JP2001330935A - 認証性が付与されたハロゲン化銀写真要素、記録材料および認証識別方法 - Google Patents

認証性が付与されたハロゲン化銀写真要素、記録材料および認証識別方法

Info

Publication number
JP2001330935A
JP2001330935A JP2000147050A JP2000147050A JP2001330935A JP 2001330935 A JP2001330935 A JP 2001330935A JP 2000147050 A JP2000147050 A JP 2000147050A JP 2000147050 A JP2000147050 A JP 2000147050A JP 2001330935 A JP2001330935 A JP 2001330935A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
dye
image
silver halide
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000147050A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiharu Yabuki
嘉治 矢吹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000147050A priority Critical patent/JP2001330935A/ja
Publication of JP2001330935A publication Critical patent/JP2001330935A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Printing Methods (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 検証に特殊な装置を使用せず、かつ、画像の
審美性、芸術性を損なわない安価で簡易な認証識別方法
並びに該認証におけるセキュリティパターンを有する記
録材料、ハロゲン化銀写真材料、更には記録材料用支持
体を提供する。 【解決手段】 露光前に予め、相互作用性基を有する蛍
光染料によってセキュリティパターンが形成されている
ハロゲン化銀写真要素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信頼性を実証で
き、知的所有権保護や公正書類等の偽造に対して保護さ
れた記録材料及び識別方法に関するもので、特に、記録
材料用支持体、ハロゲン化銀写真要素に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】信頼性を実証できなければならない資料
としては、識別資料(例えばパスポート、ビザ、身分証
明書、運転免許証、銀行カード、クレジットカード、入
場保証カード)、有価資料(例えば銀行券、株券、借用
書、証書、小切手、くじ券)、入場券(例えば航空機切
符)および著作物(例えば、著作権のある画像、写真)
等がある。近年の複写技術の発展に伴い、上記の資料は
容易に複写できるようになった。このため、知的所有権
や著作権が侵害されたり、上記の公文書も含む資料が偽
造されたりすることが数多く見られるようになり大きな
問題となってきている。写真コピーによるこれら資料の
詐欺的改変や複製を保護するために、種々の技術、例え
ば、プレプリントしたプラスチック保護膜による溶融積
層または接着、資料の基体を着色または金属化するこ
と、ホログラムの導入、微細線印刷、すかし、光回折マ
ーク、液晶マーク、金属箔、真珠箔、干渉顔料、繊維、
防護繊維の適用等が使用されている。しかしながら、こ
れらの方法では、画像を取扱った資料の画像の芸術性を
損なったり、コスト的負担が大きかったりして、画像、
特に写真の芸術性、審美性を重視する場合には必ずしも
満足できるものではない。
【0003】近年では画像、特に写真画像の出力はハロ
ゲン化銀写真感光材料だけでなく、昇華転写プリンタ
ー、インクジェットプリンターの性能が向上し、これら
でも出力される機会が多くなった。このような写真分野
においても、写真家の知的所有権や著作権を守るため、
あるいは証明書類の偽造防止のため、米国特許第5,8
22,436号では主画像の露光前に予め適用された複
写規制用のエンコードされた補助情報シグナル、特開平
9−226227号、特開平11−8761号では複写
規制用マイクロドット(主画像露光前に青感性層等の特
定の層のハロゲン化銀乳剤に潜像として付与)、特開平
11−15104号では除去可能な減色マイクロドット
を使用することが提案されているが、これらは検証のた
めに特殊なアルゴリズムを使用した解析ソフトと特殊な
装置が必要であり、汎用的ではない。
【0004】一方、上記のような特殊な装置を必要とし
ない方法として、添付される写真に特定の目印をつける
ことが提案されている。拡散転写(DTR法)の受像シ
ートに、特表平9−510925号には光干渉顔料を用
いて、米国特許第4,653,775号には、拡散転写
写真材料の受像シートに予め染料や顔料を用いてセキュ
リティパターンを印刷しておき、IDカードなどセキュ
リティ分野に適用することが提案されている。しかしな
がら、提案されている方法では、通常の染料や顔料を用
いて印刷インキを調製しセキュリティパターンを印刷す
るため、アルカリ条件下や高温高湿条件下におかれた場
合にセキュリティパターンがにじむ等などの問題が有っ
た。しかも、これらの染料から形成されたセキュリティ
パターンの堅牢性は必ずしも満足できるものではなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の発明者は、検
証に特殊な装置を使用せず、かつ、画像の審美性、芸術
性を損なわない認証識別方法を検討した。特に、印刷さ
れたセキュリティパターンがアルカリ条件下や高温高湿
条件下に置かれた場合に色がにじむ現象を研究した結
果、セキュリティパターンがにじむ現象は、セキュリテ
ィパターンに用いられた蛍光物質などの着色剤とバイン
ダーとの相互作用が弱いために、アルカリ条件下や高温
高湿条件下で印字された着色剤が拡散してしまうためで
あることを突き止めた。従って、本発明の第一の目的
は、検証に特殊な装置を使用せず、かつ、画像の審美
性、芸術性を損なわない、かつ、写真画像の色バランス
に影響を与えない、安価で簡易な認証識別方法並びに該
認証におけるセキュリティパターンを有する記録材料、
ハロゲン化銀写真材料、更には記録材料用支持体を提供
することにある。本発明の第二の目的は、バインダーと
着色剤との間の相互作用を強くすることで、アルカリ条
件下や高温高湿条件下に置かれた場合でもにじみのない
セキュリティパターンを得られるようにすることであ
り、それによって信頼性の高いセキュリティ性を付与し
た記録材料、特にハロゲン化銀写真要素並びに認証識別
方法を確立することにある。更に本発明の第三の目的
は、堅牢性の高いセキュリティパターンを形成すること
である。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者は鋭意検討を
重ねた結果、上記の目的は、下記によって達成されるこ
とを見出した。
【0007】(1)露光前に予め、相互作用性基を有す
る蛍光染料によってセキュリティパターンが形成されて
いることを特徴とするハロゲン化銀写真要素。 (2)上記相互作用性基を有する蛍光染料が少なくとも
1個の共有結合を形成しうる反応性基を有する染料であ
ることを特徴とする(1)項に記載のハロゲン化銀写真
要素。 (3)上記相互作用性基を有する蛍光染料がアミノスチ
ルベン構造を有する染料であることを特徴とする(1)
項に記載のハロゲン化銀写真要素。 (4)ハロゲン化銀写真要素が拡散転写型のハロゲン化
銀写真要素であり、セキュリティパターンが受像層中に
形成されていることを特徴とする(1)項に記載のハロ
ゲン化銀写真要素。 (5)支持体を有する記録材料において、記録付与前に
予め、少なくとも1個の相互作用性基を有する蛍光染料
によってセキュリティパターンが形成されていることを
特徴とする記録材料。 (6)少なくとも1個の相互作用性基を有する蛍光染料
によってセキュリティパターンが形成されていることを
特徴とする記録材料用支持体。 (7)少なくとも1個の相互作用性基を有する蛍光染料
からなるセキュリティパターンの有無によって、認証識
別することを特徴とする識別方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の、相互作用性基を有する蛍光染料につい
て説明する。本発明においては記録付与前にあらかじめ
セキュリティパターンが形成されており、記録付与時お
よび記録付与後を通じて該セキュリティパターンが保持
されており、記録付与後に認証識別を行う、もしくは可
能となるものである。本発明において使用する蛍光染料
は、相互作用性基を有するものであって、ハロゲン化銀
感光材料現像時のアルカリ性処理液、インクジェットに
よる印字時のインクによる濡れ、感熱転写や電子写真に
よる画像形成時の熱などの影響を受けることなく、該基
を通じて蛍光染料を、用いられる媒体中や担体中に固定
できるものであれば、どのようなものでもよい。例えば
用いられる媒体や担体に対して吸着や水素結合により作
用して固定化する極性基(プロトン受容または/および
プロトン供与が可能な基)、化学反応により共有結合が
形成される反応性基が挙げられる。相互作用性基の中で
も反応性基がより固定性が高く好ましい。相互作用性基
として用いられる極性基の例としては水素結合性基を挙
げることができるが、これらは、例えばゼラチン中のア
ミド基、ポリビニルアルコール中の水酸基、シリカゲル
中のシラノール基、シロキサン基などと水素結合を形成
することによって強く吸着する。好ましい水素結合性基
は、−CONHR、−NHCOR、−NHCONHR、
−NHCO2R、−NHSO2R、−SO2NHR、−O
H、−CO2H、−CONHSO2R、−CONHCO
R、−SO2NHCOR、(Rは水素原子、脂肪族基、
芳香族基を表す)を挙げることができ、中でも中性条件
では解離しない水素原子を有する−CONHR、−NH
COR、−NHCONHR、−NHCO2R、−NHS
2R、−SO2NHR、−OH、−CONHCORがよ
り好ましい。本発明ではこれらの水素結合性基は、蛍光
染料1分子内に少なくとも1個存在するが、より好まし
くは2〜10個である。なお、本発明においては、拡散
性基(拡散性基とは電荷を有する官能基であり、例えば
解離状態のスルホ基、リン酸基、カルボキシル基が挙げ
られる)を有する場合、(水素結合性基の数)−(拡散
性基)が2以上である場合が好ましい。化学反応により
共有結合が形成される反応性基としては、カラー イン
デックス(The Society of Dyes
and Colourists)の反応性染料に分類さ
れる染料が有する反応性置換基、特開平8−48897
号に記載された置換基を挙げることができる。これら
は、例えばゼラチン中のアミノ基やカルボキシル基、ポ
リビニルアルコール中の水酸基、セルロース中の水酸
基、などの求核性基と反応して共有結合を形成すること
によって強く固定化することが可能となる。具体的な反
応性基は、以下のものを挙げることができる。
【0009】反応性基は、例えば次の通りである:ビニ
ルスルホニル、β−クロロエチルスルホニル、β−スル
ファトエチルスルホニル、β−アセトキシエチルスルホ
ニル、β−ホスファトエチルスルホニル、β−チオスル
ファトエチルスルホニル、N−メチル−N−(β−スル
ファトエチルスルホニル)アミノ、アクリロイル、−C
O−CCl=CH2、−CO−CH=CH−Cl、−C
O−CCl=CHCl、−CO−CCl=CH−C
3、−CO−CBr=CH2、−CO−CH=CH−B
r、−CO−CBr=CH−CH3、−CO−CCl=
CH−COOH、−CO−CH=CCl−COOH、−
CO−CBr=CH−COOH、−CO−CH=CBr
−COOH、−CO−CCl=CCl−COOH、−C
O−CBr=CBr−COOH、β−クロロ−もしくは
β−ブロモプロピオニル、3−フェニルスルホニルプロ
ピオニル、3−メチルスルホニルプロピオニル、3−ク
ロロ−3−フェニルスルホニルプロピオニル、2,3−
ジクロロプロピオニル、
【0010】2,3−ジブロモプロピオニル、2−フル
オロ−2−クロロ−3,3−ジフルオロシクロブタン−
2−カルボニル、2,2,3,3−テトラフルオロシク
ロブタン−1−カルボニルまたは−1−スルホニル、β
−(2,2,3,3−テトラフルオロシクロブチル)ア
クリロイル、α−またはβ−メチルスルホニルアクリロ
イル、プロピオリル、クロロアセチル、ブロモアセチ
ル、4−(β−クロロエチルスルホニル)ブチリル、4
−ビニルスルホニルブチリル、5−β−(クロロエチル
スルホニル)バレリル、5−ビニルスルホニルバレリ
ル、6−(β−クロロエチルスルホニル)カプロイル、
6−ビニルスルホニルカプロイル、4−フルオロ−3−
ニトロベンゾイル、4−フルオロ−3−ニトロフェニル
スルホニル、4−フルオロ−3−メチルスルホニルベン
ゾイル、4−フルオロ−3−シアノベンゾイル、2−フ
ルオロ−5−メチルスルホニルベンゾイル、2,4−ジ
クロロトリアジン−6−イル、2,4−ジクロロピリミ
ジン−6−イル、
【0011】2,4,5−トリクロロピリミジン−6−
イル、2,4−ジクロロ−5−ニトロ−または−5−メ
チル−または−5−カルボキシメチル−または−5−カ
ルボキシ−または−5−シアノ−または−5−ビニル−
または−5−スルホ−または−5−モノ−、−ジ−また
は−トリクロロメチル−または−5−メチルスルホニル
ピリミジン−6−イル、2,5−ジクロロ−4−メチル
スルホニルピリミジン−6−イル、2−フルオロ−4−
ピリミジニル、2,6−ジフルオロ−4−ピリミジニ
ル、2,6−ジフルオロ−5−クロロ−4−ピリミジニ
ル、2−フルオロ−5,6−ジクロロ−4−ピリミジニ
ル、2,6−ジフルオロ−5−メチル−4−ピリミジニ
ル、2,5−ジフルオロ−6−メチル−4−ピリミジニ
ル、2−フルオロ−5−メチル−6−クロロ−4−ピリ
ミジニル、2−フルオロ−5−ニトロ−6−クロロ−4
−ピリミジニル、5−ブロモ−2−フルオロ−4−ピリ
ミジニル、2−フルオロ−5−シアノ−4−ピリミジニ
ル、2−フルオロ−5−メチル−4−ピリミジニル、
2,5,6−トリフルオロ−4−ピリミジニル、5−ク
ロロ−6−クロロメチル−2−フルオロ−4−ピリミジ
ニル、2,6−ジフルオロ−5−ブロモ−4−ピリミジ
ニル、2−フルオロ−5−ブロモ−6−クロロメチル−
4−ピリミジニル、2,6−ジフルオロ−5−クロロメ
チル−4−ピリミジニル、
【0012】2,6−ジフルオロ−5−ニトロ−4−ピ
リミジニル、2−フルオロ−6−メチル−4−ピリミジ
ニル、2−フルオロ−5−クロロ−6−メチル−4−ピ
リミジニル、2−フルオロ−5−クロロ−4−ピリミジ
ニル、2−フルオロ−6−クロロ−4−ピリミジニル、
6−トリフルオロメチル−5−クロロ−2−フルオロ−
4−ピリミジニル、6−トリフルオロメチル−2−フル
オロ−4−ピリミジニル、6−トリフルオロメチル−2
−フルオロ−4−ピリミジニル、2−フルオロ−5−ニ
トロ−4−ピリミジニル、2−フルオロ−5−トリフル
オロメチル−4−ピリミジニル、2−フルオロ−5−フ
ェニル−または−5−メチルスルホニル−4−ピリミジ
ニル、2−フルオロ−5−カルボキシアミド−4−ピリ
ミジニル、2−フルオロ−5−カルボメトキシ−4−ピ
リミジニル、2−フルオロ−5−ブロモ−6−トリフル
オロ−4−ピリミジニル、2−フルオロ−6−カルボキ
シアミド−4−ピリミジニル、2−フルオロ−6−カル
ボメトキシ−4−ピリミジニル、
【0013】2−フルオロ−6−フェニル−4−ピリミ
ジニル、2−フルオロ−6−シアノ−4−ピリミジニ
ル、2,6−ジフルオロ−5−メチルスルホニル−4−
ピリミジニル、2−フルオロ−5−スルホンアミド−4
−ピリミジニル、2−フルオロ−5−クロロ−6−カル
ボメトキシ−4−ピリミジニル、2,6−ジフルオロ−
5−トリフルオロメチル−4−ピリミジニル、2,4−
ビス(メチルスルホニル)ピリミジン−4−イル、2,
5−ビス(メチルスルホニル)−5−クロロピリミジン
−4−イル、2−メチルスルホニルピリミジン−4−イ
ル、2−フェニルスルホニルピリミジン−4−イル、2
−メチルスルホニル−5−クロロ−6−メチルピリミジ
ン−4−イル、2−メチルスルホニル−5−ブロモ−6
−メチルピリミジン−4−イル、2−メチルスルホニル
−5−クロロ−6−エチルピリミジン−4−イル、2−
メチルスルホニル−5−クロロメチルピリミジン−4−
イル、2−メチルスルホニル−5−ニトロメチルピリミ
ジン−4−イル、2,5,6−トリスメチルスルホニル
ピリミジン−4−イル、2−メチルスルホニル−5,6
−ジメチルピリミジン−4−イル、2−エチルスルホニ
ル−5−クロロ−6−メチルピリミジン−4−イル、2
−メチルスルホニル−6−クロロピリミジン−4−イ
ル、
【0014】2,6−ビス(メチルスルホニル)−5−
クロロピリミジン−4−イル、2−メチルスルホニル−
6−カルボキシピリミジン−4−イル、2−メチルスル
ホニル−5−スルホピリミジン−4−イル、2−メチル
スルホニル−6−カルボメトキシピリミジン−4−イ
ル、2−メチルスルホニル−5−カルボキシピリミジン
−4−イル、2−メチルスルホニル−5−シアノ−6−
メトキシピリミジン−4−イル、2−メチルスルホニル
−5−クロロピリミジン−4−イル、2−スルホエチル
スルホニル−6−メチルピリミジン−4−イル、2−メ
チルスルホニル−5−ブロモピリミジン−4−イル、2
−フェニルスルホニル−5−クロロピリミジン−4−イ
ル、2−カルボキシメチルスルホニル−5−クロロ−6
−メチルピリミジン−4−イル、2,4−ジクロロピリ
ミジン−6−カルボニルまたは−6−スルホニル、2,
4−ジクロロピリミジン−5−カルボニルまたは−5−
スルホニル、2−クロロ−4−メチルピリミジン−5−
カルボニル、2−メチル−4−クロロピリミジン−5−
カルボニル、2−メチルチオ−4−フルオロピリミジン
−5−カルボニル、6−メチル−2,4−ジクロロピリ
ミジン−5−カルボニル、
【0015】2,4,6−トリクロロピリミジン−5−
カルボニル、2,4−ジクロロピリミジン−5−スルホ
ニル、2,4−ジクロロ−6−メチルピリミジン−5−
カルボニルまたは−5−スルホニル、2−メチルスルホ
ニル−6−クロロピリミジン−4−および−5−カルボ
ニル、2,6−ビス(メチルスルホニル)ピリミジン−
4−または−5−カルボニル、2−エチルスルホニル−
6−クロロピリミジン−5−カルボニル、2,4−ビス
(メチルスルホニル)ピリミジン−5−スルホニル、2
−メチルスルホニル−4−クロロ−6−メチルピリミジ
ン−5−スルホニルまたは−5−カルボニル、2−クロ
ロキノキサリン−3−カルボニル、2−または3−モノ
クロロキノキサリン−6−カルボニル、2−または3−
モノクロロキノキサリン−6−スルホニル、2,3−ジ
クロロキノキサリン−5−または−6−カルボニル、
2,3−ジクロロキノキサリン−5−または−6−スル
ホニル、
【0016】1,4−ジクロロフタラジン−6−スルホ
ニルまたは−6−カルボニル、2,4−ジクロロキナゾ
リン−7−または−6−スルホニルまたは−カルボニ
ル、2,4,6−トリクロロキナゾリン−7−または−
8−スルホニル、2−または3−または4−(4′,
5′−ジクロロピリダゾ−6′−オン−1′−イル)フ
ェニルスルホニルまたは−カルボニル、β−(4′,
5′−ジクロロピリダゾ−6′−オン−1′−イル)プ
ロピオニル、3,6−ジクロロピリダジン−4−カルボ
ニルまたは−4−スルホニル、2−クロロベンゾチアゾ
−ル−5−または−6−カルボニルまたは−5−または
−6−スルホニル、2−アリ−ルスルホニル−または2
−アルキルスルホニルベンゾチアゾ−ル−5−または−
6−カルボニルまたは−5−または−6−スルホニル、
例えば2−メチルスルホニル−または2−エチルスルホ
ニル−ベンゾチアゾ−ル−5−または−6−スルホニル
または−カルボニル、2−フェニルスルホニルベンゾチ
アゾ−ル−5−または−6−スルホニルまたは−カルボ
ニルおよびこれらに対応する2−スルホニルベンゾチア
ゾ−ル−5−または−6−カルボニル−または−スルホ
ニル誘導体(縮合ベンゼン環中にスルホ基を有する)、
2−クロロベンゾオキサゾ−ル−5−または−6−カル
ボニルまたは−スルホニル、2−クロロベンゾイミダゾ
−ル−5−または−6−カルボニルまたは−スルホニ
ル、2−クロロ−1−メチルベンゾイミダゾ−ル−5−
または−6−カルボニルまたは−スルホニル、
【0017】2−クロロ−4−メチルベンゾチアゾ−ル
(1,3)−5−カルボニルまたは−4−または−5−
スルホニル、アンモニウム−含有トリアジン環、例えば
2−トリメチルアンモニウム−4−フェニルアミノ−お
よび−4−(o−、m−またはp−スルホフェニル)ア
ミノ−6−トリアジニル、2−(1,1−ジメチルヒド
ラジニウム)−4−フェニルアミノ−および−4−(o
−、m−またはp−スルホフェニル)アミノ−6−トリ
アジニル、2−(2−イソプロピリデン−1,1−ジメ
チル)ヒドラジニウム−4−フェニルアミノ−および−
4−(o−、m−またはp−スルホフェニル)アミノ−
6−トリアジニル、2−N−アミノピロリジニウム−、
2−N−アミノピペリジニウム−4−フェニルアミノ−
または−4−(o−、m−またはp−スルホフェニル)
アミノ−6−トリアジニル、4−フェニルアミノ−また
は4−(スルホフェニルアミノ)−6−トリアジニル
(これは2−位において窒素結合を介して4級状に結合
して1,4−ビスアザビシクロ[2.2.2]オクタン
または1,2−ビスアザビシクロ[0.3.3]オクタ
ンを含有する)、2−ピリジニウム−4−フェニルアミ
ノ−または−4−(o−、m−またはp−スルホフェニ
ル)アミノ−6−トリアジニルおよびこれらに対応する
2−オニウム−6−トリアジニル残基(これは4−位に
おいてアルキルアミノ、例えばメチルアミノ、エチルア
ミノまたはβ−ヒドロキシエチルアミノまたはアルコキ
シ、例えばメトキシまたはエトキシまたはアリ−ルオキ
シ、例えばフェノキシまたはスルホフェノキシにより置
換されている)。これらの反応性基のうち、ビニルスル
ホニル、β−クロロエチルスルホニル、β−スルファト
エチルスルホニル、β−アセトキシエチルスルホニル、
β−ホスファトエチルスルホニル、N−メチル−N−
(β−スルファトエチルスルホニル)アミノ、アクリロ
イル、β−クロロ−またはβ−ブロモプロピオニル、3
−フェニルスルホニルピロピオニル、3−メチルスルホ
ニルプロピオニル、2,4−ジクロロトリアジン−6−
イル、2,4−ジクロロピリミジン−6−イル、2,
4,5−トリクロロピリミジン−6−イル、2,4,6
−トリクロロピリミジン−5−カルボニル、2,4−ジ
クロロピリミジン−5−スルホニル、2,4,6−トリ
クロロピリミジン−5−カルボニル、2,4−ジクロロ
ピリミジン−5−スルホニル、2−クロロキノキサリン
−3−カルボニル、2−または3−モノクロロキノキサ
リン−6−カルボニル、2−または3−モノクロロキノ
キサリン−6−スルホニル、2,3−ジクロロキノキサ
リン−5−または−6−カルボニル、2,3−ジクロロ
キノキサリン−5−または−6−スルホニル、1,4−
ジクロロフタラジン−6−スルホニルまたは−6−カル
ボニル、2,4−ジクロロキナゾリン−7−または−6
−スルホニルまたは−カルボニルが好ましく、特に好ま
しくは、ビニルスルホニル、β−クロロエチルスルホニ
ル、β−スルファトエチルスルホニル、アクリロイル、
2,4−ジクロロトリアジン−6−イル、2,4−ジク
ロロピリミジン−6−イル、1,4−ジクロロフタラジ
ン−6−スルホニルまたは−6−カルボニルである。
【0018】染料は、水溶性であっても油溶性であって
も良い。本発明においては、透明インクを形成すること
ができる染料が好ましい。従って、染料自身は実質的に
無色もしくは白色の粉末若しくは液状が好ましい。ただ
し、僅かに着色していても、透明インクとして基質に印
刷した場合、後に加えられる画像の審美性を損なわなけ
れば構わない。本発明の相互作用性基を有する蛍光染料
は紫外線照射によって、蛍光を発するものが好ましく、
この蛍光の色は視覚検出できるものであれば、どのよう
な色でも構わないが、好ましくは青〜紫であり、より好
ましくは青である。本発明の相互作用性基を有する蛍光
染料は上記の性質を満たすものであればどのような構造
の染料でも構わないが、好ましくはスチルベン系、ジス
チリルビフェニル系、クマリン系、ピラゾリン系、イミ
ダゾロン/イミダゾール系、ナフタルイミド系、トリア
ゾール系、オキサゾール系、オキサゾリドン系、ベンズ
オキサジノン系の染料であり、より好ましくはスチルベ
ン系染料、ベンズオキサジノン系染料である。ベンズオ
キサジノン系については欧州特許314350A1号記
載の化合物が好ましく用いられる。スチルベン系染料に
おいては、下記一般式(F)で表されるアミノスチルベ
ン系染料が好ましい。一般式(F)
【0019】
【化1】
【0020】一般式(F)において、Ra1〜Ra6は同一
でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または置換
基を表す。ただし、一般式(F)の化合物は前記相互作
用性基を少なくとも1個有す。ここで、Ra1〜Ra6で表
される置換基は、さらに前記相互作用性基により置換さ
れていてもよい。Ra1〜Ra4の好ましい基は水素原子、
アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、スル
ホニル基、カルバモイル基、スルファモイル基である。
更に好ましくはRa1とRa3のいずれもが水素原子であ
り、Ra2とRa4がいずれもアルキル基、アリール基、ヘ
テロ環基、アシル基、スルホニル基、カルバモイル基、
スルファモイル基から選択される基である場合である。
a5とRa6は水素原子が好ましい。
【0021】以下に本発明に用いることのできる一般式
(F)で表される化合物及びその他の蛍光染料の具体例
を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】これらの化合物は、既知の合成方法により
容易に合成できる。また、市販の化合物も多く容易に入
手できる。
【0031】これらの化合物を用いて特定のセキュリテ
ィパターンを形成する方法としては任意の方法を用いる
ことができる。例えば、本発明の相互作用性基を有する
蛍光染料を含むインクを作成して印刷すること、本発明
の相互作用性基を有する蛍光染料を含む水溶液をスプレ
ー等で吹きかけることが簡便で好ましい。このうち、特
定のセキュリティパターンを再現よく形成させるには本
発明の相互作用性基を有する蛍光染料を含むインクを作
成して印刷することが好ましい。印刷については、平
版、凸版、凹版などの刷版を作成して印刷してもよい
し、また、版を用いずにインクジェット方式で印刷して
もよい。
【0032】本発明の相互作用性基を有する蛍光染料は
検知手段で検知できる量であれば任意の量で構わない。
記録材料の種類によっても異なるが、好ましくは、記録
材料中に、0.1mg/m2〜1g/m2、より好ましく
は、1mg/m2から100mg/m2である。
【0033】セキュリティパターンは検証可能なもので
あればいずれでも構わない。例えば、文字、署名、符
号、記号、線模様、図形模様、ロゴマーク、コード化さ
れたパターン、無秩序なパターン及びこれらの組合わせ
が挙げられる。
【0034】本発明においては、セキュリティパターン
は画像および文字等の主情報を付与する前に予め付与す
るものであって、ハロゲン化銀写真要素においては、主
情報を露光する前に、該パターンを形成するものであ
る。
【0035】主情報を記録する記録材料は支持体を有す
る記録材料であればいずれでも構わないが、好ましく
は、ハロゲン化銀写真要素、昇華型熱転写用記録材料、
溶融型熱転写記録材料、インクジェット用記録材料、電
子写真用記録材料、グラフィック印刷用記録材料、感熱
または感圧記録材料であり、更に好ましくはハロゲン化
銀写真要素である。
【0036】ハロゲン化銀写真要素としては、湿式処理
のXレイや印刷用感光材料に代表される白黒写真感光要
素であっても、カラーペーパー、カラーネガ、カラー反
転等に代表されるカラー写真感光要素であっても良く、
溶液現像されるコンベンショナルな感光要素であっても
あるいは白黒、カラーの拡散転写感光要素であっても白
黒、カラーの熱現像感光要素であっても良い。好ましく
は、カラー写真感光要素、中でもカラーペーパー、及び
カラー拡散転写要素であり、最も好ましくはカラー拡散
転写要素である。
【0037】また、上記ハロゲン化銀写真要素の主情報
付与のための露光が通常の面露光であってもレーザーに
よる走査露光であっても構わない。
【0038】ハロゲン化銀カラー写真要素に関しては特
開平11−282108号に記載の感光材料等が好まし
く、特に該特開平11−282108号の段落番号00
21〜0036の記載は本発明の明細書の一部としてそ
のまま取り込まれる。
【0039】ハロゲン化銀写真要素における支持体に関
して説明する。支持体は透過型支持体や反射型支持体、
すなわち透明支持体、半透明支持体、不透明支持体のい
ずれであってもよい。透過型支持体としては、セルロー
スアセテートフィルムやポリエチレンテレフタレートな
どの透明フィルム、更には2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸(NDCA)とエチレングリコール(EG)とのポ
リエステルやNDCAとテレフタル酸とEGとのポリエ
ステル等に磁性層などの情報記録層を設けたものが好ま
しく用いられる。反射型支持体としては特に複数のポリ
エチレン層やポリエステル層でラミネートされ、このよ
うな耐水性樹脂層(ラミネート層)の少なくとも一層に
酸化チタン等の白色顔料を含有する反射支持体が好まし
い。
【0040】更に前記の耐水性樹脂層中には蛍光増白剤
を含有するのが好ましい。また、蛍光増白剤は感光材料
の親水性コロイド層中に分散してもよい。蛍光増白剤と
して、好ましくは、ベンゾオキサゾール系、クマリン
系、ピラゾリン系を用いる事ができ、更に好ましくは、
ベンゾオキサゾリルナフタレン系及びベンゾオキサゾリ
ルスチルベン系の蛍光増白剤である。使用量は、特に限
定されないが、好ましくは1〜100mg/m2であ
る。耐水性樹脂に混合する場合の混合比は、好ましくは
樹脂に対して0.0005〜3質量%であり、更に好ま
しくは0.001〜0.5質量%である。また反射型支
持体としては、透過型支持体、または上記のような反射
型支持体上に、白色顔料を含有する親水性コロイド層を
塗設したものでもよい。また、反射型支持体は、鏡面反
射性または第2種拡散反射性の金属表面をもつ支持体で
あってもよい。本発明におけるハロゲン化銀写真要素の
支持体とは上記の支持体自身に加え、この上に、更に下
塗り層が塗設されていた場合、この下塗り層をも含め
る。
【0041】次いで本発明において最も好ましく適用さ
れるカラー拡散転写感光材料について述べる。カラー拡
散転写フィルム・ユニットの代表的な形態は、一つの透
明な支持体上に受像要素と感光要素とが積層されてお
り、転写画像の完成後、感光要素を受像要素から剥離す
る必要のない形態である。更に具体的に述べると、受像
要素は少なくとも一層の媒染層からなり、感光要素の好
ましい態様に於いては青感性乳剤層、緑感性乳剤層及び
赤感性乳剤層の組合せ、又は緑感性乳剤層、赤感性乳剤
層及び赤外光感光性乳剤層の組合せ、或いは青感性乳剤
層、赤感性乳剤層及び赤外光感光性乳剤層の組合せと、
前記の各乳剤層にイエロー色素像形成化合物、マゼンタ
色素像形成化合物及びシアン色素像形成化合物がそれぞ
れ組合わされて構成される(ここで「赤外光感光性乳剤
層」とは700nm以上、特に740nm以上の光に対
して分光感度極大を持つ乳剤層をいう)。そして、該媒
染層と感光層あるいは色素像形成化合物含有層の間に
は、透明支持体を通して転写画像が観賞できるように、
酸化チタン等の固体顔料を含む白色反射層が設けられ
る。
【0042】明所で現像処理を完成できるようにするた
めに白色反射層と感光層の間に更に遮光層を設けてもよ
い。又、所望により感光要素の全部又は一部を受像要素
から剥離できるようにするために適当な位置に剥離層を
設けてもよい。このような態様は、例えば特開昭56−
67840号やカナダ特許674,082号に記載され
ている。
【0043】また積層型であって剥離する別の態様とし
て、特開昭63−226649号に記載の白色支持体上
に、少なくとも(a)中和機能を有する層、(b)染料
受像層、(c)剥離層、(d)色素像形成化合物と組合
わされた少なくとも1つのハロゲン化銀乳剤層を順次有
する感光要素、遮光剤を含むアルカリ処理組成物、及び
透明カバーシートから成り、該乳剤層の該処理組成物を
展開する側と反対側に遮光機能をもつ層を有するカラー
拡散転写写真フィルムユニットがある。
【0044】また、別の剥離不要の形態では、一つの透
明支持体上に前記の感光要素が塗設され、その上に白色
反射層が塗設され、更にその上に受像層が積層される。
同一支持体上に受像要素と白色反射層と剥離層と感光要
素とが積層されており、感光要素を受像要素から意図的
に剥離する態様については、米国特許3,730,71
8号に記載されている。
【0045】他方、二つの支持体上にそれぞれ感光要素
と受像要素が別個に塗設される代表的な形態には大別し
て二つあり、一つは剥離型であり、他は剥離不要型であ
る。これらについて詳しく説明すると、剥離型フィルム
・ユニットの好ましい態様では、一つの支持体上に少な
くとも一層の受像層が塗設されており、又感光要素は遮
光層を有する支持体上に塗設されていて、露光終了前は
感光層塗布面と媒染層塗布面は向き合っていないが露光
終了後(例えば現像処理中)は感光層塗布面が画像形成
装置内で反転して受像層塗布面と互いに接するように工
夫されている。媒染層で転写画像が完成した後は速やか
に感光要素が受像要素から剥離される。
【0046】また、剥離不要型フィルム・ユニットの好
ましい態様では、透明支持体上に少なくとも一層の媒染
層が塗設されており、透明又は遮光層を有する支持体上
に感光要素が塗設されていて、感光層塗布面と媒染層塗
布面とが向き合って重ね合わされている。
【0047】以上述べた形態に更にアルカリ性処理液を
含有する、圧力で破裂可能な容器(処理要素)を組合わ
せてもよい。なかでも一つの支持体上に受像要素と感光
要素が積層された剥離不要型フィルム・ユニットではこ
の処理要素は感光要素とこの上に重ねられるカバーシー
トの間に配置されるのが好ましい。又、二つの支持体上
にそれぞれ感光要素と受像要素が別個に塗設された形態
では、遅くとも現像処理時に処理要素が感光要素と受像
要素の間に配置されるのが好ましい。処理要素には、フ
ィルム・ユニットの形態に応じて遮光剤(カーボン・ブ
ラックやpHによって色が変化する染料等)及び白色顔
料(酸化チタン等)のいずれか又は両方を含むのが好ま
しい。更にカラー拡散転写方式のフィルム・ユニットで
は、中和層と中和タイミング層の組合せからなる中和タ
イミング機構がカバーシート中、又は受像要素中、ある
いは感光要素中に組み込まれているのが好ましい。
【0048】以下に、本発明の感光材料に使用しうる各
構成要素について更に詳細に説明する。 I.感光シート A)支持体 本発明に用いられる感光シートの支持体は写真感光材料
に通常用いられる平滑な透明支持体なら、いずれでも用
いられ、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリカーボネートなどが用いられ、下
塗り層を設けるのが好ましい。支持体は通常ライトパイ
ピングを防止するため微量の染料または酸化チタンの如
き顔料を含有しているのが好ましい。支持体の厚さは5
0〜350μm、好ましくは70〜210μm、更に好
ましくは80〜150μmである。必要に応じて支持体
のバック側にはカールバランスをとる層または特開昭5
6−78833号に記載の酸素遮断性の層をつけること
ができる。 B)受像層 本発明に用いられる染料受像層は親水性コロイド中に媒
染剤を含むものである。これは単一の層であっても、ま
た媒染力の異なる媒染剤が重ねて塗設された多層構成の
ものでもよい。これについては特開昭61−25255
1号に記載されている。媒染剤としては、ポリマー媒染
剤が好ましい。ポリマー媒染剤とは二級および三級アミ
ノ基を含むポリマー、含窒素複素環部分をもつポリマ
ー、および四級カチオンを含むポリマーなどで分子量が
5,000以上のもの、特に好ましくは10,000以
上のものである。媒染剤の塗設量は、一般的には0.5
〜10g/m2、好ましくは1.0〜5.0g/m2、特
に好ましくは2〜4g/m2である。
【0049】受像層に使用する親水性コロイドとして
は、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルア
ミド、ポリビニルピロリドンなどが使用されるがゼラチ
ンが好ましい。受像層中には、特開昭62−30620
号や同62−30621号、同62−215272号記
載の退色防止剤を組み込むことができる。
【0050】C)白色反射層 色画像の白背景を成す白色反射層は通常白色顔料と親水
性バインダーを含む。白色反射層用の白色顔料として
は、硫酸バリウム、酸化亜鉛、ステアリン酸バリウム、
銀フレーク、ケイ酸塩類、アルミナ、酸化ジルコニウ
ム、ジルコニウム硫酸ソーダ、カオリン、雲母、二酸化
チタンなどが使用される。更に、スチレンなどによりな
る非造膜性のポリマー粒子なども使用される。又これら
は、単独で使用しても良いし、望まれる反射率を得られ
る範囲で混合して用いることもできる。特に有用な白色
顔料は、二酸化チタンである。
【0051】白色反射層の白色度は、顔料の種類、顔料
とバインダーの混合比率および顔料の塗布量によって変
るが、光反射率が70%以上であることが望ましい。一
般に、顔料の塗布量が増えるほど、白色度が向上する
が、この層を通って画像形成色素が拡散するとき、顔料
が色素の拡散に対して抵抗となるので、適度の塗布量を
もつことが望ましい。二酸化チタンを5〜40g/
2、好ましくは10〜25g/m2塗布し、光反射率が
540nmの波長の光で78〜85%を有する白色反射
層が好ましい。二酸化チタンは、市販の種々の銘柄より
選んで用いることができる。この中でも特にルチル型の
二酸化チタンを用いるのが好ましい。市販品の多くは、
アルミナ、シリカや酸化亜鉛などで表面処理が行なわれ
ており、高い反射率を得るには、表面処理量が5%以上
のものが望ましい。市販されている二酸化チタンとして
は、例えば、デュポン社のTi-pure R931の他、リサーチ
・ディスクロージャー誌15162号に記載のものがあ
る。白色反射層のバインダーとしては、アルカリ浸透性
の高分子マトリックス、例えばゼラチン、ポリビニルア
ルコールやヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロースのようなセルロース誘導体が使用でき
る。白色反射層の特に望ましいバインダーはゼラチンで
ある。白色顔料とゼラチンの比は、1/1〜20/1
(質量比)、望ましくは5/1〜10/1(質量比)で
ある。白色反射層中には、特公昭62−30620号や
同62−30621号のような褪色防止剤を組み込むこ
とが好ましい。
【0052】D)遮光層 白色反射層と感光性層の間には遮光剤および親水性バイ
ンダーを含む遮光層を設ける。遮光剤としては、遮光機
能を有する材料のいずれも用いられるが、カーボンブラ
ックが好ましく用いられる。また米国特許第4,61
5,966号等に記載の分解性の染料を用いてもよい。
遮光剤を塗設するバインダーとしてはカーボンブラック
を分散しうるものならいずれでもよく、好ましくはゼラ
チンである。カーボンブラック原料としては、例えばDo
nnel Voet "Carbon Black" MarcelDekker, Inc.(19
76)に記載されているようなチャンネル法、サーマル
法及びファーネス法など任意の製法のものが使用でき
る。カーボンブラックの粒子サイズは特に限定されない
が90〜1800Åのものが好ましい。遮光剤としての
黒色顔料の添加量は遮光すべき感光材料の感度に応じて
量を調節すればよいが、光学濃度で5〜10程度が望ま
しい。 E)感光層 本発明においては、前記遮光層の上方に色素像形成化合
物と組合わされたハロゲン化銀乳剤層から成る感光層を
設ける。以下その構成要素について述べる。
【0053】(1)色素像形成化合物 色素像形成化合物の具体例は下記の文献に記載されてい
る。 イエロー色素の例:米国特許3,597,200号、同
3,309,199号、同4,013,633号、同
4,245,028号、同4,156,609号、同
4,139,383号、同4,195,992号、同
4,148,641号、同4,148,643号、同
4,336,322号:特開昭51−114930号、
同56−71072号:Research Disclosure 1763
0(1978)号、同16475(1977)号に記載
されているもの。
【0054】マゼンタ色素の例:米国特許3,453,
107号、同3,544,545号、同3,932,3
80号、同3,931,144号、同3,932,30
8号、同3,954,476号、同4,233,237
号、同4,255,509号、同4,250,246
号、同4,142,891号、同4,207,104
号、同4,287,292号、特開昭52−10672
7号、同53−23628号、同55−36804号、
同56−73057号、同56−71060号、同55
−134号、特開平7−120901号、同8−286
343号、同8−286344号、同8−292537
号に記載されているもの。
【0055】シアン色素の例:米国特許3,482,9
72号、同3,929,760号、同4,013,63
5号、同4,268,625号、同4,171,220
号、同4,242,435号、同4,142,891
号、同4,195,994号、同4,147,544
号、同4,148,642号;英国特許1,551,1
38号;特開昭54−99431号、同52−8827
号、同53−47823号、同53−143323号、
同54−99431号、同56−71061号;ヨーロ
ッパ特許(EP)53,037号、同53,040号;
Research Disclosure 17,630(1978)号、及
び同16,475(1977)号に記載されているも
の。カップリングにより色素を形成する色素像形成化合
物も使用できる。例えば特開平8−286340号、同
9−152705号、特願平8−357190号、特開
平10−186564号、同10−293388号など
に記載されている。またポジ型の色素像形成化合物も使
用できる。この場合、ハロゲン化銀乳剤はネガ乳剤を使
用すればよい。この例として、特開平4−156542
号、同4−155332号、同4−172344号、同
4−172450号、同4−318844号、同4−3
56046号、同5−45824号、同5−45825
号、同5−53279号、同5−107710号、同5
−241302号、同5−107708号、同5−23
2659号、米国特許第5,192,649号に記載さ
れている。これらの化合物は、特開昭62−21527
2号144〜146頁記載の方法で分散することができ
る。またこれらの分散物には、特開昭62−21527
2号137〜144頁記載の化合物を含ませてもよい。
これらの色素形成化合物の具体例としては、以下の化合
物が挙げられる。下記の化合物中のDyeは、色素基、
一時的に短波化された色素基、又は色素前駆体基を表
す。
【0056】
【化10】
【0057】
【化11】
【0058】
【化12】
【0059】(2)ハロゲン化銀乳剤 本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、主にハロゲン
化銀粒子表面に潜像を形成するネガ型乳剤でもよいし、
ハロゲン化銀粒子内部に潜像を形成する内部潜像型直接
ポジ乳剤でもよい。内部潜像型直接ポジ乳剤には、例え
ば、ハロゲン化銀の溶解度差を利用してつくる、いわゆ
る「コンバージョン型」乳剤や、金属イオンをドープす
るか、もしくは化学増感するか、又はその両方を施した
ハロゲン化銀の内部核(コア)粒子の少なくとも感光サ
イトをハロゲン化銀の外部殻(シェル)で被覆してなる
「コア/シェル型」乳剤等があり、これについては、米
国特許2,592,250号、同3,206,313
号、英国特許1,027,146号、米国特許3,76
1,276号、同3,935,014号、同3,44
7,927号、同2,297,875号、同2,56
3,785号、同3,551,662号、同4,39
5,478号、西独特許2,728,108号、米国特
許4,431,730号などに記載されている。
【0060】また、内部潜像型直接ポジ乳剤を用いる場
合には、像露光後に光もしくは造核剤を用いて表面かぶ
り核を与える必要がある。そのための造核剤としては、
米国特許2,563,785号、同2,588,982
号に記載されたヒドラジン類、米国特許3,227,5
52号に記載されたヒドラジン類、ヒドラゾン類、英国
特許1,283,835号、特開昭52−69613
号、米国特許3,615,615号、同3,719,4
94号、同3,734,738号、同4,094,68
3号、同4,115,122号等に記載された複素環4
級塩化合物、米国特許3,718,470号に記載され
た造核作用のある置換基を色素分子中に有する増感色
素、米国特許4,030,925号、同4,031,1
27号、同4,245,037号、同4,255,51
1号、同4,266,013号、同4,276,364
号、英国特許2,012,443号等に記載されたチオ
尿素結合型アシルヒドラジン系化合物、及び米国特許
4,080,270号、同4,278,748号、英国
特許2,011,391B等に記載されたチオアミド環
やトリアゾール、テトラゾール等のヘテロ環基を吸着基
として結合したアシルヒドラジン系化合物などが用いら
れる。
【0061】本発明ではこれらネガ型乳剤及び内部潜像
型直接ポジ乳剤と組合わせて、分光増感色素を用いるこ
とができる。その具体例については、特開昭59−18
0550号、同60−140335号、リサーチ・ディ
スクロージャー(RD)17029、米国特許1,84
6,300号、同2,078,233号、同2,08
9,129号、同2,165,338号、同2,23
1,658号、同2,917,516号、同3,35
2,857号、同3,411,916号、同2,29
5,276号、同2,481,698号、同2,68
8,545号、同2,921,067号、同3,28
2,933号、同3,397,060号、同3,66
0,103号、同3,335,010号、同3,35
2,680号、同3,384,486号、同3,62
3,881号、同3,718,470号、同4,02
5,349号等に記載されている。
【0062】(3)感光層の構成 減色法による天然色の再現には、上記分光増感色素によ
り分光増感された乳剤と同波長範囲に選択的な分光吸収
をもつ色素を供与する前記色素像形成化合物との組み合
わせの少なくとも二つからなる感光層を用いる。乳剤と
色素像形成化合物とは別層として重ねて塗設してもよい
し、また混合し一層として塗設してもよい。該色素像形
成物質が塗布された状態で、これと組合わされた乳剤の
分光感度域に吸収を持つ場合には別層の方が好ましい。
また乳剤層は複数の、感度の異なる乳剤層からなるもの
でもよく、また乳剤層と色素像形成化合物層との間に任
意の層を設けてもよい。例えば、特開昭60−1735
41号に記載された造核現像促進剤を含む層、特公昭6
0−15267号に記載された隔壁層を設けて色像濃度
を高めたり、また反射層を設け感光要素の感度をたかめ
ることも出来る。反射層としては、白色顔料および親水
性バインダーを含む層であり、好ましくは白色顔料は酸
化チタン、親水性バインダーはゼラチンである。酸化チ
タンの塗布量は0.1g/m2〜8g/m2、好ましくは
0.2g/m2〜4g/m2である。反射層の例としては
特開昭60−91354号に記載がある。
【0063】好ましい重層構成では、露光側から青感性
乳剤の組合わせ単位、緑感性乳剤の組合わせ単位、赤感
性乳剤の組合わせ単位が順次配置される。各乳剤層単位
の間には必要に応じて任意の層を設ける事ができる。特
にある乳剤層の現像の効果が他の乳剤層単位に及ぼす好
ましくない影響を防ぐため、中間層を設置するのが好ま
しい。本発明は必要に応じて、イラジエーション防止
層、UV吸収剤層、保護層などが塗設される。
【0064】F)剥離層 本発明では必要に応じて処理後にユニット内感光シート
の任意の場所で剥がし取る為に剥離層を設けることがで
きる。従ってこの剥離層は処理後の剥離が容易なもので
なければならない。このための素材としては、例えば特
開昭47−8237号、同59−220727号、同5
9−229555号、同49−4653号、米国特許第
3,220,835号、同4,359,518号、特開
昭49−4334号、同56−65133号、同45−
24075号、米国特許第3,227,550号、同
2,759,825号、同4,401,746号、同
4,366,227号などに記載されたものを用いるこ
とが出来る。具体例の一つとしては、水溶性(あるいは
アルカリ可溶性)のセルロース誘導体が挙げられる。例
えばヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテー
トフタレート、可塑化メチルセルロース、エチルセルロ
ース、硝酸セルロース、カルボキシメチルセルロースな
どである。また別の例として種々の天然高分子、例えば
アルギン酸、ペクチン、アラビアゴムなどがある。また
種々の変性ゼラチン、例えばアセチル化ゼラチン、フタ
ル化ゼラチンなども用いられる。更に、別の例として、
水溶性の合成ポリマーが挙げられる。例えば、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリ
レート、ポリブチルメタクリレート、あるいは、それら
の共重合体などである。剥離層は、単一の層でも、また
例えば、特開昭59−220727号、同60−606
42号などに記載されているように複数の層からなるも
のでもよい。本発明におけるカラー拡散転写感光材料に
は、支持体と感光層との間、あるいは支持体と受像層と
の間、あるいはカバーシート上に中和機能をもたせる事
が望ましい。
【0065】G)支持体 本発明に用いられるカバーシートの支持体は写真感光材
料に通常用いられる平滑な透明支持体なら、いずれでも
用いられ、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリカーボネートなどが用いられ、
下塗り層を設けるのが好ましい。支持体には、ライトパ
イピングを防止するため微量の染料を含有させるのが好
ましい。
【0066】H)中和機能を有する層 本発明に用いられる中和機能を有する層は、処理組成物
から持込まれるアルカリを中和するに十分な量の酸性物
質を含む層であり、必要に応じて、中和速度調節層(タ
イミング層)、密着強化層等の層から成る多層構成のも
のでもよい。好ましい酸性物質としてはpKa9以下の
酸性基(もしくは加水分解によってそのような酸性基を
与える前駆体基)を含む物質であり、さらに好ましくは
米国特許2,983,606号に記載されているオレイ
ン酸のような高級脂肪酸、米国特許3,362,819
号に開示されているようなアクリル酸、メタアクリル酸
もしくはマレイン酸の重合体とその部分エステルまたは
酸無水物;仏国特許2,290,699号に開示されて
いるようなアクリル酸とアクリル酸エステルの共重体;
米国特許4,139,383号やリサーチ・ディスクロ
ージャ(Research Disclosure)No.16102(19
77)に開示されているようなラテックス型の酸性ポリ
マーを挙げることができる。その他、米国特許4,08
8,493号、特開昭52−153739号、同53−
1023号、同53−4540号、同53−4541
号、同53−4542号等に開示の酸性物質も挙げるこ
とができる。
【0067】酸性ポリマーの具体例としてはエチレン、
酢酸ビニル、ビニルメチルエーテル等のビニルモノマー
と、無水マレイン酸との共重合体及びそのn−ブチルエ
ステル、ブチルアクリレートとアクリル酸との共重合
物、セルロース、アセテート・ハイドロジエンフタレー
ト等である。前記ポリマー酸は親水性ポリマーと混合し
て用いることができる。このようなポリマーとしては、
ポリアクリルアミド、ポリメチルピロリドン、ポリビニ
ルアルコール(部分ケン化物も含む)、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ポリメチルビニルエーテルなどで
ある。なかでも、ポリビニルアルコールが好ましい。ま
た、前記ポリマー酸に親水性ポリマー以外のポリマー、
例えばセルロースアセテートなどを混合してもよい。ポ
リマー酸の塗布量は感光要素に展開されるアルカリの量
により調節される。単位面積当りのポリマー酸とアルカ
リの当量比は0.9〜2.0が好ましい。ポリマー酸の
量が少なすぎると、転写色素の色相が変化したり、白地
部分にステインを生じ、又多過ぎる場合にも色相の変
化、あるいは耐光性の低下などの不都合を生じる。更に
好ましい当量比は1.0〜1.3である。混合する親水
性ポリマーの量も多すぎても少なすぎても写真の品質を
低下させる。親水性ポリマーのポリマー酸にたいする質
量比は0.1〜10、好ましくは0.3〜3.0であ
る。
【0068】本発明の中和機能を有する層には、種々の
目的で添加剤を組込むことができる。たとえば、この層
の硬膜を行うために当業者で周知の硬膜剤、また膜の脆
性を改良するためにポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、グリセリンなどの多価ヒドロキシル
化合物を添加することができる。その他必要に応じて、
酸化防止剤、蛍光増白剤、現像抑制剤およびその前駆体
などを添加することもできる。中和層と組合わせて用い
るタイミング層は例えばゼラチン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアルコールの部分アセタール化物、酢酸
セルロース、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、
などのようなアルカリ透過性を低くするポリマー;アク
リル酸モノマーなどの親水性コモノマーを少量共重合さ
せてつくられた、アルカリ透過の活性化エネルギーを高
くするラテックスポリマー;ラクトン環を有するポリマ
ーなどが有用である。
【0069】なかでも、特開昭54−136328号、
米国特許4,267,262号、同4,009,030
号、同4,029,849号等に開示されている酢酸セ
ルロースを使用したタイミング層;特開昭54−128
335号、同56−69629号、同57−6843
号、米国特許4,056,394号、同4,061,4
96号、同4,199,362号、同4,250,24
3号、同4,256,827号、同4,268,604
号等に開示されている、アクリル酸などの親水性コモノ
マーを少量共重合させてつくられたラテックスポリマ
ー;米国特許4,229,516号に開示されたラクト
ン環を有するポリマー;その他特開昭56−25735
号、同56−97346号、同57−6842号、ヨー
ロッパ特許(EP)31,957A1号、同37,72
4A1号、同48,412A1号などに開示されたポリ
マーが特に有用である。
【0070】その他、以下の文献に記載のものも使用で
きる。米国特許3,421,893号、同3,455,
686号、同3,575,701号、同3,778,2
65号、同3,785,815号、同3,847,61
5号、同4,088,493号、同4,123,275
号、同4,148,653号、同4,201,587
号、同4,288,523号、同4,297,431
号、西独特許出願(OLS)1,622,936号、同
2,162,277号、Research Disclosure 1516
2,No.151(1976年)。これらの素材を用い
たタイミング層は単独層もしくは二種以上の層の併用と
して使用しうる。
【0071】またこれらの素材からなるタイミング層
に、例えば米国特許4,009,029号、西独特許出
願(OLS)2,913,164号、同3,014,6
72号、特開昭54−155837号、同55−138
745号、などに開示された現像抑制剤および/もしく
はそのプレカーサーや、また、米国特許4,201,5
78号に開示されているハイドロキノンプレカーサー、
その他有用な写真用添加剤もしくはそのプレカーサーな
どを組み込むことも可能である。さらには、中和機能を
有する層として、特開昭63−168648号、同63
−168649号に記載の如く補助中和層を設けること
が処理後経時による転写濃度の変化を少なくするという
点において効果がある。
【0072】I)その他 中和機能を有する層の他に、補助的な機能を持つ層とし
て、バック層、保護層、フィルター染料層などを有して
もよい。バック層は、カールの調整や、滑り性の付与の
為に設けられる。フィルター染料はこの層に添加しても
よい。保護層は、主としてカバーシートバック面との接
着、感光材料とカバーシートとを重ね合わせたときの感
光材料保護層との接着を防止する為に用いられる。カバ
ーシートに染料を含有させて感光層の感度調整を行う事
もできる。フィルター染料は、直接カバーシートの支持
体中や中和機能を有する層、さらには前記のバック層、
保護層、捕獲媒染層などに添加してもよいし、単独の層
を設置してもよい。
【0073】II.アルカリ処理組成物 本発明に用いられる処理組成物は、感光要素の露光後に
感光要素上に均一に展開され、支持体の背面あるいは感
光層の処理液と反対側に設置されて遮光層と対になっ
て、感光層を外光から完全に遮断し、同時に、その含有
する成分によって感光層の現像を行うものである。この
ために、組成物中には、アルカリ、増粘剤、遮光剤、現
像薬、更に、現像を調節するための、現像促進剤、現像
抑制剤、現像薬の劣化を防ぐための酸化防止剤などを含
有する。遮光のために組成物中には遮光剤は必ず含まれ
る。アルカリは液のpHを12〜14とするに足りるも
のであり、アルカリ金属の水酸化物(例えば水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム)、アルカリ
金属のリン酸塩(例えばリン酸カリウム)、グアニジン
類、四級アミンの水酸化物(例えば水酸化テトラメチル
アンモニウムなど)が挙げられるが、なかでも水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウムが好ましい。
【0074】増粘剤は処理液を均一に展開するために、
また感光層/カバーシート間の密着を保つために必要で
ある。例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ
金属塩が用いられ、好ましくは、ヒドロキシエチルセル
ロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースが用い
られる。遮光剤としては、染料受像層まで拡散しステイ
ンを生じるものでなければ染料あるいは顔料のいずれで
も、またそれらの組合わせでも用いることができる。代
表的な物としてカーボンブラックが挙げられる。
【0075】好ましい現像薬は、色素像形成物質をクロ
ス酸化し、かつ酸化されても実質的にステインを生じな
いものであればどのようなものでも使用できる。このよ
うな現像薬は単独でもまた二種類以上を併用してもよ
く、またプレカーサーの型で使用してもよい。これらの
現像薬は感光シートの適当な層に含ませても、またアル
カリ性処理液中に含ませてもよい。具体的化合物として
はアミノフェノール類、ピラゾリジノン類が挙げられる
が、このうちピラゾリジノン類がステインの発生が少な
いため特に好ましい。例えば1−フェニル−3−ピラゾ
リジノン、1−p−トリル−4,4−ジヒドロキシメチ
ル−3−ピラゾリジノン、1−(3′−メチル−フェニ
ル)−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾ
リジノン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシ
メチル−3−ピラゾリジノン、1−p−トリル−4−メ
チル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリジノン、な
どが挙げられる。
【0076】感光シート、カバーシートあるいはアルカ
リ処理組成物のいずれかに特開昭62−215272号
72〜91頁記載の現像促進剤、146〜155頁記載
の硬膜剤、201〜210頁記載の界面活性剤、210
〜222頁記載の含フッ素化合物、225〜227頁記
載の増粘剤、227〜230頁記載の帯電防止剤、23
0〜239頁記載のポリマーラテックス、240頁記載
のマット剤などを含むことができる。また特開平6−2
73907号、特開平7−134386号、特開平7−
175193号、特開平7−287372号に記載の3
級アミンラテックスを含むことができる。また、これら
のアルカリ液組成物は展開厚(処理液転写後のm2当り
の処理液量)が20μm〜200μmで感光要素上に展
開されることが望ましい。なお、感光材料を処理する場
合の処理温度は0〜50℃が好ましく、0〜40℃が更
に好ましい。本発明の色素像形成化合物が用いられる熱
現像カラー感光材料(色素固定要素)及び適用される露
光・加熱方法ならびに装置の詳細については、例えば特
開平7−219180号公報の〔0128〕から〔01
59〕に記載されている。
【0077】次に、カラー拡散転写感光材料のユニット
が、感光要素(具体的には感光シート)、受像要素(具
体的には支持体上の受像層などを含むシート)及びアル
カリ性処理組成物から構成される場合について説明す
る。基本的には前記と同様であるが、以下に概略的に説
明する。 I.感光要素 A)支持体 本発明に用いられる感光要素の支持体は写真感光材料に
通常用いられる平滑な支持体なら、いずれでも用いら
れ、紙、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリカーボネートなどが用いられ、下
塗り層を設けるのが好ましい。支持体は通常ライトパイ
ピングを防止する為微量の染料または酸化チタンの如き
顔料を含有しているのが好ましい。支持体の厚さは50
〜350μm、好ましくは70〜210μm、更に好ま
しくは80〜150μmである。必要に応じて支持体の
バック側にはカールバランスをとる層または特開昭56
−78833号に記載の酸素遮断性の層をつけることが
できる。
【0078】B)遮光層 前記と同様である。 C)感光層 前記と同様である。 (1)感光層の構成 減色法による天然色の再現には、上記分光増感色素によ
り分光増感された乳剤と同波長範囲に選択的な分光吸収
をもつ色素を供与する前記色素像形成物質との組合わせ
の少なくとも二つからなる感光層を用いる。乳剤と色素
像形成物質とは別層として重ねて塗設してもよいし、ま
た混合し一層として塗設してもよい。該色素像形成物質
が塗布された状態で、これと組合わされた乳剤の分光感
度域に吸収を持つ場合には別層の方が好ましい。また乳
剤層は複数の、感度の異なる乳剤層からなるものでもよ
く、また乳剤層と色素像形成物質層との間に任意の層を
設けてもよい。例えば、特開昭60−173541号に
記載された造核現像促進剤を含む層、特公昭60−15
267号に記載された隔壁層を設けて色像濃度を高めた
り、また反射層を設け感光要素の感度を高めることも出
来る。
【0079】反射層としては、白色顔料および親水性バ
インダーを含む層であり、好ましくは白色顔料は酸化チ
タン、親水性バインダーはゼラチンである。酸化チタン
の塗布量は0.1g/m2〜8g/m2、好ましくは0.
2g/m2〜4g/m2である。反射層の例としては特開
昭60−91354号に記載がある。好ましい重層構成
では、露光側から青感性乳剤の組合わせ単位、緑感性乳
剤の組合わせ単位、赤感性乳剤の組合わせ単位が順次配
置される。各乳剤層単位の間には必要に応じて任意の層
を設ける事ができる。特にある乳剤層の現像の効果が他
の乳剤層単位に及ぼす好ましくない影響を防ぐため、中
間層を設置するのが好ましい。特公昭55−7576号
に記載されたような銀イオンにより拡散性色素を放出す
る化合物を用いる場合には銀イオンを補足する化合物を
中間層に含有せしめるのが好ましい。本発明においては
必要に応じて、イラジエーション防止層、UV吸収剤
層、保護層などが塗設される。
【0080】II.受像要素 A)支持体 本発明において受像要素の支持体としては、処理温度に
耐えることのできるものが用いられる。一般的には、
紙、合成高分子(フィルム)が挙げられる。具体的に
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ
イミド、セルロース類(例えばトリアセチルセルロー
ス)またはそれらのフィルム中へ酸化チタンなどの顔料
を含有させたもの、更にポリプロピレンなどから作られ
るフィルム法合成紙、ポリエチレン等の合成樹脂パルプ
と天然パルプとから作られる混抄紙、ヤンキー紙、バラ
イタ紙、コーティッドペーパー(特にキャストコート
紙)、金属、布類、ガラス類等が用いられる。これら
は、単独で用いることもできるし、ポリエチレン等の合
成高分子で片面または両面をラミネートされた支持体と
して用いることもできる。又、紙の内部にカーボンブラ
ックをポリエチレンに練り込んだものを紙と紙の間には
さみ込む形で含有せしめ、遮光性をもたせることもでき
る。この他に、特開昭62−253159号(29)〜
(31)頁に記載の支持体を用いることができる。これ
らの支持体の表面に親水性バインダーとアルミナゾルや
酸化スズのような半導性金属酸化物、カーボンブラック
その他の帯電防止剤を塗布してもよい。
【0081】B)剥離層 前記と同様である。 C)中和機能を有する層 前記と同様である。 D)受像層 前記と同様である。 E)その他 前記と同様である。 アルカリ性処理組成物 前記と同様である。
【0082】次に、ハロゲン化銀写真要素以外の記録材
料に関して説明する。本発明の支持体を有する記録材料
はハロゲン化銀写真要素以外にも、インクジェット記録
方式、昇華型熱転写記録方式、溶融型熱転写記録方式、
電子写真方式、感熱記録方式、感圧記録方式およびイン
クドット記録方式等の記録材料が含まれる。このうち、
本発明においては、インクジェット記録方式、昇華型熱
転写記録方式、溶融型熱転写記録方式、電子写真記録方
式の記録材料が好ましい。これらの記録材料はいずれも
受像シートに主情報をインクジェットや転写によって形
成(受像)するものである。従って、本発明において
は、これらの記録材料の受像シート(記録シート)を記
録材料と見なし、また該受像シートを支持体と見なす。
インクジェット記録方式、昇華型熱転写記録方式、溶融
型熱転写記録方式、電子写真方式の記録材料の受像シー
トとしては、普通紙等の基体の非コーティング支持体か
らなる受像シートを挙げることができ、あるいはまた、
インク、トナーまたは昇華性染料等の受像層(受容層と
も称し、インクの場合はインク吸収層とも称す)として
画像形成剤の特性に合わせて少なくとも親水性ポリマ
ー、無機多孔質体、あるいは疎水性ポリマーを含有した
コーティング支持体からなる受像シートが挙げられる。
【0083】基体としては、合成紙、上質紙、アート
紙、コート紙、セルロース繊維紙、あるいはポリオレフ
ィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート
などの各種のプラスチックのフィルム又はシートを使用
することができ、更には各種のプラスチックに白色顔料
や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムまたは発
泡させた発泡シートなども使用することができる。ま
た、上記基体の積層体も使用可能であり、その代表例と
してセルロース繊維紙と合成紙の積層体、セルロース繊
維紙とプラスチックフィルムの積層体、プラスチックフ
ィルムと合成紙の積層体などが挙げられる。基体の厚さ
は任意でよく、例えば10〜300μm程度が一般的で
ある。更に基体の表面には受像層との接着力向上のため
必要に応じてプライマー処理やコロナ放電処理を施すの
が好ましい。
【0084】インクジェット記録方式の受像シートにつ
いて説明する。支持体上に設けられるインク受容層に
は、顔料や親水性ポリマーが含有される。顔料として
は、白色顔料がよく、白色顔料としては、炭酸カルシウ
ム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シ
リカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カル
シウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼ
オライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタ
ン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機白色顔料、スチレン系
ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層に含
有される白色顔料としては、多孔性無機顔料がよく、特
に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。
合成非晶質シリカは、乾式製造法によって得られる無水
珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれ
も使用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが望
ましい。
【0085】インク受容層に含有される親水性ポリマー
としては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリ
ビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カ
ゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリア
ルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導
体、アルギン酸、ポリビニルアセタール、ポリアクリル
酸ソーダ、架橋型ポリアクリル酸、ポリビニルメチルエ
ーテル、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリルアミ
ド、水性ウレタン樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性エ
ポキシ化合物、水溶性ポリエステル等の水溶性高分子、
スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン
等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バイ
ンダーは単独または2種以上併用して用いることができ
る。これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノ
ール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、
インク受容層の耐剥離性の点で好適である。
【0086】インク受容層は、顔料及び水性結着剤の他
に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、その
他の添加剤を含有することができる。インク受容層中に
添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。
そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325
号、同54−74430号、同54−124726号、
同55−22766号、同55−142339号、同6
0−23850号、同60−23851号、同60−2
3852号、同60−23853号、同60−5783
6号、同60−60643号、同60−118834
号、同60−122940号、同60−122941
号、同60−122942号、同60−235134
号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2,
484,430号、同2,548,564号、同3,1
48,061号、同3,309,690号、同4,11
5,124号、同4,124,386号、同4,19
3,800号、同4,273,853号、同4,28
2,305号、同4,450,224号の各明細書に記
載がある。特開平1−161236号公報の212〜2
15頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特
に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、
優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善さ
れる。
【0087】耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、
これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望まし
い。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリ
アミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリ
アミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロラ
イド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダル
シリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特に
ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適であ
る。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の
全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜
10質量%であることが好ましい。耐光性向上剤として
は、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダーアミン系酸化防止
剤、ベンゾフェノン等のベンゾトリアゾール系の紫外線
吸収剤等が挙げられる。これらの中で特に硫酸亜鉛が好
適である。
【0088】界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、
スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界
面活性剤については、特開昭62−173463号、同
62−183457号の各公報に記載がある。界面活性
剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機
フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機
フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル
状フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素
化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。
有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053
号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同6
2−135826号の各公報に記載がある。その他のイ
ンク受容層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、
増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整
剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。なお、インク受
容層は1層でも2層でもよい。
【0089】記録紙及び記録フィルムには、バックコー
ト層を設けることもでき、この層に添加可能な成分とし
ては、白色顔料、水性結着剤、その他の成分が挙げられ
る。バックコート層に含有される白色顔料としては、例
えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオ
リン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化
チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイ
ト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、
珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリ
カ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミ
ニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイ
サイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白
色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アク
リル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイク
ロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が
挙げられる。バックコート層に含有される親水性ポリマ
ーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレ
ン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シ
ラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオ
ン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニル
ピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテ
ックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が
挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分
としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐
剤、耐水化剤等が挙げられる。
【0090】インクジェット記録紙及び記録フィルムの
構成層(バック層を含む)には、ポリマーラテックスを
添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安定化、
カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物
性改良の目的で使用される。ポリマーラテックスについ
ては、特開昭62−245258号、同62−1366
48号、同62−110066号の各公報に記載があ
る。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラ
テックスを媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れ
やカールを防止することができる。また、ガラス転移温
度が高いポリマーラテックスをバック層に添加しても、
カールを防止できる。昇華型熱転写記録方式、溶融型熱
転写記録方式の受像材料について説明する。本発明で用
いられる熱転写受像材料は支持体上に色素供与材料から
移行してくる色素を受容する受像層を設けたものであ
る。この受像層は、印字の際に熱転写色素供与材料から
移行してくる熱移行性色素を受け入れ、熱移行性色素が
染着する働きを有している熱移行性色素を受容する物質
を単独で、またはその他のバインダー物質とともに含ん
でいる厚み0.5〜50μm程度の被膜であることが好
ましい。熱移行性色素を受容しうる物質の代表例である
ポリマーとしては次のような樹脂が挙げられる。
【0091】(イ)エステル結合を有するもの テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸などのジカルボ
ン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸
基、カルボキシル基などが置換していてもよい)と、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノール
Aなどの縮合により得られるポリエステル樹脂:ポリメ
チルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ
メチルアクリレート、ポリブチルアクリレートなどのポ
リアクリル酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エス
テル樹脂:ポリカーボネート樹脂:ポリ酢酸ビニル樹
脂:スチレンアクリレート樹脂:ビニルトルエンアクリ
レート樹脂など。具体的には特開昭59−101395
号、同63−7971号、同63−7972号、同63
−7973号、同60−294862号に記載のものを
挙げることができる。また、市販品としては東洋紡社製
のバイロン290、バイロン200、バイロン280、
バイロン300、バイロン103、バイロンGK−14
0、バイロンGK−130、花王社製のATR−200
9、ATR−2010などが使用できる。
【0092】(ロ)ウレタン結合を有するもの ポリウレタン樹脂など。 (ハ)アミド結合を有するもの ポリアミド樹脂など。 (ニ)尿素結合を有するもの 尿素樹脂など。 (ホ)スルホン結合を有するもの ポリスルホン樹脂など。 (ヘ)飽和炭素結合を有するもの ポリスチレン樹脂など。
【0093】(ト)その他極性の高い結合を有するもの ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂な
ど。上記のような合成樹脂に加えて、これらの混合物あ
るいは共重合体なども使用できる。また、特開平1−1
88391号および同3−83685号に記載の塩基性
化合物及び/又は媒染剤を用いることもできる。
【0094】熱転写受像材料の受像層は、熱移行性色素
を受容しうる物質を水溶性バインダーに分散して担持す
る構成としてもよい。この場合に用いられる水溶性バイ
ンダーとしては公知の種々の水溶性ポリマーを使用しう
るが、硬膜剤により架橋反応しうる基を有する水溶性の
ポリマーが好ましい。受像層は2層以上の層で構成して
もよい。その場合、支持体に近い方の層にはガラス転移
点の低い合成樹脂を用いたり、高沸点有機溶剤や熱溶剤
を用いて色素に対する染着性を高めた構成にし、最外層
にはガラス転移点のより高い合成樹脂を用いたり、高沸
点有機溶剤や熱溶剤の使用量を必要最小限にするかもし
くは使用しないで表面のベタツキ、他の物質との接着、
転写後の他の物質への再転写、熱転写色素供与材料との
ブロッキング等の故障を防止する構成にすることが望ま
しい。受像層の厚さは全体で0.5〜50μm、特に3
〜30μmの範囲が好ましい。2層構成の場合最外層は
0.1〜2μm、特に0.2〜1μmの範囲にするのが
好ましい。
【0095】熱転写受像材料は、支持体と受像層の間に
中間層を有してもよい。中間層は構成する材質により、
クッション層、多孔層、色素の拡散防止層のいずれか又
はこれらの2つ以上の機能を備えた層であり、場合によ
っては接着剤の役目も兼ねている。色素の拡散防止層
は、特に熱移行性色素が支持体に拡散するのを防止する
役目を果たすものである。この拡散防止層を構成するバ
インダーとしては、水溶性でも有機溶剤可溶性でもよい
が、水溶性のバインダーが好ましく、その例としては前
述の受像層のバインダーとして挙げた水溶性バインダ
ー、特にゼラチンが好ましい。多孔層は、熱転写時に印
加した熱が受像層から支持体へ拡散するのを防止し、印
加された熱を有効に利用する役目を果たす層である。
【0096】熱転写受像材料を構成する受像層、クッシ
ョン層、多孔層、拡散防止層、接着層等には、シリカ、
クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、合成ゼ
オライト、酸化亜鉛、リトポン、酸化チタン、アルミナ
等の微粉末を含有させてもよい。熱転写受像材料に用い
る支持体は転写温度に耐えることができ、平滑性、白色
度、滑り性、摩擦性、帯電防止性、転写後のへこみなど
の点で要求を満足できるものならばどのようなものでも
使用できる。例えば、合成紙(ポリオレフィン系、ポリ
スチレン系などの合成紙)、上質紙、アート紙、コート
紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂また
はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合
成樹脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙、ポリオレフィ
ンコート紙(特にポリエチレンで両側を被覆した紙)な
どの紙支持体、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリスチレンメタクリレー
ト、ポリカーボネート等の各種のプラスチックフィルム
またはシートとこのプラスチックに白色反射性を与える
処理をしたフィルムまたはシート、また上記の任意の組
合せによる積層体も使用できる。
【0097】熱転写受像材料には蛍光増白剤を用いても
よい。その例としては、K. Veenkataraman編「The Chem
istry of Synthetic Dyes」第V巻第8章、特開昭61
−143752号などに記載されている化合物を挙げる
ことができる。より具体的には、スチルベン系化合物、
クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサ
ゾリル系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン
系化合物、カルボスチリル系化合物、2,5−ジベンゾ
オキサゾールチオフェン系化合物などが挙げられる。蛍
光増白剤は褪色防止剤と組み合わせて用いることができ
る。本発明において、熱転写色素供与材料と熱転写受像
材料との離型性を向上させるために、色素供与材料及び
/又は受像材料を構成する層中、特に好ましくは両方の
材料が接触する面に当たる最外層に離型剤を含有させる
のが好ましい。離型剤としては、ポリエチレンワック
ス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等
の固形あるいはワックス状物質:弗素系、リン酸エステ
ル系等の界面活性剤:パラフィン系、シリコーン系、弗
素系のオイル類等、従来公知の離型剤がいずれも使用で
きるが、特にシリコーンオイルが好ましい。シリコーン
オイルとしては、無変性のもの以外にカルボキシ変成、
アミノ変性、エポキシ変性等の変性シリコーンオイルを
用いることができる。その例としては、信越シリコーン
(株)発行の「変性シリコーンオイル」技術資料の6〜
18B頁に記載の各種変性シリコーンオイルを挙げるこ
とができる。有機溶剤系のバインダー中に用いる場合
は、このバインダーの架橋剤と反応しうる基(例えばイ
ソシアネートと反応しうる基)を有するアミノ変性シリ
コーンオイルが、また水溶性バインダー中に乳化分散し
て用いる場合は、カルボキシ変性シリコーンオイル(例
えば信越シリコーン(株)製、商品名KF−100T)
が有効である。
【0098】本発明に用いる熱転写受像材料を構成する
層は硬膜剤によって硬化されていてもよい。有機溶剤系
のポリマーを硬化する場合には、特開昭61−1999
97号、同58−215398号等に記載されている硬
膜剤が使用できる。ポリエステル樹脂に対しては特にイ
ソシアネート系の硬膜剤の使用が好ましい。水溶性ポリ
マーの硬化には、米国特許第4,678,739号第4
1欄、特開昭59−116655号、同62−2452
61号、同61−18942号等に記載の硬膜剤が使用
に適している。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤
(ホルムアルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポ
キシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N′−エ
チレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタンな
ど)、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素な
ど)、あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−23415
7号などに記載の化合物)が挙げられる。
【0099】熱転写受像材料には褪色防止剤を用いても
よい。褪色防止剤としては、例えば酸化防止剤、紫外線
吸収剤、あるいはある種の金属錯体がある。酸化防止剤
としては、例えばクロマン系化合物、クマラン系化合
物、フェノール系化合物(例えばヒンダードフェノール
類)、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘導
体、スピロインダン系化合物がある。また、特開昭61
−159644号記載の化合物も有効である。紫外線吸
収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物(米国特許
第3,533,794号など)、4−チアゾリドン系化
合物(米国特許第3,352,681号など)、ベンゾ
フェノン系化合物(特開昭56−2784号など)、そ
の他特開昭54−48535号、同62−136641
号、同61−88256号等に記載の化合物がある。ま
た、特開昭62−260152号記載の紫外線吸収性ポ
リマーも有効である。金属錯体としては、米国特許第
4,241,155号、同第4,245,018号第3
〜36欄、同第4,254,195号第3〜8欄、特開
昭62−174741号、同61−88256号(2
7)〜(29)頁、特開平1−75568号、特開昭6
3−199248号等に記載されている化合物がある。
有用な褪色防止剤の例は特開昭62−215272号
(125)〜(137)頁に記載されている。上記の酸
化防止剤、紫外線吸収剤、金属錯体はこれら同士を組み
合わせて使用してもよい。
【0100】熱転写受像材料の構成層には塗布助剤、剥
離性改良、スベリ性改良、帯電防止、現像促進等の目的
で種々の界面活性剤を使用することができる。例えば、
サポニン(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導
体(例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールア
ルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールエ
ステル類、ポリエチレングリコールソルビタンエステル
類、ポリアルキレングリコールアルキルアミンまたはア
ミド類、シリコーンのポリエチレンオキサイド付加物
類)、グリシドール誘導体(例えばアルケニルコハク酸
ポリグリセリド、アルキルフェノールポリグリセリ
ド)、多価アルコールの脂肪酸エステル類、糖のアルキ
ルエステル類などの非イオン性界面活性剤:アルキルカ
ルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル類、アルキルリ
ン酸エステル類、N−アシル−N−アルキルタウリン
類、スルホコハク酸エステル類、スルホアルキルポリエ
チレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレ
ンアルキルリン酸エステル類などのカルボキシ基、スル
ホ基、フォスホ基、硫酸エステル基、リン酸エステル基
等の酸性基を含むアニオン性界面活性剤:アミノ酸類、
アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸ある
いはリン酸エステル類、アルキルベタイン類、アミンオ
キシド類などの両性界面活性剤:アルキルアミン塩類、
脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム塩類、ピリジ
ニウム、イミダゾリウムなどの複素環第4級アンモニウ
ム塩類、および脂肪族あるいは複素環を含むフォスフォ
ニウムあるいはスルホニウム塩類などのカチオン性界面
活性剤を用いることができる。これらの具体例は特開昭
62−173463号、同62−183457号等に記
載されている。また、熱移行性色素を受容しうる物質、
離型剤、褪色防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤その他
の疎水性化合物を水溶性バインダー中に分散する際に
は、分散助剤として界面活性剤を用いるのが好ましい。
この目的のためには、上記の界面活性剤の他に、特開昭
59−157636号の37〜38頁に記載の界面活性
剤が特に好ましく用いられる。
【0101】熱転写受像材料の構成層には、スベリ性改
良、帯電防止、剥離性改良等の目的で有機フルオロ化合
物を含ませてもよい。有機フルオロ化合物の代表例とし
ては、特公昭57−9053号第8〜17欄、特開昭6
1−20944号、同62−135826号等に記載さ
れているフッ素系界面活性剤、またはフッ素油などのオ
イル状フッ素系化合物もしくは四フッ化エチレン樹脂な
どの固体状フッ素化合物樹脂などの疎水性フッ素化合物
が挙げられる。熱転写色素供与材料や熱転写受像材料に
はマット剤を用いることができる。マット剤としては二
酸化ケイ素、ポリオレフィンまたはポリメタクリレート
などの特開昭61−88256号(29)頁記載の化合
物の他に、ベンゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネ
ート樹脂ビーズ、AS樹脂ビーズなどの特開昭63−2
74944号、同63−274952号記載の化合物が
ある。
【0102】電子写真用受像シートについて説明する。
電子写真方式では、写真印画紙同等の画質の画像を得る
ために熱可塑性のポリマーよりなるトナー受像層が設け
られることがある。受像層以外にもその目的により表面
保護層、中間層、下塗り層、クッション層、帯電調節
(防止)層、反射層、色味調整層、保存性改良層、接着
防止層、アンチカール層、平滑化層などを設けることが
できる。また、それぞれの層は2以上の層より構成され
ていても良い。また、電子写真用受像シートは、支持体
を挟んで受像層と反対側にバック層を設けることができ
る。裏面にも画像を形成する、両面出力型受像シートの
場合は、バック層も白色であることが好ましい。受像層
としては、少なくとも、転写工程にて(静)電気、圧力
等にて現像ドラムあるいは中間転写体より画像を形成す
るトナーを受容し、定着工程にて熱、圧力等にて固定化
しうる受像性の物質よりなる。受容性物質としては、熱
可塑性樹脂、水溶性樹脂、粒径の細かな顔料などが用い
られる。受像層の厚さは、トナーの粒子径の1/2以上
有ることが好ましく、さらに好ましくはトナー粒子径の
1倍〜3倍の厚さである。
【0103】受像層の物性としては、以下の1項目以上
を満足するものが好ましく、より好ましくは複数の項
目、最も好ましくは、全ての項目を満足するものであ
る。受像層のTg(ガラス転位温度)が30℃以上、
トナーのTg+20℃以下が好ましい。受像層のT1
/2(1/2法軟化点)が60〜150℃が好ましい。
より好ましくは80〜120℃の範囲である。受像層
のTfb(流出開始温度)が40℃以上、100℃以下
が好ましい。より好ましくは受像層のTfbがトナーの
Tfb以下である。受像層の粘度が1×105mPa
・sになる温度が40℃以上、トナーのそれより低いこ
とが好ましい。また、受像層としては、特許第2788
358号、特開平7−248637号、同8−3050
67号、同10−239889号等に開示されている物
性等を満足するものが好ましい。
【0104】上記の物性は、示差走査熱量測定装置
(DSC)により測定することができる。また、〜
の物性は、例えば島津製作所製フローテスターCFT−
500を用いて測定することができる。また、、の
物性は、回転型レオメーター(例えば、レオメトリック
社製ダイナミックアナライザーRADII)を用いて測定
することができる。用いられる熱可塑性樹脂としては、
定着温度および温度で変形しトナーを受容しうるもので
あれば何でも良い。好ましくは、トナーのバインダーと
して用いられている樹脂と同系統の樹脂が好ましい。ト
ナーには多くはポリエステル樹脂が用いられているの
で、その場合、本発明の電子写真用受像シートに用いら
れる熱可塑性樹脂としても、ポリエステル樹脂を用いる
のが好ましい。また、スチレン−アクリル酸エステル共
重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体など
が好ましく用いられる。以下に好ましく用いられる樹脂
を説明する。
【0105】(イ)エステル結合を有するもの。 テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、
フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ア
ビエチン酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸等のジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分に
はスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよ
い)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
プロピレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールAのジエーテル誘導体(例えば、ビスフェノールA
のエチレンオキサイド2付加物、ビスフェノールAのプ
ロピレンオキサイド2付加物など)、ビスフェノール
S、2−エチルシクロヘキシルジメタノール、ネオペン
チルグリコール、シクロヘキシルジメタノール、グリセ
リン等のアルコール成分(これらのアルコール成分には
水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得
られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、
ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、
ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹
脂またはポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート
樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、
ビニルトルエンアクリレート樹脂等。具体的には特開昭
59−101395号、同63−7971号、同63−
7972号、同63−7973号、同60−29486
2号に記載のものを挙げることができる。また、市販品
としては東洋紡製のバイロン290、バイロン200、
バイロン280、バイロン300、バイロン103、バ
イロンGK−140、バイロンGK−130、花王製の
タフトンU−5、タフトンNE382、ATR−200
9、ATR−2010、ユニチカ製のエリーテルUE3
500、UE3210、XA−8153、日本合成化学
製のポリエスターTP−220、R−188等が使用で
きる。
【0106】(ロ)ポリウレタン樹脂等。 (ハ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等。 (ニ)ポリスルホン樹脂等。 (ホ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プ
ロピオン酸ビニル共重合体樹脂等。 (ヘ)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エ
チルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロー
ス樹脂等。 (ト)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイ
ン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等。 (チ)ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリ
オレフィン樹脂や、エチレンやプロピレン等のオレフィ
ンと他のビニルモノマーとの共重合体樹脂や、アクリル
樹脂等。 上記のような合成樹脂に加えて、これらの混合物あるい
は共重合体等も使用できる。
【0107】トナー受像層に用いられる熱可塑性樹脂と
しては、受像層を形成した状態で前述の受像層物性を満
足できるものが好ましい。さらに好ましくは、樹脂単独
でも、前述の受像層に好ましい物性を満足するものが挙
げられる。また、前述の物性の異なる樹脂を2以上併用
することも好ましく用いられる。また、トナー受像層に
用いられる熱可塑性樹脂として、同一組成の樹脂の平均
分子量が異なるものの混合物を用いるのも好ましい。さ
らに、トナー受像層に用いられる熱可塑性樹脂として
は、特公平5−127413号、同8−194394
号、同8−334915号、同8−334916号、同
9−171265号、同10−221877号等に開示
されている物性等を満足するものが好ましく用いられ
る。
【0108】これらの樹脂中に必要に応じて変性或いは
無変性シリコーンオイル、フッ素型添加剤等の離型剤、
酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、微粉末シリカ
等の顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を添加してもよ
い。受像層の厚さは1〜50μmが適当であり、2〜5
μmが好ましい。
【0109】これらの受像層には、添加剤として、染料
定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、
抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔
料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止
剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増
強剤などを適宜配合することもできる。
【0110】受像層を基体に塗工する方法は、各種ブレ
ードコーター、ロールコーター、エアーナイフコータ
ー、バーコーター、ロッドブレードコーター、ショート
ドウェルコーター、サイズプレスなどの各種装置をオン
マシンあるいはオフマシンで用いることができる。ま
た、塗工または浸漬後には、マシンカレンダー、TGカ
レンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなど
のカレンダーを用いて仕上げても良い。
【0111】本発明において、特定のセキュリティパタ
ーンを形成させる場所としては、得られた画像を含む記
録材料において、視覚判断できる所であればいずれでも
構わない。例えば、支持体の裏面、支持体の記録層側の
面、支持体上に設けられた任意の層が挙げられる。ま
た、該パターンの形成は特定の層または特定の面の全面
であっても部分的であっても良い。本発明においては、
生産工程上、支持体に直接セキュリティパターンを形成
したものが好ましく、更には支持体の記録層側の面が好
ましい。また、ハロゲン化銀写真要素においては、この
支持体上にハロゲン化銀写真要素の形成に必要な層を塗
設もしくは形成することが好ましい。なお、最も好まし
い態様である拡散転写型のハロゲン化銀写真要素におい
ては、受像層中にセキュリティパターンを形成したもの
が好ましく、特に好ましくは、受像層中の支持体の記録
層側の面である。支持体上の記録層側にセキュリティパ
ターンを形成することにより、改ざんが困難となる。
【0112】以下に本発明を下記実施例を挙げて説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0113】
【実施例】実施例1 両面に20μmのポリエチレンをラミネートし、かつゼ
ラチン下塗りを施された150μmの紙支持体上の受像
層を塗設する側の面に、表1に示す染料を含むインクを
用いて、セキュリティパターンとして、「セキュリティ
パターン」の文字(14ポイントの明朝体)を凸版印刷
で印刷した。なお、比較の染料は油溶性であるため、油
溶性インク[マクロメルトJP119(ヘンケル白水
(株))、エロジールR972(日本アエロジル
(株))、インク溶媒(トルエン、ブタノール、イソプ
ロパノール他)に染料を1質量%添加したもの]を、一
方、本発明の水溶性蛍光染料は水溶性であり、水溶性イ
ンク[10%PVAワニス水溶液、インク溶剤(イソプ
ロパノール、水)に染料を4.8質量%添加]を使用し
た。上記の各支持体を用いて、以下に示すような層構成
にて塗布を行い、受像要素(101)〜(112)を作
製した。
【0114】バック層側: (a)カーボンブラック2.8g/m2およびゼラチン
4.8g/m2を含有する遮光層。 (b)二酸化チタン4.1g/m2およびゼラチン1.
0g/m2を含有する白色層。 (c)ゼラチン0.5g/m2を含有する保護層。 受像層側: (1)アクリル酸/ブチルアクリレート共重合体(モル
比8:2、平均分子量50,000)4.0g/m2
ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化率88%)
及び下記硬膜剤(F)0.04g/m2を含有する中和
層。
【0115】
【化13】
【0116】(2)ジアセチルセルロース(酢化度5
1.3%)3.5g/m2、スチレン/無水マレイン酸
共重合体(モル比1:1、平均分子量10000)0.
39g/m2、下記化合物(B)0.07g/m2、及び
コロネートHL(日本ポリウレタン(株)製)0.09
8g/m2を含有するタイミング層。
【0117】
【化14】
【0118】(3)ポリマーラテックス(スチレン/ブ
チルアクリレート/N−メチロールアクリルアミドを質
量比49.7/42.3/8の比で乳化重合したもの)
1.32g/m2およびポリマーラテックス(メチルメ
タクリレート/アクリル酸/N−メチロールアクリルア
ミドを質量比93/3/4で乳化重合したもの)1.3
2g/m2、下記化合物(C)0.162g/m2、及び
下記塗布助剤(D)0.0148g/m2を含有するタ
イミング層。
【0119】
【化15】
【0120】(4)下記媒染剤(E)3.7g/m2
ホルムアルデヒド0.21g/m2および上記硬膜剤
(F)0.10g/m2、前記塗布助剤(D)0.01
g/m2およびゼラチン2.8g/m2を含有する媒染
層。
【0121】
【化16】
【0122】(5)アクリル酸/ブチルメタクリレート
共重合体(モル比85:15、平均分子量100,00
0)0.06g/m2および下記化合物(H)0.00
3g/m2を含有する剥離層。
【0123】
【化17】
【0124】一方、感光要素は以下のように作成した。
100μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィル
ムの支持体上に次に示すような構成にて塗布を行い感光
要素(101)を作製した。 バック層側: (a)カーボンブラック6.0g/m2およびゼラチン
2.0g/m2を含有する遮光層。 (b)ゼラチン0.5g/m2を含有する保護層。 乳剤層側: (1)二酸化チタン3.7g/m2およびゼラチン0.
5g/m2を含有する層。 (2)下記のシアン色素放出レドックス化合物0.46
g/m2、トリシクロヘキシルホスフェート0.07g
/m2、下記の分散助剤(A)0.05g/m2、下記の
分散助剤(B)0.06g/m2、およびゼラチン0.
5g/m2を含有する色材層。
【0125】
【化18】
【0126】(3)ゼラチン0.5g/m2を含有する
層。 (4)赤感性内潜型直接ポジ臭化銀乳剤(平均粒子サイ
ズ0.65μm、銀の量で0.11g/m2)、ゼラチ
ン0.3g/m2、下記の造核剤0.003g/m 2およ
び2−スルホ−5−n−ペンタデシルハイドロキノン・
ナトリウム塩0.02g/m2を含有する赤感性乳剤
層。
【0127】
【化19】
【0128】(5)赤感性内潜型直接ポジ臭化銀乳剤
(平均粒子サイズ0.98μm、銀の量で0.23g/
2)、ゼラチン0.4g/m2、2−スルホ−5−n−
ペンタデシルハイドロキノン・ナトリウム塩0.04g
/m2、および層(4)と同じ造核剤0.005mg/
2を含有する赤感性乳剤層。 (6)2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン
0.61g/m2、下記のポリマー分散剤0.33g/
2およびゼラチン0.3g/m2を含有する混色防止
層。
【0129】
【化20】
【0130】(7)ゼラチン0.2g/m2を含有する
中間層。 (8)下記のマゼンタ色素放出レドックス化合物を0.
46g/m2、層(2)と同じ分散助剤(A)0.04
g/m2、分散助剤(B)0.07g/m2、およびゼラ
チン0.7g/m2を含有する色材層。
【0131】
【化21】
【0132】(9)緑感性内潜型直接ポジ臭化銀乳剤
(平均粒子サイズ0.65μm、銀の量で0.11g/
2)、ゼラチン0.2g/m2、層(4)と同じ造核剤
0.005mg/m2および2−スルホ−5−n−ペン
タデシルハイドロキノン・ナトリウム塩0.02g/m
2を含有する緑感性乳剤層。 (10)緑感性内潜型直接ポジ臭化銀乳剤(平均粒子サ
イズ0.98μm、銀の量で0.26g/m2)、ゼラ
チン0.6g/m2、層(4)と同じ造核剤0.004
mg/m2および2−スルホ−5−n−ペンタデシルハ
イドロキノン・ナトリウム塩0.04g/m2を含有す
る緑感性乳剤層。 (11)2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン
0.91g/m2、下記のポリマー分散剤0.29g/
2およびゼラチン0.4g/m2を含有する混色防止
層。
【0133】
【化22】
【0134】(12)(7)と同一の層。 (13)下記構造のイエロー色素放出レドックス化合物
0.53g/m2、トリシクロヘキシルホスフェート
0.16g/m2、層(2)と同じ分散助剤(A)0.
05g/m2、分散助剤(B)0.03g/m2およびゼ
ラチン0.5g/m 2を含有する色材層。
【0135】
【化23】
【0136】(14)青感性内潜型直接ポジ臭化銀乳剤
(平均粒子サイズ0.65μm、銀の量で0.15g/
2)、ゼラチン0.2g/m2、層(4)と同じ造核剤
0.006mg/m2および2−スルホ−5−n−ペン
タデシルハイドロキノン・ナトリウム塩0.01g/m
2を含有する青感性乳剤層。 (15)青感性内潜型直接ポジ臭化銀乳剤(平均粒子サ
イズ0.98μm、銀の量で0.23g/m2)、ゼラ
チン0.3g/m2、層(4)と同じ造核剤0.005
mg/m2および2−スルホ−5−n−ペンタデシルハ
イドロキノン・ナトリウム塩0.01g/m2を含有す
る青感性乳剤層。 (16)下記の紫外線吸収剤(A)と(B)を各0.1
2g/m2およびゼラチン0.5g/m2を含有する紫外
線吸収層。
【0137】
【化24】
【0138】(17)マット剤(PMMA)0.2g/
2、下記の硬膜剤(A)0.11g/m2、下記の硬膜
剤(B)0.03g/m2およびゼラチン0.4g/m2
を含有する保護層。
【0139】
【化25】
【0140】さらに、下記組成の処理液1gずつを塩化
ビニルをラミネートしたアルミニウム箔のポッドに窒素
雰囲気下で充填したアルカリ処理組成物を作製した。
【0141】 ヒドロキシエチルセルロース 42g 硝酸亜鉛・6H2O 0.9g 5−メチルベンゾトリアゾール 5.4g ベンジルアルコール 3.4ml 二酸化チタン 1.2g 硝酸アルミニウム・9H2O 15g 亜硫酸カリウム 1.0g 1−フェニル−4−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル −3−ピラゾリドン 13.0g 水酸化カリウム 63g 水 854ml
【0142】次いで、感光要素(101)に像様露光を
与えた後、受像要素(101)を重ね合わせ、両要素の
間にアルカリ処理組成物を60μmの厚みになるよう展
開処理した。処理は25℃で行い、処理後90秒で感光
要素と受像要素を剥離した。受像要素(102)〜(1
12)に対しても、上記の感光要素(101)を使用し
て、露光、アルカリ処理組成物により処理した。以上の
ようにして各受像要素に画像を形成した後、セキュリテ
ィパターンの滲みと堅牢性を以下の強制試験によって評
価した。 1)60℃(湿度調節なし)で14日間保存 2)60℃80%RHで14日間保存 3)太陽光曝光14日間
【0143】なお、滲みと堅牢性は、受像材料にUVラ
ンプから254nmの紫外光を当て、セキュリティパタ
ーンからの蛍光の発光を目視で観測することにより評価
した。評価レベルは以下の三段階評価を行った。 滲みと堅牢性の評価レベル ○:強制試験前と同等 △:強制試験前より劣る ×:強制試験前より著しく劣る 得られた結果をまとめて表1に示した。この結果、本発
明の相互作用性基を有する染料は他の染料と比較し、高
温、高温高湿度、太陽光曝光下でも、滲み、堅牢性とも
に良好な結果が得られた。
【0144】
【表1】
【0145】
【化26】
【0146】実施例2 特開平11−282108号の実施例4に記載の感光材
料(試料401〜405)を作製するに際し、該実施例
4で使用されている支持体(ポリエチレン樹脂ラミネー
ト紙)の乳剤層塗設面側に、前述の本発明の実施例1と
同様にして、前記の例示蛍光染料1、3、4、11、1
5、17、19、23、25をそれぞれ含んだインクで
凸版印刷した以外は全く同様にして、45種(支持体9
種×該実施例4の試料401〜405と同じ写真層5
種)感光材料染料の新たな試料を作成し、特開平11−
282108号の実施例4に記載の方法で露光、現像処
理した後、本発明の実施例1に記載の方法で滲みと堅牢
性の評価を行った。この結果、いずれの試料も、滲み、
堅牢性とも良好な結果を得た。
【0147】実施例3 下記の方法により、インクジェット記録用の色材受容層
を備えたシートを作製した。 (1)多孔質層(架橋前色材受容層)形成用塗布液の組
成(以下の全ての塗布液の配合量を示す質量部〔重量
部〕の値は、全て固形分又は不揮発分を表わす) 無水シリカ微粒子(平均1次粒子径:7nm、表面シ
ラノール基:2〜3個/nm2、屈折率:1.45、商
品名:アエロジル300(日本アエロジル(株)製))
10質量部 ポリビニルアルコール(ケン化度:81.8%、重合
度:4000、商品名:PVA440(クラレ(株)
製)) 3.3質量部 イオン交換水 136.0質量部
【0148】のシリカ微粒子を、のイオン交換水
(73.3質量部)中に添加して、高速回転湿式コロイ
ドミル(クレアミックス(エム・テクニック(株)
製))を用いて、10000rpmの条件で20分間分
散させた後、ポリビニルアルコール水溶液(イオン交換
水の残り62.7質量部に溶解させたもの)を加えて、
更に上記と同じ条件で分散を行なって多孔質層形成用塗
布液を得た。上記塗布液を前記210μmの厚みの写真
印画紙用ラミネート紙の表面に、エクストルージョンダ
イコータを用いて200ml/m2の塗布量で塗布し、
熱風乾燥機により80℃(風速3m/秒)で3分間乾燥
した。塗布層は、この期間、恒率乾燥速度を示した。こ
の3分間の乾燥後、直ちに下記(2)の硼砂含有溶液
に、この塗布層を1秒間浸漬させ、20ml/m2付着
させた後、80℃で10分間乾燥した。これにより乾燥
膜厚が30μmのインク受容層を形成した。
【0149】(2)硼砂含有溶液 硼砂 1質量部 界面活性剤 0.2質量部(商品名:F−14
4D、大日本インキ化学工業(株)製) ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・二酸化イ
オウ共重合物1.4質量部 イオン交換水 97.4質量部
【0150】上記で得られたインクジェット記録用シー
トに、前述の本発明の実施例1と同様にして、前記の例
示蛍光染料1、3、5、11、13、15、17、1
9、29をそれぞれ含んだインクで凸版印刷した以外は
全く同様にして、9種の新たな試料を作成した。インク
ジェットプリンタ(商品名:PM−770C、セイコー
エプソン(株)製)により、コンピューターファイルか
らの画像をプリントした。記録画像を、本発明の実施例
1に記載の方法でにじみと堅牢性の評価を行った。この
結果、いずれの試料も、滲み、堅牢性とも良好な結果を
得た。
【0151】実施例4 総厚み190μmの写真印画紙用両面ポリエチレンラミ
ネート紙の上面に、ポリエステル樹脂(花王社製タフト
ンU−5)11.6質量部、二酸化チタン(石原産業社
製タイペークA220)1.54質量部、溶剤(ME
K)30質量部よりなる受像層組成物をメイヤーバーで
乾燥後の質量が約13.2g/m2になるように塗布
し、受像シートを作成した。次いで前述の本発明の実施
例1と同様にして、前記の例示蛍光染料3、4、10、
13、14、17、23、25、29をそれぞれ含んだ
インクで凸版印刷した以外は全く同様にして、9種の新
たな試料を作成した。作成した受像シートを富士ゼロッ
クス社製カラーレーザープリンターColor Las
er Wind 3320PSにセットし、コンピュー
ターファイルからの画像をプリントした。記録画像を、
本発明の実施例1に記載の方法で滲みと堅牢性の評価を
行った。この結果、いずれの試料も、滲み、堅牢性とも
良好な結果を得た。
【0152】
【発明の効果】本発明の相互作用性基を有する蛍光染料
を用いた記録材料、ハロゲン化銀写真材料及び記録材料
支持体は、その検証に特殊な装置を使用せず、かつ、画
像の審美性、芸術性を損なわない安価で簡易な、認証識
別方法並びに該認証におけるセキュリティパターンを可
能にする。また本発明におけるセキュリティパターン
は、アルカリ条件下や高温高湿条件下に置かれた場合で
も滲みがなく、それによって信頼性の高いセキュリティ
性を付与したインクジェット記録受像紙、昇華型感熱記
録受像紙、電子写真記録受像紙を含む記録材料、特にハ
ロゲン化銀写真要素並びに認証識別方法を確立できる。
更に本発明におけるセキュリティパターンは、堅牢性に
優れる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光前に予め、相互作用性基を有する蛍
    光染料によってセキュリティパターンが形成されている
    ことを特徴とするハロゲン化銀写真要素。
  2. 【請求項2】 上記相互作用性基を有する蛍光染料が少
    なくとも1個の共有結合を形成しうる反応性基を有する
    染料であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化
    銀写真要素。
  3. 【請求項3】 上記相互作用性基を有する蛍光染料がア
    ミノスチルベン構造を有する染料であることを特徴とす
    る請求項1記載のハロゲン化銀写真要素。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化銀写真要素が拡散転写型のハ
    ロゲン化銀写真要素であり、セキュリティパターンが受
    像層中に形成されていることを特徴とする請求項1記載
    のハロゲン化銀写真要素。
  5. 【請求項5】 支持体を有する記録材料において、記録
    付与前に予め、少なくとも1個の相互作用性基を有する
    蛍光染料によってセキュリティパターンが形成されてい
    ることを特徴とする記録材料。
  6. 【請求項6】 少なくとも1個の相互作用性基を有する
    蛍光染料によってセキュリティパターンが形成されてい
    ることを特徴とする記録材料用支持体。
  7. 【請求項7】 少なくとも1個の相互作用性基を有する
    蛍光染料からなるセキュリティパターンの有無によっ
    て、認証識別することを特徴とする識別方法。
JP2000147050A 2000-05-18 2000-05-18 認証性が付与されたハロゲン化銀写真要素、記録材料および認証識別方法 Pending JP2001330935A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000147050A JP2001330935A (ja) 2000-05-18 2000-05-18 認証性が付与されたハロゲン化銀写真要素、記録材料および認証識別方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000147050A JP2001330935A (ja) 2000-05-18 2000-05-18 認証性が付与されたハロゲン化銀写真要素、記録材料および認証識別方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001330935A true JP2001330935A (ja) 2001-11-30

Family

ID=18653292

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000147050A Pending JP2001330935A (ja) 2000-05-18 2000-05-18 認証性が付与されたハロゲン化銀写真要素、記録材料および認証識別方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001330935A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8330122B2 (en) 2007-11-30 2012-12-11 Honeywell International Inc Authenticatable mark, systems for preparing and authenticating the mark
CN102993113A (zh) * 2011-06-30 2013-03-27 上海安诺其纺织化工股份有限公司 4, 4’-二氨基二苯乙烯-2, 2’-二磺酸衍生物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8330122B2 (en) 2007-11-30 2012-12-11 Honeywell International Inc Authenticatable mark, systems for preparing and authenticating the mark
CN102993113A (zh) * 2011-06-30 2013-03-27 上海安诺其纺织化工股份有限公司 4, 4’-二氨基二苯乙烯-2, 2’-二磺酸衍生物
CN102993112A (zh) * 2011-06-30 2013-03-27 上海安诺其纺织化工股份有限公司 4, 4’-二氨基二苯乙烯-2, 2’-二磺酸衍生物
CN102993113B (zh) * 2011-06-30 2015-04-29 上海安诺其集团股份有限公司 4, 4’-二氨基二苯乙烯-2, 2’-二磺酸衍生物
CN102993112B (zh) * 2011-06-30 2015-04-29 上海安诺其集团股份有限公司 4,4’-二氨基二苯乙烯-2,2’-二磺酸衍生物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07179073A (ja) 水ベース透明画像記録材料
KR20030076298A (ko) 메탈릭 화상을 가지는 화상 표시 매체 및 열전사 시트
US5795696A (en) Laminatable backing substrates containing paper desizing agents
US5714287A (en) Simulated photographic-quality prints using a transparent substrate containing a wrong reading image and a backing sheet containing an adhesive coating which enhances image optical density
JPH08282133A (ja) 熱転写記録材料
JP2001330935A (ja) 認証性が付与されたハロゲン化銀写真要素、記録材料および認証識別方法
JP2001330936A (ja) 認証性が付与されたハロゲン化銀写真要素、記録材料および認証識別方法
US5906905A (en) Simulated photographic-quality prints using a transparent substrate containing a wrong reading image and a backing sheet containing an ultraviolet light absorber
JP2001105749A (ja) 保護層転写シート
US5693437A (en) Simulated photographic-quality prints with a hydrophobic scuff resistant coating which is receptive to certain writing materials
JP2737585B2 (ja) 被転写シート
JP2001216493A (ja) 認証性が付与されたハロゲン化銀写真要素、記録材料および認証識別方法
JP2000280630A (ja) 熱転写記録材料
JP4169911B2 (ja) 電子写真用受像材料
JP2002002108A (ja) 保護層転写シート
JP2001013710A (ja) カラー電子写真用受像材料
JP4092325B2 (ja) アゾ色素
JP3230875B2 (ja) 熱転写記録方法
JP4015322B2 (ja) カラー電子写真用受像材
JP3487563B2 (ja) 熱転写記録材料
JPH08142492A (ja) 画像記録体作成方法
JPH07508594A (ja) 染料選択性中間層を有する画像形成可能な製品
JPH037384A (ja) 熱転写受像材料
JP2007098787A (ja) 感熱転写受像シート
JP2008265334A (ja) 熱転写方式を用いた画像形成方法