JP2001331022A - 強誘電体を用いた画像形成方法および装置、並びに画像形成媒体 - Google Patents

強誘電体を用いた画像形成方法および装置、並びに画像形成媒体

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JP2001331022A
JP2001331022A JP2000392708A JP2000392708A JP2001331022A JP 2001331022 A JP2001331022 A JP 2001331022A JP 2000392708 A JP2000392708 A JP 2000392708A JP 2000392708 A JP2000392708 A JP 2000392708A JP 2001331022 A JP2001331022 A JP 2001331022A
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ferroelectric
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infrared light
forming method
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JP2000392708A
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Yasukazu Nihei
靖和 二瓶
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Fuji Photo Film Co Ltd
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    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電体を用いた画像形成方法において、画
像形成の信頼性を向上させる。 【解決手段】 強誘電体2に画像情報に基づいた分極反
転パターンを形成し、この分極反転パターンに対応した
表面電荷によって静電潜像を得る画像形成方法におい
て、強誘電体2としてLiNbTa1−x (0
≦x≦1)等の無機強誘電体酸化物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強誘電体を用いた画
像形成方法に関し、さらに詳しくは、強誘電体に画像情
報に基づいた分極反転パターンを形成して画像を形成す
る方法に関するものである。
【0002】また本発明は、この強誘電体を用いた画像
形成方法を実施する装置、およびこの画像形成方法に用
いられる画像形成媒体に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来より、画像記録方法の1つとして電
子写真法(カールソン法)が広く知られている。電子写
真法は、電子写真感光体に静電潜像を形成し、この静電
潜像をトナーで現像し、そのトナー像を記録用紙に転写
することによって画像を記録する方法である。
【0004】この電子写真法に用いられる電子写真感光
体は、表面に帯電してからの電位保持時間が短く、電位
が減衰してしまう(暗減衰)という欠点を有している。
そのため、一様帯電させた電子写真感光体に静電潜像を
形成する書込み処理は素早く行なう必要があり、そし
て、形成された静電潜像の現像、転写も素早く行なう必
要がある。
【0005】このような事情に鑑みて、メモリ型電子写
真感光体の研究も進められているが、(1)メモリ寿命
が十分長い。(2)メモリ形成感度が高い。(3)メモ
リを担う物質が感光体の感度を低下させない。(4)メ
モリの形成・消去が可逆である。といった要求を全て満
たして、実用に供し得るメモリ型電子写真感光体の報告
は未だなされていない。
【0006】そこで、従来のカールソン法に用いられて
いる電子写真感光体とは全く別の、メモリ性を有する媒
体を用いて静電潜像を形成する画像形成方法も種々提案
されている。
【0007】例えば電子情報通信学会発行 信学技報EI
D98-180には、強誘電体に電場を印加すると同時に画像
情報に対応した分布状態の熱を与えることにより、該強
誘電体に画像情報に基づいた分極反転パターンを形成
し、その後この強誘電体に温度変化を与えて、焦電効果
により分極反転パターンに対応した表面電荷を発生さ
せ、この表面電荷によって静電潜像を得る画像形成方法
が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この信学技報
EID98-180に記載された画像形成方法では、強誘電体と
して用いている有機高分子材料、より具体的にはフッ化
ビニリデン系ポリマーの熱的耐久性が低いために、画像
形成の信頼性が低いという問題が認められる。
【0009】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、強誘電体を用いた画像形成方法において、画像
形成の信頼性を向上させることを目的とする。
【0010】また本発明は、画像形成の信頼性が高めら
れた画像形成装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】さらに本発明は、熱的耐久性の高い強誘電
体から形成されて、画像形成の信頼性向上に寄与する画
像形成媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による一つの強誘
電体を用いた画像形成方法は、前述したように強誘電体
に画像情報に基づいた分極反転パターンを形成し、この
分極反転パターンに対応した表面電荷によって静電潜像
を得る画像形成方法において、強誘電体として無機強誘
電体酸化物を用いることを特徴とするものである。
【0013】また本発明による別の強誘電体を用いた画
像形成方法は、強誘電体に電場を印加すると同時に画像
情報に対応した分布状態の熱を与えて、該強誘電体にこ
の画像情報に基づいた分極反転パターンを形成し、その
後前記強誘電体に温度変化を与えて、焦電効果により前
記分極反転パターンに対応した表面電荷を発生させ、こ
の表面電荷によって静電潜像を得る画像形成方法におい
て、強誘電体として無機強誘電体酸化物を用いることを
特徴とするものである。
【0014】なお上述の無機強誘電体酸化物としては、
金属アルコキシドを原料とする薄膜を好適に用いること
ができる。またこの無機強誘電体酸化物の好ましい具体
例としては、LiNbTa1−x (0≦x≦
1)が挙げられる。
【0015】他方、上述のように無機強誘電体酸化物に
画像情報に対応した分布状態の熱を与えるためには、画
像情報を担持した赤外光を該無機強誘電体酸化物に照射
する露光法を採用するのが好ましい。そのようにする場
合の無機強誘電体酸化物の一つの形態として、画像情報
を担持した赤外光を吸収するドーパントを含むものを用
いるのが望ましい。そのようなドーパントとしては、M
g,Ti,Cr,Ni,Cu,Zn,Zr,Nb,M
o,Rh,Ag,In,Sn,Au,Pbのうちの少な
くとも1つの元素からなるものが好適である。
【0016】また、別の赤外光を利用する画像形成方法
として、無機強誘電体酸化物からなる画像形成層に対し
て、画像情報を担持した赤外光を吸収して熱に変換し、
その熱を該画像形成層に与える層状の光熱変換体を近接
または密接した状態に配設しておくのが望ましい。
【0017】また、前記無機強誘電体酸化物に電場を印
加する上では、この無機強誘電体酸化物の一表面側に導
電性膜を配し、この導電性膜を介して電場を印加するの
が好ましい。
【0018】そのような導電性膜としては、全面に亘っ
て導電部が形成されたものの他、それぞれ微小な導電部
と非導電部とが混在してなるもの、例えば微小な導電部
と非導電部とが所定周期で交互に繰り返してなるものを
用いることもできる。またこの導電性膜は、前述の赤外
光を吸収するドーパントを含む無機強誘電体酸化物を用
いる場合は、赤外光に対して透明なものを用いるのが望
ましく、それに対して、前述の光熱変換体を用いる場合
は、金属のような非透明のものを用いてもよい。
【0019】一方、本発明の強誘電体を用いた画像形成
方法においては、前記電場の印加を、コロナ帯電法によ
って行なうことが望ましい。
【0020】なお本発明の強誘電体を用いた画像形成方
法においては、以上述べたようにして無機強誘電体酸化
物に画像情報に基づいた分極反転パターンを形成し、こ
の分極反転パターンに対応した表面電荷によって静電潜
像を得た後、静電潜像をトナー像に現像し、このトナー
像を記録用紙に転写するのが望ましい。
【0021】また本発明による画像形成装置は、以上説
明した本発明の画像形成方法により画像形成を行なうこ
とを特徴とするものである。
【0022】他方、本発明による画像形成媒体は、以上
説明した本発明の画像形成方法に用いられる画像形成媒
体であって、無機強誘電体酸化物からなる画像形成層を
有することを特徴とするものである。
【0023】なお上記画像形成層は、さらに好ましく
は、画像情報を担持した赤外光を吸収するドーパントを
含む無機強誘電体酸化物から構成される。そのようなド
ーパントとしては、Mg,Ti,Cr,Ni,Cu,Z
n,Zr,Nb,Mo,Rh,Ag,In,Sn,A
u,Pbのうちの少なくとも1つの元素からなるものが
好適である。
【0024】また本発明による画像形成媒体において
は、無機強誘電体酸化物からなる画像形成層に対して、
画像情報を担持した赤外光を吸収して熱に変換し、その
熱を画像形成層に与える層状の光熱変換体が、近接また
は密接した状態に配設されている形態をとることも可能
である。
【0025】一方、本発明の画像形成媒体において画像
形成層を構成する無機強誘電体酸化物としては、金属ア
ルコキシドを原料とする薄膜を好適に用いることができ
る。またこの無機強誘電体酸化物の好ましい具体例とし
ては、LiNbTa1−x (0≦x≦1)が挙
げられる。
【0026】また本発明の画像形成媒体においては、画
像形成層を構成する無機強誘電体酸化物の一表面側に導
電性膜が配されることが望ましい。
【0027】そのような導電性膜は、全面に亘って導電
部が形成されたものの他、それぞれ微小な導電部と非導
電部とが混在してなるもの、例えば微小な導電部と非導
電部とが所定周期で交互に繰り返してなるものを用いる
こともできる。またこの導電性膜は、前述の赤外光を吸
収するドーパントを含む無機強誘電体酸化物を用いる場
合は、赤外光に対して透明なものを用いるのが望まし
く、それに対して、前述の光熱変換体を用いる場合は、
金属のような非透明の導電性膜を用いてもよい。
【0028】
【発明の効果】まず図1を参照して、本発明による強誘
電体を用いた画像形成方法の工程について説明する。同
図中の1は本発明で用いる画像形成媒体を示しており、
この画像形成媒体1は、画像形成層となる無機強誘電体
酸化物薄膜2と、その上に(図中では下面側に)形成さ
れた導電性膜3と、さらにその上に形成された光熱変換
膜4とから構成されている。
【0029】上記画像形成媒体1は、画像形成に先立っ
て電場印加により、同図(1)に示すように単分極化処理
される。次に同図(2)に示すように、光熱変換膜4側か
ら画像情報を担持した光(例えば赤外光)5が無機強誘
電体酸化物薄膜2に向けて照射される。この光5は光熱
変換膜4に吸収されて熱に変換され、その熱で無機強誘
電体酸化物薄膜2が加熱される。また同時にコロナ帯電
用ヘッド6により、無機強誘電体酸化物薄膜2に非接触
で電場が印加される。このとき光5が照射された露光部
分のみ、加熱により無機強誘電体酸化物薄膜2の分極反
転しきい値が低下するので、電場の値を適切に設定して
おくことにより、その露光部分だけ分極反転が生じる。
以上の通りにして、無機強誘電体酸化物薄膜2において
画像情報に基づいた分極反転パターンが形成される。
【0030】次に同図(3)に示すように、無機強誘電体
酸化物薄膜2全体の温度を変化させると、焦電効果によ
り表面電荷が生じる。分極反転部分と非反転部分とで電
荷符号は逆になり、コントラスト電位が出現して静電潜
像が形成される。分極は安定性が高いため、温度変化を
与えることによりいつでも表面電荷が生じる。つまり、
この無機強誘電体酸化物薄膜2を備えた画像形成媒体1
はメモリ性を有する。
【0031】次に無機強誘電体酸化物薄膜2にトナー7
を塗布すると、同図(4)に示すように、静電力により一
方の電荷符号の箇所のみにトナー7が付着する。つま
り、上記静電潜像がトナー像に現像される。このときト
ナー7の選択次第で、分極反転部分のみ、あるいは非反
転部分のみにトナー7を付着させることができる。この
トナー像は、カールソン法等におけるのと同様に、転写
用帯電器等を用いて記録用紙に転写される。
【0032】次に同図(5)に示すように、無機強誘電体
酸化物薄膜2に可動式電極8を密着させ、直流電源9を
用いて電圧印加を行なうことにより、全ての分極の向き
をリセットする。同図(2)に示した電場印加の場合より
も電圧を高く設定すれば、全ての分極の向きをリセット
して、同図(1)の状態に戻すことができる。つまり、分
極反転の可逆性により、メモリ内容の消去を任意に行な
うことが可能である。このとき無機強誘電体酸化物薄膜
2に熱を加えれば、分極反転しきい値を下げることがで
きる。
【0033】以上の通り本発明の強誘電体を用いた画像
形成方法は、静電潜像がより安定で、書き換え可能であ
り、少部数、即時性、データ書き換え可能を必要条件と
するオンデマンド印刷等においても優位性を発揮できる
ものである。
【0034】本発明の画像形成方法において強誘電体と
して用いる無機強誘電体酸化物は、前述したフッ化ビニ
リデン系ポリマー等の有機高分子材料と比較すると、熱
的耐久性が格段に高いものである。したがって、このよ
うな無機強誘電体酸化物を用いる本発明による画像形成
方法において、画像形成の信頼性は十分に高いものとな
る。
【0035】なお、前述した通り、無機強誘電体酸化物
に電場を印加すると同時に画像情報に対応した分布状態
の熱を与えると、無機強誘電体酸化物の加熱された部分
のみ分極反転しきい値が低下する。そこで、電場の値を
適当に設定しておけば、無機強誘電体酸化物の加熱され
た部分のみで分極反転が生じ、画像情報に基づいた分極
反転パターンが形成されるようになる。
【0036】上述のように、無機強誘電体酸化物に画像
情報に対応した分布状態の熱を与えるために、画像情報
を担持した赤外光を該無機強誘電体酸化物に照射する赤
外線露光を行なう場合、画像情報を担持した赤外光を吸
収するドーパントを含む無機強誘電体酸化物を用いれ
ば、赤外光の熱が無機強誘電体酸化物に良好に吸収さ
れ、画像情報に対応した正確な露光がなされ得る。
【0037】また別の方法として、赤外線露光を行なう
場合に、無機強誘電体酸化物からなる画像形成層に対し
て、画像情報を担持した赤外光を吸収して熱に変換し、
その熱を画像形成層に与える層状の光熱変換体を近接ま
たは密接した状態に配設しておけば、赤外光から効率良
く変換された熱が無機強誘電体酸化物に良好に吸収され
るので、この場合も、画像情報に対応した正確な露光が
なされ得る。
【0038】この赤外線露光には、例えば高出力の赤外
レーザー光等を露光光として用いることができ、それに
より、暗室処理無しで画像パターンを得ることが可能と
なる。
【0039】また、前記無機強誘電体酸化物の一表面側
に導電性膜を配し、この導電性膜を介して電場を印加す
れば、無機強誘電体酸化物に対して均一に電場が印加さ
れるようになる。
【0040】そのとき導電性膜として、全面に亘って導
電部が形成されたものの他、それぞれ微小な導電部と非
導電部とが混在してなるものを用いることもできる。そ
の場合、例えば導電部と非導電部とが所定周期で交互に
繰り返してなるものを用いれば、無機強誘電体酸化物に
おいて、分極反転部の隣接電荷(上記導電部に対応した
部分の電荷と、非導電部に対応した部分の電荷)の相殺
効果によって表面電荷量を制御できるようになる。つま
り例えば、微小な導電部と非導電部との混在比率が1:
1であるものを用いれば、表面電荷がゼロに近付けられ
る。このようにして無機強誘電体酸化物の表面電荷量を
制御できれば、静電潜像をトナー像に現像する場合に
は、トナーの選択の幅が拡大する。
【0041】図2は、上記表面電荷量の制御について説
明するものである。ここで用いられる画像形成媒体1’
は、図1に示した画像形成媒体1と比べると、導電性膜
3の代わりに、それぞれ微小な導電部と非導電部とが所
定周期で交互に繰り返してなる導電性膜3’が形成され
ている点が異なるものである。なおこの図2の(1)およ
び(2)に示した工程は、図1の(3)および(4)に示した工
程に相当する。
【0042】図2の(1)に示す通り、例えば微小な導電
部と非導電部との混在比率が1:1である導電性膜3’
を適用すれば、分極反転部の表面電荷がゼロに近付く。
そこでトナー7の選択次第で、この分極反転部にトナー
7が付着せず、非反転部のみにトナー7が付着する状態
を得ることができる。
【0043】また、赤外光を吸収するドーパントを含む
画像形成媒体を用いる場合は、赤外光に対して透明な導
電性膜であることが必要となる。それに対して、前述の
光熱変換体を用いる場合は、金属のような非透明の導電
性膜を用いてもよい。
【0044】本発明の画像形成方法は、以上説明したよ
うに静電潜像をトナーによって顕像化し、それを記録用
紙に転写するのみならず、画像形成媒体としての画像表
示媒体に画像を表示させることも可能である。以下、そ
のような画像表示方法について説明する。
【0045】まず図7を参照して、本発明による強誘電
体を用いた画像表示方法の基本的な仕組みについて説明
する。最初に、モノクロ画像表示の場合について説明す
る。同図中の101は本発明で用いる画像表示媒体を示し
ている。この画像表示媒体101は、強誘電体薄膜102とそ
の一面に接合されたコントラスト表示体103を有するも
のであり、強誘電体薄膜102は一例として透明電極104の
上に形成されている。
【0046】画像表示媒体101の強誘電体薄膜102は、画
像表示に先立って電場印加により、同図(1)に示すよう
に単分極化処理されてリセットされる。なお同図の強誘
電体薄膜102中の矢印は、分極の向きを示している。次
に同図(2)に示すように、コントラスト表示体103と反対
側から画像情報を担持した光(例えば赤外光)105が強
誘電体薄膜102に向けて照射される。この光105に画像情
報を担持させるためには、例えばその強度を変調して、
強誘電体薄膜102上で2次元的に走査させればよい。こ
のとき、光105が照射された部分のみ、加熱により強誘
電体薄膜102の分極方向が反転する。
【0047】なお、この分極反転の反転しきい値電圧が
高い場合には、バイアス電圧を全体に印加したり、ある
いは強誘電体薄膜102の温度を高温にして反転しきい値
電圧を下げてもよい。
【0048】強誘電体薄膜102の分極方向が反転する
と、その上表面(コントラスト表示体103が接合されて
いる面)に発生する表面電荷が逆符号となるため、分極
反転パターンに対応した電荷分布パターン(静電潜像)
が形成され、同図(3)に示すように、電荷に応じてコン
トラスト表示体103が発色する。こうして、光105が照射
された部分のみコントラスト表示体103が発色するの
で、該コントラスト表示体103に光105が担持していた画
像が表示される。
【0049】なお強誘電体薄膜102は、基本的に180
度分極を持つものが用いられる。分極反転は高電場を印
加しない限り元に戻らないので、この画像表示媒体101
はメモリ性を有することになる。
【0050】次に同図(4)に示すように、透明電極104に
直流電源106の一方の極を接続し、他方の極に接続した
例えばコロナヘッド107によって強誘電体薄膜102に非接
触で電場を印加すると、全ての分極の向きがリセットさ
れる。その際、同図(2)に示した電場印加の場合よりも
電圧を高く設定すれば、全ての分極の向きをリセットし
て、同図(1)の状態に戻すことができる。つまり、分極
反転の可逆性によりメモリ内容を任意に消去できるの
で、再書込(表示)が可能である。
【0051】次に図8を参照して、カラー画像を表示す
る場合について説明する。この場合に用いられる画像表
示媒体111は、強誘電体薄膜112とその一面に接合された
コントラスト表示体113を有するものであり、強誘電体
薄膜112は一例として光熱変換膜116を介して透明電極11
4の上に形成されている。
【0052】光熱変換膜116は、3種の発熱体116R,11
6G,116Bが規則的に配置されてなるものである。これ
ら3種の発熱体116R,116G,116Bはそれぞれ、相異
なる波長λ1,λ2,λ3の赤外光を各々選択的に吸収し
て熱に変換するものである。図10(1)には、これらの
発熱体116R,116G,116Bの基本的な分光吸収特性を
示してある。また各発熱体116R,116G,116Bの大き
さは、表示画像に求められる画素の大きさ、例えば数μ
m角程度とされている。
【0053】一方コントラスト表示体113は、外部から
受ける電荷に応じてそれぞれ赤、緑、青に発色する発色
材料113R,113G,113Bが、上記各発熱体116R,116
G,116Bと各々対応する位置に配されてなるものであ
る。これらの発色材料113R,113G,113Bの大きさ
は、それぞれ発熱体116R,116G,116Bの大きさと同
じである。
【0054】画像表示媒体111の強誘電体薄膜112は、表
示に先立って電場印加により、図8(1)に示すように単
分極化処理されてリセットされる。次に同図(2)に示す
ように、コントラスト表示体113と反対側から、赤色画
像情報を担持した波長λ1の赤外光115が光熱変換膜116
に向けて照射される。この赤外光115に赤色画像情報を
担持させるためには、例えばその強度を変調して、強誘
電体薄膜112上で2次元的に走査させればよい。このと
き、光熱変換膜116の発熱体116R,116G,116Bのう
ち、赤外光115が照射された発熱体116Rだけが該赤外光
115を吸収して発熱する。
【0055】この発熱した発熱体116Rに接している強
誘電体薄膜112の部分は、受けた熱によって分極方向が
反転する。強誘電体薄膜112の分極方向が反転すると、
その上表面に発生する表面電荷が逆符号となるため、こ
の分極反転部分に対応した位置にある(つまり発熱した
発熱体116Rに対応した位置にある)発色材料113Rが赤
色に発色する。
【0056】上記赤外光115の照射と並行して、緑色画
像情報を担持した波長λ2の赤外光を強誘電体薄膜112上
で2次元的に走査させることにより、光熱変換膜116の
発熱体116R,116G,116Bのうち、波長λ2の赤外光が
照射された発熱体116Gだけが該赤外光を吸収して発熱
する。そこで上記と同様に、この発熱した発熱体116G
に対応した位置にある発色材料113Gが緑色に発色す
る。
【0057】また、同様に青色画像情報を担持した波長
λ3の赤外光を強誘電体薄膜112上で2次元的に走査させ
ることにより、光熱変換膜116の発熱体116R,116G,1
16Bのうち、波長λ3の赤外光が照射された発熱体116B
だけが該赤外光を吸収して発熱する。そこで上記と同様
に、この発熱した発熱体116Bに対応した位置にある発
色材料113Bが青色に発色する。
【0058】以上のようにして、コントラスト表示体11
3に配列されている発色材料113R,113G,113Bの発色
が、それぞれ赤色画像情報、緑色画像情報、青色画像情
報に基づいて制御されるので、該コントラスト表示体11
3にこれらの画像情報が担持しているフルカラー画像を
表示することができる。
【0059】またこの場合も、モノクロ画像表示の場合
と同様にして強誘電体薄膜112の全ての分極の向きをリ
セットして、表示画像を消去することができる。
【0060】ここで表示される画像は、コントラスト表
示体113の各発色材料113R,113G,113Bを画素単位と
するものである。したがって、これらの発色材料113
R,113G,113Bのサイズおよび、それらに対応して配
置される発熱体116R,116G,116Bのサイズを小さく
するほど、表示画像の解像度は高くなる。発熱体116
R,116G,116Bの大きさを先に数μm角程度と例示し
たが、強誘電体においてもその程度の大きさ単位で分極
反転を制御可能であることは既に確認されており、実際
には、走査する赤外光等のレーザー光のビーム径レベル
まで画素を小さくすることが可能である。
【0061】なお、強誘電体薄膜112が赤外光を吸収す
るドーパントを含む等により、それ自身赤外光を受けて
発熱し得る場合は、図9のような構成によってカラー画
像を表示することもできる。以下、この構成について説
明する。なおこの図9において、図8中の要素と同等の
要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必
要のない限り省略する(以下、同様)。
【0062】この図9の画像表示媒体111’において
は、図8の構成で用いられた光熱変換膜116に代えて光
透過膜117が配設されている。この光透過膜117は、相異
なる波長λ1,λ2,λ3の赤外光を各々選択的に透過さ
せる3種の微小フィルター117R,117G,117Bが規則
的に配置されてなるものである。図10(2)には、これ
らの微小フィルター117R,117G,117Bの基本的な分
光透過特性を示してある。
【0063】この構成においては、微小フィルター117
R,117G,117Bを透過する赤外光により、強誘電体薄
膜112の分極反転がこれらの微小フィルター117R,117
G,117Bの大きさ単位で制御される。それにより、こ
の場合もコントラスト表示体113の各発色材料113R,11
3G,113Bの発色を制御して、該コントラスト表示体11
3にフルカラー画像を表示することができる。
【0064】なお、強誘電体薄膜112がそれ自身で発熱
しないものである場合は、図9の構成において強誘電体
薄膜112と光透過膜117との間に光熱変換膜を介設してお
き、光透過膜117の微小フィルター117R,117G,117B
を透過した赤外光によってこの光熱変換膜を微小フィル
ター117R,117G,117Bの大きさ単位で発熱させ、そ
の熱によって強誘電体薄膜112の分極を反転させてもよ
い。
【0065】以上説明した通り本発明の画像形成方法を
適用した画像表示方法は、赤外光の照射等によって強誘
電体の分極反転を制御して画像を表示するものであるか
ら、画素単位で電圧印加を制御するような複雑な駆動回
路は持たない低コストの装置を用いて、メモリ性の有る
画像表示を行なうことができる。
【0066】なお、本発明の画像形成方法を適用した画
像表示方法において好ましい強誘電体として用いられる
無機強誘電体酸化物は、フッ化ビニリデン系ポリマー等
の有機高分子材料と比較すると、熱的耐久性が格段に高
いものである。したがって、本発明による画像表示方法
において特にこのような無機強誘電体酸化物を用いる場
合は、画像表示の信頼性が十分に高いものとなる。
【0067】また、強誘電体に画像情報に対応した分布
状態の熱を与えるために、画像情報を担持した赤外光を
該強誘電体に照射する場合、画像情報を担持した赤外光
を吸収するドーパントを含む強誘電体を用いれば、赤外
光の熱が強誘電体に良好に吸収され、画像情報に対応し
た正確な画像表示がなされ得る。
【0068】また別の方法として、赤外線照射を行なう
場合に、強誘電体に対して、画像情報を担持した赤外光
を吸収して熱に変換し、その熱を強誘電体に与える層状
の光熱変換体を近接または密接した状態に配設しておけ
ば、赤外光から変換された熱が強誘電体に良好に吸収さ
れるので、この場合も、画像情報に対応した正確な画像
表示がなされ得る。
【0069】上述のような光熱変換体として、それぞれ
微小な光熱変換部と非変換部とが混在してなるもの、好
ましくは微小な光熱変換部と非変換部とが所定周期で交
互に繰り返してなるものを用いた場合は、強誘電体にお
いて、分極反転部の隣接電荷(上記光熱変換部に対応し
た部分の電荷と、非変換部に対応した部分の電荷)の相
殺効果によって表面電荷量を制御できるようになる。つ
まり例えば、微小な光熱変換部と非変換部との混在比率
が1:1であるものを用いれば、表面電荷がゼロに近付
けられる。
【0070】そのような場合は、例えば強誘電体の赤外
光が照射された部分では表面電荷をゼロに近くし、赤外
光が照射されない部分では単分極化(リセット)された
ままの表面電荷状態とすることができるので、例えばコ
ントラスト表示体としてエレクトロクロミック材料を用
いた場合は、エレクトロクロミック現象を後者の部分で
発現させ、前者の部分で発現させないようにしてコント
ラストを表示することができる。このように、微小な光
熱変換部と非変換部とが混在してなる光熱変換体を用い
れば、コントラスト表示体の選択の自由度を高めること
ができる。
【0071】また、強誘電体の一表面側に導電性膜を配
し、この導電性膜を介して該強誘電体にバイアス電圧を
印加する際に、導電性膜として、それぞれ微小な導電部
と非導電部とが混在してなるもの、好ましくは微小な導
電部と非導電部とが所定周期で交互に繰り返してなるも
のを用いた場合も、強誘電体において、分極反転部の隣
接電荷の相殺効果によって表面電荷量を制御できるよう
になる。つまりこの場合は、導電部に対応した強誘電体
の部分ではバイアス電圧印加の効果により分極反転しき
い値電圧が低下して分極反転が促進されるのに対し、非
導電部に対応した強誘電体の部分ではそのような作用が
得られない。そこで、例えば微小な導電部と非導電部と
の混在比率が1:1であるものを用いれば、バイアス電
圧の印加によって表面電荷がゼロに近付けられる。
【0072】そのような場合は、例えば強誘電体に赤外
光を照射することにより、その照射部分で表面電荷をゼ
ロではない状態にすることができるので、例えばコント
ラスト表示体としてエレクトロクロミック材料を用いた
場合は、エレクトロクロミック現象を赤外光照射部分で
発現させ、非照射部分で発現させないようにしてコント
ラストを表示することができる。このように、微小な導
電部と非導電部とが混在してなる導電性膜を用いても、
コントラスト表示体の選択の自由度を高めることができ
る。
【0073】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図3は、本発明の第1の実施形態
による強誘電体を用いた画像形成方法の工程を概略的に
示すものである。本実施形態で用いる画像形成媒体10
は、画像形成層として無機強誘電体酸化物であるLiN
bOの薄膜(以下、LN薄膜という)11が用いら
れ、このLN薄膜11の上に(図中の下面側に)、導電性
膜および光熱変換膜としての両方の機能を持つカーボン
導電性膜12が形成されてなるものである。
【0074】上記LN薄膜11は、LiOC
よびNb(OC)の各アルコキシドを出発原
料とし、それらの加水分解によって形成される(ゾルゲ
ル法)。膜厚は一例として2μmである。なお、金属ア
ルコキシドの加水分解による低温合成薄膜は、膜厚が大
きくなるとひび割れが生じやすいので、膜厚は100μ
m以下が適当である。
【0075】LN薄膜11は、画像形成に先立って電場印
加により、図3(1)に示すように単分極化処理される。
次に同図(2)に示すように、カーボン導電性膜12側から
画像情報を担持した光、例えば高出力赤外レーザー光5
がLN薄膜11に照射される。本実施形態では、この赤外
レーザー光5を画像情報に基づいて変調、走査すること
により、LN薄膜11を画像情報に基づいて露光する。
【0076】上記赤外レーザー光5はカーボン導電性膜
12に吸収されて熱に変換され、その熱でLN薄膜11が加
熱される。また同時にコロナ帯電用ヘッド6により、L
N薄膜11に非接触で電場が印加される。このとき赤外レ
ーザー光5が照射された露光部分のみ、加熱によりLN
薄膜11の分極反転しきい値が低下するので、電場の値を
適切に設定しておくことにより、その露光部分だけ分極
反転が生じる。
【0077】なお本実施形態において、赤外レーザー光
5の出力は1W、コロナ帯電電圧は30Vである。
【0078】その後LN薄膜11の温度を一例として室温
から100℃まで変化させると、焦電効果により表面電荷
が生じる。同図(3)に示すように、表面電位計13で表面
電荷を測定すれば、分極反転部分と非反転部分とで電荷
符号が逆になっていることを確認できる。これにより、
前記画像情報に対応した静電潜像が形成されていること
が確認された。
【0079】また、上記の温度変化を与える前に、LN
薄膜11をHF:HNO=1:2の溶液でエッチング
すると、分極が反転した部分ではそのエッチングレート
の違いにより凹凸が生じるので、分極反転を確認するこ
とができる。これにより、赤外レーザー光5による露光
部分で分極が反転していることを確認できる。
【0080】以上の通りにしてLN薄膜11に静電潜像を
形成したならば、その後は先に図1を参照して説明した
のと同様にしてその静電潜像をトナー像に現像し、その
トナー像を記録用紙に転写することができる。
【0081】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。この第2の実施形態では、上記第1の実施形態
で用いられたLN薄膜11に代えて、LiTaOの薄
膜が画像形成層として形成された画像形成媒体が用いら
れる。なおこの場合も、LiTaO薄膜の上に、導
電性膜および光熱変換膜としての両方の機能を持つカー
ボン導電性膜が形成される。
【0082】以上のような画像形成媒体を用いて、図3
に示したのと同様の工程により画像形成を行なったとこ
ろ、第1の実施形態と同様に、LiTaO薄膜の露
光部分で分極が反転していること、および分極反転部分
と非反転部分とで電荷符号が逆になっていることが確認
された。
【0083】次に、図4を参照して本発明の第3の実施
形態について説明する。なおこの図4において、図3中
の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらに
ついての説明は特に必要の無い限り省略する(以下、同
様)。
【0084】この第3の実施形態で用いられる画像形成
媒体20は、LN薄膜11の上に導電性膜21、電気絶縁膜と
してのSiO膜22、および光熱変換膜としてのカー
ボン膜12がこの順に形成されてなるものである。上記導
電性膜21は、ITOからなる導電部と非導電部とが周期
10μmで交互に繰り返してなるものである。なおこの場
合は、光熱変換膜で赤外光を吸収させるので、導電性膜
は金属のような非透明導電性膜でもよい。
【0085】上記構成の画像形成媒体20を用いて、図3
に示したのと同様の工程により画像形成を行なったとこ
ろ、第1の実施形態と同様に、LN薄膜11の露光部分で
分極が周期的に反転していることが確認された。この分
極反転の周期は、導電性膜21のITOの周期に対応して
いた。また、図3(3)に示した表面電位計13で表面電荷
を測定したところ、周期分極反転部分では表面電荷がゼ
ロになっていることが確認された。
【0086】次に、図5を参照して本発明の第4の実施
形態について説明する。この第4の実施形態で用いられ
る画像形成媒体30は、金属ドーパント31を含むLN薄膜
32を画像形成層として有し、その上に(図中の下面側
に)赤外光に対して透明な透明導電膜33が形成されてな
るものである。なおこの場合は、画像形成媒体中に赤外
光を吸収させるので、導電性膜は透明であることが必要
となる。
【0087】上記金属ドーパント31を含むLN薄膜32
は、前述したゾルゲル法により薄膜を形成する際に、赤
外光を吸収する金属を含むドーパントを混在させ、熱処
理等により金属微粒子を析出させることによって形成す
ることができる。またこの金属ドーパント31は、Mg,
Ti,Cr,Ni,Cu,Zn,Zr,Nb,Mo,R
h,Ag,In,Sn,Au,Pbのうちの少なくとも
1つの元素を好適に用いて形成することができる。
【0088】LN薄膜32は、画像形成に先立って電場印
加により、図5(1)に示すように単分極化処理される。
次に同図(2)に示すように、透明導電膜33側から画像情
報を担持した光、例えば高出力赤外レーザー光5がLN
薄膜32に照射される。本実施形態では、この赤外レーザ
ー光5を画像情報に基づいて変調、走査することによ
り、LN薄膜32を画像情報に基づいて露光する。
【0089】上記赤外レーザー光5は金属ドーパント31
に吸収されて熱に変換され、その熱でLN薄膜32が加熱
される。また同時にコロナ帯電用ヘッド6により、LN
薄膜32に非接触で電場が印加される。このとき赤外レー
ザー光5が照射された露光部分のみ、加熱によりLN薄
膜32の分極反転しきい値が低下するので、電場の値を適
切に設定しておくことにより、その露光部分だけ分極反
転が生じる。その後、第1実施形態におけるのと同様に
LN薄膜32の温度を一例として室温から100℃まで変化
させると、焦電効果により表面電荷が生じる。
【0090】この場合も第1の実施形態と同様に、LN
薄膜32の露光部分で分極が反転していること、および分
極反転部分と非反転部分とで電荷符号が逆になっている
ことを確認できた。
【0091】次に、図6を参照して本発明の第5の実施
形態について説明する。この第5の実施形態で用いられ
る画像形成媒体40は、金属ドーパント31を含むLN薄膜
32を画像形成層として有し、その上に図4に示したもの
と同様の導電性膜21が形成されてなるものである。
【0092】上記金属ドーパント31を含むLN薄膜32
は、第4の実施形態におけるものと構成もまた製法も同
様のものである。また導電性膜21は、ITOからなる導
電部と非導電部とが周期10μmで交互に繰り返してなる
ものである。
【0093】上記構成の画像形成媒体40を用いて、図3
に示したのと同様の工程により画像形成を行なったとこ
ろ、第3の実施形態と同様に、LN薄膜32の露光部分で
分極が周期的に反転していることを確認できた。この分
極反転の周期は、導電性膜21のITOの周期に対応して
いた。また、図3(3)に示した表面電位計13で表面電荷
を測定したところ、周期分極反転部分では表面電荷がゼ
ロになっていることが確認された。
【0094】以上、画像形成媒体に形成した静電潜像を
トナーによって顕像化し、それを記録用紙に転写する実
施形態について説明したが、本発明の画像形成方法は、
画像形成媒体としての画像表示媒体に直接画像を表示さ
せることも可能である。以下、そのような画像表示を行
なう実施形態について説明する。
【0095】図11は、本発明の第6の実施形態による
強誘電体を用いた画像表示方法の工程を示すものであ
る。ここで用いられる画像表示媒体はモノクロ画像を表
示するものであり、同図(1)に示される通り、Zカット
されたLiNbO基板(以下、LN基板という)122
と、このLN基板122の−Z面122bに形成された光熱変
換膜126と、さらにその上(図中では下側)に形成され
た透明導電膜124とを有し、さらに同図(2)に示されるよ
うに、LN基板122の+Z面122aにコントラスト表示体
123が配置されてなるものとなっている。
【0096】この画像表示媒体121を構成するコントラ
スト表示体123は、例えばシート状の支持体中に荷電粒
子であるトナー微粒子が分散されてなるものである。こ
のコントラスト表示体123はLN基板122の+Z面122a
に直接形成されてもよいし、あるいは独立してシート状
に形成された後、上記+Z面122aに貼着されてもよ
い。一方光熱変換膜126は、赤外光を吸収してそれを熱
に変換するものであり、例えばカーボン、金属薄膜、赤
外線吸収有機材料等から形成される。また透明導電膜12
4は、例えばITO等から形成されたものである。
【0097】上記構成を有する画像表示媒体121に画像
を表示する際には、予めLN基板122に電場が印加され
て単分極化処理(リセット)がなされる。次に同図(3)
に示すように、モノクロ画像情報を担持する所定波長の
赤外レーザー光125が、透明導電膜124越しに光熱変換膜
126に照射される。すると、この赤外レーザー光125の照
射を受けた光熱変換膜126の部分が発熱し、その熱がL
N基板122に加えられるので、同図(4)に示すように該L
N基板122の加熱部分の分極が反転する。なお、赤外レ
ーザー光125に画像情報を担持させるためには、例えば
該赤外レーザー光125を画像情報に基づいて変調して、
光熱変換膜126上を2次元走査させればよい。
【0098】LN基板122の分極反転部分では、単分極
化処理されたままの部分と逆符号の表面電荷が誘発され
る。そこで、コントラスト表示体123に分散している、
上記表面電荷と逆符号の電荷を持っているトナー微粒子
がLN基板122の分極反転部分に凝集し、その部分が着
色してコントラストが生じる。このようにして、赤外レ
ーザー光125が担持している画像情報に応じたモノクロ
画像がコントラスト表示体123に表示される。
【0099】この表示画像の消去、つまりリセット処理
は、先に図7を参照して説明したのと同様にしてなされ
得る。
【0100】なお、LN基板122の+Z面122aと−Z面
122bとの間に、上記透明導電膜124等を利用してバイア
ス電圧を印加することにより、LN基板122の分極反転
のしきい値電圧を下げて分極反転を促進させてもよい。
その場合は、先に図7を参照して説明したコロナ帯電法
によって非接触で電圧印加するのが望ましい。また、バ
イアス電圧を印加する上でコントラスト表示体123が邪
魔になる場合は、バイアス電圧印加後にコントラスト表
示体123を貼り付けるようにしても構わない。
【0101】ここで、光熱変換膜126の赤外レーザー光
照射部分に対応するLN基板122の箇所で分極反転が生
じることは、LN基板122の表面をHF:HNO
1:2の混合液でエッチングし、エッチング後の該表面
を観察することによって確認することができる。すなわ
ち、分極の向きによってエッチングレートに差が出るこ
とにより、分極反転部分と非反転部分との間に凹凸が生
じるので、この凹凸によって分極反転を確認可能であ
る。また、LN基板122の+Z面122aの電荷分布を表面
電位計によって測定すれば、分極反転部分では電荷符号
が非反転部分の逆になっていることが確認できるので、
それによって分極反転を確認することもできる。
【0102】次に、本発明の第7の実施形態について説
明する。図12は、本発明の第7の実施形態による強誘
電体を用いた画像表示方法の工程を示すものである。こ
こで用いられる画像表示媒体もモノクロ画像を表示する
ものであり、同図(1)に示される通り、Zカットされた
LN基板122と、このLN基板122の−Z面122bに形成
された周期状光熱変換膜136と、さらにその上(図中で
は下側)に形成された透明導電膜124とを有し、さらに
同図(2)に示されるように、LN基板122の+Z面122a
にコントラスト表示体132が配置されたものとなってい
る。
【0103】この画像表示媒体131を構成するコントラ
スト表示体132は、一例として前述のエレクトロクロミ
ック材料がシート状に形成されてなるものである。この
エレクトロクロミック材料の好ましい具体例としては、
ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンのような
導電性高分子(有機エレクトロクロミック)材料、酸化
タングステン、酸化モリブデンのような無機エレクトロ
クロミック材料が挙げられる。このコントラスト表示体
132はLN基板122の+Z面122aに直接形成されてもよ
いし、あるいは独立してシート状に形成された後、上記
+Z面122aに貼着されていもよい。
【0104】一方周期状光熱変換膜136は、赤外光を吸
収してそれを熱に変換する微小な光熱変換部136aと非
変換部136bとが周期状に繰り返してなるものである。
なお上記光熱変換部136aは、例えばカーボン、金属薄
膜、赤外線吸収有機材料等から形成される。また図13
に概略的に示す通り、光熱変換部136aの周期Λは10〜3
0μm程度とし、デューティ比=線幅d/周期Λは15%
程度とする。
【0105】上記構成を有する画像表示媒体131に画像
を表示する際には、予めLN基板122に電場が印加され
て単分極化処理(リセット)がなされる。次に同図(3)
に示すように、モノクロ画像情報を担持する所定波長の
赤外レーザー光125が、透明導電膜124越しに周期状光熱
変換膜136に照射される。すると、この赤外レーザー光1
25の照射を受けた周期状光熱変換膜136の光熱変換部136
aが発熱し、その熱がLN基板122に加えられるので、
該LN基板122の加熱された部分の分極が反転する。こ
こで光熱変換部136aは、微小な非変換部136bを間に置
いて周期状に繰り返しているので、前述した隣接電荷の
相殺効果により、赤外レーザー光125の照射部分に対応
するLN基板122の部分、つまり周期分極反転部では、
表面電荷がほぼゼロとなる。
【0106】そこで、同図(4)に示すように、LN基板1
22の上記周期分極反転部に接しているコントラスト表示
体132の部分ではエレクトロクロミック現象が発現せ
ず、LN基板122のそれ以外の部分(単分極化されたま
まの部分)に接しているコントラスト表示体132の部分
ではエレクトロクロミック現象が発現することになるの
で、コントラストが生じる。このようにして、赤外レー
ザー光125が担持している画像情報に応じたモノクロ画
像がコントラスト表示体132に表示される。
【0107】この場合も、周期状光熱変換膜136の赤外
レーザー光照射部分に対応するLN基板122の箇所で分
極反転が生じることは、前記第6の実施形態において説
明した方法によって確認することができる。また、上記
赤外レーザー光照射部分に対応するLN基板122の箇所
で表面電荷がゼロに近くなることも、前述した表面電位
計による測定で確認することができる。
【0108】なお上述した周期状光熱変換膜136に代え
て、図14に示すように、全面的に光熱変換を行なう光
熱変換膜126を用いるとともに、透明導電膜124に代え
て、微小な導電部134aと非導電部134bとが周期状に繰
り返してなる周期状透明導電膜134を用いても、この周
期状透明導電膜134の作用により、上記実施形態におけ
るのと同様の作用、効果を得ることができる。
【0109】つまりその場合は、赤外レーザー光125の
照射と並行して、透明導電膜124等を利用してLN基板1
22に前述のバイアス電圧を印加する。すると、導電部13
4aに対応したLN基板122の部分ではバイアス電圧印加
の効果により分極反転しきい値電圧が低下して分極反転
が促進されるのに対し、非導電部134bに対応したLN
基板122の部分ではそのような作用が得られないことに
なる。そこで、前述した隣接電荷の相殺効果によってL
N基板122の表面電荷がゼロに近付けられる。
【0110】したがってこの場合は、光熱変換膜126の
赤外レーザー光照射部分に対応するLN基板122の部分
で表面電荷がゼロではなくなり、光熱変換膜126の赤外
レーザー光非照射部分に対応するLN基板122の部分で
表面電荷がゼロ近くになったままとなるので、コントラ
スト表示体132におけるエレクトロクロミック現象を赤
外光照射部分で発現させ、非照射部分で発現させないよ
うにしてコントラストを表示することができる。
【0111】次に、本発明の第8の実施形態について説
明する。本発明の画像表示方法において、強誘電体の分
極反転しきい値電圧を低くするためには、強誘電体の厚
さを小さくすることが有効である。そのためにこの第8
の実施形態においては、上記第7の実施形態で用いたL
N基板122に代えて強誘電体薄膜が用いられている。そ
れ以外の点は、基本的に第7実施形態におけるのと同様
である。
【0112】本例では、LiOCおよびb(OC
)の各アルコキシドを出発原料とし、加水分解に
よって膜厚が約10μmのLiNbOの薄膜を得(ゾル
ゲル法)、それを強誘電体薄膜として用いた。
【0113】このようなLiNbO薄膜を用いても、
第7の実施形態と同様に、コントラスト表示体132にモ
ノクロ画像を表示させることができた。
【0114】また、先に説明した第6の実施形態におい
て、LN基板122に代えて上述のようなLiNbO
膜を用いても、同様にコントラスト表示体123にモノク
ロ画像を表示可能であることが確認された。
【0115】次に、本発明の第9の実施形態について説
明する。図15は、本発明の第9の実施形態による強誘
電体を用いた画像表示方法の工程を示すものである。こ
こで用いられる画像表示媒体141もモノクロ画像を表示
するものであり、同図(1)に示される通り、赤外光を吸
収するドーパントを含むLiNbOの薄膜(以下、ド
ーピングLN薄膜という)142と、このドーピングLN
薄膜142の一表面142aに接合されたコントラスト表示体
123と、ドーピングLN薄膜142の他表面142bに形成さ
れた透明導電膜124とから構成されている。
【0116】ドーピングLN薄膜142は、薄膜形成の際
に、赤外光を吸収する金属を含むドーパントを混在さ
せ、熱処理等により金属微粒子を析出させてなるもので
ある。このようなドーパントとしては、先に説明した通
り、Mg,Ti,Cr,Ni,Cu,Zn,Zr,N
b,Mo,Rh,Ag,In,Sn,Au,Pbのうち
の少なくとも1つを含むものであることが好ましい。一
方コントラスト表示体123は、第6の実施形態で用いら
れたものと同様に、例えばシート状の支持体中に、荷電
粒子であるトナー微粒子が分散されてなるものである。
【0117】本実施形態において画像表示媒体141に画
像表示する際には、予めドーピングLN薄膜142に電場
が印加されて単分極化処理(リセット)がなされる。次
に同図(2)に示すように、画像情報を担持する赤外レー
ザー光125が、透明導電膜124越しにドーピングLN薄膜
142に直接照射される。するとこのドーピングLN薄膜1
42に含まれている上記ドーパントが赤外レーザー光125
を吸収して発熱するので、この発熱部分つまり赤外レー
ザー光125が照射された部分において、ドーピングLN
薄膜142の分極が反転する。
【0118】ドーピングLN薄膜142の分極反転部分で
は、単分極化処理されたままの部分と逆符号の表面電荷
が誘発される。そこで、コントラスト表示体123に分散
している、上記表面電荷と逆符号の電荷を持っているト
ナー微粒子がドーピングLN薄膜142の分極反転部分に
凝集し、その部分が着色してコントラストが生じる。こ
のようにして、赤外レーザー光125が担持している画像
情報に応じたモノクロ画像がコントラスト表示体123に
表示される。
【0119】なおこの場合も、透明導電膜124の代わり
に、図14に示した周期状透明導電膜134を用いてバイ
アス電圧を印加することにより、第7の実施形態におい
て周期状透明導電膜134を用いた場合と同様の作用、効
果を得ることができる。
【0120】次に、本発明の第10の実施形態について
説明する。図16は、本発明の第10の実施形態による
強誘電体を用いた画像表示方法の工程を示すものであ
る。ここで用いられる画像表示媒体151はカラー画像を
表示するものであり、同図(1)に示される通り、LiN
bOの薄膜(以下、LN薄膜という)152と、このL
N薄膜152の一表面152aに接合された3色コントラスト
表示体153と、LN薄膜152の他表面152bに形成された
光熱変換膜126と、この光熱変換膜126のさらに上(図中
の下側)に形成された3波長光透過膜157と、この3波
長光透過膜157のさらに上に形成された透明電極154とか
ら構成されている。
【0121】3波長光透過膜157は、相異なる波長λ1,
λ2,λ3の赤外光を各々選択的に透過させる3種の微小
フィルター157R,157G,157Bが規則的に配置されて
なるものである。これらの微小フィルター157R,157
G,157Bの分光透過率特性は、先に図10(2)を参照し
て説明した微小フィルター117R,117G,117Bのそれ
と基本的に同様である。また各微小フィルター157R,1
57G,157Bの大きさは、表示画像に求められる画素の
大きさ、例えば数μm角程度とされている。
【0122】なお微小フィルター157R,157G,157B
は、例えば、各色画素に対応した多数の孔が設けられた
シャドーマスクを介してまず第1の色のフィルターを支
持体上に積層し、次にシャドーマスクをずらして第2の
色のフィルターを積層し、さらにシャドーマスクをずら
して第3の色のフィルターを積層する、という工程によ
って形成することができる。より具体的には、酸化物の
蒸着膜によってこれらの微小フィルター157R,157G,
157Bを形成することができる。
【0123】一方3色コントラスト表示体153は、外部
から受ける電荷に応じてそれぞれ赤、緑、青に発色する
発色トナー153R,153G,153Bが、シート状の支持体
に担持されてなるものである。これらの発色トナー153
R,153G,153Bは、微小フィルター157R,157G,15
7Bの大きさと同じであり、それぞれ微小フィルター157
R,157G,157Bと各々対応する位置に配されている。
【0124】本実施形態において画像表示媒体151に画
像表示する際には、予めLN薄膜152に電場が印加され
て単分極化処理(リセット)がなされる。図16の(1)
は、この状態を示している。次に同図(2)に示すよう
に、赤色画像情報を担持する波長λ1の赤外レーザー光1
55が、透明電極154および3波長光透過膜157を介して光
熱変換膜126に向けて照射される。なお、赤外レーザー
光155に赤色画像情報を担持させるためには、例えばそ
の強度を変調して、3波長光透過膜157上で2次元的に
走査させればよい。
【0125】すると、微小フィルター157R,157G,15
7Bのうち、波長λ1の赤外レーザー光155が照射された
微小フィルター157Rの部分のみにおいて、該赤外レー
ザー光155が3波長光透過膜157を透過し、光熱変換膜12
6に到達する。そこで、この部分の光熱変換膜126が発熱
し、該発熱部分に接している部分においてLN薄膜152
の分極が反転する。LN薄膜152の分極反転部分では、
単分極化処理されたままの部分と逆符号の表面電荷が誘
発され、この符号の電荷により3色コントラスト表示体
153の発色トナー153Rが赤色に発色する。
【0126】上記赤外レーザー光155の照射と並行し
て、緑色画像情報を担持した波長λ2の赤外レーザー光1
55を3波長光透過膜157上で2次元的に走査させると、
該赤外レーザー光155が透過した微小フィルター157Gと
対応する部分の光熱変換膜126が発熱し、該発熱部分に
接している部分においてLN薄膜152の分極が反転す
る。LN薄膜152の分極反転部分では、単分極化処理さ
れたままの部分と逆符号の表面電荷が誘発され、この符
号の電荷により3色コントラスト表示体153の発色トナ
ー153Gが緑色に発色する。
【0127】また、同様に青色画像情報を担持した波長
λ3の赤外レーザー光155を3波長光透過膜157上で2次
元的に走査させると、該赤外レーザー光155が透過した
微小フィルター157Bと対応する部分の光熱変換膜126が
発熱し、該発熱部分に接している部分においてLN薄膜
152の分極が反転する。LN薄膜152の分極反転部分で
は、単分極化処理されたままの部分と逆符号の表面電荷
が誘発され、この符号の電荷により3色コントラスト表
示体153の発色トナー153Bが青色に発色する。
【0128】以上のように、3色コントラスト表示体15
3に配列されている発色トナー153R,153G,153Bの発
色が、それぞれ赤色画像情報、緑色画像情報、青色画像
情報に基づいて制御されるので、該3色コントラスト表
示体153にこれらの画像情報が担持しているフルカラー
画像を表示することができる。
【0129】なお本実施形態の場合も、先に第6の実施
形態で説明したエッチングの手法によってLN薄膜152
の分極反転を確認することができた。またこのLN薄膜
152の表面電荷分布状態も、各波長λ1,λ2,λ3の赤外
レーザー光155の照射に対応して上記説明の通りとなっ
ていることが、先に述べた表面電位計による測定で確認
された。
【0130】次に、本発明の第11の実施形態について
説明する。図17は、本発明の第11の実施形態による
画像表示方法に用いられる画像表示媒体161を示すもの
である。この画像表示媒体161もカラー画像を表示する
ものであり、図16に示した画像表示媒体151におい
て、光熱変換膜126および3波長光透過膜157を、1つの
3波長光熱変換膜116に置き換えた形のものである。
【0131】上記3波長光熱変換膜116は図8に示した
ものと同等のものである。つまり、該光熱変換膜116を
備えた画像表示媒体161も、図8に示した画像表示媒体1
11と基本的に同様に構成されて、同様の作用、効果を奏
するものであるので、詳細な説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一つの画像形成方法の工程を示す
概略図
【図2】本発明による別の画像形成方法の工程の一部を
示す概略図
【図3】本発明の第1実施形態による強誘電体を用いた
画像形成方法の工程を示す概略図
【図4】本発明の第3実施形態の画像形成方法に用いら
れる画像形成媒体を示す概略図
【図5】本発明の第4実施形態による強誘電体を用いた
画像形成方法の工程の一部を示す概略図
【図6】本発明の第5実施形態の画像形成方法に用いら
れる画像形成媒体を示す概略図
【図7】本発明による画像形成方法を適用した画像表示
方法の仕組みをモノクロ画像表示の場合について説明す
る図
【図8】本発明による画像形成方法を適用した画像表示
方法の仕組みをカラー画像表示の場合について説明する
【図9】カラー画像表示に用いられる画像表示媒体の別
の例を示す概略側面図
【図10】カラー画像表示に用いられる3波長光熱変換
膜の分光吸収率特性(1)と、3波長光透過膜の分光透過
率特性(2)を概略的に示すグラフ
【図11】本発明の第6の実施形態による画像表示方法
の工程を示す図
【図12】本発明の第7の実施形態による画像表示方法
の工程を示す図
【図13】上記第7の実施形態の画像表示方法に用いら
れた周期状光熱変換膜の一部を示す概略平面図
【図14】上記第7の実施形態の画像表示方法に用いら
れる画像表示媒体の別の例を示す概略側面図
【図15】本発明の第9の実施形態による画像表示方法
の工程を示す図
【図16】本発明の第10の実施形態による画像表示方
法の工程を示す図
【図17】本発明の第11の実施形態による画像表示方
法に用いられる画像表示媒体を示す概略側面図
【符号の説明】
1、1’ 画像形成媒体 2 無機強誘電体酸化物薄膜 3、3’ 導電性膜 4 光熱変換膜 5 赤外レーザー光 6 コロナ帯電用ヘッド 7 トナー 8 可動式電極 9 直流電源 10 画像形成媒体 11 LN薄膜 12 カーボン導電性膜 13 表面電位計 20 画像形成媒体 21 導電性膜 22 SiO膜 23 カーボン膜 30 画像形成媒体 31 金属ドーパント 32 LN薄膜 33 透明導電膜 40 画像形成媒体 101 画像表示媒体 102 強誘電体薄膜 103 コントラスト表示体 104 透明電極 105 赤外光 106 直流電源 107 コロナヘッド 111、111’ 画像表示媒体 112 強誘電体薄膜 113 コントラスト表示体 114 透明電極 115 赤外光 116 3波長光熱変換膜 116R,116G,116B 発熱体 117 3波長光透過膜 117R,117G,117B 微小フィルター 121 画像表示媒体 122 LN基板 123 コントラスト表示体 124 透明導電膜 125 赤外レーザー光 126 光熱変換膜 131 画像表示媒体 132 コントラスト表示体 134 周期状透明導電膜 136 周期状光熱変換膜 141 画像表示媒体 142 ドーピングLN薄膜 151 画像表示媒体 152 LN薄膜 153 3色コントラスト表示体 154 透明電極 157 3波長光透過膜 157R,157G,157B 微小フィルター

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電体に画像情報に基づいた分極反転
    パターンを形成し、 この分極反転パターンに対応した表面電荷によって静電
    潜像を得る画像形成方法において、 前記強誘電体として無機強誘電体酸化物を用いることを
    特徴とする強誘電体を用いた画像形成方法。
  2. 【請求項2】 強誘電体に電場を印加すると同時に画像
    情報に対応した分布状態の熱を与えて、該強誘電体にこ
    の画像情報に基づいた分極反転パターンを形成し、 その後前記強誘電体に温度変化を与えて、焦電効果によ
    り前記分極反転パターンに対応した表面電荷を発生さ
    せ、 この表面電荷によって静電潜像を得る画像形成方法にお
    いて、 前記強誘電体として無機強誘電体酸化物を用いることを
    特徴とする強誘電体を用いた画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記無機強誘電体酸化物に前記画像情報
    に対応した分布状態の熱を与えるために、画像情報を担
    持した赤外光を該無機強誘電体酸化物に照射することを
    特徴とする請求項2記載の強誘電体を用いた画像形成方
    法。
  4. 【請求項4】 前記電場の印加を、コロナ帯電法によっ
    て行なうことを特徴とする請求項2または3記載の強誘
    電体を用いた画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記無機強誘電体酸化物に、前記画像情
    報を担持した赤外光を吸収して熱に変換し、その熱を該
    無機強誘電体酸化物に与える光熱変換体を近接または密
    接させておくことを特徴とする請求項3記載の強誘電体
    を用いた画像形成方法。
  6. 【請求項6】 前記無機強誘電体酸化物の一表面側に導
    電性膜を配し、この導電性膜を介して前記電場を印加す
    ることを特徴とする請求項2から5いずれか1項記載の
    強誘電体を用いた画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記導電性膜として、それぞれ微小な導
    電部と非導電部とが混在してなるものを用いることを特
    徴とする請求項6記載の強誘電体を用いた画像形成方
    法。
  8. 【請求項8】 前記導電性膜として、それぞれ微小な導
    電部と非導電部とが所定周期で交互に繰り返してなるも
    のを用いることを特徴とする請求項7記載の強誘電体を
    用いた画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記導電性膜として、前記赤外光に対し
    て透明なものを用いることを特徴とする請求項6記載の
    強誘電体を用いた画像形成方法。
  10. 【請求項10】 前記無機強誘電体酸化物が、金属アル
    コキシドを原料とする薄膜であることを特徴とする請求
    項1から9いずれか1項記載の強誘電体を用いた画像形
    成方法。
  11. 【請求項11】 前記無機強誘電体酸化物が、LiNb
    Ta1−x(0≦x≦1)であることを特徴とす
    る請求項1から9いずれか1項記載の強誘電体を用いた
    画像形成方法。
  12. 【請求項12】 前記無機強誘電体酸化物として、前記
    画像情報を担持した赤外光を吸収するドーパントを含む
    ものを用いることを特徴とする請求項3記載の強誘電体
    を用いた画像形成方法。
  13. 【請求項13】 前記赤外光を吸収するドーパントが、
    Mg,Ti,Cr,Ni,Cu,Zn,Zr,Nb,M
    o,Rh,Ag,In,Sn,Au,Pbのうちの少な
    くとも1つの元素からなることを特徴とする請求項12
    記載の強誘電体を用いた画像形成方法。
  14. 【請求項14】 前記静電潜像をトナー像に現像し、こ
    のトナー像を記録用紙に転写することを特徴とする請求
    項1から13いずれか1項記載の強誘電体を用いた画像
    形成方法。
  15. 【請求項15】 請求項1から14いずれか1項記載の
    強誘電体を用いた画像形成方法により画像形成を行なう
    画像形成装置。
  16. 【請求項16】 請求項1から4いずれか1項記載の強
    誘電体を用いた画像形成方法に用いられる画像形成媒体
    であって、無機強誘電体酸化物からなる画像形成層を有
    することを特徴とする画像形成媒体。
  17. 【請求項17】 前記画像形成層が、画像情報を担持し
    た赤外光を吸収するドーパントを含む無機強誘電体酸化
    物からなることを特徴とする請求項16記載の画像形成
    媒体。
  18. 【請求項18】 前記赤外光を吸収するドーパントが、
    Mg,Ti,Cr,Ni,Cu,Zn,Zr,Nb,M
    o,Rh,Ag,In,Sn,Au,Pbのうちの少な
    くとも1つの元素からなることを特徴とする請求項17
    記載の画像形成媒体。
  19. 【請求項19】 前記無機強誘電体酸化物からなる画像
    形成層に対して、画像情報を担持した赤外光を吸収して
    熱に変換し、その熱を前記画像形成層に与える層状の光
    熱変換体が、近接または密接した状態に配設されている
    ことを特徴とする請求項16から18いずれか1項記載
    の画像形成媒体。
  20. 【請求項20】 前記無機強誘電体酸化物が、金属アル
    コキシドを原料とする薄膜であることを特徴とする請求
    項16から19いずれか1項記載の画像形成媒体。
  21. 【請求項21】 前記無機強誘電体酸化物が、LiNb
    Ta1−x(0≦x≦1)であることを特徴とす
    る請求項16から20いずれか1項記載の画像形成媒
    体。
  22. 【請求項22】 前記無機強誘電体酸化物の一表面側に
    導電性膜が配されていることを特徴とする請求項16か
    ら21いずれか1項記載の画像形成媒体。
  23. 【請求項23】 前記導電性膜が、それぞれ微小な導電
    部と非導電部とが混在してなるものであることを特徴と
    する請求項22記載の画像形成媒体。
  24. 【請求項24】 前記導電性膜が、それぞれ微小な導電
    部と非導電部とが所定周期で交互に繰り返してなるもの
    であることを特徴とする請求項23記載の画像形成媒
    体。
  25. 【請求項25】 前記導電性膜が赤外光に対して透明な
    ものであることを特徴とする請求項22から24いずれ
    か1項記載の画像形成媒体。
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