JP2002099109A - カラー電子写真用受像材料 - Google Patents

カラー電子写真用受像材料

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JP2002099109A
JP2002099109A JP2000287864A JP2000287864A JP2002099109A JP 2002099109 A JP2002099109 A JP 2002099109A JP 2000287864 A JP2000287864 A JP 2000287864A JP 2000287864 A JP2000287864 A JP 2000287864A JP 2002099109 A JP2002099109 A JP 2002099109A
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Hiroshi Fujimoto
央 藤本
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光沢のトナー量依存性が小さく、かつ転写性
が良好で色再現性に優れ、画像欠陥が発生し難い写真ラ
イクな画像を得ることができるカラー電子写真用受像材
料を提供すること。 【解決手段】 原紙の両面に樹脂層を有する支持体の一
方の面上に熱可塑性樹脂を含有するトナー受像層が3g
/m2〜30g/m2で形成され、他方の面上に少なくと
も1種のノニオン系界面活性剤を含有するバック層が形
成されていることを特徴とするカラー電子写真用受像材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法を用い
たレーザープリンター等のカラー画像出力機に用いる受
像材料に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー電子写真法はドライ処理で、印字
スピードが速く、汎用紙(普通紙や上質紙)に出力でき
るという利点を有することから、コピー機やパソコンの
出力機などに広く応用されている。しかし、顔や風景等
の画像情報を写真用途として出力したい場合、汎用紙等
に出力したのでは、特に光沢が劣るため、十分な画質を
得ることができない。そこで、受像面に光沢を持たせる
ためにポリマー層を表面に設けることが知られている。
例えば特開平4−212168号公報には、ポリマーの
流動開始温度を規定した受像層を設けることが開示され
ており、また米国特許第5691039号明細書には熱
可塑性樹脂層のTg(ガラス転移温度)を規定し、トナ
ーを該熱可塑性樹脂層に潜り込ませることが開示されて
いる。
【0003】しかしながらこれらの技術を用いても、原
紙の地合による凹凸が現れる等の問題があるために、写
真プリントのように十分に平滑な表面を与えることはで
きなかった。更に温度や湿度の変化によってシート状の
受像材料がカールしたり、トナー画像にひび割れが発生
したりすることが分かった。このような問題に対処して
写真プリントのような受像材料を提供することを目的と
した技術として、例えば特開平8−211645号公報
には、コアとしての原紙の両面にプラスチック層を有
し、一方の面上にトナー受像層、他方の面上に帯電防止
層をさらに有する受像シートが開示されている。該公報
によると、トナー受像層の塗工量は0.1〜1g/m2
とされている。しかしながら、この範囲の塗工量ではト
ナーの量によって表面の光沢がかなり変化してしまうと
いう問題があることが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような表面光沢の
トナー量依存性を小さくするためにはトナー受像層の塗
工量を増やす必要がある。しかしながら、トナー受像層
の塗工量を例えば3g/m2以上に増やすと、転写電圧
の影響を受けやすくなるという別の問題が生じることが
判明した。即ち帯電防止層の表面抵抗の大きさによって
は、通常の転写電圧では不足気味になり、色バランスが
崩れたり、逆に通常の転写電圧では過剰になり剥離放電
が発生してトナーの飛散やスポット状の抜けが発生した
りすることがある。
【0005】そこで、トナー受像層の塗工量が多い場合
であっても、転写の安定性を向上させる手段を種々検討
した結果、帯電防止層を設けずに、表面抵抗が高い状態
を維持し、転写電圧を高めの設定にすれば良いことが明
らかになった。しかしながらこの方法ではプリント後の
残留帯電が大きく、プリント集積部で静電接着してハン
ドリング適性が劣る、あるいは続いて反対面に印画する
場合の搬送性が劣るという問題があることも判明した。
【0006】これらの検討結果を踏まえて、本発明は、
光沢のトナー量依存性が小さく、かつ転写性が良好で色
再現性に優れ、画像欠陥が発生し難い写真ライクな画像
を得ることのできるカラー電子写真用受像材料を提供す
ることを課題とした。更に本発明は、プリント後のシー
ト接着が少なく、ハンドリング適性に優れ、あるいは両
面印画の適性に優れたカラー電子写真用受像材料を提供
することを課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討を重
ねた結果、トナー受像層の塗工量を所定の範囲に設定
し、バック層にノニオン系界面活性剤を使用することに
よって、所期の効果を示すカラー電子写真用受像材料を
提供しうることを見出し、本発明に到達した。すなわち
本発明は、原紙の両面に樹脂層を有する支持体の一方の
面上に熱可塑性樹脂を含有するトナー受像層が3g/m
2〜30g/m2で形成され、該支持体の他方の面上に少
なくとも1種のノニオン系界面活性剤を含有するバック
層が形成されていることを特徴とするカラー電子写真用
受像材料を提供する。
【0008】本発明のカラー電子写真用受像材料におい
て、バック層に含まれるノニオン系界面活性剤の量は
0.005〜0.5g/m2であり、25℃相対湿度5
0%の環境下におけるバック面の表面抵抗は1013〜1
16Ω/cmであることが好ましい。また、バック層に
平均粒径が8μm〜30μmの微粒子が0.6g/m2
〜10g/m2含まれることが好ましい。なお、本明細
書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞ
れ最小値および最大値として含む範囲を示す。
【0009】
【発明の実施の形態】以下において、本発明のカラー電
子写真用受像材料について詳細に説明する。本発明のカ
ラー電子写真用受像材料は、熱可塑性樹脂を含有するト
ナー受像層を有する。トナー受像層の塗工量は3g/m
2〜30g/m2であり、3g/m2より少ない場合は光
沢のトナー量依存性が大きく、特に中濃度域で光沢が著
しく低下する。一方、30g/m2より多い場合は転写
電圧を非常に高く(4KV以上)しなければならない
等、機器への負荷が増加したり、定着時の熱要領が増加
しトナー画像への定着熱の供給が不足して全体に光沢が
でない等の問題が生じる。
【0010】受像層の塗工量を3g/m2〜30g/m2
の範囲に設定すれば、光沢を比較的安定かつ均一にする
ことができるが、単に塗工量をこの範囲に設定するだけ
ではプリント後の帯電接着や転写不良が発生しやすくな
ってしまう。例えば、バック面に酸化亜鉛で表面処理さ
れたアンチモンドープ型針状酸化チタン等の帯電防止剤
を使用して表面抵抗を109〜1013Ω/cmに制御し
た場合、プリント後の帯電接着は良好であるが、トナー
の転写不足と剥離放電によるスポット状の抜けがいずれ
もない転写電位領域がほとんど存在しない。特に湿度環
境の変化に伴って上記転写不良のいずれかが発生してし
まうため、安定した転写電圧領域の設定が更に困難にな
る。
【0011】本発明にしたがってノニオン系界面活性剤
をバック面に使用すれば、プリント前の表面抵抗は25
℃相対湿度50%の環境下で1013〜1016Ω/cmと
なり、未使用状態の表面抵抗と何ら差を生じない。一
方、プリント後の帯電電位は未使用時に比べて著しく低
下し、帯電接着や両面印画等の適性が十分にあることが
判明した。即ち本発明によれば、受像層の量を3g/m
2以上に増加させても、転写に安定な電圧の設定が可能
で、かつプリント後の残留帯電が著しく低減することが
できる。なお、本明細書における表面電気抵抗は、JI
S K 6911に準拠して測定した値であり、サンプ
ルを温度20℃、相対湿度65%の環境下に8時間以上
調湿し、同じ環境下で、アドバンテスト(株)製R83
40を使用し、印加電圧100Vの条件で、通電して1
分間経過した後に測定することにより得られた値であ
る。
【0012】以下において、本発明のカラー電子写真用
受像材料に用いる材料について更に詳しく述べる。支持体 本発明に用いられる電子写真用受像材料の支持体として
は、定着温度に耐えることができ、平滑性、白色度、滑
り性、摩擦性、帯電防止性、定着後のへこみ等の点で要
求を満足できるものであれば、その種類は特に制限され
ない。本発明に用いられる支持体は、原紙とその両面に
形成された樹脂層から少なくとも構成される。支持体は
シート状であることが好ましい。支持体の原紙部分の厚
みは、坪量として50g〜300gであることが好まし
く、70g〜200gであることがより好ましく、80
g〜180gであることがさらに写真印画紙の質感を付
与する点で好ましい。
【0013】原紙の両面に形成される樹脂層としては、
ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレー
ト、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、ポリ
ウレタン、アクリル酸エステル等が挙げられる。好まし
くはポリオレフィンであり、ポリエチレンが最も好まし
い。ポリエチレンはLDPE(低密度ポリエチレン)及
びHDPE(高密度ポリエチレン)の何れであってもよ
いが、防湿性の点からはHDPEが好ましい。樹脂層の
形成方法は特に問わないが、好ましくは原紙上にラミネ
ートにより設けることが好ましい。ラミネートの適性を
向上するために、LDPEとHDPEを適当量混在させ
ることも好ましい。樹脂層の厚みは、例えば平均密度が
0.95以上のポリエチレンを材料として選択する場合
は片面あたり10μm〜30μmの範囲内にすることが
好ましいが、平均密度が0.95以下である場合は15
μm〜50μmの範囲内にすることが好ましい。樹脂層
の厚みは受像層側とバック層側でほぼ同じにすることが
好ましいが、受像層の厚みや、バック層の厚み、樹脂層
を構成する材料の密度あるいは原紙の性質等によって、
適宜0〜10μm程度の差を設けることも好ましい。
【0014】支持体の熱伝導率は、20℃相対湿度65
%の条件下で0.50kcal/m・h・℃以上である
ことが定着性能の観点から好ましい。熱伝導率はJIS
P8111に準拠して調湿したサンプルを、特開昭5
3−66279号公報に記載された方法にしたがって測
定することができる。また、支持体の密度は定着性能の
観点から0.7g/cm3以上であることが好ましい。
【0015】支持体の構成層中には、本発明の目的を害
しない範囲内において、適宜選択した各種の添加剤を添
加させることができる。例えば、増白剤や、導電剤、填
料、酸化チタン、群青、カーボンブラックなどの顔料や
染料などを必要に応じて含有させておくことができる。
また、支持体の片面または両面には、その上に設けられ
る層との密着性を改良する目的で種々の表面処理や下塗
りを施すことができる。表面処理としては例えば、光沢
面、又は特開昭55−26507号公報記載の微細面、
マット面又は絹目面の型付けの処理や、コロナ放電処
理、火炎処理、グロー放電処理、又はプラズマ処理など
の活性化処理などが挙げられる。下塗りとしては、例え
ば、特開昭61−846443号公報に記載の方法を用
いることができる。また、これらは単独に用いてもよ
く、また、型付けなどを行った後に活性化処理を施した
り、更に活性化処理などの表面処理後に下塗りを行うな
ど、任意の組み合わせで併用して用いることもできる。
これらの支持体の構成中や表面や裏面、及びそれらの組
み合わせ中には、親水性バインダーとアルミナゾルや酸
化スズのような半導性金属酸化物、カーボンブラックそ
の他の帯電防止剤を塗布してもよい。具体的には、特開
昭63−220246号公報などに記載の支持体を使用
できる。
【0016】バック層 本発明のカラー電子写真用受像材料には、支持体を挟ん
で受像層と反対側にバック層を設ける。バック層はノニ
オン系界面活性剤を含み、その含有量は0.005〜
0.5g/m2であることが好ましい。ノニオン系界面
活性剤の量が0.005g/m2未満の場合は、プリン
ト後の残留帯電の低減効果が十分に得られない傾向があ
り、また0.5g/m2を超える場合は搬送時にジャミ
ングを誘発したり、界面活性剤により機器が汚染された
りする傾向がある。バック面の25℃相対湿度50%の
環境下における表面抵抗は、1013〜10 16Ω/cmで
あることが好ましい。
【0017】バック層にはバインダーとして種々のポリ
マーを使用できる。具体的には受像層に使用することが
できるものとして本明細書中に記載されるポリマーを使
用することができる。特に、耐水性や耐熱性に優れた高
融点ポリエステル、ポリスチレン、スチレン−アクリル
酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル
共重合体、SBR等を好ましく用いることができる。ま
た、バック層には平均粒径が8μm〜30μmの微粒子
を含有させることが好ましい。平均粒径が8μmより小
さい微粒子を用いた場合は、紙同士の接着性や通紙性能
及び筆記性がやや劣る傾向がある。一方、30μmを超
える場合は転写時にトナーの抜け等の画像欠陥が生じや
すくなる傾向がある。微粒子の使用量としては0.6g
/m2〜10g/m2が好ましい。0.6g/m2未満で
あると、特に筆記性が低下する傾向があり、10g/m
2を超えるとマット剤がこぼれやすくなり、機器を汚染
して受像材料通過時に逆転写して平滑度を低下したり光
沢が不良になる場合がある。バインダー量を増加するこ
とによって、これらの問題はある程度軽減するが、バイ
ンダー量増加に伴うバック層の厚み増加により、転写不
良を発生する場合もある。
【0018】トナー受像層 トナー受像層の物性としては、以下の1項目以上を満足
することが好ましく、より好ましくは複数の項目、最も
好ましくは全ての項目を満足することが望ましい。 (1)受像層のTg(ガラス転位温度)が30℃以上で
あること。 (2)受像層のT1/2(1/2法軟化点)が60〜1
50℃、より好ましくは80〜120℃の範囲であるこ
と。 (3)受像層のTfb(流出開始温度)が40〜100
℃、より好ましくは受像層のTfbがトナーのTfb+
10℃以下であること。 (4)受像層の粘度が1×105mPa・sになる温度
が40℃以上、トナーの粘度が1×105mPa・sに
なる温度より低いこと。 (5)受像層の定着温度における貯蔵弾性率(G’)が
1×102Pa〜1×105Paであること、かつ損失弾
性率(G”)が1×102Pa〜1×105Paであるこ
と。 (6)受像層の定着温度における損失弾性率(G”)と
貯蔵弾性率(G’)との比である損失正接(G”/
G’)が0.01〜10であること。 (7)受像層の定着温度における貯蔵弾性率(G’)が
トナーの定着温度における貯蔵弾性率(G”)に対し−
50〜+2500であること。 (8)溶融トナーの受像層上の傾斜角が50°以下、好
ましくは40°以下であること。 また、受像層としては、特許第2788358号公報、
特開平7−248637号公報、特開平8−30506
7号公報、特開平10−239889号公報等に開示さ
れている物性等を満足するものが好ましい。
【0019】上記(1)の物性は、示差走査熱量測定装
置(DSC)により測定することができる。また、
(2)〜(4)の物性は、例えば島津製作所製フローテ
スターCFT−500を用いて測定することができる。
また、(5)〜(7)の物性は、回転型レオメーター
(例えば、レオメトリック社製ダイナミックアナライザ
ーRADII)を用いて測定することができる。(8)の
物性は共和界面化学(株)製の接触角測定装置を用い、
特開平8−334916号公報に記載される方法で測定
することができる。
【0020】1)熱可塑性樹脂 本発明のカラー電子写真用受像材料に用いられる熱可塑
性樹脂としては、定着温度および温度で変形しトナーを
受容しうるものであれば特にその種類は制限されない。
好ましくは、トナーのバインダーとして用いられている
樹脂と同系統の樹脂が好ましい。トナーのバインダーと
しては、ポリエステル樹脂が多用されているので、その
場合、本発明のカラー電子写真用受像材料に用いられる
熱可塑性樹脂としても、ポリエステル樹脂を用いるのが
好ましい。また、スチレン−アクリル酸エステル共重合
体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体なども好
ましく用いられる。以下に好ましく用いられる樹脂を説
明する。
【0021】本発明のカラー電子写真用受像材料に用い
られる熱可塑性樹脂として、エステル結合を有する樹
脂;ポリウレタン樹脂;ポリアミド樹脂、尿素樹脂等;
ポリスルホン樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニ
リデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩
化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等;ポリビ
ニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロー
ス樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等;ポ
リカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹
脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂等;ポリエチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、エチレン
やプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの
共重合体樹脂や、アクリル樹脂等;およびこれらの混合
物または共重合体等を挙げることができる。
【0022】これらの熱可塑性樹脂の中では、エステル
結合を有する樹脂が好ましく、例えばポリメチルアクリ
レート、ポリブチルアクリレート、ポリメチルメタクリ
レート、ポリブチルメタクリレートなどのポリアクリル
酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エステル樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタ
クリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリ
レート樹脂等を使用することができる。
【0023】上記のポリエステル樹脂は、テレフタル
酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、
アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、アビエチン
酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多
カルボン酸成分(これらの多カルボン酸成分にはスルホ
ン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAの
ジエーテル誘導体(例えば、ビスフェノールAのエチレ
ンオキサイド2付加物、ビスフェノールAのプロピレン
オキサイド2付加物など)、ビスフェノールS、2−エ
チルシクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコ
ール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン等の多
アルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基な
どが置換されていてもよい)との縮合により得られる。
【0024】具体的には、特開昭59−101395号
公報、特開昭63−7971号公報、特開昭63−79
72号公報、特開昭63−7973号公報、特開昭60
−294862号公報に記載のものを挙げることができ
る。また、市販品としては東洋紡製のバイロン290、
バイロン200、バイロン280、バイロン300、バ
イロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−
130、花王製のタフトンNE−382、タフトンU−
5、ATR−2009、ATR−2010、ユニチカ製
のエリーテルUE3500、UE3210、XA−81
53、日本合成化学製のポリエスターTP−220、R
−188等が使用できる。
【0025】トナー受像層に用いられる熱可塑性樹脂
は、トナー受像層を形成した状態で前述の受像層物性を
満足できるものの中から選択することが好ましい。さら
に好ましくは、樹脂単独でも、トナー受像層に好ましい
物性を与えうるものが挙げられる。また、前述の物性の
異なる樹脂を2以上併用することも好ましい。
【0026】また、トナー受像層に用いられる熱可塑性
樹脂としては、トナーに用いられている熱可塑性樹脂の
分子量に比べ大きいものが好ましく用いられる。ただ
し、トナー樹脂と受像層樹脂との熱力学的特性の関係に
よっては、必ずしも前述の分子量の関係が好ましいわけ
ではない。例えば、トナー樹脂より、受像層樹脂の軟化
温度が高い場合、分子量は同等か、受像層樹脂の方が小
さいことが好ましい場合がある。
【0027】また、トナー受像層に用いられる熱可塑性
樹脂として、同一組成で平均分子量が異なる樹脂の混合
物を用いることも好ましい。また、トナー受像層に用い
られる熱可塑性樹脂の分子量とトナーに用いられている
熱可塑性樹脂の分子量については、特開平8−3349
15号公報に開示されている関係を満たすことが好まし
い。トナー受像層に用いられる熱可塑性樹脂の分子量分
布は、トナーに用いられている熱可塑性樹脂の分子量分
布より広いものが好ましい。さらに、トナー受像層に用
いられる熱可塑性樹脂としては、特公平5−12741
3号公報、同8−194394号、同8−334915
号、同8−334916号、同9−171265、同1
0−221877号等に開示されている物性等を満足す
るものが好ましく用いられる。
【0028】2)水溶性樹脂 本発明のカラー電子写真用受像材料を構成するトナー受
像層用の樹脂として、水溶性のポリマーを用いることが
できる。水溶性ポリマーとしては、水可溶性のポリマー
であれば、その組成、結合構造、分子構造、分子量、分
子量分布、形態は特に制限されない。水可溶性のポリマ
ーを構成する水可溶化基の例としては、水酸基、カルボ
ン酸基、アミノ基、アミド基、またはエーテル基等が挙
げられる。
【0029】水溶性ポリマーの例としては、リサーチ・
ディスクロージャー17,643号の26頁、18,7
16号の651頁、307,105号の873〜874
頁および特開昭64−13546号公報の(71)頁〜
(75)頁に記載されたものが挙げられる。具体的に
は、例えば、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、
スチレン−ビニルピロリドン共重合体、スチレン−無水
マレイン酸共重合体、水溶性ポリエステル、水溶性ポリ
ウレタン、水溶性ナイロン、水溶性エポキシ樹脂を使用
することができる。
【0030】また、水分散アクリル樹脂、水分散ポリエ
ステル樹脂、水分散ポリスチレン樹脂、水分散ウレタン
樹脂等の水分散型樹脂;アクリル樹脂エマルジョン、ポ
リ酢酸ビニルエマルジョン、SBR(スチレン・ブタジ
エン・ゴム)エマルジョン等のエマルジョンあるいは、
これらの共重合体、混合物、及びカチオン変性のもの等
の水溶液の中から適宜に選択し、2種以上組合せること
ができる。また、ゼラチンは、種々の目的に応じて石灰
処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、カルシウム等の含有量
を減らしたいわゆる脱灰ゼラチンから選択すればよく、
組み合わせて用いることも好ましい。
【0031】トナーのバインダー樹脂がポリエステル樹
脂の場合、トナー受像層の樹脂としても水分散系ポリエ
ステル類が好ましい。水分散ポリエステルの市販品とし
ては、例えば、東洋紡製バイロナールMD−1200、
MD−1930や、互応化学製プラスコートZ−44
6、Z−465、RZ−96、第日本インキ製ES−6
11、ES−670、高松油脂製ペスレジンA−160
P、A−210、A−620等が挙げられる。用いるポ
リマーの成膜温度は、プリント前の保存に対しては、室
温以上が好ましく、トナー粒子の定着に対しては100
℃以下が好ましい。
【0032】3)固体粒子 トナー受像層には、平均粒径が3μm未満の固体粒子を
トナー受像材料として用いることができる。平均粒径が
3μm未満の固体粒子としては、無機顔料が好ましく用
いられる。無機顔料の例としては、シリカ顔料、アルミ
ナ顔料、二酸化チタン顔料、酸化亜鉛顔料、酸化ジルコ
ニウム顔料、雲母状酸化鉄、鉛白、酸化鉛顔料、酸化コ
バルト顔料、ストロンチウムクロメート、モリブデン系
顔料、スメクタイト、酸化マグネシウム顔料、酸化カル
シウム顔料、炭酸カルシウム顔料及びムライトが含まれ
る。なかでも、シリカ顔料及びアルミナ顔料が好まし
い。二種類以上の固体粒子を併用してもよい。
【0033】シリカ顔料には、球状シリカと無定形シリ
カが含まれる。シリカ顔料は、乾式法、湿式法又はエア
ロゲル法により合成できる。疎水性シリカ粒子の表面
を、トリメチルシリル基又はシリコーンで表面処理して
もよい。コロイド状シリカが特に好ましい。シリカ顔料
の平均粒径は、4〜120nmであることが好ましく、
4〜90nmであることがさらに好ましい。シリカ顔料
は、多孔質であることが好ましい。多孔質シリカ顔料の
平均孔径は、50〜500nmであることが好ましい。
また多孔質シリカ顔料の重量当りの平均孔容積は、0.
5〜3ml/gであることが好ましい。
【0034】アルミナ顔料には、無水アルミナとアルミ
ナ水和物が含まれる。無水アルミナの結晶型としては、
α、β、γ、δ、ζ、η、θ、κ、ρ又はχを用いるこ
とができる。無水アルミナよりもアルミナ水和物の方が
好ましい。アルミナ水和物としては、一水和物又は三水
和物を用いることできる。一水和物には、擬ベーマイ
ト、ベーマイト及びダイアスポアが含まれる。三水和物
には、ジブサイト及びバイヤライトが含まれる。アルミ
ナ顔料の平均粒径は、4〜300nmであることが好ま
しく、4〜200nmであることがさらに好ましい。ア
ルミナ顔料は、多孔質であることが好ましい。多孔質ア
ルミナ顔料の平均孔径は、50〜500nmであること
が好ましい。多孔質アルミナ顔料の重量当りの平均孔容
積は、0.3〜3ml/gであることが好ましい。
【0035】アルミナ水和物は、アルミニウム塩溶液に
アンモニアを加えて沈澱させるゾルゲル法又はアルミン
酸アルカリを加水分解する方法により合成できる。無水
アルミナは、アルミナ水和物を加熱により脱水すること
で得ることができる。無機顔料の使用量は、添加する層
のバインダーに対する乾燥重量比で、5〜2000質量
%であることが好ましい。
【0036】本発明のカラー電子写真用受像材料を構成
するトナー受像層には、樹脂層の熱力学的特性を改良す
る目的で各種添加剤を用いることができる。そのような
目的の添加剤としては、可塑剤、有機および無機のフィ
ラー、乳化物、分散物、架橋剤などが挙げられる。これ
らの添加剤は、トナー受像層以外の熱可塑性樹脂含有層
にも適用することができる。
【0037】4)可塑剤 本発明に用いる可塑剤として、公知の樹脂用可塑剤を用
いることができる。本発明における可塑剤とは、トナー
を定着する時の熱および/または圧力によって、トナー
受像層が流動又は柔軟化するのを調整する化合物群のこ
とである。可塑剤としては、「化学便覧」(日本化学会
編、丸善)や、「可塑剤−その理論と応用−」(村井孝
一編著、幸書房)や、「可塑剤の研究 上」「可塑剤の
研究 下」(高分子化学協会編)や、「便覧 ゴム・プ
ラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等を
参考にして選択することができる。
【0038】また、可塑剤を、高沸点有機溶剤や熱溶剤
などという名前で記載している特開昭59−83154
号公報、同59−178451号公報、同59−178
453号公報、同59−178454号公報、同59−
178455号公報、同59−178457号公報、同
62−174754号公報、同62−245253号公
報、同61−209444号公報、同61−20053
8号公報、同62−8145号公報、同62−9348
号公報、同62−30247号公報、同62−1366
46号公報、同62−174754号公報、同62−2
45253号公報、同61−209444号公報、同6
1−200538号公報、同62−8145号公報、同
62−9348号公報、同62−30247号公報、同
62−136646号公報、特開平2−235694号
公報等に記載されているようなエステル類(例えばフタ
ル酸エステル類、リン酸エステル類、脂肪酸エステル
類、アビエチン酸エステル類、アジピン酸エステル類、
セバシン酸エステル類、アゼライン酸エステル類、安息
香酸エステル類、酪酸エステル類、エポキシ化脂肪酸エ
ステル類、グリコール酸エステル類、プロピオン酸エス
テル類、トリメリット酸エステル類、クエン酸エステル
類、スルホン酸エステル類、カルボン酸エステル類、コ
ハク酸エステル類、マレイン酸エステル類、フマル酸エ
ステル類、フタル酸エステル類、ステアリン酸エステル
類など)、アミド類(例えば脂肪酸アミド類、スルホア
ミド類など)、エーテル類、アルコール類、パラフィン
類、ポリオレフィンワックス類(例えばポリプロピレン
ワックス類、ポリエチレンワックス類など)、ラクトン
類、ポリエチレンオキシ類、シリコーンオイル類、フッ
素化合物類などの化合物が挙げられる。
【0039】また、比較的低分子量のポリマーを可塑剤
として用いることができる。この場合の分子量としては
可塑化の対象となる樹脂より分子量の低いものが好まし
く、特に好ましいのは分子量が15000以下、さらに
特に好ましいのは、分子量5000以下のものである。
また、ポリマー可塑剤の場合、対象となる樹脂と同種の
ポリマーが好ましい。例えばポリエステル樹脂の可塑化
にはポリエステルが好ましい。さらにオリゴマーも可塑
剤として用いることができる。
【0040】上記に挙げた化合物以外にも市販品とし
て、旭電化工業製アデカサイザーPN−170、PN−
1430や、C.P.HALL社製品PARAPLEX
−G−25、G−30、G−40、理化ハーキュレス製
品エステルガム8L−JA、エステルR−95、ペンタ
リン4851、FK115、4820、830、ルイゾ
ール28−JA、ピコラスチックA75、ピコテックス
LC、クリスタレックス3085等を挙げることができ
る。
【0041】可塑剤は、受像層を含む熱可塑性樹脂含有
層の少なくとも1層に含有させて用いることが好まし
い。層中の可塑剤は、ミクロに分散された状態でもよい
し、海島状にミクロに相分離した状態でもよいし、バイ
ンダー等の他の成分と十分に混合溶解した状態でもよ
い。可塑剤の添加層は、トナー受像層の他に、保護層、
中間層、下塗り層などのいずれでもよいが、トナー粒子
が受像材料に埋め込まれる際に生じる応力が伝わる層で
ある事が好ましい。更には応力によって生じる歪み(弾
性力や粘性などの物理的な歪み、分子やバインダー主鎖
やペンダント部分などの物質収支による歪み等)が伝わ
る層が好ましく、これらの応力や歪みを緩和できる層の
位置であることが好ましい。例えば、トナー受像層に隣
接する層やトナー受像層、及び、表面層などが好まし
い。
【0042】可塑剤の添加量は、層を構成する全成分の
重量を100質量%とした時に、0.001質量%〜9
0質量%であることが好ましく、0.1質量%〜60質
量%であることがより好ましく、1質量%〜40質量%
であることが特に好ましい。また、可塑剤をスベリ性
(摩擦力低下による搬送性向上)の調整や、定着部オフ
セット(定着部へのトナーや層の剥離)の改良、カール
バランスの調整、帯電調整(トナー静電像の形成)等の
目的で使用してもよい。
【0043】5)フィラー 本発明のカラー電子写真用受像材料には、フィラーとし
て樹脂用の補強剤、充填剤、強化材として公知のものを
用いることができる。フィラーとしては、「便覧 ゴム
・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社
編)、「新版 プラスチック配合剤 基礎と応用」(大
成社)、「フィラーハンドブック」(大成社)等を参考
にして選択することができる。また、フィラーとして各
種無機顔料を用いることができる。無機顔料としては、
酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、マイ
カ、アルミナ、その他「便覧 ゴム・プラスチック配合
薬品」(ラバーダイジェスト社編)等に挙げられた公知
のものを用いることができる。
【0044】6)架橋剤 本発明のカラー電子写真用受像材料には、架橋剤とし
て、反応基としてエポキシ基、イソシアネート基、アル
デヒド基、活性ハロゲン基、活性メチレン基、アセチレ
ン基、その他公知の反応基を2個以上分子内に有する化
合物を用いることができる。また、前述の共有結合を形
成する基の他に水素結合、イオン結合、配位結合等によ
り結合を形成することが可能な基を2個以上有する化合
物も用いることができる。また、樹脂用のカップリング
剤、硬化剤、重合剤、重合促進剤、凝固剤、造膜剤、造
膜助剤等で公知の化合物を用いることができる。カップ
リング剤の例としては、クロロシラン類、ビニルシラン
類、エポキシシラン類、アミノシラン類、アルコキシア
ルミニウムキレート類、チタネートカップリング剤など
が挙げられる。また、「便覧 ゴム・プラスチック配合
薬品」(ラバーダイジェスト社編)等に挙げられた公知
のカップリング剤を用いることもできる。
【0045】保護層 本発明のカラー電子写真用受像材料には表面の保護、保
存性の改良、取り扱い性の改良、筆記性の付与、機器通
過性の改良、アンチオフセット性の付与等の目的で保護
層をトナー受像層の表面に設けることができる。保護層
は、1層であってもよいし、2層以上の層からなってい
てもよい。保護層にはバインダーとして各種の熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、水溶性ポリマー等を用いることが
できる。好ましくはトナー受像層と同種のものが用いら
れる。ただし、熱力学的特性、静電特性等は、トナー受
像層と同じである必要はなく、それぞれ最適化される。
本発明のカラー電子写真用受像材料の最表面層(例えば
表面保護層など)は、トナーとの相溶性が良いことが、
定着性の観点から好ましい。具体的には、溶融したトナ
ーとの接触角が40度以下、0度以上であることが好ま
しい。
【0046】保護層にはトナー受像層で用いることので
きる添加剤をいずれも用いることができる。特に保護層
には、帯電調整剤、マット剤、滑り剤、離型剤等が好ま
しく用いられる。以下にマット剤と滑り剤について詳細
に説明するが、これらの材料は保護層以外にも用いるこ
とができる。 1)マット剤 本発明のカラー電子写真用受像材料に用いられるマット
剤としては、種々の公知のものが挙げられる。マット剤
として用いられる固体粒子は、無機粒子と有機粒子とに
分類できる。無機マット剤の材料には、酸化物(例え
ば、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸
化アルミニウム)、アルカリ土類金属塩(例えば、硫酸
バリウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム)、ハロ
ゲン化銀(例えば、塩化銀、臭化銀)及びガラスが含ま
れる。無機マット剤については、西独特許第25293
21号明細書、英国特許第760775号明細書、同第
1260772号明細書、米国特許第1201905号
明細書、同第2192241号明細書、同第30536
62号明細書、同第3062649号明細書、同第32
57206号明細書、同第3322555号明細書、同
第3353958号明細書、同第3370951号明細
書、同第3411907号明細書、同第3437484
号明細書、同第3523022号明細書、同第3615
554号明細書、同第3635714号明細書、同第3
769020号明細書、同第4021245号明細書、
同第4029504号明細書に記載されるものを挙げる
ことができる。
【0047】有機マット剤の材料には、デンプン、セル
ロースエステル(例えば、セルロースアセテートプロピ
オネート)、セルロースエーテル(例えば、エチルセル
ロース)及び合成樹脂が含まれる。合成樹脂は、水不溶
性又は水難溶性であることが好ましい。水不溶性又は水
難溶性の合成樹脂の例には、ポリ(メタ)アクリル酸エ
ステル(例えば、ポリアルキル(メタ)アクリレート、
ポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリグ
リシジル(メタ)アクリレート)、ポリ(メタ)アクリ
ルアミド、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニ
ル)、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン(例え
ば、ポリエチレン)、ポリスチレン、ベンゾグアナミン
樹脂、ホルムアルデヒド縮合ポリマー、エポキシ樹脂、
ポリアミド、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリ
ビニルカルバゾール及びポリ塩化ビニリデンが含まれ
る。以上のポリマーの繰り返し単位を組み合わせたコポ
リマーを用いてもよい。
【0048】コポリマーの場合、少量の親水性の繰り返
し単位が含まれていてもよい。親水性の繰り返し単位を
形成するモノマーの例には、アクリル酸、メタクリル
酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート、スルホアルキル(メタ)アクリ
レート及びスチレンスルホン酸が含まれる。有機マット
剤については、英国特許第1055713号明細書、米
国特許第1939213号明細書、同第2221873
号明細書、同第2268662号明細書、同第2322
037号明細書、同第2376005号明細書、同第2
391181号明細書、同第2701245号明細書、
同第2992101号明細書、同第3079257号明
細書、同第3262782号明細書、同第344394
6号明細書、同第3516832号明細書、同第353
9344号明細書、同第3591379号明細書、同第
3754924号明細書、同第3767448号明細
書、特開昭49−106821号公報、同57−148
35号公報に記載されるものを挙げることができる。本
発明のカラー電子写真用受像材料には、二種類以上の固
体粒子を併用してもよい。固体粒子の平均粒径は、1〜
100μmであることが好ましく、4〜30μmである
ことがさらに好ましい。固体粒子の使用量は、0.01
〜0.5g/m2であることが好ましく、0.02〜
0.3g/m2であることがさらに好ましい。
【0049】2)滑り剤 本発明のカラー電子写真用受像材料は、定着時に定着加
熱部材と接着しないことが好ましい。そのため、定着部
材との定着温度における180度剥離強さが、0.1N
/25mm以下であうことが好ましく、0.041N/
25mm以下であることがより好ましい。180度剥離
強さは定着部材の表面素材を用い、JIS K6887
に記載の方法に準拠して測定することができる。本発明
のカラー電子写真用受像材料に用いられる滑り剤として
は、種々の公知のものが挙げられる。滑り剤の例には、
高級アルキル硫酸ナトリウム、高級脂肪酸高級アルコー
ルエステル、カーボワックス、高級アルキルリン酸エス
テル、シリコーン化合物、変性シリコーン、硬化性シリ
コーン等が含まれる。また、ポリオレフィンワックス、
弗素系オイル、弗素系ワックス、カルバナワックス、マ
イクロクリスタリンワックス、シラン化合物も好ましく
用いられる。
【0050】用いることができる滑り剤については、米
国特許第2882157号明細書、同第3121060
号明細書、同第3850640号明細書、フランス特許
第2180465号明細書、英国特許第955061号
明細書、同第1143118号明細書、同第12637
22号明細書、同第1270578号明細書、同第13
20564号明細書、同第1320757号明細書、同
第2588765号明細書、同第2739891号明細
書、同第3018178号明細書、同第3042522
号明細書、同第3080317号明細書、同第3082
087号明細書、同第3121060号明細書、同第3
222178号明細書、同第3295979号明細書、
同第3489567号明細書、同第3516832号明
細書、同第3658573号明細書、同第367941
1号明細書、同第3870521号明細書、特開昭49
−5017号公報、同51−141623号公報、同5
4−159221号公報、同56−81841号公報、
及びリサーチ・ディスクロージャー(Research
Disclosure)13969号に記載されてい
る。滑り剤の使用量は、5〜500mg/m2であるこ
とが好ましい。より好ましくは10〜200mg/m2
である。
【0051】ワックス系の滑り剤は有機溶剤に溶解しに
くいため、水分散物を調製し熱可塑性樹脂溶液との分散
液を調製し塗布するのが好ましい。この場合、ワックス
系の滑り剤は熱可塑性樹脂中に微粒子の形で存在する。
この場合、滑り剤の使用量は、5〜10000mg/m
2であることが好ましい。より好ましくは50〜500
0mg/m2である。
【0052】その他の層 本発明のカラー電子写真用受像材料は、支持体の一方の
面上にトナー受像層を有し、他方の面上にバック層を有
する。これらの層以外にも、表面保護層、中間層、下塗
り層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調製層、保存
性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑化層など
を設けることができる。また、本発明のカラー電子写真
用受像材料には、支持体とトナー受像層その他の層との
密着を改良する目的で、密着改良層を設けることができ
る。密着改良層には前述の添加剤を用いることができ
る。特に前述の架橋剤を用いるのが好ましい。また、本
発明のカラー電子写真用受像材料には、トナーの受容性
を改良するため、クッション層を設けることもできる。
これらの各層は2以上の層より構成されていても良い。
【0053】添加剤 1)画質改良添加剤 本発明のカラー電子写真用受像材料には、画質、特に白
色度を改良する目的で、蛍光増白剤、白色顔料、有色顔
料、染料等を用いることができる。蛍光増白剤として
は、近紫外部に吸収を持ち、400〜500nmに蛍光
を発する化合物で、公知のものを使用することができ
る。本発明に用いられる蛍光増白剤としては、K.VeenRa
taraman編"The Chemistry of Synthetic Dyes”V巻8
章に記載されている化合物を挙げることができる。より
具体的には、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、
ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナ
フタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボス
チリル系化合物などが挙げられる。それらの例として
は、住友化学製ホワイトフルファーPSN、PHR、H
CS、PCS、B、Ciba−Geigy社製UVIT
EX−OBなどが挙げられる。
【0054】白色顔料としては、フィラーの項および粒
径の細かい顔料の項で述べた無機顔料(酸化チタン、炭
酸カルシウム他)が用いることができる。有色顔料とし
ては、特開昭63−44653号公報等に記載されてい
る各種顔料及びアゾ顔料(アゾレーキ;カーミン6B、
レッド2B、不溶性アゾ;モノアゾイエロ、ジスアゾイ
エロ、ピラゾロオレンジ、バルカンオレンジ、縮合アゾ
系;クロモフタルイエロ、クロモフタルレッド)、多環
式顔料(フタロシアニン系;銅フタロシアニンブルー、
銅フタロシアニングリーン、シオキサジン系;ジオキサ
ジンバイオレット、イソインドリノン系;イソインドリ
ノンイエロ、スレン系;ペリレン、ペリノン、フラバン
トロン、チオインジゴ、レーキ顔料(マラカイトグリー
ン、ローダミンB、ローダミンG、ビクトリアブルー
B)又無機顔料(酸化物、二酸化チタン、ベンガラ、硫
酸塩;沈降性硫酸バリウム、炭酸塩;沈降性炭酸カルシ
ウム、硅酸塩;含水硅酸塩、無水硅酸塩、金属粉;アル
ミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛末、カーボンブラック、
黄鉛、紺青等が挙げられる。
【0055】染料としては、公知の種々の染料を用いる
ことができる。油溶性染料としてはアントラキノン系化
合物、アゾ系化合物などが挙げられる。水不溶性染料の
具体例としては、C.I.Vatヴァイオレット1、
C.I.Vatヴァイオレット2、C.I.Vatヴァ
イオレット9、C.I.Vatヴァイオレット13,
C.I.Vatヴァイオレット21、C.I.Vatブ
ルー1、C.I.Vatブルー3、C.I.Vatブル
ー4、C.I.Vatブルー6、C.I.Vatブルー
14、C.I.Vatブルー20、C.I.Vatブル
ー35等の建染染料、C.I.ディスパーズヴァイオレ
ット1、C.I.ディスパーズヴァイオレット4、C.
I.ディスパーズヴァイオレット10、C.I.ディス
パーズブルー3、C.I.ディスパーズブルー7、C.
I.ディスパーズブルー58等の分散染料、C.I.ソ
ルベントヴァイオレット13、C.I.ソルベントヴァ
イオレット14、C.I.ソルベントヴァイオレット2
1、C.I.ソルベントヴァイオレット27、C.I.
ソルベントブルー11、C.I.ソルベントブルー1
2、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベン
トブルー55等の油溶性染料がある。また、銀塩写真に
用いられているカラードカプラーも好ましく用いること
ができる。
【0056】2)その他の添加剤 本発明のカラー電子写真用受像材料には、出力画像の安
定性改良、また受像層自身の安定性改良のため各種添加
剤を用いることができる。この目的のための添加剤とし
ては、種々の公知の酸化防止剤、老化防止剤、劣化防止
剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防腐
剤、防かび剤などが用いられる。
【0057】酸化防止剤としては、クロマン化合物、ク
マラン化合物、フェノール化合物(例、ヒンダードフェ
ノール)、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘
導体、スピロインダン化合物が含まれる。酸化防止剤に
ついては、特開昭61−159644号公報に記載され
ている。また、老化防止剤として「便覧 ゴム・プラス
チック配合薬品 改訂第2版」(1993年、ラバーダ
イジェスト社)p76〜121に記載のものが挙げられ
る。
【0058】紫外線吸収剤の例には、ベンゾトリアゾー
ル化合物(米国特許第3533794号明細書記載)、
4−チアゾリドン化合物(米国特許第3352681号
明細書記載)、ベンゾフェノン化合物(特開昭46−2
784号公報記載)及び紫外線吸収ポリマー(特開昭6
2−260152号公報記載)が含まれる。
【0059】金属錯体については、米国特許第4241
155号明細書、同第4245018号明細書、同第4
254195号明細書、特開昭61−88256号公
報、同62−174741号公報、同63−19924
8号公報、特開平1−75568号公報、同1−742
72号公報に記載されている。また、「便覧 ゴム・プ
ラスチック配合薬品 改訂第2版」(1993年、ラバ
ーダイジェスト社)p122〜137に記載の紫外線吸
収剤、光安定剤も好ましく用いられる。
【0060】本発明のカラー電子写真用受像材料には、
その他写真用添加剤として公知のものを用いることがで
きる。例えば写真用添加剤としては、リサーチ・ディス
クロージャー誌(以下RDと略記)No.17643
(1978年12月)、同No.18716(1979
年11月)および同No.307105(1989年1
1月)に記載されており、その該当箇所を下記にまとめ
る。
【0061】
【表1】
【0062】受像材料の物性 本発明のカラー電子写真用受像材料のトナー画像形成面
は、白色度が高い方が好ましい。白色度としてはCIE
1976(L***)色空間においてL*値が80以
上であることが好ましく、より好ましくは85以上、さ
らに好ましくは90以上である。また、白色の色味はで
きるだけニュートラルであることが好ましい。白色色味
としてはL***空間において(a*2+(b*2
値が、50以下が好ましく、より好ましくは18以下、
さらに好ましくは5以下である。また、本発明のカラー
電子写真用受像材料のトナー画像形成面は、JIS P
8123に規定される方法で測定した白色度が85%以
上であることが好ましい。さらに、440nm〜640
nmの波長域で分光反射率が85%以上、かつ同波長域
の最大分光反射率と最低分光反射率の差が5%以内であ
ることが好ましい。さらには、400nm〜700nm
の波長域で分光反射率が85%以上、かつ同波長域の最
大分光反射率と最低分光反射率の差が5%以内であるこ
とがより好ましい。
【0063】また、本発明に用いられる電子写真用受像
材料は、不透明度がJIS P 8138に規定される
方法で測定し85%以上が好ましく、90%以上がより
好ましい。
【0064】また、本発明のカラー電子写真用受像材料
のトナー画像形成面は光沢性が高い方が好ましい。光沢
度としては、トナーが無い白色から最大濃度の黒色まで
の全領域において、45度光沢度が60以上であること
が好ましく、より好ましくは75以上、さらに好ましく
は90以上である。ただし、光沢度は110以下である
ことが好ましい。110を超えると金属光沢のようにな
り画質として好ましくない。光沢度は、JIS Z 8
741に基づいて測定することができる。
【0065】また、本発明のカラー電子写真用受像材料
のトナー画像形成面は、平滑性が高い方が好ましい。平
滑度としては、トナーが無い白色から最大濃度の黒色ま
での全領域において、算術平均粗さ(Ra)は3μm以
下であることが好ましく、より好ましくは1μm以下、
さらに好ましくは0.5μm以下である。算術平均粗さ
は、JIS B 0601、B 0651、B 065
2に基づいて測定することができる。
【0066】カラー電子写真用トナー 本発明のカラー電子写真用受像材料に画像形成するため
に用いるトナーは、着色剤と結着樹脂とを主成分として
構成される。本発明において、結着樹脂に含有させる着
色剤としては、周知のものならば何如なるものでも使用
することができる。例えば、カーボンブラック、アニリ
ンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルト
ラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエ
ロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブル
ー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラッ
ク、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド4
8:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.
ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イ
エロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.
I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・
ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3
を代表的なものとして例示することができる。着色剤の
含有量は、2重量%〜8重量%の範囲が好ましい。着色
剤の含有量が2重量%より少ないと着色力が弱くなり、
8重量%より多いとカラートナーの透明性が悪化する。
【0067】本発明に用いられる結着樹脂としては、ス
チレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン
類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニ
ル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪
族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、
ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニ
ルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケ
トン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類
などの単独重合体および共重合体を例示することができ
る。特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン樹
脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸アルキル
共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂をあげることが
できる。さらに、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シ
リコーン樹脂、ポリアミド樹脂、変性ロジン、パラフィ
ン類、ワックス類等を挙げることができる。これらの樹
脂の中でも、特に上記カラー電子写真用受像材料におけ
るトナー受像層に用いたものと同一系統のポリエステル
樹脂を用いるのが好ましい。
【0068】本発明に用いられる結着樹脂は、前述の電
子写真用受像材料におけるトナー受像層に用いた樹脂の
好ましい物性と同様の物性が好ましいが、受像層樹脂物
性との関係は前述の通りである。本発明に用いられる結
着樹脂は、150℃において角周波数10rad/se
cで測定した貯蔵弾性率が10〜300Paであるもの
が好ましい。本発明に用いられる結着樹脂は、特開平8
−305067号公報等に開示されているようなシャー
プメルト性を有することが好ましい。
【0069】本発明で用いるトナーは、上記着色剤と結
着樹脂とを主成分として構成されるが、その平均粒径は
3〜15μmの範囲、特に4〜8μmの範囲にあるもの
が好ましく使用される。また、トナー自体の150℃に
おける貯蔵弾性率G′(角周波数10rad/secで
測定)は、10〜200Paの範囲にあるのが好まし
い。
【0070】また、本発明で用いるトナーには、外添剤
を添加してもよい。外添剤としては無機化合物微粉末お
よび有機化合物微粒子が使用される。無機化合物微粒子
は、SiO2、TiO2、Al23、CuO、ZnO、S
nO2、Fe23、MgO、BaO、CaO、K2O、N
2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(Ti
2)n、Al23・2SiO2、CaCO3、MgC
3、BaSO4、MgSO4等を例示することができ
る。また、有機化合物微粒子は、脂肪酸またはその誘導
体、これ等の金属塩等の微粉末、フッ素系樹脂、ポリエ
チレン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂微粉末を用いること
ができる。
【0071】画像形成装置および方法 本発明のカラー電子写真用受像材料に画像を形成する方
法は、特に制限されない。通常の電子写真法であれば、
いずれも適用することができる。また、形成される画像
の種類も特に制限されない。本発明のカラー電子写真用
受像材料は、カラー画像のみならず白黒画像を形成する
ためにも使用することができる。好ましいのは、カラー
画像を形成する場合である。カラー画像の形成は、フル
カラー画像を形成し得る電子写真装置を用いて行うこと
ができる。通常の電子写真装置は受像材料搬送系と、潜
像形成部と、潜像形成部に近接して配設されている現像
部があり、機種によっては、装置本体の中央に潜像形成
部と受像材料搬送系に近接してトナー像中間転写部を有
している。
【0072】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、
処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限
り適宜変更することができる。したがって、本発明の範
囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきも
のではない。
【0073】(実施例1)坪量150g/m2の原紙の
両面に、樹脂層として密度0.95、融点130℃の高
密度ポリエチレンを受像面側が13μm、バック面側が
15μmとなるようにラミネートした。更に高密度ポリ
エチレンからなる樹脂層の上に下記中間層用組成物を厚
み0.2μmとなるように両面共に塗工し、次に受像面
に受像層として下記トナー受像層用組成物を表2の塗工
量になるように厚みを変えて塗工した。更にバック面に
下記組成のバック層用組成物を厚み2μmとなるように
塗工して、シート状のカラー電子写真用受像材料を作成
した。このとき、バック層用組成物中の添加剤の種類と
量を表2に示すように変えて各受像材料を作成した。
【0074】 <中間層用組成物> ゼラチン 50g サリチル酸 50g 水 1000g メタノール 1500g <トナー受像層用組成物> ポリエステル樹脂(タフトーンU−5 花王製) 100g 二酸化チタン(タイペークTMA−220、石原産業製) 17g (C65O)3P=O 10g 色調節剤(イエロー、マゼンタ、シアン染料の混合物) 0.05g 蛍光増白剤 0.6g メチルエチルケトン 180g <バック層用組成物> バイロナールMD1200(東洋紡製) 100g 添加剤(表2に記載される化合物A〜Dのいずれか) (表2参照) エポスターL15(日本触媒製) 30g 水 450g
【0075】バック層用組成物に添加剤として用いた化
合物A〜Dは以下のとおりである。 化合物A C1225O(CH2CH2O)10H 化合物B C1633O(CH2CH2O)10H 化合物C C919−C64O(CH2CH2O)8.5H 化合物D 酸化亜鉛で表面処理されたアンチモンドープ
型針状酸化チタン
【0076】次に作成した各カラー電子写真用受像材料
をA4に裁断し、25℃相対湿度50%の環境下で、カ
ラーレーザープリンター(富士ゼロックス製、Docu
color 1250)に予めスキャナーで取り込んで
おいた写真画像をプリントアウトした。プリントされた
受像材料のトナー黒部とトナー量で1/2となるグレー
部の光沢を、光沢度計を用いて測定した(45度濃度の
光沢度)。黒部とグレー部の光沢度の差(△グロス)を
計算して評価した。また、アースをとったアルミプレー
ト上に各受像材料をおいて、表面及び裏面の表面電位を
測定してプリント後の残留帯電を評価した。さらに、2
8℃相対湿度85%の環境下および10℃相対湿度15
%の環境下にてそれぞれ1日放置後、上と同様にプリン
トして転写状態を以下の基準で評価した。 〇 問題なし △ 黒部分が若干青味がかった色彩になる。または2次
色部のトナーが薄くなる × 全体に青味がかる。またはスポット上のトナーの転
写不良がある結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】表2から明らかなように、受像層の塗工量
が3g/m2より少ないと△グロスが大きく、30g/
2を超えると転写不良が生じる。受像層の塗工量が本
発明の範囲内である場合は光沢が良好であるが、バック
面にノニオン系界面活性剤を使用していない場合は、環
境によって転写不良が発生することがわかる。また、ノ
ニオン系界面活性剤以外の帯電制御剤を使用した場合
は、プリント後の残留帯電は少ないが環境によって同様
の転写不良が発生することがわかる。一方、本発明の構
成に従えば、△グロスが良好でかつ環境によらず転写性
能は一定しており、同時にプリント後の残留帯電が少な
く良好であることがわかる。
【0079】(実施例2)実施例1のトナー受像層の塗
工量を8g/m2とし、バック面のノニオン系界面活性
剤を0.1g/m2使用し、バック面の表面抵抗を表2
のように調節したこと以外は実施例1と同様にしてカラ
ー電子写真用受像材料を作成した。バック面の表面抵抗
は、バック面にカチオン系界面活性剤あるいは酸化亜鉛
で表面処理したアンチモンドープ型の針状二酸化チタン
を添加することにより調節した(試料番号201は未調
節)。作成した各受像材料について、実施例1と同様に
転写状況、プリント後の表面電位を測定した。結果を表
3に示す。
【0080】
【表3】
【0081】表3から明らかなように、すべての受像材
料について、プリント後の残留帯電は小さかった。ま
た、バック面の表面抵抗が1013Ω/cm以上である方
が、環境による転写不良を起こしにくいことがわかる。
【0082】(実施例3)実施例1のトナー受像層の塗
工量を8g/m2とし、バック面におけるノニオン系界
面活性剤(100mg/m2)の有無、マット剤の粒径
及び添加量を表4のように変化させてシート状のカラー
電子写真用受像材料を作成した。作成した受像材料を1
00枚重ね、40℃にて1週間放置した後のシート間の
接着状態を以下の基準で評価した。 〇 シートに接着跡なし △ シートに接着跡が薄く見える × シートに接着跡がはっきり見えるか、シート同士が
接着している さらに、プリント後のバック面にボールペンで筆記して
以下の基準で筆記性を評価した。 〇 良好 × 不良 結果を表4に示す。
【0083】
【表4】
【0084】表4から明らかなように、バック層のマッ
ト剤の粒径が8μm〜30μmであり、添加量が0.6
g/m2〜10g/m2である場合は、接着性及び筆記性
が良好である。ノニオン性界面活性剤を用いないときは
マット剤の粒径にかかわらず転写性が劣るが、マット剤
の粒径が30μm以下であればノニオン性界面活性剤を
添加することにより転写性が改善される(No.304
の20μm)ことがわかる。
【0085】
【発明の効果】本発明のカラー電子写真用受像材料は、
光沢のトナー量依存性が小さく、かつ転写性が良好で色
再現性に優れ、画像欠陥が発生し難い写真ライクな画像
を得ることができる。また、本発明のカラー電子写真用
受像材料は、プリント後のシート接着が少なく、ハンド
リング適性に優れ、両面印画の適性に優れている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙の両面に樹脂層を有する支持体の一
    方の面上に、熱可塑性樹脂を含有するトナー受像層が3
    g/m2〜30g/m2で形成され、該支持体の他方の面
    上に、少なくとも1種のノニオン系界面活性剤を含有す
    るバック層が形成されていることを特徴とするカラー電
    子写真用受像材料。
  2. 【請求項2】 前記バック層に含まれるノニオン系界面
    活性剤の量が0.005〜0.5g/m2であり、25
    ℃相対湿度50%の環境下におけるバック面の表面抵抗
    が1013〜1016Ω/cmであることを特徴とする請求
    項1のカラー電子写真用受像材料。
  3. 【請求項3】 前記バック層に平均粒径が8μm〜30
    μmの微粒子が0.6g/m2〜10g/m2含まれるこ
    とを特徴とする請求項1または2のカラー電子写真用受
    像材料。
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