全細孔容積
    の30%以下であり、気孔率が35%以上、A軸圧縮強
    度が18MPa以上、かつセル空間を含む担体容積あた
    りの質量が400g/リットル以下であることを特徴と
    するコージェライト質セラミックハニカム構造触媒用担
    体。
  2. 【請求項2】 コージェライト化原料を混合混練してハ
    ニカム構造体に押し出し成形後、焼成するコージェライ
    ト質セラミックハニカム構造触媒用担体の製造方法にお
    いて、前記ハニカム構造体の固相反応が進む温度領域内
    の昇温途中で、昇温速度を同域内のそれまでの昇温速度
    より50℃/Hr以上遅くすることを特徴とするコージ
    ェライト質セラミックハニカム構造触媒用担体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 ハニカム構造体の固相反応が進む温度領
    域である約1200〜1300℃において、1250〜
    1300℃間の昇温速度を1200〜1250℃間の昇
    温速度より50℃/Hr以上遅くすることを特徴とする
    請求項2に記載のコージェライト質セラミックハニカム
    構造触媒用担体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1538313A1 (de) * 2003-12-06 2005-06-08 DaimlerChrysler AG Trägerkörper für einen Katalysator
WO2005068396A1 (ja) * 2004-01-13 2005-07-28 Ngk Insulators, Ltd. ハニカム構造体及びその製造方法
JP2007229628A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 排ガス処理システム
US7897099B2 (en) 2004-01-13 2011-03-01 Ngk Insulators, Ltd. Method for producing honeycomb structure

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