JP2001329415A - ポケット収納物脱落防止具 - Google Patents

ポケット収納物脱落防止具

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存のポケットに加工を施す必要がなく、使
い方が簡単で収納物脱落防止機能に優れ、物品の出し入
れもスムーズに行うことができるポケット収納物脱落防
止具を提供する。 【解決手段】脱落防止具10は、ポケット内に収容可能
な扁平形状の合成樹脂製の本体部11の両面に、ポケッ
ト内面を構成する素材より摩擦係数の大きなゴム材で形
成された滑り止め部12が被覆されている。この脱落防
止具10を衣服のポケット13内へ挿入し、携帯電話1
4とポケット13内面との間に介在させることにより、
携帯電話14の脱落を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣服やバッグのポ
ケットに収納した物品が誤って脱落するのを防止するた
めの脱落防止具に関する。
【0002】
【従来の技術】日常生活で頻繁に使用する携帯電話、手
帳、ペン、タバコ、ライターなどは、上着やシャツのポ
ケットに収納することが多い。これらの物品をポケット
に収納している場合、十分に注意しているつもりでも、
挨拶などで前屈姿勢をとったり、階段を駆け上がった
り、乗り物で移動中に大きな振動や揺動を受けたりした
とき、誤って収納物がポケットから飛び出して脱落し、
収納物が損傷したり、紛失したりすることがある。
【0003】このようなポケット内収納物の脱落を防止
するための手段として、実開昭56−60716号公
報、実開昭6−10321号公報、特開平11−128
29号公報に開示されているものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】実開昭56−6071
6号公報、実開昭6−10321号公報、特開平11−
12829号公報に開示されている手段は、いずれもポ
ケット自体を改良して収納物の脱落を防止するものであ
るため、既存の衣服やバッグなどのポケットにそのまま
採用することができない。
【0005】また、このような手段を施したポケット
は、通常のポケットに比べ構造が複雑であるため、製作
に多くの手間と時間がかかり、製作工程が煩雑化するだ
けでなく、ポケットへの物品の出し入れも面倒である。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、既存の
ポケットに加工を施す必要がなく、使い方が簡単で収納
物脱落防止機能に優れ、物品の出し入れもスムーズに行
うことができるポケット収納物脱落防止具を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のポケット収納物
脱落防止具は、ポケットの内部に収容可能な大きさの扁
平形状の本体部の表面に、前記ポケットの内面を構成す
る素材より摩擦係数の大きな素材からなる滑り止め層を
形成したことを特徴とする。ここで、前記本体部を板状
体とし、この板状体の片面または両面の全面または一部
に滑り止め層を形成して脱落防止具とすることができ
る。
【0008】このような構成とすることにより、この脱
落防止具をポケット内へ挿入し、ポケット内の収納物と
ポケット内面との間に介在させれば、収納物と脱落防止
具の片面との間および脱落防止具の他面とポケット内面
との間に、収納物がポケット内面に直接触れたときに生
じる摩擦力より大きな摩擦力が発生するため、収納物が
ポケットから脱落しにくくなり、脱落防止機能を発揮す
る。また、この脱落防止具はポケット内へ挿入するだけ
で使用できるので、既存のポケットに加工を施す必要が
なく、使い方は簡単であり、物品の出し入れもスムーズ
に行うことができる。板状体の片面のみに滑り止め層を
形成した場合は、滑り止め層を形成した側を収納物と接
触させ、脱落防止具自体はクリップなどの他の手段でポ
ケットに固定することにより、収納物の脱落を防止する
ことができる。
【0009】前記の本体部を構成する素材としては、合
成樹脂材、布材、不織布材、紙材、ゴム材、金属材など
を用いることができる。この本体部の片面または両面の
一部に前記滑り止め層を形成する場合は、滑り止め層を
ストライプ状、格子状、規則的あるいは不規則的なスポ
ット状など様々な状態に形成することができる。滑り止
め部を構成する素材としては、天然ゴムや合成ゴムなど
のゴム系素材あるいは表面の摩擦係数が比較的大きな合
成樹脂などが好適である。
【0010】また、前記本体部を網状体とし、この網状
体を構成する部材の外面の全部または一部に前記滑り止
め層を形成して脱落防止具とすることができる。網状体
を構成する部材としては、合成樹脂製、天然繊維製、金
属製などの線材、紐材、管材、帯材などを用いることが
でき、これらの部材の外面の全部または一部に、天然ゴ
ムや合成ゴムなどなどのゴム系素材あるいは表面の摩擦
係数が比較的大きな合成樹脂などを被覆して滑り止め層
とする。
【0011】このような構成とすることにより、前述と
同様、この脱落防止具をポケット内へ挿入し、ポケット
内の収納物とポケット内面との間に介在させれば、優れ
た脱落防止機能を発揮する。また、この脱落防止具は本
体部が網状体であるため、軽量化を図ることができ、ポ
ケット内に挿入したときも通気性が確保され、収納物が
汗で吸湿するのを防ぐことができる。
【0012】ここで、網状体の目の形状や大きさは、収
納物の種類、大きさ、滑り易さ、必要とする通気性レベ
ルなどに応じて定めることが望ましい。また、前記網状
体を補強する構造として、枠状体の内側に網状体を配設
した構造、または、枠状体の内外にわたって網状体を配
設した構造とすることができる。枠状体の内側に網状体
を配設する場合は、網状体の編み方は一般的な格子状、
斜め格子状に限らず、平行線状、放射線状、同心円状、
渦巻状、その他不規則形状に編んだものとすることがで
きる。
【0013】また前記本体部を、枠状体の内側または枠
状体の内外にわたって細長部材を並列して配設した簀の
子状体として、この簀の子状体を構成する部材の外面の
全部または一部に滑り止め層を形成して脱落防止具とす
ることもできる。簀の子状体を構成する部材としては、
前記の網状体用部材と同様なものを用いることができ、
これらの部材の外面に滑り止め層を形成する。この場合
も、本体部を網状体とした場合と同様な脱落防止機能を
得ることができる。
【0014】さらに、ポケットの内面を構成する素材よ
り摩擦係数の大きな素材を、ポケットの内部に収容可能
な大きさの扁平形状に形成したものをもって、本発明の
ポケット収納物脱落防止具とすることもできる。この脱
落防止具の材質としては、天然ゴムや合成ゴムなどのゴ
ム系素材あるいは表面の摩擦係数が比較的大きな合成樹
脂などが好適である。この脱落防止具の表面に適当数の
凹部を形成すれば、軽量化を図ることが可能であり、両
面に貫通した孔やスリットなどを設ければ軽量化ととも
に通気性を確保することが可能である。このような構成
とした場合も、前述と同様、脱落防止具をポケット内へ
挿入し、ポケット内収納物とポケット内面との間に介在
させれば、優れた収納物脱落防止機能を発揮する。
【0015】さらに、上記の脱落防止具に、電磁波を遮
蔽または吸収する機能を持たせるようにしてもよい。脱
落防止具を構成する本体部の全部または一部の部材を、
電磁波を遮蔽または吸収する機能を有する材料、たとえ
ばカーボン質の材料で製作する、あるいは、滑り止め層
の材料中に電磁波を遮蔽または吸収する機能を有する材
料を混入させるなどすることにより、脱落防止具に電磁
波を遮蔽または吸収する機能を持たせることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は第1実施形態の脱落防止具
を示す図で(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線
断面図、図2は図1の脱落防止具の使用状態を示す正面
透視図、図3(a)は図2におけるX−X線断面図、
(b)はY−Y線断面図である。
【0017】本実施形態の脱落防止具10は、図1に示
すように、ポケット内に収容可能な扁平形状の合成樹脂
製の本体部11の両面に、ポケット内面を構成する素材
より摩擦係数の大きなゴム材で形成された滑り止め部1
2が被覆されている。
【0018】この脱落防止具10を使用する場合、図2
に示すように、脱落防止具10を衣服のポケット13内
へ挿入し、ポケット収納物の一つである携帯電話14と
ポケット13内面との間に介在させると、脱落防止具1
0の片面の滑り止め部12と携帯電話14との間、およ
び脱落防止具10の他面の滑り止め部12とポケット1
3内面との間に、携帯電話14がポケット13内面に直
接触れたときに生じる摩擦力より大きな摩擦力が発生す
るため、挨拶などで前屈姿勢をとったり、階段を駆け上
がったり、乗り物で移動中に大きな振動や揺動を受けた
りしても、携帯電話14がポケット13から離脱するこ
とがなく、優れた収納物脱落防止機能を発揮する。
【0019】また、ポケット13内の携帯電話14は、
脱落防止具10によって身体側寄りの直立状態に保持さ
れるので、必要なときにポケット13から取出し易くな
るほか、着信時のバイブレーションが感知しやすくな
る。
【0020】このように、脱落防止具10はポケット1
3内へ挿入するだけで使用できるので、既存のポケット
13に加工を施す必要がなく、使い方は簡単であり、携
帯電話14の出し入れもスムーズに行うことができる。
本実施形態ではポケット13の収納物として携帯電話1
4を例にして説明しているが、手帳、ペン、タバコ、ラ
イターなどの物品を収納した場合でも同様の脱落防止機
能を発揮する。また、脱落防止具10は、衣服のポケッ
ト13に限らず、カバン、バッグ類のポケットにも使用
可能である。
【0021】本実施形態では、本体部11は合成樹脂製
であるが、布材、不織布材、紙材、ゴム材、金属材など
で形成してもよく、滑り止め部12はゴム系素材のほか
表面の摩擦係数が比較的大きな合成樹脂などが好適であ
る。
【0022】次に図4を参照して、第2実施形態の脱落
防止具20について説明する。脱落防止具20は、ポケ
ット内に収容可能なシート形状の合成樹脂製の本体部2
1の両面に、ポケット内面を構成する素材より摩擦係数
の大きなゴム材で形成された直線状の滑り止め部22が
並列状態に付設されている。
【0023】このような構成とすることにより、前述し
た脱落防止具10と同様の機能、効果を発揮するが、複
数の滑り止め部22を並列配置することにより、軽量化
を図ることができる。なお、滑り止め部22の幅や配列
間隔は、ポケット収納物の種類などに応じて任意に設定
することができる。また、本体部21、滑り止め部22
の材質については、脱落防止具10と同様の素材を採用
することができる。
【0024】次に図5を参照して、第3実施形態の脱落
防止具30について説明する。脱落防止具30は、ポケ
ット内に収容可能なシート形状の合成樹脂製の本体部3
1の両面に、ポケット内面を構成する素材より摩擦係数
の大きなゴム材で形成された点状の滑り止め部32が縦
横に多数付設されている。
【0025】このような構成とすることにより、前述し
た脱落防止具10と同様の機能、効果を発揮するが、点
状の滑り止め部32を付設することにより、脱落防止具
20よりさらに軽量化を図ることができる。なお、滑り
止め部32の外径、配列間隔、配列形態、配列個数など
は、ポケット収納物の種類などに応じて任意に設定する
ことができ、本体部31、滑り止め部32の材質につい
ても、脱落防止具10と同様の素材を採用することがで
きる。
【0026】次に図6を参照して、第4実施形態の脱落
防止具40について説明する。本実施形態の脱落防止具
40は、ポケット内に収容可能な扁平形状であって、ポ
ケット内面を構成する素材より摩擦係数の大きなゴム材
で形成された本体部41に、多数の貫通孔42が形成さ
れている。
【0027】このような構成とすることにより、前述し
た脱落防止具10と同様の機能、効果を発揮するが、ゴ
ム製の本体部41に貫通孔42を形成しただけのシンプ
ルな構造であるため、製作が簡単である。また、多数の
貫通孔42を設けることにより、通気性を確保すること
ができるので、ポケット収納物が汗などで吸湿するのを
防止できるほか、軽量化を図ることができる。なお、貫
通孔42の内径、配列間隔、配列形態、配列個数など
は、ポケット収納物の種類などに応じて任意に設定する
ことができる。
【0028】次に図7を参照して、第5実施形態の脱落
防止具50について説明する。脱落防止具50は、ポケ
ット内に収容可能な枠状体51の内側に、滑り止め用の
網状体52が配置されている。網状体52は、ポケット
内面を構成する素材より摩擦係数の大きな滑り止め材5
3で外周が被覆された線材54を縦横に編むことによっ
て形成されている。
【0029】このような構成とすることにより、前述し
た脱落防止具10と同様の機能、効果を発揮するが、枠
状体51の内側に網状体52を配置した構造であるた
め、軽量化を図ることができ、ポケット内に挿入したと
きも通気性が確保され、ポケット収納物が汗で吸湿する
のを防ぐことができる。なお、枠状体51なしの網状体
52のみの構造、あるいは芯材としての線材54なしの
滑り止め材53のみで形成した網状体を枠状体51の内
側に配置した構造とすることもできる。また、枠状体5
1の内側に網状体52を配置するのでなく、幅狭に形成
した枠状体の両側にわたって網状体52を配置する構造
とすることもできる。
【0030】次に図8を参照して、第6実施形態の脱落
防止具60について説明する。脱落防止具60は、ポケ
ット内に収容可能な枠状体61の内側に、滑り止め用の
帯材62が並列状態に複数配置されている。帯材62
は、帯状芯材64の外周を、ポケット内面を構成する素
材より摩擦係数の大きな滑り止め材63で被覆すること
によって形成されている。
【0031】このような構成とすることにより、前述し
た脱落防止具10と同様の機能、効果を発揮するが、枠
状体61の内側に複数の帯材62を並列配置した構造で
あるため、軽量化を図ることができ、ポケット内に挿入
したときも通気性が確保され、ポケット収納物が汗で吸
湿するのを防ぐことができる。
【0032】
【発明の効果】本発明により、以下に示す効果を奏す
る。
【0033】(1)ポケットの内部に収容可能な大きさ
の板状体の表面に、ポケットの内面を構成する素材より
摩擦係数の大きな素材からなる滑り止め層を形成して脱
落防止具とすることにより、この脱落防止具をポケット
内へ挿入し、ポケット内の収納物とポケット内面との間
に介在させれば、収納物と脱落防止具の片面との間およ
び脱落防止具の他面とポケット内面との間に、収納物が
ポケット内面に直接触れたときに生じる摩擦力より大き
な摩擦力が発生するため、収納物がポケットから脱落し
にくくなり、脱落防止機能を発揮する。この脱落防止具
はポケット内へ挿入するだけで使用できるので、既存の
ポケットに加工を施す必要がなく、使い方は簡単であ
り、物品の出し入れもスムーズに行うことができる。
【0034】(2)ポケットの内部に収容可能な大きさ
の網状体の表面に、ポケットの内面を構成する素材より
摩擦係数の大きな素材からなる滑り止め層を形成して脱
落防止具とすることにより、この脱落防止具をポケット
内へ挿入し、ポケット内の収納物とポケット内面との間
に介在させれば、優れた脱落防止機能を発揮する。この
脱落防止具は本体部が網状体であるため、軽量化を図る
ことができ、ポケット内に挿入したときも通気性が確保
され、収納物が汗で吸湿するのを防ぐことができる。
【0035】(3)ポケットの内面を構成する素材より
摩擦係数の大きな素材を、ポケットの内部に収容可能な
大きさの扁平形状に形成して脱落防止具とすることによ
り、前述と同様、脱落防止具をポケット内へ挿入し、ポ
ケット内収納物とポケット内面との間に介在させれば、
優れた収納物脱落防止機能を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は第1実施形態の脱落防止具を示す正
面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図2】 図1の脱落防止具の使用状態を示す正面透視
図である。
【図3】 (a)は図2のX−X線断面図、(b)は図
2のY−Y線断面図である。
【図4】 (a)は第2実施形態の脱落防止具を示す正
面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図5】 (a)は第3実施形態の脱落防止具を示す正
面図、(b)は(a)のC−C線断面図である。
【図6】 (a)は第4実施形態の脱落防止具を示す正
面図、(b)は(a)のD−D線断面図である。
【図7】 (a)は第5実施形態の脱落防止具を示す正
面図、(b)は(a)のE−E線断面図、(c)は
(a)の部分拡大図である。
【図8】 (a)は第6実施形態の脱落防止具を示す正
面図、(b)は(a)のF−F線断面図、(c)は
(a)の部分拡大図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50,60 脱落防止具 11,21,31,41 本体部 12,22,32 滑り止め部 13 ポケット 14 携帯電話 42 貫通孔 51,61 枠状体 52 網状体 53,63 滑り止め材 54 線材 62 帯材 64 帯状芯材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポケットの内部に収容可能な大きさの扁
    平形状の本体部の表面に、前記ポケットの内面を構成す
    る素材より摩擦係数の大きな素材からなる滑り止め層を
    形成したことを特徴とするポケット収納物脱落防止具。
  2. 【請求項2】 前記本体部が板状体であり、板状体の片
    面または両面の全面または一部に前記滑り止め層を形成
    した請求項1記載のポケット収納物脱落防止具。
  3. 【請求項3】 前記本体部が網状体であり、網状体を構
    成する部材の外面の全部または一部に前記滑り止め層を
    形成した請求項1記載のポケット収納物脱落防止具。
  4. 【請求項4】 前記網状体を枠状体の内側または枠状体
    の内外にわたって配設した請求項3記載のポケット収納
    物脱落防止具。
  5. 【請求項5】 前記本体部が枠状体の内側または枠状体
    の内外にわたって細長部材を並列して配設した簀の子状
    体であり、簀の子状体を構成する部材の外面の全部また
    は一部に前記滑り止め層を形成した請求項1記載のポケ
    ット収納物脱落防止具。
  6. 【請求項6】 ポケットの内面を構成する素材より摩擦
    係数の大きな素材を、ポケットの内部に収容可能な大き
    さの扁平形状に形成したことを特徴とするポケット収納
    物脱落防止具。
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