JP2001330923A - 熱現像感光材料および画像形成方法 - Google Patents

熱現像感光材料および画像形成方法

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JP2001330923A
JP2001330923A JP2000132181A JP2000132181A JP2001330923A JP 2001330923 A JP2001330923 A JP 2001330923A JP 2000132181 A JP2000132181 A JP 2000132181A JP 2000132181 A JP2000132181 A JP 2000132181A JP 2001330923 A JP2001330923 A JP 2001330923A
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JP2000132181A
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Toyohisa Oya
豊尚 大屋
Kazunobu Kato
和信 加藤
Shigeo Hirano
茂夫 平野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 モノシート型の熱現像感光材料においても、
感度、カブリなどの写真性能が良好で、かつ、任意の波
長領域の感光材料色調を調節することが可能な、新規な
熱現像感光材料を提供すること。 【解決手段】 支持体の同一面上に、少なくとも(a)
感光性ハロゲン化銀、(b)還元可能な銀塩、(c)下
記一般式(1)または(2)で表される還元性化合物、
(d)バインダーおよび(e)カプラー化合物を有する
ことを特徴とする熱現像感光材料。 【化1】 (一般式(1)において、V1〜V4はそれぞれ独立に水
素原子または置換基を表し、V5は置換もしくは無置換
のアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。) 【化2】 (一般式(2)において、Q1は炭素原子でNHNH−
6と結合する5〜7員の不飽和環を表し、V6はカルバ
モイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、スルホニル基またはスルファモ
イル基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像感光材料に関
し、特に、熱現像により色素画像を形成させることによ
り、画像の色調を調節したり銀使用量を削減することが
可能な、新規な熱現像感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】熱現像により画像を形成する方法は、例
えば米国特許第3,152,904号明細書、同第3,
457,075号明細書、およびD.クロスタボーア
(Klosterboer)著「熱によって処理される
銀システム(ThermallyProcessed
Silver Systems)」(イメージング・プ
ロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging
Processesand Materials)N
eblette 第8版、J.スタージ(Sturg
e)、V.ウォールワーズ(Walworth)、A.
シェップ(Shepp)編集、第9章、第279頁、1
989年)に記載されている。このような熱現像感光材
料は、還元可能な非感光性の銀源(例えば有機銀塩)、
触媒活性量の光触媒(例えばハロゲン化銀)、および銀
の還元剤を通常有機バインダーマトリックス中に分散し
た状態で含有する。感光材料は常温で安定であるが、露
光後に高温(例えば、80℃以上)に加熱したときに、
還元可能な銀源(酸化剤として機能する)と還元剤との
間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元
反応は露光により形成された潜像の触媒作用によって促
進される。露光領域中の還元可能な銀塩の反応によって
生成した銀は黒色になり、非露光領域と対照をなすこと
から画像の形成がなされる。
【0003】また、熱現像により画像状に拡散性の色素
を放出または形成させ、この拡散性の色素を受像材料に
転写する方法が提案されている。この方法では使用する
色素供与性化合物の種類または使用するハロゲン化銀の
種類を変えることにより、ネガの色素画像もポジの色素
画像も得ることができる。さらに詳しくは米国特許第
4,500,626号明細書、同4,483,914号
明細書、同4,503,137号明細書、同4,55
9,290号明細書、特開昭58−149046号公
報、同60−133449号公報、同59−21844
3号公報、同61−238056号公報、欧州特許公開
EP220746A2号公報、公開技報87−619
9、欧州特許公開EP210660A2号公報等に記載
されている。
【0004】熱現像でポジのカラー画像を得る方法につ
いては多くの方法が提案されている。例えば、米国特許
第4,559,290号明細書には、いわゆるDye
Releasing Redox化合物(以下DRR化
合物とも示す)を色素放出能力のない酸化型にした化合
物を還元剤またはその前駆体と共存させ、熱現像により
ハロゲン化銀の露光量に応じて還元剤を酸化させ、酸化
されずに残った還元剤により還元して拡散性色素を放出
させる方法が提案されている。また、欧州特許公開EP
220746A号公報、公開技報87−6199(第1
2巻22号)には、同様の機構で拡散性色素を放出する
化合物として、N−X結合(Xは酸素原子、窒素原子ま
たは硫黄原子を表す)の還元的な開裂によって拡散性色
素を放出する化合物を用いる熱現像カラー感光材料が記
載されている。
【0005】一方、写真感光材料用の色画像形成法とし
ては、カプラーと現像主薬酸化体のカップリング反応を
利用する方法が最も一般的であり、この方法を採用した
熱現像カラー感光材料が米国特許第3,761,270
号明細書、同第4,021,240号明細書、特開昭5
9−231539号公報、および同60−128438
号公報等に開示されており、これらの特許においてはp
−スルホンアミドフェノールが現像主薬として使用され
ている。カップリング方式による感光材料は、カプラー
が処理前は可視域に吸収を持たないので、前述のような
色材を使用した感光材料に比べて感度の点で有利であ
り、プリント材料のみならず撮影材料としても使用でき
るという利点があると考えられる。
【0006】これらの熱現像により色素画像を得る方法
は、感光層から受像層への熱転写、拡散転写あるいは昇
華型熱転写をさせる方式の熱現像感光材料に適してい
る。しかし、モノシート型の熱現像感光材料として色素
画像を得る場合には、画像形成温度、画像安定性、色調
の点で必ずしも適切な特性を有してはいない。
【0007】熱現像感光材料においては、「色調剤」と
呼ばれる化合物が、銀画像の像密度(画像濃度)、銀の
色調および熱現像性を改良する目的で、感光材料中に必
要により添加される。有機銀塩を利用した熱現像感光材
料においては広範囲の色調剤を使用することができる。
例えば、特開昭46−6077号公報、同47−102
82号公報、同49−5019号公報、同49−502
0号公報、同49−91215号公報、同49−912
15号公報、同50−2524号公報、同50−329
27号公報、同50−67132号公報、同50−67
641号公報、同50−114217号公報、同51−
3223号公報、同51−27923号公報、同52−
14788号公報、同52−99813号公報、同53
−1020号公報、同53−76020号公報、同54
−156524号公報、同54−156525号公報、
同61−183642号公報、特開平4−56848号
公報、特公昭49−10727号公報、同54−203
33号公報、米国特許第3,080,254号明細書、
同第3,446,648号明細書、同第3,782,9
41号明細書、同第4,123,282号明細書、同第
4,510,236号明細書、英国特許第1,380,
795号明細書、ベルギー特許第841,910号明細
書、特公平1−25050号公報などに開示されてい
る。
【0008】色調剤の具体例としては、フタルイミドお
よびN−ヒドロキシフタルイミド;スクシンイミド、ピ
ラゾリン−5−オン、ならびにキナゾリノン、3−フェ
ニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニルウラゾ
ール、キナゾリンおよび2,4−チアゾリジンジオンの
ような環状イミド;ナフタルイミド(例えば、N−ヒド
ロキシ−1,8−ナフタルイミド);コバルト錯体(例
えば、コバルトヘキサミントリフルオロアセテート);
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2,4−
ジメルカプトピリミジン、3−メルカプト−4,5−ジ
フェニル−1,2,4−トリアゾールおよび2,5−ジ
メルカプト−1,3,4−チアジアゾールに例示される
メルカプタン;N−(アミノメチル)アリールジカルボ
キシイミド、(例えば、(N,N−ジメチルアミノメチ
ル)フタルイミドおよびN,N−(ジメチルアミノメチ
ル)ナフタレン−2,3−ジカルボキシイミド);なら
びにブロック化ピラゾール、イソチウロニウム誘導体お
よびある種の光退色剤(例えば、N,N−ヘキサメチレ
ンビス(1−カルバモイル−3,5−ジメチルピラゾー
ル)、1,8−(3,6−ジアザオクタン)ビス(イソ
チウロニウムトリフルオロアセテート)および2−(ト
リブロモメチルスルホニル)−ベンゾチアゾール);な
らびに3−エチル−5[(3−エチル−2−ベンゾチア
ゾリニリデン)−1−メチルエチリデン]−2−チオ−
2,4−オキサゾリジンジオン;フタラジノン、フタラ
ジノン誘導体もしくは金属塩、または4−(1−ナフチ
ル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−
ジメトキシフタラジノンおよび2,3−ジヒドロ−1,
4−フタラジンジオンなどの誘導体;フタラジノンとフ
タル酸誘導体(例えば、フタル酸、4−メチルフタル
酸、4−ニトロフタル酸およびテトラクロロ無水フタル
酸、ホモフタル酸など)との組合せ;フタラジン、フタ
ラジン誘導体(例えば、4−(1−ナフチル)フタラジ
ン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシフタラ
ジン、6−イソプロピルフタラジン、6−イソブチルフ
タラジン、6−tert−ブチルフタラジン、5,7−
ジメチルフタラジン、および2,3−ジヒドロフタラジ
ンなどの誘導体)もしくは金属塩、;フタラジンおよび
その誘導体とフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4−
メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸およびテトラクロ
ロ無水フタル酸、ホモフタル酸など)との組合せ;キナ
ゾリンジオン、ベンゾオキサジンまたはナフトオキサジ
ン誘導体;色調調節剤としてだけでなくその場でハロゲ
ン化銀生成のためのハライドイオンの源としても機能す
るロジウム錯体、例えばヘキサクロロロジウム(III)
酸アンモニウム、臭化ロジウム、硝酸ロジウムおよびヘ
キサクロロロジウム(III)酸カリウムなど;無機過酸
化物および過硫酸塩、例えば、過酸化二硫化アンモニウ
ムおよび過酸化水素;1,3−ベンゾオキサジン−2,
4−ジオン、8−メチル−1,3−ベンゾオキサジン−
2,4−ジオンおよび6−ニトロ−1,3−ベンゾオキ
サジン−2,4−ジオンなどのベンゾオキサジン−2,
4−ジオン;ピリミジンおよび不斉トリアジン(例え
ば、2,4−ジヒドロキシピリミジン、2−ヒドロキシ
−4−アミノピリミジンなど)、アザウラシル、および
テトラアザペンタレン誘導体(例えば、3,6−ジメル
カプト−1,4−ジフェニル−1H,4H−2,3a,
5,6a−テトラアザペンタレン、および1,4−ジ
(o−クロロフェニル)−3,6−ジメルカプト−1
H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレ
ン)などがある。
【0009】これらの色調剤は、求められる性能(像密
度、銀色調、熱現像改良)、感光材料外への揮発性、昇
華性などの特性、被り防止剤などの他の添加剤と組み合
わせたときの感光材料の特性などの観点から探索が進め
られ、多数の色調剤が報告されている。なかでもフタラ
ジン類とフタル酸誘導体との組み合わせが優れているこ
とが知られている。しかしながら、特定の波長領域の感
光材料の色調を調節する目的でこれら色調剤を用いた場
合には、色調剤の種類・構造と得られる銀色調の関係
が、他の添加剤との組み合わせや感光材料の製造条件、
現像温度、時間の経過などのさまざまな要因によって容
易に変動する場合があり、熱現像感光材料を設計する上
での大きな課題となっていたことから、これを解決する
熱現像感光材料が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。
即ち、本発明が解決しようとする課題は、モノシート型
の熱現像感光材料においても、感度、カブリなどの写真
性能が良好で、かつ、任意の波長領域の感光材料色調を
調節することが可能な、新規な熱現像感光材料を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、特定の構造で表され
る還元性化合物と、カプラー化合物とを使用することに
よって、優れた性能を発揮する熱現像感光材料を提供し
うることを見出し本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明によれば、支持体の同一面上に、少なくとも
(a)感光性ハロゲン化銀、(b)還元可能な銀塩、
(c)下記一般式(1)または(2)で表される還元性
化合物、(d)バインダーおよび(e)カプラー化合物
を有することを特徴とする熱現像感光材料が提供され
る。
【化7】 (一般式(1)において、V1〜V4はそれぞれ独立に水
素原子または置換基を表し、V5は置換もしくは無置換
のアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。)
【化8】 (一般式(2)において、Q1は炭素原子でNHNH−
6と結合する5〜7員の不飽和環を表し、V6はカルバ
モイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、スルホニル基またはスルファモ
イル基を表す。)好ましくは、本発明の熱現像感光材料
は、(c)一般式(1)または(2)で表される還元性
化合物として、一般式(2)で表される還元性化合物を
有する。
【0012】好ましくは、本発明の熱現像感光材料は、
支持体の同一面上に、さらに(f)下記一般式(3)で
表される有機ポリハロゲン化合物を有する。
【化9】 (一般式(3)において、Q2は置換基を有していても
よいアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、
Yは2価の連結基を表し、nは0または1を表し、Z1
およびZ2はそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、Xは
水素原子または電子求引性基を表す。) 上記の熱現像感光材料において、好ましくは、前記カプ
ラー化合物は下記一般式(4)〜(16)で表されるい
ずれかの化合物である。
【化10】 (一般式(4)〜(16)において、X1〜X13はそれ
ぞれ独立に水素原子または置換基を表す。一般式(4)
において、R1およびR2はそれぞれ独立に電子吸引性基
を表す。一般式(5)〜(16)において、R3〜R25
はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
【0013】好ましくは、本発明の熱現像感光材料は、
支持体の同一面上に、さらに(g)下記一般式(17)
または(18)で表される化合物を有する。
【化11】 (一般式(17)において、V7〜V14はそれぞれ独立
に水素原子または置換基を表す。Lは−CH(V15)−
または−S−なる連結基を表し、V15は水素原子または
置換基を表す。)
【化12】 (一般式(18)において、V16〜V20はそれぞれ独立
に水素原子または置換基を表す。)
【0014】好ましくは、本発明の熱現像感光材料は、
支持体の同一面上に、さらに(f)上記一般式(3)で
表される化合物、および(g)上記一般式(17)また
は式(18)で表される化合物を含有する。上記の熱現
像感光材料において、好ましくは、カプラー化合物は上
記一般式(4)〜(16)で表されるいずれかの化合物
である。好ましくは、本発明の熱現像感光材料は、モノ
シート型感光材料である。さらに、本発明は、上記した
本発明の熱現像感光材料を熱現像することを特徴とす
る、画像形成方法を提供する。なお、本明細書におい
て、「〜」はその前後に記載される数値を最小値および
最大値として含む範囲である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の熱現像感光材料に
ついて詳細に説明する。本発明の熱現像感光材料は、支
持体の同一面上に、還元可能な銀塩である有機銀塩およ
びバインダーを含有する画像形成層を有し、この画像形
成層側に感光性ハロゲン化銀を含有する感光性ハロゲン
化銀乳剤層(感光性層)を有する。好ましくは、画像形
成層は感光性層である。そして、さらに画像形成層側の
層に還元性化合物を含有し、好ましくは超硬調化剤を含
有する超硬調感光材料である。このような熱現像感光材
料において、カプラー化合物を含有させることによっ
て、最高濃度(Dmax)および感度が低下したり、未
露光部のカブリ(Dmin)が増大させたりすることな
く、色調を調節することが可能な熱現像感光材料を得る
ことができる。
【0016】本発明の熱現像感光材料は、支持体上、感
光性ハロゲン化銀および還元可能な銀塩と同一の面に、
上記一般式(1)または(2)で表される還元性化合物
を有する。一般式(1)で表される還元性化合物は、ス
ルホンアミドフェノールと総称される現像主薬である。
式中、V1〜V4はそれぞれ独立に水素原子または置換基
を表す。V1〜V4の好ましい例としては、水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド
基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミ
ド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シ
アノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、ア
リールスルホニル基、およびアシルオキシ基を挙げるこ
とができる。V1〜V4の中で、V2およびV4は好ましく
は水素原子である。また、V1〜V4のハメットのσP
の合計は、好ましくは0以上であり、さらに好ましくは
0.2以上である。上限としては好ましくは1.2であ
り、さらに好ましくは0.8である。V1〜V4で表され
る基が置換可能な基である場合、さらに置換基を有して
もよく、好ましい置換基の例はV1〜V4として挙げたも
のと同じである。
【0017】V5は置換もしくは無置換のアルキル基、
アリール基またはヘテロ環基を表す。なかでも、V5
アリール基であることが好ましく、より好ましくは、置
換基を有するアリール基である。アリール基の好ましい
置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール
基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、ア
リールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルバモイル
基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、およびアシル基を挙げる
ことができる。これらの置換基が置換可能な基である場
合、さらに置換基を有してもよく、好ましい置換基の例
はV1〜V4として挙げたものと同じである。また、これ
らの置換基は互いに結合して環を形成していてもよい。
5は、−NHSO2−が結合している炭素原子のオルト
位に少なくとも一つの置換基を有するアリール基である
ことがさらに好ましい。
【0018】一般式(1)で表される化合物は、バラス
ト基を有していてもよい。ここでいうバラスト基とは疎
水性基を表し、炭素数8〜80、好ましくは10〜40
の疎水性部分構造を含む基である。以下に、一般式
(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明に用
いられる化合物はこれらの具体例によって限定されるも
のではない。
【0019】
【化13】
【0020】
【化14】
【0021】
【化15】
【0022】
【化16】
【0023】
【化17】
【0024】一般式(1)で表される化合物は、特開平
9−146248号公報等に記載された公知の方法によ
って合成することができる。
【0025】一般式(2)で表される還元性化合物は、
ヒドラジン系現像主薬と総称される現像主薬である。式
中、Q1は炭素原子でNHNH−V6と結合する5〜7員
の不飽和環を表し、V6はカルバモイル基、アシル基、
アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
基、スルホニル基またはスルファモイル基を表す。Q1
で表される5〜7員の不飽和環の好ましい例としては、
ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、
ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環、1,3,5
−トリアジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾ
ール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−ト
リアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジア
ゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5
−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール
環、1,2,4−オキサジアゾール環、1,2,5−オ
キサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イ
ソチアゾール環、イソオキサゾール環、チオフェン環な
どが挙げられ、これらの環が互いに縮合した縮合環も好
ましい。これらの環は、前記のアリール基の好ましい置
換基として挙げた基を有していてもよく、2個以上の置
換基を有する場合には、それらの置換基は同一であって
も異なっていてもよい。
【0026】V6で表されるカルバモイル基は、好まし
くは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40で
あり、例えば、無置換カルバモイル、メチルカルバモイ
ル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイ
ル、N−sec−ブチルカルバモイル、N−オクチルカ
ルバモイル、N−シクロヘキシルカルバモイル、N−t
ert−ブチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイ
ル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)カルバモイ
ル、N−オクタデシルカルバモイル、N−{3−(2,
4−tert−ペンチルフェノキシ)プロピル}カルバ
モイル、N−(2−ヘキシルデシル)カルバモイル、N
−フェニルカルバモイル、N−(4−ドデシルオキシフ
ェニル)カルバモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシ
ルオキシカルボニルフェニル)カルバモイル、N−ナフ
チルカルバモイル、N−3−ピリジルカルバモイル、N
−ベンジルカルバモイル)が挙げられる。
【0027】V6で表されるアシル基は、好ましくは炭
素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40であり、
例えば、ホルミル、アセチル、2−メチルプロパノイ
ル、シクロヘキシルカルボニル、オクタノイル、2−ヘ
キシルデカノイル、ドデカノイル、クロロアセチル、ト
リフルオロアセチル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシ
ベンゾイル、2−ヒドロキシメチルベンゾイルが挙げら
れる。V6で表されるアルコキシカルボニル基は、好ま
しくは炭素数2〜50、より好ましくは炭素数6〜40
であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル、イソブチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオ
キシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、ベンジル
オキシカルボニルが挙げられる。
【0028】V6で表されるアリールオキシカルボニル
基は、好ましくは炭素数6〜50、より好ましくは炭素
数6〜40であり、例えば、フェノキシカルボニル、4
−オクチルオキシフェノキシカルボニル、2−ヒドロキ
シメチルフェノキシカルボニル、4−ドデシルオキシフ
ェノキシカルボニルが挙げられる。V6で表されるスル
ホニル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましく
は炭素数6〜40であり、例えば、メチルスルホニル、
ブチルスルホニル、オクチルスルホニル、2−ヘキサデ
シルスルホニル、3−ドデシルオキシプロピルスルホニ
ル、2−オクチルオキシ−5−tert−オクチルフェ
ニルスルホニル、4−ドデシルオキシフェニルスルホニ
ルが挙げられる。
【0029】V6で表されるスルファモイル基は、好ま
しくは炭素数0〜50、より好ましくは炭素数6〜40
であり、例えば、無置換スルファモイル、N−エチルス
ルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファ
モイル、N−デシルスルファモイル、N−ヘキサデシル
スルファモイル、N−{3−(2−エチルヘキシルオキ
シ)プロピル}スルファモイル、N−(2−クロロ−5
−ドデシルオキシカルボニルフェニル)スルファモイ
ル、N−(2−テトラデシルオキシフェニル)スルファ
モイルが挙げられる。V6で表される基は、さらに、置
換可能な位置に前記のV5で表される置換アリール基の
好ましい置換基として挙げた基を有していてもよく、2
個以上の置換基を有する場合には、それ等の置換基は同
一であっても異なっていてもよい。
【0030】次に、式(2)で表される化合物の好まし
い範囲について述べる。一般式(2)で表される化合物
の中でも、Q1が5または6員の不飽和環であるものが
好ましく、より好ましくは、Q1は、ベンゼン環、ピリ
ミジン環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−
トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジ
アゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,
4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾー
ル環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール
環、イソオキサゾール環であり、またはこれらの環がベ
ンゼン環もしくは不飽和ヘテロ環と縮合した環が更に好
ましい。また、V6はカルバモイル基であるものが好ま
しく、特に好ましくは、V6は窒素原子上に水素原子を
有するカルバモイル基である。以下に、一般式(2)で
表される化合物の具体例を示すが、本発明に用いられる
化合物はこれらの具体例によって限定されるものではな
い。
【0031】
【化18】
【0032】
【化19】
【0033】
【化20】
【0034】
【化21】
【0035】
【化22】
【0036】
【化23】
【0037】
【化24】
【0038】
【化25】
【0039】
【化26】
【0040】一般式(2)で表される化合物の合成は、
特開平9−152702号公報、同8−286340号
公報、同9−152700号公報、同9−152701
号公報、同9−152703号公報、および同9−15
2704号公報等に記載の方法に従って実施することが
できる。一般式(1)または(2)で表される還元性化
合物の添加量は範囲が広いが、好ましくはカプラー化合
物に対して0.01〜100モル倍が好ましく、さらに
好ましくは0.1〜10モル倍である。一般式(1)ま
たは(2)で表される還元性化合物は、溶液、粉末、固
体微粒子分散物、乳化物、オイルプロテクト分散物など
いかなる方法で塗布液に添加してもよい。固体微粒子分
散は公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動ボー
ルミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ロ
ーラーミルなど)で行われる。また、固体微粒子分散す
る際に分散助剤を用いてもよい。
【0041】本発明の熱現像感光材料は、支持体上、感
光性ハロゲン化銀および還元可能な銀塩と同一の面に、
カプラー化合物を有する。本発明に用いるカプラー化合
物としては、写真業界で公知の2当量または4当量カプ
ラーが使用できる。写真用カプラーの例としては、古舘
信生著の「コンベンショナルカラー写真用有機化合物」
(有機合成化学協会誌、第41巻、439頁、1983
年)に説明されている機能を有するカプラーを使用する
ことができる。中でも、上記一般式(4)〜(16)で
表される化合物のいずれかを使用することが好ましい。
【0042】一般式(4)〜(16)において、X1
13はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。X
1〜X13で表される置換基の例としては、ハロゲン原子
(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好
ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜12であり、
例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチル
等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より
好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜8であり、
例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、アリール
オキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは
6〜16、さらに好ましくは6〜12であり、例えば、
フェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等)、アルキルチ
オ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜
16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メチ
ルチオ、エチルチオ、ブチルチオ等)、アリールチオ基
(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは6〜1
6、さらに好ましくは6〜12であり、例えば、フェニ
ルチオ、ナフチルチオ等)、アシルオキシ基(好ましく
は炭素数1〜20、より好ましくは2〜16、さらに好
ましくは2〜10であり、例えば、アセトキシ、ベンゾ
イルオキシ等)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ま
しくは炭素数2〜32、より好ましくは3〜23であ
り、例えば、エトキシカルボニルオキシ、ドデシルオキ
シカルボニルオキシ、ヘキサデシルオキシカルボニルオ
キシ、2−ヘキシルデシルオキシカルボニルオキシ
等)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜3
2、より好ましくは3〜23であり、例えば、N,N−
ジメチルカルバモイルオキシ、N−メチル−N−オクタ
デシルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキ
シ等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、
より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜10で
あり、例えば、N−メチルアセチルアミノ、ベンゾイル
アミノ等)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1
〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1
〜12であり、例えば、メタンスルホニルアミノ、ベン
ゼンスルホニルアミノ等)、カルバモイル基(好ましく
は炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好
ましくは1〜12であり、例えば、カルバモイル、N,
N−ジエチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル
等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ま
しくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例
えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル
等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜
20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜
12であり、例えば、メトキシカルボニル等)、スルホ
基、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好
ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、
例えば、メシル、トシル等)、スルホニルオキシ基(好
ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さ
らに好ましくは1〜12であり、例えば、メタンスルホ
ニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ等)、アゾ基、
ヘテロ環基、ヘテロ環メルカプト基、シアノ基等が挙げ
られる。ここでいうヘテロ環基とは、飽和もしくは不飽
和のヘテロ環基を表し、例えばピリジル基、キノリル
基、キノキサリニル基、ピラジニル基、ベンゾトリアゾ
リル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンツイミダ
ゾリル基、テトラゾリル基、ヒダントイン−1−イル
基、スクシンイミド基、フタルイミド基等が挙げられ
る。
【0043】X1〜X13で表される置換基としては、上
記の中でも写真用2当量カプラーの離脱基として公知の
ものが好ましく、例えば水素原子、ハロゲン原子、アル
コキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、窒素原子で結合するヘテロ環基、ヘテロ環メ
ルカプト基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオ
キシ基、カルバモイルオキシ基等が挙げられるが、特に
好ましくはハロゲン原子である。X1〜X13で表される
置換基はさらに別の置換基で置換されていてもよく、写
真性能を悪化させないものであれば一般に知られている
どのような置換基でもよい。
【0044】一般式(4)において、R1およびR2はそ
れぞれ独立に電子吸引性基を表す。ここでいう電子吸引
性基とは、ハメットの置換基定数σpが正の値を取りう
る置換基のことであり、具体的には、シアノ基、アルコ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カル
バモイル基、イミノ基、チオカルボニル基、アルキルス
ルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、ハロゲ
ン原子、アシル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ホスホ
リル基、カルボキシ基(またはその塩)、スルホ基(ま
たはその塩)、ヘテロ環基等を表す。ヘテロ環基は飽和
もしくは不飽和のヘテロ環基であり、例えばピリジル
基、キノリル基、キノキサリニル基、ピラジニル基、ベ
ンゾトリアゾリル基、イミダゾリル基、ベンツイミダゾ
リル基、ヒダントイン−1−イル基、スクシンイミド
基、フタルイミド基、インドリニル等が挙げられる。一
般式(4)における、R1およびR2で表される電子吸引
性基の炭素数は30以下であることが好ましく、さらに
好ましくは20以下である。
【0045】R1およびR2は、好ましくは、シアノ基、
アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
基、カルバモイル基、イミノ基、アシル基、ベンゾイル
基、ヘテロ環基である。R1およびR2は同一でも異なっ
ていてもよく、互いに結合して飽和または不飽和の炭素
環または複素環を形成してもよい。
【0046】一般式(5)〜(16)において、R3
25はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R
3〜R25で表される置換基としては、写真性へ悪影響の
ないものであればどのような置換基を用いてもよい。例
えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子)、直鎖、分岐、環状又はそれら
の組み合わせのアルキル基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜1
3であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イ
ソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、ter
t−オクチル、n−アミル、tert−アミル、n−ド
デシル、n−トリデシル、シクロヘキシル等)、アルケ
ニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2
〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、ビ
ニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等)、ア
リール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは
6〜20、さらに好ましくは6〜12であり、例えば、
フェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等)、アルコ
キシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1
〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、アリー
ルオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましく
は6〜20、さらに好ましくは6〜12であり、例え
ば、フェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等)、アシル
オキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは
2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、
アセトキシ、ベンゾイルオキシ等)、アミノ基(好まし
くは炭素数0〜20、より好ましくは1〜16、さらに
好ましくは1〜12であり、例えば、ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、アニリノ基
等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、よ
り好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜13であ
り、例えば、アセチルアミノ、トリデカノイルアミノ、
ベンゾイルアミノ等)、スルホニルアミノ基(好ましく
は炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好
ましくは1〜12であり、例えば、メタンスルホニルア
ミノ、ブタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルア
ミノ等)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、よ
り好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であ
り、例えば、ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレ
イド等)、カルバメート基(好ましくは炭素数2〜2
0、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜1
2であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ、フェニ
ルオキシカルボニルアミノ等)、カルボキシル基、カル
バモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましく
は1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例え
ば、カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N
−ドデシルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル
等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜
20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜
12であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカ
ルボニル、ブトキシカルボニル等)、アシル基(好まし
くは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに
好ましくは2〜12であり、例えば、アセチル、ベンゾ
イル、ホルミル、ピバロイル等)、スルホ基、スルホニ
ル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜
16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メシ
ル、トシル等)、スルファモイル基(好ましくは炭素数
0〜20、より好ましくは0〜16、さらに好ましくは
0〜12であり、例えば、スルファモイル、メチルスル
ファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルフ
ァモイル等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、
メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜
20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜
12であり、例えば、メチルチオ、ブチルチオ等)、ヘ
テロ環基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは
2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、
ピリジル、イミダゾイル、ピロリジル等)等が挙げられ
る。これらの置換基はさらに他の置換基で置換されてい
てもよい。
【0047】R3〜R25で表される置換基として好まし
いものは、上記の中でも、ハロゲン原子、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル
オキシ基、アニリノ基、アシルアミノ基、スルホニルア
ミノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基、
スルホ基、スルホニル基、スルファモイル基、シアノ
基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルキルチオ基、
ヘテロ環基である。
【0048】カプラー化合物として好ましく用いられる
一般式(4)〜(16)の化合物の中でも、一般式
(4)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、
(14)および(16)で表される化合物がさらに好ま
しく、一般式(6)、(7)、(8)および(9)で表
される化合物が特に好ましい。以下に、一般式(4)〜
(16)で表されるの化合物の具体例を挙げるが、本発
明に用いられるカプラー化合物はこれらの具体例に限定
されるものではない。
【0049】
【化27】
【0050】
【化28】
【0051】
【化29】
【0052】
【化30】
【0053】
【化31】
【0054】
【化32】
【0055】
【化33】
【0056】
【化34】
【0057】
【化35】
【0058】
【化36】
【0059】
【化37】
【0060】
【化38】
【0061】
【化39】
【0062】
【化40】
【0063】
【化41】
【0064】
【化42】
【0065】
【化43】
【0066】
【化44】
【0067】本発明に好ましく用いられる、一般式
(4)〜(16)で表されるカプラー化合物は写真業界
で公知の方法によって容易に合成することが出来る。本
発明に用いるカプラー化合物の添加量は、銀1モル当た
り0.2〜200ミリモルが好ましく、より好ましくは
0.3〜100ミリモルであり、さらに好ましくは0.
5〜30ミリモルである。カプラー化合物は1種のみを
用いても2種以上を併用してもよい。
【0068】また、本発明に用いることができるカプラ
ー化合物を撮影材料に用いる場合には、カプラーの添加
量は、銀1モルあたり0.5〜1ミリモル、好ましく
は、0.2〜10ミリモルで使用される。また、本発明
には以下のような機能性カプラーを使用してもよい。発
色色素が適度な拡散性を有するカプラーとしては、米国
特許第4,366,237号明細書、英国特許第2,1
25,570号明細書、欧州特許公開EP96,873
B号公報、ドイツ特許第3,234,533号明細書に
記載のものが好ましい。発色色素の不要な吸収を補正す
るためのカプラーとしては、欧州特許公開EP456,
257A1号公報に記載のイエローカラードシアンカプ
ラー、該欧州特許公開公報に記載のイエローカラードマ
ゼンタカプラー、米国特許第4,833,069号明細
書に記載のマゼンタカラードシアンカプラー、米国特許
第4,837,136号明細書の(2) 、国際公開W
O92/11575号公報のクレーム1の式(A)で表
わされる無色のマスキングカプラー(特に36−45頁
の例示化合物)が挙げられる。
【0069】現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な
化合物残査を放出する化合物(カプラーを含む)として
は、以下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:
欧州特許公開EP378,236A1号公報の11頁に
記載の式(I)〜(IV)で表わされる化合物、欧州特
許公開EP436,938A2号公報の7頁に記載の式
(I)で表わされる化合物、欧州特許公開EP568,
037A号公報の式(1) で表わされる化合物、欧州
特許公開EP440,195A2号公報の5 〜6 頁に
記載の式(I)、(II)、(III)で表わされる化
合物。 漂白促進剤放出化合物:欧州特許公開EP310,12
5A2号公報の5頁の式(I)、(I’)で表わされる
化合物および特開平6−59411号公報の請求項1の
式(I)で表わされる化合物。 リガンド放出化合物:米国特許第4,555,478号
明細書のクレーム1に記載のLIG−Xで表わされる化
合物。
【0070】ロイコ色素放出化合物:米国特許第4,7
49,641号明細書のカラム3〜8の化合物1〜6;
蛍光色素放出化合物:米国特許第4,774,181号
明細書のクレーム1のCOUP−DYEで表わされる化
合物。 現像促進剤またはカブラセ剤放出化合物:米国特許第
4,656,123号明細書のカラム3の式(1)、
(2)、(3)で表わされる化合物および欧州特許公開
EP450,637A2号公報の75頁36〜38行目
のExZK−2。
【0071】離脱して初めて色素となる基を放出する化
合物: 米国特許第4,857,447号明細書のクレー
ム1の式(I)で表わされる化合物、特開平5−307
248号公報(特許第2835665号明細書)の式
(1)で表わされる化合物、欧州特許公開EP440,
195A2号公報の5、6頁に記載の式(I)、(I
I)、(III)で表わされる化合物、特開平6−59
411号公報の請求項1の式(I)で表わされる化合物
−リガンド放出化合物、米国特許第4,555,478
号明細書のクレーム1に記載のLIG−Xで表わされる
化合物。このような機能性カプラーは、先に述べた発色
に寄与するカプラーの0.05〜10倍モル、好ましく
は0.1〜5倍モル用いることが好ましい。
【0072】本発明に用いるカプラー化合物は、水また
は適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、
エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケ
トン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ
などに溶解して用いることができる。
【0073】また、これらのカプラー、発色現像主薬な
どの疎水性添加剤は米国特許第2,322,027号明
細書に記載の方法などの公知の方法により感光材料の層
中に導入することができる。この場合には、米国特許第
4,555,470号明細書、同4,536,466号
明細書、同4,536,467号明細書、同4,58
7,206号明細書、同4,555,476号明細書、
同4,599,296号明細書、特公平3−62256
号公報などに記載のような高沸点有機溶媒を、必要に応
じて沸点50℃〜160℃の低沸点有機溶媒と併用し
て、用いることができる。またこれら色素供与性カプラ
ー、高沸点有機溶媒などは2種以上併用することができ
る。高沸点有機溶媒の量は用いられる疎水性添加剤1g
に対して10g以下、好ましくは5g以下、より好まし
くは1g〜0.1gである。また、バインダー1gに対
して1ml以下、更には0.5ml以下、特に0.3m
l以下が適当である。特公昭51−39853号公報、
特開昭51−59943号公報に記載されている重合物
による分散法や特開昭62−30242号公報等に記載
されている微粒子分散物にして添加する方法も使用でき
る。
【0074】水に実質的に不溶な化合物の場合には、前
記方法以外にバインダー中に微粒子にして分散含有させ
ることができる。疎水性化合物を親水性コロイドに分散
する際には、種々の界面活性剤を用いることができる。
例えば特開昭59−157636号公報の第(37)〜
(38)頁、前記のリサーチ・ディスクロージャー記載
の界面活性剤として挙げたものを使うことができる。ま
た、特開平7−56267号公報、同7−228589
号公報、西独特許公開第1,932,299A号公報記
載のリン酸エステル型界面活性剤も使用できる。また、
よく知られている固体分散法に従って、ボールミル、コ
ロイドミル、サンドグラインダーミル、マントンゴーリ
ン、マイクロフルイダイザーまたは超音波によって、カ
プラー化合物の粉末を水の中に分散して用いる事もでき
る。本発明に用いるカプラー化合物は、支持体に対して
好ましくは画像形成層であるハロゲン化銀乳剤層側の
層、すなわちハロゲン化銀乳剤層あるいはこの層側のど
の層に添加しても良いが、ハロゲン化銀乳剤層あるいは
それに隣接する層に添加する事が好ましい。
【0075】本発明における感光性ハロゲン化銀および
/または還元可能な銀塩は、既知のカブリ防止剤、安定
剤前駆体によって、付加的なカブリの生成に対してさら
に保護され、在庫貯蔵中における感度の低下に対して安
定化することができる。単独または組合せて使用するこ
とができる適当なカブリ防止剤、安定剤および安定剤前
駆体は、米国特許第2,131,038号明細書および
同第2,694,716号明細書に記載のチアゾニウム
塩、米国特許第2,886,437号明細書および同第
2,444,605号明細書に記載のアザインデン、米
国特許第2,728,663号明細書に記載の水銀塩、
米国特許第3,287,135号明細書に記載のウラゾ
ール、米国特許第3,235,652号明細書に記載の
スルホカテコール、英国特許第623,448号明細書
に記載のオキシム、ニトロン、ニトロインダゾール、米
国特許第2,839,405号明細書に記載の多価金属
塩、米国特許第3,220,839号明細書に記載のチ
ウロニウム塩、ならびに米国特許第2,566,263
号明細書および同第2,597,915号明細書に記載
のパラジウム、白金および金塩、米国特許第4,10
8,665号明細書および同第4,442,202号明
細書に記載のハロゲン置換有機化合物、米国特許第4,
128,557号明細書および同第4,137,079
号明細書、同第4,138,365号明細書および同第
4,459 ,350号明細書に記載のトリアジンなら
びに米国特許第4,411,985号明細書に記載のリ
ン化合物などがある。
【0076】本発明に好ましく用いられるカブリ防止剤
は有機ハロゲン化物であり、例えば、特開昭50−11
9624号公報、同50−120328号公報、同51
−121332号公報、同54−58022号公報、同
56−70543号公報、同56−99335号公報、
同59−90842号公報、同61−129642号公
報、同62−129845号公報、特開平6−2081
91号公報、同7−5621号公報、同7−2781号
公報、同8−15809号公報、米国特許第5,34
0,712号明細書、同第5,369,000号明細
書、および同第5,464,737号明細書に開示され
ているような化合物が挙げられる。これらの中でも、上
記一般式(3)で表される、有機ポリハロゲン化合物が
特に好ましい。
【0077】一般式(3)において、Q2は置換基を有
していてもよいアルキル基、アリール基またはヘテロ環
基を表す。Q2で表されるアルキル基は、直鎖、分岐、
環状またはこれらの組み合わせのアルキル基であり、好
ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12、さ
らに好ましくは1〜6である。例えば、メチル、エチ
ル、アリル、n−プロピル、イソプロピル、sec−ブ
チル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ペンチ
ル、イソペンチル、tert−ペンチル、tert−オ
クチル、1−メチルシクロヘキシル等が挙げられる。好
ましくは3級のアルキル基である。
【0078】Q2で表されるアルキル基は置換基を有し
ていてもよく、置換基としては写真性能に悪影響を及ぼ
さない置換基であればどのような基でも構わないが、例
えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、またはヨウ素原子)、アルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(N−置換の含
窒素ヘテロ環基を含む、例えばモルホリノ基)、アルコ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カル
バモイル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チ
オカルボニル基、カルバゾイル基、シアノ基、チオカル
バモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ
環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはア
リールオキシ)カルボニルオキシ基、スルホニルオキシ
基、アシルアミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、
チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリ
ールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミ
ノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、(ア
ルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、ニト
ロ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、スル
ファモイル基、リン酸アミドもしくはリン酸エステル構
造を含む基、シリル基、カルボキシル基またはその塩、
スルホ基またはその塩、リン酸基、ヒドロキシ基、4級
アンモニウム基等が挙げられる。これら置換基は、これ
ら置換基でさらに置換されていてもよい。
【0079】Q2で表されるアリール基は単環または縮
合環のアリール基であり、好ましくは炭素数6〜20、
より好ましくは6〜16、さらに好ましくは6〜10で
あり、フェニル基またはナフチル基が好ましい。Q2
表されるアリール基は置換基を有していてもよく、置換
基としては写真性能に悪影響を及ぼさない置換基であれ
ばどのような基でも構わないが、例えば前述のアルキル
基の置換基と同様の基が挙げられる。
【0080】Q2で表されるヘテロ環基は、ヘテロ環が
窒素、酸素および硫黄原子からなる群より選ばれるヘテ
ロ原子を1個以上含む、5〜7員の飽和または不飽和の
単環または縮合環であるものが好ましい。ヘテロ環の例
としては、好ましくはピリジン、キノリン、イソキノリ
ン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、フタラジン、
トリアジン、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾ
ール、ベンゾオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾ
ール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、チアジアゾ
ール、トリアゾール等が挙げられ、さらに好ましくはピ
リジン、キノリン、ピリミジン、チアジアゾール、ベン
ゾチアゾールであり、特に好ましくは、ピリジン、キノ
リン、ピリミジンである。
【0081】Q2で表されるヘテロ環基は置換基を有し
てもよく、例えば、一般式(1)のV5で表されるアル
キル基の置換基と同様の基が挙げられる。Q2は、好ま
しくは、フェニル基、ナフチル基、キノリル基、ピリジ
ル基、ピリミジル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾ
リル基であり、特に好ましくは、フェニル基、ナフチル
基、キノリル基、ピリジル基、ピリミジル基である。ま
た、Q2の置換基として、拡散性を低下させるために写
真用素材で使用されるバラスト基や銀塩への吸着基や水
溶性を付与する基を有していてもよいし、互いに重合し
てポリマーを形成してもよいし、置換基どうしが結合し
てビス型、トリス型、テトラキス型を形成してもよい。
【0082】一般式(3)において、Yは2価の連結基
を表すが、好ましくは−SO2−、−SO−、−CO−
であり、特に好ましくは−SO2−である。nは0また
は1を表すが、好ましくは1である。Z1およびZ2はそ
れぞれ独立にハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭
素、沃素など)を表すが、Z1およびZ2は両方とも臭素
原子であることが最も好ましい。Xは水素原子または電
子求引性基を表す。Xで表される電子求引性基は、ハメ
ットの置換基定数σpが正の値を取りうる置換基であ
り、具体的には、シアノ基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルフ
ァモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
ル基、ハロゲン原子、アシル基、ヘテロ環基等が挙げら
れる。Xは好ましくは水素原子またはハロゲン原子であ
り、最も好ましくは臭素原子である。
【0083】一般式(3)で表される有機ポリハロゲン
化合物としては、例えば米国特許第3,874,946
号明細書、同第4,756,999号明細書、同第5,
340,712号明細書、同第5,369,000号明
細書、同第5,464,737号明細書、特開昭50−
137126号公報、同50−89020号公報、同5
0−119624号公報、同59−57234号公報、
特開平7−2781号公報、同7−5621号公報、同
9−160164号公報、同10−197988号公
報、同9−244177号公報、同9−244178号
公報、同9−160167号公報、同9−319022
号公報、同9−258367号公報、同9−26515
0号公報、同9−319022号公報、同10−197
989号公報、同11−242304号公報、特願平1
0−181459号明細書、同10−292864号明
細書、同11−90095号明細書、同11−8977
3号明細書、同11−205330号明細書等に記載さ
れた化合物が挙げられる。以下に、一般式(3)で表さ
れる有機ポリハロゲン化合物の好ましい例を挙げるが、
本発明に用いる有機ポリハロゲン化合物はこれらに限定
されるものではない。
【0084】
【化45】
【0085】
【化46】
【0086】本発明に好ましく用いられる、一般式
(3)で表される有機ポリハロゲン化合物の使用量は、
熱現像画像記録材料1m2当たりの塗布量として、1×
10-6〜1×10-2mol/m2が好ましく、より好ま
しくは1×10-5〜5×10-3mol/m2であり、さ
らに好ましくは2×10-5〜1×10-3mol/m2
ある。有機ポリハロゲン化合物は1種のみを用いても2
種以上を併用してもよい。
【0087】一般式(3)で表される有機ポリハロゲン
化合物は、水あるいは適当な有機溶媒、例えばアルコー
ル類(メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素
化アルコールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブ
などに溶解して用いることができる。あるいは、既によ
く知られている乳化分散法に従って、ジブチルフタレー
ト、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセ
テート、ジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチル
やシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機
械的に乳化分散物を作製して用いることができる。また
は、よく知られている固体分散法に従って、ボールミ
ル、コロイドミル、サンドグラインダーミル、マントン
ゴーリン、マイクロフルイダイザーまたは超音波によっ
て、有機ポリハロゲン化合物の粉末を水の中に分散して
用いることができる。一般式(3)で表される有機ポリ
ハロゲン化合物は、支持体に対して画像形成層側の層、
即ち、画像形成層あるいはこの層側のどの層に添加して
もよいが、画像形成層あるいはそれに隣接する層に添加
することが好ましい。
【0088】本発明の熱現像感光材料はさらに、好まし
くは支持体上の感光性ハロゲン化銀および還元可能な銀
塩と同一の面に、有機銀塩のための還元剤として上記一
般式(17)または(18)で表される化合物を有する
ことが好ましい。一般式(17)において、V7〜V14
はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。V7
14で表される置換基は同一でも異なっていてもよく、
好ましい例として、ハロゲン原子(例えば、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、直鎖、分岐、
環状またはこれらの組み合わせのアルキル基(好ましく
は炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好
ましくは1〜13であり、例えば、メチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、tert
−ブチル、tert−オクチル、n−アミル、tert
−アミル、n−ドデシル、n−トリデシル、シクロヘキ
シル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、
より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12で
あり、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペ
ンテニル等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜3
0、より好ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜1
2であり、例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナ
フチル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜1
2であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
ブトキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6
〜30、より好ましくは6〜20、さらに好ましくは6
〜12であり、例えば、フェニルオキシ、2−ナフチル
オキシ等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜2
0、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜1
2であり、例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ
等)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ま
しくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例
えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチル
アミノ基、アニリノ基等)、アシルアミノ基(好ましく
は炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好
ましくは2〜13であり、例えば、アセチルアミノ、ト
リデカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホニ
ルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましく
は1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例え
ば、メタンスルホニルアミノ、ブタンスルホニルアミ
ノ、ベンゼンスルホニルアミノ等)、ウレイド基(好ま
しくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さら
に好ましくは1〜12であり、例えば、ウレイド、メチ
ルウレイド、フェニルウレイド等)、カルバメート基
(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜1
6、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、メトキ
シカルボニルアミノ、フェニルオキシカルボニルアミノ
等)、カルボキシル基、カルバモイル基(好ましくは炭
素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好まし
くは1〜12であり、例えば、カルバモイル、N,N−
ジエチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N
−フェニルカルバモイル等)、アルコキシカルボニル基
(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜1
6、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、メトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニ
ル等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20、より好
ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、
例えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル
等)、スルホ基、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜
20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜
12であり、例えば、メシル、トシル等)、スルファモ
イル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは0
〜16、さらに好ましくは0〜12であり、例えば、ス
ルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルフ
ァモイル、フェニルスルファモイル等)、シアノ基、ニ
トロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルキルチオ
基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜1
6、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メチル
チオ、ブチルチオ等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数
2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは
2〜12であり、例えば、ピリジル、イミダゾイル、ピ
ロリジル等)等が挙げられる。これらの置換基はさらに
他の置換基で置換されていてもよい。V7〜V14で表さ
れる置換基として特に好ましいものは、アルキル基(例
えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
sec−ブチル、tert−ブチル、tert−オクチ
ル、n−アミル、tert−アミル、n−ドデシル、n
−トリデシル、シクロヘキシル等)である。
【0089】一般式(17)において、Lは−CH(V
15)−または−S−なる連結基を表し、V15は水素原子
または置換基を表す。V15で表される置換基の好ましい
例として、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子)、直鎖、分岐、環状または
これらの組み合わせのアルキル基(好ましくは炭素数1
〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1
〜13であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、tert−オクチル、n−アミル、tert−アミ
ル、n−ドデシル、n−トリデシル、シクロヘキシル、
2,4,4−トリメチルペンチル等)、アルケニル基
(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜1
6、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、ビニ
ル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等)、アリ
ール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6
〜20、さらに好ましくは6〜12であり、例えば、フ
ェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等)、アルコキ
シ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜
16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、アリール
オキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは
6〜20、さらに好ましくは6〜12であり、例えば、
フェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等)、アシルオキ
シ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜
16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、アセ
トキシ、ベンゾイルオキシ等)、アミノ基(好ましくは
炭素数0〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ま
しくは1〜12であり、例えば、ジメチルアミノ基、ジ
エチルアミノ基、ジブチルアミノ基、アニリノ基等)、
アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ま
しくは2〜16、さらに好ましくは2〜13であり、例
えば、アセチルアミノ、トリデカノイルアミノ、ベンゾ
イルアミノ等)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素
数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましく
は1〜12であり、例えば、メタンスルホニルアミノ、
ブタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ
等)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好
ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、
例えば、ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド
等)、カルバメート基(好ましくは炭素数2〜20、よ
り好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であ
り、例えば、メトキシカルボニルアミノ、フェニルオキ
シカルボニルアミノ等)、カルボキシル基、カルバモイ
ル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜
16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、カル
バモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−ドデシ
ルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アル
コキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より
好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であ
り、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、ブトキシカルボニル等)、アシル基(好ましくは炭
素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好まし
くは2〜12であり、例えば、アセチル、ベンゾイル、
ホルミル、ピバロイル等)、スルホ基、スルホニル基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜1
6、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メシ
ル、トシル等)、スルファモイル基(好ましくは炭素数
0〜20、より好ましくは0〜16、さらに好ましくは
0〜12であり、例えば、スルファモイル、メチルスル
ファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルフ
ァモイル等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、
メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜
20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜
12であり、例えば、メチルチオ、ブチルチオ等)、ヘ
テロ環基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは
2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、
ピリジル、イミダゾイル、ピロリジル等)等が挙げられ
る。これらの置換基はさらに他の置換基で置換されてい
てもよい。
【0090】V15で表される置換基の特に好ましい例と
しては、アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プ
ロピル、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブ
チル、tert−オクチル、n−アミル、n−オクチ
ル、tert−アミル、n−ドデシル、n−トリデシ
ル、シクロヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル
等)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、2−ブ
テニル、3−ペンテニル等)、アリール基(例えば、フ
ェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等)、ヒドロキ
シル基、メルカプト基、アルキルチオ基(例えば、メチ
ルチオ、ブチルチオ等)等が挙げられる。以下に、一般
式(17)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発
明に用いられる化合物はこれらに限定されるものではな
い。
【0091】
【化47】
【0092】
【化48】
【0093】
【化49】
【0094】
【化50】
【0095】
【化51】
【0096】
【化52】
【0097】次に、一般式(18)で表される化合物に
ついて説明する。一般式(18)において、V16〜V20
はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。V16
20で表される置換基は同一でも異なっていてもよく、
好ましい例として、ハロゲン原子(例えば、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、直鎖、分岐、
環状またはそれらの組み合わせのアルキル基(好ましく
は炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好
ましくは1〜13であり、例えば、メチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、tert
−ブチル、tert−オクチル、n−アミル、tert
−アミル、n−ドデシル、n−トリデシル、シクロヘキ
シル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、
より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12で
あり、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペ
ンテニル等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜3
0、より好ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜1
2であり、例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナ
フチル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜1
2であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
ブトキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6
〜30、より好ましくは6〜20、さらに好ましくは6
〜12であり、例えば、フェニルオキシ、2−ナフチル
オキシ等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜2
0、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜1
2であり、例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ
等)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ま
しくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例
えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチル
アミノ基、アニリノ基等)、アシルアミノ基(好ましく
は炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好
ましくは2〜13であり、例えば、アセチルアミノ、ト
リデカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホニ
ルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましく
は1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例え
ば、メタンスルホニルアミノ、ブタンスルホニルアミ
ノ、ベンゼンスルホニルアミノ等)、ウレイド基(好ま
しくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さら
に好ましくは1〜12であり、例えば、ウレイド、メチ
ルウレイド、フェニルウレイド等)、カルバメート基
(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜1
6、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、メトキ
シカルボニルアミノ、フェニルオキシカルボニルアミノ
等)、カルボキシル基、カルバモイル基(好ましくは炭
素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好まし
くは1〜12であり、例えば、カルバモイル、N,N−
ジエチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N
−フェニルカルバモイル等)、アルコキシカルボニル基
(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜1
6、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、メトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニ
ル等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20、より好
ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、
例えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル
等)、スルホ基、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜
20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜
12であり、例えば、メシル、トシル等)、スルファモ
イル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは0
〜16、さらに好ましくは0〜12であり、例えば、ス
ルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルフ
ァモイル、フェニルスルファモイル等)、シアノ基、ニ
トロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルキルチオ
基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜1
6、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メチル
チオ、ブチルチオ等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数
2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは
2〜12であり、例えば、ピリジル、イミダゾイル、ピ
ロリジル等)等が挙げられる。これらの置換基はさらに
他の置換基で置換されていてもよい。
【0098】V16〜V20で表される置換基として特に好
ましいものは、アルキル基(例えば、メチル、エチル、
n−プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、tert−オクチル、n−アミル、ter
t−アミル、n−ドデシル、n−トリデシル、シクロヘ
キシル等)である。また、一般式(18)で表される化
合物はプレカーサーの形で供給してもよく、あるいは式
(18)で表される化合物から誘導される1価の基が連
結基[例えば、−C(X)(Y)−で表される連結基
(式中、X及びYはそれぞれ独立に水素原子、アルキル
基、アリール基またはヘテロ環基を示し、これらの基は
置換基を有していてもよい)など]を介して結合してい
る化合物を使用してもよい。以下に、一般式(18)で
表される化合物の具体例を挙げるが、本発明に用いられ
る化合物はこれらに限定されるものではない。
【0099】
【化53】
【0100】
【化54】
【0101】
【化55】
【0102】一般式(17)または一般式(18)で表
される化合物の使用量は、特に制限はないが、好ましく
は上記一般式(1)または(2)で表される化合物に対
して0.01〜100000%であり、より好ましくは
1〜5000%、さらに好ましくは10〜1000%で
ある。一般式(17)または一般式(18)で表される
化合物は、溶液、粉末、固体微粒子分散物などいかなる
方法で添加してもよい。固体微粒子分散は公知の微細化
手段(例えば、ボールミル、振動ボールミル、サンドミ
ル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミルなど)
で行われる。また、固体微粒子分散する際に分散助剤を
用いてもよい。一般式(17)または一般式(18)で
表される化合物は、支持体上、感光性ハロゲン化銀およ
び還元可能な銀塩と同一の面であればいずれの層に添加
してもよいが、ハロゲン化銀を含む層またはそれに隣接
する層に添加することが好ましい。
【0103】本発明の熱現像感光材料は、一般式
(1)、(2)、(17)および(18)の化合物の他
に、有機銀塩のための還元剤をさらに含んでいてもよ
い。有機銀塩のための還元剤は、銀イオンを金属銀に還
元する任意の物質、好ましくは有機物質である。フェニ
ドン、ハイドロキノンおよびカテコールなどの従来の写
真現像剤の他に、ヒンダードフェノール還元剤も好まし
い例として挙げることができる。還元剤は、画像形成層
を有する面の銀1モルに対して5〜50モル%含まれる
ことが好ましく、10〜40モル%含まれることがさら
に好ましい。還元剤の添加層は支持体に対して画像形成
層側のいかなる層でもよい。画像形成層以外の層に添加
する場合は銀1モルに対して10〜50モル%と多めに
使用することが好ましい。また、還元剤は現像時のみ有
効に機能を持つように誘導化されたいわゆるプレカーサ
ーであってもよい。
【0104】有機銀塩を利用した熱現像感光材料におい
ては広範囲の還元剤を使用することができる。例えば、
特開昭46−6074号公報、同47−1238号公
報、同47−33621号公報、同49−46427号
公報、同49−115540号公報、同50−1433
4号公報、同50−36110号公報、同50−147
711号公報、同51−32632号公報、同51−1
023721号公報、同51−32324号公報、同5
1−51933号公報、同52−84727号公報、同
55−108654号公報、同56−146133号公
報、同57−82828号公報、同57−82829号
公報、特開平6−3793号公報、米国特許第3,66
7,9586号明細書、同第3,679,426号明細
書、同第3,751,252号明細書、同第3,75
1,255号明細書、同第3,761,270号明細
書、同第3,782,949号明細書、同第3,83
9,048号明細書、同第3,928,686号明細
書、同第5,464,738号明細書、独国特許第2,
321,328号明細書、欧州特許公開第692,73
2号公報などに開示されている還元剤を用いることがで
きる。
【0105】具体例としては、フェニルアミドオキシ
ム、2−チエニルアミドオキシムおよびp−フェノキシ
フェニルアミドオキシムなどのアミドオキシム;例えば
4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンゾアルデヒド
アジンなどのアジン;2,2−ビス(ヒドロキシメチ
ル)プロピオニル−β−フェニルヒドラジンとアスコル
ビン酸との組合せのような脂肪族カルボン酸アリールヒ
ドラジドとアスコルビン酸との組合せ;ポリヒドロキシ
ベンゼンと、ヒドロキシルアミン、レダクトンおよび/
またはヒドラジンの組合せ(例えばハイドロキノンと、
ビス(エトキシエチル)ヒドロキシルアミン、ピペリジ
ノヘキソースレダクトンまたはホルミル−4−メチルフ
ェニルヒドラジンの組合せなど);フェニルヒドロキサ
ム酸、p−ヒドロキシフェニルヒドロキサム酸およびβ
−アリニンヒドロキサム酸などのヒドロキサム酸;アジ
ンとスルホンアミドフェノールとの組合せ(例えば、フ
ェノチアジンと2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホ
ンアミドフェノールなど);エチル−α−シアノ−2−
メチルフェニルアセテート、エチル−α−シアノフェニ
ルアセテートなどのα−シアノフェニル酢酸誘導体;
2,2'−ジヒドロキシ−1,1'−ビナフチル、6,
6'−ジブロモ−2,2'−ジヒドロキシ−1,1'−ビ
ナフチルおよびビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)
メタンに例示されるようなビス−β−ナフトール;ビス
−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導
体(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンまた
は2,4−ジヒドロキシアセトフェノンなど)の組合
せ;3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロンなど
の、5−ピラゾロン;ジメチルアミノヘキソースレダク
トン、アンヒドロジヒドロアミノヘキソースレダクトン
およびアンヒドロジヒドロピペリドンヘキソースレダク
トンに例示されるようなレダクトン;2,6−ジクロロ
−4−ベンゼンスルホンアミドフェノールおよびp−ベ
ンゼンスルホンアミドフェノールなどのスルホンアミド
フェノール還元剤;2−フェニルインダン−1,3−ジ
オンなど;2,2−ジメチル−7−tert−ブチル−
6−ドロキシクロマンなどのクロマン;2,6−ジメト
キシ−3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピ
リジンなどの1,4−ジヒドロピリジン;ビスフェノー
ル(例えば、ビス(2−ヒドロキシ−3−tert−ブ
チル−5−メチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4
−エチリデンビス(2−tert−ブチル−6−メチル
フェノール)、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5
−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサ
ンおよび2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンなど);アスコルビン酸誘導体
(例えば、パルミチン酸1−アスコルビル、ステアリン
酸アスコルビルなど);ならびにベンジルおよびビアセ
チルなどのアルデヒドおよびケトン;3−ピラゾリドン
およびある種のインダン−1,3−ジオン;クロマノー
ル(トコフェロールなど)等が挙げられる。
【0106】本発明の熱現像感光材料は、白黒感光材
料、カラー感光材料のいずれに用いてもよいが、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの3原色を用いて色度図上の広範
囲の色を得るためには、少なくとも3層のそれぞれ異な
るスペクトル領域に感光性を持つハロゲン化銀乳剤層を
組み合わせて用いる。たとえば青感層、緑感層、赤感層
の3層、緑感層、赤感層、赤外感層の組み合わせなどが
ある。各感光層は通常のカラー感光材料で知られている
種々の配列順序を採ることができる。また、これらの各
感光層は必要に応じて2層以上に分割してもよい。感光
材料には、保護層、下塗り層、中間層、アンチハレーシ
ョン層、バック層等の種々の補助層を設けることができ
る。さらに色分離性を改良するために種々のフィルター
染料を添加することもできる。
【0107】本発明の熱現像感光材料は、支持体上に少
なくとも1層の感光性層が設けられていればよい。典型
的な例としては、支持体上に、実質的に感色性は同じで
あるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成
る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感
光材料である。該感光性層は青色光、緑色光、および赤
色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多
層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に
単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、
緑感色性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的
に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層
中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得
る。上記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最
下層には非感光性層を設けてもよい。これらには、前述
のカプラー、現像主薬、およびDIR化合物、混色防止
剤、染料等が含まれていてもよい。各単位感光性層を構
成する複数のハロゲン化銀乳剤層は、ドイツ特許第
1,121,470号明細書あるいは英国特許第92
3,045号明細書に記載されているように高感度乳剤
層、低感度乳剤層の2層を、支持体に向かって順次感光
度が低くなる様に配列するのが好ましい。また、特開昭
57−112751号公報、同62− 200350号
公報、同62−206541号公報、同62−2065
43号公報に記載されているように支持体より離れた側
に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置
してもよい。
【0108】具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)
/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(G
L)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層
(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/
RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RH
の順等に設置することができる。また特公昭55−34
932号公報に記載されているように、支持体から最も
遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に
配列することもできる。また特開昭56−25738号
公報、同62−63936号公報に記載されているよう
に、支持体から最も遠い側から青感光性層/GL/RL
/GH/RHの順に配列することもできる。
【0109】また特公昭49−15495号公報に記載
されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀
乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳
剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀
乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低めら
れた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられ
る。このような感光度の異なる3層から構成される場合
でも、特開昭59−202464 号公報に記載されて
いるように、同一感色性層中において支持体より離れた
側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順
に配置されてもよい。その他、高感度乳剤層/低感度乳
剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳
剤層/高感度乳剤層の順に配置されていてもよい。ま
た、4層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよ
い。
【0110】色再現性を改良するために、米国特許第
4,663,271号明細書、同4,705,744号
明細書、同4,707,436号明細書、特開昭62−
160448号公報、同63− 89850号公報の明
細書に記載の、BL、GL、RLなどの主感光層と分光
感度分布が異なる重層効果のドナー層(CL) を主感
光層に隣接もしくは近接して配置することが好ましい。
本発明においては、ハロゲン化銀と色素供与性カプラー
および発色現像主薬は同一層に含まれていても良いが、
反応可能な状態であれば別層に分割して添加することも
できる。例えば発色現像主薬を含む層とハロゲン化銀を
含む層とを別層にすると感材の生保存性の向上がはかれ
る。
【0111】各層の分光感度およびカプラーの色相の関
係は任意であるが、赤色感光性層にシアンカプラー、緑
色感光性層にマゼンタカプラー、青色感光性層にイエロ
ーカプラーを用いると、従来のカラーペーパー等に直接
投影露光できる。感光部材には、上記のハロゲン化銀乳
剤層の間および最上層、最下層には、保護層、下塗り
層、中間層、黄色フィルター層、アンチハレーション層
などの各種の非感光性層を設けても良く、支持体の反対
側にはバック層などの種々の補助層を設けることができ
る。具体的には、上記特許記載のような層構成、米国特
許第5,051,335号明細書に記載のような下塗り
層、特開平1−167838号公報、特開昭61−20
943号公報に記載のような固体顔料を有する中間層、
特開平1−120553号公報、同5−34884号公
報、同2−64634号公報に記載のような還元剤やD
IR化合物を有する中間層、米国特許第5,017,4
54号明細書、同5,139,919号明細書、特開平
2−235044号公報に記載のような電子伝達剤を有
する中間層、特開平4−249245号公報に記載のよ
うな還元剤を有する保護層またはこれらを組み合わせた
層などを設けることができる。
【0112】黄色フィルター層、アンチハレーション層
に用いる事のできる染料としては、現像時に消色あるい
は除去され、処理後の濃度に寄与しないものが好まし
い。黄色フィルター層、アンチハレーション層の染料が
現像時に消色あるいは除去されるとは、処理後に残存す
る染料の量が、塗布直前の1/3以下、好ましくは1/
10以下となることであり、現像時に染料の成分が感光
部材から処理部材に転写しても良いし、現像時に反応し
て無色の化合物に変わってもよい。
【0113】具体的には、欧州特許公開EP549,4
89A号公報に記載の染料や、特開平7−152129
号公報のExF2〜6の染料が挙げられる。特開平8−
101487号公報に記載されているような、固体分散
した染料を用いることもできる。また、媒染剤とバイン
ダーに染料を媒染させておくこともできる。この場合媒
染剤と染料は写真分野で公知のものを用いることがで
き、米国特許第4,500,626号明細書の第58〜
59欄や、特開昭61−88256号公報の32〜41
頁、同62−244043号公報、同62−24403
6号公報等に記載の媒染剤を上げることができる。ま
た、還元剤と反応して拡散性色素を放出する化合物と還
元剤を用い、現像時のアルカリで可働性色素を放出さ
せ、処理部材に転写除去させることもできる。具体的に
は、米国特許第4,559,290号明細書、同4,7
83,396号明細書、欧州特許公開EP220,74
6A2号公報、公開技報87−6119号に記載されて
いる他、特開平8−101487号公報の段落番号00
80〜0081に記載されている。
【0114】消色するロイコ染料などを用いることもで
き、具体的には特開平1−150132号公報に有機酸
金属塩の顕色剤によりあらかじめ発色させておいたロイ
コ色素を含むハロゲン化銀感光材料が開示されている。
ロイコ色素と顕色剤錯体は熱あるいはアルカリ剤と反応
して消色する。ロイコ色素は、公知のものが利用でき、
森賀、吉田「染料と薬品」9、84頁(化成品工業協
会)、「新版染料便覧」242頁(丸善、1970)、
R.Garner「Reports on the Progress of Appl. Chem」
56、199頁(1971)、「染料と薬品」19、2
30頁(化成品工業協会、1974)、「色材」62、
288頁(1989)、「染色工業」32、208等に
記載がある。顕色剤としては、酸性白土系顕色剤、フェ
ノールホルムアルデヒドレジンの他、有機酸の金属塩が
好ましく用いられる。有機酸の金属塩としてはサリチル
酸類の金属塩、フェノール−サリチル酸−ホルムアルデ
ヒドレジンの金属塩、ロダン塩、キサントゲン酸塩の金
属塩等が有用であり、金属としては特に亜鉛が好まし
い。上記の顕色剤のうち、油溶性のサリチル酸亜鉛塩に
ついては、米国特許第3,864,146号明細書、同
4,046,941号明細書、および特公昭52−13
27号公報等に記載されたものを用いることができる。
【0115】また、本発明には以下で示す各種添加剤を
併用することもできる。油溶性有機化合物の分散媒: 特
開昭62−215272号公報のP−3、5、16、1
9、25、30、42、49、54、55、66、8
1、85、86、93(140〜144頁);油溶性有
機化合物の含浸用ラテックス: 米国特許第4,199,
363号明細書に記載のラテックス;現像主薬酸化体ス
カベンジャー:米国特許第4,978,606号明細書
のカラム2の54〜62行の式(I)で表わされる化合
物(特にI−、(1)、(2)、(6)、(12)
(カラム4〜5)、米国特許第4,923,787号明
細書のカラム2の5〜10行の式(特に化合物1(カラ
ム3)、ステイン防止剤:欧州特許公開EP29832
1Aの4頁30〜33行の式(I)〜(III)、特に
I−47、72、III−1、27(24 〜48
頁);褪色防止剤:欧州特許公開EP298321A号
公報のA−6、7、20、21、23、24、25、2
6、30、37、40、42、48、63、90、9
2、94、164(69〜118頁)、米国特許第5,
122,444号明細書のカラム25〜38のII−1
〜III−23、特にIII−10、欧州特許公開EP
471347Aの8 〜12頁のI−1〜III−4、
特にII−2、米国特許第5,139,931号明細書
のカラム32〜40のA−1〜48、特にA−39、4
2;発色増強剤または混色防止剤の使用量を低減させる
素材:欧州特許公開EP411324Aの5 〜24頁
のI−1〜II−15,特にI−46; ホルマリンスカ
ベンジャー:欧州特許公開EP477932Aの24〜
29頁のSCV−1〜28, 特にSCV−8;硬膜
剤:特開平1−214845号公報の17頁のH−1、
4、6、8、14、米国特許第4,618,573号明
細書のカラム13〜23の式(VII)〜(XII)で
表わされる化合物(H−1〜54)、特開平2−214
852号公報の8頁右下の式(6)で表わされる化合物
(H−1〜76)、特にH−14、米国特許第3,32
5,287号明細書のクレーム1に記載の化合物;現像
抑制剤プレカーサー:特開昭62−168139号公報
のP−24、37、39(6〜7頁);米国特許第5,
019,492号明細書のクレーム1に記載の化合物、
特にカラム7の28、29;防腐剤、防黴剤:米国特許
第4,923,790号明細書のカラム3 〜15のI
−1〜III−43、特にII−1、9、10、18、
III−25;安定剤、かぶり防止剤:米国特許第4,
923,793号明細書のカラム6 〜16のI−1 〜
(14)、特にI−1、60、(2)、(13)、米国
特許第4,952,483号明細書のカラム25〜32
の化合物1〜65、特に36;化学増感剤:トリフェニ
ルホスフィンセレニド、特開平5−40324号公報の
化合物50;染料:特開平3−156450号公報の1
5〜18頁のa−1 〜b−20, 特にa−1、12、
18、27、35、36、b−5、27〜29頁のV−
1〜23、特にV−1、欧州特許公開EP445627
A号公報の33〜55頁のF−I−1 〜F−II−4
3、特にF−I−11、F−II−8、欧州特許公開E
P457153Aの17〜28頁のIII−1〜36、
特にIII−1、3、国際公開WO88/04794号
公報の8〜26のDye−1〜124の微結晶分散体、
欧州特許公開EP319999A号公報の6〜11頁の
化合物1〜22、特に化合物1、欧州特許公開EP51
9306A号公報の式(1)ないし(3)で表わされる
化合物D−1〜87(3〜28頁)、米国特許第4,2
68,622号明細書の式(I)で表わされる化合物1
〜22(カラム3〜10)、米国特許第4,923,7
88号明細書の式(I)で表わされる化合物(1) 〜
(31) (カラム2〜9);UV吸収剤:特開昭46−
3335号公報の式(1)で表わされる化合物(18
b)〜(18r)、101〜427(6〜9頁)、欧州
特許公開EP520938A号公報の式(I)で表わさ
れる化合物(3)〜(66)(10〜44頁)および式
(III)で表わされる化合物HBT−1〜10(14
頁)、欧州特許公開EP521823A号公報の式
(1)で表わされる化合物(1)〜(31)(カラム2
〜9)。
【0116】一般に写真感光材料の処理においては塩基
を必要とするが、本発明の熱現像感光材料においては、
さまざまな塩基供給方法が採用できる。例えば、感光材
料側に塩基発生機能を与える場合、塩基プレカーサーと
して感光材料中に導入することが可能である。このよう
な塩基プレカーサーとしては、例えば熱により脱炭酸す
る有機酸と塩基の塩、分子内求核置換反応、ロッセン転
位またはベックマン転位によりアミン類を放出する化合
物などがある。この例については、米国特許第4,51
4,493号明細書、同第4,657,848号明細書
等に記載されている。
【0117】本発明において、前記一般式(1)または
(2)で表される還元性化合物を用いる場合には、塩基
を使用しなくてもよい。本発明において、塩基を使用し
ない場合に用いるカラー現像主薬は、前記一般式(1)
および(2)のいずれの化合物であってもよいが、一般
式(2)の化合物である方が好ましい。
【0118】次に本発明に用いる超硬調化剤について説
明する。本発明で用いる超硬調化剤の種類は特に限定さ
れないが、好ましい超硬調化剤として、特願平11−8
7297号明細書に記載の一般式(H)で表されるヒド
ラジン誘導体(具体的には同明細書の表1〜表4に記載
のヒドラジン誘導体)、特開平10−10672号公
報、特開平10−161270号公報、特開平10−6
2898号公報、特開平9−304870号公報、特開
平9−304872号公報、特開平9−304871号
公報、特開平10−31282号公報、米国特許第5,
496,695号明細書、欧州特許公開第741,32
0号公報に記載のすべてのヒドラジン誘導体を挙げるこ
とができる。また、特願平11−87297号明細書に
記載の一般式(1)〜(3)で表される置換アルケン誘
導体、置換イソオキサゾール誘導体および特定のアセタ
ール化合物、さらに好ましくは同明細書に記載の一般式
(A)または一般式(B)で表される環状化合物、具体
的には同明細書の化8〜化12に記載の化合物1〜72
も用いることができる。さらに、これら超硬調化剤を複
数併用してもよい。本発明で超硬調化剤として使用でき
る化合物の具体例を以下に記載するが、これらに限定さ
れるわけではない。
【0119】
【化56】
【0120】
【化57】
【0121】
【化58】
【0122】
【化59】
【0123】
【化60】
【0124】
【化61】
【0125】
【化62】
【0126】
【化63】
【0127】
【化64】
【0128】上記超硬調化剤は、水または適当な有機溶
媒、例えばアルコ−ル類(メタノ−ル、エタノ−ル、プ
ロパノ−ル、フッ素化アルコ−ル)、ケトン類(アセト
ン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して
用いることができる。また、既によく知られている乳化
分散法によって、ジブチルフタレ−ト、トリクレジルフ
ォスフェ−ト、グリセリルトリアセテ−トあるいはジエ
チルフタレ−トなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキ
サノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分
散物を作製して用いることができる。あるいは固体分散
法として知られている方法によって、超硬調化剤の粉末
を水等の適当な溶媒中にボ−ルミル、コロイドミル、あ
るいは超音波によって分散して用いることもできる。超
硬調化剤は、支持体に対して画像形成層側のいずれの層
に添加してもよいが、該画像形成層あるいはそれに隣接
する層に添加することが好ましい。超硬調化剤の添加量
は銀1モルに対し1×10-6〜1モルが好ましく、1×
10-5〜5×10-1モルがより好ましく、2×10-5
2×10-1モルが最も好ましい。
【0129】また上記の化合物の他に、米国特許第5,
545,515号明細書、同第5,635,339号明
細書、同第5,654,130号明細書、国際公開WO
97/34196号公報、米国特許第5,686,22
8号明細書に記載の化合物、或いはまた特開平11−1
19372号公報、特開平11−133546号公報、
特開平11−119373号公報、特開平11−109
546号公報、特開平11−95365号公報、特開平
11−95366号公報、特開平11−149136号
公報に記載の化合物を用いてもよい。
【0130】本発明に用いる感光性ハロゲン化銀は、ハ
ロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、
臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀を用いることができ
る。感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子形成については、特
開平11−119374号公報の段落番号0217〜0
224に記載されている方法で粒子形成することができ
るが、特にこの方法に限定されるものではない。ハロゲ
ン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、十四面体、
平板状、球状、棒状、ジャガイモ状等を挙げることがで
きるが、本発明においては特に立方体状粒子あるいは平
板状粒子が好ましい。粒子のアスペクト比、面指数など
粒子形状の特徴については、特開平11−119374
号公報の段落番号0225に記載されているものと同じ
である。また、ハロゲン組成の分布はハロゲン化銀粒子
の内部と表面において均一であってもよく、ハロゲン組
成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的
に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有
するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。
構造としては好ましくは2〜5重構造、より好ましくは
2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができ
る。また塩化銀または塩臭化銀粒子の表面に臭化銀を局
在させる技術も好ましく用いることができる。
【0131】また、本発明を撮影用感光材料に用いる場
合には、撮影に十分な感度を有するハロゲン化銀乳剤を
使用する必要がある。ハロゲン化銀乳剤の感度は、大き
くは受光素子としての受光面積、すなわちハロゲン化銀
粒子の投影面積に比例する。本発明のような熱現像方式
においては、現像開始点の近傍で生じる現像反応量が、
従来の液現像方式に比べて制限されるため、十分な画像
濃度を得るためには感光材料の単位面積あたりの現像開
始点数を増加させることが有効である。これを達成する
ためには、感光材料の単位面積あたりに含有されるハロ
ゲン化銀粒子数を増加させることが有効であるが、同時
に塗布されるハロゲン化銀量の増大が問題となる。特
に、撮影用の感度を有する比較的大サイズの(球相当径
0.4〜2μm程度の)ハロゲン化銀粒子を用いる場合
に大きい問題となる。
【0132】このため、受光面積に対して粒子体積の小
さい所謂平板状粒子を用いることが好ましい。平板状粒
子の形状は、投影面積に等しい円の直径を粒子厚みで除
した、所謂アスペクト比を用いて通常記述される。同じ
感度を有する場合でも、このアスペクト比が大きければ
大きいほど、使用銀量あたりのハロゲン化銀粒子数を増
加させることができ、好ましい。本発明の感光材料に用
いるハロゲン化銀乳剤は、粒子厚みが0.3μm以下、
さらには0.2μm以下で、アスペクト比が2〜10
0、好ましくは8〜80であるような平板状粒子が全投
影面積の50%を占められるような粒子よりなることが
好ましい。このようなハロゲン化銀乳剤を用いると、少
ない塗布銀量でも高い感度と良好な粒状性が得られる。
粒子厚みは0.15μ以下がさらに好ましく、0.10
μ以下が最も好ましい。感光材料に用いる全てのハロゲ
ン化銀乳剤をこうした厚み以下に設計すると、本発明の
効果は最も顕著である。このアスペクト比は5以上であ
ることが好ましく、8以上であることがさらに好まし
く、12以上が最も好ましい。粒子と同体積の球の直径
で表した粒子サイズが約0.5μ以下の、比較的粒子サ
イズの小さい粒子を用いる場合には、アスペクト比をさ
らに粒子厚みで除した平板度で25以上の粒子が好まし
い。
【0133】これらの高アスペクト比平板の使用技術お
よび特性については、米国特許第4433048号明細
書、同第4434226号明細書、同第4439520
号明細書等に開示されている。さらに、粒子厚みが0.
07μmよりも薄い超高アスペクト比平板粒子の技術
が、米国特許第5494789号明細書、同第5503
970号明細書、同第5503971号明細書、同第5
536632号明細書、欧州特許第0699945号明
細書、同第0699950号明細書、同第069994
8号明細書、同第0699944号明細書、同第070
1165号明細書および同第0699946号明細書等
に開示されている。粒子厚みの薄い高アスペクト比平板
状粒子を調製するには、核形成時のバインダー濃度、温
度、pH、過剰ハロゲンイオン種、同イオン濃度、さら
には反応液の供給速度などを制御することが重要であ
る。形成された平板核の成長を、厚み方向ではなく、平
板の周縁方向に選択的に行わせるには、粒子成長のため
の反応液の添加速度を制御すると同時に、粒子形成時か
ら成長過程におけるバインダーとして最適なものを選択
していくことも重要である。このためには、メチオニン
含有量の低いゼラチンや、アミノ基をフタル酸や、トリ
メリト酸、あるいはピロメリト酸などで修飾したゼラチ
ンが有利である。
【0134】本発明に使用し得るハロゲン化銀の組成
は、感光性ハロゲン化銀に付与すべき特性に応じて選択
される。撮影用感光材料として高感度を付与する上で
は、臭化銀あるいは沃臭化銀を用いることが有利である
が、塩化銀含有量が50%以上、さらには80%以上の
所謂高塩化銀乳剤を用いると、現像後の感光材料のヘイ
ズを低減することができ、好ましい。本発明において
は、様々な形状のハロゲン化銀粒子を用いることができ
るが、これらの粒子の粒子サイズ分布は単分散であるこ
とが好ましい。本発明で好ましく用いられるハロゲン化
銀乳剤は、粒子サイズ分布の変動係数で40%以下であ
ることが好ましい。さらに、30%以下であることが好
ましく、20%以下であることが最も好ましい。また、
用いるハロゲン化銀粒子が平板状の形状の場合、粒子厚
みの分布も変動係数が小さいことが好ましい。このとき
にも変動係数で40%以下であることが好ましい。さら
に、30%以下であることが好ましく、20%以下であ
ることが最も好ましい。
【0135】ハロゲン化銀粒子は、上記のような形状を
工夫する以外に、粒子中に様々な構造を有するように調
製される。常用されるのは、粒子をハロゲン組成の異な
る複数の層状に構成する方法である。撮影材料用に用い
られる沃臭化銀粒子では、ヨウ素含有量の異なる層を設
けることが好ましい。現像性を制御する目的でヨウ素含
有率の高い層を核に、ヨウ素含有率の低い殻で覆ういわ
ゆる内部高ヨウ素型コアシェル粒子が知られている。ま
た、これとは逆に、ヨウ素含有率の高い殻で覆った、外
部高ヨウ素型のコアシェル粒子も知られている。これ
は、平板状粒子の粒子厚みが小さくなったときに形状の
安定性を高めるのに有効である。ヨウ素含有率の低い核
を高ヨウ素含有率の第一殻で覆い、この上に低ヨウ素含
有率の第二殻を沈積させることで高感度を付与する技術
も知られている。このタイプのハロゲン化銀粒子では、
高ヨウ素相の上に沈積させた殻(平板状粒子では粒子外
縁のフリンジ部に相当する)には結晶不整に基づく転位
線が形成され、高感度を得るのに寄与する。高ヨウ素相
の沈積には、ヨウ化カリウムのような水溶性ヨウ化物溶
液を単独あるいは硝酸銀等の水溶性銀塩溶液と同時に添
加する方法、ヨウ化銀微粒子を系内に導入する方法、ア
ルカリや求核剤との反応でヨウ化物イオンを放出する化
合物(例えばp−ヨウ化アセトアミドベンゼンスルホン
酸ナトリウム等)を添加する方法などを好ましく用いる
ことができる。
【0136】本発明においては、上記のような種々のホ
スト粒子表面に、エピタキシャル突起部を沈積させて用
いることができる。本発明において、ハロゲン化銀粒子
中には、遷移金属元素などの多価金属イオンをドープす
ることが好ましい。これらの多価金属イオンは、粒子形
成中にハロゲン化物や硝酸塩などの形で導入することも
できるが、多価金属イオンを中心金属とする金属錯体
(ハロゲノ錯体、アンミン錯体、シアノ錯体、ニトロシ
ル錯体等)の形で導入することが好ましい。本発明にお
いて好ましく用いられる金属錯体は、第一、第二あるい
は第三遷移系列に属する金属イオンにシアン化物イオン
等の分光化学系列上d 軌道を大きく分裂させることの
できる配位子が配位した錯体である。これらの錯体の配
位形式は、6個の配位子が八面体型に配位した6配位錯
体で、そのうちシアンリガンドの数が4個以上であるこ
とが好ましい。
【0137】シアンリガンド以外の好ましい配位子とし
ては、SCN、NCS、H2O等の無機配位子、さらに
はピリジン、ビピリジン、フェナントロリン、イミダゾ
ール、ピラゾール等の有機配位子から選んで用いること
ができる。好ましい中心遷移金属としては、鉄、コバル
ト、ルテニウム、レニウム、オスミウム、イリジウムを
挙げることができる。
【0138】本発明で用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に
は、上述の金属錯体の他に、ハライドイオンあるいはチ
オシアン酸イオンを配位子とするルテニウム、ロジウ
ム、パラジウムあるいはイリジウムからなる錯体、、ニ
トロシル配位子を1個以上有するルテニウムからなる錯
体、シアン化物イオン配位子を有するクロムからなる錯
体、等を好ましく併用できる。本発明において、ハロゲ
ン化銀粒子には、既に述べた金属錯体以外に硫黄、セレ
ン、テルルのような所謂カルコゲン元素の2価のアニオ
ンをドープすることも好ましく行われる。これらのドー
パントもまた、高感度を得たり、露光条件依存性を改良
するのに有効である。
【0139】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の調
製法については、公知の方法、すなわち、グラフキデ著
「写真の物理と化学」、ポールモンテ社刊(P.Gla
fkides,Chimie et Phisique
Photographique,Paul Mont
el,1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォ
ーカルプレス社刊(G.F.Duffin,Photo
graphic Emulsion Chemistr
y,Focal Press,1966)、ゼリクマン
ら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊
(V.L.Zelikman et al.,Maki
ng and Coating ofPhotogra
phic Emulsion,Focal Pres
s,1964)等に記載の方法を基本に行うことができ
る。すなわち、酸性法、中性法、アンモニア法等の種々
のpH領域で調製することができる。また、反応液であ
る水溶性銀塩と水溶性ハロゲン塩溶液の供給方法とし
て、片側混合法や同時混合法等を単独あるいは組み合わ
せて用いることができる。さらに、反応中のpAgを目
標値に保つように反応液の添加を制御するコントロール
ドダブルジェット法を用いることも好ましい。また、反
応中のpH値を一定に保つ方法も用いられる。粒子形成
に際しては、系の温度、pHあるいはpAg値を変えて
ハロゲン化銀の溶解度を制御する方法を用いることもで
きるが、チオエーテルやチオ尿素類、ロダン塩等を溶剤
として用いることもできる。これらの例は、特公昭47
−11386号公報、特開昭53−144319号公報
等に記載されている。
【0140】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の調
製は、通常、ゼラチンのような水溶性バインダー水溶液
中に硝酸銀等の水溶性銀塩溶液と、ハロゲン化アルカリ
等の水溶性ハロゲン塩溶液とを制御された条件で供給す
ることで行われる。ハロゲン化銀粒子形成後、過剰の水
溶性塩類を除去することが好ましい。これは例えば、ハ
ロゲン化銀粒子を含むゼラチン溶液をゲル化、ひも状に
裁断し、冷水で水溶性塩を洗い流すヌーデル水洗法や、
多価アニオンよりなる無機塩類(例えば硫酸ナトリウ
ム)、アニオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー(例
えばポリスチレンスルホン酸ナトリウム)、あるいはゼ
ラチン誘導体(例えば脂肪族アシル化ゼラチン、芳香族
アシル化ゼラチン、芳香族カルバモイル化ゼラチンな
ど)などを添加してゼラチンを凝集させて過剰塩類を除
去する沈降法を用いても良い。沈降法を用いた場合には
過剰塩類の除去が迅速に行われ、好ましい。
【0141】本発明には、通常、一般的に知られている
増感法を単独にあるいは種々組み合わせて化学増感を施
したハロゲン化銀乳剤を用いることが好ましい。化学増
感は、調製されたハロゲン化銀粒子に高感度を付与し、
露光条件安定性や保存安定性を付与するのに寄与する。
化学増感法として、硫黄、セレンあるいはテルル化合物
を用いるカルコゲン増感法が好ましく用いられる。これ
らの増感剤としては、ハロゲン化銀乳剤に添加された際
に、上記のカルコゲン元素を放出して銀カルコゲナイド
を形成する化合物が用いられる。さらに、これらを併用
することも、高感度を得、カブリを低く押さえる上で好
ましい。また、金、白金、イリジウム等を用いる貴金属
増感法も好ましい。特に、塩化金酸を単独に、あるいは
金のリガンドとなるチオシアン酸イオン等と併用して用
いる金増感法は、高感度が得られる。金増感とカルコゲ
ン増感を併用すると、さらに高感度を得ることができ
る。
【0142】また、粒子形成中に適度な還元性を有する
化合物を用いて、還元性の銀核を導入することで高感度
を得る、所謂還元増感法も好ましく用いられる。芳香環
を有するアルキニルアミン化合物を化学増感時に添加し
て行う還元増感法も好ましい。化学増感を行う際に、ハ
ロゲン化銀粒子に吸着性を有する種々の化合物を用いて
その反応性を制御することも好ましい。カルコゲン増感
や金増感に先立って、含窒素複素環化合物やメルカプト
化合物、シアニンやメロシアニン類の増感色素類を添加
する方法が特に好ましい。化学増感を施す際の反応条件
は目的に応じて異なるが、温度は30℃〜95℃、好ま
しくは40℃〜75℃、pHは5.0〜11.0、好ま
しくは5.5〜8.5、pAgは6.0〜10.5、好
ましくは6.5〜9.8である。化学増感技術について
は、特開平3−110555号公報、特開平5−241
267号公報、特開昭62−253159号公報、特開
平5−45833号公報、特開昭62−40446号公
報等に記載されている。化学増感工程において、エピタ
キシャル突起部を形成することも好ましい。
【0143】本発明では、感光性ハロゲン化銀乳剤に所
望の光波長域に感度を付与する、所謂分光増感を施すこ
とが好ましい。特に、カラー写真感光材料では、オリジ
ナルに忠実な色再現を行うため、青、緑、赤に感光性を
有する感光性層が組み込まれている。これらの感光性
は、ハロゲン化銀を所謂分光増感色素により分光増感す
ることで付与される。これらの色素の例としては、シア
ニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合
メロシアニン色素、ホロポーラー色素、ヘミシアニン色
素、スチリル色素あるいはヘミオキソノール色素等を挙
げることができる。これらの例は、米国特許第4617
257号明細書、特開昭59−180550号公報、同
64−13546号公報、特開平5−45828号公
報、同5−45834号公報等に記載されている。
【0144】分光増感色素は、単独で用いられる他に、
複数種の色素を併用して用いられる。これは、分光感度
の波長分布の調節や、強色増感の目的で行われる。強色
増感作用を呈する色素の組合せでは、単独で達成できる
感度の和を大きく超える感度を得ることができる。ま
た、それ自身では分光増感作用を持たない色素、あるい
は可視光を実質的に吸収しない化合物であって、強色増
感作用を呈する化合物を併用することも好ましい。ジア
ミノスチルベン化合物類などを強色増感剤の例として挙
げることができる。これらの例としては、米国特許第3
615641号明細書、特開昭63−23145号公報
等に記載されている。これらの分光増感色素や強色増感
剤のハロゲン化銀乳剤への添加は、乳剤調製のいかなる
時期でも良い。化学増感の終了した乳剤に塗布液調製時
に添加する、化学増感終了時に添加する、化学増感途中
に添加する、化学増感に先立って添加する、粒子形成終
了後脱塩前に添加する、粒子形成中に添加する、あるい
は粒子形成に先立って添加するなどの種々の方法を単独
あるいは組み合わせて用いることができる。化学増感よ
りも前の工程で添加するのが、高感度を得るのに好まし
い。
【0145】分光増感色素や強色増感剤の添加量は、粒
子の形状や粒子サイズあるいは付与したい写真特性によ
って多岐にわたるが、概ねハロゲン化銀1モル当たり1
-8〜10-1モル、好ましくは10-5〜10-2モルの範
囲である。これらの化合物は、メタノールやフッ素アル
コール等の有機溶媒溶液として、あるいは界面活性剤や
ゼラチンとの水中分散物で添加できる。ハロゲン化銀乳
剤には、カブリを防止したり、保存時の安定性を高める
目的で種々の安定剤を添加することが好ましい。好まし
い安定剤としては、アザインデン類、トリアゾール類、
テトラゾール類、プリン類等の含窒素複素環化合物類、
メルカプトテトラゾール類、メルカプトトリアゾール
類、メルカプトイミダゾール類、メルカプトチアジアゾ
ール類等のメルカプト化合物類等を挙げることができ
る。これらの化合物の詳細は、ジェームズ著「写真過程
の理論」、マクミラン社刊(T.H.James,Th
e Theory of the Photograp
hic Process,Macmillan,197
7)第396頁〜399頁およびその引用文献に記載さ
れている。
【0146】本発明では、これらのカブリ防止剤の中で
も、炭素原子数4以上のアルキル基や、複数の芳香族基
を置換基として有するメルカプトアゾール類を特に好ま
しく用いることができる。本発明において、メルカプト
化合物を使用する場合、いかなる構造のものでもよい
が、Ar−SM、Ar−S−S−Arで表されるものが
好ましい。式中、Mは水素原子またはアルカリ金属原子
であり、Arは1個以上の窒素、イオウ、酸素、セレニ
ウムまたはテルリウム原子を有する芳香環または縮合芳
香環である。好ましくは、複素芳香環はベンズイミダゾ
ール、ナフトイミダゾール、ベンゾチアゾール、ナフト
チアゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾー
ル、ベンゾセレナゾール、ベンゾテルラゾール、カルバ
ゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、ト
リアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、トリアジ
ン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プ
リン、キノリンまたはキナゾリノンである。この複素芳
香環は、例えば、ハロゲン(例えば、BrおよびC
l)、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、アルキル(例
えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素
原子を有するもの)、アルコキシ(例えば、1個以上の
炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するも
の)およびアリール(置換基を有していてもよい)から
なる置換基群から選択されるものを有してもよい。メル
カプト置換複素芳香族化合物としては、2−メルカプト
ベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾー
ル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプト
−5−メチルベンズイミダゾール、6−エトキシ−2−
メルカプトベンゾチアゾール、2,2’−ジチオビス−
(ベンゾチアゾール)、3−メルカプト−1,2,4−
トリアゾール、4,5−ジフェニル−2−イミダゾール
チオール、2−メルカプトイミダゾール、1−エチル−
2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトキ
ノリン、8−メルカプトプリン、2−メルカプト−4
(3H)−キナゾリノン、7−トリフルオロメチル−4
−キノリンチオール、2,3,5,6−テトラクロロ−
4−ピリジンチオール、4−アミノ−6−ヒドロキシ−
2−メルカプトピリミジンモノヒドレート、2−アミノ
−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、3−
アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、
4−ヒドキロシ−2−メルカプトピリミジン、2−メル
カプトピリミジン、4,6−ジアミノ−2−メルカプト
ピリミジン、2−メルカプト−4−メチルピリミジンヒ
ドロクロリド、3−メルカプト−5−フェニル−1,
2,4−トリアゾール、1−フェニル−5−メルカプト
テトラゾール、3−(5−メルカプトテトラゾール)−
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N’−
{3−(5−メルカプトテトラゾリル)フェニル}ウレ
ア、2−メルカプト−4−フェニルオキサゾール、N−
[3−(メルカプトアセチルアミノ)プロピル]カルバ
ゾールなどが挙げられるが、本発明ではこれらに限定さ
れない。これらのカブリ防止剤あるいは安定剤のハロゲ
ン化銀乳剤への添加は、乳剤調製のいかなる時期でも良
い。化学増感終了後塗布液調製時、化学増感終了時、化
学増感途中、化学増感前、粒子形成終了後脱塩前、粒子
形成中、あるいは粒子形成に先立って添加するなどの種
々の方法を単独あるいは組み合わせて用いることができ
る。これらのカブリ防止剤あるいは安定剤の添加量はハ
ロゲン化銀乳剤のハロゲン組成や目的に応じて多岐にわ
たるが、概ねハロゲン化銀1モル当たり10-6〜10-1
モル、好ましくは10-5〜10-2モルの範囲である。
【0147】以上述べてきたような本発明の熱現像感光
材料に使用される写真用添加剤は、リサーチ・ディスク
ロージャー誌(以下RDと略記)No17643(19
78年12月)、同No18716(1979年11
月)および同No307105(1989年11月)に
記載されており、その該当箇所を下記にまとめる。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 感度上昇剤 648頁右欄 分光増感剤 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 増白剤 24頁 648頁右欄 868頁 カブリ防止剤 24〜26頁 649頁右欄 868〜870頁 安定剤 光吸収剤 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター染料 〜650頁左欄 紫外線吸収剤 色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 塗布助剤 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 界面活性剤 スタチック防止剤 27頁 650頁右欄 876〜877頁 マット剤 878〜879頁
【0148】本発明で用いるハロゲン化銀粒子の粒径分
布は、単分散度の値が30%以下であり、好ましくは1
〜20%であり、さらに5〜15%である。ここで単分
散度は、粒径の標準偏差を平均粒径で割った値の百分率
(%)(変動係数)として定義されるものである。なお
ハロゲン化銀粒子の粒径は、便宜上、立方体粒子の場合
は稜長で表し、その他の粒子(八面体、十四面体、平板
状など)は投影面積円相当直径で算出する。
【0149】本発明で用いる感光性ハロゲン化銀粒子
は、周期律表の第VII族あるいは第VIII族の金属
または金属錯体を含有する。周期律表の第VII族ある
いは第VIII族の金属または金属錯体の中心金属とし
て好ましくはロジウム、レニウム、ルテニウム、オスニ
ウム、イリジウムである。特に好ましい金属錯体は、
(NH43Rh(H2O)Cl5、K2Ru(NO)C
5、K3IrCl6、K4Fe(CN)6である。これら
金属錯体は1種類でもよいし、同種金属および異種金属
の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀
1モルに対し1×10 -9モル〜1×10-3モルの範囲が
好ましく、1×10-8モル〜1×10-4モルの範囲がよ
り好ましい。具体的な金属錯体の構造としては特開平7
−225449号公報等に記載された構造の金属錯体を
用いることができる。これら重金属の種類、添加方法に
関しては、特開平11−119374号公報の段落番号
0227〜0240に記載されている。
【0150】感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フ
ロキュレーション法等、当業界で知られている水洗法に
より脱塩することができるが、本発明においては脱塩し
てもしなくてもよい。本発明で用いる感光性ハロゲン化
銀乳剤は化学増感することが好ましい。化学増感につい
ては、特開平11−119374号公報の段落番号02
42〜0250に記載されている方法を用いることが好
ましい。本発明で用いるハロゲン化銀乳剤には、欧州特
許公開第293,917号公報に示される方法により、
チオスルホン酸化合物を添加してもよい。本発明に用い
る感光性ハロゲン化銀に含有するゼラチンとしては、感
光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散
状態を良好に維持するために、低分子量ゼラチンを使用
することが好ましい。低分子量ゼラチンの分子量は、5
00〜60,000であり、好ましくは分子量1,00
0〜40,000である。これらの低分子量ゼラチンは
粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよ
いが、脱塩処理後の分散時に使用することが好ましい。
また、粒子形成時は通常のゼラチン(分子量100,0
00程度)を使用し、脱塩処理後の分散時に低分子量ゼ
ラチンを使用してもよい。
【0151】分散媒の濃度は0.05〜20質量%にす
ることができるが、取り扱い上5〜15質量%の濃度域
が好ましい。ゼラチンの種類としては、通常アルカリ処
理ゼラチンが用いられるが、その他に酸処理ゼラチン、
フタル化ゼラチンの如き修飾ゼラチンも用いることがで
きる。本発明に用いる感光材料中のハロゲン化銀乳剤
は、一種だけを用いてもよいし、二種以上(例えば、平
均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるも
の、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)
を併用してもよい。本発明で用いる感光性ハロゲン化銀
の使用量としては有機銀塩1モルに対して感光性ハロゲ
ン化銀0.01モル〜0.5モルが好ましく、0.02
モル〜0.3モルがより好ましく、0.03モル〜0.
25モルが特に好ましい。別々に調製した感光性ハロゲ
ン化銀と有機銀塩の混合方法および混合条件について
は、それぞれ調製を終了したハロゲン化銀粒子と有機銀
塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミ
ル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あ
るいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製
終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製
する方法等があるが、本発明の効果が十分に得られる限
り特に制限はない。また、混合する際に2種以上の有機
銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合す
ることは、写真特性の調節のために好ましい方法であ
る。
【0152】本発明に用いることができる有機銀塩は、
光に対して比較的安定であるが、露光された光触媒(感
光性ハロゲン化銀の潜像など)および還元剤の存在下
で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀画像を
形成する銀塩である。有機銀塩は、還元可能な銀イオン
源を含む任意の有機物質であってよい。有機酸の銀塩、
特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28の)
長鎖脂肪カルボン酸の銀塩が好ましい。配位子が4.0
〜10.0の範囲の錯体安定度定数を有する有機または
無機銀塩の錯体も好ましい。銀供給物質は、好ましくは
画像形成層の約5〜70質量%を構成することができ
る。好ましい有機銀塩として、カルボキシル基を有する
有機化合物の銀塩を挙げることができる。具体的には、
脂肪族カルボン酸の銀塩および芳香族カルボン酸の銀塩
を挙げることができるが、これらに限定されるものでは
ない。脂肪族カルボン酸の銀塩の好ましい例としては、
ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイ
ン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸
銀、パルミチン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石
酸銀、リノール酸銀、酪酸銀および樟脳酸銀、これらの
混合物などを挙げることができる。
【0153】本発明においては、上記の有機酸銀ないし
は有機酸銀の混合物の中でも、ベヘン酸銀含有率75モ
ル%以上の有機酸銀を用いることが好ましく、ベヘン酸
銀含有率85モル%以上の有機酸銀を用いることがさら
に好ましい。ここでベヘン酸銀含有率とは、使用する有
機酸銀に対するベヘン酸銀のモル分率を示す。本発明に
用いる有機酸銀中に含まれるベヘン酸銀以外の有機酸銀
としては、上記の例示有機酸銀を好ましく用いることが
できる。本発明に好ましく用いられる有機酸銀は、上記
の有機酸のアルカリ金属塩(Na塩、K塩、Li塩等が
挙げられる)溶液または懸濁液と硝酸銀を反応させるこ
とにより調製される。これらの調製方法については、特
願平11−104187号明細書の段落番号0019〜
0021に記載の方法を用いることができる。
【0154】本発明においては、液体を混合するための
密閉手段の中に硝酸銀水溶液および有機酸アルカリ金属
塩溶液を添加することにより有機酸銀を調製する方法を
好ましく用いることができる。具体的には、特願平11
−203413号明細書に記載されている方法を用いる
ことができる。本発明においては有機酸銀の調製時に、
硝酸銀水溶液および有機酸アルカリ金属塩溶液、あるい
は反応液には水に可溶な分散剤を添加することができ
る。ここで用いる分散剤の種類および使用量について
は、特願平11−115457号明細書の段落番号00
52に具体例が記載されている。
【0155】本発明に用いる有機酸銀は第3アルコール
の存在下で調製することが好ましい。第3アルコールと
しては、好ましくは総炭素数15以下の化合物が好まし
く、10以下の化合物が特に好ましい。好ましい第3ア
ルコールの例としては、tert−ブタノール等が挙げ
られるが、本発明で使用することができる第3アルコー
ルはこれに限定されない。本発明に用いる第3アルコー
ルの添加時期は有機酸銀調製時のいずれのタイミングで
もよいが、有機酸アルカリ金属塩の調製時に添加して、
有機酸アルカリ金属塩を溶解して用いることが好まし
い。また、本発明で用いる第3アルコールは、有機酸銀
調製時の溶媒としての水に対して質量比で0.01〜1
0の範囲で使用することができるが、0.03〜1の範
囲で使用することが好ましい。
【0156】本発明に用いることができる有機銀塩の形
状やサイズは特に制限されないが、特願平11−104
187号明細書の段落番号0024に記載のものを用い
ることが好ましい。有機銀塩の形状は、有機銀塩分散物
の透過型電子顕微鏡像から求めることができる。単分散
性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積加重平均
直径の標準偏差を求める方法があり、体積加重平均直径
で割った値の百分率(変動係数)は好ましくは80%以
下、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは30
%以下である。測定方法としては、例えば液中に分散し
た有機銀塩にレーザー光を照射し、その散乱光のゆらぎ
の時間変化に対する自己相関関数を求めることにより得
られた粒子サイズ(体積加重平均直径)から求めること
ができる。この測定法での平均粒子サイズとしては0.
05μm〜10.0μmの固体微粒子分散物が好まし
い。より好ましい平均粒子サイズは0.1μm〜5.0
μm、さらに好ましい平均粒子サイズは0.1μm〜
2.0μmである。本発明に用いる有機銀塩は、脱塩し
たものであることが好ましい。脱塩法は特に制限され
ず、公知の方法を用いることができるが、遠心濾過、吸
引濾過、限外濾過、凝集法によるフロック形成水洗等の
公知の濾過方法を好ましく用いることができる。限外濾
過の方法については、特願平11−115457号明細
書に記載の方法を用いることができる。
【0157】本発明では、高S/Nで、粒子サイズが小
さく、凝集のない有機銀塩固体分散物を得る目的で、画
像形成媒体である有機銀塩を含み、かつ感光性銀塩を実
質的に含まない水分散液を高速流に変換した後、圧力降
下させる分散法を用いることが好ましい。これらの分散
方法については特願平11−104187号明細書の段
落番号0027〜0038に記載の方法を用いることが
できる。本発明で用いる有機銀塩固体微粒子分散物の粒
子サイズ分布は単分散であることが好ましい。具体的に
は、体積荷重平均直径の標準偏差を体積荷重平均直径で
割った値の百分率(変動係数)が80%以下、より好ま
しくは50%以下、さらに好ましくは30%以下であ
る。
【0158】本発明に用いる有機銀塩固体微粒子分散物
は、少なくとも有機銀塩と水からなるものである。有機
銀塩と水との割合は特に限定されるものではないが、有
機銀塩の全体に占める割合は5〜50質量%であること
が好ましく、特に10〜30質量%の範囲が好ましい。
前述の分散助剤を用いることは好ましいが、粒子サイズ
を最小にするのに適した範囲で最少量使用するのが好ま
しく、有機銀塩に対して0.5〜30質量%、特に1〜
15質量%の範囲が好ましい。本発明で用いる有機銀塩
は所望の量で使用できるが、銀量として0.1〜5g/
2が好ましく、さらに好ましくは1〜3g/m2であ
る。
【0159】本発明にはCa、Mg、ZnおよびAgか
ら選ばれる金属イオンを非感光性有機銀塩へ添加するこ
とが好ましい。Ca、Mg、ZnおよびAgから選ばれ
る金属イオンの非感光性有機銀塩への添加については、
ハロゲン化物でない、水溶性の金属塩の形で添加するこ
とが好ましく、具体的には硝酸塩や硫酸塩などの形で添
加することが好ましい。ハロゲン化物での添加は処理後
の感光材料の光(室内光や太陽光など)による画像保存
性、いわゆるプリントアウト性を悪化させるので好まし
くない。このため、本発明ではハロゲン化物でない、水
溶性の金属塩の形で添加することが好ましい。
【0160】本発明に好ましく用いるCa、Mg、Zn
およびAgから選ばれる金属イオンの添加時期として
は、該非感光性有機銀塩の粒子形成後であって、粒子形
成直後、分散前、分散後および塗布液調製前後など塗布
直前までであればいずれの時期でもよく、好ましくは分
散後、塗布液調製前後である。本発明におけるCa、M
g、ZnおよびAgから選ばれる金属イオンの添加量と
しては、非感光性有機銀1モルあたり10-3〜10-1
ルが好ましく、特に5×10-3〜5×10-2モルが好ま
しい。
【0161】本発明の熱現像感光材料は、画像を向上さ
たり、光学濃度を高くすることを目的に「色調剤」とし
て知られる添加剤を含むことが好ましい。また、色調剤
は黒色銀画像を形成させる上でも有利になることがあ
る。色調剤としては、例えば、特開昭46−6077号
公報、同47−10282号公報、同49−5019号
公報、同49−5020号公報、同49−91215号
公報、同49−91215号公報、同50−2524号
公報、同50−32927号公報、同50−67132
号公報、同50−67641号公報、同50−1142
17号公報、同51−3223号公報、同51−279
23号公報、同52−14788号公報、同52−99
813号公報、同53−1020号公報、同53−76
020号公報、同54−156524号公報、同54−
156525号公報、同61−183642号公報、特
開平4−56848号公報、特公昭49−10727号
公報、同54−20333号公報、米国特許第3,08
0,254号明細書、同第3,446,648号明細
書、同第3,782,941号明細書、同第4,12
3,282号明細書、同第4,510,236号明細
書、英国特許第1,380,795号明細書、ベルギー
特許第841,910号明細書などに開示される色調剤
を用いることができる。色調剤の具体例としては、フタ
ルイミドおよびN−ヒドロキシフタルイミド;スクシン
イミド、ピラゾリン−5−オン、ならびにキナゾリノ
ン、3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フ
ェニルウラゾール、キナゾリンおよび2,4−チアゾリ
ジンジオンのような環状イミド;ナフタルイミド(例え
ば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミド);コバ
ルト錯体(例えば、コバルトヘキサミントリフルオロア
セテート);3−メルカプト−1,2,4−トリアゾー
ル、2,4−ジメルカプトピリミジン、3−メルカプト
−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾールおよ
び2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール
に例示されるメルカプタン;N−(アミノメチル)アリ
ールジカルボキシイミド、(例えば、(N,N−ジメチ
ルアミノメチル)フタルイミドおよびN,N−(ジメチ
ルアミノメチル)−ナフタレン−2,3−ジカルボキシ
イミド);ならびにブロック化ピラゾール、イソチウロ
ニウム誘導体およびある種の光退色剤(例えば、N,
N’−ヘキサメチレンビス(1−カルバモイル−3,5
−ジメチルピラゾール)、1,8−(3,6−ジアザオ
クタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテー
ト)および2−トリブロモメチルスルホニル)−(ベン
ゾチアゾール));ならびに3−エチル−5−[(3−
エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン)−1−メチルエ
チリデン]−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオ
ン;フタラジノン、フタラジノン誘導体もしくは金属
塩、または4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−ク
ロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノンお
よび2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオンなど
の誘導体;フタラジノンとフタル酸誘導体(例えば、フ
タル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸およ
びテトラクロロ無水フタル酸など)との組合せ;フタラ
ジン、フタラジン誘導体(たとえば、4−(1−ナフチ
ル)フタラジン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメ
トキシフタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−
イソブチルフタラジン、6−tert−ブチルフタラジ
ン、5,7−ジメチルフタラジン、および2,3−ジヒ
ドロフタラジンなどの誘導体)もしくは金属塩;フタラ
ジンおよびその誘導体とフタル酸誘導体(例えば、フタ
ル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸および
テトラクロロ無水フタル酸など)との組合せ;キナゾリ
ンジオン、ベンズオキサジンまたはナフトオキサジン誘
導体;色調調節剤としてだけでなくその場でハロゲン化
銀生成のためのハライドイオンの源としても機能するロ
ジウム錯体、例えばヘキサクロロロジウム(III)酸ア
ンモニウム、臭化ロジウム、硝酸ロジウムおよびヘキサ
クロロロジウム(III)酸カリウムなど;無機過酸化物
および過硫酸塩、例えば、過酸化二硫化アンモニウムお
よび過酸化水素;1,3−ベンズオキサジン−2,4−
ジオン、8−メチル−1,3−ベンズオキサジン−2,
4−ジオンおよび6−ニトロ−1,3−ベンズオキサジ
ン−2,4−ジオンなどのベンズオキサジン−2,4−
ジオン;ピリミジンおよび不斉−トリアジン(例えば、
2,4−ジヒドロキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4
−アミノピリミジンなど)、アザウラシル、およびテト
ラアザペンタレン誘導体(例えば、3,6−ジメルカプ
ト−1,4−ジフェニル−1H,4H−2,3a,5,
6a−テトラアザペンタレン、および1,4−ジ(o−
クロロフェニル)−3,6−ジメルカプト−1H,4H
−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン)などが
ある。色調剤は画像形成層を有する面に銀1モル当たり
0.1〜50モル%含ませることが好ましく、0.5〜
20モル%含ませることがさらに好ましい。また、色調
剤は現像時のみ有効に機能を持つように誘導化されたい
わゆるプレカーサーであってもよい。色調剤は、溶液、
粉末、固体微粒子分散物などいかなる方法で添加しても
よい。固体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボ
ールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミ
ル、ジェットミル、ローラーミルなど)で行われる。ま
た、固体微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0162】本発明の熱現像感光材料は、支持体上、感
光性ハロゲン化銀および還元可能な銀塩と同一の面に、
バインダーを有する。画像形成層(感光性層、乳剤層)
のバインダーとしては、よく知られている天然または合
成樹脂、例えば、ゼラチン、ポリビニルアセタール、ポ
リビニルクロリド、ポリビニルアセテート、セルロース
アセテート、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリスチ
レン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネートなどか
ら任意のものを選択することができる。当然ながら、コ
ポリマーおよびターポリマーも含まれる。好ましいポリ
マーは、ポリビニルブチラール、ブチルエチルセルロー
ス、メタクリレートコポリマー、無水マレイン酸エステ
ルコポリマー、ポリスチレンおよびブタジエンスチレン
コポリマーである。必要に応じて、これらのポリマーを
2種またはそれ以上組合せて使用することができる。そ
のようなポリマーは、成分をその中に保持するのに十分
な量で使用される。すなわち、バインダーとして機能す
るのに効果的な範囲で使用される。効果的な範囲は、当
業者が適切に決定することができる。少なくとも有機銀
塩を保持する場合の目安として、バインダー対有機銀塩
の割合は、15:1〜1:2、特に8:1〜1:1の範
囲が好ましい。
【0163】画像形成層のうち少なくとも1層は以下に
述べるポリマーラテックスを全バインダーの50質量%
以上含有することが好ましい。(以降この画像形成層を
「本発明における画像形成層」、バインダーに用いるポ
リマーラテックスを「本発明で用いるポリマーラテック
ス」と表す。)また、ポリマーラテックスは画像形成層
だけではなく、保護層やバック層に用いてもよく、特に
寸法変化が問題となる印刷用途に本発明の熱現像感光材
料を用いる場合には、保護層やバック層にもポリマーラ
テックスを用いる必要がある。ただしここで言う「ポリ
マーラテックス」とは水不溶な疎水性ポリマーが微細な
粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分
散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているも
の、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、ある
いはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子
鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよい。なお
本発明で用いるポリマーラテックスについては「合成樹
脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発
行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝
明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会
発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井
宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などに記載
されている。分散粒子の平均粒径は1〜50000n
m、より好ましくは5〜1000nm程度が好ましい。
分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒
径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでも
よい。
【0164】本発明に用いるポリマーラテックスとして
は通常の均一構造のポリマーラテックス以外、いわゆる
コア/シェル型のラテックスでもよい。この場合コアと
シェルはガラス転移温度を変えると好ましい場合があ
る。バインダーに用いるポリマーラテックスのポリマー
のガラス転移温度(Tg)は、保護層、バック層と画像
形成層とでは好ましい範囲が異なる。画像形成層にあっ
ては熱現像時に写真有用素材の拡散を促すため、40℃
以下であり、さらには30〜40℃が好ましい。保護層
やバック層に用いる場合には種々の機器と接触するため
に25〜70℃のガラス転移温度が好ましい。本発明に
用いるポリマーラテックスの最低造膜温度(MFT)は
30℃〜90℃、より好ましくは0℃〜70℃程度が好
ましい。最低造膜温度をコントロールするために造膜助
剤を添加してもよい。造膜助剤は可塑剤ともよばれポリ
マーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物
(通常有機溶剤)で、例えば前述の「合成ラテックスの
化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」
に記載されている。
【0165】ポリマーラテックスに用いられるポリマー
種としてはアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂、または
これらの共重合体などがある。ポリマーとしては直鎖の
ポリマーでも枝分かれしたポリマーでも、また架橋され
たポリマーでもよい。またポリマーとしては単一のモノ
マーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種
以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリ
マーの場合はランダムコポリマーでもブロックコポリマ
ーでもよい。ポリマーの分子量は数平均分子量で500
0〜1000000、好ましくは10000〜1000
00程度が好ましい。分子量が小さすぎるものは画像形
成層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは製膜
性が悪く好ましくない。
【0166】本発明の熱現像感光材料の画像形成層のバ
インダーとして用いられるポリマーラテックスの具体例
としては以下のようなものがある。メチルメタクリレー
ト/エチルアクリレート/メタクリル酸コポリマーのラ
テックス、メチルメタクリレート/2エチルヘキシルア
クリレート/スチレン/アクリル酸コポリマーのラテッ
クス、スチレン/ブタジエン/アクリル酸コポリマーの
ラテックス、スチレン/ブタジエン/ジビニルベンゼン
/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチルメタク
リレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマーのラテッ
クス、塩化ビニリデン/エチルアクリレート/アクリロ
ニトリル/メタクリル酸コポリマーのラテックスなど。
また、このようなポリマーは市販もされていて、以下の
ようなポリマーが利用できる。例えばアクリル樹脂の例
として、セビアンA4635,46583、4601
(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx
811、814、821、820、857(以上日本ゼ
オン(株)製)など、ポリエステル樹脂としては、FI
NETEX ES650、611、675、850(以
上大日本インキ化学(株)製)、WD size、WM
S(以上イーストマンケミカル製)など、ポリウレタン
樹脂としてはHYDRAN AP10、20、30、4
0(以上大日本インキ化学(株)製)など、ゴム系樹脂
としてはLACSTAR7310K、3307B、47
00H、7132C(以上大日本インキ化学(株)
製)、Nipol Lx416、410、438C、2
507(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビニル樹
脂としてはG351、G576(以上日本ゼオン(株)
製)など、塩化ビニリデン樹脂としてはL502、L5
13(以上旭化成工業(株)製)、アロンD7020、
D504、D5071(以上三井東圧(株)製)など、
オレフィン樹脂としてはケミパールS120、SA10
0(以上三井石油化学(株)製)などを挙げることがで
きる。これらのポリマーは単独で用いてもよいし、必要
に応じて2種以上ブレンドして用いてもよい。
【0167】本発明の熱現像感光材料の画像形成層は全
バインダーの50質量%以上として上記ポリマーラテッ
クスを用いることが好ましいが、70質量%以上として
上記ポリマーラテックスを用いることがより好ましい。
本発明の熱現像感光材料の画像形成層には必要に応じて
全バインダーの50質量%以下の範囲でゼラチン、ポリ
ビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースなどの親水性ポリマーを
添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は画
像形成層の全バインダーの30質量%以下、さらには1
5質量%以下が好ましい。
【0168】本発明において、画像形成層は水系の塗布
液を塗布後乾燥して調製することが好ましい。ただし、
ここで言う「水系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の60
質量%以上が水であることをいう。塗布液の水以外の成
分はメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、
ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなどの水混和性の有
機溶媒を用いることができる。具体的な溶媒組成の例と
しては、水のほか、以下のようなものがある。水/メタ
ノール=90/10、水/メタノール=70/30、水/
エタノール=90/10、水/イソプロパノール=90/
10、水/ジメチルホルムアミド=95/5、水/メタ
ノール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/
メタノール/ジメチルホルムアミド=90/5/5。
(ただし数字は質量%を表す。)本発明において、画像
形成層の全バインダー量は0.2〜30g/m2、より
好ましくは1〜15g/m2の範囲が好ましい。画像形
成層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面
活性剤などを添加してもよい。
【0169】本発明に用いることができる増感色素とし
ては、ハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域
でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源
の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に
選択することができる。例えば、550nm〜750n
mの波長領域を分光増感する色素としては、特開平10
−186572号公報の一般式(II)で表される色素
が挙げられ、具体的にはII−6、II−7、II−14、II
−15、II−18、II−23、II−25の色素を好まし
い色素として例示することができる。また、750〜1
400nmの波長領域を分光増感する色素としては、特
開平11−119374号公報の一般式(I)で表され
る色素が挙げられ、具体的には(25)、(26)、
(30)、(32)、(36)、(37)、(41)、
(49)、(54)の色素を好ましい色素として例示す
ることができる。さらに、J−bandを形成する色素
として、米国特許第5,510,236号明細書、同第
3,871,887号明細書の実施例5に記載の色素、
特開平2−96131号公報、特開昭59−48753
号公報に開示されている色素を好ましい色素として例示
することができる。これらの増感色素は単独で用いても
よく、2種以上組合せて用いてもよい。
【0170】これら増感色素の添加については、特開平
11−119374号公報の段落番号0106に記載さ
れている方法で添加することができるが、特に、この方
法に限定されるものではない。本発明における増感色素
の添加量は、感度やカブリの性能に合わせて所望の量に
することができるが、感光性層のハロゲン化銀1モル当
たり10-6〜1モルが好ましく、さらに好ましくは10
-4〜10-1モルである。
【0171】本発明を実施するために必要ではないが、
乳剤層にカブリ防止剤として水銀(II)塩を加えること
が有利なことがある。この目的に好ましい水銀(II)塩
は酢酸水銀および臭化水銀である。本発明の熱現像感光
材料は、高感度化やカブリ防止を目的として安息香酸類
を含有してもよい。本発明に用いられる安息香酸類はい
かなる安息香酸誘導体でもよいが、好ましい構造の例と
しては、米国特許第4,784,939号明細書、同第
4,152,160号明細書、特開平9−329863
号公報、同9−329864号公報、同9−28163
7号公報などに記載の化合物が挙げられる。安息香酸類
の添加量は、いかなる量でもよいが、銀1モル当たり1
μモル〜2モルが好ましく、より好ましくは1ミリモル
〜0.5モルである。安息香酸類の添加法としては、粉
末、溶液、微粒子分散物などいかなる方法で行ってもよ
い。また、増感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と
混合した溶液として添加してもよい。安息香酸類の添加
時期は、塗布液調製のいかなる工程でもよく、有機銀塩
含有層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製
時のいかなる工程でもよいが、有機銀塩調製後から塗布
直前が好ましい。安息香酸類は熱現像感光材料のいかな
る部位に添加してもよいが、画像形成層である感光層を
有する面の層に添加することが好ましく、有機銀塩含有
層に添加することがさらに好ましい。
【0172】本発明の熱現像感光材料には、現像を抑制
または促進させて現像を制御すること、分光増感効率を
向上させること、現像前後の保存性を向上させることな
どを目的として、メルカプト化合物、ジスルフィド化合
物、チオン化合物を含有させることができる。メルカプ
ト化合物を使用する場合、いかなる構造のものでもよい
が、Ar−SM0、Ar−S−S−Arで表されるもの
が好ましい。式中、M0は水素原子またはアルカリ金属
原子であり、Arは1個以上の窒素、イオウ、酸素、セ
レンもしくはテルル原子を有する芳香環基または縮合芳
香環基である。好ましくは、複素芳香環はベンゾイミダ
ゾール、ナフトイミダゾール、ベンゾチアゾール、ナフ
トチアゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾー
ル、ベンゾセレナゾール、ベンゾテルラゾール、カルバ
ゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、ト
リアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、トリアジ
ン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プ
リン、キノリンまたはキナゾリノンである。この複素芳
香環は置換基を有していてもよく、置換基の例として
は、ハロゲン(例えば、臭素および塩素)、ヒドロキ
シ、アミノ、カルボキシ、アルキル(例えば、炭素数1
以上、好ましくは炭素数1〜4)、アルコキシ(例え
ば、炭素数1以上、好ましくは炭素数1〜4)、および
アリール(置換基を有していてもよい)が挙げられる。
メルカプト置換複素芳香族化合物の例としては、2−メ
ルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオ
キサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メ
ルカプト−5−メチルベンゾイミダゾール、6−エトキ
シ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2,2−ジチオ
ビスベンゾチアゾール、3−メルカプト−1,2,4−
トリアゾール、4,5−ジフェニル−2−イミダゾール
チオール、2−メルカプトイミダゾール、1−エチル−
2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトキ
ノリン、8−メルカプトプリン、2−メルカプト−4
(3H)−キナゾリノン、7−トリフルオロメチル−4
−キノリンチオール、2,3,5,6−テトラクロロ−
4−ピリジンチオール、4−アミノ−6−ヒドロキシ−
2−メルカプト−ピリミジンモノヒドレート、2−アミ
ノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、3
−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾー
ル、4−ヒドキロシ−2−メルカプトピリミジン、2−
メルカプトピリミジン、4,6−ジアミノ−2−メルカ
プトピリミジン、2−メルカプト−4−メチルピリミジ
ンヒドロクロリド、3−メルカプト−5−フェニル−
1,2,4−トリアゾール、1−フェニル−5−メルカ
プトテトラゾール、3−(5−メルカプトテトラゾー
ル)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N−
[3−(5−メルカプトテトラゾリル)フェニル]ウレ
ア、2−メルカプト−4−フェニルオキサゾール、N−
[3−(メルカプトアセチルアミノ)プロピル]カルバ
ゾールなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定され
ない。メルカプト化合物の添加量は、画像形成層中の銀
1モル当たり0.0001〜1モルの範囲が好ましく、
さらに好ましくは銀1モル当たり0.001〜0.3モ
ルである。
【0173】本発明の熱現像感光材料の画像形成層(感
光性層)には、可塑剤および潤滑剤として、多価アルコ
ール(例えば、米国特許第2,960,404号明細書
に記載された種類のグリセリンおよびジオール)、米国
特許第2,588,765号明細書および同第3,12
1,060号明細書に記載の脂肪酸またはエステル、英
国特許第955,061号明細書に記載のシリコーン樹
脂などを用いることができる。
【0174】本発明の熱現像感光材料においては、画像
形成層の付着防止などの目的で表面保護層を設けること
ができる。表面保護層のバインダーとしてはいかなるポ
リマーでもよいが、カルボン酸残基を有するポリマーを
100mg/m2〜5g/m2含むことが好ましい。ここ
でいうカルボン酸残基を有するポリマーとしては、天然
高分子(ゼラチン、アルギン酸等)、変性天然高分子
(カルボキシメチルセルロース、フタル化ゼラチン
等)、合成高分子(ポリメタクリレート、ポリアクリレ
ート、ポリアルキルメタクリレート/アクリレート共重
合体、ポリスチレン/ポリメタクリレート共重合体等)
などが挙げられる。このようなポリマーのカルボキシ残
基の含有量としては、ポリマー100g当たり10mm
ol〜1.4molであることが好ましい。また、カル
ボン酸残基はアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イ
オン、有機カチオンなどと塩を形成してもよい。
【0175】表面保護層には、いかなる付着防止材料を
使用してもよい。付着防止材料の例としては、ワック
ス、シリカ粒子、スチレン含有エラストマー性ブロック
コポリマー(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレ
ン、スチレン−イソプレン−スチレン)、酢酸セルロー
ス、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロ
ピオネートやこれらの混合物などが挙げられる。また、
表面保護層には、架橋のための架橋剤、塗布性改良のた
めの界面活性剤などを添加してもよい。本発明におい
て、画像形成層もしくは画像形成層の保護層には、米国
特許第3,253,921号明細書、同第2,274,
782号明細書、同第2,527,583号明細書およ
び同第2,956,879号明細書に記載されているよ
うな光吸収物質およびフィルター染料を使用することが
できる。また、例えば米国特許第3,282,699号
明細書に記載のように染料を媒染することができる。フ
ィルター染料の使用量は、露光波長での吸光度が0.1
〜3が好ましく、0.2〜1.5が特に好ましい。
【0176】本発明の熱現像感光材料の画像形成層に
は、色調改良、イラジエーション防止の観点から各種染
料や顔料を用いることができる。これらの染料および顔
料はいかなるものでもよいが、例えばカラーインデック
ス記載の顔料や染料が用いられ、具体的にはピラゾロア
ゾール染料、アントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチ
ン染料、オキソノール染料、カルボシアニン染料、スチ
リル染料、トリフェニルメタン染料、インドアニリン染
料、インドフェノール染料、フタロシアニンをはじめと
する有機顔料、無機顔料などが挙げられる。好ましい染
料としては、アントラキノン染料(例えば特開平5−3
41441号公報記載の化合物1〜9、特開平5−16
5147号公報記載の化合物3−6〜18および3−2
3〜38等)、アゾメチン染料(特開平5−34144
1号公報記載の化合物17〜47等)、インドアニリン
染料(例えば特開平5−289227号公報記載の化合
物11〜19、特開平5−341441号公報記載の化
合物47、特開平5−165147号公報記載の化合物
2−10〜11等)、およびアゾ染料(特開平5−34
1441号公報記載の化合物10〜16等)が挙げられ
る。これらの染料の添加法としては、溶液、乳化物、固
体微粒子分散物、高分子媒染剤に媒染された状態などい
かなる方法でもよい。染料および顔料の使用量は、目的
の吸収量によって決められるが、一般的に感光材料1m
2当たり1μg〜1gの範囲が好ましい。
【0177】本発明の熱現像感光材料は、支持体の一方
の側に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤を含む感光性
層(好ましくは画像形成層)を有し、他方の側にバック
層を有する、いわゆる片面感光材料であることが好まし
い。バック層は、所望の範囲での最大吸収が約0.3以
上2.0以下であることが好ましい。所望の範囲が75
0〜1400nmである場合には、750〜360nm
における光学濃度が0.005以上0.5未満であるこ
とが好ましく、さらに光学濃度が0.001以上0.3
未満のハレーション防止層であることが好ましい。所望
の範囲が750nm以下である場合には、画像形成前の
所望範囲の最大吸収が0.3以上2.0以下であり、さ
らに画像形成後の360〜750nmの光学濃度が0.
005以上0.3未満になるようなハレーション防止層
であることが好ましい。画像形成後の光学濃度を上記の
範囲に下げる方法としては特に制限はないが、例えば、
ベルギー特許第733,706号明細書に記載されたよ
うに、染料による濃度を加熱による消色で低下させる方
法、特開昭54−17833号公報に記載の、光照射に
よる消色で濃度を低下させる方法等が挙げられる。
【0178】ハレーション防止染料を使用する場合、こ
うした染料は所望の範囲で目的の吸収を有し、処理後に
可視領域での吸収が充分少なく、上記バック層の好まし
い吸光度スペクトルの形状が得られればいかなる化合物
でもよい。例えば以下に挙げるものが開示されている
が、本発明はこれに限定されるものではない。単独の染
料としては、特開昭59−56458号公報、特開平2
−216140号公報、同7−13295号公報、同7
−11432号公報、米国特許5,380,635号明
細書、特開平2−68539号公報第13頁左下欄1行
目〜同第14頁左下欄9行目、特開平3−24539号
公報第14頁左下欄〜同第16頁右下欄記載の化合物が
挙げられ、処理で消色する染料としては、特開昭52−
139136号公報、同53−132334号公報、同
56−501480号公報、同57−16060号公
報、同57−68831号公報、同57−101835
号公報、同59−182436号公報、特開平7−36
145号公報、同7−199409号公報、特公昭48
−33692号公報、同50−16648号公報、特公
平2−41734号公報、米国特許4,088,497
号明細書、同4,283,487号明細書、同4,54
8,896号明細書、同5,187,049号明細書に
記載の化合物が挙げられる。
【0179】バック層の好適なバインダーは透明または
半透明で、一般に無色であり、具体的には、天然ポリマ
ー、合成樹脂やポリマーおよびコポリマー、その他フィ
ルムを形成する媒体が用いられ、例えば:ゼラチン、ア
ラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエ
チルセルロース、セルロースアセテート、セルロースア
セテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼ
イン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメ
タクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル
酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ
(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−
ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、
ポリ(ビニルホルマール)およびポリ(ビニルブチラー
ル))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フ
ェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキ
シド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセ
テート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類が
挙げられる。バインダーは水または有機溶媒またはエマ
ルジョンから被覆形成してもよい。
【0180】本発明の熱現像感光材料は、搬送性改良の
ために、感光性乳剤層(好ましくは画像形成層)の表面
保護層および/またはバック層またはバック層の表面保
護層にマット剤を添加してもよい。マット剤は、一般に
水に不溶性の有機または無機化合物の微粒子である。マ
ット剤としては任意のものを使用でき、例えば米国特許
第1,939,213号、同2,701,245号、同
2,322,037号、同3,262,782号、同
3,539,344号、同3,767,448号等の各
明細書に記載の有機マット剤、同1,260,772
号、同2,192,241号、同3,257,206
号、同3,370,951号、同3,523,022
号、同3,769,020号等の各明細書に記載の無機
マット剤など当業界でよく知られたものを用いることが
できる。マット剤として用いることのできる有機化合物
の具体例としては、水分散性ビニル重合体の例としてポ
リメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポ
リアクリロニトリル、アクリロニトリル−α−メチルス
チレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベ
ンゼン共重合体、ポリビニルアセテート、ポリエチレン
カーボネート、ポリテトラフルオロエチレンなど、セル
ロース誘導体の例としてはメチルセルロース、セルロー
スアセテート、セルロースアセテートプロピオネートな
ど、澱粉誘導体の例としてカルボキシ澱粉、カルボキシ
ニトロフェニル澱粉、尿素−ホルムアルデヒド−澱粉反
応物など、公知の硬化剤で硬化したゼラチンおよびコア
セルベート硬化して微少カプセル中空粒体とした硬化ゼ
ラチンなどが挙げられる。無機化合物の例としては、二
酸化珪素、二酸化チタン、二酸化マグネシウム、酸化ア
ルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、公知の方
法で減感した塩化銀、同じく臭化銀、ガラス、珪藻土な
どが挙げられる。上記のマット剤は必要に応じて異なる
種類の物質を混合して用いることができる。マット剤の
大きさ、形状に特に限定はなく、任意の粒径のものを用
いることができる。本発明の実施に際しては0.1μm
〜30μmの粒径のものを用いるのが好ましい。また、
マット剤の粒径分布は狭くても広くてもよい。一方、マ
ット剤は感光材料のヘイズ、表面光沢に大きく影響する
ことから、マット剤作製時あるいは複数のマット剤の混
合により、粒径、形状および粒径分布を必要に応じた状
態にすることが好ましい。
【0181】マット剤は感光材料の最外表面層もしくは
最外表面層として機能する層、あるいは外表面に近い層
に含有されるのが好ましく、またいわゆる保護層として
作用する層に含有されることが好ましい。また、乳剤面
保護層のマット度は星屑故障が生じなければいかようで
もよいが、ベック平滑度が500〜10,000秒が好
ましく、特に500〜2,000秒が好ましい。本発明
において、熱現像感光材料が片面感光材料であり、バッ
ク層にマット剤を添加するのは好ましい態様である。バ
ック層のマット度としてはベック平滑度が10〜120
0秒が好ましく、さらに好ましくは50〜700秒であ
る。
【0182】本発明の熱現像写真用乳剤は、支持体上に
一またはそれ以上の層を構成する。一層の構成は有機銀
塩、ハロゲン化銀、現像剤およびバインダー、ならびに
色調剤、被覆助剤および他の補助剤などの所望による追
加の材料を含まなければならない。二層の構成は、第1
乳剤層(通常は支持体に隣接した層)中に有機銀塩およ
びハロゲン化銀を含み、第2層または両層中にいくつか
の他の成分を含まなければならない。しかし、全ての成
分を含む単一乳剤層および保護トップコートを含んでな
る二層の構成も考えられる。多色感光性熱現像感光材料
の構成は、各色についてこれらの二層の組合せを含んで
よく、また、米国特許第4,708,928号明細書に
記載されているように単一層内に全ての成分を含んでい
てもよい。多染料多色感光性熱現像感光材料の場合、各
乳剤層は、一般に、米国特許第4,460,681号明
細書に記載されているように、各乳剤層(感光性層)の
間に官能性もしくは非官能性のバリアー層を使用するこ
とにより、互いに区別されて保持される。
【0183】米国特許第4,460,681号明細書お
よび同第4,374,921号明細書に示されるような
裏面抵抗性加熱層(backside resistive heating laye
r)を感光性熱現像写真画像系に使用することもでき
る。本発明の熱現像感光材料において、画像形成層(感
光性層)、保護層、バック層など各層には硬膜剤を用い
てもよい。硬膜剤の例としては、米国特許第4,28
1,060号明細書、特開平6−208193号公報等
に記載のポリイソシアネート類、米国特許第4,79
1,042号明細書等に記載のエポキシ化合物類、特開
昭62−89048号公報等に記載のビニルスルホン系
化合物類などが用いられる。
【0184】本発明の熱現像感光材料においては、塗布
性、帯電改良などを目的として界面活性剤を用いてもよ
い。界面活性剤の例としては、ノニオン系、アニオン
系、カチオン系、フッ素系などいかなるものも適宜用い
られる。具体的には、特開昭62−170950号公
報、米国特許第5,380,644号明細書等に記載の
フッ素系高分子界面活性剤、特開昭60−244945
号公報、同63−188135号公報等に記載のフッ素
系界面活性剤、米国特許第3,885,965号明細書
等に記載のポリシロキサン系界面活性剤、特開平6−3
01140号公報等に記載のポリアルキレンオキサイド
やアニオン系界面活性剤などが挙げられる。
【0185】本発明の熱現像感光材料には、種々の支持
体を用いることができる。典型的な支持体としては、ポ
リエステルフィルム、下塗りポリエステルフィルム、ポ
リ(エチレンテレフタレート)フィルム、ポリエチレン
ナフタレートフィルム、硝酸セルロースフィルム、セル
ロースエステルフィルム、ポリ(ビニルアセタール)フ
ィルム、ポリカーボネートフィルムおよび関連するまた
は樹脂状の材料、ならびにガラス、紙、金属などが挙げ
られる。可撓性基材、特に、バライタおよび/または部
分的にアセチル化されたα−オレフィンポリマー、特に
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ブテンコポ
リマーなどの炭素数2〜10のα−オレフィンのポリマ
ーによりコートされた紙支持体が、典型的に用いられ
る。このような支持体は透明であっても不透明であって
もよいが、透明であることが好ましい。これらのうちで
も75〜200μm程度の2軸延伸したポリエチレンテ
レフタレート(PET)が特に好ましい。
【0186】一般に、プラスチックフィルムを80℃以
上の処理の熱現像機に通すと一般にフィルムの寸法が伸
縮する。処理後の材料を印刷製版用途として使用する場
合、この伸縮は精密多色印刷を行う時に重大な問題とな
る。よって、本発明では二軸延伸時にフィルム中に残存
する内部歪みを緩和させ、熱現像中に発生する熱収縮歪
みをなくす工夫をした、寸法変化の小さいフィルムを用
いることが好ましい。例えば、熱現像用写真乳剤を塗布
する前に100℃〜210℃の範囲で熱処理したポリエ
チレンテレフタレートなどが好ましく用いられる。ガラ
ス転移温度の高いものも好ましく、ポリエーテルエチル
ケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルス
ルホン、ポリアリレート、ポリカーボネート等が使用で
きる。
【0187】本発明の熱現像感光材料は、帯電防止のた
め、例えば、可溶性塩(例えば塩化物、硝酸塩など)、
蒸着金属層、米国特許第2,861,056号明細書お
よび同第3,206,312号明細書などに記載のイオ
ン性ポリマー、または米国特許第3,428,451号
明細書等に記載の不溶性無機塩、特開昭60−2523
49号公報、同57−104931号公報に記載されて
いる酸化スズ微粒子などを含む層を有してもよい。本発
明の熱現像感光材料を用いてカラー画像を得る方法とし
ては、特開平7−13295号公報10頁左欄43行目
から11左欄40行目に記載の方法がある。また、カラ
ー染料画像の安定剤としては英国特許第1,326,8
89号明細書、米国特許第3,432,300号明細
書、同第3,698,909号明細書、同第3,57
4,627号明細書、同第3,573,050号明細
書、同第3,764,337号明細書および同第4,0
42,394号明細書に例示されている。
【0188】本発明において、熱現像写真乳剤は、浸漬
コーティング、エアナイフコーティング、フローコーテ
ィング、または米国特許第2,681,294号明細書
に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを含
む種々のコーティング操作により被覆することができ
る。所望により、米国特許第2,761,791号明細
書および英国特許第837,095号明細書に記載の方
法により2層またはそれ以上の層を同時に被覆すること
ができる。本発明における熱現像感光材料の中に、追加
の層、例えば移動染料画像を受容するための染料受容
層、反射印刷が望まれる場合の不透明化層、保護トップ
コート層および光熱写真技術において既知のプライマー
層などを含むことができる。本発明の熱現像感光材料は
その感光材料一枚のみで画像形成できることが好まし
く、受像層等の画像形成に必要な機能性層が別の感光材
料とならないことが好ましい。
【0189】本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で
現像されてもよいが、通常イメージワイズに露光した感
光材料を昇温して現像される。用いられる熱現像機の好
ましい態様としては、熱現像感光材料をヒートローラー
やヒートドラムなどの熱源に接触させるタイプとして、
特公平5−56499号公報、特許第684453号明
細書、特開平9−292695号公報、特開平9−29
7385号公報および国際公開WO95/30934号
公報に記載の熱現像機、非接触型のタイプとして、特開
平7−13294号公報、国際公開WO97/2848
9号公報、同97/28488号公報および同97/2
8487号公報に記載の熱現像機がある。特に好ましい
態様としては非接触型の熱現像機である。好ましい現像
温度としては80〜250℃であり、さらに好ましくは
100〜140℃である。現像時間としては1〜180
秒が好ましく、10〜90秒がさらに好ましい。
【0190】熱現像時における熱現像感光材料の寸法変
化による処理ムラを防止する方法として、80℃以上1
15℃未満(好ましくは113℃以下)の温度で画像が
出ないようにして5秒以上加熱した後、110℃以上
(好ましくは130℃以下)で熱現像して画像形成させ
る方法(いわゆる多段階加熱方法)を採用することが有
効である。本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で露
光されてもよいが、露光光源としてレーザー光が好まし
い。本発明によるレーザー光としては、ガスレーザー、
YAGレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなどが
好ましい。また、半導体レーザーと第2高調波発生素子
などを用いることもできる。本発明の熱現像感光材料は
露光時のヘイズが低く、干渉縞が発生しやすい傾向にあ
る。この干渉縞発生防止技術としては、特開平5−11
3548号公報などに開示されているレーザー光を感光
材料に対して斜めに入光させる技術や、国際公開WO9
5/31754号などに開示されているマルチモードレ
ーザーを利用する方法が知られており、これらの技術を
用いることが好ましい。本発明の熱現像感光材料を露光
するにはSPIE vol.169 Laser Printing 116 12
8頁(1979)、特開平4−51043号公報、国際
公開WO95/31754号公報などに開示されている
ようにレーザー光が重なるように露光し、走査線が見え
ないようにすることが好ましい。
【0191】本発明の熱現像感光材料の熱現像処理に用
いられる熱現像機の一構成例を図1に示す。図1は熱現
像機の側面図を示したものである。図1の熱現像機は熱
現像感光材料10を平面状に矯正および予備加熱しなが
ら加熱部に搬入する搬入ローラー対11(下部ローラー
がヒートローラー)と熱現像後の熱現像感光材料10を
平面状に矯正しながら加熱部から搬出する搬出ローラー
対12を有する。熱現像感光材料10は搬入ローラー対
11から搬出ローラー対12へと搬送される間に熱現像
される。この熱現像中の熱現像感光材料10を搬送する
搬送手段は画像形成層を有する面が接触する側に複数の
ローラー13が設置され、その反対側のバック面が接触
する側には不織布(例えば芳香族ポリアミドやテフロン
から成る)等が貼り合わされた平滑面14が設置され
る。熱現像感光材料10は画像形成層を有する面に接触
する複数のローラー13の駆動により、バック面は平滑
面14の上を滑って搬送される。加熱手段はローラー1
3の上部および平滑面14の下部に熱現像感光材料10
の両面から加熱されるように加熱ヒーター15が設置さ
れる。この場合の加熱手段としては板状ヒーター等が挙
げられる。ローラー13と平滑面14とのクリアランス
は平滑面の部材により異なるが、熱現像感光材料10が
搬送できるクリアランスに適宜調整される。好ましくは
0〜1mmである。
【0192】ローラー13の表面の材質および平滑面1
4の部材は、高温耐久性があり、熱現像感光材料10の
搬送に支障がなければ何でもよいが、ローラー表面の材
質はシリコーンゴム、平滑面の部材は芳香族ポリアミド
またはテフロン(PTFE)製の不織布が好ましい。加
熱手段としては複数のヒーターを用い、それぞれ加熱温
度を自由に設定することが好ましい。なお、加熱部は、
搬入ローラー対11を有する予備加熱部Aと、加熱ヒー
ター15を備えた熱現像処理部Bとで構成されるが、熱
現像処理部Bの上流の予備加熱部Aは、熱現像温度より
も低く(例えば10〜30℃程度低く)、熱現像感光材
料10中の水分量を蒸発させるのに十分な温度および時
間に設定することが望ましく、熱現像感光材料10の支
持体のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度で、現像
ムラが出ないように設定することが好ましい。
【0193】熱現像処理部Bの下流にはガイド板16が
設置され、搬出ローラー対12とガイド板16とを有す
る徐冷部Cが設置される。ガイド板16は熱伝導率の低
い素材が好ましく、冷却は徐々に行うのが好ましい。以
上、図示例に従って説明したが、これに限らず、例えば
特開平7−13294号公報に記載のものなど、本発明
に用いられる熱現像機は種々の構成のものであってもよ
い。また、本発明において好ましく用いられる多段加熱
方法の場合は、加熱温度の異なる熱源を2個以上設置
し、連続的に異なる温度で加熱するようにすればよい。
【0194】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操
作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更する
ことができる。しがたって、本発明の範囲は以下に示す
具体例に限定されるものではない。 <実施例1> 《PET支持体の作成》テレフタル酸とエチレングリコ
−ルを用い、常法に従い、固有粘度0.66(フェノ−
ル/テトラクロルエタン=6/4(質量比)中25℃で
測定)のポリエチレンテレフタレートを得た。これをペ
レット化して130℃で4時間乾燥し、300℃で溶融
後T型ダイから押し出して急冷し、熱固定後の膜厚が1
75μmになるような厚みの未延伸フィルムを作成し
た。これを、周速の異なるロ−ルを用いて110℃で
3.3倍に縦延伸し、ついでテンタ−を用いて130℃
で4.5倍に横延伸した。次に、240℃で20秒間熱
固定後、同じ温度で横方向に4%緩和した。この後、テ
ンタ−のチャック部をスリットした後、両端にナ−ル加
工を行い、4kg/cm2で巻き取り、厚み175μm
のロ−ルを得た。
【0195】《表面コロナ処理》ピラー社製ソリッドス
テートコロナ処理機6KVAモデルを用い、支持体の両
面を室温で20m/分で処理した。この時の電流、電圧
の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分
/m2の処理がなされていることがわかった。この時の
処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャ
ップクリアランスは1.6mmであった。
【0196】《下塗り支持体の作成》 (下塗り塗布液Aの調製)ポリエステル共重合体水分散
物ペスレジンA515GB(30%、高松油脂(株)
製)200mlにポリスチレン微粒子(平均粒径0.2
μm)1g、界面活性剤 1(1質量%)20mlを添
加し、これに蒸留水を加えて1000mlとして下塗り
塗布液Aとした。 (下塗り塗布液Bの調製)蒸留水680mlにスチレン
−ブタジエン共重合体水分散物(スチレン/ブタジエン
/イタコン酸=47/50/3(質量比)、濃度30質
量%)200ml、ポリスチレン微粒子(平均粒径2.
5μm)0.1gを添加し、さらに蒸留水を加えて10
00mlとして下塗り塗布液Bとした。 (下塗り塗布液Cの調製)イナートゼラチン10gを蒸
留水500mlに溶解し、そこに特開昭61−2003
3号公報記載の酸化スズ−酸化アンチモン複合物微粒子
の水分散物(40質量%)40gを添加し、これに蒸留
水を加えて1000mlにして下塗り塗布液Cとした。 (下塗り支持体の作成)上記コロナ放電処理を施した
後、下塗り塗布液Aをバーコーターでウエット塗布量が
5ml/m2になるように塗布して180℃で5分間乾
燥した。乾燥膜厚は約0.3μmであった。次いでこの
裏面(バック面)にコロナ放電処理を施した後、下塗り
塗布液Bをバーコーターでウエット塗布量が5ml/m
2、乾燥膜厚が約0.3μmになるように塗布して18
0℃で5分間乾燥し、さらにこの上に下塗り塗布液Cを
バーコーターでウエット塗布量が3ml/m2、乾燥膜
厚が約0.03μmになるように塗布して180℃で5
分間乾燥し、下塗り支持体を作成した。
【0197】《有機酸銀分散物の調製》ヘンケル社製ベ
ヘン酸(製品名Edenor C22 85R)43.8g、蒸
留水730ml、tert−ブタノール60mlを79
℃で攪拌しながら、1N水酸化ナトリウム水溶液117
mlを55分かけて添加し、240分反応させた。次い
で、硝酸銀19.2gの水溶液112.5mlを45秒
かけて添加し、そのまま20分間放置し、30℃に降温
した。その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を濾
水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こう
して得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキ
として取り扱い、乾燥固形分100g相当のウエットケ
ーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA2
05)7.4gおよび水を添加し、全体量を385gと
してからホモミキサーにて予備分散した。
【0198】次に予備分散済みの原液を分散機(商品
名:マイクロフルイダイザーM−110S−EH、マイ
クロフルイデックス・インターナショナル・コーポレー
ション製、G10Zインタラクションチャンバー使用)
の圧力を1750kg/cm 2に調節して、三回処理
し、ベヘン酸銀分散物Bを得た。こうして得たベヘン酸
銀分散物に含まれるベヘン酸銀粒子は平均短径0.04
μm、平均長径0.8μm、変動係数30%の針状粒子
であった。粒子サイズの測定は、Malvern Instruments
Ltd.製MasterSizerXにて行った。冷却操作は蛇管式熱交
換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着
し、冷媒の温度を調節することで所望の分散温度に設定
した。
【0199】《還元剤の25質量%分散物の調製》一般
式(1)、(2)、(17)または(18)で表される
化合物(表1に記載の種類)80gとクラレ(株)製変
性ポバールMP203の20%水溶液64gに水176
gを添加しよく混合してスラリーとした。平均直径0.
5mmのジルコニアビーズ800gを用意してスラリー
と一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラ
インダーミル:アイメックス(株)製)にて5時間分散
し還元剤分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含
まれる還元剤粒子は平均粒径0.72μmであった。
【0200】《メルカプト化合物の20質量%分散物の
調製》3−メルカプト−4−フェニル−5−ヘプチル−
1,2,4−トリアゾール64gとクラレ(株)製変性
ポバールMP203の20%水溶液32gに水224g
を添加しよく混合してスラリーとした。平均直径0.5
mmのジルコニアビーズ800gを用意してスラリーと
一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグライ
ンダーミル:アイメックス(株)製)にて10時間分散
しメルカプト分散物を得た。こうして得たメルカプト化
合物分散物に含まれるメルカプト化合物粒子は平均粒径
0.67μmであった。
【0201】《有機ポリハロゲン化合物の30質量%分
散物の調製》一般式(3)で表される化合物として有機
ポリハロゲン化合物P−2を116gとクラレ(株)製
変性ポバールMP203の20質量%水溶液48gと水
224gを添加しよく混合してスラリーとした。平均直
径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してス
ラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサン
ドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて5時
間分散し有機ポリハロゲン化合物分散物を得た。こうし
て得たポリハロゲン化合物分散物に含まれるポリハロゲ
ン化合物粒子は平均粒径0.74μmであった。
【0202】≪化合物Gの22質量%分散物の調製≫化
合物G、10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ
(株)製、ポバールMP203)の20質量%水溶液1
0kgに、水16kgを添加して、よく混合してスラリ
ーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液
し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した
横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)
にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノ
ンナトリウム塩0.2gと水を加えて化合物Gの濃度が
22質量%になるように調製し、分散物を得た。こうし
て得た分散物に含まれる化合物Gの粒子はメジアン径
0.55μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得
られた分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フ
ィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納
した。
【0203】≪カプラー化合物の20質量%分散物の調
製≫カプラー化合物(表1に種類を示す)10kgと変
性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールM
P203)の20質量%水溶液10kgに、水16kg
を添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリ
ーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mm
のジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM
−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散し
たのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2g
と水を加えてカプラー化合物の濃度が22質量%になる
ように調製し、分散物を得た。こうして得た分散物に含
まれるカプラー化合物の粒子はメジアン径0.55μ
m、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた分散
物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターに
てろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0204】《フタラジン化合物のメタノール溶液の調
製》6−イソプロピルフタラジン26gをメタノール1
00mlに溶解して使用した。 《顔料の20質量%分散物の調製》C.I. Pigment Blue
60を64gと花王(株)製デモールNを6.4gに水
250gを添加しよく混合してスラリーとした。平均直
径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してス
ラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサン
ドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて25
時間分散し顔料分散物を得た。こうして得た顔料分散物
に含まれる顔料粒子は平均粒径0.21μmであった。
【0205】《ハロゲン化銀粒子1の調製》蒸留水14
21mlに1質量%臭化カリウム溶液6.7mlを加
え、さらに1N硝酸を8.2ml、フタル化ゼラチン2
1.8gを添加した液をチタンコートしたステンレス製
反応壷中で撹拌しながら、35℃に液温を保ち、硝酸銀
37.04gに蒸留水を加え159mlに希釈した溶液
a1と、臭化カリウム32.6gを蒸留水にて容量20
0mlに希釈した溶液b1を準備し、コントロールダブ
ルジェット法でpAgを8.1に維持しながら、溶液a
1の全量を一定流量で1分間かけて添加した。(溶液b
1は、コントロールドダブルジェット法にて添加)その
後3.5質量%の過酸化水素水溶液を30ml添加し、
さらにベンゾイミダゾールの3質量%水溶液を336m
l添加した。その後、再び溶液a1を蒸留水希釈して3
17.5mlにした溶液a2と、溶液b1に対して最終
的に銀1モル当たり1×10-4モルになるよう六塩化イ
リジウム酸二カリウムを溶解し液量を溶液b1の2倍の
400mlまで蒸留水希釈した溶液b2を用いて、やは
りコントロールドダブルジェット法にて、pAgを8.
1に維持しながら、一定流量で溶液a2を10分間かけ
て全量添加した。(溶液b2は、コントロールドダブル
ジェット法で添加)その後2−メルカプト−5−メチル
ベンゾイミダゾールの0.5質量%メタノール溶液を5
0ml添加し、さらに硝酸銀でpAgを7.5に上げて
から1N硫酸を用いてpHを3.8に調整し撹拌を止
め、沈降/脱塩/水洗工程を行い、脱イオンゼラチン
3.5gを加えて1Nの水酸化ナトリウムを添加して、
pH6.0、pAg8.2に調整してハロゲン化銀分散
物を作成した。
【0206】得られたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平
均球相当径0.031μm、球相当径の変動係数11%
の純臭化銀粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡
を用い1000個の粒子の平均から求めた。この粒子の
[100]面比率は、クベルカムンク法を用いて85%
と求められた。上記乳剤を撹拌しながら50℃に昇温
し、N,N−ジヒドロキシ−N,N−ジエチルメラミン
の0.5質量%メタノール溶液を5mlとフェノキシエ
タノールの3.5質量%メタノール溶液5mlを加え、
1分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムを銀1モル
に対して3×10-5モル加えた。さらに2分後分光増感
色素1の固体分散物(ゼラチン水溶液)を銀1モル当た
り、5×10-3モル加え、さらに2分後テルル化合物を
銀1モル当たり5×10-5モル加えて50分間熟成し
た。熟成終了間際に、2−メルカプト−5−メチルベン
ゾイミダゾールを銀1モル当たり1×10-3モル添加し
て温度を下げ、化学増感を終了しハロゲン化銀粒子1を
作成した。
【0207】《ハロゲン化銀粒子2の調製》水700m
lにフタル化ゼラチン22gおよび臭化カリウム30m
gを溶解して温度35℃にてpHを5.0に合わせた
後、硝酸銀18.6gおよび硝酸アンモニウム0.9g
を含む水溶液159mlと臭化カリウムおよびヨウ化カ
リウムを92:8のモル比で含む水溶液をpAg7.7
に保ちながらコントロールダブルジェット法で10分間
かけて添加した。ついで、硝酸銀55.4gおよび硝酸
アンモニウム2gを含む水溶液476mlおよび1リッ
トル中に1×10-5モルの六塩化イリジウム酸二カリウ
ムと1モルの臭化カリウムを含む水溶液pAg7.7に
保ちながらコントロールダブルジェット法で30分間か
けて添加した後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデン1gを添加し、さらに
pHを下げて凝集沈降させ脱塩処理をした。その後、フ
ェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pA
g8.2に調製しヨウ臭化銀粒子(ヨウ素含量コア8モ
ル%、平均2モル%、平均サイズ0.05μm、投影面
積変動係数8%、[100]面比率88%の立方体粒
子)の調製を終えた。
【0208】こうして得たハロゲン化銀粒子を60℃に
昇温して銀1モル当たりチオ硫酸ナトリウム85μモル
と2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルジフェ
ニルフォスフィンセレニドを1.1×10-5モル、1.
5×10−5モルのテルル化合物、塩化金酸3.5×1
-8モル、チオシアン酸2.7×10-4モルを添加し、
120分間熟成した後40℃に急冷したのち、1×10
-4モルの分光増感色素1と5×10-4モルの2−メルカ
プト−5−メチルベンゾイミダゾールを添加し30℃に
急冷してハロゲン化銀乳剤2を得た。
【0209】《乳剤層塗布液の調製》 (乳剤層塗布液)上記で得た有機酸銀分散物103g、
ポリビニルアルコールPVA205(クラレ(株)製)
の20質量%水溶液5gを混合し40℃に保った中へ、
カプラー化合物分散物(表1に記載の種類)を銀1モル
当たり1×10-2モル、上記25質量%還元剤分散物
(表1に記載の種類)を一般式(17)又は(18)で
表される還元剤については23.2g、一般式(1)ま
たは(2)で表される還元剤については一般式(17)
または(18)で表される還元剤の0.5倍モル、化合
物Gの分散物20.3g、顔料C.I. Pigment Blue 60
の5質量%水分散物を4.8g、有機ポリハロゲン化物
30質量%分散物10.7g、およびメルカプト化合物
20質量%分散物3.1gを添加した。その後、40℃
に保温したUF精製したSBRラテックス40質量%を
106gを添加して十分撹拌した後、フタラジン化合物
のメタノール液を6mlを添加し有機酸銀含有液を得
た。また、ハロゲン化銀粒子1を5gとハロゲン化銀粒
子2を5g事前によく混合し塗布直前にスタチックミキ
サーで有機酸銀含有液と混合し乳剤層塗布液を調製しそ
のままコーティングダイへ塗布銀量1.4g/m2とな
るように送液した。
【0210】上記乳剤層塗布液の粘度は東京計器のB型
粘度計で測定して、40℃(No.1ローター)で85
[mPa・S]であった。レオメトリックスファーイー
スト株式会社製RFSフルードスペクトロメーターを使
用した25℃での塗布液の粘度は、剪断速度が0.1、
1、10、100、1000[1/秒]においてそれぞ
れ1500、220、70、40、20[mPa・S]
であった。なお、UF精製したSBRラテックスは以下
のように得た。下記のSBRラテックスを蒸留水で10
倍に希釈したものをUF(限外濾過)精製用モジュー
ル、FS03 FC FUY03A1(ダイセン・メンブ
レン・システム(株))を用いてイオン伝導度が1.5
mS/cmになるまで希釈精製したものを用いた。この
時ラテックス濃度は40質量%であった。 (SBRラテックス:St(68)Bu(29)AA
(3) のラテックス)平均粒径0.1μm、濃度45
質量%、平衡含水率(25℃相対湿度60%)0.6質
量%、イオン伝導度4.2mS/cm(イオン伝導度の
測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30Sを使
用し、ラテックス原液(40質量%)を25℃にて測
定)、pH8.2
【0211】《乳剤面中間層塗布液の調製》 (中間層塗布液)ポリビニルアルコールPVA 205
(クラレ(株)製)の10質量%水溶液772g、メチ
ルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルアク
リレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル
酸共重合体(共重合質量比59/9/26/5/1)ラ
テックス27.5質量%液226gにエアロゾールOT
(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を2
ml、ベンジルアルコール4g、2,2,4−トリメチ
ル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート1g
とベンゾイソチアゾリノン10mgを加えて中間層塗布
液とし、5ml/m 2になるようにコーティングダイへ
送液した。塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1
ローター)で21[mPa・S]であった。
【0212】《乳剤面保護層第1層塗布液の調製》 (保護層第1層塗布液)イナートゼラチン80gを水に
溶解し、フタル酸の10質量%メタノール溶液を138
ml、1Nの硫酸を28ml、エアロゾールOT(アメ
リカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を5ml、
フェノキシエタノール1gを加え、総量1000gにな
るように水を加えて塗布液とし、10ml/m2になる
ようにコーティングダイへ送液した。塗布液の粘度はB
型粘度計40℃(No.1ローター)で17[mPa・
S]であった。
【0213】《乳剤面保護層第2層塗布液の調製》 (保護層第2層塗布液)イナートゼラチン100gを水
に溶解し、N−パーフルオロオクチルスルフォニル−N
−プロピルアラニンカリウム塩の5%溶液を20ml、
エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5
質量%溶液を16ml、ポリメチルメタクリレート微粒
子(平均粒径4.0μm)25g、1Nの硫酸を44m
l、ベンゾイソチアゾリノン10mgに総量1555g
となるよう水を添加して、4質量%のクロムみょうばん
と0.67質量%のフタル酸を含有する水溶液445m
lを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを表
面保護層塗布液とし、10ml/m2になるようにコー
ティングダイへ送液した。塗布液の粘度はB型粘度計4
0℃(No.1ローター)で9[mPa・S]であっ
た。
【0214】《バック面塗布液の調製》 (塩基プレカーサーの固体微粒子分散液の調製)塩基プ
レカーサー化合物64g、および花王(株)製界面活性
剤デモールN10gを蒸留水246mlと混合し、混合
液をサンドミル(1/4 Gallonサンドグラインダーミ
ル、アミメックス(株)製)を用いてビーズ分散し、平
均粒子径0.2μmの、塩基プレカーサーの固体微粒子
分散液を得た。 (染料固体微粒子分散液の調製)シアニン染料化合物
9.6gおよびp−アルキルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム5.8gを蒸留水305mlと混合し、混合液をサ
ンドミル(1/4 Gallonサンドグラインダーミル、ア
ミメックス(株)製)を用いてビーズ分散して平均粒子
径0.2μmの染料固体微粒子分散液を得た。
【0215】(ハレーション防止層塗布液の調製)ゼラ
チン17g、ポリアクリルアミド9.6g、上記塩基プ
レカーサーの固体微粒子分散液70g、上記染料の固体
微粒子分散液56g、ポリメチルメタクリレート微粒子
(平均粒子サイズ6.5μm)1. 5g、ポリエチレ
ンスルホン酸ナトリウム2.2g、着色染料化合物の1
質量%水溶液0.2g、水を844ml混合しハレーシ
ョン防止層塗布液を調製した。 (保護層塗布液の調製)容器を40℃に保温しゼラチン
50g、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.2g、
N,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)
2.4g、tert−オクチルフェノキシエトキシエ
タンスルホン酸ナトリウム1g、ベンゾイソチアゾリノ
ン30mg、C817SO3Kを32mg、C817SO2
N(C37)(CH2CH2O)4(CH24SO3Naを
64mg、水を950ml混合して保護層塗布液とし
た。実施例1に用いた化合物を以下に示す。
【0216】
【化65】
【0217】《熱現像感光材料の作製》上記下塗りを施
した支持体にハレーション防止層塗布液を固体微粒子染
料の固形分塗布量が0.04g/m2となり、保護層塗
布液をゼラチン塗布量が1g/m2となるように同時重
層塗布し、乾燥しハレーション防止バック層を作成した
後、バック面と反対の面に下塗面から乳剤層、中間層、
保護層第1層、保護層第2層の順番でスライドビード塗
布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作
製した(表1)。なお、バック面塗布後巻き取らずに乳
剤面を塗布した。塗布はスピード160m/分で行い、
コーティングダイ先端と支持体との間隔を0.18mm
に、減圧室の圧力を大気圧に対して392Pa低く設定
した。引き続くチリングゾーンでは、乾球温度が18
℃、湿球温度が12℃の風を平均風速は7m/秒で30
秒間吹き当てて、塗布液を冷却した後、つるまき式の浮
上方式の乾燥ゾーンにて、乾球温度が30℃、湿球温度
が18℃の乾燥風を、穴からの吹き出し風速20m/秒
で、200秒間吹き当てて、塗布液中の溶剤の揮発を行
った。各感光材料試料について下記評価を実施した結果
を表1に示す。
【0218】(写真性能の評価)647nmKrレーザ
ー感光計(最大出力500mW)で法線に対して30度
の斜度で感光材料を露光した後、感光材料を120℃で
15秒間処理(現像)し、得られた画像の評価を濃度計
により行った。測定の結果は、Dmin(カブリ)、D
max、感度(Dminより1.0高い濃度を与える露
光量の比の逆数)で評価した。感度については表1の熱
現像感光材料101の感度を100とした。また、フィ
ルムフォルダーを装着した分光光度計(SHIMADZ
U製UV−3100PC)により膜の透過スペクトルを
測定して、生成した色素の吸収を求めた。
【0219】
【表1】
【0220】カプラー化合物を添加しない熱現像感光材
料101および102をブランクとしたとき、熱現像感
光材料103〜120ではDmaxおよび感度を低下さ
せることなく、色素画像が生成することが判る。
【0221】<実施例2> (有機酸銀乳剤Aの調製)ベヘン酸933gを12リッ
トルの水に添加し90℃に保ちながら、水酸化ナトリウ
ム48g、炭酸ナトリウム63gを1.5リットルの水
に溶解したものを添加した。30分攪拌した後50℃と
し、N−ブロモスクシンイミド1質量%水溶液1.1リ
ットルを添加し、次いで硝酸銀17質量%水溶液2.3
リットルを攪拌しながら徐々に添加した。さらに液温を
35℃とし、攪拌しながら臭化カリウム2質量%水溶液
1.5リットルを2分間かけて添加した後30分間攪拌
し、N−ブロモスクシンイミド1質量%水溶液2.4リ
ットルを添加した。この水系混合物に攪拌しながら1.
2質量%ポリ酢酸ビニルの酢酸ブチル溶液3300gを
加えた後、10分間静置して2層に分離させ、水層を取
り除き、さらに残されたゲルを水で2回洗浄した。こう
して得られたゲル状のベヘン酸銀および臭化銀の混合物
をポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製デンカ
ブチラール#3000K)の2.6質量%2−ブタノン
溶液1800gで分散し、さらにポリビニルブチラール
(日本モンサント(株)製Butvar B−76)600
g、イソプロピルアルコール300gと共に分散し有機
酸銀塩乳剤(平均短径0.05μm、平均長径1.2μ
m、変動係数25%の針状粒子)を得た。
【0222】(乳剤層塗布液Aの調製)上記で得た有機
酸銀乳剤に銀1モル当たり以下の量となるように各薬品
を添加した。25℃で増感色素Aを520mg、化合物
(C−1) 1.70g、4−クロロベンゾフェノン−
2−カルボン酸(C−2)21.5g、臭化カルシウム
2水塩0.90gと2−ブタノン580g、ジメチルホ
ルムアミド220gを攪拌しながら添加し3時間放置し
た。ついで、一般式(1)または(2)で表される化合
物(表2に記載の種類)32g、一般式(17)または
(18)で表される化合物(表2に記載の種類)160
g、超硬調化剤として例示化合物B−42を2.1g、
カプラー化合物(表2に記載の種類)を銀1モル当たり
1×10-2モル 、染料(C−3)1.11g、sumidur
N3500(住友バイエルウレタン社製ポリイソシア
ネート)6.45g、メガファックスF−176P(大
日本インキ化学工業(株)製フッ素系界面活性剤)0.
60g、2−ブタノン590g、メチルイソブチルケト
ン10gを攪拌しながら添加した。
【0223】(乳剤面保護層塗布液Aの調製)CAB1
71−15S(イーストマンケミカル(株)製酢酸酪酸
セルロース)65g、フタラジン(C−4)5.6g、
テトラクロロフタル酸(C−5)1.91g、4−メチ
ルフタル酸(C−6)2.6g、テトラクロロフタル酸
無水物(C−7)0.67g、メガファックスF−17
6P:0.36g、シルデックスH31(洞海化学社製
真球状シリカ平均サイズ3μm)2g、を2−ブタノン
1050gとジメチルホルムアミド50gに溶解したも
のを調製した。
【0224】(バック面を有する支持体の作成)ポリビ
ニルブチラール(電気化学工業(株)製デンカブチラー
ル#40002)6g、シルデックスH121(洞海化
学社製真球状シリカ平均サイズ12μm)0.2g、シ
ルデックスH51(洞海化学社製真球状シリカ平均サイ
ズ5μm)0.2g、0.1gのメガファックスF−1
76P、2−プロパノール64gに攪拌しながら添加し
溶解および混合させた。さらに、420mgの染料Aを
メタノール10gとアセトン20gに溶かした混合溶液
および3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチ
ルヘキシルイソシアネート0.8gを酢酸エチル6gに
溶かした溶液を添加し塗布液を調製した。両面が塩化ビ
ニリデンを含む防湿下塗りからなるポリエチレンテレフ
タレートフィルム上にバック面塗布液を780nmの光
学濃度が0.7となるように塗布した。上記のように調
製した支持体上に、乳剤層塗布液を銀が1.6g/m2
となるように塗布した後、乳剤面上に乳剤面保護層塗布
液を乾燥厚さ2.3μmとなるように塗布した。実施例
2に用いた化合物を以下に示す。
【0225】
【化66】
【0226】
【化67】
【0227】
【化68】
【0228】(写真性能の評価)780nmにピークを
持つ干渉フィルターを介し、ステップウェッジを通して
発光時間10-4秒のキセノンフラッシュ光で露光し、1
17℃で20秒間処理(現像)、120℃で20秒間処
理し、得られた画像の評価を濃度計により行った。測定
の結果は、Dmax、カブリ(Dmin)、感度(Dm
inより1.5高い濃度を与える露光量の比の逆数)で
評価した。感度は表2の熱現像感光材料201の感度を
100として相対値で示した。結果を表2に示す。
【0229】
【表2】
【0230】超硬調化剤を含有する熱現像感光材料で
も、比較感光材料201に対してカプラー化合物を添加
した感光材料203〜220は造核抑制を起こすことな
く、色素が生成している。
【0231】<実施例3> 《ハロゲン化銀乳剤の調製》 (乳剤A)水700mlにフタル化ゼラチン11gおよ
び臭化カリウム30mg、ベンゼンチオスルホン酸ナト
リウム10mgを溶解して温度55℃にてpHを5.0
に合わせた後、硝酸銀18.6gを含む水溶液159m
lと臭化カリウムを1モル/リットルで含む水溶液をp
Ag7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法
で6分30秒間かけて添加した。ついで、硝酸銀55.
5gを含む水溶液476mlと臭化カリウムを1モル/
リットルで含むハロゲン塩水溶液をpAg7.7に保ち
ながらコントロールダブルジェット法で28分30秒間
かけて添加した。その後pHを下げて凝集沈降させて脱
塩処理をし、化合物Aを0.17g、脱イオンゼラチン
(カルシウム含有量として20ppm以下)を23.7
g加え、pH5.9、pAg8.0に調整した。得られ
た粒子は平均粒子サイズ0.11μm、投影面積変動係
数8%、(100)面比率93%の立方体粒子であっ
た。
【0232】こうして得たハロゲン化銀粒子を60℃に
昇温して銀1モル当たりベンゼンチオスルホン酸ナトリ
ウム76μモルを添加し、3分後にチオ硫酸ナトリウム
154μモルを添加して、100分熟成した。その後、
40℃に温度を保ち、ハロゲン化銀1モルに対して6.
4×10-4モルの増感色素B、6.4×10-3モルの化
合物Bを撹拌しながら添加し、20分後に30℃に急冷
してハロゲン化銀乳剤Aの調製を終了した。
【0233】《有機酸銀分散物の調製》 (有機酸銀A)アラキジン酸6.1g、ベヘン酸37.
6g、蒸留水700ml、tert−ブタノール70m
l、1N水酸化ナトリウム水溶液123mlを混合し、
75℃で1時間攪拌し反応させ、65℃に降温した。次
いで、硝酸銀22gの水溶液112.5mlを45秒か
けて添加し、そのまま5分間放置し、30℃に降温し
た。その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を濾水
の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうし
て得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキと
して取り扱い、乾燥固形分100g相当のウエットケー
キに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−2
05)5gおよび水を添加し、全体量を500gとして
からホモミキサーにて予備分散した。
【0234】次に予備分散済みの原液を分散機(商品
名:マイクロフルイダイザーM−110S−EH、マイ
クロフルイデックス・インターナショナル・コーポレー
ション製、G10Zインタラクションチャンバー使用)
の圧力を1750kg/cm 2に調節して、三回処理
し、有機酸銀分散物Aを得た。こうして得た有機酸銀分
散物に含まれる有機酸銀粒子は平均短径0.04μm、
平均長径0.8μm、変動係数30%の針状粒子であっ
た。粒子サイズの測定は、Malvern InstrumentsLtd.製M
asterSizerXにて行った。冷却操作は蛇管式熱交換器を
インタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒
の温度を調節することで所望の分散温度に設定した。こ
うして、ベヘン酸銀含有率85モル%の有機酸銀Aを調
製した。
【0235】《一般式(1)、(2)、(17)および
(18)で表される化合物の固体微粒子分散物の調製》
一般式(1)、(2)、(17)および(18)で表さ
れる化合物(表3に記載の種類)70gに対してクラレ
(株)製MPポリマーのMP−203を14gと水26
6mlを添加してよく攪拌して、スラリーとして3時間
放置した。その後、0.5mmのジルコニアシリケート
ビーズを960g用意してスラリーと一緒にベッセルに
入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイ
メックス(株)製)にて5時間分散し還元剤固体微粒子
分散物を調製した。粒子径は、粒子の80質量%が0.
3〜1.0μmであった。
【0236】《ポリハロゲン化合物の固体微粒子分散物
の調製》ポリハロゲン化合物P―37を30gに対して
クラレ(株)製MPポリマーのMP−203を5.0
g、化合物−Cを0.21gと、水65gを添加しよく
攪拌し、その後、0.5mmのジルコニアシリケートビ
ーズを200g用意してスラリーと一緒にベッセルに入
れ、分散機(1/16Gサンドグラインダーミル:アイ
メックス(株)製)にて5時間分散し、その後、水20
mlおよび化合物−2を完成量当たり100ppm添加
し10分間攪拌して固体微粒子分散物を調製した。得ら
れた分散物の平均粒子径は、0.35μm、最大粒子径
は1.85μmであった。化合物P−3についても上記
と同様な方法で分散し、固体微粒子分散物を調製した。
【0237】《超硬調化剤の固体微粒子分散物の調製》
前記の化合物例B−42、10gに対してクラレ(株)
製ポバールPVA−217 2.5gと水87.5ml
添加してよく攪拌して、スラリーとし、その後、還元剤
の調製と同様にして固体微粒子分散物を調製した。粒子
径は、粒子の80質量%が0.3〜1.0μmであっ
た。
【0238】《乳剤層塗布液の調製》上記で作成した有
機酸銀微結晶分散物の銀1モルに対して、以下のバイン
ダー、素材、およびハロゲン化銀乳剤Aを添加して、水
を加えて、乳剤層塗布液とした。 バインダー;ラックスター3307B 固形分として 470g (大日本インキ化学工業(株)製;SBRラテックスでガラス転移温度17℃) 一般式(1)または(2)で表される化合物(表3に種類を記載) 固形分として 22g 一般式(17)または(18)で表される化合物(表3に種類を記載) 固形分として 110g カプラー化合物(表3に記載の種類) 銀1モル当たり1×10-2モル 6−メチルベンゾトリアゾール 1.35g ポリビニルアルコール(クラレ(株)製MP203) 46g 化合物P‐37の固体分散物 化合物P‐37として 44.8g 化合物P‐3の固体分散物 化合物P‐3として 8.8g 6−イソプロピルフタラジン 0.12mol 染料B 0.62g ハロゲン化銀乳剤A Ag量として0.05mol 超硬調化剤 例示化合物B−42の固体分散物 B−42として8.5g
【0239】《乳剤面保護層塗布液の調製》固形分2
7.5質量%のポリマーラテックス(メチルメタクリレ
ート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/2
−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸=59
/9/26/5/1の共重合体でガラス転移温度55
℃)109gに水3.75gを加え、造膜助剤としてベ
ンジルアルコール4.5g、化合物D 0.45g、化
合物E 0.125g、化合物F1.70g、およびポ
リビニルアルコール(クラレ(株)製,PVA−21
7)0.285gを加え、さらに水を加えて150gと
し、塗布液とした。
【0240】《バック/下塗り層のついたPET支持体
の作成》 (1)支持体 テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従
い、固有粘度0.66(フェノール/テトラクロルエタ
ン=6/4(質量比)中25℃で測定)のポリエチレン
テレフタレート(PET)を得た。これをペレット化し
た後、130℃で4時間乾燥し、300℃で溶融後T型
ダイから押し出して急冷し、熱固定後の膜厚が120μ
mになるような厚みの未延伸フイルムを作成した。これ
を周速の異なるロールを用いて110℃で3.3倍に縦
延伸し、ついでテンターを用いて130℃で4.5倍に
横延伸した。この後、240℃で20秒間熱固定後、同
じ温度で横方向に4%緩和した。この後、テンターのチ
ャック部をスリットした後、両端にナール加工を行い、
4.8kg/cm2で巻きとり、幅2.4m、長さ35
00m、厚み120μmのロール状のPET支持体を得
た。
【0241】 (2)下塗り層(a) ポリマーラテックス−(1) スチレン/ブタジエン/ヒドロキシエチルメタクリレート/ジビニルベンゼン =67/30/2.5/0.5(質量%) 160mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 4mg/m2 マット剤(ポリスチレン、平均粒子径2.4μm) 3mg/m2 (3)下塗り層(b) アルカリ処理ゼラチン (Ca2+含量30ppm、ゼリー強度230g) 50mg/m2 染料B 780nmの光学濃度が1.0になる塗布量
【0242】 (4)導電層 ジュリマーET−410(日本純薬(株)製) 96mg/m2 ゼラチン 50mg/m2 化合物A 0.2mg/m2 ポリオキシエチレンフェニルエーテル 10mg/m2 スミテックスレジンM−3 18mg/m2 (水溶性メラミン化合物 住友化学工業(株)製) 染料B 780nmの光学濃度が1.0になる塗布量 SnO2/Sb(9/1質量比、針状微粒子、長軸/短軸=20〜30;石原産 業(株)製) 120mg/m2 マット剤(ポリメチルメタクリレート、平均粒子径5μm) 7mg/m2
【0243】 (5)保護層 ポリマーラテックス−(2) メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/ 2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸 =59/9/26/5/1(質量%の共重合体) 1000mg/m2 ポリスチレンスルホン酸塩(分子量1000〜5000)2.6mg/m2 セロゾール524(中央油脂(株)製) 30mg/m2 スミテックスレジンM−3 218mg/m2 (水溶性メラミン化合物、住友化学工業(株)製)
【0244】支持体の片面に下塗り層(a)と下塗り層
(b)を順次塗布し、それぞれ180℃で4分間乾燥し
た。ついで、下塗り層(a)と下塗り層(b)を塗布し
た反対側の面に導電層と保護層を順次塗布し、それぞれ
180℃で30秒間乾燥してバック/下塗り層のついた
PET支持体を作成した。このようにして作成したバッ
ク/下塗り層のついたPET支持体を150℃に設定し
た全長30mの熱処理ゾーンに入れ、張力1.4kg/
cm2、搬送速度20m/分で自重搬送した。その後、
40℃のゾーンに15秒間通し、10kg/cm2の巻
き取り張力で巻き取った。
【0245】《熱現像感光材料の調製》前記バック/下
塗り層のついたPET支持体の下塗り層の上に前記の乳
剤層塗布液を塗布銀量1.6g/m2になるように塗布
した。さらにその上に、前記乳剤面保護層塗布液をポリ
マーラテックスの固形分の塗布量が2.0g/m2にな
るように塗布した。実施例3に用いた化合物を以下に示
す。
【0246】
【化69】
【0247】
【化70】
【0248】《写真性能の評価》 (露光処理)得られた塗布サンプルを780nmにピー
クを有する干渉フィルターおよびステップウェッジを介
して、発光時間10-6秒のキセノンフラッシュ光で露光
した。 (熱現像処理)露光済みの熱現像感光材料を図1の熱現
像機を用いて、熱現像処理部のローラー表面材質はシリ
コーンゴム、平滑面はテフロン(登録商標)不織布にし
て、搬送速度20mm/秒、予備加熱部90〜100℃
で15秒、熱現像処理部120℃で20秒、徐冷部15
秒にして熱現像処理を行った。なお、幅方向の温度精度
は±1℃であった。 (写真性能の評価)得られた画像の評価をマクベスTD
904濃度計(可視濃度)により行った。測定の結果
は、Dmax、カブリ(Dmin)、感度(Dminよ
り1.5高い濃度を与える露光量の比の逆数)で評価し
た。感度については熱現像感光材料301の感度を10
0とした。結果を表3に示す。
【0249】
【表3】
【0250】本実施例においても実施例1、2と同様
に、感度、カブリなどの写真性能が良好な色素画像が形
成された。
【0251】<実施例4> ≪高感度ハロゲン化銀乳剤の調製≫平均分子量1500
0のゼラチン0.37g、酸化処理ゼラチン0.37g
および臭化カリウム0.7gを含む蒸留水930mlを
反応容器中に入れ、38℃に昇温した。この溶液に強く
攪拌しながら硝酸銀0.34gを含む水溶液30mlと
臭化カリウム0.24gを含む水溶液30mlとを20
秒間で添加した。添加終了後1分間40℃に保った後、
反応溶液の温度を75℃に上昇させた。アミノ基をトリ
メリト酸で修飾したゼラチン27.0gを蒸留水200
mlと共に加えた後、硝酸銀23.36gを含む水溶液
100mlと臭化カリウム16.37gを含む水溶液8
0mlとを添加流量を加速しながら36分間にわたって
添加した。次いで硝酸銀83.2gを含む水溶液250
mlとヨウ化カリウムを臭化カリウムとのモル比3:9
7で含む水溶液(臭化カリウムの濃度26%)とを添加
流量を加速しながら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメ
ル電極に対して−50mVとなるように60分間で添加
した。さらに硝酸銀18.7gを含む水溶液75mlと
臭化カリウムの21.9%水溶液とを10分間にわたっ
て、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して0
mVとなるように添加した。添加終了後1分間75℃に
保った後、反応液の温度を40℃に下降させた。次い
で、p−ヨウ化アセトアミドベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム一水塩10.5gを含む水溶液100mlを添加
し、反応液のpHを9.0に調整した。次いで、亜硫酸
ナトリウム4.3gを含む水溶液50mlを添加した。
添加終了後、40℃で3分保った後、反応液の温度を5
5℃に昇温した。反応液のpHを5.8に調整した後、
ベンゼンチオスルフィン酸ナトリウム0.8mg、ヘキ
サクロロイリジウム(IV)酸カリウム0.04mgおよ
び臭化カリウム5.5gを加え、55℃で1分間保った
後、さらに硝酸銀44.3gを含む水溶液180mlと
臭化カリウム34.0gおよびヘキサシアノ鉄(II)酸
カリウム8.9mgを含む水溶液160mlとを30分
間にわたって添加した。温度を下げ、定法に従って脱塩
を行った。脱塩終了後、ゼラチンを7質量%となるよう
に添加し、pHを6.2に調整した。
【0252】得られた乳剤は球相当の直径で表した平均
粒子サイズ1.15μm、平均粒子厚み0.12μ、平
均アスペクト比が24.0の六角平板状粒子よりなる乳
剤であった。この乳剤を乳剤A−1とした。乳剤A−1
とは、粒子形成の最初に添加する硝酸銀と臭化カリウム
の量を変え、形成される核の個数を変えることで、球相
当の直径で表した平均粒子サイズ0.75μm、平均粒
子厚み0.11μ、平均アスペクト比が14.0の六角
平板状粒子よりなる乳剤A−2、および、球相当の直径
で表した平均粒子サイズ0.52μm、平均粒子厚み
0.09μ、平均アスペクト比11.3の六角平板状粒
子よりなる乳剤A−3を調製した。ただし、ヘキサクロ
ロイリジウム(IV)酸カリウムおよびおよびヘキサシア
ノ鉄(II)酸カリウムの添加量は粒子体積に反比例させ
て、p−ヨウ化アセトアミドベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム一水塩の添加量は粒子の周長に比例させて変化させ
た。
【0253】乳剤A−1に、40℃でヨウ化カリウム1
%水溶液を5.6ml添加してから、下記の分光増感色
素を8.2×10-4mol、化合物I、チオシアン酸カ
リウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウムおよびモノ(ペ
ンタフルオロフェニル)ジフェニルホスフィンセレニド
を添加して分光増感および化学増感を施した。化学増感
終了後、安定剤S1を2×10-4mol、安定剤S2を
8×10-5mol添加した。このとき、化学増感剤の量
は乳剤の化学増感の程度が最適になるように調節した。
【0254】
【化71】
【0255】こうして調製した青感性乳剤をA−1bと
した。同様に、各乳剤に分光増感および化学増感を施
し、乳剤A−2bおよびA−3bを調製した。ただし、
分光増感色素の添加量は各乳剤中のハロゲン化銀粒子の
表面積に応じて変化させた。また、化学増感に用いる各
薬品量も、各乳剤の化学増感の程度が最適になるように
調節した。同様に、分光増感色素を変えることで緑感性
乳剤A−1g、A−2gおよびA−3g、赤感性乳剤A
−1r、A−2rおよびA−3rを調製した。
【0256】
【化72】
【0257】
【化73】
【0258】これらの乳剤を用いて、多層カラー熱現像
用感光材料を作成した。各感光性乳剤層のハロゲン化銀
乳剤(銀換算塗布量)およびカプラーは下記の量を用い
た。なお、カプラーY−Cpは本明細書に記載した化合物
A−316、カプラーM−Cpは化合物A−409、カプ
ラーC−CpはA−609である。 高感度青感性層 乳剤A−1b 0.52g/m2/Y−C
p 0.27mmol/m2 中感度青感性層 乳剤A−2b 0.24g/m2/Y−C
p 0.22mmol/m2 低感度青感性層 乳剤A−3b 0.19g/m2/Y−C
p 0.22mmol/m2 高感度緑感性層 乳剤A−1g 0.63g/m2/M−C
p 0.24mmol/m2 中感度緑感性層 乳剤A−2g 0.26g/m2/M−C
p 0.24mmol/m2 低感度緑感性層 乳剤A−3g 0.22g/m2/M−C
p 0.25mmol/m2 高感度赤感性層 乳剤A−1r 0.66g/m2/C−C
p 0.24mmol/m2 中感度赤感性層 乳剤A−2r 0.27g/m2/C−C
p 0.24mmol/m2 低感度赤感性層 乳剤A−3r 0.19g/m2/C−C
p 0.22mmol/m2
【0259】これらの感光材料から試料片を切り出し、
光学楔を介して200luxで1/100秒の露光を施
した。また、別に切り出した試料片に、RMS粒状度測
定用のステップ露光も施した。露光後、ヒートドラムを
用いて120℃で15秒間熱現像した。熱現像後に得ら
れた発色試料の透過濃度を測定し、発色および感度を求
めた。結果は、120℃15秒という短時間でも良好な
発色性と、ISO250相当の感度が得られた。
【0260】
【発明の効果】本発明により、感度、カブリなどの写真
性能が良好で、かつ、任意の波長領域に吸収を有するよ
うに感光材料色調を調節することが可能な、新規な熱現
像感光材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱現像感光材料の熱現像処理に用いら
れる熱現像機の一構成例を示す側面図である。
【符号の説明】
10 熱現像感光材料 11 搬入ローラー対 12 搬出ローラー対 13 ローラー 14 平滑面 15 加熱ヒーター 16 ガイド板 A 予備加熱部 B 熱現像処理部 C 徐冷部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 茂夫 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社足柄研究所内 Fターム(参考) 2H123 AB00 AB03 AB23 AB28 AB29 BB00 BB02 BB27 BB32 BB39 CB00 CB03 FA22

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の同一面上に、少なくとも(a)
    感光性ハロゲン化銀、(b)還元可能な銀塩、(c)下
    記一般式(1)または(2)で表される還元性化合物、
    (d)バインダーおよび(e)カプラー化合物を有する
    ことを特徴とする熱現像感光材料。 【化1】 (一般式(1)において、V1〜V4はそれぞれ独立に水
    素原子または置換基を表し、V5は置換もしくは無置換
    のアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。) 【化2】 (一般式(2)において、Q1は炭素原子でNHNH−
    6と結合する5〜7員の不飽和環を表し、V6はカルバ
    モイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリー
    ルオキシカルボニル基、スルホニル基またはスルファモ
    イル基を表す。)
  2. 【請求項2】 (c)一般式(1)または(2)で表さ
    れる還元性化合物として、一般式(2)で表される還元
    性化合物を有することを特徴とする、請求項1に記載の
    熱現像感光材料。
  3. 【請求項3】 支持体の同一面上に、さらに(f)下記
    一般式(3)で表される有機ポリハロゲン化合物を有す
    ることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱現像
    感光材料。 【化3】 (一般式(3)において、Q2は置換基を有していても
    よいアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、
    Yは2価の連結基を表し、nは0または1を表し、Z1
    およびZ2はそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、Xは
    水素原子または電子求引性基を表す。)
  4. 【請求項4】 前記カプラー化合物が下記一般式(4)
    〜(16)で表されるいずれかの化合物であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱現像感光材
    料。 【化4】 (一般式(4)〜(16)において、X1〜X13はそれ
    ぞれ独立に水素原子または置換基を表す。一般式(4)
    において、R1およびR2はそれぞれ独立に電子吸引性基
    を表す。一般式(5)〜(16)において、R3〜R25
    はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  5. 【請求項5】 支持体の同一面上に、さらに(g)下記
    一般式(17)または(18)で表される化合物を有す
    ることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱現像
    感光材料。 【化5】 (一般式(17)において、V7〜V14はそれぞれ独立
    に水素原子または置換基を表す。Lは−CH(V15)−
    または−S−なる連結基を表し、V15は水素原子または
    置換基を表す。) 【化6】 (一般式(18)において、V16〜V20はそれぞれ独立
    に水素原子または置換基を表す。)
  6. 【請求項6】 支持体の同一面上に、さらに(f)請求
    項3に記載の一般式(3)で表される化合物、および
    (g)請求項5に記載の一般式(17)または式(1
    8)で表される化合物を含有することを特徴とする、請
    求項1または2に記載の熱現像感光材料。
  7. 【請求項7】 前記カプラー化合物が請求項4に記載の
    一般式(4)〜(16)で表されるいずれかの化合物で
    あることを特徴とする、請求項5または6に記載の熱現
    像感光材料。
  8. 【請求項8】 モノシート型感光材料であることを特徴
    とする、請求項1〜7のいずれかに記載の熱現像感光材
    料。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の熱現像
    感光材料を熱現像することを特徴とする、画像形成方
    法。
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