JP2001331216A - 現場業務支援システム - Google Patents

現場業務支援システム

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JP2001331216A
JP2001331216A JP2000146961A JP2000146961A JP2001331216A JP 2001331216 A JP2001331216 A JP 2001331216A JP 2000146961 A JP2000146961 A JP 2000146961A JP 2000146961 A JP2000146961 A JP 2000146961A JP 2001331216 A JP2001331216 A JP 2001331216A
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Application number
JP2000146961A
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English (en)
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Naoto Watabe
直人 渡部
Yutaka Hagiwara
豊 萩原
Yasuto Nakajima
慶人 中島
Norihiko Ito
憲彦 伊藤
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Central Research Institute of Electric Power Industry
Original Assignee
Central Research Institute of Electric Power Industry
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現場業務、異常事態への対処、現場作業者の
訓練を総合的に支援するシステムを構築する。 【解決手段】 現場業務を支援する情報と現場業務に想
定される異常事態に関する情報を備えるデータベース手
段1と、通常時の現場業務の支援を双方向通信手段を通
じてデータベース手段1を利用して行う現場支援サブシ
ステム2と、現場業務に発生した異常事態への対応の支
援を双方向通信手段を通じてデータベース手段1を利用
して行う緊急時対応支援サブシステム3と、データベー
ス手段1を利用して現場業務とこれに想定される異常事
態の対処を訓練する教育訓練サブシステム4を備え、現
場支援サブシステム2とともに緊急時対応支援サブシス
テム3を予め立ち上げておき、異常発生時の現場支援サ
ブシステム2から緊急時対応支援サブシステム3への切
替を迅速に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現場業務支援シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】長大物や危険物等の輸送を行う場合に
は、輸送ルートに存在するトンネル、橋等の構造物や人
口密集地等についての情報、輸送ルートの交通情報、気
象情報等を現場の作業者が知っておくことが必要であ
る。また、事故などの異常事態の発生時には現場の作業
者が適切に対処する必要があると共に、万が一の事故の
発生に備えて常日頃から対処法を訓練しておくことが必
要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来、通
常の現場業務、万が一発生した異常事態への対処、現場
作業者の訓練を総合的に支援するシステムは存在してい
なかった。
【0004】本発明は、現場業務、異常事態への対処、
現場作業者の訓練を総合的に支援する現場業務支援シス
テムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに請求項1記載の現場業務支援システムは、現場業務
を支援する情報と現場業務に想定される異常事態に関す
る情報を備えるデータベース手段を構築し、通常時の現
場業務の支援と、現場業務に発生した異常事態への対応
の支援とを双方向通信手段を通じてデータベース手段を
利用して行うと共に、データベース手段を利用して現場
業務とこれに想定される異常事態の対処を訓練するもの
である。
【0006】したがって、通常の現場業務と、発生した
異常事態への対処と、現場作業者の訓練を総合的に支援
することができる。すなわち、通常時に現場業務の支援
を行う現場支援サブシステムと、現場業務に発生した異
常事態への対応を支援する緊急時対応支援サブシステム
と、現場業務を再現して訓練者に体験させる教育訓練サ
ブシステムを共通のデータベース手段のもとで運用する
ことで、通常の現場業務、発生した異常事態への対処、
現場作業者等の訓練を一つのシステムで総合的に支援す
ることができる。現場との通信には双方向通信手段を利
用するので、現場の状況変化に応じた支援が可能であ
る。また、共通のデータベース手段を使用するので、実
際の業務や異常事態に則した訓練を行うことができる。
【0007】また、請求項2記載の現場業務支援システ
ムは、現場業務を支援する情報と現場業務に想定される
異常事態に関する情報を備えるデータベース手段と、通
常時の現場業務の支援を双方向通信手段を通じてデータ
ベース手段を利用して行う現場支援サブシステムと、現
場業務に発生した異常事態への対応の支援を双方向通信
手段を通じてデータベース手段を利用して行う緊急時対
応支援サブシステムと、データベース手段を利用して現
場業務とこれに想定される異常事態の対処を訓練する教
育訓練サブシステムを備え、現場支援サブシステムとと
もに緊急時対応支援サブシステムを予め立ち上げてお
き、異常発生時の現場支援サブシステムから緊急時対応
支援サブシステムへの切替を迅速に行うものである。
【0008】したがって、通常の現場業務、発生した異
常事態への対処、現場作業者等の訓練を一つのシステム
で総合的に支援することができる。現場との通信には双
方向通信手段を利用するので、現場の状況変化に応じた
支援が可能である。また、現場業務の支援を行う場合に
は、異常事態が発生していなくても緊急時対応支援サブ
システムを予め立ち上げておくので、異常事態の発生
後、速やかに緊急時対応支援サブシステムに切り替える
ことができる。
【0009】これらの場合、請求項3記載の現場業務支
援システムでは、現場業務は放射性物質の輸送業務であ
る。したがって、放射性物質の輸送業務について、総合
的に支援を行うシステムが構築される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0011】図1及び図2に、本発明を適用した現場業
務支援システムの実施形態の一例を示す。この現場業務
支援システムは、現場業務を支援する情報と現場業務に
想定される異常事態に関する情報を備えるデータベース
手段1を構築し、通常時の現場業務の支援と、現場業務
に発生した異常事態への対応の支援とを双方向通信手段
6を通じてデータベース手段1を利用して行うと共に、
データベース手段1を利用して現場業務とこれに想定さ
れる異常事態の対処を訓練するものである。
【0012】すなわち、現場業務支援システムは、通常
時の現場業務の支援を双方向通信手段6を通じてデータ
ベース手段1を利用して行う現場支援サブシステム2
と、現場業務に発生した異常事態への対応の支援を双方
向通信手段6を通じてデータベース手段1を利用して行
う緊急時対応支援サブシステム3と、データベース手段
1を利用して現場業務とこれに想定される異常事態の対
処を訓練する教育訓練サブシステム4を共通のデータベ
ース手段1のもとで運用するものである。また、現場支
援サブシステム2とともに緊急時対応支援サブシステム
3を予め立ち上げておき、異常発生時の現場支援サブシ
ステム2から緊急時対応支援サブシステム3への切替を
迅速に行うようにしている。
【0013】本実施形態では、現場業務は例えば放射性
物質の輸送業務である。ただし、放射性物質の輸送業務
に限るものではないことは勿論である。この放射性物質
の輸送業務は、輸送現場5で実際に放射性物質の輸送を
行う輸送チームと、輸送チームの各現場作業員に双方向
通信手段6を利用して各種指示を送る本部7とに分かれ
て遂行される。また、現場作業者や本部7のオペレータ
の教育訓練は、訓練施設9で行われる。
【0014】データベース手段1は各種のデータベース
(DB)より構築されており、輸送ルートに関する地理
データやルート上の注意ポイント、交通情報、想定され
る事故、輸送物に関する研究データ等が蓄積されてい
る。データベース手段1は本部7に設置されており、本
部7のコンピュータ、輸送現場5のコンピュータ、教育
訓練施設9のコンピュータ等によってアクセス可能とな
っている。なお、輸送現場5のコンピュータとして、各
現場作業者は例えば携帯可能な小型のコンピュータを装
備している。この小型コンピュータの表示装置として
は、例えば作業環境を見ながらこれにデータを重ねて表
示できるゴーグル形のシースルータイプのヘッド・マウ
ンティッド・ディスプレイ(HMD)が使用され、作業
を行いながら表示される情報の確認が可能である。ただ
し、HMDはシースルータイプのものに限るものではな
い。また、表示装置はHMDに限るものではなく、例え
ば腕時計に似た形状で手首等に装着するタイプの小型デ
ィスプレイ等であっても良い。
【0015】輸送現場5には周囲の状況を撮影するビデ
オカメラや各種センサ類が設けられており、輸送現場5
の状況に関するデータが本部7に伝えられる。すなわ
ち、現場支援サブシステム2や緊急時対応支援サブシス
テム3では、輸送現場5と本部7との間で双方向通信手
段6を利用して各種データをやり取りし、また、データ
ベース手段1に蓄積されているデータを適宜引き出して
意志決定や行動の参考にできるよう現場業務を支援す
る。
【0016】図3に、現場業務支援システムによる現場
業務の支援を示す。放射性物質の輸送を行うために現場
業務支援システムを稼働させると、まず最初に、現場支
援サブシステム2と緊急時対応支援サブシステム3の両
方のサブシステムが立ち上げられる(ステップS2
1)。しかしながら、通常の現場業務は現場支援サブシ
ステム2によって業務支援が行われる(ステップS2
2)。そして、現場業務に何らかの異常が発生しない限
り、輸送業務が終了するまで現場支援サブシステム2に
よって業務支援が行われる。
【0017】一方、現場業務に何らかの異常が発生する
と、ステップS23からステップS25に進んで業務支
援を行うサブシステムが現場支援サブシステム2から緊
急時対応支援サブシステム3に切り替わる。緊急時対応
支援サブシステム3はステップS21において既に立ち
上げられているので、現場支援サブシステム2から緊急
時対応支援サブシステム3に迅速に切り替えることがで
き、異常事態への素早い対応を可能にする。緊急時対応
支援サブシステム3は、発生した異常が収束するまで業
務支援を行う。
【0018】そして、発生した異常が収束すると、ステ
ップS26からステップS22に戻り、業務支援を行う
サブシステムが緊急時対応支援サブシステム3から現場
支援サブシステム2に切り替わる。なお、業務支援を行
うサブシステムが現場支援サブシステム2に切り替えら
れた後においても緊急時対応支援サブシステム3は立ち
上げられており、再度の突然の異常発生に対しても迅速
な切り替えが可能となっている。
【0019】この後、現場支援サブシステム2によって
支援を行いながら放射性物質の輸送業務が続けられる。
そして、輸送業務が終了すると、ステップS24の判断
がイエスになり、現場業務支援システムを終了する。
【0020】なお、輸送現場5では現場業務支援システ
ムの稼働中に発生した異常やその対処による異常の推移
等に関するデータを採取しており、このデータはデータ
ベース手段1に蓄積される。
【0021】教育訓練サブシステム4では、データベー
ス手段1を用いて輸送現場5の作業者や本部7のオペレ
ータ等の教育訓練を行う。つまり、データベース手段1
には現場業務を支援する情報や想定される異常事態に関
する情報が蓄積されているので、教育訓練サブシステム
4はこれらの情報に基づいて現場業務や発生が想定され
る異常を再現する。訓練者は、再現された現場作業や発
生が想定される異常を疑似的に体験することで、現場業
務や発生した異常の対処法、その対処を行うことで異常
がどのように推移するか等を学習する。
【0022】このように、本システムでは、輸送現場5
と本部7との間を双方向通信手段6によって結び、輸送
現場5の情報をリアルタイムで共有するようにしている
ので、現場作業者が常に適切な行動をとれるようにサポ
ートすることができる。また、異常発生時にも輸送現場
5の情報をリアルタイムで提供できるので、迅速かつ適
切に対応することができる。
【0023】また、各サブシステム2〜4で共通のデー
タベース手段1を使用しており、実際の輸送業務や実際
に生じた異常事態を通じてこれらの情報をデータベース
手段1に蓄積し、このデータベース手段1を使用して教
育訓練サブシステム4を運用している。このため、訓練
者に輸送業務のシナリオ上想定し得るあらゆる事故の擬
似的な体験が可能となり、その時の対応を、数多くの訓
練者が同じプログラムによって繰り返し十分訓練するこ
とができる。
【0024】また、訓練時に収集した不適切な対応の記
録から、現場業務の対応マニュアルの不備な点(改良す
べき点)や、現場5で新たに装備すべき機材・システム
等のヒントを抽出することができる。即ち、教育訓練で
抽出された問題点を実際の輸送業務にフィードバックす
るのが容易になる。
【0025】なお、上述の形態は本発明の好適な形態の
一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の
要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。上述の説明では、放射性物質を輸送する業務を例に
していたが、これに限るものではないことは勿論であ
る。例えば、放射性物質以外のものの輸送業務や、防災
センター業務、消防業務、発電所管理業務等に適用して
も良いことは勿論である。
【0026】
【実施例】放射性物質の輸送業務を支援する現場業務支
援システムの例について具体的に説明する。
【0027】データベース手段1は、例えば地図DB
(データベース)、交通情報DB、危険個所情報DB、
事故シナリオDB、研究結果DB、環境影響評価DB、
輸送経過DB、事故・故障歴DB等を備えて構築されて
いる。現場支援サブシステム2は、例えばこれら全ての
DBを用いて通常の輸送業務を支援する。また、緊急時
対応支援サブシステム3は、例えば地図DB、事故シナ
リオDB、研究結果DB、環境影響評価DBを用いて異
常事態の収束作業を支援する。さらに、教育訓練サブシ
ステム4は、例えば地図DB、危険個所情報DB、事故
シナリオDB、研究結果DB、環境影響評価DB、事故
・故障歴DBを用いて教育訓練を行う。
【0028】地図DBは、少なくとも輸送ルートとその
周辺の地図データを蓄積しており、GIS(地理情報シ
ステム、ジオグラフィカル・インフォメーション・シス
テム)やGPS(グローバル・ポジショニング・システ
ム)と連動して使用される。輸送現場5の輸送チームが
携行する小型コンピュータの表示装置や本部7のコンピ
ュータの表示装置に地図DBのデータを利用して輸送現
場5の周辺の地図が表示され、現場チームの現在地がリ
アルタイムで表示される。なお、表示される地図の縮尺
は変更可能である。また、緊急時対応支援サブシステム
3では、発生した異常の影響範囲や現場作業者および周
辺住民の避難奨励範囲等が地図上に重ね合わせ表示され
る。すなわち、後述する研究結果DBや環境影響評価D
Bのデータが地図DBの地図上に重ね合わせて表示され
る。
【0029】交通情報DBは、過去の交通量統計に基づ
いた輸送日時の混雑予想等に関するデータを蓄積してい
る。現場作業者や本部オペレータは随時、輸送ルートの
混雑予想に関するデータを呼び出すことができる。ま
た、現場業務支援システムではVICS(登録商標)
(道路交通情報通信システム、ビークル・インフォメー
ション・コミュニケーション・システム)を採用して輸
送ルートの前方の混雑状況や事故状況等の情報を随時入
手しており、輸送ルートの前方で交通事故や災害等が発
生したとの情報を得ると、その情報をトリガとして輸送
現場5のコンピュータから本部7に向けて輸送スケジュ
ールやルートの変更についての問い合わせが自動的に発
せられる。また、本部7から輸送現場5に向けて現場作
業者の取るべき対応についてのアドバイスが行われる。
【0030】危険個所情報DBは、輸送ルート上の要注
意ポイントについての情報を蓄積している。例えば、長
大トンネル、桁下が数十mに達するような高架橋,橋
梁、近隣の化学コンビナート、高速道路のジャンクショ
ンや一般道の大規模交差点などの合流箇所等の所在地
と、これらのポイントを通過する際の注意事項等につい
ての情報が蓄積されている。現場作業者は、これらの情
報に随時アクセスすることができる。また、要注意ポイ
ントの例えば2km手前の地点までに現場作業者から要
注意ポイントに関する情報に対してアクセスがない場合
には、要注意ポイントに関する情報が本部7のコンピュ
ータから自動的に現場作業者に供給される。例えば、コ
ンピュータの合成音により「あと2kmで・・トンネル
です。追突による火災に注意してください。」と現場作
業者に対してアナウンスされる。また同時に、要注意ポ
イントの画像が、輸送現場5のコンピュータの表示装置
に表示される。
【0031】事故シナリオDBに蓄積されているデータ
は、事故等の異常事態が発生した場合にこの異常事態が
どのように進展していくかというシナリオで、想定され
る異常事態に対してどのような措置をとったかに応じて
異常事態が枝分かれして進展していくツリー構造となっ
ている。現場作業者や本部オペレータは、必要に応じて
この事故シナリオDBにアクセスし、音声や手入力の選
択操作によってツリー構造のシナリオ群の中を任意に行
き来することができ、異常事態の予想される進展を確認
することができる。これにより、現場作業者等は異常事
態に対する心構えを固めるとともに、いざというときの
取るべき処置を訓練通り思い出すことができる。また、
教育訓練サブシステム4では事故シナリオDBや事故・
故障歴DBの情報を利用して訓練を行う。
【0032】研究結果DBは、放射性物質の安全性に関
する研究データを蓄積している。例えば、放射性物質の
輸送容器の火災試験や落下試験を行った結果についての
データ等を蓄積している。現場作業者や本部オペレータ
が研究結果DBにアクセスすることで、例えば輸送容器
が炎上すると何分間もつのか、どの程度の高さから落下
させると輸送容器が壊れて中身の漏洩を招くか、放射性
物質が漏洩すると周辺環境へはどのような影響を与える
のか、などの情報を知ることができる。事故シナリオD
Bの要所要所には、この研究結果DBへのリンクが張ら
れており、発生した異常に関連する研究データを参照す
ることができる。例えば、事故シナリオDBの輸送容器
の火災シナリオにアクセスしている場合に、表示された
火炎に包まれた輸送容器の画像をクリックすると研究結
果DBの輸送容器の耐火性についてのデータにジャンプ
することができる。研究結果DBに蓄積されている図、
表、写真等の画像データは、例えばPDFファイル形式
で作成されており、必要に応じてテキスト情報も付加さ
れている。
【0033】環境影響評価DBは、例えば、輸送ルート
上のいくつかの代表地点をモデルケースとし、各代表地
点ごとに地形・人口密度・気象条件・放射性物質の漏洩
量などの諸条件を設定して大気中の放射性核種濃度分布
および集団被ばく線量等を計算し、その結果をDB化し
たものである。研究結果DBと同様に、事故シナリオD
Bの要所要所にはこの環境影響評価DBへのリンクが張
られており、発生した異常に関連するデータを参照する
ことができる。例えば、事故シナリオDBの輸送車両の
転落事故シナリオにアクセスしている場合に、表示され
た亀裂の生じた輸送容器の画像をクリックすると条件的
に最も近いモデルケースにおける大気中の放射性核種濃
度分布や集団被ばく線量に関するデータにジャンプする
ことができる。
【0034】輸送経過DBには、現場支援サブシステム
2と緊急時対応支援サブシステム3の稼働中に輸送現場
5でサンプリングされた各種データを蓄積する。蓄積す
るデータとしては、例えば交通状況に関するデータ、気
象状況に関するデータ、現場作業者の行動の記録、輸送
現場5と本部7との通信記録、異常発生時の放射線量や
輸送容器の温度等である。この輸送経過DBに各種デー
タを一旦蓄積した後、コンピュータ処理によって事故・
故障歴DB、事故シナリオDB、交通情報DB等にデー
タ転送し、これらのDBを適宜更新する。
【0035】事故・故障歴DBには、輸送経過DBに蓄
積されたデータのうち、輸送現場5で発生した異常の推
移に関するデータが蓄積される。したがって、この事故
・故障歴DBにアクセスすることで、過去に生じた異常
の推移を知ることができる。教育訓練サブシステム4で
は、事故・故障歴DBや上述の事故シナリオDBのデー
タを利用して訓練を行う。
【0036】ここで、本部7のコンピュータは輸送現場
5で異常が発生すると、輸送現場5から供給される観測
データ等に基づいて4次元同化解析を行い、異常の周辺
環境への拡散状況を計算し予測する。すなわち、現場に
設置した気象観測センサや、放射線や化学物質濃度セン
サ、GIS/GPS情報などをもとに、本部7の高速コ
ンピュータにより異常発生地点における詳細な大気拡散
計算(場所[x,y,z]と時間tを要素とする4次元
同化技術によりある時刻の濃度分布を予測する解析)を
行い、異常地点周辺における放射性物質の漏洩と拡散を
予測する。この4次元同化解析にはある程度の時間がか
かるので、異常発生直後に環境影響評価DBにアクセス
することで輸送チームと本部7の管理者の迅速な意志決
定を支援できる。また、環境影響評価DBの情報は警察
・消防・自治体等にも供給され、避難計画の予備策定等
に利用される。なお、大気拡散計算の結果は、輸送チー
ムへ送られると同時に、警察・消防・自治体等にも通報
され避難計画の正式策定に活用される。
【0037】なお、環境影響評価DBに過去に生じた事
故等における影響評価事例を蓄積するようにしても良
い。
【0038】緊急時対応支援サブシステム3のポイント
は、現場作業者が訓練で学習したことに留意して迅速に
且つ間違いなく適切に対応をとれるように支援すること
と、輸送現場5と本部7の間ならびに本部7と警察・消
防・自治体等の防災対策実施主体との間の通信連絡を確
保して情報供給を円滑にすることである。また、人間工
学的な見地から緊急時対応マニュアルの不備な箇所(人
間の特性として、どうしてもそのように行動・判断でき
ない、欠けている部分がある等)を摘出して、その改善
を図り、常に支援の適正化を図ることである。
【0039】なお、教育訓練サブシステム4では、地図
DBに蓄積されているデータの全てについて使用しなく
ても良い。例えば、地図DBのデータを輸送ルートの全
体について用いるのではなく、首都高速道路などの人口
密集地、橋脚の非常に高い橋梁(例えば岩手県八戸自動
車道の軽米高原橋)、長大トンネル(例えば関越トンネ
ル)、化学コンビナートの周辺地域、道路交差部分など
の代表的な箇所のデータを、訓練用に適宜選んで使用し
ても良い。
【0040】教育訓練サブシステム4では、訓練プログ
ラムを事故シナリオDBや事故・故障歴DBにそって展
開していく。例えば、崖上から輸送車両への落石事故、
輸送車両自体の転落事故(落下面の種類、例えば水面、
土、岩、コンクリートなどの人工構造物に応じて別々の
もの)、路上火災事故、トンネル火災事故、水没事故な
どについてのシナリオにそって訓練を行う。訓練プログ
ラムでは、事故シナリオDBにリンクを張っており、研
究結果DBや環境影響評価DB中の写真、図、動画デー
タなどを適宜参照することができる。また、このとき訓
練者の要求に応じて関連するテキスト情報(写真の解説
等)も同時に参照可能である。なお、訓練時に研究結果
DBや環境影響評価DBの情報を表示するモードと表示
しないモードを設定し、訓練者のリクエストに応じてモ
ード切替を行うようにしても良い。
【0041】データベース手段1の各DBには、各サブ
システム2〜4で共通利用できるファイル形式でデータ
が格納されている。例えば、文字データであればテキス
トファイル形式、図、表、写真等の画像データは、PD
Fファイル形式で格納されている。
【0042】このように、各サブシステム2〜4では1
つのデータベース手段1を共通利用しているが、各サブ
システム2〜4ごとに必要とされるデータの種類やアク
セス可能なユーザが異なっている。このため、現場業務
支援システムはアクセス制御機能を有しており、データ
ベース手段1にアクセス可能なユーザを制限するととも
に、各サブシステム2〜4ごとにアクセス可能なユーザ
を制限している。特に、現場支援サブシステム2と緊急
時対応支援サブシステム3では異常の発生や収束に応じ
て業務支援を実際に行うサブシステムを迅速に切り替え
る必要があることからより高度のセキュリティ性が要求
される。このため、上述のアクセス制御機能を設けるこ
とで、高度なセキュリティ性を確保することができる。
【0043】一方、教育訓練サブシステム4では、その
性質上それほど高いセキュリティ性が要求されず、ま
た、多くのユーザが利用するためセキュリティ性の確保
が難しい場合がある。このため、上述のデータベース手
段1をマスターデータベースとし、このマスターデータ
ベースから別個の教育訓練専用データベースを構築して
このデータベースを教育訓練サブシステム4で使用する
ようにしても良い。すなわち、管理者が定義したポリシ
ーに基づいて、マスターデータベースから教育訓練には
不要なデータや、高いセキュリティを必要とするデータ
を取り除いたサブセットを定義し、これを教育訓練専用
データベースとする。このようにすることで、教育訓練
用データベースはマスターデータベースから分離可能に
なる。この教育訓練用データベースは、上述のポリシー
に基づき、随時マスターデータベースとの同期がとられ
る。すなわち、マスターデータベースと教育訓練用デー
タベースとを同様に更新することが必要である。
【0044】なお、現場作業者や本部オペレータがデー
タベース手段1のデータを利用する場合には、コンピュ
ータの表示画面をメニュー画面とメイン画面に分割ある
いは複数のモニタに別々に表示し、メイン画面にデータ
を表示しながら、メニュー画面にデータベース手段1の
構造図を表示し、メイン画面に表示されているデータ
が、データベース手段1全体のどこに位置づけられてい
るかを表示するようにしても良い。また、メニュー画面
に表示される構造図にはリンクが張られており、リンク
部分をクリックすることでリンク先の情報をメイン画面
に表示するようにしても良い。
【0045】現場業務支援システムでは、異常の発生に
よって現場支援サブシステム2から緊急時対応支援サブ
システム3に切り替えているが、この切替は例えば以下
の4通りの手段によって行われる。すなわち、現場作業
者または本部オペレータの手動操作によって切り替える
ことができる。また、現場作業者または本部オペレータ
の音声指令をコンピュータが認識することで切り替える
ことができる。さらに、輸送現場5の輸送車両や輸送容
器に温度、放射線量、衝撃等を検出するセンサー類を設
置しておき、当該センサ類の検出値が所定の閾値を超え
て異常を示すと自動的に切り替えられる。また、発生し
た事故の種類を前記センサ類の検出値に基づいてコンピ
ュータが同定した場合に自動的に切り替えられる。
【0046】輸送現場5では、放射性物質を輸送容器に
収容して運搬する輸送車両に、警備車、機材人員輸送車
等が伴走する。輸送隊の構成員である管理者、警備員、
現場作業者、運転手の全員もしくは一部の者は統合化ヘ
ルメットと統合化ベストを装着している。統合化ヘルメ
ットには、現場作業者の視線と同一方向を写すビデオカ
メラ、可視化装置としてHMD(ヘッド・マウンティッ
ド・ディスプレイ)、放射線センサ(線量計)や赤外線
センサなどの各種センサ類、リアルタイムで双方向通信
を行うことができる双方向通信手段6としての無線通信
装置などが取り付けられている。HMDは例えばシース
ルータイプのもので、このHMDにはビデオカメラの映
像、各種センサ類による収集データ等を可視化して表示
することができ、これらのデータを現場作業者が作業を
中断せずに行いながら確認することができる。また、こ
れらのデータは、無線通信装置によって機材人員輸送車
の無線装置にリアルタイムで送られた後、さらに本部7
にリアルタイムで送信される。一方、本部7から機材人
員輸送車に送られたきた情報は、機材人員輸送車の無線
装置から現場作業者が携帯する無線通信装置に送られH
MDに映し出される。さらに、各現場作業員は、無線通
信装置を利用して現場作業員同士で連絡をとることがで
きる。一方、統合化ベストには、小型コンピュータや電
源が取り付けられている。小型コンピュータは、例えば
現場作業者が身体に装着することができる小型・装着型
のウェアラブルコンピュータである。ウェアラブルコン
ピュータは、上記のような画像処理・情報処理と通信制
御を行う。なお、統合化ベストにも、統合化ヘルメット
と同様に、線量計、各種センサ類、双方向通信手段6と
しての無線通信装置等を装備するようにしても良い。こ
れらの機器類を統合化ベストにも装備することで、シス
テムの冗長性を図ることができる。また、統合化ヘルメ
ットに装備する機器類が重くなりすぎる場合等には、線
量計、各種センサ類、無線通信装置等を統合化ベストに
のみ装備するようにしても良い。
【0047】また、機材人員輸送車には、現場作業者の
ビデオカメラの映像や本部7から送られてきた情報を表
示するディスプレイモニタ、現場作業者が装備するセン
サ類や後述するモニタリングポストのセンサ類の信号を
処理するデータロガー、双方向通信手段6としての無線
・衛星通信装置、GPS装置、可視化用画像処理や通信
制御さらには各種計算を実施するコンピュータ、電源等
が搭載されている。これらは、異常発生時での使用を想
定して冗長性を持たせる意味から多重化されている。ま
た、設置場所の周囲の放射線量や風向き、風速等を観測
するモニタリングポストも複数台搭載されている。各モ
ニタリングポストは、異常発生時に輸送現場5に設置さ
れる。なお、各モニタリングポストを自走式のものと
し、自動的に計測地点を変えて現場周辺のデータを効率
よく収集するようにしても良い。
【0048】一方、本部7には、データベース手段1、
機材人員輸送車のコンピュータとの間でリアルタイムに
データ通信を行うための双方向通信手段6としての無線
・衛星通信装置、輸送チームの現在位置ならびに輸送ル
ート上の交通情報をリアルタイムで管理するGIS(地
理情報システム)が設けられている。また、データベー
ス手段1を使用したり、各種の計算を行うコンピュータ
も設置されている。このコンピュータはデータベース手
段1とGISをリンクし、輸送ルート沿線の周囲の状況
や前述のような要注意ポイントにおける事故時の進展シ
ナリオについての情報を取り出して輸送現場5に送るこ
とができる。また、コンピュータは、異常発生時には直
ちに環境影響評価DBにアクセスして条件的に類似した
モデルケースについてのデータを取り出して輸送現場5
に送信する。また、輸送現場5から送られてきた地形や
気象状況等についてのデータを加味して影響予測の修正
計算(4次元同化解析による大気拡散計算)を行い、そ
の結果を輸送現場5に供給する。
【0049】教育訓練施設9には、データベース手段1
を利用して訓練プログラムを実施するコンピュータが設
置されている。このコンピュータは、事故シナリオDB
や事故・故障歴DB等に蓄積されているデータをVR
(バーチャルリアリティ)技術により3次元のCG(コ
ンピュータグラフィック)映像化し、教育訓練施設9に
設置されているVR(バーチャルリアリティ)スクリー
ンあるいはコンピュータのディスプレイ、訓練者が装着
したHMD等に映し出すことができる。
【0050】輸送現場5で異常事態が発生していない通
常時には、現場支援サブシステム2によって現場業務を
支援する。例えば、本部7では、GPS装置を使用して
輸送チームの現在位置を追跡する。また、輸送ルート上
に存在する桁下数十メートルクラスの高架橋、長大トン
ネル等の要注意ポイントにおける事故時の環境影響予測
や事故進展シナリオなどの情報をデータベース手段1か
ら取り出し、本部7から輸送チームに自主的に供給した
り、又は輸送チームからの要請に従い本部7から輸送チ
ームに供給する。また、本部7は、輸送チームの現場作
業者が装着している統合化ベストの線量計等を通じて現
場作業者の被ばく線量を常時モニターしておき、現場作
業者の被ばく管理を行うと共に、かかる情報を現場作業
者にフィードバックする。これらのように、本部7と輸
送チームの間で双方向通信を行い、業務遂行に必要な各
種情報を共有する。そして、輸送現場5で採取された運
行状況および異常やその他異常による異常の推移に関す
る情報は、データベース手段1の輸送経過DBに蓄積さ
れる。
【0051】輸送現場5に例えば火災事故等の異常事態
が発生すると、緊急時対応支援サブシステム3によって
異常事態への対処を支援する。現場支援サブシステム2
から緊急時対応支援サブシステム3へは特別なソフトウ
エアを立ち上げることなく、いわゆるシームレスに移行
することができる。また、異常事態への対処に必要と考
えられる主要な機材類は予め機材人員輸送車に積み込ま
れており、対処方法によっては不足する機材類も近くの
関連施設にストックされているので、本部7からの取り
寄せを待たずに迅速に対処することができる。
【0052】緊急時対応支援サブシステム3では、例え
ば、現場作業者が装着している統合化ヘルメットのビデ
オカメラで写された映像や各種センサ類の信号が、本部
7に送られる。これらのデータに基づき、本部7のコン
ピュータは事故シナリオDBや環境影響評価DBにアク
セスし、事故進展シナリオや事前の影響予測に関するデ
ータを検索し、現場作業者等に供給する。また、例え
ば、高架橋、長大トンネルなどにおける事故の場合、現
時点で採るべき対応手段、事故進展シナリオや事前の影
響予測などの情報をデータベース手段1から取り出し、
現場作業者に供給する。また、例えば火災が起きた場合
には、輸送容器が何度・何時間ぐらいまで耐えられるの
か等の情報を現場作業者に供給する。
【0053】また、現場作業者は事故発生場所の周囲に
複数のモニタリングポストを設置し、放射線の漏れ具合
や風向,風速,気温等などを計測し、これらのデータを
本部7に供給する。そして、本部7では現場5から送ら
れてきたデータを基に修正計算を行い、その結果を現場
作業者等に供給する。なお、これらの各種情報は、現場
作業者の操作によっても取り出すことができる。
【0054】本部7から送信された各種情報は、機材人
員輸送車の表示用モニターや現場作業者が装備している
統合化ヘルメットのHMDに映し出される。シースルー
タイプのHMDを使用することで、現場作業者は作業を
続けながら送られてきた情報を見ることができる。本部
7から供給される各種情報、例えば輸送容器からの放射
線の漏れ具合や輸送容器の温度分布等の情報は、VR技
術を利用して3次元のCG化されHMDに映し出され
る。例えば、放射線の漏れ具合や温度分布、そしてこれ
らの推移予測等を現場作業者が実際に見ている輸送容器
に重ねて表示する。すなわち、現場作業者が着用するシ
ースルータイプのHMDに、現実の情景とこれに連動す
る可視化した放射線分布や温度分布を示すことができる
ので、適切な初期対応(どこに水をかけるか、どこに放
射線の遮蔽を行うのか等)を可能にすると共に、現場作
業者の安全性確保を図ることができる。また、本部7
は、現場作業者の被ばく線量を常時モニタしているの
で、許容被ばく線量に到達しそうな場合には、現場作業
者に警告し、避難等を指示することができる。
【0055】また、本部7では、現場作業者との間の連
絡の他に、輸送現場5が存在する自治体、消防、警察等
やその他の関係機関に通報し、逐次情報を提供する。そ
して、異常事態の推移等についての情報は、データベー
ス手段1に蓄積される。
【0056】一方、教育訓練サブシステム4では、デー
タベース手段1に蓄積されている情報に基づいてVR
(バーチャルリアリティ)映像により輸送ルート上の輸
送状況と事故等の異常状況を再現し、訓練者に擬似的に
体験させ訓練を行う。データベース手段1の情報を使用
することで、実際の業務を忠実にシミュレーションしな
がら訓練を行うことができる。訓練者が複数いる場合に
は、各訓練者は同じ訓練プログラムを受けることができ
る。そして、訓練者の操作ミスは記録され、その原因や
対策等を訓練者にフィードバックする。
【0057】なお、訓練プログラムの一部を例えば原子
力産業についての啓蒙を行うPR館等において一般の見
学者が体験できるようにし、見学者に放射性物質の輸送
業務に対する理解を深めてもらうようにしても良い。
【0058】このように、本システムでは、輸送現場5
と本部7との間を双方向通信手段6によって結び、情報
をリアルタイムに共有するようにしているので、現場作
業者が常に適切な行動をとれるようにサポートすること
ができる。また、異常発生時にもリアルタイムで情報を
提供できるので、迅速かつ適切な対応が可能になる。す
なわち、輸送現場5と本部7との間で常に情報を共有化
することができるので、本部7に待機する専門家が迅速
且つ適切な対応を現場作業者に指示することができる。
【0059】また、現場支援サブシステム2と緊急時対
応支援サブシステム3とで同じデータベース手段1を使
用し各サブシステム2,3の切替を迅速に行うようにす
ると共に、輸送現場5の輸送チームは両方のサブシステ
ム2,3で使用する機材類を常に携帯しているので、異
常の発生に迅速に対応することができる。
【0060】また、異常発生時には、輸送現場5の複数
台のモニタリングポスト等から取得したデータを本部7
のコンピュータを使用して放射線分布や温度分布につい
て逆解析し、その結果を可視化して輸送現場5のHMD
等に表示するようにしているので、現場作業者が放射線
や温度に関する危険性を直感的に知ることができ、不要
な被ばくや火傷などを防止して安全性を高めることがで
きる。
【0061】また、データベース手段1の環境影響評価
DBに蓄積されたデータを利用して異常発生後極めて早
期のうちに類似ケースについてのデータを現場作業者や
本部オペレータ、防災関連機関等に供給するようにして
いるので、迅速な対処を支援することができる。また、
輸送現場5等で集めたデータに基づいてリアルタイム修
正計算(4次元同化解析)を行うので、当該地点におけ
る正確な影響予測結果を速やかに得ることができ、現場
作業者の対処の修正を図ることができると共に、周辺住
民の避難や健康への影響予測等に活用することができ
る。すなわち、異常発生後きわめて早期のうちに暫定的
な影響予測情報を供給して迅速な意志決定を支援し、そ
の後、高精度な影響予測情報を供給して適切な意志決定
を支援することができる。
【0062】また、各サブシステム2〜4で共通のデー
タベース手段1を使用しており、実際の輸送業務や実際
に生じた異常事態の情報をデータベース手段1に蓄積
し、このデータベース手段1を使用して教育訓練サブシ
ステム4を運用している。しかも、教育訓練サブシステ
ム4では、バーチャルリアリティ技術を用いて訓練プロ
グラムを運用している。これらのため、訓練者に輸送業
務のシナリオ上想定し得るあらゆる事故の仮想体験が可
能となり、その時の対応(適切なものと不適切なもの)
を、数多くの訓練者が同じプログラムによって繰り返し
十分訓練することができる。
【0063】また、訓練時に収集した不適切な対応の記
録から、対応マニュアルの不備な点(改良すべき点)
や、現場5で新たに装備すべき機材・システム等のヒン
トを抽出することができる。即ち、教育訓練で抽出され
た問題点を実際の輸送業務にフィードバックするのが容
易になる。
【0064】さらに、訓練プログラムの一部をPR館等
で運用することにより、放射性物質輸送の安全性と、万
が一の異常時に備えてどのような訓練が行われていて住
民の安全がどのように守られるのかについての情報を広
く啓蒙することができ、来場者に安心感を与えることが
でき、放射性物質輸送や広く防災対策に関する理解を広
めることができる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の現
場業務支援システムでは、現場業務を支援する情報と現
場業務に想定される異常事態に関する情報を備えるデー
タベース手段を構築し、通常時の現場業務の支援と、現
場業務に発生した異常事態への対応の支援とを双方向通
信手段を通じてデータベース手段を利用して行うと共
に、データベース手段を利用して現場業務とこれに想定
される異常事態の対処を訓練するので、通常の現場業
務、発生した異常事態への対処、現場作業者の訓練を一
つのシステムで総合的に支援することができる。このた
め、異常事態への対処を迅速にかつ的確に行うことがで
きると共に、現場作業者の訓練を実際の業務や異常事態
に則したものにすることができる。
【0066】また、請求項2記載の現場業務支援システ
ムでは、現場業務を支援する情報と現場業務に想定され
る異常事態に関する情報を備えるデータベース手段と、
通常時の現場業務の支援を双方向通信手段を通じてデー
タベース手段を利用して行う現場支援サブシステムと、
現場業務に発生した異常事態への対応の支援を双方向通
信手段を通じてデータベース手段を利用して行う緊急時
対応支援サブシステムと、データベース手段を利用して
現場業務とこれに想定される異常事態の対処を訓練する
教育訓練サブシステムを備え、現場支援サブシステムと
ともに緊急時対応支援サブシステムを予め立ち上げてお
き、異常発生時の現場支援サブシステムから緊急時対応
支援サブシステムへの切替を迅速に行うので、異常事態
の発生に対して一刻を争う緊急対処についても素早く支
援を行うことができる。
【0067】また、請求項3記載の現場業務支援システ
ムでは、現場業務は放射性物質の輸送業務であるので、
放射性物質の輸送業務を総合的に支援することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した現場業務支援システムの実施
形態の一例を示す概念図である。
【図2】同現場業務支援システムにおける現場と本部と
教育訓練施設の関係を示す概念図である。
【図3】同現場業務支援システムを使用した現場業務の
支援を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 データベース手段 2 現場支援サブシステム 3 緊急時対応支援サブシステム 4 教育訓練サブシステム 6 双方向の通信手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 慶人 東京都狛江市岩戸北2−11−1 財団法人 電力中央研究所 情報研究所内 (72)発明者 伊藤 憲彦 東京都狛江市岩戸北2−11−1 財団法人 電力中央研究所 情報研究所内 Fターム(参考) 5C087 AA03 AA05 AA09 AA10 AA21 AA24 AA25 AA40 BB18 BB46 BB74 BB76 DD04 DD14 EE05 EE16 EE18 FF01 FF04 FF08 FF19 GG02 GG08 GG11 GG14 GG21 GG22 GG23 GG30 5H223 AA03 AA09 CC08 DD03 EE08 FF05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現場業務を支援する情報と前記現場業務
    に想定される異常事態に関する情報を備えるデータベー
    ス手段を構築し、通常時の現場業務の支援と、現場業務
    に発生した異常事態への対応の支援とを双方向通信手段
    を通じて前記データベース手段を利用して行うと共に、
    前記データベース手段を利用して前記現場業務とこれに
    想定される異常事態の対処を訓練することを特徴とする
    現場業務支援システム。
  2. 【請求項2】 現場業務を支援する情報と前記現場業務
    に想定される異常事態に関する情報を備えるデータベー
    ス手段と、通常時の現場業務の支援を双方向通信手段を
    通じて前記データベース手段を利用して行う現場支援サ
    ブシステムと、前記現場業務に発生した異常事態への対
    応の支援を双方向通信手段を通じて前記データベース手
    段を利用して行う緊急時対応支援サブシステムと、前記
    データベース手段を利用して前記現場業務とこれに想定
    される異常事態の対処を訓練する教育訓練サブシステム
    を備え、前記現場支援サブシステムとともに前記緊急時
    対応支援サブシステムを予め立ち上げておき、異常発生
    時の前記現場支援サブシステムから前記緊急時対応支援
    サブシステムへの切替を迅速に行うことを特徴とする現
    場業務支援システム。
  3. 【請求項3】 前記現場業務は放射性物質の輸送業務で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の現場業務支
    援システム。
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