JP2001013710A - カラー電子写真用受像材料 - Google Patents

カラー電子写真用受像材料

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JP2001013710A
JP2001013710A JP2000128206A JP2000128206A JP2001013710A JP 2001013710 A JP2001013710 A JP 2001013710A JP 2000128206 A JP2000128206 A JP 2000128206A JP 2000128206 A JP2000128206 A JP 2000128206A JP 2001013710 A JP2001013710 A JP 2001013710A
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Masataka Murata
正孝 村田
Yoshisada Nakamura
善貞 中村
Mitsuru Ito
充 伊藤
Tomoyoshi Tateishi
朋美 立石
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白色度が優れるトナー反射画像を形成するこ
とができ、写真用途として用いることができるカラー電
子写真用受像材料を提供すること。 【解決手段】 支持体上に熱可塑性樹脂を含むトナー受
像層を少なくとも1層有するカラー電子写真用受像材料
であって、CIE 1976(L***)色空間にお
けるL*値が91以上で、かつ(a*2+(b*2で表
される値が0以上10以下であることを特徴とするカラ
ー電子写真用受像材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射画像を形成す
るためのカラー電子写真用受像材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は、光導電効果と静電気現象
を応用した画像形成方法であり、様々な分野で広く利用
されている。電子写真法による画像は酸化亜鉛紙などの
半導体材料そのものに形成する場合と、半導体材料から
さらにトナー受像層を有する受像材料へ転写して形成す
る場合がある。後者のようなゼログラフィー方式はオフ
ィス用の複写機などに広く採用されており、その画像形
成原理は以下のとおりである。
【0003】まず、セレンなどの光導電体を用いた感光
板に暗所でコロナ放電等を行って静電荷を与えておき、
次いで原画を露光すると光が当たった箇所で電荷が逃
げ、残った部分が潜像になる。ここへ負に帯電させたト
ナーをキャリヤにまぶして導入すると潜像の上にトナー
が付着する。その上から紙などでできた受像材料を当て
て加熱すればトナーが受像材料に転写し、受像材料上に
画像が形成される。
【0004】近年、一段と普及してきたカラー複写機や
パソコンのカラー出力機は、この方法を着色トナーを用
いて行うものである。カラー電子写真法は、ドライ処理
で、印字スピードが速く、汎用紙(普通紙や上質紙)に
出力できることから、極めて有用である。その一方で、
カラー電子写真法が利用されるときには、文字よりも画
像を記録することを目的とする場合が多く、形成される
画像は鮮明で高品質であることが求められている。しか
しながら、汎用紙を用いてカラー複写しようとしても特
に白色度が劣るために鮮明で高品質な画像を形成するこ
とはできない。この問題に対処するために特開平8−2
11645号公報では紙支持体自体に蛍光増白剤を使用
することが記載されているが、十分に満足しうる結果は
得られていない。このため、カラー電子写真用の受像材
料を改良することが求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来技術の問題を解決することを課題とした。すなわち本
発明は、白色度が優れるトナー反射画像を形成すること
ができ、写真用途として用いることができるカラー電子
写真用受像材料を提供することを解決すべき課題とし
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ために鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、CIE1
976(L***)色空間におけるL*値と(a*2
(b*2で表される値を特定の範囲内に調節することに
よって、光沢度が高くて画質低下のない、写真用途とし
て非常に優れた画像を形成することができる実用価値が
高いカラー電子写真用受像材料を提供しうることを見出
して、本発明に到達した。すなわち本発明は、支持体上
に熱可塑性樹脂を含むトナー受像層を少なくとも1層有
するカラー電子写真用受像材料であって、CIE 19
76(L***)色空間におけるL*値が91以上で、
かつ(a*2+(b*2で表される値が0以上10以下
であることを特徴とするカラー電子写真用受像材料を提
供する。
【0007】本発明のカラー電子写真用受像材料は、C
IE 1976(L***)色空間におけるL*値が9
1以上93未満でかつ(a*2+(b*2で表される値
が0以上2以下、あるいはL*値が93以上96未満で
かつ(a*2+(b*2で表される値が0以上4以下、
あるいはL*値が96以上でかつ(a*2+(b* 2
表される値が0以上10以下であることが好ましい。ま
た、本発明のカラー電子写真用受像材料では、支持体上
に形成されているトナー受像層を含む構成層の少なくと
も1層に、1種以上の蛍光増白剤が含まれていることが
好ましい。さらに、支持体上に形成されているトナー受
像層を含む構成層の少なくとも1層に、1種以上の染料
及び/又は着色顔料が含まれていることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下において、本発明のカラー電
子写真用受像材料について詳細に説明する。本発明のカ
ラー電子写真用受像材料は、CIE 1976(L**
*)色空間におけるL*値が91以上で、かつ(a*2
+(b*2で表される値が0以上10以下であることを
特徴とする。CIE 1976(L***)色空間に
おけるL*値は白色度を示すものである。CIE 19
76(L***)色空間におけるL*値は、好ましくは
93以上、より好ましくは96以上である。また、19
76(L***)色空間における(a*2+(b*2
で表される値は白色の色味を示すものであり、できるだ
けニュートラルであることが好ましい。(a*2+(b
*2の値は、より好ましくは4以下、さらにより好まし
くは2以下である。好ましくは、a値は−1以上2以下
であり、b値は−4以上1以下であり、より好ましくは
a値は−0.5以上1以下であり、b値は−2以上0以
下である。
【0009】白色度については、JIS P 8123
で規定することもできる。その場合、同JISで規定す
る方法で80%以上であることが好ましく、85%以上
であることがより好ましい。さらに、440〜640n
mの波長域で分光反射率が85%以上、かつ同波長域の
最大分光反射率と最低分光反射率の差が5%以内である
ことが好ましい。さらには、400〜700nmの波長
域で分光反射率が85%以上、かつ同波長域の最大分光
反射率と最低分光反射率の差が5%以内であることがよ
り好ましい。
【0010】本発明のカラー電子写真用受像材料は、C
IE 1976(L***)色空間におけるL*値が9
1以上で、かつ(a*2+(b*2で表される値が0以
上10以下であるものであれば、その構成の詳細は特に
制限されない。また、白色度や白色色味を本発明の範囲
内にするための方法や試薬についても何ら制限されるも
のではない。白色度や白色色味を本発明の範囲内にする
ための好ましい方法として、蛍光増白剤を添加して調整
する方法がある。本明細書でいう「蛍光増白剤」とは、
近紫外部に吸収をもち、紫青〜青色の(特に400〜5
00nmに)蛍光を発する無色乃至淡黄色の化合物であ
り、蛍光により黄色味が解消される。蛍光増白剤は、受
像シートの観察光波の依存性を小さくすることができる
ために添加することが好ましい。
【0011】本発明に用いられる蛍光増白剤としては、
K.VeenRataraman編“The Chem
istry of Synthetic Dyes”V
巻8章に記載されている化合物を挙げることができる。
より具体的には、スチルベン系化合物、クマリン系化合
物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合
物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カ
ルボスチリル系化合物、ジアミノスチルベンジスルホン
酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、トリ
アゾール誘導体、カルバゾール誘導体、ピリジン誘導
体、ナフタル酸誘導体、イミダゾロン誘導体等が挙げら
れる。中でも好ましいのは、スチルベン系化合物、ベン
ゾオキサゾリン系化合物、ジアミノスチルベンジスルホ
ン酸誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾロン誘導体
等である。
【0012】蛍光増白剤の具体例としては、住友化学製
ホワイトフルファーPSN、PHR、HCS、PCS、
B;チバガイギー社製UVITEX−OBなどが挙げら
れる。また、特開平3−144447号公報に記載され
る蛍光増白剤を用いることができる。さらに、ラバーダ
イジェスト社編「便覧ゴム・プラスチック配合薬品」4
56〜457頁に記載される化合物も用いることができ
る。その他「新版染料便覧」(有機合成化学協会編;丸
善,1970)、「カラーインデックス」(The Society of
Dyers and colourists)などに掲載差入れている公知
の材料も用いることができる。蛍光増白剤は、所望の白
色度や白色色味にすることができる量で、トナー受像層
が形成されている支持体面側の構成層に使用する。一般
に、蛍光増白剤は後述するポリマーの0.001〜10
重量%の範囲で用いる。好ましくはポリマーの0.00
5〜1重量%、さらに好ましくはポリマーの0.01〜
0.5重量%で用いる。
【0013】本発明のカラー電子写真用受像材料の白色
色味を調節するために、染料を使用するのも好ましい。
使用する染料の種類は、支持体の種類等によって適宜選
択する。例えば黄色気味の支持体を用いる場合は、青み
の染料を加えて色味を調節することが有効である。本発
明のカラー電子写真用受像材料に用いる染料の種類は特
に制限されない。代表的な油溶性染料として、例えばア
ントラキノン系化合物、アゾ系化合物などを挙げること
ができる。また、実質的に水不溶性である染料の具体例
としては、C.I.Vatヴァイオレット1、C.I.
Vatヴァイオレット2、C.I.Vatヴァイオレッ
ト9、C.I.Vatヴァイオレット13、C.I.V
atヴァイオレット21、C.I.Vatブルー1、
C.I.Vatブルー3、C.I.Vatブルー4、
C.I.Vatブルー6、C.I.Vatブルー14、
C.I.Vatブルー20、C.I.Vatブルー35
等の建染染料、C.I.ディスパーズヴァイオレット
1、C.I.ディスパーズヴァイオレット4、C.I.
ディスパーズヴァイオレット10、C.I.ディスパー
ズブルー3、C.I.ディスパーズブルー7、C.I.
ディスパーズブルー58等の分散染料、C.I.ソルベ
ントヴァイオレット13、C.I.ソルベントヴァイオ
レット14、C.I.ソルベントヴァイオレット21、
C.I.ソルベントヴァイオレット27、C.I.ソル
ベントブルー11、C.I.ソルベントブルー12、
C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブ
ルー55、C.I.ソルベントブルー67等の油溶性染
料を挙げることができる。本発明で用いることができる
好ましい染料として、以下の構造を有する化合物や銀塩
写真で用いられているカラードカプラーを挙げることが
できる。
【0014】
【化1】
【0015】好ましいイエロー染料として、例えばカッ
プリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニ
リン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレ
ン化合物類を有するアゾ染料、例えばカップリング成分
として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン
染料、例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノー
ル染料等のようなメチン染料があり、さらに、ナフトキ
ノン染料、キノフタロン染料、アントラキノン染料、ニ
トロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染
料等を挙げることができる。好ましいマゼンタ染料とし
ては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナ
フトール類、アニリン類を有するアゾ染料、例えばカッ
プリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾー
ル類を有するアゾメチン染料、例えばアリーリデン染
料、スチリル染料、メロシアニン染料やオキソノール染
料のようなメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフ
ェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウ
ム染料があり、さらに、ジオキサジン染料、アントラキ
ノン染料等を挙げることができる。
【0016】染料は、所望の白色色味にすることができ
る量で、トナー受像層が形成されている支持体面側の構
成層に使用する。染料は単独で用いることもできるが、
2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。染料
の配合率は用いる染料の色相、吸光度を考慮して受像シ
ートが所望の白色色味になるように決めることが可能で
ある。一般に、染料はポリマーの0.00000001
〜1重量%の範囲で用いる。好ましくは0.00000
01〜0.1重量%、さらに好ましくは0.00000
1〜0.01重量%で用いる。
【0017】また、本発明では着色顔料も好ましく使用
することができる。着色顔料の具体例としては、特開昭
63−44653号公報等に記載されている各種顔料及
びアゾ顔料(アゾレーキ;カーミン6B、レッド2B、
不溶性アゾ;モノアゾイエロ、ジスアゾイエロ、ピラゾ
ロオレンジ、バルカンオレンジ、縮合アゾ系;クロモフ
タルイエロ、クロモフタルレッド)、多環式顔料(フタ
ロシアニン系;銅フタロシアニンブルー、銅フタロシア
ニングリーン、シオキサジン系;ジオキサジンバイオレ
ット、イソインドリノン系;イソインドリノンイエロ、
スレン系;ペリレン、ペリノン、フラバントロン、チオ
インジゴ)、レーキ顔料(マラカイトグリーン、ローダ
ミンB、ローダミンG、ビクトリアブルーB)又無機顔
料(酸化物、二酸化チタン、ベンガラ、硫酸塩;沈降性
硫酸バリウム、炭酸塩;沈降性炭酸カルシウム、硅酸
塩;含水硅酸塩、無水硅酸塩、金属粉;アルミニウム
粉、ブロンズ粉、亜鉛末、カーボンブラック、黄鉛、紺
青)等が挙げられる。本発明の白色度や白色色味を調節
するために、上記の化合物以外の材料を用いてもかまわ
ない。
【0018】本発明では、これらの染料や着色顔料のう
ちの少なくとも1種類以上を添加することが好ましい
が、その他「新版染料便覧」(有機合成化学協会編;丸
善,1970)、「カラーインデックス」(The Society of
Dyers and colourists)、「色材工学ハンドブック」
(色材協会編;朝倉書店、1989)、「改訂新版顔料便
覧」などに記載されている公知の染料や着色顔料を用い
ることもできる。本発明では、蛍光増白剤と染料を組み
合わせて使用することが好ましい。
【0019】蛍光増白剤や染料は、トナー受像層が形成
されている支持体面側の構成層の少なくとも1層に必要
に応じて含有させる。蛍光増白剤や染料を含有させる層
は、トナー受像層であってもよいし、保護層、中間層、
下塗り層などのいずれであってもよい。好ましいのは、
受像層あるいは保護層等の表面層である。蛍光増白剤や
染料は、紙支持体に添加しても本発明の目的を十分に達
成することはできない。蛍光増白剤や染料は、層中でミ
クロに分散された状態であってもよいし、バインダー等
の他の成分と十分に溶解した状態であってもよい。
【0020】蛍光増白剤や染料は、トナーを定着すると
きの熱によって、その効果を失わないものであることが
望ましい。市販されている電子写真プリンターのトナー
定着温度は100〜170℃が一般的であり、搬送スピ
ードや定着部のサイズ、通過させる紙種などによって異
なる。一般に、2種以上の化合物を層中に混在させる
と、耐熱特性は低下することが知られているため、蛍光
増白剤や染料の耐熱特性は、構成する層のバインダーや
他の成分にあわせて適宜選択することが望ましい。本発
明の蛍光増白剤や染料の添加量は、受像層、保護層、中
間層、下塗り層等の少なくとも一層に0.01〜200
mg/m2の範囲で添加することが好ましく、0.05
〜20mg/m2の範囲で用いることがより好ましい。
【0021】本発明のカラー電子写真用受像材料の支持
体としては、定着温度に耐えることができ、平滑性、白
色度、滑り性、摩擦性、帯電防止性、定着後のへこみ等
に関する要求を満足できるものであればどの様なもので
も使用できる。一般的には、日本写真学会編「写真工学
の基礎−銀塩写真編−」、株式会社コロナ社刊(昭和5
4年)(223)〜(240)頁記載の紙、合成高分子
(フィルム)等の写真用支持体が挙げられる。具体的に
は、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等の合
成紙)、上質紙、アート紙、(両面)コート紙、(両
面)キャストコート紙、ポリエチレン等の合成樹脂パル
プと天然パルプとから作られる混抄紙、ヤンキー紙、バ
ライタ紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂またはエマルジョ
ン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添
紙、板紙、セルロース繊維紙、ポリオレフィンコート
紙、(特にポリエチレンで両側を被覆した紙)等の紙支
持体、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン
テレフタレート、ポリスチレンメタクリレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリカーボネイトポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、セル
ロース類(例えばトリアセチルセルロース)、等の各種
プラスチックフィルムまたはシートと該プラスチックに
白色反射性を与える処理(例えば、フィルム中へ酸化チ
タンなどの顔料を含有させるなどの処理)をしたフィル
ムまたはシート、布類、金属、ガラス類等が用いられ
る。これらは、単独で用いることもできるし、ポリエチ
レン等の合成高分子で片面または両面をラミネートされ
た支持体として用いることもできる。また、上記した支
持体の任意の組合せによる積層体も使用できる。この他
に、特開昭62−253159号公報(29)〜(3
1)頁、特開平1−61236号公報(14)〜(1
7)頁、特開昭63−316848号公報、特開平2−
22651号公報、特開平3−56955号公報、米国
特許第5,001,033号公報等に記載の支持体を用
いることができる。
【0022】これらの支持体の形状はシート状であるの
が好ましく、厚みは通常25〜300μm、更に好まし
くは50〜360μmで、より好ましくは75〜250
μm程度である。また、剛度としては種々のものがその
目的に応じて使用することが可能であるが、写真画質の
受像仕様としてはカラー銀塩写真用の支持体に近いもの
が好ましく用いられる。平滑性についても同様である。
支持体上に形成された構成層中には、本発明の目的を害
しない範囲内において、適宜選択した各種の添加剤を添
加させることができる。例えば、導電剤、填料、酸化チ
タン、群青、カーボンブラックなどの顔料や染料などを
必要に応じて含有させておくことができる。
【0023】また、これらの支持体の片面または両面に
は、その上に設けられる層との密着性を改良する目的で
種々の表面処理や下塗りを施すことができる。表面処理
としては例えば、光沢面、又は特開昭55−26507
号公報記載の微細面、マット面又は絹目面の型付けの処
理や、コロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理、又
はプラズマ処理などの活性化処理などが挙げられる。下
塗りとしては、例えば、特開昭61−846443号公
報に記載の方法を用いることができる。また、これらは
単独に用いてもよく、また、型付けなどを行った後に活
性化処理を施したり、更に活性化処理などの表面処理後
に下塗りを行うなど、任意の組み合わせで併用して用い
ることもできる。これらの支持体の構成中や表面や裏
面、及びそれらの組み合わせ中には、親水性バインダー
とアルミナゾルや酸化スズのような半導性金属酸化物、
カーボンブラックその他の帯電防止剤を塗布してもよ
い。具体的には、特開昭63−220246号公報など
に記載の支持体を使用することができる。
【0024】本発明のカラー電子写真用受像材料は、そ
の目的に応じて支持体上に形成された1以上の層より構
成され、少なくともカラーおよび黒トナーを受容し画像
を形成するためのトナー受像層が設けられる。また、ト
ナー受像層以外にも表面保護層、中間層、下塗り層、ク
ッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調製
層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑
化層などを設けることができる。また、それぞれの層は
2以上の層より構成されていてもよい。透明支持体上に
受像層等が設けられる透過型の受像材料の場合、支持体
上の各層も透明であることが好ましい。また、反射支持
体上に受像層等が設けられる反射型の受像材料の場合
は、支持体上の各層は透明である必要は無く、むしろ白
色であることが好ましい。
【0025】また、本発明のカラー電子写真用受像材料
は、支持体を挟んでトナー受像層と反対側にバック層を
設けることができる。透明支持体上に受像層等が設けら
れる透過型の受像材料の場合、バック層も透明であるこ
とが好ましいが、反射支持体上に受像層等が設けられる
反射型の受像材料の場合は、バック層は透明である必要
は無く、何色であってもかまわない。ただし、裏面にも
画像を形成する、両面出力型受像材料の場合は、バック
層も白色であることが好ましい。
【0026】トナー受像層は、少なくとも転写工程にて
(静)電気、圧力等にて現像ドラムあるいは中間転写体
より画像を形成するトナーを受容し、定着工程にて熱、
圧力等にて固定化しうる受像性の物質を含む。受容性物
質としては、熱可塑性樹脂、水溶性樹脂、粒径の細かな
顔料などが用いられる。トナー受像層は、トナーの粒子
径の1/2以上の厚さを有することが好ましく、トナー
粒子径の1〜3倍の厚さを有することがより好ましい。
【0027】トナー受像層の物性としては、以下の1項
目以上を満足することが好ましく、より好ましくは複数
の項目、最も好ましくは全ての項目を満足することが望
ましい。 (1)受像層のTg(ガラス転位温度)が30℃以上、
(トナーのTg)+20℃以下であること。 (2)受像層のT1/2(1/2法軟化点)が60〜1
50℃、より好ましくは80〜120℃の範囲であるこ
と。 (3)受像層のTfb(流出開始温度)が40〜100
℃、より好ましくは受像層のTfbがトナーのTfb+
10℃以下であること。 (4)受像層の粘度が1×105Pa・sになる温度が
40℃以上、トナーの粘度が1×105Pa・sになる
温度より低いこと。 (5)受像層の定着温度における貯蔵弾性率(G’)が
1×102Pa以上、1×105Pa以下であること、か
つ損失弾性率(G”)が1×102Pa以上、1×105
Pa以下であること。 (6)受像層の定着温度における損失弾性率(G”)と
貯蔵弾性率(G’)との比である損失正接(G”/
G’)が0.01以上10以下であること。 (7)受像層の定着温度における貯蔵弾性率(G’)が
トナーの定着温度における貯蔵弾性率(G”)に対し−
50以上、+2500以下であること。 (8)溶融トナーの受像層上の傾斜角が50°以下、好
ましくは40°以下であること。また、受像層として
は、特許第2788358号公報、特開平7−2486
37号公報、特開平8−305067号公報、特開平1
0−239889号公報等に開示されている物性等を満
足するものが好ましい。
【0028】上記(1)の物性は、示差走査熱量測定装
置(DSC)により測定することができる。また、
(2)〜(4)の物性は、例えば島津製作所製フローテ
スターCFT−500を用いて測定することができる。
また、(5)〜(7)の物性は、回転型レオメーター
(例えば、レオメトリック社製ダイナミックアナライザ
ーRADII)を用いて測定することができる。(8)の
物性は共和界面化学(株)製の接触角測定装置を用い、
特開平8−334916号公報に記載される方法で測定
することができる。
【0029】本発明のカラー電子写真用受像材料に用い
られる熱可塑性樹脂としては、定着温度および温度で変
形しトナーを受容しうるものであれば特にその種類は制
限されない。好ましくは、トナーのバインダーとして用
いられている樹脂と同系統の樹脂が好ましい。トナーの
バインダーとしては、ポリエステル樹脂が多用されてい
るので、その場合、本発明のカラー電子写真用受像材料
に用いられる熱可塑性樹脂としても、ポリエステル樹脂
を用いるのが好ましい。また、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体なども好ましく用いられる。以下に好ましく用いら
れる樹脂を説明する。
【0030】本発明のカラー電子写真用受像材料に用い
られる熱可塑性樹脂として、エステル結合を有する樹
脂;ポリウレタン樹脂;ポリアミド樹脂、尿素樹脂等;
ポリスルホン樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニ
リデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩
化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等;ポリビ
ニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロー
ス樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等;ポ
リカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹
脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂等;ポリエチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、エチレン
やプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの
共重合体樹脂や、アクリル樹脂等;およびこれらの混合
物または共重合体等を挙げることができる。
【0031】これらの熱可塑性樹脂の中では、エステル
結合を有する樹脂が好ましく、例えばポリメチルアクリ
レート、ポリブチルアクリレート、ポリメチルメタクリ
レート、ポリブチルメタクリレートなどのポリアクリル
酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エステル樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタ
クリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリ
レート樹脂等を使用することができる。上記のポリエス
テル樹脂は、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン
酸、フマル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ア
ゼライン酸、アビエチン酸、コハク酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸等の多カルボン酸成分(これらの多
カルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が
置換していてもよい)と、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールAのジエーテル誘導体(例えば、
ビスフェノールAのエチレンオキサイド2付加物、ビス
フェノールAのプロピレンオキサイド2付加物など)、
ビスフェノールS、2−エチルシクロヘキサンジメタノ
ール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタ
ノール、グリセリン等の多アルコール成分(これらのア
ルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)
との縮合により得られる。
【0032】ポリエステル樹脂の具体例としては、特開
昭59−101395号公報、特開昭63−7971号
公報、特開昭63−7972号公報、特開昭63−79
73号公報、特開昭60−294862号公報に記載の
ものを挙げることができる。また、市販品としては東洋
紡製のバイロン290、バイロン200、バイロン28
0、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−
140、バイロンGK−130、花王製のATR−20
09、ATR−2010、ユニチカ製のエリーテルUE
3500、UE3210、XA−8153、日本合成化
学製のポリエスターTP−220、R−188等が使用
できる。
【0033】本発明のトナー受像層に用いられる熱可塑
性樹脂は、トナー受像層を形成した状態で前述の受像層
物性を満足できるものの中から選択することが好まし
い。さらに好ましくは、樹脂単独でも、トナー受像層に
好ましい物性を与えうるものが挙げられる。また、前述
の物性の異なる樹脂を2以上併用することも好ましい。
【0034】また、トナー受像層に用いられる熱可塑性
樹脂としては、トナーに用いられている熱可塑性樹脂の
分子量に比べ大きいものが好ましく用いられる。ただ
し、トナー樹脂と受像層樹脂との熱力学的特性の関係に
よっては、必ずしも前述の分子量の関係が好ましいわけ
ではない。例えば、トナー樹脂より、受像層樹脂の軟化
温度が高い場合、分子量は同等か、受像層樹脂の方が小
さいことが好ましい場合がある。また、トナー受像層に
用いられる熱可塑性樹脂として、同一組成で平均分子量
が異なる樹脂の混合物を用いるのことも好ましい。ま
た、トナー受像層に用いられる熱可塑性樹脂の分子量分
布は、トナーに用いられている熱可塑性樹脂の分子量分
布より広いものが好ましい。さらに、トナー受像層に用
いられる熱可塑性樹脂としては、特公平5−12741
3号公報、同8−194394号、同8−334915
号、同8−334916号、同9−171265、同1
0−221877号等に開示されている物性等を満足す
るものが好ましく用いられる。
【0035】本発明のカラー電子写真用受像材料の熱可
塑性樹脂含有層には、樹脂層の熱力学的特性を改良する
目的で各種添加剤を用いることができる。そのような目
的の添加剤としては、可塑剤、有機および無機のフィラ
ー、乳化物、分散物、架橋剤などが挙げられる。本発明
に用いる可塑剤としては、公知の樹脂用可塑剤を用いる
ことができる。本明細書において「可塑剤」とは、トナ
ーを定着する時の熱及び/又は圧力によって、トナー受
像層が流動又は柔軟化するのを調整する化合物群のこと
である。可塑剤としては、「化学便覧」(日本化学会
編、丸善)、「可塑剤−その理論と応用−」(村井孝一
編著、幸書房)、「可塑剤の研究 上」「可塑剤の研究
下」(高分子化学協会編)、「便覧 ゴム・プラスチ
ック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等を参考に
して選択することができる。
【0036】また、可塑剤を、高沸点有機溶剤や熱溶剤
などという名前で記載している特開昭59−83154
号、同59−178451号、同59−178453
号、同59−178454号、同59−178455
号、同59−178457号、同62−174754
号、同62−245253号、同61−209444
号、同61−200538号、同62−8145号、同
62−9348号、同62−30247号、同62−1
36646号、同62−174754号、同62−24
5253号、同61−209444号、同61−200
538号、同62−8145号、同62−9348号、
同62−30247号、同62−136646号、特開
平2−235694号等の各公報に記載されているよう
なエステル類(例えばフタル酸エステル類、リン酸エス
テル類、脂肪酸エステル類、アビエチン酸エステル類、
アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、アゼラ
イン酸エステル類、安息香酸エステル類、酪酸エステル
類、エポキシ化脂肪酸エステル類、グリコール酸エステ
ル類、プロピオン酸エステル類、トリメリット酸エステ
ル類、クエン酸エステル類、スルホン酸エステル類、カ
ルボン酸エステル類、コハク酸エステル類、マレイン酸
エステル類、フマル酸エステル類、フタル酸エステル
類、ステアリン酸エステル類など)、アミド類(例えば
脂肪酸アミド類、スルホアミド類など)、エーテル類、
アルコール類、パラフィンル類、ラクトン類、ポリエチ
レンオキシ類、シリコーンオイル類、フッ素化合物類な
どの化合物を使用することができる。また、比較的低分
子量のポリマーを可塑剤として用いることができる。こ
の場合、分子量としては可塑化の対象となる樹脂より分
子量の低いものが好ましく、特に好ましいのは分子量が
15000以下、さらに特に好ましいのは分子量500
0以下のものである。また、ポリマー可塑剤の場合、対
象となる樹脂と同種のポリマーが好ましい。例えばポリ
エステル樹脂の可塑化にはポリエステルが好ましい。さ
らにオリゴマーも可塑剤として用いることができる。
【0037】上に挙げた化合物以外にも市販品として、
旭電化工業製アデカサイザーPN−170、PN−14
30、C.P.HALL社製品PARAPLEX−G−
25、G−30、G−40、理化ハーキュレス製品エス
テルガム8L−JA、エステルR−95、ペンタリン4
851、FK115、4820、830、ルイゾール2
8−JA、ピコラスチックA75、ピコテックスLC、
クリスタレックス3085等を挙げることができる。
【0038】本発明のカラー電子写真用受像材料におい
ては、支持体上に形成された構成層の少なくとも1層に
可塑剤を使用することが好ましい。可塑剤は、層中にお
いてミクロに分散された状態でもよいし、海島状にミク
ロに相分離した状態でもよいし、バインダー等の他の成
分と十分に混合溶解した状態でもよい。可塑剤を添加す
る層は、トナー受像層の他に、保護層、中間層、下塗り
層などのいずれでもよいが、トナー粒子が受像材料に埋
め込まれる際に生じる応力が伝わる層であることが好ま
しく、更には応力によって生じる歪み(弾性力や粘性な
どの物理的な歪み、分子やバインダー主鎖やペンダント
部分などの物質収支による歪み等)が伝わる層が好まし
く、これらの応力や歪みを緩和できる層の位置であるこ
とが好ましい。例えば、トナー受像層に隣接する層やト
ナー受像層、及び表面層などが好ましい。
【0039】本発明の可塑剤の添加量は、層を構成する
樹脂と他の成分と可塑剤を全て加算した重量を100質
量%とした時に、0.001〜90質量%が好ましく、
0.1〜60質量%がより好ましく、1〜40質量%が
さらにより好ましい。また、可塑剤をスベリ性(摩擦力
低下による搬送性向上)の調整や、定着部オフセット
(定着部へのトナーや層の剥離)の改良、カールバラン
スの調整、帯電調整(トナー静電像の形成)等の目的で
使用してもよい。
【0040】本発明のカラー電子写真用受像材料に用い
るフィラーとしては、例えば樹脂用の補強剤、充填剤、
強化材として公知のものを用いることができる。フィラ
ーとしては、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」
(ラバーダイジェスト社編)、「新版 プラスチック配
合剤 基礎と応用」(大成社)、「フィラーハンドブッ
ク」(大成社)等を参考にして選択することができる。
また、フィラーとして各種無機顔料を用いることができ
る。無機顔料としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、
シリカ、タルク、マイカ、アルミナ、その他「便覧 ゴ
ム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社
編)等に挙げられた公知のものを用いることができる。
【0041】本発明のカラー電子写真用受像材料に用い
る架橋剤としては、例えば反応基としてエポキシ基、イ
ソシアネート基、アルデヒド基、活性ハロゲン基、活性
メチレン基、アセチレン基、その他公知の反応基を2個
以上分子内に持つ化合物を用いることができる。また、
前述の共有結合を形成する基の他に水素結合、イオン結
合、配位結合等により結合を形成することが可能な基を
2個以上持つ化合物も用いることができる。
【0042】また、樹脂用のカップリング剤、硬化剤、
重合剤、重合促進剤、凝固剤、造膜剤、造膜助剤等で公
知の化合物も用いることができる。カップリング剤の例
としては、クロロシラン類、ビニルシラン類、エポキシ
シラン類、アミノシラン類、アルコキシアルミニウムキ
レート類、チタネートカップリング剤などが挙げられる
他、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダ
イジェスト社編)等に挙げられた公知のものを用いるこ
とができる。
【0043】本発明のカラー電子写真用受像材料のトナ
ー受像層用樹脂として、水溶性のポリマーを用いること
ができる。水溶性ポリマーとしては、水可溶性のポリマ
ーであれば、その組成、結合構造、分子構造、分子量、
分子量分布、形態を特定するものではない。ポリマーの
水可溶化基の例としては、水酸基、カルボン酸基、アミ
ノ基、アミド基、またはエーテル基等が挙げられる。水
溶性ポリマーの例としては、リサーチ・ディスクロージ
ャー17,643号の26頁、18,716号の651
頁、307,105号の873〜874頁および特開昭
64−13546号公報(71)〜(75)頁に記載さ
れるものが挙げられる。具体的には、例えば、ビニルピ
ロリドン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ビニルピロ
リドン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
水溶性ポリエステル、水溶性ポリウレタン、水溶性ナイ
ロン、水溶性エポキシ樹脂を使用することができる。
【0044】また、水分散アクリル樹脂、水分散ポリエ
ステル樹脂、水分散ポリスチレン樹脂、水分散ウレタン
樹脂等の水分散型樹脂;アクリル樹脂エマルジョン、ポ
リ酢酸ビニルエマルジョン、SBR(スチレン・ブタジ
エン・ゴム)エマルジョン等のエマルジョンあるいは、
これらの共重合体、混合物、及びカチオン変性のもの等
の水溶液の中から適宜に選択し、2種以上組合せること
ができる。また、ゼラチンは、種々の目的に応じて石灰
処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、カルシウム等の含有量
を減らしたいわゆる脱灰ゼラチンから選択すればよく、
組み合わせて用いることも好ましい。
【0045】トナーのバインダー樹脂がポリエステル樹
脂である場合、トナー受像層の樹脂も水分散系ポリエス
テル類であることが好ましい。水分散ポリエステルの市
販品としては、例えば、東洋紡製バイロナールMD−1
250、MD−1930や、互応化学製プラスコートZ
−446、Z−465、RZ−96、第日本インキ製E
S−611、ES−670、高松油脂製ペスレジンA−
160P、A−210、A−620等が挙げられる。用
いるポリマーの成膜温度は、プリント前の保存に対して
は、室温以上が好ましく、トナー粒子の定着に対しては
100℃以下が好ましい。
【0046】本発明のトナー受像層には、平均粒径が3
μm未満の固体粒子をトナー受像材料として用いること
ができる。平均粒径が3μm未満の固体粒子としては、
無機顔料が好ましく用いられる。無機顔料の例には、シ
リカ顔料、アルミナ顔料、二酸化チタン顔料、酸化亜鉛
顔料、酸化ジルコニウム顔料、雲母状酸化鉄、鉛白、酸
化鉛顔料、酸化コバルト顔料、ストロンチウムクロメー
ト、モリブデン系顔料、スメクタイト、酸化マグネシウ
ム顔料、酸化カルシウム顔料、炭酸カルシウム顔料及び
ムライトが含まれる。シリカ顔料及びアルミナ顔料が好
ましい。二種類以上の固体粒子を併用してもよい。
【0047】シリカ顔料には、球状シリカと無定形シリ
カが含まれる。シリカ顔料は、乾式法、湿式法又はエア
ロゲル法により合成できる。疎水性シリカ粒子の表面
を、トリメチルシリル基又はシリコーンで表面処理して
もよい。コロイド状シリカが特に好ましい。シリカ顔料
の平均粒径は、4〜120nmであることが好ましく、
4〜90nmであることがさらに好ましい。シリカ顔料
は、多孔質であることが好ましい。多孔質シリカ顔料の
平均孔径は、50〜500nmであることが好ましい。
また多孔質シリカ顔料の重量当りの平均孔容積は、0.
5〜3ml/gであることが好ましい。
【0048】アルミナ顔料には、無水アルミナとアルミ
ナ水和物が含まれる。無水アルミナの結晶型としては、
α、β、γ、δ、ζ、η、θ、κ、ρ又はχを用いるこ
とができる。無水アルミナよりもアルミナ水和物の方が
好ましい。アルミナ水和物としては、一水和物又は三水
和物を用いることできる。一水和物には、擬ベーマイ
ト、ベーマイト及びダイアスポアが含まれる。三水和物
には、ジブサイト及びバイヤライトが含まれる。アルミ
ナ顔料の平均粒径は、4〜300nmであることが好ま
しく、4〜200nmであることがさらに好ましい。ア
ルミナ顔料は、多孔質であることが好ましい。多孔質ア
ルミナ顔料の平均孔径は、50〜500nmであること
が好ましい。多孔質アルミナ顔料の重量当りの平均孔容
積は、0.3〜3ml/gであることが好ましい。
【0049】アルミナ水和物は、アルミニウム塩溶液に
アンモニアを加えて沈澱させるゾルゲル法又はアルミン
酸アルカリを加水分解する方法により合成できる。無水
アルミナは、アルミナ水和物を加熱により脱水すること
で得ることができる。無機顔料の使用量は、添加する層
のバインダーに対する乾燥重量比で、5〜2000質量
%であることが好ましい。トナー受像層には、前述の層
の熱力学的特性を調整する添加剤の他にも種々の添加時
を用いることができる。
【0050】本発明のカラー電子写真用受像材料には、
トナーの転写、付着等を調整する目的、受像材料の帯電
接着を防止する目的で帯電調整剤を含有させることが好
ましい。帯電調整剤としては、従来公知の帯電防止剤、
帯電調整剤がいずれも使用可能であり、陽イオン系界面
活性剤、陰イオン系界面活性剤、両性界面活性剤、非イ
オン系界面活性剤等の界面活性剤等の他、高分子電解
質、導電性金属酸化物等を使用できる。例えば、第4級
アンモニウム塩、ポリアミン誘導体、カチオン変性ポリ
メチルメタクリレート、カチオン変性ポリスチレン等の
カチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート、アニオ
ン系ポリマー等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステ
ル、ポリエチレンオキサイド等のノニオン系帯電防止剤
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0051】導電性金属酸化物としては、ZnO、Ti
2、SnO2、Al23、In23、SiO2、Mg
O、BaO及びMoO3を挙げることができる。これら
は、単独で使用しても良く、これらの複合酸化物を使用
しても良い。また、金属酸化物は、異種元素をさらに含
有させてもよく、例えば、ZnOに対してAl、In
等、TiO2に対してNb、Ta等、SnO2に対して
は、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)
させることができる。本発明のトナー受像層およびその
他の層は、1×106〜1×1015の範囲(25℃、6
5%RHの条件にて)の表面電気抵抗を有することが好
ましい。1×106Ω未満の場合は、受像層にトナーが
転写される際のトナー量が充分でなく得られるトナー画
像の濃度が低く、一方、1×1015Ωを超える場合は、
転写時に必要以上の電荷が発生しトナーが充分に転写さ
れず、画像の濃度が低くなる。カラー電子写真用受像材
料の取り扱い中に静電気を帯びて塵埃が付着し易く、ま
た複写時にミスフィード、重送、放電マーク、トナー転
写ヌケなどが発生し易くなるので好ましくない。
【0052】また、本発明のカラー電子写真用受像材料
のトナー画像形成面は光沢性が高い方が好ましい。光沢
度としては、トナーが無い白色から最大濃度の黒色まで
の全領域において、45度光沢度が60以上であること
が好ましく、より好ましくは75以上、さらに好ましく
は90以上である。ただし、光沢度は110以下である
ことが好ましい。110を越えると金属光沢のようにな
り画質として好ましくない。光沢度は、JIS Z 8
741に基づいて測定することができる。
【0053】また、本発明のカラー電子写真用受像材料
のトナー画像形成面は平滑性が高い方が好ましい。平滑
度としては、トナーが無い白色から最大濃度の黒色まで
の全領域において、算術平均荒さ(Ra)が3μm以下
であることが好ましく、より好ましくは1μm以下、さ
らに好ましくは0.5μm以下である。算術平均荒さ
は、JIS B 0601に基づいて、JIS B 0
651、0652に準拠して測定することができる。
【0054】本発明のカラー電子写真用受像材料には表
面の保護、保存性の改良、取り扱い性の改良、筆記性の
付与、機器通過性の改良、アンチオフセット性の付与等
の目的で保護層をトナー受像層の表面に設けることがで
きる。保護層は、1層であっても良いし、2層以上の層
からなっていても良い。保護層にはバインダーとして各
種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、水溶性ポリマー等を
用いることができる。好ましくはトナー受像層と同種の
ものが用いられる。ただし、熱力学的特性、静電特性等
は、トナー受像層と同じである必要はなく、それぞれ最
適化される。保護層にはトナー受像層で用いることので
きる添加剤をいずれも用いることができる。特に保護層
には、帯電調整剤、マット剤、滑り剤、離型剤等が好ま
しく用いられる。以下に挙げる添加剤の例は、保護層以
外に用いることもできる。
【0055】本発明のカラー電子写真用受像材料の再表
面層(例えば表面保護層など)は、トナーとの相溶性が
良いことが、定着性の観点から好ましい。具体的には、
溶融したトナーとの接触角が40度以下、0度以上であ
ることが好ましい。また、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、水溶性ポリマー等を用いることができる。好ま
しくはトナー受像層と同種のものが用いられる。ただ
し、熱力学的特性、静電特性等は、トナー受像層と同じ
である必要はなく、それぞれ最適化される。保護層には
トナー受像層で用いることのできる添加剤をいずれも用
いることができる。特に保護層には、帯電調整剤、マッ
ト剤、滑り剤、離型剤等が好ましく用いられる。以下に
挙げる添加剤の例は、保護層以外に用いることもでき
る。本発明のカラー電子写真用受像材料の再表面層(例
えば表面保護層など)は、トナーとの相溶性が良いこと
が、定着性の観点から好ましい。具体的には、溶融した
トナーとの接触角が40度以下、0度以上であることが
好ましい。
【0056】本発明のカラー電子写真用受像材料に用い
られるマット剤としては、種々の公知のものが挙げられ
る。マット剤として用いられる固体粒子は、無機粒子と
有機粒子とに分類できる。無機マット剤の材料には、酸
化物(例えば、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マグネ
シウム、酸化アルミニウム)、アルカリ土類金属塩(例
えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウ
ム)、ハロゲン化銀(例えば、塩化銀、臭化銀)及びガ
ラスが含まれる。無機マット剤については、西独特許2
529321号、英国特許760775号、同1260
772号、米国特許1201905号、同219224
1号、同3053662号、同3062649号、同3
257206号、同3322555号、同335395
8号、同3370951号、同3411907号、同3
437484号、同3523022号、同361555
4号、同3635714号、同3769020号、同4
021245号、同4029504号の各明細書に記載
がある。
【0057】有機マット剤の材料には、デンプン、セル
ロースエステル(例えば、セルロースアセテートプロピ
オネート)、セルロースエーテル(例えば、エチルセル
ロース)及び合成樹脂が含まれる。合成樹脂は、水不溶
性又は水難溶性であることが好ましい。水不溶性又は水
難溶性の合成樹脂の例には、ポリ(メタ)アクリル酸エ
ステル(例えば、ポリアルキル(メタ)アクリレート、
ポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリグ
リシジル(メタ)アクリレート)、ポリ(メタ)アクリ
ルアミド、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニ
ル)、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン(例え
ば、ポリエチレン)、ポリスチレン、ベンゾグアナミン
樹脂、ホルムアルデヒド縮合ポリマー、エポキシ樹脂、
ポリアミド、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリ
ビニルカルバゾール及びポリ塩化ビニリデンが含まれ
る。以上のポリマーの繰り返し単位を組み合わせたコポ
リマーを用いてもよい。コポリマーの場合、少量の親水
性の繰り返し単位が含まれていてもよい。親水性の繰り
返し単位を形成するモノマーの例には、アクリル酸、メ
タクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート、スルホアルキル(メ
タ)アクリレート及びスチレンスルホン酸が含まれる。
【0058】有機マット剤については、英国特許105
5713号、米国特許1939213号、同22218
73号、同2268662号、同2322037号、同
2376005号、同2391181号、同27012
45号、同2992101号、同3079257号、同
3262782号、同3443946号、同35168
32号、同3539344号、同3591379号、同
3754924号、同3767448号の各明細書、特
開昭49−106821号、同57−14835号の各
公報に記載がある。二種類以上の固体粒子を併用しても
よい。固体粒子の平均粒径は、1〜100μmであるこ
とが好ましく、4〜30μmであることがさらに好まし
い。固体粒子の使用量は、0.01〜0.5g/m2
あることが好ましく、0.02〜0.3g/m2である
ことがさらに好ましい。
【0059】本発明のカラー電子写真用受像材料に用い
られる滑り剤としては、種々の公知のものが挙げられ
る。滑り剤の例には、高級アルキル硫酸ナトリウム、高
級脂肪酸高級アルコールエステル、カーボワックス、高
級アルキルリン酸エステル及びシリコーン化合物が含ま
れる。用いることができる滑り剤については、米国特許
2882157号、同3121060号、同38506
40号、フランス特許2180465号、英国特許95
5061号、同1143118号、同1263722
号、同1270578号、同1320564号、同13
20757号、同2588765号、同2739891
号、同3018178号、同3042522号、同30
80317号、同3082087号、同3121060
号、同3222178号、同3295979号、同34
89567号、同3516832号、同3658573
号、同3679411号、同3870521号の各明細
書、特開昭49−5017号、同51−141623
号、同54−159221号、同56−81841号の
各公報、及びリサーチ・ディスクロージャー(Rese
arch Disclosure)13969号に記載
されている。滑り剤の使用量は、5〜200mg/m2
であることが好ましい。
【0060】本発明のカラー電子写真用受像材料には、
裏面出力適性付与、裏面出力画質改良、カールバランス
改良、機器通過性改良等の目的で、支持体の前述のトナ
ー受像層と反対側にバック層を設けることができる。ま
た、両面出力適性改良のため、バック層の構成がトナー
受像層側と同様であってもかまわない。バック層には前
述の添加剤を用いることができる。特に前述のマット
剤、滑り剤、帯電調整剤等を用いるのが好ましい。バッ
ク層は1層よりなっていても良いし、2層以上よりなっ
ていても良い。また、定着時のオフセット防止のため定
着ローラー等に離型性オイルを用いている場合、裏面に
オイル吸収性を持たせることが好ましい。
【0061】本発明のカラー電子写真用受像材料には、
支持体とトナー受像層その他の層との密着を改良する目
的で、密着改良層を設けることができる。密着改良層に
は前述の添加剤を用いることができる。特に前述の架橋
剤を用いるのが好ましい。また、本発明のカラー電子写
真用受像材料には、トナーの受容性を改良するため、ク
ッション層を設けることができる。さらに、本発明のカ
ラー電子写真用受像材料には前述の各種層以外に中間層
を設けることができる。本発明のカラー電子写真用受像
材料には、出力画像の安定性改良、また受像層自身の安
定性改良のため各種添加剤を用いることができる。この
目的のための添加剤としては、種々の公知の酸化防止
剤、老化防止剤、劣化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外
線吸収剤、光安定剤、防腐剤、防かび剤などが用いられ
る。
【0062】酸化防止剤としては、クロマン化合物、ク
マラン化合物、フェノール化合物(例えば、ヒンダード
フェノール)、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミ
ン誘導体、スピロインダン化合物が含まれる。酸化防止
剤については、特開昭61−159644号公報に記載
されている。また、老化防止剤として「便覧 ゴム・プ
ラスチック配合薬品 改訂第2版」(1993年、ラバ
ーダイジェスト社)76〜121頁に記載のものが挙げ
られる。紫外線吸収剤の例には、ベンゾトリアゾール化
合物(米国特許3533794号明細書記載)、4−チ
アゾリドン化合物(米国特許3352681号明細書記
載)、ベンゾフェノン化合物(特開昭46−2784号
公報記載)及び紫外線吸収ポリマー(特開昭62−26
0152号公報記載)が含まれる。
【0063】金属錯体については、米国特許42411
55号、同4245018号、同4254195号の各
明細書、特開昭61−88256号、同62−1747
41号、同63−199248号、特開平1−7556
8号、同1−74272号の各公報に記載されている。
また、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品 改訂第2
版」(1993年、ラバーダイジェスト社)p122〜
137に記載の紫外線吸収剤、光安定剤も好ましく用い
られる。本発明のカラー電子写真用受像材料には、その
他写真用添加剤として公知のものを用いることができ
る。例えば写真用添加剤としては、リサーチ・ディスク
ロージャー誌(以下RDと略記)No.17643(1
978年12月)、同No.18716(1979年1
1月)および同No. 307105(1989年11
月)に記載されている。その該当箇所を下記にまとめ
る。
【0064】
【表1】
【0065】本発明のカラー電子写真用受像材料には、
ブロッキング防止や、スベリ性改良、帯電防止、剥離性
改良、白地やカール、受像材料全体の水分調整などの目
的等の目的で、構成層中に有機及び/又は無機の微粒子
(以下マット剤と略す)を添加することができる。この
ような目的で用いられるマット剤としては、直径0.0
01μm以上50μm以下のものを含有することが望ま
しい。マット剤の粒径は0.05μm以上30μm以下
であることがさらに好ましい。マット剤の平均粒子サイ
ズは耐熱層の厚みによるが、耐熱層の厚みを10とする
と、0.01〜500が好ましく、更に0.1〜300
が好ましく、特に0.5〜100が好ましい。マット剤
は、耐熱層の表面に出ていても内部に入っていてもよ
い。マット剤の塗布量は、0.001〜20g/m2
好ましく、更に、0.003〜10g/m2が好まし
く、特に0.005〜5g/m2が好ましい。
【0066】マット剤としては、従来公知のものが使用
できる。例えば、特開平5−262055号記載の有機
及び/または無機の微粒子をマット剤を用いることがで
きる。具体的には、有機のマット剤として、例えば、ベ
ンゾグアナミン樹脂粒子、ポリカーボネート樹脂粒子、
ABS樹脂粒子など特開昭63−274944号、同6
3−274952号記載の化合物の他に、メラミン樹脂
粒子、メラミン−ホルムアルデヒド共重合粒子、特開昭
61−88256号公報(29)頁記載の化合物のポリ
メチルメタクリレート粒子、ポリエチレン粒子などのポ
リオレフィン樹脂粒子や、スチレン樹脂粒子、架橋して
耐熱性や耐磨耗性を向上した架橋ポリメチルメタクリレ
ート粒子、架橋ポリスチレン粒子などを挙げることがで
きる。無機のマット剤としては、例えば、酸化物(二酸
化チタン、ニ酸化ケイ素など)、アルカリ土類金属塩
(例えば硫酸塩や炭酸塩であり、具体的には硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、等)、画像を形成しないハロゲン
化銀粒子(塩化銀や臭化銀等)やガラス等を挙げること
ができる。
【0067】本発明のカラー電子写真用受像材料を構成
する層は硬膜剤によって硬化されていてもよい。有機溶
剤系のポリマーを硬化する場合には、特開昭61−19
9997号公報、同58−215398号公報等に記載
されている硬膜剤が使用できる。ポリエステル樹脂に対
しては特にイソシアネート系の硬膜剤の使用が好まし
い。水溶性ポリマーの場合は、表1の硬膜剤として記載
した化合物が使用できる。また、本発明のカラー電子写
真用受像材料には、塗布助剤、スベリ性改良、帯電防
止、剥離性改良等の目的で、有機フルオロ化合物を含有
させてもよい。有機フルオロ化合物の代表例としては、
特公昭57−9053号公報第8〜17欄、特開昭61
−20944号公報、同62−135826号公報等に
記載されているフッ素系界面活性剤、又はフッ素油等の
オイル状フッ素化合物、もしくは四フッ化エチレン樹脂
等の固体状フッ素化合物樹脂等の疎水性フッ素化合物が
挙げられる。
【0068】本発明のカラー電子写真用受像材料の裏面
には、耐熱層を設けてもよい。耐熱層の素材としては、
定着温度に耐えることができれば、どの様なものでも使
用できるが、水溶性ポリマーを含有することが好まし
く、更に好ましくは水溶性ポリマーを10重量%以上含
有する事が好ましい。層を構成するバインダーや主成分
としては、前述した受像層用ポリマーや水溶性ポリマ
ー、他の有機溶剤可溶性ポリマーや水溶性ポリマーを用
いることができる。水溶性ポリマーとしては、硬膜剤に
より架橋反応しうる基を有する水溶性のポリマーが好ま
しく、中でもポリビニルアルコールや、ゼラチン類が好
ましく用いられる。耐熱層は2層以上の層で構成されて
いてもよい。耐熱層の厚さは全体で0.01〜50μ
m、特に0.05〜20μmの範囲が好ましい。
【0069】本発明において、カラー電子写真用受像材
料を構成する層は、前述の材料を用い、更に必要に応じ
て各種助剤を添加し、あるいは適当な溶剤に溶解や分散
を行って調製した素材を、ブレード塗布法、エアナイフ
塗布法、グラビア塗布法、スクイズ塗布法、ロールコー
ティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バ
ー塗布法、等の従来より公知の塗布方法を利用して行う
ことができる。カラー電子写真方法に用いられるトナー
としては、公知のものが使用でき、イエロー、マゼン
タ、シアン、または黒の3色または4色でカラー画像を
形成することが好ましい。さらには、各色濃度の異なる
2つ以上のトナーを用いてもよい。また、透明または白
色のトナーを用いることもある。
【0070】また、UV吸収を持つトナーや、受像層の
添加剤としてあげた各種添加剤を含有するトナーを用い
てもよい。例えば、退色防止剤を含有したトナーは、画
像保存性に優れたトナー画像を形成することができる。
2種以上のトナーが反応し機能を発現するものであって
もよい。他のトナーより軟化点の高いものを併用し、い
わゆるマット剤として用いてもよい。また溶融状態での
受像層との接触角が異なるトナーを用いて、各トナーの
定着時の広がりをコントロールすることで実効濃度を変
え階調の一部を形成するようなものであってもよい。本
発明は、用いることのできる電子写真方法としては、特
に限定しておらず、例えば、コロナ社出版の電子写真学
会編集の「電子写真技術の基礎と応用」及び、「電子写
真技術の基礎と応用・続」に記載の方法を挙げることが
でき、トナーの種類や方式等を限定するものではない。
【0071】
【実施例】以下に実施例を記載して本発明をさらに具体
的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割
合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変
更することができる。しがたって、本発明の範囲は以下
に示す具体例に制限されるものではない。
【0072】<実施例1> (支持体の作製)パルプ混合比がLBKP/NBSP=
6/4の上質紙(密度1.053g/cm3、厚さ15
2μm)をパルプ層とし、その両面に押し出しコーティ
ング法により300℃でポリエチレンをラミネートして
下記のポリオレフィン層を設け、さらにその表面をコロ
ナ処理した後、塗布にて両面に下塗り層を施し、支持体
P−1を作製した。この表面を再びコロナ処理した。な
お、以下において「部」は質量部を表す(重力1の環境
においては重量部に相当する)。
【0073】
【表2】
【0074】(トナー受像層、表面保護層およびバック
層の形成)上記支持体(P−1)の表面下塗り層の上
に、下記の組成からなるトナー受像層および表面保護層
とをこの順に逐次塗布した。なお、トナー受像層(1)
が支持体(P−1)の表面下塗り層上に設けられてい
る。
【0075】
【表3】
【0076】ただし、溶剤として、2−ブタノンおよび
トルエンを使用した。また、塗布液粘度は15Pa・s
であった。
【0077】
【表4】
【0078】ただし、溶剤として、2−ブタノンおよび
トルエンを使用した。また、塗布液粘度は20Pa・s
であった。
【0079】
【化2】
【0080】さらに、裏面下塗り層の上に、バーコータ
ー法にて下記の組成からなるバック層を塗布し受像材料
101を作製した。
【0081】
【表5】
【0082】ただし、溶剤として水およびエタノールを
使用した。また、塗布液粘度は12Pa・sであった。
【0083】
【化3】
【0084】このようにして作製した受像材料101に
対し、表5に示した蛍光増白剤、染料および白色顔料
を、支持体の表面ポリオレフィン層もしくはトナー受像
層(1)に用いた以外受像材料101と同様にして、受
像材料102、103を作製した。また、支持体を下記
支持体(P−2)〜(P−5)に替えて受像材料104
〜118を作製した。 支持体(P−2):王子製紙製ミラーコートプラチナ
(174.4g/m2) 支持体(P−3):王子製紙製ホワイトミラーコートカ
バープラチナ(186g/m2) 支持体(P−4):王子製紙製ウルトラOK金藤(15
7g/m2) 支持体(P−5):王子製紙製エスプリコートC(15
7g/m2
【0085】
【表6】
【0086】蛍光増白剤(1):チバガイギー社製UV
ITEX−OB 蛍光増白剤(2):住友化学製ホワイトフルファーPS
N 蛍光増白剤(3):ハッコールケミカル社製Shige
noxFWG
【0087】
【化4】
【0088】(評価1)作製した受像材料を縦29.5
cm、横21.0cmのA4シートサイズに裁断し、A
4サイズの受像材料を用い、カラー電子写真プリンタ
(カラーレーザーウインド3320PS、富士ゼロック
ス(株)製)を用いて、写真画像をそれぞれの試料にプ
リントした。写真画像は、カメラ(EOS−10、キャ
ノン(株)製)で、カラーリバーサルフィルム(プロピ
ア100、富士写真フイルム(株)製)に撮影した写真
を、スキャナーで読取り、デジタル信号化した。また、
一部デジタルスチルカメラ(FinePi×700、富
士写真フイルム(株)製)にて撮影した画像も用いた。
絵柄は、一般の写真ユーザーの被写体分布に基づいて選
んだ風景、自然、人物、被服、静物等20種類を用い
た。
【0089】プリントした出力画像の、白地部分のCI
E 1976(L***)色空間における各L***
値をGRETAG SPM−100M IIにて測定し
た。各L*値および(a*2+(b*2の値をAB値と
して表5に示した。また、出力画像の写真近似感を、×
(劣っている)、△(普通)、○(優れている)、◎
(大変優れている)の4段階で評価した。評価は当業者
10名で行ない、その平均を求めた。結果を表6に示
す。表6より分かるように本発明の受像材料(102、
103、105〜111、113、114、116〜1
18)は、比較の受像材料(101、104、112、
115)に比べ、銀塩写真に近く写真用途として好まし
い。特に、蛍光増白剤を用いた受像材料(105、10
6、113、119、120、121、122、12
3)は、用いない場合(104、112)に比較しより
好ましいことが分かる。
【0090】(評価2)次に、同じく各受像材料を11
インチ×17インチの大きさに裁断し、カラー電子写真
コピア(登録商標)・プリンタ(DocuColor5
750、ゼロックス(株)製)を用いて、ThickP
aper2モードにて、評価1と同じ写真画像をそれぞ
れの試料にプリントした。評価1と同様にして出力画像
の写真近似感を4段階で評価した。評価結果は、評価1
とほぼ同じであった。また、いずれも一度プリントした
後、もう一度裏面にプリントすることができた。
【0091】(評価3)市販のカラーレーザープリンタ
ーである、富士ゼロックス製フルカラーレーザープリン
ター(A color 629)DC1250、セイコ
ーエプソン製LP−8000C、カシオ電子工業製 C
OLOR PAGEPRESTO N4−ST、キャノ
ン製 COLOR LASER SHOT LBP−2
030、キュー・エム・エス・ジャパン製magico
lor2、コニカ製ColorLaserBit KL
−2010、シャープ製 JX−8200、日立製作所
BEAMSTAR−RW、ミノルタ製Color Pa
ge Pro PSにてプリントしたところ、ほぼ同様
な結果が得られた。
【0092】<実施例2>ポリエステル樹脂(花王製、
タフトンU−5)11.6重量部、二酸化チタン(石原
産業製、タイペークA220)1.54重量部、下記の
構造式で表されるイエロー色素を表7記載の量、蛍光増
白剤(チバガイギー製、UVITEX−OB)を表1記
載の量、溶剤としてメチルエチルケトン30重量部から
なるトナー受像層形成用塗布液を、メイヤーバーで乾燥
後の重量が約13.2g/m2 になるように総厚み19
0μmの写真印画紙用両面ポリエチレンラミネート紙の
上面に塗布し、14種類のシート状の受像材料を作製し
た。
【0093】
【化5】
【0094】
【表7】
【0095】
【化6】
【0096】14種類の受像材料を、それぞれカラーレ
ーザープリンター(富士ゼロックス社製、Color Laser
Wind 3320PS)にセットし、コンピューターファイルか
らの画像をプリントした。記録画像を色評価用蛍光灯の
照明下で観察したところ、上記イエロー色素を0.2m
g/m2 以上2mg/m2 以下含む本発明の記録材
(3)〜(6)を用いた場合に得られた画像記録は比較
例の記録材(1)、(2)を用いた場合に得られた画像
記録より優れた温調の白地であり、人物の肌再現に優れ
た画質を得ることができた。特にイエロー染料を0.5
mg/m2 以上1mg/m2 以下含有した試料での効果
が顕著であった。イエロー染料を4mg/m2 以上含有
した記録材(7)は着色が強すぎて、白色紙と言い難い
結果であった。該レーザープリンターで作成した、本発
明の記録材(10)〜(13)を該照明下で観察した場
合にも、比較例の記録材(8)、(9)より優れた温調
の白地が得られた。比較例(14)の記録材は着色が強
すぎて、白色紙と言い難い結果であった。
【0097】<実施例3>総厚み190μmの写真印画
紙用両面ポリエチレンラミネート紙に代えて、総厚み1
75μmのキャストコート紙を用いたことを除いて、実
施例2と同じ製造方法を実施して14種類の受像材料を
作製した。14種類の受像材料を評価したところ、実施
例2と同様の結果が得られた。
【0098】<実施例4>総厚み190μmの写真印画
紙用両面ポリエチレンラミネート紙の両面に実施例2の
方法にしたがってトナー受像層を形成して受像材料を作
成した。実施例2と同じ方法で受像材料の両面に画像形
成を行ったところ、両面とも写真類似の光沢を持つ画像
が得られた。ポリマーからなる受像層を有しない比較用
の受像材料として、特開平6−186769号公報に記
載の方法で製造した受像材料を作製した。この受像材料
でも両面に印画することができたが、写真類似の光沢を
得ることはできなかった。
【0099】
【発明の効果】上述したように、本発明は、白色度が優
れたトナー反射画像を形成することによって、写真用途
として実用性が高いカラー電子写真用受像材料を提供す
るものである。本発明のカラー電子写真用受像材料を用
いれば、光沢度が高くて画質低下のない写真用途として
非常に優れた画像を得ることができるため、本発明の実
用価値は極めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 充 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株 式会社 足柄研究所内 (72)発明者 立石 朋美 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株 式会社 足柄研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に熱可塑性樹脂を含むトナー受
    像層を少なくとも1層有するカラー電子写真用受像材料
    であって、CIE 1976(L***)色空間にお
    けるL*値が91以上で、かつ(a*2+(b*2で表
    される値が0以上10以下であることを特徴とするカラ
    ー電子写真用受像材料。
  2. 【請求項2】 CIE 1976(L***)色空間
    におけるL*値が91以上93未満でかつ(a*2
    (b*2で表される値が0以上2以下、あるいはL*
    が93以上96未満でかつ(a*2+(b*2で表され
    る値が0以上4以下、あるいはL*値が96以上でかつ
    (a*2+(b*2で表される値が0以上10以下であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のカラー電子写真用
    受像材料。
  3. 【請求項3】 支持体上に形成されているトナー受像層
    を含む構成層の少なくとも1層に、1種以上の蛍光増白
    剤が含まれていることを特徴とする請求項1または2に
    記載のカラー電子写真用受像材料。
  4. 【請求項4】 支持体上に形成されているトナー受像層
    を含む構成層の少なくとも1層に、1種以上の染料及び
    /又は着色顔料が含まれていることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のカラー電子写真用受像材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1403724A3 (en) * 2002-09-26 2005-03-02 Fuji Photo Film Co., Ltd. Image forming process and image forming apparatus, electrophotographic image receiving sheet, and electrophotographic print
JP2012133292A (ja) * 2010-12-24 2012-07-12 Nippon Paper Industries Co Ltd 電子写真用転写紙

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