JP2001330375A - 耐火断熱材 - Google Patents
耐火断熱材Info
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Abstract
熱性および断熱性を発現する耐火断熱材を提供する。 【解決手段】 耐火断熱材を無機繊維と無機粉体と結合
材から成形体を成形する。平均繊維径1〜3.5μmの
無機繊維が30重量%以上であり、無機繊維に含まれる
粒径45μm以上のショットが10重量%以下であり、
無機粉体は結晶質であり、断熱材の熱伝導率が1200
℃において0.20W/mK以下である。
Description
材として使用されるのに適した、耐熱性および断熱性に
優れた耐火断熱材に関する。
に、工業材料として優れた断熱性を有する耐火断熱材の
要求が非常に高まっている。断熱材の使用温度域は広範
囲であり、それぞれの使用温度域での優れた断熱性が要
求される。例えば、建材用の断熱材は常温であり、燃料
電池や工業炉などに使用される断熱材は中高温域におい
て優れた断熱性が要求される。
繊維と無機粉体と結合材からなり、かつ湿式成形により
成形された断熱材が知られている。例えば、特開平5−
9083号公報には、無機繊維と酸化チタンと結合材よ
り構成され、湿式成形法により成形された断熱材が開示
されている。ここに使用される酸化チタンは、赤外線散
乱効果を持ち、優れた断熱性を発現するとされている。
れる、特開平5−9083号公報に示された断熱材は、
1000℃以下の中温度域では優れた断熱性を発現す
る。
は、平均粒径が0.4μm以下と微細粒であり、100
0℃以上の高温域では焼結による断熱材の収縮や撓みが
顕著である。このため、高温域では、この断熱材は優れ
た断熱性を発現することが困難である。また、湿式成形
法により成形する際には、濾過抵抗が大きく、成形に長
時間を要し、厚い成形体を得ることが困難である。
ても優れた耐熱性および断熱性を発現する耐火断熱材を
提供するものである。
掲の請求項1〜7に記載の耐火断熱材である。
温域においても優れた断熱性を発現する断熱材を開発す
るために鋭意研究した結果、特に優れた断熱性の発現を
可能とする無機繊維の径、ショットの含有量及び無機粉
末を見いだし、本発明を完成した。本発明は、無機繊維
と無機粉体と結合材から成形した耐火断熱材である。
説明する。
〜3.5μm(好ましくは1〜3μm)の無機繊維が3
0重量%以上含まれるのが好ましい。
成する。この際、繊維径が小さいと、このネットの気孔
が小さくなり、断熱材の気体の対流による伝熱、および
気体分子の衝突による伝熱を抑制する。また、繊維径が
小さいと、繊維同士および繊維と粉体との接触面磧が小
さくなって、固体の伝導伝熱を抑制する。さらに、繊維
径が小さいと、断熱材中の繊維数の割合が大きくなり、
輻射を遮蔽する隔壁が多くなって、断熱性を向上させる
効果をもたらす。
好ましい。繊維径が3.5μm(好ましくは3μm)以
下になると断熱材の断熱性が特に向上する。しかし、繊
維径が1μmより小さくなると、湿式成形の際に濾過抵
抗が増大し、厚い断熱材を得るのが困難になる。この理
由から、平均繊維径1〜3.5μm(好ましくは1〜3
μm)の無機繊維を含むものが好ましい。
1〜3μm)の無機繊維は、30重量%以上含まれるの
が好ましい。30重量%未満では前述の効果が少ない。
を製造する際の副産物である。このショットは、無機繊
維のネットによって保持されたまま、断熱材に含有され
る。粒径が45μm以上の大きなショットは、断熱材に
大きな気孔を生じ、気体の対流伝熱、気体分子の衝突に
よる伝熱を促進する。この理由により、粒径が45μm
以上のショットは少ない方が好ましい。無機繊維に含ま
れる粒径45μm以上のショットの含有率が10重量%
以下になると、断熱材の断熱性が特に向上する。したが
って、無機繊維に含まれる粒径45μm以上のショット
含有率は10重量%以下が好ましい。
1〜3μm)の無機繊維としては、アルミナシリカ繊維
またはアルミナシリカジルコニア繊維が好ましく使用で
きる。無機繊維としては、この他に、耐熱性を向上する
目的で、例えばムライト繊維、アルミナ繊維およびジル
コニア繊維が好ましく使用できる。
性を維持するために配合するものであり、1400℃ま
での加熱によって大きな体積変化のない結晶質の無機粉
体が好ましい。無機粉体が非晶質であると、高温におい
て結晶化して体積変化が生じ耐熱性および断熱性が低下
する。
用すると、1000℃以上で結晶化が生じる。その結
果、断熱材に顕著な収縮が起こり、耐熱性および断熱性
が低下する。
移により大きな体積変化を生じると、耐熱性および断熱
性の低下を来す。故に、少なくとも1400℃までの加
熱において体積変化の少ない結晶質の無機粉体を使用す
ることが好ましい。
ムライト、石英、クリストバライト、コーディエライ
ト、ジルコン、コランダム、ルチルなどが挙げられる。
本発明にはこれらの結晶質無機粉体を1種類以上使用す
る。
成結晶相がムライトおよびクリストバライトである。こ
のような無機粉体も好ましく使用できる。
化物であるアルミナやマグネシアよりも結晶構造が複雑
であり、輻射伝熱の抑制だけでなく、フォノン伝導の抑
制に極めて大きな役割を果たし、優れた断熱性を発現す
るので特に好ましい。
とくに赤外線の散乱効果があり、優れた断熱性を発現す
るのに有効である。
しい。平均粒径が45μmより大きくなると、ショット
と同様に断熱材中に大きな気孔を生じ、断熱性が低下す
る。また、平均粒径が1μmより小さくなると、湿式成
形の際の濾過抵抗が増大し、厚い断熱材を得ることが困
難になる。
0.18〜0.50g/cm3 である。0.18g/c
m3 未満では、対流および輻射による伝熱が大きくな
り、0.50g/cm3 を越えると、固体伝導による伝
熱が大きくなることがある。
的として、無機結合材を1〜10重量%使用するのが好
ましい。無機結合材としては、例えば、シリカゾル、チ
タニアゾル、アルミナゾルなどのコロイド溶液が好まし
い。使用方法は、スラリーに混合するか、あるいは得ら
れた断熱材に含浸するのが好ましい。さらに、必要に応
じて、有機結合材を3〜10重量%の範囲で好ましく使
用できる。有機結合材としては、例えば、アクリル樹脂
エマルジョンや合成ゴムラテックスなどが挙げられる。
成形するのが好ましい。特に抄造法により成形するのが
好ましい。抄造法は、水に原料を分散させ、これを抄造
する。この際、凝集剤を添加するのが好ましい。凝集剤
の好ましい例としては、ポリアクリルアミド、澱粉など
がある。この抄造法によると、無機繊維および無機粉体
の流動性が増大し、無機繊維および無機粉体が均一に充
填されて、空隙が小さく均一な成形体が容易に得られ
る。さらに圧縮して脱水すると、空隙はさらに小さく均
一になる。
し、撹拌混合し、さらに適宜凝集剤を添加してスラリー
を調製した。このスラリーを120×120mmの大き
さの抄造用モールドにて、厚み25mmに抄造した。そ
の後、100℃で12時間乾燥して成形体を得た。
合(重量部)とそれらの成形体(耐火断熱材)の特性を
表1に示す。表1において、繊維の( )内は平均繊維
径を示し、粉体の( )内は平均粒径を示す。繊維に含
まれる粒径45μm以上のショットは、アルミナシリカ
繊維1〜4は1重量%以下である。表1に示す成形体
(耐火断熱材)は、アルミナシリカ繊維の平均繊維径
が、それぞれ異なっている。
%であり、平均繊維径は4.9μmである。
線法で測定した。熱伝導率が小さいほど断熱性に優れて
いる。
維の平均繊維径と、1200℃における熱伝導率との関
係を図1に示す。
3μm以下になると、熱伝導率が急激に小さくなること
が明らかである。
無機繊維を含まない例であり、熱伝導率が大きい。
て、実施例5〜7および比較例2を得た。
表2に示す。表2において、繊維の( )内は、繊維に
含まれる粒径45μm以上のショット含有率(重量%)
を示す。また、アルミナシリカ繊維5〜8の平均繊維径
は3μmである。表2に示す成形体(耐火断熱材)は、
繊維に含まれる粒径45μm以上のショット含有率が、
それぞれ異なっている。
繊維の粒径45μm以上のショット含有率と、1200
℃における熱伝導率との関係を図2に示す。
の、粒径45μm以上のショット含有率が10重量%以
下になると、得られる断熱材の熱伝導率は急激に小さく
なることが明らかである。
を作製した。これらの配合割合(重量部)および特性を
表3に示す。表3において粉体の( )内は平均粒径を
示す。
に示す。
ち、比較例3は、非晶質シリカ粉体を使用したために、
1000℃以上では熱伝導率が急激に上昇した。これに
対して、実施例1は、ムライト粉体を使用しているた
め、1000℃以上においても熱伝導率の上昇が少な
い。
域でも断熱性に優れた耐火断熱材を容易に得ることがで
きる。
れた断熱性によって、加熱炉の放散熱量を削減すること
ができる。また、断熱材の厚みを、従来に比較して薄く
することが可能であり、結果として、加熱炉が軽量化さ
れ、サイズをコンパクトにすることができる。さらに、
1000℃以上の高温域においても優れた断熱性を発現
するので、断熱性の向上によって生じる断熱材の温度上
昇に対しても、優れた断熱性を維持することができる。
均繊維径と1200℃での熱伝導率との関係を示す。
ョット含有率と1200℃での熱伝導率との関係を示
す。
度との関係を示す。
Claims (7)
- 【請求項1】 無機繊維と無機粉体と結合材から成形さ
れた耐火断熱材において、平均繊維径1〜3.5μmの
無機繊維が30重量%以上であり、無機繊維に含まれる
粒径45μm以上のショットが10重量%以下であり、
無機粉体は結晶質であり、断熱材の熱伝導率が1200
℃において0.20W/mK以下であることを特徴とす
る耐火断熱材。 - 【請求項2】 嵩密度が、0.18〜0.50g/cm
3 であることを特徴とする請求項1に記載の耐火断熱
材。 - 【請求項3】 平均繊維径1〜3.5μmの無機繊維
が、アルミナシリカ繊維またはアルミナシリカジルコニ
ア繊維から選ばれる1種類以上であることを特徴とする
請求項1又は2に記載の耐火断熱材。 - 【請求項4】 無機粉体は、平均粒径が1〜45μmで
あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
載の耐火断熱材。 - 【請求項5】 無機粉体が、ムライト、石英、クリスト
バライト、コーディエライト、ジルコン、コランダム、
ルチルの中から選ばれる1種類以上であることを特徴と
する請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐火断熱材。 - 【請求項6】 耐火断熱材が湿式成形法により成形され
たものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
1項に記載の耐火断熱材。 - 【請求項7】 請求項1又は3に記載の平均繊維径1〜
3.5μmの無機繊維が平均繊維径1〜3μmの無機繊
維であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項
に記載の耐火断熱材。
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---|---|---|---|---|
KR101220726B1 (ko) | 2011-09-16 | 2013-01-09 | 단국대학교 산학협력단 | 발포공정을 이용한 경량의 연질 세라믹 보온단열재의 제조방법 및 상기 제조방법으로 제조된 경량의 연질 세라믹 보온단열재 |
WO2014091665A1 (ja) * | 2012-12-11 | 2014-06-19 | ニチアス株式会社 | 断熱材及びその製造方法 |
JP2014228035A (ja) * | 2013-05-21 | 2014-12-08 | イソライト工業株式会社 | 耐火断熱材及びその製造方法 |
-
2000
- 2000-05-23 JP JP2000151033A patent/JP4756482B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US10253917B2 (en) | 2012-12-11 | 2019-04-09 | Nichias Corporation | Insulation material and method of manufacturing same |
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