JP2001330989A - 電子写真用球形トナ−及びその製造方法 - Google Patents

電子写真用球形トナ−及びその製造方法

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JP2001330989A
JP2001330989A JP2000147964A JP2000147964A JP2001330989A JP 2001330989 A JP2001330989 A JP 2001330989A JP 2000147964 A JP2000147964 A JP 2000147964A JP 2000147964 A JP2000147964 A JP 2000147964A JP 2001330989 A JP2001330989 A JP 2001330989A
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toner
acid
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temperature
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Ryozo Sugawara
良三 菅原
Nobuyoshi Shirai
伸佳 白井
Hideki Watanabe
英樹 渡邉
Seiichi Uno
誠一 宇野
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】定着下限温度と非オフセット上限温度の範囲が
広く、低い温度でも高い定着強度が得られ、複写機等の
高速化に適する電子写真用トナーを提供する。 【解決手段】ポリエステル樹脂(A)とポリエポキシ化
合物(B)とを反応させて得られる変性ポリエステル樹
脂(C)を結着樹脂とする電子写真用球形トナーに関す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒ−トロ−ル定着
方式、圧力定着方式、フラッシュ定着方式等各種の静電
記録方式による画像の定着方式に使用できる、電子写真
用球形トナ−およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来電子写真の分野においては、画像形
成のために使用される着色剤(以下「トナ−」とい
う。)を構成するバインダ−として、スチレンアクリル
共重合体やポリエステル樹脂等種々のものが用いられて
いる。かかるトナ−は、その大部分は機械的粉砕方法お
よび分級工程を経て数μmの平均粒子径を有する粉体に
調製され実用に供される。このような機械的粉砕法によ
るトナ−(以下「粉砕法トナ−」という。)に関して
は、粉砕に必要なエネルギ−が多大でありコスト面で不
利であること、製造されるトナ−粉の形状が不規則的か
つ尖点を有するので、その部分が現像機中で過粉砕され
て微粉となり画像劣化の原因となること、画像品質の向
上のため小粒径化した場合、トナ−の流動性が極端に悪
化する等種々の問題点を有している。
【0003】これらの問題点を解消する手段として、転
相乳化法による小粒径球形トナーの製造方法(特開平8
ー211655号公報)が提案されているが、この技術
は揮発性の有機溶剤を使用するため環境衛生上好ましく
なく、また転相乳化後に溶剤を除去回収する工程や、転
相の際に生じる乳化ロスの回収処理をする工程が必要で
あって、プロセス全体が複雑なものとなる等の難点があ
る。さらに、転相乳化法で得られたトナ−中から有機溶
剤を完全に除去することは実際上は困難であることか
ら、かかるトナ−はその帯電特性が劣り、かつトナ−か
ら発生するVOC(揮発性有機化合物)のため、特にオ
フィス環境等で使用する場合支障のあるものであった。
【0004】一方、有機溶剤を用いずに機械的剪断力に
より、主としてポリエステル系のトナー用着色微粒子の
水分散液を製造する方法(以下「無溶剤法」という。)
が特開平9−311502号公報に開示されている。し
かし、かかる製造法において高分子量のポリエステル樹
脂をバインダ−として使用した場合、剪断力によってそ
のバインダ−成分の分子鎖が切断され樹脂が低分子量化
することにより、電子写真用トナ−に要求される耐オフ
セット性等の定着特性を満足することができないものと
なる。従って、この無溶剤法を使用できるバインダ−樹
脂の分子量には現状ある一定の制限があり、そのためト
ナ−の耐オフセット性に劣るものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年複写機また
はプリンターの高速化等に関連し、低エネルギー化、低
ロール圧力化等が望まれており、従って使用される電子
写真用トナーには、定着温度が低く、かつ高温側の耐オ
フセット性に優れることが要求されている。このオフセ
ットとは、特にロ−ル温度が高温になった場合、紙等の
被定着物に定着されたトナ−の一部がロ−ルに付着しさ
らにそれが再び当該被定着物に転写されることで画像が
汚染されることをいい、このオフセット現象を防ぐ為、
バインダ−の分子量分布を広くする方法や、バインダ−
を部分的に架橋させる方法が行われているが、かかる方
法では、トナーの最低定着温度も上昇し、低温定着性と
耐オフセット性の両立を図ることは困難であった。
【0006】本発明の目的は、上記の従来の技術が有す
る課題を解決し、低温定着性に優れ、かつ耐オフセット
性において実用上なんら問題を発生せず、さらに画像品
質に優れ、環境衛生上の問題のない狭い粒度分布を有す
るポリエステル系電子写真用球形トナーを提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる従
来技術の問題点を解消すべく鋭意改良研究を行った結
果、ポリエステル樹脂(A)とポリエポキシ化合物
(B)とを反応させて得られる変性ポリエステル樹脂
(C)を必須の成分としてなる電子写真用球形トナ−
が、低温定着性及び耐オフセット性等の定着性能、およ
びトナ−の流動性、耐久性に優れ、かつ狭い粒度分布を
有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明を以下にさらに詳細に説明
する。本発明は、電子写真複写機またはプリンタ−等に
好適に使用できる、変性ポリエステル樹脂を必須成分と
してなる電子写真用球形トナ−及びその製造方法を提供
するものである。
【0009】以下に、本発明に係る電子写真用球形トナ
−について詳細に説明する。本発明に係る電子写真用球
形トナ−の必須成分である変性ポリエステル樹脂(C)
を調製する際に使用されるポリエステル樹脂(A)は、
公知慣用の原料および製造法により調製される。その際
に使用される原料としてはポリエステル樹脂を構成する
公知慣用の原料であれば、特に制限なく使用することが
できる。使用される原料で代表的なものは、ジカルボン
酸等の多塩基酸およびその無水物あるいはその低級アル
キルエステルの如き反応性誘導体(以下「多塩基酸類」
という。)と、ジオ−ル等の多価アルコ−ルが挙げら
れ、以下のものが好適に用いられる。
【0010】ジカルボン酸としては、マレイン酸、無水
マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、無水イタコン
酸、修酸、マロン酸、コハク酸、無水コハク酸、ドデセ
ニルコハク酸、ドデセニル無水コハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバチン酸、デカン−1,10−ジカル
ボン酸等の脂肪族二塩基酸;
【0011】フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフ
タル酸およびその無水物、ヘキサヒドロフタル酸および
その無水物、テトラブロムフタル酸およびその無水物、
テトラクロルフタル酸およびその無水物、ヘット酸およ
びその無水物、ハイミック酸およびその無水物、イソフ
タル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族または脂環
族の二塩基酸類;が挙げられる。
【0012】さらに、3官能以上の原料成分の一つとし
て、1分子中に3個以上のカルボキシル基を有するカル
ボン酸およびその反応性誘導体も使用することができ
る。これらの代表的なものを挙げると、トリメリット
酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカ
ルボン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水
物、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等がある。
【0013】これらの多塩基酸類はそれぞれ単独で使用
してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
【0014】さらに、上記した多塩基酸類は、そのカル
ボキシル基の一部または全部がアルキルエステル、アル
ケニルエステルまたはアリ−ルエステルとなっているも
のも使用できる。
【0015】また、ポリエステル樹脂(A)を調製する
際に原料成分として、たとえばジメチロ−ルプロピオン
酸あるいはジメチロ−ルブタン酸の如き3官能の原料成
分としてのヒドロキシ酸あるいは6−ヒドロキシヘキサ
ン酸のような、1分子中に水酸基とカルボキシル基を併
有する化合物あるいはそれらの反応性誘導体も使用でき
る。
【0016】さらに、安息香酸、p−tert−ブチル
安息香酸のような一塩基酸も本発明の効果を損なわない
範囲内で併用することができる。
【0017】次に、多価アルコ−ル成分として使用でき
る代表的なものを挙げると、エチレングリコ−ル、1,
2−プロピレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、
1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−
ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、
トリエチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の
脂肪族ジオ−ル類;
【0018】ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルF等の
ビスフェノ−ル類;ビスフェノ−ルAのエチレンオキサ
イド付加物、ビスフェノ−ルAのプロピレンオキサイド
付加物等のビスフェノ−ルAのアルキレンオキサイド付
加物;キシリレンジグリコ−ル、シクロヘキサンジメタ
ノ−ル、水添ビスフェノ−ルA等のアラルキレングリコ
−ルまたは脂環族のジオ−ル類;がある。また、フェニ
ルグリシジルエ−テル、「カ−ジュラE10」[シェル
ケミカル社製分岐脂肪酸のモノグリシジルエステル]等
のモノエポキシ化合物もかかるジオ−ル類として使用す
ることができる。
【0019】3官能以上の原料成分の一つとして、3個
以上の水酸基を有する化合物も使用することができ、そ
の代表的なものとして、グリセリン、トリメチロ−ルエ
タン、トリメチロ−ルプロパン、ソルビト−ル、1,
2,3,6−ヘキサンテトロ−ル、1,4−ソルビタ
ン、ペンタエリスリト−ル、ジペンタエリスリト−ル、
2−メチルプロパントリオ−ル、1,3,5−トリヒド
ロキシベンゼン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソ
シアヌレ−ト等がある。
【0020】また、下記に示すようなポリエポキシ化合
物も3官能以上の原料成分としての多価アルコ−ル類と
して使用することができる。たとえば、エチレングリコ
ール、ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、ト
リメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセ
リン、ペンタエリスリトール、ソルビトールまたは水添
ビスフェノールAの如き、各種の脂肪族ないしは脂環式
ポリオールのポリグリシジルエーテル類;
【0021】ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、
ビスフェノールA、ビスフェノールSもしくはビスフェ
ノールFの如き、各種のフェノ−ル性水酸基の2個を含
有する化合物のポリグリシジルエーテル類;上記したフ
ェノ−ル性水酸基の2個を含有する化合物のエチレンオ
キシドもしくはプロピレンオキシド付加体の如き誘導体
のジグリシジルエーテル類;
【0022】ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコールもしくはポリテトラメチレングリコールの如
き、各種のポリエーテルポリオールのポリグリシジルエ
ーテル類;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レ−トのポリグリシジルエーテル類;アジピン酸、ブタ
ンテトラカルボン酸、プロパントリカルボン酸、フタル
酸、テレフタル酸もしくはトリメリット酸の如き、各種
の脂肪族ないしは芳香族ポリカルボン酸のポリグリシジ
ルエステル類;
【0023】ブタジエン、ヘキサジエン、オクタジエ
ン、ドデカジエン、シクロオクタジエン、α−ピネンも
しくはビニルシクロヘキセンの如き、各種の炭化水素系
ジエンのビスエポキシド類;ビス(3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル)アジペートもしくは3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘ
キシルカルボキシレートの如き、各種の脂環式ポリエポ
キシ化合物;またはポリブタジエンもしくはポリイソプ
レンの如き、各種のジエンポリマーのエポキシ化物;
【0024】「EGM−400」[東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)製の、3−グリシドキシプロピル
基を有する、環状のポリシロキサンの商品名];等のポ
リエポキシ化合物が挙げられる。
【0025】これら上記した多価アルコ−ル類は、単独
で使用してもよいし2種以上のものを併用することもで
きる。さらに、これらの多価アルコ−ル類の他、ステア
リルアルコ−ルなどの1価の高級アルコ−ル等も本発明
の特徴を損なわない範囲で併用することができる。
【0026】ポリエステル樹脂(A)を調製するには公
知慣用の方法が使用できる。すなわち、ポリエステル樹
脂(A)を調製する方法としては、上記した原料成分で
ある多塩基酸類および多価アルコ−ル類を窒素雰囲気中
で加熱下に脱水縮合させてポリエステル樹脂を調製する
方法が一般的であり、その際使用される装置は、窒素導
入口、温度計、攪拌装置、精留塔等を備えた反応容器の
如き回分式の製造装置が好適に使用できるほか、脱気口
を備えた押し出し機や連続式の反応装置、混練機等も使
用できる。また、必要に応じて反応系を減圧することに
よって、エステル化反応を促進することもできる。さら
に、エステル化反応の促進のために、公知慣用の触媒を
添加することもできる。
【0027】次に、ポリエステル樹脂(A)の性状につ
いて説明する。ポリエステル樹脂(A)は、ポリエポキ
シ化合物(B)と反応し化学結合を形成し得る官能基、
すなわち、代表的には、カルボキシル基を適当量有して
いる必要がある。より詳しくは、ポリエポキシ化合物
(B)との反応性、変性ポリエステル樹脂(C)の製造
の容易性、変性ポリエステル樹脂(C)のトナ−用バイ
ンダ−としての適性等を考慮すると、ポリエステル樹脂
(A)の酸価は、5〜100mgKOH/gの範囲、よ
り好ましくは8〜70mgKOH/gの範囲であること
が望ましい。
【0028】さらに、電子写真用トナ−の耐オフセット
性を良好にする観点より、ポリエステル樹脂(A)は前
記した3官能以上の原料成分を併用して調製されるもの
であることがより好ましい。
【0029】次に、本発明に係る変性ポリエステル樹脂
(C)を調製する際に使用される、ポリエポキシ化合物
(B)について説明する。
【0030】本発明に係るポリエポキシ化合物として特
に代表的なものを例示すると、エチレングリコ−ル、
1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、
トリメチロ−ルプロパン、トリメチロ−ルエタン、グリ
セリン、ペンタエリスリト−ル、ソルビト−ルまたは水
添ビスフェノ−ルAの如き、各種の脂肪族ないしは脂環
式ポリオ−ルのポリグリシジルエ−テル類;
【0031】ヒドロキノン、カテコ−ル、レゾルシン、
ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルSもしくはビスフェ
ノ−ルFの如き、各種の芳香族系ジオ−ルのポリグリシ
ジルエ−テル類;上掲したような芳香族系ジオ−ル類の
エチレンオキシドもしくはプロピレンオキシド付加体の
如き、該芳香族系ジオール誘導体類のジグリシジルエ−
テル類;オルソクレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、
フェノ−ルノボラック型エポキシ樹脂;
【0032】ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレン
グリコ−ルもしくはポリテトラメチレングリコ−ルの如
き、各種のポリエ−テルポリオ−ルのポリグリシジルエ
−テル類;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レ−トのポリグリシジルエ−テル類;アジピン酸、ブタ
ンテトラカルボン酸、プロパントリカルボン酸、フタル
酸、テレフタル酸もしくはトリメリット酸の如き、各種
の脂肪族ないしは芳香族ポリカルボン酸のポリグリシジ
ルエステル類;
【0033】ブタジエン、ヘキサジエン、オクタジエ
ン、ドデカジエン、シクロオクタジエン、α−ピネンも
しくはビニルシクロヘキセンの如き、各種の炭化水素系
ジエンの種々のビスエポキシド類;ビス(3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル)アジペ−トもしくは3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシ
クロヘキシルカルボキシレ−トの如き、各種の脂環式ポ
リエポキシ化合物;またはポリブタジエンもしくはポリ
イソプレンの如き、各種のジエンポリマ−の種々のエポ
キシ化物;
【0034】「EGM−400」[東レ・ダウコーニン
グ・シリコ−ン(株)製の、3−グリシドキシプロピル
を有する、環状のポリシロキサンの商品名];等があ
る。これらのポリエポキシ化合物(B)は、単独で使用
してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0035】かかるポリエポキシ化合物(B)のうち、
変性ポリエステル樹脂(C)の製造容易性および得られ
る球形トナ−の特性等を考慮すると、ポリエポキシ化合
物の1分子中のエポキシ基の個数、すなわち官能性は、
2から6官能のものが好ましい。
【0036】次に、本発明に係る変性ポリエステル樹脂
(C)について説明する。本発明に係る変性ポリエステ
ル樹脂(C)は、ポリエステル樹脂(A)と、ポリエポ
キシ化合物(B)とを反応させることを特徴とする。
【0037】さらに詳しくは、ポリエステル樹脂(A)
の有するカルボキシル基と、ポリエポキシ化合物(B)
の有するエポキシ基との反応を主たる反応として、ポリ
エステル樹脂(A)とポリエポキシ化合物(B)との間
に化学結合を形成させることによって変性ポリエステル
樹脂(C)を得ることを特徴とする。
【0038】本発明に係る変性ポリエステル樹脂(C)
の製造方法については、特に制限はないが、ポリエステ
ル樹脂(A)をその融点以上の温度で加熱溶融してお
き、そこへポリエポキシ化合物(B)を徐々に投入し、
均一に攪拌混合しながら反応系の酸価、粘度等をモニタ
−することにより所望の変性ポリエステル樹脂(C)を
得る方法が最も簡便である。
【0039】また、変性ポリエステル樹脂(C)を製造
する際に使用される装置は、前記した公知慣用のものが
使用できる。すなわち、窒素導入口、温度計、攪拌装
置、精留塔または還流冷却器等を備えた反応容器の如き
回分式の製造装置が好適に使用できるほか、脱気口を備
えたスクリュ−押し出し機若しくは連続式の反応装置、
一軸若しくは二軸の混練機等も使用できる。本発明に係
る製造方法における反応は生成物等の酸化を防止するた
めに、窒素雰囲気下で行うのが好ましい。
【0040】また、ポリエステル樹脂(A)とポリエポ
キシ化合物(B)とを反応させる際の反応温度は、特に
制限はないが、反応の促進、副反応の抑制等の観点よ
り、150℃から300℃の範囲が好ましく、180℃
から250℃の範囲がより好ましい。
【0041】さらに、ポリエステル樹脂(A)とポリエ
ポキシ化合物(B)の使用比率は、変性ポリエステル樹
脂(C)の製造容易性、得られる球形トナ−の特性等を
考慮すると、ポリエステル樹脂(A)の重量をWa、ポ
リエポキシ化合物(B)の重量をWbとした場合、Wa
/Wbが2から200の範囲にあることが好ましい。
【0042】本発明に係る変性ポリエステル樹脂(C)
は、電子写真用球形トナ−の必須成分として実用に供せ
られるため、適切な溶融粘度、ガラス転移温度等の性質
を具備する必要がある。かかる観点より、変性ポリエス
テル樹脂(C)のGPC法による重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、
10.0〜100.0の範囲にあることが好ましい。ま
た、ポリエステル樹脂(C)のGPC法で測定したポリ
スチレンの換算分子量10万に相当する位置の相対強度
(I10)と換算分子量1万に相当する位置の相対強度
(I01)の比(「r」)が0.1〜0.9の範囲にあ
ることが好ましい。かかる範囲の分子量分布をもつポリ
エステル樹脂を使用することにより、定着性、耐オフセ
ット性等の好ましいトナ−特性を得ることができる。
【0043】さらに、変性ポリエステル樹脂(C)の溶
融粘度が1×104Pa・sとなる温度(以下「T4」
と表記する。)は、好ましくは、80℃から200℃の
範囲、より好ましくは、90℃から160℃の範囲であ
ることが望ましい。また、示差熱測定(以下「DSC」
と略記する。)によるガラス転移温度(以下「Tg」と
略記する。)は、50℃から100℃の範囲、より好ま
しくは、60℃から80℃の範囲であることが望まし
い。
【0044】次に、本発明に係る電子写真用球形トナ−
について説明する。本発明に係る電子写真用トナ−は、
上記の変性ポリエステル樹脂(C)を必須の成分として
含有するものであり、通常以下に例示する他の成分をも
配合して調製される。
【0045】使用される他の成分としては、着色剤、帯
電制御剤、ワックス、流動調整剤等が挙げられる。
【0046】着色剤として使用できる代表的なものを挙
げると、黒色トナ−の場合サ−マルブラック法、アセチ
レンブラック法、チャンネルブラック法、ファ−ネスブ
ラック法、ランプブラック法等により製造される各種の
カ−ボンブラックや、カラ−トナ−の場合フタロシアニ
ンブル−、アニリンブル−、カルコオイルブル−、ウル
トラマリンブル−、メチレンブル−クロライド、マラカ
イトグリ−ンオクサレ−ト、クロムイエロ−、キノリン
イエロ−、デュポンオイルレッド、ロ−ズベンガル等の
顔料やニグロシン系またはロ−ダミン系染料などがあ
り、これらは、それぞれ単独で使用できるし、2種以上
を併用してもよい。
【0047】帯電制御剤は低分子化合物から高分子化合
物まで種々の物質が使用できるが、代表的なものを挙げ
ると、ニグロシン染料、4級アンモニウム化合物、アミ
ノ基を有するモノマ−を単独重合あるいは共重合してな
る高分子化合物や、有機金属錯体、キレ−ト化合物等が
ある。
【0048】ワックスは複写機あるいはプリンタ−等の
定着ロ−ルにトナ−がオフセットすることを防止し、か
つ低温定着が可能となるよう添加されるが、その代表的
なものを挙げると、天然ワックス、各種のポリオレフィ
ン類等がある。
【0049】流動調整剤はトナ−の流動性を向上させる
ために添加されるが、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテ
トラフルオロエチレン微粉末、湿式法若しくは乾式法の
シリカ微粉末等を使用することができる。
【0050】ただし、上記の着色剤以外の帯電制御剤、
ワックス、および流動調整剤は必ずしも必須の成分とい
うわけではなく、それらのうち一部の使用を欠如するこ
ともできるし、さらに別の成分を加えることもできる。
【0051】本発明に係る電子写真用球形トナ−は、公
知慣用の方法により調製され、特定の方法に限定されな
いものであるが、製造の容易性等を考慮すると、以下に
説明する無溶剤の造粒方法(前記した「無溶剤法」)に
よるのが好適である。すなわち、(1)まず変性ポリエ
ステル樹脂(C)と顔料とその他必要な添加剤、例えば
帯電制御剤、離型剤などを粉砕法トナーの製造の場合と
同様にして、加圧ニーダー、加熱3本ロール、2軸押し
出し混練機などを用いて熔融混練し、着色樹脂溶融体を
製造する。(2)次にこの着色樹脂溶融体と、変性ポリ
エステル樹脂(C)の極性基を中和する物質を含むとと
もに、加熱し必要に応じてさらに加圧することにより当
該変性ポリエステル樹脂(C)の軟化点以上の温度に加
熱した水性媒体とを混合し、(3)この混合物の温度を
当該変性ポリエステル樹脂(C)の溶融状態を維持しな
がら、前記着色樹脂熔融体を水性媒体中に機械的手段に
より微分散させ、(4)その後直ちに急速冷却すること
により着色樹脂微粒子の水分散液を製造し、(5)該分
散液から該着色樹脂微粒子を分離し、(6)分離された
着色樹脂微粒子を乾燥し、その後従来の粉砕法トナ−と
同様に、この着色樹脂微粒子を分級し、疎水性シリカな
どの外添剤を添加してトナ−とするものである。
【0052】前記ポリエステル樹脂の極性基の中和剤と
しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リ
チウムなどのアルカリ化合物、それらの炭酸塩、それら
の酢酸塩などおよびアンモニア水、メチルアミン、ジメ
チルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリエチルアミンなどのアルキルアミン類、
ジエタノ−ルアミンなどのアルカノ−ルアミン類などを
使用することができる。
【0053】これらの中でも、上記の乾燥工程で大部分
が除去され、トナ−としての特性に影響を与えない点
で、アンモニア水を用いるのが好ましい。前記機械的手
段により微分散させるための装置としては、マントンゴ
−リン高圧ホモジナイザ(ゴ−リン社)、連続式超音波
ホモジナイザ−(日本精機株式会社)、ナノマイザ−
(ナノマイザ−社)、マイクロフルイダイザ−(みずほ
工業株式会社)、ハレル型ホモジナイザ−、スラッシャ
(三井鉱山株式会社)、キャビトロン(株式会社ユ−ロ
テック)などが挙げられる。
【0054】上記の無溶剤法で得られた電子写真用球形
トナ−にキャリヤを配合し混合することにより現像剤を
調製することができる。また、本発明の電子写真用球形
トナ−に磁性粉を予め配合しておくことにより、本発明
の電子写真用球形トナ−自体をキャリア−を必要としな
い一成分の現像剤として使用することもできる。
【0055】本発明の電子写真用球形トナ−は、球形で
あることに特徴を有する。球形であることにより、粉砕
法トナ−と比較しキャリヤ汚染を起こしにくく、かつ極
めて耐久性が良く、流動性が良いという効果が発揮され
る。
【0056】本発明にいう「球形」は、真球状はもちろ
ん、楕円状、繭状等を含む広い概念であるが形状中に鋭
利な尖点部分を含まないものをいう。また本発明の電子
写真用トナ−の粒子径は、体積平均粒子径で通常2〜2
0μmであるが、画像の解像力の点で3〜13μmが好
ましく、より好ましくは3〜8μmである。本発明にお
けるトナ−の平均粒子径とは、粒度分布測定機であるコ
−ルターマルチサイザ−2(ベックマン・コ−ルタ−社
製)で測定した50%体積平均粒子径の値をいう。
【0057】また本発明の電子写真用球形トナ−の粒度
分布は、コ−ルタ−マルチサイザ−2を用いた体積粒子
径の分布測定において、1.36以下であり、1.34
以下が好ましく、より好ましくは1.32以下である。
本発明におけるトナ−の粒度分布とは、コ−ルタ−マル
チサイザ−2を用いた体積粒子径の分布測定において、
その84%径と16%径の比の平方根で表される値「√
(D84/D16)」をいい、この数値が大きいほど粒
度分布の広がりが大きく、小さいほど粒度分布の広がり
は小さいことを示す。この数値が1.36以下であるこ
とは、トナ−として実用上問題のない程度に粒度分布が
狭いことを表す。本発明のトナ−は、上記の粒度分布の
数値から分布がシャ−プであり、分級工程を必要としな
いものである。
【0058】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明の技術的な範囲は以下の実施例に限
定されるものではない。実施例中「部」とあるのは、特
にことわりがない限り重量部をあらわすものとする。
【0059】合成例1[ポリエステル樹脂(A)の合成
例] 攪拌装置、窒素導入管、温度センサ−、精留塔を備えた
内容量5リットルのフラスコにエチレングリコ−ルの4
54部、ネオペンチルグリコ−ルの763部、テレフタ
ル酸の1,645部およびイソフタル酸の705部を仕
込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系
内が均一に攪拌されていることを確認した後、ジブチル
錫オキサイドの1.5部を投入した。さらに生成する水
を留去しながら同温度から240℃まで6時間を要して
温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継
続し、最終的に酸価が10.0mgKOH/g、水酸基
価が37mgKOH/g、環球法による軟化点が107
℃であるポリエステル樹脂を得た。これをポリエステル
樹脂(A−1)と略記する。
【0060】合成例2[同上] ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物(平均付
加モル数2.2、水酸基価約360mgKOH/g)の
1,951部、トリメチロ−ルプロパンの110部、テ
レフタル酸の1,049部を使用する以外は、合成例1
と全く同様にして酸価が9mgKOH/g、水酸基価が
25mgKOH/g、環球法による軟化点が123℃
で、Mnが3,400で、Mwが34,500であるポ
リエステル樹脂を得た。これをポリエステル樹脂(A−
2)と略記する。
【0061】合成例3[粉砕法トナ−の調製に供せられ
る比較対照用のポリエステル樹脂の合成例] エチレングリコ−ルの386部、ネオペンチルグリコ−
ルの650部、「エピクロン850」(大日本インキ化
学工業株式会社製のビスフェノ−ルAジグリシジルエ−
テルタイプのエポキシ樹脂の製品名、エポキシ当量約1
90)の370部、カ−ジュラE(油化シェルエポキシ
社製の分岐脂肪酸グリシジルエステルの商品名)、およ
びテレフタル酸の1,822部、イソフタル酸の455
部を使用する以外は合成例1と全く同様にして、酸価が
10mgKOH/g、水酸基価が31mgKOH/g、
高化式フロ−テスタ−による溶融粘度の定速昇温測定に
おいて、樹脂の粘度が104Pa・sとなる温度(T
4)が141℃で、GPCによる数平均分子量(Mn)
が3,200、かつ重量平均分子量(Mw)が140,
000(すなわち、Mw/Mn=43.8)、かつDS
Cによるガラス転移温度(Tg)が63℃のポリエステ
ル樹脂を得た。これを比較対照用のポリエステル樹脂
(A´)と略記する。
【0062】実施例1 温度計、攪拌機、窒素導入管、および精留塔を備えた内
容積が5リットルのフラスコに、ポリエステル樹脂(A
−1)の3,000部を仕込み、攪拌が可能になるよう
に昇温し、温度を230℃に保った。ついで「エピクロ
ン850」(同前)の120部を加えて均一に攪拌混合
し、1時間を要して温度を200℃に昇温し、さらに同
温度で30分間反応させた。その結果、高化式フロ−テ
スタ−による溶融粘度が104Pa・sとなる温度(以
下「T4」と略記する。)が143℃、Mnが3,20
0、Mwが220,000(すなわち、Mw/Mn=6
8.8)、GPC法で測定したポリスチレンの換算分子
量10万に相当する位置の相対強度(I10)と換算分
子量1万に相当する位置の相対強度(I01)の比rが
0.7、かつTgが62℃の変性ポリエステル樹脂を得
た。これを変性ポリエステル樹脂(C−1)と略記す
る。
【0063】この変性ポリエステル樹脂(C−1)の9
0部とカーボンブラック(エルフテックス8:キャボッ
ト社製)の10部とを2軸連続混練機を用い混練した
後、該混練物を180℃に加熱して着色樹脂熔融体と
し、キャビトロンCD1010に毎分100gの速度で
移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモ
ニア水をイオン交換水で希釈した0.37重量%濃度の
希アンモニア水を入れ、熱交換器で150℃に加熱しな
がら毎分0.1リットルの速度で、上記着色樹脂熔融体
と同時にキャビトロンに移送した(中和率160%)。
回転子の回転速度が7500rpm、圧力が5Kg/c
2の運転条件で製造した温度135℃のスラリ−を1
0秒間で温度35℃まで冷却して出口から取り出した。
【0064】このスラリ−中のトナ−粒子は球形であ
り、分散液の濃度は固形分が50%であった。コ−ルタ
−マルチサイザ−2による測定により、トナ−粒子の平
均粒子径は5.8ミクロンであり、その粒度分布は1.
32であった。このトナ−原体粒子は、トナ−として実
用的に使用するための粒度調整を必要としないものであ
った。トナ−原体粒子を濾別した後に水洗を行い、乾燥
して粉体のトナ−原体を得た。このトナ−原体粒子に、
0.2%の疎水性シリカ(日本アエロジル社製R−97
2)をドライブレンドして平均粒径5.8ミクロンの球
形の黒色トナーを得た。この黒色トナ−を「トナ−1」
と略記する。
【0065】実施例2 ポリエステル樹脂(A−1)の3,000部に替えてポ
リエステル樹脂(A−2)の3,000部を使用し、
「エピクロン850」に替えて1,6−ヘキサンジオ−
ルジグリシジルエ−テル(エポキシ当量約230)の6
0部を使用した以外は実施例1と全く同様にして、T4
が135℃、Mnが3,500、Mwが128,000
(すなわち、Mw/Mn=36.6)、GPC法で測定
したポリスチレンの換算分子量10万に相当する位置の
相対強度(I10)と換算分子量1万に相当する位置の
相対強度(I01)の比rが0.4で、Tgが55℃の
ポリエステル樹脂を得た。これを変性ポリエステル樹脂
(C−2)と略記する。
【0066】この変性ポリエステル樹脂(C−2)を使
用し、実施例1と同様にして、トナ−粒子の平均粒子径
が6.5ミクロンで、粒度分布が1.31である黒色球
形トナ−粒子原体を得た。この黒色球形トナ−粒子原体
を使用し、実施例1と全く同様の操作により、平均粒子
径が6.5ミクロンの黒色球形トナ−を得た。これを
「トナ−2」と略記する。
【0067】比較例1 比較対照用のポリエステル樹脂A´の900部とエルフ
テックス8(米国キャボット社製のカ−ボンブラックの
商品名)100部を2軸連続混練機を用いて着色樹脂混
練物とし、冷却後粗粉砕しさらにジェットミルで微粉砕
し、風力分級機で平均粒径が約7ミクロンのトナ−粒子
となるよう調製した。この粉砕法トナー粒子に、0.2
%の疎水性シリカ(日本アエロジル社製R−972)を
ドライブレンドして平均粒径が7.2ミクロンの黒色粉
砕トナーを得た。これを「比較トナ−1」と略記する。
【0068】比較例2(変性しないポリエステル樹脂を
用いた転相乳化法による比較対照用トナ−の製造例) 温度計、攪拌機、窒素導入管、およびコンデンサ−を備
えた内容積が5リットルのフラスコに、ポリエステル樹
脂(A−2)の3,000部、メチルエチルケトン
(「MEK」と略記する。)の1,000部を仕込み、
50℃の条件下で撹拌し、ポリエステル樹脂(A−2)
を溶解した。ついで、温度を20℃まで下げ、25%ア
ンモニア水の58.2部を加え中和反応させた。この中
和後の樹脂溶液の1,000部にエルフテックス8(同
前)の78部を加えボ−ルミルで24時間混練した。混
練中に揮発したMEKを補充した後、この混練物の50
0部を内容積1リットルのフラスコに仕込み、タ−ビン
翼で800回転/分で撹拌しながらイオン交換水の35
0部を1時間を要して滴下した。ついで、内容物を約4
0℃に保ちながら減圧蒸留によりMEKを留去し、粒子
を濾別・乾燥した。この粒子は球形であり、コ−ルタ−
マルチサイザ−2による測定による平均粒子径は8.8
ミクロンであり、その粒度分布は1.41であった。こ
の粒子は、トナ−として実用に供するために分級を必要
とした。分級後の粒子に、0.2%の疎水性シリカ(日
本アエロジル社製R−972)をドライブレンドして平
均粒径8.2ミクロンの球形の黒色トナ−を得た。この
黒色トナ−を「比較トナ−2」と略記する。
【0069】なお、GPC法によるMn(数平均分子
量)、Mw(重量平均分子量)の測定は、Shodex
GPC SYSTEM−21(昭和電工(株)製)を使
用して行なった。
【0070】また、高化式フロ−テスタ−(島津製作所
(株)製、CFT−500)の測定条件は、昇温速度6
℃/分、荷重10Kg、ダイス1mmφ×1mmであ
る。示差熱測定はDSC法により昇温速度10℃/分で
行なった。
【0071】実施例1、2および比較例1、2で調製し
たトナ−を使用し、トナ−濃度が10重量%となるよう
に酸化鉄粉(平均粒子径100ミクロン)と混合し、電
子写真用現像剤を得た。この現像剤を用いて、定着/オ
フセット、定着強度および画像の評価を行った。具体的
には、実際の複写機の定着ロ−ルを用いて定着下限温度
(「Tl」と略記する。)、非オフセット上限温度
(「Tu」と略記する。)、および画像の目視評価なら
びに低温定着性の評価をおこなった。その結果を表に示
した。
【0072】定着/オフセットの評価は、予めA4サイ
ズの普通紙に未定着の黒ベタの帯状画像(幅2cm)を
各測定の定着温度に対応した枚数分作製しておき、当該
普通紙を温度が任意に設定できるように改造した複写機
の定着部分を通して熱定着させ、得られた画像を脱脂綿
でこすることによりトナ−が脱脂綿に付着しなくなる温
度で定着下限温度を評価した。また非オフセット上限温
度は、かかる普通紙の定着画像以外の白色部分に、定着
ロ−ルからオフセットしたトナ−が再度付着することに
よる画像の汚染が認められなくなる温度として目視評価
することにより行なった。
【0073】
【表1】 (注)1)定着強度は、それぞれ120℃および160
℃で黒ベタ画像を定着させた複写物にテ−プを付着さ
せ、剥離したときのテ−プに付着したトナ−の量を10
段階で目視評価した。数字の大きいもの程、付着トナ−
が少なく、定着性が良好であることを表す。 2)画像の品質は、作成した複写画像の画像荒れ、鮮明
性を目視で比較評価した。
【0074】
【発明の効果】本発明に係る電子写真用球形トナ−は、
定着下限温度と非オフセット上限温度の範囲が広く、低
い温度でも高い定着強度が得られるため複写機等の高速
化に適している。また、得られた画像の品質も良好なた
め、極めて実用性の高い優れた性能を有する。さらに、
本発明に係る電子写真用球形トナ−の製造方法は、分級
操作を必要とせずに粒径分布の極めて狭い球形トナ−が
得られるものであり、極めて実用性が高い。
フロントページの続き (72)発明者 宇野 誠一 千葉県市原市五井2085−506 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA15 AB03 CA07 CA08 CA18 DA06 DA10 EA06 EA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル樹脂(A)とポリエポキシ化
    合物(B)とを反応させて得られる変性ポリエステル樹
    脂(C)を結着樹脂とする電子写真用球形トナー。
  2. 【請求項2】ポリエポキシ化合物(B)が、2〜6官能
    のポリエポキシ化合物である請求項1に記載の電子写真
    用球形トナー。
  3. 【請求項3】変性ポリエステル樹脂(C)が、下記
    (1)及び/又は(2)の条件を満足することを特徴と
    する請求項1又は2記載の電子写真用球形トナー。 (1)ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GP
    C)法で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子
    量(Mn)の比(Mw/Mn)が10.0〜100.0
    の範囲にあること (2)GPC法で測定したポリスチレンの換算分子量1
    0万に相当する位置の相対強度(I10)と換算分子量
    1万に相当する位置の相対強度(I01)の比(I10
    /I01)が0.1〜0.9の範囲にあること
  4. 【請求項4】ポリエステル樹脂(A)とポリエポキシ化
    合物(B)とを反応させて得られる変性ポリエステル樹
    脂(C)と顔料とを必須成分とする着色樹脂熔融体を、
    該樹脂の熔融状態を維持しつつ、高温水中に分散し、冷
    却し、次いで乾燥することを特徴とする電子写真用球形
    トナーの製造方法。
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