JP2001333703A - ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド及び水を含有する乳化剤組成物 - Google Patents
ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド及び水を含有する乳化剤組成物Info
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Abstract
剤組成物を提供する。 【解決手段】ショ糖脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂
肪酸エステル,有機酸モノグリセリド及び水を含有する
乳化剤組成物であって、有機酸モノグリセリドの構成有
機酸の第一酸解離定数が4未満であることを特徴とする
乳化剤組成物。
Description
テル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリ
セリド及び水を含有する乳化剤組成物、及びこれを含有
する飲食品、並びにこの乳化剤組成物の製造方法に関す
る。詳しくは、抗菌性乳化剤を含み溶解性が改良された
乳化剤組成物に関する。
抗菌性乳化剤が添加されている。特にミルクコーヒー等
の缶飲料には、ショ糖脂肪酸モノエステルが好ましいこ
とが知られている(特開昭56−18578号公報、同
60−199345号公報など)。
下では溶解性が悪いため沈殿を生じることが多く保存安
定性の面で問題があるため、分散性を改良するためにポ
リグリセリン脂肪酸エステルを併用することが提案され
ている(特開平7−289875号公報)。また、近年
のPETボトル等の透明容器入りの飲料の需要増大に対
応して透明な外観を有する飲料に適した抗菌剤として、
モノエステル含量が93%重量以上のショ糖脂肪酸エス
テルが知られている(特開平10ー70971号公
報)。
外観を有する飲食品に、ショ糖脂肪酸エステルとポリグ
リセリン脂肪酸エステルを併用したり、モノエステル含
量93%以上のショ糖脂肪酸エステルを使用しても、保
存中、飲食品中の共存成分によって濁りや沈澱を生じて
外観を損なったり、抗菌効果が低下するという問題があ
った。また、添加したショ糖脂肪酸エステルそれ自体が
析出して濁りや沈澱となる場合もあった。
エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルの他に、有機
酸モノグリセリドを併用することが考えられる(特願平
11ー159589号明細書)。
肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸
モノグリセリド、及び水を含有する乳化組成物を改良を
すべく鋭意検討した結果、特定の構成有機酸を有する有
機酸モノグリセリドを用いた場合に、低温保存において
も、飲食品の濁り、沈殿等を抑えることを見出し、本発
明に到達した。
テル,ポリグリセリン脂肪酸エステル,有機酸モノグリ
セリド及び水を含有する乳化剤組成物であって、有機酸
モノグリセリドの構成有機酸の第一酸解離定数が4未満
であることを特徴とする乳化剤組成物に存する。第2の
要旨は、前記乳化剤組成物を含有する飲食品に存する。
に予め溶解させた後に、他の成分と混合することを特徴
とする前記乳化剤組成物の製造方法に存する。
する。本発明の乳化剤組成物は、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセ
リド、及び水を必須成分とする。本発明で使用されるシ
ョ糖脂肪酸エステルは、抗菌性が強く且つ密封容器で問
題となる微生物に対する抗菌スペクトルが広い点で炭素
数が8〜18の脂肪酸を構成脂肪酸とするショ糖脂肪酸
エステルが好ましい。中でも、抗菌性の強さの点から、
ショ糖パルミチン酸エステルが好ましい。ショ糖脂肪酸
エステル中のモノエステル純度は飲食品中の溶解性の観
点から好ましくは50%以上、更に好ましくは70%以
上、更に好ましくは80%以上、特に好ましくは90%
以上である。
ステルは、風味の点から、構成脂肪酸の炭素鎖長が12
以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
これらの中では、構成脂肪酸がラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸またはベ
ヘン酸のエステルが好ましく、特にミリスチン酸のエス
テルが好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルの平均
エステル化度は、一般には0.1以上2以下、特に0.
5以上2以下が好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステ
ルにおけるポリグリセリンの重合度は任意であるが、親
水性の点から、一般には、平均重合度4以上20以下、
特に6以上15以下であることが好ましい。
肪酸エステルは、ポリグリセリン脂肪酸エステルを8重
量%の硫酸ナトリウム水溶液に1重量%で溶解させた溶
液で測定した曇点が35℃以上であることが好ましく、
更には50℃以上であることが好ましい。「曇点」と
は、水和している非イオン性界面活性剤が高温で脱水和
して水から分離してくる現象であり、ポリオキシエチレ
ン系の界面活性剤では良く知られている。通常、ポリグ
リセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンを脂肪酸で
エステル化して製造されるため、未反応のポリグリセリ
ン、モノ、ジ、トリ等の種々のエステル体からなる組成
物となる。曇点は、ポリグリセリン脂肪酸エステルの構
造組成に鋭敏であり脂肪酸石鹸の影響をも反映するので
親水性の程度や組成の違いをより正確に識別することが
出来る上に、測定も簡便であることから、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステル組成物の特徴を表す指標としてHLB
(親水性と疎水性のバランス)よりも有用である。通
常、親水性が強いほど曇点は高くなる。また、エステル
化率が同じであってもモノエステル含量が多いエステル
組成の方がより親水性が高く、曇点も高くなる。
塩化ナトリウムまたは硫酸ナトリウム溶液にポリグリセ
リン脂肪酸エステルを溶解した後に測定する必要がある
が、その条件は対象となる試料の溶解性により異なる。
本発明の場合、まずポリグリセリン脂肪酸エステル組成
物を1重量%となるように8%硫酸ナトリウム水溶液に
分散し、加熱しながら攪拌し、均一な水溶液とする。そ
して得られたポリグリセリン脂肪酸エステル均一水溶液
を、0℃以上100℃以下の任意の温度で2〜5℃刻み
に振とう攪拌・静地し、ポリグリセリン脂肪酸エステル
が油状あるいはゲル状のごとく分離し、不均一水溶液と
なった状態を測定する。この不均一状態を「曇点」と呼
び、本発明ではその温度を求める。尚、100℃以上で
は、曇点の測定が困難となる。
にはポリグリセリンと脂肪酸をアルカリ触媒存在下に1
80〜260℃の温度で反応させることにより得られ
る。ポリグリセリンに対して脂肪酸の仕込み比率が大き
いと曇点の低い組成物が得られ、逆の場合は曇点の高い
組成物が得られる。しかし、このような仕込み比率であ
っても、通常のアルカリ触媒による反応では、モノエス
テル体の多いポリグリセリン脂肪酸エステルを得ること
は困難であり、未反応のポリグリセリンとジエステル以
上の高置換度のポリグリセリン脂肪酸エステルを比較的
多く含んだものが得られることになる。本発明の特定曇
点のポリグリセリン脂肪酸エステル組成物を得るために
は、通常、アルカリ触媒の量を減じ、2段階反応で後半
の温度を高める方法、例えば反応温度180〜260℃
でのエステル化反応後に、さらに反応温度を10〜50
℃上昇させて1〜4時間反応させる方法を用いることが
出来る(特開平7−145104号公報参照)。従っ
て,特定の曇点を示すポリグリセリン脂肪酸エステル組
成物を得るためには、このような特定の反応条件で製造
することが望ましい。 反応させるポリグリセリンが過
剰の場合には、未反応のポリグリセリンを製品中に多く
含むことになる。未反応のポリグリセリン量が多いほど
ポリグリセリン脂肪酸エステル組成物の親水性は高くな
るが、実質のポリグリセリン脂肪酸エステル量は少なく
なるために、耐熱性好酸性菌等への微生物に対する抗菌
効果が低くなる。従って、存するポリグリセリンの量は
70重量%以下が好ましく、更に好ましくは60重量%
以下である。
は、モノグリセリドに更に有機酸がエステル結合したも
のであるが、その有機酸の第一酸解離定数は、4未満で
あり、好ましくは2〜3.5、更に好ましくは2〜3で
ある。構成有機酸の第一解離定数が4未満であると、低
温保存においても飲食品の濁り、沈殿等を抑えることが
できる。有機酸は、同一分子内に2以上のカルボキシル
酸基を有することが好ましい。第一酸解離定数が4未満
で、かつカルボキシル酸基を2以上有する有機酸の水酸
基が、ジアセチル酒石酸のようにアセチル化されていて
も良い。好ましい有機酸として、酒石酸、クエン酸、ジ
アセチル酒石酸等が挙げられる。
成脂肪酸の炭素鎖長が12以上であることが好ましい。
これらの中では、構成脂肪酸がラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸またはベ
ヘン酸のエステルが好ましく、特にポリグリセリンミリ
スチン酸エステルが好ましい。本発明の乳化剤組成物の
好ましい製造方法は、まずショ糖脂肪酸エステルを室温
の水に分散させる。この後、60〜70℃に加熱するこ
とによって、完全に溶解させる。溶解できなかった場
合、室温、加熱の操作を繰り返す。完全に水に溶解後、
ポリグリセリン脂肪酸エステルを加え、加熱攪拌して、
均一分散後、有機酸モノグリセリドを添加し、完全に分
散させる。この場合、ポリグリセリン脂肪酸エステルと
有機酸モノグリセリドの順番はどちらが先でも構わな
い。
肪酸エステル1重量部に対して、一般に、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルは0.1〜5未満重量部、有機酸モノ
グリセリドは0.01〜5未満重量部、水は0.1〜1
00重量部配合するが、好ましくは、ポリグリセリン脂
肪酸エステルは0.1〜4重量部、有機酸モノグリセリ
ドは0.01〜1重量部、水は0.1〜10重量部配合
する。本発明の乳化剤組成物は、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセ
リド、及び水を主成分とするが、本発明の効果が損なわ
れない範囲で他の添加剤も含有することもできる。
スープ、コーヒー、紅茶、緑茶、果汁、ゼリー、寒天製
品などの従来から抗菌性乳化剤を添加することが推奨さ
れている飲食品に広く使用することができるが、その中
でも、透明または半透明な飲料の抗菌に好適に使用で
き、特に、内容液の溶状が容易に観察されるPET及び
ガラス瓶入りの透明または半透明飲料では有意義であ
る。飲料は、測定波長620nmにおける透過度が10
%以上であることが好ましく、更には透過度が30%以
上であることが好ましく、更に透過度50%以上である
ことが好ましい。飲料としは、pH2〜5の酸性飲料が
好ましく、更に2.5〜4の酸性飲料が好ましい。酸性
飲料としては、果汁入り清涼飲料、果汁入り紅茶飲料、
スポーツ飲料、栄養補給飲料、ドリンク剤などが挙げら
れる。
糖脂肪酸エステルの濃度として、通常1〜300pp
m、好ましくは3〜100ppmの範囲である。乳化剤
組成物としての飲食品への添加量は、通常5〜1500
ppm、好ましくは10〜500ppmの範囲である。
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り,以下の
実施例に限定されるものではない。 [ポリグリセンミリスチン酸エステル組成物の製造] 製造例1 ポリグリセリン(平均重合度8.77,平均分子量66
7,水酸基価906)667g(1モル)とミリスチン
酸(純度99%,平均分子量228)129g(0.5
6モル)を加熱ジャケット付き攪拌型反応槽に仕込み、
10%水酸化ナトリウム0.213g(対原料合計量
0.0025wt%)を加えて、窒素気流下、240℃
に昇温して3時間反応させた後、更に260℃で4時間
反応させてポリグリセリンミリスチン酸エステル組成物
(酸価0.5mgKOH/g、鹸化価40mgKOH/
g)を786gを得た。
組成物の曇点を下記の方法で測定したところ、57.5
℃であった。 <曇点の測定方法>ポリグリセリン脂肪酸エステル組成
物を1重量%となるように8重量%硫酸ナトリウム水溶
に分散し、加熱しながら攪拌し、均一な水溶液とする。
そして得られたポリグリセリン脂肪酸エステル水溶液
を、0℃以上100℃以下の任意の温度で2〜5℃刻み
に振とう攪拌・静置し、ポリグリセリン脂肪酸エステル
が油状あるいはゲル状のごとく分離し、不均一水溶液と
なった温度を曇点とした。
肪酸エステル1重量部に水を2重量部添加し、一旦ショ
糖脂肪酸エステルを分散させ、その後、加熱攪拌し、完
全に溶解させた。これに製造例1で製造したポリグリセ
リンミリスチン酸エステルを添加し、加熱攪拌して完全
に分散させた。次に、表1に示す有機酸モノグリセリド
を添加し、70℃で加熱混合して乳化剤組成物を製造し
た。各成分の重量比を表1に示す。尚、各有機酸モノグ
リセリドの構成有機酸の第一酸解離定数を表2に示す。
30ppmなるように0.1%クエン酸水(pH2.
9)に溶解し、90℃10分加熱殺菌し、5℃または2
5℃で保存し、1日、7日、1ヶ月、3ヶ月後の水溶液
の濁り度、沈殿を目視で観察した。結果を表3に示す。
1、比較例7、8で用いた乳化剤組成物を、0.1%ク
エン酸水溶液に添加する代わりに、pH3.5の桃の天
然水(JT)に溶解した以外は、実施例1、比較例7、
8と同様に加熱殺菌後、5℃で保存して、飲料の濁り
度、沈殿を目視で観察した。その結果を表4に示す。
添加した飲料は、低温において沈殿を生じにくく、透明
性を保持することができる。
添加した飲食品は、室温のみならず、低温においても、
長期に渡って濁りや沈殿を生じずに透明性を保持するこ
とができる。
Claims (7)
- 【請求項1】ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂
肪酸エステル、有機酸モノグリセリド及び水を含有する
乳化剤組成物であって、有機酸モノグリセリドの構成有
機酸の第一酸解離定数が4未満であることを特徴とする
乳化剤組成物。 - 【請求項2】有機酸モノグリセリドの構成有機酸の第一
酸解離定数が2〜3.5であり、分子内に2つ以上のカ
ルボキシル基を有することを特徴とする請求項1記載の
乳化剤組成物。 - 【請求項3】ショ糖脂肪酸エステルのモノエステル純度
が50%以上であることを特徴とする請求項1または2
に記載の乳化剤組成物。 - 【請求項4】ポリグリセリン脂肪酸エステルが8%Na
2SO4水溶液中1重量%濃度で測定した曇点が35℃以
上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
記載の乳化剤組成物。 - 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載の乳化剤
組成物を含有することを特徴とする飲食品。 - 【請求項6】請求項1乃至4のいずれかに記載の乳化剤
組成物を含有することを特徴とする透明または半透明の
飲料。 - 【請求項7】ショ糖脂肪酸エステルを水に溶解した後、
これとポリグリセリン脂肪酸エステル及び有機酸モノグ
リセリドと混合することを特徴とする請求項1乃至4の
いずれかに記載の乳化剤組成物の製造方法。
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JP2006346526A (ja) * | 2005-06-13 | 2006-12-28 | Taiyo Kagaku Co Ltd | ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびこれを含有する組成物 |
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-
2000
- 2000-05-26 JP JP2000155771A patent/JP3620410B2/ja not_active Expired - Lifetime
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WO2008039564A1 (en) | 2006-09-25 | 2008-04-03 | Bob Comstock | Process for solubilization of flavor oils |
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